JP2002188422A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑装置

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JP2002188422A
JP2002188422A JP2000385768A JP2000385768A JP2002188422A JP 2002188422 A JP2002188422 A JP 2002188422A JP 2000385768 A JP2000385768 A JP 2000385768A JP 2000385768 A JP2000385768 A JP 2000385768A JP 2002188422 A JP2002188422 A JP 2002188422A
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oil
internal combustion
combustion engine
tank
oil tank
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Hideki Matsuoka
英樹 松岡
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内燃機関の潤滑装置に関して、装置や制御を
複雑化することなく、内燃機関の始動時には保温された
高温のオイルを最初に内燃機関の各部に供給することが
でき、かつ、内燃機関の運転時におけるオイルの過熱に
よる不具合を抑制することができる内燃機関の潤滑装置
を提供する。 【解決手段】 オイルを貯留するオイルパンと、保温機
能を有するオイルタンクと、オイルを供給するオイルポ
ンプとを備え、オイルポンプの作動時は、オイルパン内
のオイルが常にオイルタンクを経由して汲み上げられる
ようにオイル通路を形成し、さらに、内燃機関の運転停
止時にはオイルタンクは逆止弁により密閉される構成と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の潤滑装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等に搭載される内燃機関
には、カムシャフトやバルブガイド、ピストンやクラン
クシャフト等の多くの運動部品が組み込まれるととも
に、各種運動部品の接触部(支持部、揺動部等)にオイ
ルを供給するための潤滑装置が設けられている。この潤
滑装置には、オイルを貯留させておくための装置として
いわゆるオイルパンが設けられ、オイルパンに貯留され
たオイルは、内燃機関の運転時に、異物を除去するオイ
ルストレーナを介してオイルポンプによって汲み上げら
れ、さらにオイルフィルタで浄化された後に、内燃機関
のシリンダブロックに形成されたオイル通路内を流通
し、その一部がカムシャフトやバルブガイド、また他の
一部がピストンやクランクシャフト等に供給される。こ
のようにして供給されたオイルは、各種運動部品の潤
滑、冷却、清浄、気密性の保持等のために使用された
後、オイルパンに戻され、再びオイルポンプによって汲
み上げられるまでオイルパン内に貯留される。
【0003】ところで、このオイルパンに関して、貯留
するオイルに対するオイルパンの保温性能が低い場合、
オイルは、内燃機関の運転停止後に急速に冷えて低温に
なる。オイルは低温になるにつれて粘度が増しその流動
性が低下する。したがって、保温性能の低いオイルパン
を有する内燃機関では、その始動時に粘度が高く流動性
の低いオイルを潤滑させることになるため、オイルが供
給される内燃機関の各種運動部品の接触部において摩擦
抵抗が極めて大きく、スタータモータに大きな負担がか
かりバッテリの消耗が大きくなる。また、内燃機関の始
動時のオイル流動性が低いと、油温が適温に上昇するま
での間、各種運動部品の接触部に十分なオイルが供給さ
れず潤滑不足が発生する。内燃機関の各種運動部品の接
触部が潤滑不足になると、各種運動部品の接触部におけ
る摩擦抵抗の増大、焼き付き、スラッジの堆積といった
多くの不具合を生じ、内燃機関の燃費効率および耐久性
の低下、排気ガスの浄化効率の低下などに繋がってしま
う。
【0004】そこで、例えば特開平9−13934号公
報においては、主オイルパン内にその主オイルパンより
も小容積の副オイルパンを設けるとともに、主オイル通
路と副オイル通路とを切換える切換え手段を備えた内燃
