JP2004157316A - 電子写真装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】高分子結着樹脂を含有する電荷輸送層を有する電子写真感光体、およびクリーニングブレードを有する電子写真装置において、有機感光体の構成の観点から感光体の高耐久化と各種クリーニング特性とを両立させた手段を提供する。
【解決手段】少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に関し、詳しくは、高耐久な電荷輸送層を有する電子写真感光体およびその周囲の構成要素に関し、更に詳しくは、電荷輸送層を構成する樹脂の分子量と膜厚プロフィールに関する。また、本発明は、該電子写真装置に用いるプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は、画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化し、かつ、暗所では絶縁性の物質をコーティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめること、などが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来より電子写真感光体としてはセレン、酸化亜鉛や硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかし、これらは前記(1)〜(3)の条件は満足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性や生産性において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体(有機感光体)の開発が近年盛んに行われている。例えば、トリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体(特許文献2参照)、またペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光体等(特許文献3参照)が公知である。
【0005】
これら有機光導電性化合物を用いた有機感光体は、電気的、機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
【0006】
特に、繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面にはコロナまたは直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程および表面クリーニングなどの電気的および機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
【0007】
具体的には帯電時のオゾンや窒素酸化物による化学的劣化や、帯電時の放電やクリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化および電気的劣化に対する耐久性が求められている。
【0008】
特に、無機感光体と異なり物質的に柔らかいものが多い有機感光体は、機械的劣化に対する耐久性が劣るため、最近では樹脂の種類や置換基のタイプや分子量、また電荷輸送物質との組み合せ効果などの検討が進んでいる。
【0009】
更に、近年、帯電部材に直接電圧をかけて電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が主流となりつつある(例えば、特許文献4、5参照)。
【0010】
これは、導電ゴムなどで構成されたローラー状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印加する方法であり、スコロトロンなどに比べ、オゾン発生量が格段に少ない、またスコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である、などのメリットを持つ。
【0011】
しかし、直接帯電はパッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非常に悪いという欠点を持つ。この対策として直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0012】
この帯電方式により帯電時の安定性は良化したが、ACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大してしまい、電子写真感光体の削れ量が増加してしまう。
【0013】
このような状況のため、有機感光体にはより高寿命を弊害なく達成する技術が求められている。
【0014】
そのため、有機感光体の表面に光や化学的な作用によりモノマーを硬化させた高硬度の層を形成する、鎖状の熱可塑性樹脂を高分子量化して摩耗に強くする、電荷輸送物質を削れにくい構造にする、移動度をアップして電荷輸送物質の含有率を下げて結着樹脂の構成比率を上げて機械的強度をアップする、潤滑性あるいは高硬度微粒子を含有させて機械強度をアップする、などの方法が考案されている。この中でも鎖状熱可塑性樹脂の高分子量化は、不純物が残留しない、新たな構成成分の追加がないなど、他の電子写真特性を変えることなく感光体の耐削れ性をアップできる可能性が高い。
【0015】
しかし、従来より高分子量の鎖状熱可塑性樹脂を用いて電荷輸送層の塗布液を調製し、塗布し、乾燥して電子写真感光体を作成した場合、クリーニング不良(ブレード欠けに起因する不良画像、特に高温高湿環境下)やトナー漏れなどの不具合の発生頻度が増加する。
【0016】
具体的には、感光体上に残余するトナーを除去するためにブレードクリーニング方式を用いた場合における、クリーニング不良(現像剤であるトナーが感光体から十分除去されないため、次工程の画像形成の際も画像上に現れる不良)やブレード部材の破損(欠けなど)等であり、場合によってはブレードからのトナー漏れも起こる。これらはブレード材質がウレタンなどのゴムであるため、物性(弾性や粘性など)が温湿度に依存し、また感光体との相互作用は感光体の表面の材質に依存するためと考えられる。
【0017】
ブレードクリーニング方式は安価で汎用のクリーニング方式である反面、装置の高速(プロセススピード)化に伴い、ブレードクリーニングではクリーニング性能を維持するのは難しくなってきている。そのため、ブレードの側面からはブレードの材質や形状、システムの側面からはクリーニング補助手段を工夫しなければ、低温〜高温および低湿〜高湿のあらゆる環境で良好なクリーニング性能を維持することは難しくなってくる。
【0018】
また、AC/DC重畳の直接帯電方式の電子写真装置において、高分子量の鎖状熱可塑性樹脂を用いて電荷輸送層の塗布液を調製し、塗布し、乾燥して作成した電子写真感光体を装着して感光体の寿命(耐刷枚数)を調べると、どうしても一部の部位から不良画像(反転現像の場合は黒スジ画像)が発生し、装置の稼動が進むにつれてそのレベルが悪化し、回復することがない。この時、感光体表面の大半の部位の電荷輸送層膜厚は感光体寿命を迎えるには十分余裕のある(厚い)膜厚を保持しており、電荷輸送層の膜厚を十分使い切れない(即ち、実際は高耐久感光体となっていない)、という問題がある。
【0019】
【特許文献1】
米国特許第2297691号公報
【特許文献2】
米国特許第3837851号公報
【特許文献3】
米国特許第3871880号公報
【特許文献4】
特開昭57−17826号公報
【特許文献5】
特開昭58−40566号公報
【特許文献6】
特開昭63−149668号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、高分子結着樹脂を含有する高耐久な電荷輸送層を有する電子写真感光体、およびクリーニング部材としてクリーニングブレードを有する電子写真装置において、有機感光体の構成の観点から感光体の高耐久化と各種クリーニング特性とを弊害なく両立させた手段、および該電子写真装置に用いるプロセスカートリッジを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成を採ることによって達成される。
【0022】
(1)少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。
(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
【0023】
