JP2004156257A - 鉄筋の固着構造 - Google Patents

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Tsutomu Nagabuchi
強 永渕
Norio Matsubara
則夫 松原
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Nippon Steel Blast Furnace Slag Cement Co Ltd
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Abstract

【課題】高流動、高強度、無収縮のグラウト材を使用することにより鉄筋の固着が確実、安定化するばかりでなく、鉄筋の固着作業が容易なこと。
【解決手段】開口端11,12から鉄筋2,3の端部が挿入可能な1つの連結用スリーブ1と、この連結用スリーブに注入されるグラウト材9とからなり、上記連結用スリーブ1の開口端部はシール材7,8で封止してある。グラウト材9は、比表面積が5000cm/gを超える超微粉末の高炉水砕スラグ粉とセメント及び無水石こうまたは二水石こうとを基材とし、この基材に、少なくとも減水剤として(メタ)アクリル酸系コポリマー、水を混練したものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鉄筋鉄骨構造物の柱、梁、杭、連壁かご及び開口部における鉄筋を連結させる鉄筋の継手、または固着させるための定着アンカー等として適用される鉄筋の固着構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人の富士ボルト製作所は、先に鉄筋を固着するための継手構造として、異形鉄筋相互をグラウト材を介して連結する1つのパイプ状の連結用スリーブ(固着スリーブ)の異径鉄筋の端部を所定長挿入し、この連結用スリーブに設けてあるグラウト材注入口からグラウト材を注入し、この鉄筋とグラウト材とを一体化して連結するもので、この連結用スリーブの外周端部から内方に向けて締付用のハイテンションボルトが挿入してある鉄筋を固着させるグラウト式継手を提案した(例えば、特許文献1参照)。このようなグラウト式継手は、鉄筋の偏心、傾斜でも連結可能であり、鉄筋を回転させなくてもよい長所を有するものである。
【0003】
他方、本願出願人の新日鐵高炉セメント株式会社は流動性の高いモルタルを開発し、構造物の床下地材等に使用していた。この高流動性のあるモルタルは高炉スラグ微粉末(以下「高炉水砕スラグ粉」という。)、セメント及び石こうを基材とし、この基材に減水剤、骨材、水やその他添加剤を混練してなるもので、これは自由に流動して容易に水平面を形成するセルフレベリング性を有し、収縮が小さく、長時間流動性を保持するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−30763号公報(図1)
【特許文献2】
特公平6−102567号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の連結用スリーブでは、その両端開口部から鉄筋を挿入し、グラウト材により連結させるが、この連結用スリーブにグラウト材を注入して、所定の連結強度で両鉄筋を連結させるには、この連結用スリーブの中空部が所定以上に広い空隙が確保され、それにより鉄筋の他端部が挿入されても、グラウト材の注入が円滑に行うことができることが必要で、そのためには、この連結用スリーブは大きい内径のものでなけれはばならない。さらに、強度を所定以上に確保するには、この連結用スリーブの軸方向の長さも所定以上に長いことが必要である。また、このグラウト材の流動性の保持時間は、短くとも2、3時間以上、好ましくは5時間以上でないと、鉄筋の連結や固着作業の中断ができなくなり、作業人の休憩さえも困難となる。また、近年では連結用スリーブの軸方向の長さが短く、かつ小径であることが要望されている。このような要望に応えるには、グラウト材がさらに高い流動性を有し、この高い流動性が長時間保持でき、さらに、収縮が小さく、高い強度を保持できるものでなければならない。