機関の潤滑装置において、内燃機関の冷間始動時には、
内燃機関の作動中に保温タンク内に貯留され保温されて
いたオイルを副オイルパンに導入し、切換え手段によっ
て主オイル通路を閉塞して副オイル通路を開放すること
によって、副オイルパン内に導入した高温に保たれた少
量のオイルを内燃機関の始動直後に各種潤滑部へ供給す
るようにして、速やかに油温を適温に上昇させるように
し、一方、内燃機関の高温時には、切換え手段によって
副オイル通路を閉塞して主オイル通路を開放し、大量の
オイルを内燃機関の各種潤滑部へ供給するようにし、循
環させるオイルの量を増やしてオイル全体としての熱容
量を大きくすることにより、内燃機関やオイルが過熱さ
れて内燃機関が焼き付いたりオイルが分解劣化するとい
った不具合を抑制する、という技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
のような潤滑装置では、オイルの過熱による不具合を抑
制し、かつ、内燃機関の運転停止後に十分な保温性能を
確保するためには、主オイルパンやオイルポンプおよび
保温タンクの他に、副オイルパンや、それらを接続する
オイル通路、オイル通路を切換えるための電磁切換え弁
を追加し、さらには電磁切換え弁を駆動する駆動装置や
電磁切換え弁を制御するための制御回路を追加すること
が必要となり、装置や制御が複雑化してコストが大幅に
増大するといった問題があった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、内燃機関の潤滑装置に関して、オイルを貯留す
るオイルパンと、保温機能を有するオイルタンクと、オ
イルを供給するオイルポンプとを備え、オイルポンプの
作動時は、オイルパン内のオイルが常にオイルタンクを
経由して汲み上げられるようにオイル通路を形成するこ
とにより、装置や制御を複雑化することなく、内燃機関
の始動時には保温された高温のオイルを最初に内燃機関
の各部に供給することができ、かつ、内燃機関の運転時
におけるオイルの過熱による不具合を抑制することがで
きる内燃機関の潤滑装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、オイルを貯留するオイルパンと、断熱構造によ
る保温機能を有するオイルタンクと、内燃機関の各部へ
オイルを供給するオイルポンプとを備える内燃機関の潤
滑装置において、前記オイルポンプが前記オイルタンク
を介して前記オイルパン内のオイルを汲み上げるように
オイル通路を形成し、前記オイルポンプの作動時は、前
記オイルタンク内のオイルを常に前記オイルタンクを経
由させるようにしたことを特徴とする内燃機関の潤滑装
置が提供される。
【0008】このような潤滑装置では、内燃機関の運転
停止後はオイルパン内のオイルは徐々に放熱して低温と
なるが、オイルタンク内のオイルはオイルタンクの断熱
構造により十分に高温に保たれるので、内燃機関の始動
時にこの保温された流動性の高いオイルが最初に内燃機
関の各部に供給され、オイル通路の切換え操作を行うこ
となしに、内燃機関の運転時には、内燃機関の各部に供
給されてオイルパンに戻されるオイルはオイルパンにて
放熱しオイルポンプへと汲み上げられるのでオイルの過
熱が抑制される。
【0009】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の内燃機関の潤滑装置において、前記オイ
ルタンクのオイル貯留部分の少なくとも一部は、前記オ
イルパンに貯留されるオイル液面よりも低い位置に設け
られていることを特徴とする内燃機関の潤滑装置が提供
される。
【0010】このような潤滑装置では、内燃機関の運転
停止時にも、オイルタンク内のオイル貯留部分の少なく
とも一部のオイルは、オイルパン内へと流出することが
ないので、オイルタンク内に所定量のオイルが貯留され
る。
【0011】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1に記載の内燃機関の潤滑装置において、前記オイ
ル通路には、前記オイルポンプの停止時に、前記オイル
タンク内のオイルを前記オイルタンク内に保持するよう
に前記オイル通路を閉塞する閉塞手段が設けられている
ことを特徴とする内燃機関の潤滑装置が提供される。
【0012】このような潤滑装置では、内燃機関の運転
停止時に、オイル通路が閉塞されるので、オイルタンク
の設置位置に依らず、オイルタンク内に所定量のオイル
が貯留される。