(2)前記(1)に記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、および転写工程後の感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明の電子写真感光体の構成は広く一般的にみられる電荷発生層と電荷輸送層とに機能を分離させた積層型有機感光体である。積層型について限定する理由は、機能を分離し、電荷輸送層を設けることで、電荷輸送層を表面層としてクリーニングブレード部材を当接する電子写真装置の構成下で高耐久化と高安定化に絞った構成にできるからである。
【0026】
電荷輸送層に結着樹脂として含有させる鎖状熱可塑性樹脂の例としては、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレン−アクリルニトリル樹脂などが挙げられるが、耐刷性からポリカーボネート、ポリアリレート樹脂およびこれらを共重合させたものなどが好ましい。
【0027】
このような樹脂と電荷輸送物質(と必要に応じて添加される添加剤)を溶媒に溶解させ、浸漬塗布などの方法で溶液塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成する。この時、結着樹脂の分子量を大きくするにしたがい、電荷輸送層の摩耗(膜厚の減少)が低減されて高耐久化される反面、粘度平均分子量が5万以上になってくるとクリーニング性が低下する場合があり、低下した場合にはクリーニングブレードの欠けやそれに起因する画像不良やトナー漏れが発生する。
【0028】
まず、高分子量の結着樹脂を用いた場合にクリーニング不良の頻度が増大する理由は、(1)高分子量に起因して削れ性が低減されるため、感光体の駆動に伴いブレードに蓄積される応力が増加すること、(2)削れ難い表面層であるために、感光体の帯電に伴い表面層に生成する酸化劣化部位が増えることにより、感光体表面−ブレード間の凝着力がアップすること、が考えられるが、粘度平均分子量が5万以上、更に7万以上で更に不具合が頻発する理由は特定されていない。
【0029】
これらが組み合わされてブレードエッジ部の局部に応力が集中する頻度が上がり、部分的な変形や破損が起こり易くなり、これが不具合に繋がるものと考えられる。
【0030】
本発明では、電荷輸送層の膜厚プロフィールを下記式(1)に示されるような特定の形状とすることで、高分子量の鎖状熱可塑性樹脂を電子写真感光体の電荷輸送層の結着樹脂として用い、感光体の高寿命化をクリーニングの弊害なく達成するに至った。
(塗布開始位置から7mm位置の膜厚) ≧ (塗布中央部の膜厚)×0.75
:式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
【0031】
このように、電荷輸送層の膜厚プロフィールが式(1)を満足する(塗布開始位置から7mm位置の膜厚が中央の膜厚の75%以上の)感光体は、塗布開始位置から塗布終了位置まで概ね平滑な形状を持つため、ブレード形状のクリーニング部材(ブレードは一般にゴム製)が当接した場合に、当接圧力やブレードの当接領域がブレード全体にわたって一様であるため、クリーニング不良が起こり難く、また温湿度が変化してブレードの物性が少々変化しても、その効果が電荷輸送層の結着樹脂が高分子量化された系まで及ぶものと考えられる。また、高耐久の特性も併せて付与するための中央部の膜厚は、22μm以上である。
【0032】
更に、最近はコロナ帯電に替わって小型電子写真装置に搭載される機会が増えてきた直接帯電方式において、直流電圧に交流電圧を重畳するAC/DC重畳方式の場合、高速/高耐久の電子写真装置においても安定した帯電を維持するためには交流電流を多く流す必要がある。その結果、感光体を駆動するトルクがアップし、ブレード内に蓄積される応力が大きくなる。このように、クリーニング不良やブレードが欠け等の不具合(結果として紙上の画像やトナー漏れ等の不具合)の頻度がAC/DC直接帯電方式の搭載によっても増加する。
【0033】
これらの不具合は交流電流を多く流す程顕著に表れ、その理由は交流電流の電気的負荷により感光体の電荷輸送層表面の酸化劣化が促進されるために、ウレタンやポリアミド表面のブレードと稼動中の有機感光体表面との間に働く凝着性が増すためと考えられる。不具合が2.4mAを超えると顕著になる理由は、表面層の物性との相乗効果も考えられるが現時点では明確には特定されていない。
【0034】
しかし、2.4mAを超える交流電流印加条件下においても、電荷輸送層の表面形状が式(1)を満たす場合にはブレードの感光体上の当接部位に働く応力が一様なために、応力集中に起因するブレードの欠けや破損の頻度が格段に減少する。
【0035】
式(1)の0.75(中央部の75%)に平滑さの閾値が存在するのは検討結果によるものであり、理論的な裏づけはされていない。
【0036】
また、AC/DC重畳の直接帯電系においては、式(1)を満たす場合は別の効果として、満たさない(0.75よりも小さい膜厚の)感光体よりも寿命までの耐刷枚数が多い(長寿命である)。その理由は、AC/DC帯電下では感光体が帯電される際、絶縁層(主たる構成は電荷輸送層)の薄い部位ほど電流値が大きくなるため、厚い部位より削れ量が増加し、いち早く帯電不良(反転画像では黒スジ)が発生するためである。したがって、膜厚に一様性を欠くと、一番膜厚の薄い部位が感光体の寿命を決定するため、どんなに他の部位に十分膜厚が残存していても不良画像は発生してしまう。
【0037】
このような状況の下、式(1)のように一様な電荷輸送層膜厚を形成した場合には、AC/DC帯電下でも一様に削れるために寿命はほぼ、中央部の残存膜厚に依存する。その結果、同じ塗布中央膜厚を有する感光体であれば、一部の部位の電荷輸送層の膜厚が薄い式(1)から外れる感光体より、式(1)を満たす感光体の方が長寿命感光体となる。
【0038】
更に、完璧に中央部の電荷輸送層の膜厚に忠実な寿命を有する感光体を得るためには、電荷輸送層の膜厚が下記式(2)を満たせばよいが、塗布方法に制約が増えるため、実施は難しい。
【0039】
(塗布開始位置から7mm位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.80 :式(2)
【0040】
本発明においては、式(1)を満たすような塗布開始付近と塗布中央部の電荷輸送層の膜厚差が小さい感光体を作成するために、電荷輸送層塗布液の溶液粘度、溶剤構成や塗布スピード等のパラメーターを最適化している。
【0041】
具体的には、溶液粘度が高い、また塗布スピードが速い等は、膜厚が厚くなる方向である反面、塗布開始位置近傍と塗布中央部(塗布開始と塗布終了位置の中間位置)の膜厚差が大きくなる場合があるので、そうした場合には、低沸点の溶媒を含有させたり、溶媒濃度を下げ、かつ、塗布開始位置での塗布スピードを塗布中央部に比べて大きく設定し塗布開始付近以外はあまり塗布スピードを速くしない、などして対策すると効果的となる。
【0042】
式(1))において、塗布開始から7mmと中央の位置(塗布開始と塗布終了位置の中間を含むおよそ50mmの幅の領域)で膜厚を規定する理由は、数十ミクロンオーダーの膜を有機物/有機溶媒に溶解させて塗布する場合には、7mm近傍の膜厚が塗布中央部に対してどれだけ確保されているか、でほぼ一義的に電荷輸送層の塗布開始〜終了位置までの膜厚の一様性が特定できるからである。このことは、過去のシリンダ形状の感光体の製造実績から得られた知見である。
【0043】
以上のように、式(1)の電荷輸送層を実現することは、結着樹脂が高分子量化するに従って溶媒濃度をアップしなければならず、また、電荷輸送層の膜厚を厚くするに従って難しくなるため、各種の手段(溶液構成、塗布方法など)を組み合わせて実施する必要がある。しかし、削れにくい高分子結着樹脂で膜厚が厚くなり、帯電やクリーニングの頻度が増加するほど、式(1)を満たすことによる効果が大きくなる。
【0044】
なお、電荷輸送層の物性をコントロールするために鎖状熱可塑性樹脂を複数種混合して用いる場合には、該当する各々の樹脂の分子量と構成比率に基づいて、樹脂全体の粘度平均分子量を導く。
【0045】
本発明においては、樹脂と非樹脂の区別は、粘度平均分子量が1万以上を樹脂、1万未満を非樹脂としている。
【0046】
なお、粘度平均分子量は極限粘度[η]から求められる値で、特開平3−63653号公報にも記載されている。
【0047】
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0048】
本発明における電子写真感光体として、電荷輸送層と電荷発生層に分離した積層型で、表面層は電荷輸送層であるものについて説明するが、本発明を踏襲する形で電荷輸送層の上に薄い(0.5〜5μm程度の膜厚)保護層を設けてもよい。
【0049】
