JP2004156556A - オイルパン構造 - Google Patents

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善一郎 加藤
Tsutomu Okuda
努 奥田
Takumi Kataoka
拓実 片岡
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Abstract

【課題】本発明の目的は、潤滑オイルの昇温をより効果的に行えるオイルパン構造を提供すること。
【解決手段】本発明のオイルパン構造は、オイルパン2の内部を吸込口が配置される主室(オイルパンセパレータ3内側)と吸込口が配置されない副室(オイルパンセパレータ3外側)とに仕切るオイルパンセパレータ3と、該主室とエンジンブロック1内部との間に配された一対のバランスシャフト6とを備え、オイルパンセパレータ3は主室を形成する凹部を有し、主室がバランスシャフト6を介してエンジンブロック1の内部と連通され、凹部は主室と副室とを連通させる連通孔3c,3dを有していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンオイルを貯留させるオイルパンの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンの潤滑・冷却にはエンジンオイルが用いられている。このエンジンオイルは、エンジンの下部に設けられたオイルパンに貯留され、オイルポンプによってエンジン各部に循環される。エンジン各部を循環したエンジンオイルは、下方のオイルパン内に滴下する。そして、オイルパン内に滴下したエンジンオイルは、再度オイルポンプによってエンジン各部に循環される。この間、エンジンオイルはエンジン各部から熱を受け取って各部を冷却する。また、エンジンオイルは、エンジン各部で油膜を形成して各部品間の潤滑を促進すると共に、部品の酸化を防止するなどの役目もある。
【0003】
冷間始動直後は、オイルパン内部に貯留されたエンジンオイルも冷えており、粘性も高く、エンジン各部を循環して各部を潤滑させるのに適した状態ではない。そこで、冷間始動直後は、できるだけ早くエンジンオイルを昇温させて適度な粘性を有する状態にさせたい。このためには、オイルパンを複数の区画に分け、冷間始動直後は一方の区画内のエンジンオイルが循環されやすい状況を作り、この区画内のエンジンオイルをより早期に昇温させて好ましい状態とすることが既に検討されている[特許文献1]。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−17633号公報
【特許文献2】
特開2001−263425号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エンジンオイルの昇温をより一層早期に行なえるような改善が望まれていた。エンジンオイルの早期昇温は、フリクションの早期低減による燃費向上にも寄与するので、近年の燃費向上に対する強い要望からも改善が望まれる点である。従って、本発明の目的は、エンジンオイルの昇温をより効果的に行えるオイルパン構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のオイルパン構造は、オイルパン内部を吸込口が配置される主室と吸込口が配置されない副室とに仕切るオイルパンセパレータと、該主室とエンジンブロック内部との間に配された一対のバランスシャフトとを備え、オイルパンセパレータは主室を形成する凹部を有し、主室がバランスシャフトを介してエンジンブロックの内部と連通され、凹部は主室と副室とを連通させる連通孔を有していることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオイルパン構造において、一対のバランスシャフトがハウジングの内部に収納されており、該ハウジングの表面が樹脂によって形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のオイルパン構造において、エンジンブロックから還流する潤滑オイルを貯留させ、かつ、貯留したオイルをエンジンブロックに対して供給する蓄熱タンクと、該蓄熱タンクからエンジンブロック内へのオイル流路上に配設された温度切替弁とをさらに備えており、エンジン冷間始動直後には、温度切替弁によって、蓄熱タンクに貯留された潤滑オイルを優先的にエンジンブロックに供給することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のオイルパン構造の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。