【0013】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1に記載の内燃機関の潤滑装置において、前記オイ
ルタンクは、前記オイルを吸入するための吸入口と前記
オイルを吐出するための吐出口とを備え、前記吸入口は
前記オイルポンプの停止時に前記オイル通路を閉塞する
吸入口側閉塞手段を介して前記オイルパンのオイル貯留
部分に接続され、前記吐出口は前記オイルポンプの停止
時に前記オイル通路を閉塞する吐出口側閉塞手段を介し
て前記オイルポンプに接続されていることを特徴とする
内燃機関の潤滑装置が提供される。
【0014】このような潤滑装置では、内燃機関の運転
停止時にオイルタンクが閉塞手段により密閉されるの
で、内燃機関の運転停止後の保温性能がより向上する。
【0015】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項4に記載の内燃機関の潤滑装置において、前記オイ
ルタンクは内部圧力が所定の圧力値以上になると開弁す
る圧力弁を備えていることを特徴とする内燃機関の潤滑
装置が提供される。
【0016】このような潤滑装置では、オイルタンクの
内部圧力が所定の圧力値以上になると開弁する圧力弁を
備えているので、オイル交換時等において、空のオイル
タンク内にオイルが流入してくる際、タンク内の空気が
加圧されてオイルタンクへのオイルの流入が妨げられる
ということがない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。
【0018】図1は本発明の一実施例である潤滑装置を
備えた内燃機関1の主な構成を示す図である。図1に示
すように、内燃機関1はオイルパン2の他、オイルポン
プ3、オイルフィルタ4、クランクシャフト5、コネク
ティングロッド6、ピストン7、バルブ8、カムシャフ
ト9、10、バルブタイミング制御装置11、等を有す
る。
【0019】オイルパン2は、内燃機関1内部の各種運
動部品の接触部を潤滑、冷却するためのオイルを貯留す
る。オイルポンプ3は、内燃機関1の回転により駆動さ
れ、オイルパン2の貯留部分に貯留されているオイルを
汲み上げてオイルフィルタ4に供給する。オイルフィル
タ4は、オイル内に含まれている微小な空気中のゴミや
燃料の燃焼によって生じたスラッジ等を取り除く。そし
て、オイルフィルタ4により浄化されたオイルは、クラ
ンクシャフト5、コネクティングロッド6、ピストン
7、バルブ8、カムシャフト9、10、バルブタイミン
グ制御装置11、等に供給され、各部の潤滑、冷却、清
浄、気密性の保持等に使用される。そして、潤滑、冷
却、清浄、気密性の保持等に使用されたオイルは内燃機
関1内のオイル通路内を流通してオイルパン2に戻さ
れ、再びオイルパン2に貯留される。なお、図1に示す
矢印は、オイルの供給方向を示す。
【0020】図2は、本発明の潤滑装置の構成を示す図
である。図2に示すように、内燃機関1のロアケース1
2にはオイルパン2が取付けられている。このオイルパ
ン2には内燃機関1の各種運動部品の接触部を潤滑、冷
却等するために十分な量のオイルが貯留されている。ま
た、本実施形態におけるオイルパン2は熱伝導率の高い
部材であるアルミ合金で形成されているため、内燃機関
1の運転時に、内燃機関1各部の熱を吸収してオイルパ
ン2内に戻されたオイルは、アルミ合金製オイルパン2
の放熱効果により適温に保たれ、オイルの温度が過剰に
上昇してしまうということがない。
【0021】オイルパン2内部には、断熱構造により保
温機能を有するオイルタンク13が内蔵され、オイルタ
ンク13に設けられた取付けステー14とロアケース1
2とをボルト15で締結することにより、オイルパン2
内部に固定されている。
【0022】オイルタンク13の吐出口17はオイルポ
ンプ3に接続され、オイルタンク13の吸入口18はオ
イルストレーナ16に接続される。内燃機関1の運転時
にオイルポンプ3が駆動されると、オイルパン2内のオ
イル貯留部分に貯留されているオイルがオイルストレー
ナ16を介して汲み上げられる。オイルストレーナ16
は、その先端部が金網で覆われており、オイルパン2か
らオイルが吸入される際に大きな異物を除去する。オイ
ルポンプ3によってオイルストレーナ16を介して汲み
上げられたオイルはオイルタンク13内を通過して内燃
機関1の各部へと循環される。
【0023】図3はオイルパン2内部に固定されるオイ
ルタンク13の断面図である。図3に示すように、オイ