使用する導電性支持体(基体)は導電性を有するものであればよく、アルミニウムおよびステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、紙およびプラスチックなどが挙げられ、形状はシート状や円筒状などが挙げられる。
【0050】
支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これはカーボンブラックや金属粒子などの導電性粉体を結着樹脂に分散させて形成することができる。また、支持体の傷の被覆の他に、レーザー露光時の光の干渉が画像に濃度ムラとなって現れないように支持体表面を適度に機械的に粗らしてもよい。
【0051】
その上に接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタンおよびポリエーテルウレタンなどが挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.3〜1μmである。
【0052】
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生層としては、電荷発生物質および結着樹脂を溶剤中に分散させた塗料を塗工し、乾燥して形成する。機能分離型の場合、電荷発生層は電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散する。ここで用いる電荷発生物質としてはピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドンおよび非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニルデン、ポリビニルベンザール樹脂およびポリブチラール樹脂などが主として用いられる。顔料と結着樹脂の比率は、質量基準で1/0.1〜1/10が好ましく、より好ましくは1/1〜3/1である。分散液を塗布し、乾燥させて形成される電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.1〜2μmである。
【0053】
電荷輸送層は主として電荷輸送物質と本発明に基づく鎖状熱可塑性樹脂とをこれらを溶解させる適当な溶媒に溶解させた塗料を塗工し、乾燥して形成する。 電荷輸送層は主として電荷輸送物質と本発明に基づく鎖状熱可塑性樹脂とをこれらを溶解させる適当な溶媒に溶解させた塗料を塗工し、乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物およびチアゾール系化合物などの低分子化合物が挙げられる。電荷輸送層の結着樹脂(鎖状熱可塑性樹脂)としてはポリカーボネートやポリアリレート樹脂の他に、例えば、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂およびスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等があり、これらを混合して用いてもよい。電荷輸送物質は質量基準で0.5〜2倍量の結着樹脂と組み合わされ塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成する。一般に、電荷輸送層の好ましい膜厚は5〜40μmであるが、本発明の課題をより効果的に解決できる膜厚は22μm以上の場合である。。
【0054】
また、本発明において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレートやジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して30質量%程度以下が好ましい。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂に対して1質量%以下が好ましい。
【0055】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度の低下および残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
【0056】
好ましく用いられる化合物の例としては、例えばヒンダードアミン構造単位もしくはヒンダードフェノール構造単位を有するもの、あるいはその双方を有するもの、有機リン系化合物、有機硫黄系化合物、ハイドロキノン系化合物およびフェニルアミン系化合物等があるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100質量部に対して0.1〜100質量部、好ましくは2〜30質量部である。
【0058】
次に、電子写真感光体の近傍の構成について説明する。
【0059】
図2に接触帯電方式の電子写真装置の一例を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンタであり、1の感光体、2の帯電ローラー、4の現像器と8のクリーニングブレードが9のプロセスカートリッジ枠体の中に組み込まれたカートリッジ方式の場合の例である。このプロセスカートリッジはカートリッジガイド10を用いて電子写真装置本体に着脱自在である。
【0060】
1は本発明の対象となっている電子写真感光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は矢印の時計方向に所定の周速度(≒プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0061】
2は帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラーである。この帯電ローラー2は該帯電ローラーに圧接した感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電源(不図示)からAC電圧を重畳されたDC電圧が印加される。この帯電ローラー2により感光体1の周面が所定の極性/電位に一様に帯電される。その感光体1の帯電処理面に不図示の露光手段(レーザービームスキャナなど)により目的画像情報の露光3がなされて感光体1面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
【0062】
その形成静電潜像は現像器4内の荷電粒子(トナー)で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)として顕画化される。
【0063】
次いでそのトナー像は感光体1と該感光体に圧接している転写ローラー5との間に給送された用紙6に転写される。この時、転写ローラー5にはバイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。
【0064】
トナー像転写を受けた用紙6は感光体1面から分離されて定着ローラーー7へ搬送されてトナー像の定着処理を受ける。
【0065】
トナー像転写後の感光体1面はクリーナー(クリーニングブレード)8により転写残りトナーなどの付着物の除去を受け、全工程を終了する。
【0066】
【実施例】
以下、実施例に従って説明する。実施例中、「部」は質量部を表す。
【0067】
(実施例1)
常温/常湿下で、30φ358mmの洗浄済み鏡面仕上げのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
【0068】
次に、この上にNメトキシメチル化ポリアミド4.5部および共重合ポリアミド1.5部をメタノール65部およびnブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で塗布(塗布スピード一定)し、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0069】
次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)3.24部、下記構造式(1)のアゾキシ顔料0.36部およびポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)3部をシクロヘキサノン110部に溶解させた後に高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散した後、下記構造式(2)の硫黄系添加剤0.66部およびエチルアセテート250部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で塗布(塗布スピード一定)し、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0070】
【化1】
【0071】
【化2】
【0072】