【0010】
図1には、エンジンブロック1の下方部分を構成するロアケース1bと、オイルパン2と、このオイルパン2の内部に配設されてオイルパン2の内部を二つの区画(主室及び副室)に仕切るオイルパンセパレータ3と、一対のバランスシャフト6とが主として示されている。なお、ロアケース1bは、その上部がシリンダブロック1aに結合されている。シリンダブロック1aやロアケース1bなどでエンジンブロック1を構成している。エンジンブロック1(シリンダブロック1a及びロアケース1b)は従来とほぼ同様の材質、構造を有している。本実施形態のオイルパン2に関しても、従来から一般的に用いられている金属(鋼板)製のものが使用されている。
【0011】
オイルパン2の内部には、オイルパン2に貯留されたエンジンオイルを吸い上げるための吸込口(吸込部)となるストレーナ4が配設されている。ストレーナ4はオイル吸上管4aを有しており、オイル吸上管4aは、エンジンブロック1内部のオイル流路に連通されている。オイル流路の先にはオイルポンプがある。ストレーナ4は、オイル吸上管4a及びステー4bを介してシリンダブロック1aに固定されている。ストレーナ4を金属製ではなく樹脂製とすれば、ストレーナ4を伝って逃げる熱を抑制することができるので、より一層オイルの早期昇温に寄与する。
【0012】
ストレーナ4の先端部は、後述するオイルパンセパレータ3の内部に位置している。このストレーナ4の先端が配設される部分のオイルパンセパレータ3は、凹部状に形成されている。オイルパン2の内部はオイルパンセパレータ3によって二つの区画に仕切られているが、ストレーナ4の先端が配設されているオイルパンセパレータ3の内側を主室、ストレーナ4の先端が配設されていないオイルパンセパレータ3の外側を副室と言うこととする。主室及び副室の各容量は適宜決定できる。なお、図1においては、図を見やすくするためストレーナ4のオイル吸上管4a及びステー4bを一部省略して図示してある。
【0013】
ここでは、主室の全周囲に副室が存在するようになされている。そして、オイルパンセパレータ3の底部(主室)外面とオイルパン2の底部内面とは接触していない。このため、主室内のエンジンオイルの熱はオイルパン2自体やオイルパン2より外側の外気に逃げにくくなっている。なお、エンジンは多少傾けて車両などに搭載されることが多く、図1は車載状態の傾きで図示されており、オイルパン2の内部のエンジンオイル表面がほぼ水平となっている。オイルパンセパレータ3は、金属や断熱性を有する部材(例えば、合成樹脂:発泡樹脂など)で構成される。
【0014】
本実施形態では、オイルパンセパレータ3は、ロアケース1bに固定された上部構造3aとオイルパン2に固定された下部構造3bとからなる。上部構造3aは、中央に凹部が形成され、該凹部の底部中央に開口部3fが形成されている。開口部3f周囲の上述した底部は、上述した主室の上方を覆う蓋部3gとなる。蓋部3gは、主室内のエンジンオイルの上方への移動を抑制し、ストレーナ4によるエア吸い込みを防止する。エンジンオイルの上方への移動は、急制動や急旋回時などに生じやすい。一方、下部構造3bにも、その中央に凹部が形成されており、主としてこの凹部によって主室が形成されている。上部構造3aの凹部下部と下部構造3bの凹部上部とは、隙間なく結合されている。この結果、エンジンブロック1の内部は主として(副室ではなく)主室と連通されている。
【0015】
この主室とエンジンブロック1内部との間には、一対のバランスシャフト6が配設されている。一対のバランスシャフト6は、ハウジング6bの内部に収納されており、このハウジング6bがロアケース1bに結合されている。ハウジング6bと上述した上部構造3aとは、ロアケース1bに対してボルトによって共締めされている。バランスシャフト6の状態を分かりやすく図2及び図3に示す。各バランスシャフト6は、一方の側に偏ったアンバランスウェイト6aをそれぞれ有している。そして、一方のバランスシャフト6にはギア6dが結合され、他方のバランスシャフト6にはギア6eが結合されている。