【0006】
そこで、新日鐵高炉セメント株式会社が開発し、床下地材として使用されていた流動性の高いモルタルに注目し、これを連結用スリーブに注入するグラウト材として利用することができるかに着目し、研究を重ねてきた結果、グラウト材の基材を構成する高炉水砕スラグ粉を改良することにより鉄筋の固着構造を完成したのが本願発明である。
【0007】
本発明の目的とするところは、高流動、高強度、無収縮のグラウト材を使用することにより鉄筋の固着が確実、安定化するばかりでなく、鉄筋の固着作業が容易な鉄筋の固着構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、開口端から鉄筋の端部が挿入可能な1つの連結用スリーブと、この連結用スリーブに注入されるグラウト材とからなり、上記連結用スリーブの開口端部はシール材で封止してあり、上記グラウト材は、高炉水砕スラグ粉とセメント及び無水石こうまたは二水石こうとを基材とし、この基材に少なくとも減水剤として(メタ)アクリル酸系コポリマー、水を混練したもので、上記高炉水砕スラグ粉の比表面積は5000cm/gを超える超微粉末で、望ましくは、5700cm/g〜6000cm/gを超える超微粉末であるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴は、一端開口部から鉄筋の端部が挿入可能な1つの固着スリーブと、この固着スリーブに注入されるグラウト材とからなり、上記固着スリーブの一端開口部はシール材で封止してあり、かつ他端開口部にはキャップが被嵌してあり、上記グラウト材は、前記第1の特徴に記載のものと同じで、この高炉水砕スラグ粉の比表面積は5000cm/gを超える、望ましくは5700cm/g〜6000cm/gを超える超微粉末であるところにある。
【0010】
第3の特徴は、経済性、及びせん断抵抗性の観点から、前記グラウト材の基材に減水剤や水と共に骨材を混練するところにあり、このグラウト材の混合割合は、基材100重量部に対して減水剤0.1〜0.5重量部、骨材70〜130重量部、水20〜50重量部であるところにある。
【0011】
さらに、第4の特徴は前記基材の混合比が、高炉水砕スラグ粉が25〜60重量%、セメントが25〜60重量%、無水石こうまたは二水石こう5〜15重量%であるところにある。
【0012】
さらに、第5の特徴は、前記骨材の最大粒子径が3mm以下であって、粒子径0.15mmのものの比率が30重量%以下であるところにある。
【0013】
そして、本発明の作用は、比表面積は5000cm/gを超える、望ましくは5700cm/g〜6000cm/gを超える超微粉末の高炉水砕スラグ粉によりグラウト材の流動性と高強度の両方を確保し、さらに、無水石こうまたは二水石こうの膨張性によりこのグラウト材の収縮を極力小さくして鉄筋の固着強度を長期に保持し、さらに、減水剤の(メタ)アクリル酸系コポリマーによりグラウト材の高流動性を長時間保持できるようにして、鉄筋の固着作業を確実且つ容易にすることができる。
【0014】
このように本発明は、グラウト材の基材を超微粉末である高炉水砕スラグ粉と、これと膨張性のある無水石こうまたは二水石こうとにより構成し、この基材に減水剤の(メタ)アクリル酸系コポリマーを混練してあること、即ち、これら高炉水砕スラグ粉と、無水石こうまたは二水石こうと、減水剤とが相互に有機的に結合することにより、グラウト材の流動性と高強度の両方を確保し、収縮を極力小さくし、高流動性を長時間保持できることを特徴とする。なお、鉄筋はJISのものであれば、ふし形状ばかりでなく、どのような鉄筋でもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面に基づき本発明の実施の形態を説明すると、図1はグラウト式の鉄筋の固着構造である鉄筋の継手の例を示すもので、連結用スリーブ1の両開口端から連結する2本の鉄筋2,3の端部を所定長挿入し、硬化したグラウト材を介して応力伝達を図る機械的なものである。
【0016】