次に、下記構造式(3)
【0073】
【化3】
の電荷輸送物質8部および下記構造式(4)のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=5.2万)10部とをジメトキシメタン25部およびモノクロロベンゼン45部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0074】
【化4】
【0075】
この塗料で浸漬法で塗布(塗布速度は図1参照、なお、アルミニウムシリンダー上端の非塗布幅は2mmとした)し、120℃で1時間乾燥して下記表1の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した(塗布中央部は塗布開始位置から178mm位置)。
【0076】
なお、塗布開始位置から7mmの位置の膜厚は18.7μmで、塗布中央部の24.4μmの77%であった。
【0077】
【表1】
【0078】
次に、評価機について説明する。
【0079】
装置はキヤノン(株)製LBP−950およびそのプロセスカートリッジを用いた。
【0080】
評価はまず、このプロセスカートリッジに本発明の電子写真感光体とキヤノン(株)製LBP−870のプロセスカートリッジ(商品名:EP−62)の帯電ローラーを装着した後、30℃/70%RHの温湿度環境下で印字率3%程度の文字画像でA4紙を1枚出力後に5秒休止し、しかる後に再び出力動作を繰り返す間欠モードで2万枚(片面プリント)出力して、初期から評価終了時にわたって不良画像が発生しないか、および、プロセスカートリッジを分解してクリーニングブレードに異常がないか外観(破損の有無)を確認し、また、初期と評価終了時の感光体の膜厚(ドラム上端から25mm位置)を測定した。これらの結果を表8に示した。
【0081】
(実施例2)
電荷発生層の形成までは実施例1と同様に行った。
【0082】
次に、前記構造式(3)の電荷輸送物質8部および構造式(4)のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=7.1万)10部とをジメトキシメタン29部およびモノクロロベンゼン53部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0083】
この塗料を実施例1と同様に塗布し、乾燥して、下記表2の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した。
【0084】
なお、塗布開始位置から7mmの膜厚は17.9μmで、塗布中央部の22.8μmの79%であった。
【0085】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0086】
【表2】
【0087】
(実施例3)
電荷輸送層の塗布液の溶媒構成をジメトキシメタン25部およびモノクロロベンゼン40部に替えた以外は実施例1と同様にして、下記表3の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した電子写真感光体を作成した。
【0088】
なお、電荷輸送層の塗布開始位置から7mmの位置の膜厚は22.8μmで、塗布中央部の30.3μmの75%であった。
【0089】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0090】
【表3】
【0091】
(実施例4)
電荷輸送層の塗布液の溶媒構成をジメトキシメタン25部およびモノクロロベンゼン57部に替えた以外は実施例2と同様にして、下記表4の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した電子写真感光体を作成した。
【0092】
なお、電荷輸送層の塗布開始位置から7mmの位置の膜厚は17.4μmで、塗布中央部の23.2μmの75%であった。
【0093】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0094】
【表4】
【0095】
(比較例1)
電荷輸送層の塗布液構成の内、溶媒のジメトキシメタン30部およびモノクロロベンゼン52部に替え、かつ、塗布スピードを一定にしたこと以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成し、評価した結果を表8に示した。
【0096】
このときの電荷輸送層の膜厚は下記表5のようなプロフィールであった
なお、電荷輸送層の塗布開始位置から7mmの膜厚は17.1μmで、塗布中央部の23.5μmの73%であった。
【0097】
【表5】
【0098】
(比較例2)
電荷発生層の形成までは実施例1と同様に行った。
【0099】
次に、ポリカーボネート樹脂をポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=4.0万)に替えた以外は実施例1と同様に電荷輸送層を作成し、下記表6の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した。
【0100】
なお、塗布開始位置から7mmの膜厚は17.8μmで、塗布中央部の23.4μmの76%であった。
【0101】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0102】
【表6】
【0103】
(実施例5)
実施例2の評価機の一次帯電のAC電流量を2500μAにアップした。
【0104】
それ以外は実施例2に同じ電子写真感光体と評価方法を用いて評価した結果を表8に示した。
【0105】
(比較例3)
比較例1の評価機の一次帯電のAC電流量を2500μAにアップした。
【0106】
それ以外は比較例1に同じ電子写真感光体と評価方法を用いて評価した結果を表8に示した。
【0107】
(実施例6)
実施例1の電荷輸送層のポリカーボネート樹脂10部を下記式(5)のポリアリレート樹脂9部(粘度平均分子量:Mv=5.5万)と下記式(6)のシリコーン変成共重合ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=5.2万)1部の合計10部に替え、かつ、溶媒組成をジメトキシメタン29部およびモノクロロベンゼン53部に替えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した結果を表8に示した。
【0108】
このときの電荷輸送層は下記表7のようなプロフィールであり、また、塗布開始位置から7mmの膜厚は19.8μmで、塗布中央部の25.7μmの77%であった。
【0109】
【化5】
【0110】
【化6】
【0111】
【表7】
【0112】
【表8】
【0113】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する。
【0114】
[実施態様1]
少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。
(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
[実施態様2]
前記電荷輸送層に含有される結着樹脂の粘度平均分子量が7万以上である実施態様1に記載の電子写真装置。
【0115】
[実施態様3]
前記電荷輸送層の膜厚が30μm以上である実施態様1または2に記載の電子写真装置。
【0116】
[実施態様4]
前記電子写真感光体の帯電方式が直流電圧と交流電圧を重畳する直接帯電方式であり、かつ、該交流電流が2.4mA以上である実施態様1乃至3のいずれかに記載の電子写真装置。
【0117】
【発明の効果】
本発明は、クリーニング部材としてクリーニングブレードを具備する電子写真装置において、電子写真感光体の電荷輸送層に高分子結着剤を含有させた場合に顕著なクリーニング不良を改良できただけでなく、更に、感光体の高耐久化も達成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布スピードの設定を示す図である。
【図2】本発明の電子写真装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラー
3 像露光
4 現像器
5 転写ローラー
6 用紙
7 定着ローラー
8 クリーニングブレード
9 カートリッジ枠体
10 カートリッジガイド