【0016】
クランクシャフト5には、一方のギア6dのみと噛み合うギア5aが結合されている。クランクシャフト5のギア5aの回転に伴ってギア6dが回転されると、これと噛み合うギア6eはギア6dとは逆方向に回転する。この結果、一対のバランスシャフト6は互いに逆回転する。図2及び図3に示されるように、四気筒エンジンである本実施形態のエンジンは四つのピストン7を有しており、そのうちの二つが上死点にあるとき他の二つは下死点にある。アンバランスウェイト6aは、何れかのピストン7が上死点又は下死点にあるとき、必ず下方に位置するようになっている。即ち、クランクシャフト5の一回転につき、バランスシャフト6は二回転する。
【0017】
このようにすることで、クランクシャフト5の回転によって生じる二次慣性力を一対のバランスシャフト6によって相殺している。なお、アンバランスウェイト6aの回転による横方向の慣性力は、一対のバランスシャフト6間で相殺される。本実施形態の場合、バランスシャフト6のハウジング6bは、アルミ合金製であるが、その表面(内外表面)には、樹脂コーティングが施されている。ただし、バランスシャフト6の軸受部6cに関しては、バランスシャフト6と摺動するため、耐久性上の観点からアルミ合金が露出された状態となっている。
【0018】
エンジンブロック1から滴下するエンジンオイルは上述したように主室に滴下するが、その間にこの一対のバランスシャフト6が位置しているため、滴下するエンジンオイルはバランスシャフト6(ハウジング6b内部など)を経由することとなる。このため、滴下するエンジンオイルは、バランスシャフト6部分で発生する熱でより早期に昇温される。これは特に冷間始動時に有効である。バランスシャフト6部分では、その軸受部6cやギア6d,6eで発生する摩擦熱や、ハウジング6b内でアンバランスウェイト6aによって攪拌されるときに発生する熱で、エンジンオイルを昇温させることとなる。
【0019】
このとき、発生した熱がハウジング6bを介してロアケース1b側に逃げてしまうと、逃げた熱の分だけエンジンオイルを暖める効果が減ってしまう。そこで、ここではハウジング6bの表面を樹脂化して、エンジンオイルからハウジング6bへの熱伝導を抑止してエンジンオイルの温度低下を抑止すると共に、ハウジング6bからロアケース1bへの熱伝導も抑止してハウジング6b自体の熱も奪われないようにしている。このようにすることで、バランスシャフト6部分で発生した熱を有効にエンジンオイルに吸収させることができ、エンジンオイルの早期昇温に効果がある。
【0020】
オイルパンセパレータ3には、その内側の主室と外側の副室との間でオイルを連通させる連通孔が凹部の側壁部に形成されている。ここでは、大きめの第一連通孔3cが上方に、小さめの第二連通孔3dが下方に形成されている。例えば、第一連通孔3cをφ8mmで数個、第二連通孔3dをφ2mmで十数〜数十個形成されている。そして、第一連通孔3cと第二連通孔3dとは、主室の中心に対して互いにほぼ対向する位置に配置されている。副室内のエンジンオイルの粘度が高いうちは、主室内のエンジンオイルだけで循環が行われる。副室内のエンジンオイルの粘度が低くなれば、第二連通孔3dから主室内にエンジンオイルが導入される。即ち、エンジンオイルの粘度変化を利用して副室と主室との間のエンジンオイルの導通を制御するようになっている。
【0021】
これは、第一連通孔3cの方が開口径が大きく抵抗が少ないこと、副室内でも上方のエンジンオイルの方が温度が高く粘性が小さいことによる。この結果、副室から主室に向けてエンジンオイルを導入する際には、より温度の高い粘性の小さいエンジンオイルが供給される。なお、エンジンオイルの主室への戻り量が多ければ、副室内のエンジンオイルの温度が低くて粘度が高いと副室から主室へのエンジンオイルの導入よりも、主室内のエンジンオイルが優先して再循環される。
【0022】