ルタンク13の本体は、それぞれ所定の厚さからなる内
側壁19、および、外側壁20からなる二重壁構造を有
し、内側壁19と外側壁20の間は真空引きにより真空
とされている。また、オイルタンク13本体の内側壁1
9と外側壁20の間の真空層には、オイルタンク13の
強度を確保するための複数のスペーサ21が挿入されて
オイルタンク13の形状を維持している。本実施の形態
においては、図4に示すように、オイルタンク13の上
面および側面には、オイルタンク13の形状を維持する
のに十分な強度があり、軽量で断熱性が高い発砲ウレタ
ンからなるスペーサ21(a)が挿入され、オイルタン
ク13の下面には、さらにオイルの重さにも耐え得るた
めにより高強度で、断熱性の高いアクリル樹脂からなる
スペーサ21(b)が挿入される。
【0024】このような構成により、オイルタンク13
本体は、オイルタンク13の内部と外部に温度差があっ
ても、内側壁19と外側壁20の間に熱を伝える空気等
の媒体が存在しないため、内側壁19と外側壁20の間
には熱伝導および対流伝熱が生じない。こうして、オイ
ルタンク13の内外で熱交換が行なわれにくくなってい
る。
【0025】スペーサ21の材質については、例えば、
ウレタン材の他にも、グラスウールやコルク等、アクリ
ル樹脂の他にも、レンガ等の部材からなるものであって
良く、使用される環境や内燃機関1の仕様等に応じて適
宜、材質、形状等を選択して良い。また、オイルタンク
13壁の断熱構造も上述のものに限られず、図5に示す
ように、オイルタンク13の内側壁19および外側壁2
0をより高強度に形成して内側壁19と外側壁20の間
を完全に真空層とするものや(図5(a))、オイルタ
ンク13壁全体が断熱部材から形成されているもの(図
5(b))であっても良い。また、真空層は完全な真空
に限られず、断熱効果が得られるような薄い空気層であ
っても良い。
【0026】図3において、22は逆止弁である。逆止
弁22はオイルタンク13の吸入口18および吐出口1
7にそれぞれ設けられ、それぞれオイルタンク13への
オイルの流入/流出方向のみの流れを許容する一方向弁
としての機能を果たす。この逆止弁22は、図6に示す
ように、ボール23、ワイヤ24、シート25により構
成されている。ボール23は、オイルよりも比重が大き
い耐熱性、強度に優れたセラミック製のものである。ワ
イヤ24は、ボール23の直径よりも小さい網目状に設
けられ、ボール23の開弁方向への移動を規制する。シ
ート25は略ドーナツ形状をしており、その内周面のボ
ール23と接する部分は、ボールの形状に合わせて面取
りがされて、ボール23がシート25に密着することよ
ってオイル通路を閉塞する。
【0027】逆止弁22は、オイルポンプ3の吸込み力
による負圧およびオイルの動圧によってボール23が持
ち上げられ、ボール23がシート25から離れることに
よって開弁し、ボール23の自重によって閉弁する。こ
の逆止弁22により、内燃機関1の運転停止時には、オ
イルタンク13の吸入口18および吐出口17が閉塞さ
れ、オイルタンク13は密閉される。
【0028】次に、本実施形態における潤滑装置の動作
および効果について説明する。図7(a)に示すよう
に、内燃機関1が始動されてオイルポンプ3が駆動され
ると、オイルパン2内のオイル貯留部分に貯留されてい
るオイルがオイルストレーナ16を介して汲み上げられ
る。オイルストレーナ16を介して汲み上げられたオイ
ルは吸入口18側の逆止弁22を通過してオイルタンク
13内に流入する。オイルタンク13内のオイルはさら
にオイルポンプ3の吸込み力により吐出口17側の逆止
弁22を通過してオイルポンプ3に吸引され、オイルポ
ンプ3の吐出圧によりオイルフィルタ4を通過した後、
内燃機関1のシリンダブロックに形成されたオイル通路
内を流通して内燃機関1内の各種運動部品の接触部へと
供給される。各種運動部品の接触部へと供給されたオイ
ルは、各種運動部品の潤滑、冷却、清浄、気密性の保持
等に使用された後、再びオイルパン2のオイル貯留部分
へと戻される。
【0029】オイルポンプ3によって内燃機関1内部を
循環するオイルは、内燃機関1の冷却効果を奏するた
め、内燃機関1各部の熱量を吸収してオイルの温度は徐
々に上昇する。ここで、内燃機関1の運転が停止される
とオイルポンプ3が停止され、図7(b)に示すよう
に、オイルポンプ3によるオイルの流れが止まって、吸
入口18および吐出口17の逆止弁22が閉弁し所定量
のオイルがオイルタンク13内に残留する。オイルタン