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に関し、詳しくは、高耐久な電荷輸送層を有する電子写真感光体およびその周囲の構成要素に関し、更に詳しくは、電荷輸送層を構成する樹脂の分子量と膜厚プロフィールに関する。また、本発明は、該電子写真装置に用いるプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は、画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化し、かつ、暗所では絶縁性の物質をコーティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめること、などが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来より電子写真感光体としてはセレン、酸化亜鉛や硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかし、これらは前記(1)〜(3)の条件は満足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性や生産性において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体(有機感光体)の開発が近年盛んに行われている。例えば、トリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体(特許文献2参照)、またペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光体等(特許文献3参照)が公知である。
【0005】
これら有機光導電性化合物を用いた有機感光体は、電気的、機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
【0006】
特に、繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面にはコロナまたは直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程および表面クリーニングなどの電気的および機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
【0007】
具体的には帯電時のオゾンや窒素酸化物による化学的劣化や、帯電時の放電やクリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化および電気的劣化に対する耐久性が求められている。
【0008】
特に、無機感光体と異なり物質的に柔らかいものが多い有機感光体は、機械的劣化に対する耐久性が劣るため、最近では樹脂の種類や置換基のタイプや分子量、また電荷輸送物質との組み合せ効果などの検討が進んでいる。
【0009】
更に、近年、帯電部材に直接電圧をかけて電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が主流となりつつある(例えば、特許文献4、5参照)。
【0010】
これは、導電ゴムなどで構成されたローラー状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印加する方法であり、スコロトロンなどに比べ、オゾン発生量が格段に少ない、またスコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である、などのメリットを持つ。
【0011】
しかし、直接帯電はパッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非常に悪いという欠点を持つ。この対策として直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0012】
この帯電方式により帯電時の安定性は良化したが、ACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大してしまい、電子写真感光体の削れ量が増加してしまう。
【0013】
このような状況のため、有機感光体にはより高寿命を弊害なく達成する技術が求められている。
【0014】
そのため、有機感光体の表面に光や化学的な作用によりモノマーを硬化させた高硬度の層を形成する、鎖状の熱可塑性樹脂を高分子量化して摩耗に強くする、電荷輸送物質を削れにくい構造にする、移動度をアップして電荷輸送物質の含有率を下げて結着樹脂の構成比率を上げて機械的強度をアップする、潤滑性あるいは高硬度微粒子を含有させて機械強度をアップする、などの方法が考案されている。この中でも鎖状熱可塑性樹脂の高分子量化は、不純物が残留しない、新たな構成成分の追加がないなど、他の電子写真特性を変えることなく感光体の耐削れ性をアップできる可能性が高い。
【0015】
しかし、従来より高分子量の鎖状熱可塑性樹脂を用いて電荷輸送層の塗布液を調製し、塗布し、乾燥して電子写真感光体を作成した場合、クリーニング不良(ブレード欠けに起因する不良画像、特に高温高湿環境下)やトナー漏れなどの不具合の発生頻度が増加する。
【0016】
具体的には、感光体上に残余するトナーを除去するためにブレードクリーニング方式を用いた場合における、クリーニング不良(現像剤であるトナーが感光体から十分除去されないため、次工程の画像形成の際も画像上に現れる不良)やブレード部材の破損(欠けなど)等であり、場合によってはブレードからのトナー漏れも起こる。これらはブレード材質がウレタンなどのゴムであるため、物性(弾性や粘性など)が温湿度に依存し、また感光体との相互作用は感光体の表面の材質に依存するためと考えられる。
【0017】
ブレードクリーニング方式は安価で汎用のクリーニング方式である反面、装置の高速(プロセススピード)化に伴い、ブレードクリーニングではクリーニング性能を維持するのは難しくなってきている。そのため、ブレードの側面からはブレードの材質や形状、システムの側面からはクリーニング補助手段を工夫しなければ、低温〜高温および低湿〜高湿のあらゆる環境で良好なクリーニング性能を維持することは難しくなってくる。
【0018】
また、AC/DC重畳の直接帯電方式の電子写真装置において、高分子量の鎖状熱可塑性樹脂を用いて電荷輸送層の塗布液を調製し、塗布し、乾燥して作成した電子写真感光体を装着して感光体の寿命(耐刷枚数)を調べると、どうしても一部の部位から不良画像(反転現像の場合は黒スジ画像)が発生し、装置の稼動が進むにつれてそのレベルが悪化し、回復することがない。この時、感光体表面の大半の部位の電荷輸送層膜厚は感光体寿命を迎えるには十分余裕のある(厚い)膜厚を保持しており、電荷輸送層の膜厚を十分使い切れない(即ち、実際は高耐久感光体となっていない)、という問題がある。
【0019】
【特許文献1】
米国特許第2297691号公報
【特許文献2】
米国特許第3837851号公報
【特許文献3】
米国特許第3871880号公報
【特許文献4】
特開昭57−17826号公報
【特許文献5】
特開昭58−40566号公報
【特許文献6】
特開昭63−149668号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、高分子結着樹脂を含有する高耐久な電荷輸送層を有する電子写真感光体、およびクリーニング部材としてクリーニングブレードを有する電子写真装置において、有機感光体の構成の観点から感光体の高耐久化と各種クリーニング特性とを弊害なく両立させた手段、および該電子写真装置に用いるプロセスカートリッジを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成を採ることによって達成される。
【0022】
(1)少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。
(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
【0023】
(2)前記(1)に記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、および転写工程後の感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明の電子写真感光体の構成は広く一般的にみられる電荷発生層と電荷輸送層とに機能を分離させた積層型有機感光体である。積層型について限定する理由は、機能を分離し、電荷輸送層を設けることで、電荷輸送層を表面層としてクリーニングブレード部材を当接する電子写真装置の構成下で高耐久化と高安定化に絞った構成にできるからである。
【0026】
電荷輸送層に結着樹脂として含有させる鎖状熱可塑性樹脂の例としては、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレン−アクリルニトリル樹脂などが挙げられるが、耐刷性からポリカーボネート、ポリアリレート樹脂およびこれらを共重合させたものなどが好ましい。