副室内のエンジンオイルの温度は徐々に上昇し、主室−副室間のエンジンオイルの交換量は徐々に大きくなり、最終的には同じになる。しかし、このように主室・副室に分けることによって、主室側のエンジンオイルをより早期に昇温させ、この早期に昇温させたエンジンオイルを優先的にエンジン各部に循環させることができる。このとき、オイルパンセパレータ3を断熱性に優れた材質で構成することも、主室内のエンジンオイルの早期昇温に有効である。
【0023】
第一連通孔3cと第二連通孔3dとを、主室の中心に対して互いにほぼ対向する位置に配置するのは、以下の理由による。オイルの温度がまだ高くないうちはオイルパンセパレータ3の内部をより早期に昇温させるが、主室内のオイルの温度が十分に暖まった後は副室内のオイルを昇温させる。ここで、上述したように、主室からは上方に形成された第一連通孔3cを通って暖められたオイルが副室内に流れ込みやすい。この暖かいオイルによって副室内のオイルを暖めるが、すぐに主室に還流されてしまうようであると、副室内のオイルの温度がなかなか上昇しない。
【0024】
そこで、第一連通孔3cを介して主室から副室に流出したオイルを、副室内を十分に循環させた後に第二連通孔3dから再び主室内に還流させることで、副室内の温度上昇を促進する。この場合、第一連通孔3cと第二連通孔3dとを、主室の中心に対して互いにほぼ対向する位置に配置することで、オイルを十分に循環させやすくなる。なお、第二連通孔3dの大きさが小さくされているため、副室内の第二連通孔3d付近のオイル温度がある程度上昇して粘性が低くならないと、副室から主室へのオイルの流れは十分には発生しない。これも、主室内オイルが十分に昇温された後の副室内オイルの昇温を行う上で効果的である。
【0025】
さらに、オイルパンセパレータ3における底部の最も低い部位には、ドレイン孔3eが形成されている。このドレイン孔3eは、オイルパン2の内部からエンジンオイルを抜くときに、主室内のエンジンオイルを副室側に排出させるためのものである。なお、オイルパン2には、オイル抜きのためのドレインボルト2aが取り付けられている。
【0026】
上述した構成のオイルパン構造の場合、オイルパン2内部のエンジンオイルがストレーナ4を介してエンジン各部に循環される場合、まず、オイルパンセパレータ3内部の主室からエンジンオイルが吸い上げられる。エンジン各部を循環して暖められたエンジンオイルは、バランスシャフト6のハウジング6bを経由して再度主室内に滴下するが、このときバランスシャフト6部分で熱を受け取ってさらに暖められる。バランスシャフト6のハウジング6bから排出される暖められたエンジンオイルは、上方からオイルパンセパレータ3の蓋部3gの上面に滴下し、順次主室内に流下する(図1中の矢印参照)。
【0027】
即ち、エンジン各部で熱を受け取ったエンジンオイルはバランスシャフト6部分を経由して主室内に優先的に集められ、主室内のエンジンオイルがまず早期に昇温される。ストレーナ4の吸込口は主室内に配置されているので、主室内のより早期に昇温されたエンジンオイルが優先的にエンジン各部に循環される。そして、主室のエンジンオイルの温度上昇に伴って、熱伝導や主室副室間でのエンジンオイルのやりとりによって、徐々に副室内のエンジンオイルが昇温される。
【0028】
エンジンの始動後しばらくは、主室内のエンジンオイルの方がより早期に昇温されるので、副室内のエンジンオイルは主室内のエンジンオイルよりも当初は温度が低くなる。このため、エンジンの始動後しばらくは、副室内のエンジンオイルの粘度が高く、副室から主室へのエンジンオイルの移動は起こりにくい傾向となる。これによって、主室内のエンジンオイルがより循環されやすく、主室内のエンジンオイルの昇温はより一層早期に行われる。
【0029】
さらに、本実施形態においては、主室の周囲には全て副室が形成されている。主室内の熱は、副室が存在することによって外部(外気)に逃げにくくなり、主室のエンジンオイルをより一層早期に昇温させることとなる。オイルパンセパレータ3とオイルパン2とが接触していないので、オイルパン2に熱伝導で熱が奪われることもない。なお、主室から副室に逃げる熱もあるが、これは副室内のエンジンオイルの昇温に用いられるため無駄になるわけではない。最終的には、主室内のエンジンオイルの温度と副室内のエンジンオイルの温度とはほぼ同じになるが、始動直後にはより早期に適温まで昇温された主室内のエンジンオイルをエンジン各部に送出することができる。このため、より早期にエンジンを安定した状態で運転することが可能となる。