ク13内に残留したオイルは、内燃機関1の運転停止後
も、オイルタンク13本体の断熱構造により高温に保た
れるが、さらに、逆止弁22によって密閉構造とされた
オイルタンク13内で外気にさらされることがないた
め、保温性能が高い。
【0030】このように、本実施形態によれば、オイル
パン2内に設けられた保温性能の高いオイルタンク13
によってオイルが効果的に保温されるので、内燃機関1
の始動時には、この保温された流動性の高いオイルが循
環することになるため、内燃機関1の始動時に係るフリ
クションが低減され、さらには、内燃機関1の出力性能
および燃費の向上が実現される。また、オイルが効果的
に保温されることにより、内燃機関1の暖機時間が短縮
化されるので、内燃機関1の早期暖機により燃焼が促進
されて内燃機関1の運転に伴う振動および騒音が低減す
る。また、内燃機関1内を循環する冷却水の水温も短時
間で適温に上昇するため、車両内のヒータ性能が向上す
る。さらに、オイルが効果的に保温されて暖機時間が短
縮化されることにより、内燃機関1のファーストアイド
ル時間が短縮化される。ファーストアイドル時間が短縮
化されると、排気ガス中のエミッション、オイルの消費
量、および、ブローバイガス量が低減する。排気エミッ
ションやブローバイガス量が低減すると、内燃機関1内
の構造や排気管を酸化させる水分の量も減るので、内燃
機関1や排気管の耐久性が向上する。
【0031】一方、本実施形態によれば、内燃機関1の
運転時には、オイルパン2に貯留されている大量のオイ
ル、すなわち全体としての熱容量が大きいオイルを、オ
イルポンプ3によって内燃機関1の各部へ循環させると
ともに、保温性能が比較的低いオイルパン2に貯留され
ているオイルは、オイルパン2に貯留されている間にも
放熱されるので、十分な冷却効果を確保することがで
る。したがって、内燃機関1の運転時にも、内燃機関1
やオイルが過熱されることによって内燃機関1が焼き付
いたりオイルが分解劣化するといった不具合を生じるこ
とがない。
【0032】すなわち、本実施形態による内燃機関1の
潤滑装置によれば、オイルポンプ3の作動時は、オイル
パン2内のオイルが常にオイルタンク13を経由して汲
み上げられるようにオイル通路を形成し、さらに、内燃
機関1の運転停止時にはオイルタンク13は逆止弁22
により密閉される構成としたので、オイル通路の切換え
手段や別のオイル通路などを追加して、装置や制御を複
雑化することなく簡易かつ安価な構成により、内燃機関
1の運転停止後も所定量のオイルを十分に高温に保ち、
内燃機関の始動時には保温された高温のオイルを最初に
内燃機関の各部に供給することができ、かつ、内燃機関
1の運転時には、オイルの過熱による内燃機関1の焼き
付きやオイルの分解劣化などの不具合を抑制することが
できる。
【0033】ところで、本実施形態においては、最も簡
便なオイル通路の閉塞手段として、一方向の流れのみを
許容する逆止弁を採用しているが、閉塞手段の構造は上
述のものに限定されず、内燃機関1の運転が停止されて
オイルポンプ3が停止されるときにオイル通路を閉塞
し、オイルタンク13内に所定量のオイルを保持する構
造をもつものであれば良い。例えば、図8に示すよう
に、オイル通路の開閉を行なう弁体26がオイル通路に
垂直に挿通された回動軸27に対して軸対称に取付けら
れ、オイルの動圧によって開閉するバタフライ式の開閉
機構を持つものや、図9に示すように、オイル通路を閉
塞するように設けられた管体28の一端にスプリング2
9を取付け、このスプリング29の付勢力により付勢さ
れた弁体30がオイルの動圧によって移動されて連通孔
30を開閉するスプリング式の開閉機構を持つものとし
ても良い。これらの閉塞手段によれば、オイルの保温の
ための制御を必要とすることなく、簡易な機構にてオイ
ルタンクへのオイルの流入/流出を規制することができ
る。
【0034】また、図10に示すように、オイルタンク
13の吸入口および吐出口を開閉する開閉弁32をEC
U(電子制御装置)33によって開閉駆動するようにし
た電動式の開閉機構を持つものでも良い。この構成によ
れば、オイルタンク13の吸入口および吐出口を、独立
または連動して開閉駆動できるので、オイルタンク13
内のオイル量を任意に制御することができる。
【0035】さらに、図11に示すように、吸入口側お
よび吐出口側の逆止弁が連動して開閉するように構成さ
れた連動開閉式のものがある。これは、吸入口側および
吐出口側に設置された閉塞手段の弁体34が連結部材3