【0027】
このような樹脂と電荷輸送物質(と必要に応じて添加される添加剤)を溶媒に溶解させ、浸漬塗布などの方法で溶液塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成する。この時、結着樹脂の分子量を大きくするにしたがい、電荷輸送層の摩耗(膜厚の減少)が低減されて高耐久化される反面、粘度平均分子量が5万以上になってくるとクリーニング性が低下する場合があり、低下した場合にはクリーニングブレードの欠けやそれに起因する画像不良やトナー漏れが発生する。
【0028】
まず、高分子量の結着樹脂を用いた場合にクリーニング不良の頻度が増大する理由は、(1)高分子量に起因して削れ性が低減されるため、感光体の駆動に伴いブレードに蓄積される応力が増加すること、(2)削れ難い表面層であるために、感光体の帯電に伴い表面層に生成する酸化劣化部位が増えることにより、感光体表面−ブレード間の凝着力がアップすること、が考えられるが、粘度平均分子量が5万以上、更に7万以上で更に不具合が頻発する理由は特定されていない。
【0029】
これらが組み合わされてブレードエッジ部の局部に応力が集中する頻度が上がり、部分的な変形や破損が起こり易くなり、これが不具合に繋がるものと考えられる。
【0030】
本発明では、電荷輸送層の膜厚プロフィールを下記式(1)に示されるような特定の形状とすることで、高分子量の鎖状熱可塑性樹脂を電子写真感光体の電荷輸送層の結着樹脂として用い、感光体の高寿命化をクリーニングの弊害なく達成するに至った。
(塗布開始位置から7mm位置の膜厚) ≧ (塗布中央部の膜厚)×0.75
:式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
【0031】
このように、電荷輸送層の膜厚プロフィールが式(1)を満足する(塗布開始位置から7mm位置の膜厚が中央の膜厚の75%以上の)感光体は、塗布開始位置から塗布終了位置まで概ね平滑な形状を持つため、ブレード形状のクリーニング部材(ブレードは一般にゴム製)が当接した場合に、当接圧力やブレードの当接領域がブレード全体にわたって一様であるため、クリーニング不良が起こり難く、また温湿度が変化してブレードの物性が少々変化しても、その効果が電荷輸送層の結着樹脂が高分子量化された系まで及ぶものと考えられる。また、高耐久の特性も併せて付与するための中央部の膜厚は、22μm以上である。
【0032】
更に、最近はコロナ帯電に替わって小型電子写真装置に搭載される機会が増えてきた直接帯電方式において、直流電圧に交流電圧を重畳するAC/DC重畳方式の場合、高速/高耐久の電子写真装置においても安定した帯電を維持するためには交流電流を多く流す必要がある。その結果、感光体を駆動するトルクがアップし、ブレード内に蓄積される応力が大きくなる。このように、クリーニング不良やブレードが欠け等の不具合(結果として紙上の画像やトナー漏れ等の不具合)の頻度がAC/DC直接帯電方式の搭載によっても増加する。
【0033】
これらの不具合は交流電流を多く流す程顕著に表れ、その理由は交流電流の電気的負荷により感光体の電荷輸送層表面の酸化劣化が促進されるために、ウレタンやポリアミド表面のブレードと稼動中の有機感光体表面との間に働く凝着性が増すためと考えられる。不具合が2.4mAを超えると顕著になる理由は、表面層の物性との相乗効果も考えられるが現時点では明確には特定されていない。
【0034】
しかし、2.4mAを超える交流電流印加条件下においても、電荷輸送層の表面形状が式(1)を満たす場合にはブレードの感光体上の当接部位に働く応力が一様なために、応力集中に起因するブレードの欠けや破損の頻度が格段に減少する。
【0035】
式(1)の0.75(中央部の75%)に平滑さの閾値が存在するのは検討結果によるものであり、理論的な裏づけはされていない。
【0036】
また、AC/DC重畳の直接帯電系においては、式(1)を満たす場合は別の効果として、満たさない(0.75よりも小さい膜厚の)感光体よりも寿命までの耐刷枚数が多い(長寿命である)。その理由は、AC/DC帯電下では感光体が帯電される際、絶縁層(主たる構成は電荷輸送層)の薄い部位ほど電流値が大きくなるため、厚い部位より削れ量が増加し、いち早く帯電不良(反転画像では黒スジ)が発生するためである。したがって、膜厚に一様性を欠くと、一番膜厚の薄い部位が感光体の寿命を決定するため、どんなに他の部位に十分膜厚が残存していても不良画像は発生してしまう。
【0037】
このような状況の下、式(1)のように一様な電荷輸送層膜厚を形成した場合には、AC/DC帯電下でも一様に削れるために寿命はほぼ、中央部の残存膜厚に依存する。その結果、同じ塗布中央膜厚を有する感光体であれば、一部の部位の電荷輸送層の膜厚が薄い式(1)から外れる感光体より、式(1)を満たす感光体の方が長寿命感光体となる。
【0038】
更に、完璧に中央部の電荷輸送層の膜厚に忠実な寿命を有する感光体を得るためには、電荷輸送層の膜厚が下記式(2)を満たせばよいが、塗布方法に制約が増えるため、実施は難しい。
【0039】
(塗布開始位置から7mm位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.80 :式(2)
【0040】
本発明においては、式(1)を満たすような塗布開始付近と塗布中央部の電荷輸送層の膜厚差が小さい感光体を作成するために、電荷輸送層塗布液の溶液粘度、溶剤構成や塗布スピード等のパラメーターを最適化している。
【0041】
具体的には、溶液粘度が高い、また塗布スピードが速い等は、膜厚が厚くなる方向である反面、塗布開始位置近傍と塗布中央部(塗布開始と塗布終了位置の中間位置)の膜厚差が大きくなる場合があるので、そうした場合には、低沸点の溶媒を含有させたり、溶媒濃度を下げ、かつ、塗布開始位置での塗布スピードを塗布中央部に比べて大きく設定し塗布開始付近以外はあまり塗布スピードを速くしない、などして対策すると効果的となる。
【0042】
式(1))において、塗布開始から7mmと中央の位置(塗布開始と塗布終了位置の中間を含むおよそ50mmの幅の領域)で膜厚を規定する理由は、数十ミクロンオーダーの膜を有機物/有機溶媒に溶解させて塗布する場合には、7mm近傍の膜厚が塗布中央部に対してどれだけ確保されているか、でほぼ一義的に電荷輸送層の塗布開始〜終了位置までの膜厚の一様性が特定できるからである。このことは、過去のシリンダ形状の感光体の製造実績から得られた知見である。
【0043】
以上のように、式(1)の電荷輸送層を実現することは、結着樹脂が高分子量化するに従って溶媒濃度をアップしなければならず、また、電荷輸送層の膜厚を厚くするに従って難しくなるため、各種の手段(溶液構成、塗布方法など)を組み合わせて実施する必要がある。しかし、削れにくい高分子結着樹脂で膜厚が厚くなり、帯電やクリーニングの頻度が増加するほど、式(1)を満たすことによる効果が大きくなる。
【0044】
なお、電荷輸送層の物性をコントロールするために鎖状熱可塑性樹脂を複数種混合して用いる場合には、該当する各々の樹脂の分子量と構成比率に基づいて、樹脂全体の粘度平均分子量を導く。
【0045】
本発明においては、樹脂と非樹脂の区別は、粘度平均分子量が1万以上を樹脂、1万未満を非樹脂としている。
【0046】
なお、粘度平均分子量は極限粘度[η]から求められる値で、特開平3−63653号公報にも記載されている。
【0047】
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0048】
本発明における電子写真感光体として、電荷輸送層と電荷発生層に分離した積層型で、表面層は電荷輸送層であるものについて説明するが、本発明を踏襲する形で電荷輸送層の上に薄い(0.5〜5μm程度の膜厚)保護層を設けてもよい。
【0049】
使用する導電性支持体(基体)は導電性を有するものであればよく、アルミニウムおよびステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、紙およびプラスチックなどが挙げられ、形状はシート状や円筒状などが挙げられる。
【0050】
支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これはカーボンブラックや金属粒子などの導電性粉体を結着樹脂に分散させて形成することができる。また、支持体の傷の被覆の他に、レーザー露光時の光の干渉が画像に濃度ムラとなって現れないように支持体表面を適度に機械的に粗らしてもよい。
【0051】