【0030】
また、フリクションの早期低減による燃費向上効果を得ることができる。さらに、オイルパンセパレータ3を用いてオイルパン2の内部を区分するので、オイルパン2自体の交換時(路面と接触で潰れたりすることがある)にはオイルパン2のみを交換すればよい(下部構造3bの付け替えは必要)。オイルパン2自体は通常のものであるので、コスト的に高くなるようなことはない。また、上述した構造を構築するのに、各部形状の検討は必要であるが、構成部品に関してはオイルパンセパレータ3を増やすだけで対応できるので、エンジンの構造を複雑化させるようなこともない。
【0031】
上述したように、オイルパンセパレータ3を用いてオイルパン2の内部を分割し、(冷間)始動直後は主室内のオイルを優先的に循環させること、及び、一旦エンジン各部を循環した後に還流するエンジンオイルをバランスシャフト6によってさらに昇温させることによって、より早期にエンジンを安定した状態で運転することが可能となる。さらに、本実施形態では、上述した機構に加えて、蓄熱タンク9やエンジンオイルの流路上の配置した温度切替弁8なども併用して、(冷間)始動直後のエンジンオイルの早期昇温・エンジン各部の潤滑の早期安定化を図っている。以下、これについて説明する。
【0032】
エンジン内のエンジンオイルの潤滑経路を図4に示す。図4に示されるように、本実施形態では、オイルストレーナ4の吸込口近傍に、エンジンオイルの温度に応じて開閉する温度切替弁8が配設されている。温度切替弁8には、クランクシャフト5から後述する蓄熱タンク9を経由して還流するエンジンオイルを導く流路10も接続されている。温度切替弁8は、バイメタルやサーモワックス等を利用したもので、エンジンオイルの温度によってその流路を切り替えるものである。ここでは、温度切替弁8によって、エンジンオイルの温度が低いときには、蓄熱タンク9からのエンジンオイルをオイルポンプへ流出させ(図中ON)、エンジンオイルが所定温度以上となった場合には、オイルパン2(オイルパンセパレータ3内部の主室)のエンジンオイルをオイルポンプに流出させる(図中OFF)。
【0033】
この切替温度は、オイルパン2(オイルパンセパレータ3内部の主室)内部のエンジンオイルに基づいており、オイルパン2(オイルパンセパレータ3内部の主室)内部のエンジンオイルがエンジン各部を潤滑させるのに適した温度として設定される。蓄熱タンク9は、クランクシャフト5から還流する暖められたエンジンオイルを貯留させておくものであり、断熱材によって周囲からの熱の放出が抑止されている。蓄熱タンク9内に還流されたエンジンオイルは、温度切替弁8がOFFとなった後も、エンジンの熱で暖められている。なお、蓄熱タンク9と温度切替弁8との間には、温度切替弁8から蓄熱タンク9方向へのエンジンオイルの流れを防止する逆止弁11が配設されている。
【0034】
蓄熱タンク9内部のエンジンオイルは、オイルパン2内部のエンジンオイルよりもより長期間温度低下が抑止される。例えば、寒冷地に一晩おかれたような場合でも、外気温までは低下せずにエンジン潤滑をある程度安定的に行える程度の温度に保たれる。エンジンが冷間始動されると、オイルパン2内部のエンジンオイルの温度が低いので温度切替弁8はONとなり、ストレーナ4には蓄熱タンク9の内部で保温されていたエンジンオイルが供給される。このエンジンオイルはエンジン各部に循環され、ある程度良好な潤滑を行いつつ、オイルパンセパレータ3内部の主室に還流されると共に、流路10を介して一部が蓄熱タンク9に再度還流される。
【0035】
オイルパンセパレータ3内部の主室に還流されるエンジンオイルに関しては、上述したようにバランスシャフト6によってさらに暖められることとなる。このようにして、蓄熱タンク9内のエンジンオイルは循環されつつ徐々に消費され、それと共にオイルパンセパレータ3内部の主室のエンジンオイルが早期に昇温される。オイルパンセパレータ3内部のエンジンオイルが所定の温度に達すると、温度切替弁8はOFFとなり、それ以降はオイルパン2内部のエンジンオイルがエンジン各部に循環される。
【0036】