5により連結されて、オイルポンプ3の吸込み力による
負圧およびオイルの動圧によって開閉駆動される。この
構成によれば、吸入口側および吐出口側の閉塞手段が連
動して開閉するので、より確実に閉塞手段が開閉駆動さ
れて、オイルの保温のための制御を必要とすることな
く、オイルタンク13へのオイルの流入/流出をより正
確に規制することができる。
【0036】なお、本実施形態においては、オイルポン
プの停止時に、オイルをオイルタンク内に保持するため
の閉塞手段を、オイルタンクの吸入口側および吐出口
側、すなわち、オイルパンとオイルタンクとを接続する
オイル通路、および、オイルタンクとオイルポンプとを
接続するオイル通路の両方ともに設置する構成としてい
るが、前記閉塞手段は、いずれか一方側にのみ設置され
る構成であっても良い。
【0037】また、さらにコストを低減するため、前記
閉塞手段を設けない場合には、オイルタンクのオイル貯
留部分の少なくとも一部、好ましくは、冷間始動時に保
温された流動性の高いオイルを内燃機関の各部へ循環さ
せることができるオイル量に相当するオイルタンクのオ
イル貯留部分を、オイルパンに貯留されるオイル液面よ
りも低い位置に設けるように構成すれば、内燃機関の運
転停止時にも、オイルタンク内のオイル貯留部分の少な
くとも一部のオイルは、オイルパン内へと流出すること
がないので、オイルタンク内に所定量のオイルが貯留さ
れて、装置や制御の追加を必要とすることなしに、安価
で簡易な構成にて同様の効果を得ることができる。
【0038】また、図3に示すように、オイルタンク1
3には圧力弁36が設けられている。圧力弁36は、内
燃機関1の運転時に、図12に示すように、オイルポン
プ3の吸込み力によるオイルタンク13内の負圧、およ
び、自重によって圧力逃がし孔37を閉塞する方向に付
勢されて、圧力逃がし孔37を閉塞する。
【0039】そして、図13に示すように、オイル交
換、点検・整備時等にオイルタンク13内が空にされ
て、フィラーキャップ(図示せず)より新規オイルが注
入され、オイルパン2内に貯留される。新規オイルがオ
イルパン2の貯留部分に所定量貯留されると、オイルス
トレーナ16からオイルタンク13の吸入口18を経由
し、オイルの動圧により吸入口18に設けられた逆止弁
22のボール23を押し上げ、オイルタンク13内に新
規オイルが徐々に流入する。オイルタンク13内にオイ
ルが溜まるにつれてオイルタンク13内の空気部分の容
積が小さくなって内部圧力が上昇してくると、自重によ
り空気逃がし孔40を閉塞していた圧力弁36がオイル
タンク13の内圧によって開弁する。このような構成に
より、オイルタンク13内圧が上昇し新規オイルがオイ
ルタンク13内に流入し難くなるということがなく、オ
イル交換、点検・整備時等の作業性の悪化を招くことが
ない。
【0040】
【発明の効果】このように、請求項1に記載の潤滑装置
によれば、オイルポンプの作動時は、オイルパン内のオ
イルが、常に、保温機能を有するオイルタンクを経由し
て汲み上げられるようにオイル通路が形成されるので、
装置や制御を複雑化することなく、所定量のオイルを内
燃機関の運転停止後も十分に高温に保って内燃機関の始
動時には保温された高温のオイルを最初に内燃機関の各
部に供給することができ、かつ、内燃機関の運転時にお
けるオイルの過熱を抑制することができる。
【0041】また、請求項2に記載の発明によれば、特
別な構成部品を追加することなく、内燃機関の運転停止
時にも、オイルタンク内に所定量のオイルを貯留するこ
とができる。
【0042】また、請求項3に記載の発明によれば、内
燃機関の運転停止時にも、オイルタンクの設置位置に依
らず、オイルタンク内に所定量のオイルを貯留すること
ができる。
【0043】また、請求項4に記載の発明によれば、オ
イルタンクに設けられた吸入口および吐出口には、それ
ぞれ、前記オイルポンプの停止時に前記オイル通路を閉
塞する閉塞手段が設けられるので、内燃機関の運転停止
時にオイルタンクは密閉され、内燃機関の運転停止後の
保温性能がさらに向上する。
【0044】また、請求項5に記載の潤滑装置によれ
ば、オイルタンクの内部圧力が所定の圧力値以上になる
と開弁する圧力弁を備えているので、オイル交換時等に
おいて、空のオイルタンク内にオイルが流入してくる
際、タンク内の空気が加圧されてオイルタンクへのオイ
ルの流入が妨げられるということがなく、整備性が良
く、オイル交換、点検・整備時等の作業性の悪化を招く