その上に接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタンおよびポリエーテルウレタンなどが挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.3〜1μmである。
【0052】
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生層としては、電荷発生物質および結着樹脂を溶剤中に分散させた塗料を塗工し、乾燥して形成する。機能分離型の場合、電荷発生層は電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散する。ここで用いる電荷発生物質としてはピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドンおよび非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニルデン、ポリビニルベンザール樹脂およびポリブチラール樹脂などが主として用いられる。顔料と結着樹脂の比率は、質量基準で1/0.1〜1/10が好ましく、より好ましくは1/1〜3/1である。分散液を塗布し、乾燥させて形成される電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.1〜2μmである。
【0053】
電荷輸送層は主として電荷輸送物質と本発明に基づく鎖状熱可塑性樹脂とをこれらを溶解させる適当な溶媒に溶解させた塗料を塗工し、乾燥して形成する。 電荷輸送層は主として電荷輸送物質と本発明に基づく鎖状熱可塑性樹脂とをこれらを溶解させる適当な溶媒に溶解させた塗料を塗工し、乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物およびチアゾール系化合物などの低分子化合物が挙げられる。電荷輸送層の結着樹脂(鎖状熱可塑性樹脂)としてはポリカーボネートやポリアリレート樹脂の他に、例えば、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂およびスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等があり、これらを混合して用いてもよい。電荷輸送物質は質量基準で0.5〜2倍量の結着樹脂と組み合わされ塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成する。一般に、電荷輸送層の好ましい膜厚は5〜40μmであるが、本発明の課題をより効果的に解決できる膜厚は22μm以上の場合である。。
【0054】
また、本発明において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレートやジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して30質量%程度以下が好ましい。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂に対して1質量%以下が好ましい。
【0055】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度の低下および残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
【0056】
好ましく用いられる化合物の例としては、例えばヒンダードアミン構造単位もしくはヒンダードフェノール構造単位を有するもの、あるいはその双方を有するもの、有機リン系化合物、有機硫黄系化合物、ハイドロキノン系化合物およびフェニルアミン系化合物等があるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100質量部に対して0.1〜100質量部、好ましくは2〜30質量部である。
【0058】
次に、電子写真感光体の近傍の構成について説明する。
【0059】
図2に接触帯電方式の電子写真装置の一例を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンタであり、1の感光体、2の帯電ローラー、4の現像器と8のクリーニングブレードが9のプロセスカートリッジ枠体の中に組み込まれたカートリッジ方式の場合の例である。このプロセスカートリッジはカートリッジガイド10を用いて電子写真装置本体に着脱自在である。
【0060】
1は本発明の対象となっている電子写真感光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は矢印の時計方向に所定の周速度(≒プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0061】
2は帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラーである。この帯電ローラー2は該帯電ローラーに圧接した感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電源(不図示)からAC電圧を重畳されたDC電圧が印加される。この帯電ローラー2により感光体1の周面が所定の極性/電位に一様に帯電される。その感光体1の帯電処理面に不図示の露光手段(レーザービームスキャナなど)により目的画像情報の露光3がなされて感光体1面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
【0062】
その形成静電潜像は現像器4内の荷電粒子(トナー)で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)として顕画化される。
【0063】
次いでそのトナー像は感光体1と該感光体に圧接している転写ローラー5との間に給送された用紙6に転写される。この時、転写ローラー5にはバイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。
【0064】
トナー像転写を受けた用紙6は感光体1面から分離されて定着ローラーー7へ搬送されてトナー像の定着処理を受ける。
【0065】
トナー像転写後の感光体1面はクリーナー(クリーニングブレード)8により転写残りトナーなどの付着物の除去を受け、全工程を終了する。
【0066】
【実施例】
以下、実施例に従って説明する。実施例中、「部」は質量部を表す。
【0067】
(実施例1)
常温/常湿下で、30φ358mmの洗浄済み鏡面仕上げのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
【0068】
次に、この上にNメトキシメチル化ポリアミド4.5部および共重合ポリアミド1.5部をメタノール65部およびnブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で塗布(塗布スピード一定)し、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0069】
次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)3.24部、下記構造式(1)のアゾキシ顔料0.36部およびポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)3部をシクロヘキサノン110部に溶解させた後に高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散した後、下記構造式(2)の硫黄系添加剤0.66部およびエチルアセテート250部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で塗布(塗布スピード一定)し、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0070】
【化1】
【0071】
【化2】
【0072】
次に、下記構造式(3)
【0073】
【化3】
の電荷輸送物質8部および下記構造式(4)のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=5.2万)10部とをジメトキシメタン25部およびモノクロロベンゼン45部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0074】
【化4】
【0075】
この塗料で浸漬法で塗布(塗布速度は図1参照、なお、アルミニウムシリンダー上端の非塗布幅は2mmとした)し、120℃で1時間乾燥して下記表1の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した(塗布中央部は塗布開始位置から178mm位置)。