温度切替弁8がOFFとなった後も、蓄熱タンク9が一杯になるまでは流路10を介して蓄熱タンク9へエンジンオイルが還流される。蓄熱タンク9が一杯になった後は、エンジンオイルはオイルパンセパレータ3内部の主室に全て還流される。蓄熱タンク9の容量は、温度切替弁8がOFFとなるまでに完全に消費されてしまうことがないような容量とされている。このように、図1に示される機構に加えて、さらに図4に示されるような蓄熱タンク9を用いた機構を併用することで、エンジンオイルの温度を最適な温度にまでより早期に昇温させることができる。
【0037】
なお、本発明のオイルパン構造は、上述した実施形態のものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態においては、ハウジング6bは、樹脂コーティングが施されることでその表面が樹脂化されたが、ハウジング全体を合成樹脂によって形成することでその表面を樹脂化しても良い。この場合、バランスシャフトとの摺動面となる軸受部には、金属材をインサートするなどする。
【0038】
【発明の効果】
本発明のオイルパン構造によれば、オイルパン内部をオイルパンセパレータで主室と副室と二区分し、エンジン各部を循環して還流する暖められたエンジンオイルを主室に優先的に還流させる。また、これと同時に、主室に還流されるエンジンオイルをバランスシャフトを経由させることでさらに昇温させる。このため、エンジンオイルをより早期に昇温させることができる。この結果、エンジンの運年の早期安定化、フリクションの早期低減による騒音低下・燃費向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルパン構造の一実施形態を有するエンジン下部構造を示す断面図である。
【図2】バランスシャフト及びそのハウジングを示す分解斜視図である。
【図3】バランスシャフト及びそのハウジングの取付状況を示す断面図である。
【図4】エンジンオイルの循環経路を示す説明図である。
【符号の説明】
1…エンジンブロック、1a…シリンダブロック、1b…ロアケース、2…オイルパン、3…オイルパンセパレータ、3a…上部構造、3b…下部構造、3c…第一連通孔、3d…第二連通孔、3f…開口部、3g…蓋部、4…ストレーナ、4a…オイル吸上管、5…クランクシャフト、6…バランスシャフト、6b…(バランスシャフトの)ハウジング、7…ピストン、8…温度切替弁、9…蓄熱タンク。

Claims (3)

  1. オイルパン内部を吸込口が配置される主室と前記吸込口が配置されない副室とに仕切るオイルパンセパレータと、該主室とエンジンブロック内部との間に配された一対のバランスシャフトとを備え、
    前記オイルパンセパレータは前記主室を形成する凹部を有し、前記主室が前記バランスシャフトを介してエンジンブロックの内部と連通され、前記凹部は前記主室と前記副室とを連通させる連通孔を有していることを特徴とするオイルパン構造。
  2. 一対の前記バランスシャフトがハウジングの内部に収納されており、該ハウジングの表面が樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオイルパン構造。
  3. 前記エンジンブロックから還流する潤滑オイルを貯留させ、かつ、貯留したオイルをエンジンブロックに対して供給する蓄熱タンクと、該蓄熱タンクから前記エンジンブロック内へのオイル流路上に配設された温度切替弁とをさらに備えており、
    エンジン冷間始動直後には、前記温度切替弁によって、前記蓄熱タンクに貯留された潤滑オイルを優先的に前記エンジンブロックに供給することを特徴とする請求項1に記載のオイルパン構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007211592A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Toyota Motor Corp オイルパン
JP2010196788A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Honda Motor Co Ltd 潤滑油の温度制御装置
CN114000934A (zh) * 2021-10-22 2022-02-01 中船动力研究院有限公司 一种挡油通风装置及发动机机座

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