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑装置を備えた内燃機関の構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の潤滑装置の構成を示す図である。
【図3】オイルパン内に固定されたオイルタンクの断面
図である。
【図4】オイルタンクに挿入されたスペーサを示す断面
図である。
【図5】オイルタンク壁の構造を示す断面図である。
(a)は、真空層により構成されたオイルタンク壁の断
面図である。(b)は、断熱材により構成されたオイル
タンク壁の断面図である。
【図6】逆止弁の構造を示す断面図である。
【図7】(a)は、オイルポンプの停止時のオイルタン
クの状態を示す図である。(b)は、オイルポンプの作
動時のオイルタンクの状態を示す図である。
【図8】バタフライ式の開閉機構を持つ閉塞手段の構造
を示す断面図である。
【図9】スプリング式の開閉機構を持つ閉塞手段の構造
を示す断面図である。
【図10】電動式の開閉機構を持つ閉塞手段の構造を示
す断面図である。
【図11】連動開閉式の開閉機構を持つ閉塞手段の構造
を示す断面図である。
【図12】圧力弁の構造を示す断面図である。
【図13】オイル交換時の圧力弁の状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…オイルパン 3…オイルポンプ 4…オイルフィルタ 5…クランクシャフト 6…コネクティングロッド 7…ピストン 8…バルブ 9、10…カムシャフト 11…バルブタイミング制御装置 12…ロアケース 13…オイルタンク 14…取付けステー 15…ボルト 16…オイルストレーナ 17…吐出口 18…吸入口 19…内側壁 20…外側壁 21…スペーサ 22…逆止弁 23…ボール 24…ワイヤ 25…シート 26、30、34…弁体 27…回動軸 28…管体 29…スプリング 31…連通孔 32…開閉弁 33…ECU(電子制御装置) 35…連結部材 36…圧力弁 37…圧力逃がし孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルを貯留するオイルパンと、断熱構
    造による保温機能を有するオイルタンクと、内燃機関の
    各部へオイルを供給するオイルポンプとを備える内燃機
    関の潤滑装置において、前記オイルポンプが前記オイル
    タンクを介して前記オイルパン内のオイルを汲み上げる
    ようにオイル通路を形成し、前記オイルポンプの作動時
    は、前記オイルパン内のオイルを常に前記オイルタンク
    を経由させるようにしたことを特徴とする内燃機関の潤
    滑装置。
  2. 【請求項2】 前記オイルタンクのオイル貯留部分の少
    なくとも一部は、前記オイルパンに貯留されるオイル液
    面よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載の内燃機関の潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記オイル通路には、前記オイルポンプ
    の停止時に、前記オイルタンク内のオイルを前記オイル
    タンク内に保持するように前記オイル通路を閉塞する閉
    塞手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の内燃機関の潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記オイルタンクは、前記オイルを吸入
    するための吸入口と前記オイルを吐出するための吐出口
    とを備え、前記吸入口は前記オイルポンプの停止時に前
    記オイル通路を閉塞する吸入口側閉塞手段を介して前記
    オイルパンのオイル貯留部分に接続され、前記吐出口は
    前記オイルポンプの停止時に前記オイル通路を閉塞する
    吐出口側閉塞手段を介して前記オイルポンプに接続され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤
    滑装置。
  5. 【請求項5】 前記オイルタンクは、内部圧力が所定の
    圧力値以上になると開弁する圧力弁を備えていることを
    特徴とする請求項4に記載の内燃機関の潤滑装置。
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