【0076】
なお、塗布開始位置から7mmの位置の膜厚は18.7μmで、塗布中央部の24.4μmの77%であった。
【0077】
【表1】
【0078】
次に、評価機について説明する。
【0079】
装置はキヤノン(株)製LBP−950およびそのプロセスカートリッジを用いた。
【0080】
評価はまず、このプロセスカートリッジに本発明の電子写真感光体とキヤノン(株)製LBP−870のプロセスカートリッジ(商品名:EP−62)の帯電ローラーを装着した後、30℃/70%RHの温湿度環境下で印字率3%程度の文字画像でA4紙を1枚出力後に5秒休止し、しかる後に再び出力動作を繰り返す間欠モードで2万枚(片面プリント)出力して、初期から評価終了時にわたって不良画像が発生しないか、および、プロセスカートリッジを分解してクリーニングブレードに異常がないか外観(破損の有無)を確認し、また、初期と評価終了時の感光体の膜厚(ドラム上端から25mm位置)を測定した。これらの結果を表8に示した。
【0081】
(実施例2)
電荷発生層の形成までは実施例1と同様に行った。
【0082】
次に、前記構造式(3)の電荷輸送物質8部および構造式(4)のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=7.1万)10部とをジメトキシメタン29部およびモノクロロベンゼン53部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0083】
この塗料を実施例1と同様に塗布し、乾燥して、下記表2の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した。
【0084】
なお、塗布開始位置から7mmの膜厚は17.9μmで、塗布中央部の22.8μmの79%であった。
【0085】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0086】
【表2】
【0087】
(実施例3)
電荷輸送層の塗布液の溶媒構成をジメトキシメタン25部およびモノクロロベンゼン40部に替えた以外は実施例1と同様にして、下記表3の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した電子写真感光体を作成した。
【0088】
なお、電荷輸送層の塗布開始位置から7mmの位置の膜厚は22.8μmで、塗布中央部の30.3μmの75%であった。
【0089】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0090】
【表3】
【0091】
(実施例4)
電荷輸送層の塗布液の溶媒構成をジメトキシメタン25部およびモノクロロベンゼン57部に替えた以外は実施例2と同様にして、下記表4の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した電子写真感光体を作成した。
【0092】
なお、電荷輸送層の塗布開始位置から7mmの位置の膜厚は17.4μmで、塗布中央部の23.2μmの75%であった。
【0093】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0094】
【表4】
【0095】
(比較例1)
電荷輸送層の塗布液構成の内、溶媒のジメトキシメタン30部およびモノクロロベンゼン52部に替え、かつ、塗布スピードを一定にしたこと以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成し、評価した結果を表8に示した。
【0096】
このときの電荷輸送層の膜厚は下記表5のようなプロフィールであった
なお、電荷輸送層の塗布開始位置から7mmの膜厚は17.1μmで、塗布中央部の23.5μmの73%であった。
【0097】
【表5】
【0098】
(比較例2)
電荷発生層の形成までは実施例1と同様に行った。
【0099】
次に、ポリカーボネート樹脂をポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=4.0万)に替えた以外は実施例1と同様に電荷輸送層を作成し、下記表6の膜厚のプロフィールを有する電荷輸送層を形成した。
【0100】
なお、塗布開始位置から7mmの膜厚は17.8μmで、塗布中央部の23.4μmの76%であった。
【0101】
このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果を表8に示した。
【0102】
【表6】
【0103】
(実施例5)
実施例2の評価機の一次帯電のAC電流量を2500μAにアップした。
【0104】
それ以外は実施例2に同じ電子写真感光体と評価方法を用いて評価した結果を表8に示した。
【0105】
(比較例3)
比較例1の評価機の一次帯電のAC電流量を2500μAにアップした。
【0106】
それ以外は比較例1に同じ電子写真感光体と評価方法を用いて評価した結果を表8に示した。
【0107】
(実施例6)
実施例1の電荷輸送層のポリカーボネート樹脂10部を下記式(5)のポリアリレート樹脂9部(粘度平均分子量:Mv=5.5万)と下記式(6)のシリコーン変成共重合ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:Mv=5.2万)1部の合計10部に替え、かつ、溶媒組成をジメトキシメタン29部およびモノクロロベンゼン53部に替えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した結果を表8に示した。
【0108】
このときの電荷輸送層は下記表7のようなプロフィールであり、また、塗布開始位置から7mmの膜厚は19.8μmで、塗布中央部の25.7μmの77%であった。
【0109】
【化5】
【0110】
【化6】
【0111】
【表7】
【0112】
【表8】
【0113】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する。
【0114】
[実施態様1]
少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。
(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上)
[実施態様2]
前記電荷輸送層に含有される結着樹脂の粘度平均分子量が7万以上である実施態様1に記載の電子写真装置。
【0115】
[実施態様3]
前記電荷輸送層の膜厚が30μm以上である実施態様1または2に記載の電子写真装置。
【0116】
[実施態様4]
前記電子写真感光体の帯電方式が直流電圧と交流電圧を重畳する直接帯電方式であり、かつ、該交流電流が2.4mA以上である実施態様1乃至3のいずれかに記載の電子写真装置。
【0117】
【発明の効果】
本発明は、クリーニング部材としてクリーニングブレードを具備する電子写真装置において、電子写真感光体の電荷輸送層に高分子結着剤を含有させた場合に顕著なクリーニング不良を改良できただけでなく、更に、感光体の高耐久化も達成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布スピードの設定を示す図である。
【図2】本発明の電子写真装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラー
3 像露光
4 現像器
5 転写ローラー
6 用紙
7 定着ローラー
8 クリーニングブレード
9 カートリッジ枠体
10 カートリッジガイド
Claims (2)
- 少なくとも電子写真感光体およびクリーニング部材を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質と、結着樹脂として粘度平均分子量が5万以上の鎖状熱可塑性樹脂を含有し、該電荷輸送層が下記式(1)を満たす膜厚プロフィールを有し、かつ、クリーニング部材としてのゴムブレードを該電子写真感光体に当接していることを特徴とする電子写真装置。
(塗布開始位置から7mmの位置の膜厚)≧(塗布中央部の膜厚)×0.75 :式(1) (但し、塗布中央部の膜厚は22μm以上) - 請求項1に記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、および転写工程後の感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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