連結用スリーブ1の構造は、パイプ状の機械構造用鋼管で、熱処理により継手強度が高く、靭性を有するもので、鋳物でない方が良い。そして、スリーブ1の両端の開口部11,12の近傍には、外周部から内方に向けて固定ボルト(ハイテンションボルト)4,5が螺入した状態で取り付けてある。そして、スリーブ1の表面の中央部にはグラウト注入口6が開口し、この注入口には逆止弁が取り付けてある。又、スリーブ1の両端開口部11,12はグラウトシール材7,8で封止するものである。
【0017】
そして、連結用スリーブ1の両端開口部11,12から鉄筋2,3の端部を挿入し、固定ボルト4,5を回し、鉄筋のレベルをとる。そこで注入口6からはスリーブ1内にグラウト材9を注入する。注入した後でグラウトシール材7,8で、開口部11,12を封止する。
【0018】
そこで、グラウト材9の構成について説明すると、これは、高炉水砕スラグ粉とセメント及び無水石こうまたは二水石こうとを基材とし、この基材に減水剤として(メタ)アクリル酸系コポリマー、水を混練したものである。また、経済性の観点、外力に対するせん断抵抗性の観点から、基材には、減水剤や水と共に骨材を混練することが望ましい。
【0019】
この高炉水砕スラグ粉とセメントとは、グラウト材の流動性と高強度の性能を発揮するもので、さらに、無水石こうまたは二水石こうは膨張性により収縮を極力小さくして、鉄筋を固着するための高強度を維持する。因みに、グラウト材9を連結用スリーブ1内に注入した後で収縮すると、鉄筋2,3を把持している強度は低下する。このような点から、無水石こうまたは二水石こうによる膨張性は鉄筋保持力を保持する上で重要である。
【0020】
高炉水砕スラグ粉のフロー値を、測定方法のJASS−15M−103で測定すると、260〜305mmで強度と無収縮性が期待できる。
【0021】
また、本発明の開発段階で「高炉スラグ微粉末4000」(JIS A6206によるコンクリート用高炉スラグ微粉末では、比表面積(cm/g)が3000以上5000未満のもの)の高炉水砕スラグ粉であって、その比表面積は4000cm/gのものを使用し、実験したところ、グラウト材の性能として流動性は十分に発揮するが、強度が十分ではないことが判明した。そこで、本発明では、「高炉スラグ微粉末6000」(JIS A6206によるコンクリート用高炉スラグ微粉末では、比表面積(cm/g)が5000以上7000未満のもの)の高炉水砕スラグ粉を使用し、実験したところ、5000cm/gを超えると強度も向上し、特に5700cm/g〜6000cm/gを超えた超微粉末の高炉水砕スラグを使用した実験では、グラウト材の性能としての高流動性ばかりでなく高い強度の両方共十分に性能を発揮することが判明した。これが本発明を実現できた大きな理由である。
【0022】
また、この減水剤の(メタ)アクリル酸系コポリマーと骨材の粒子径とは、グラフト材の高流動性の保持時間に密接な関係があり、この高流動性を発揮し、実験例ではこの流動性を、例えば6時間という長時間保持することができた。
【0023】
そして、このグラウト材の混合割合は、基材100重量部に対して減水剤0.1〜0.5重量部、骨材70〜130重量部、水20〜50重量部である。
【0024】
また、基材の混合比は、高炉水砕スラグ粉が25〜60重量%の範囲で、60重量%を超えるとグラウト材の強度を発現させるのに時間がかかり、25重量%より少ないと流動性のために多量の水で混練する必要があり、他の物性に悪影響があり、流動性保持時間が短くなる。この点から、高炉水砕スラグ粉は40〜50重量%の範囲がグラウト材の強度の発現時間と流動性保持時間からは最も好ましい。
【0025】
セメントとしては、ポルトランドセメント、混合セメントなど種類には特に制限はないが、その含有率はグラウト材の強度の発現時間と流動性の確保とこの流動性の保持時間を長くする点から25〜60重量%、好ましくは40〜50重量%の範囲である。
【0026】
基材の石こうは、無水石こうまたは二水石こうの少なくとも一種であって、この石こうの含有率は5〜15重量%である。5重量%未満であるとグラウト材の収縮が大きくなり、流動性保持時間が短くなる。逆に、15重量%を超えると異常膨張することがある。なお、半水石こうは流動性保持時間が短くなることがある。
【0027】
減水剤は、一般式1
Figure 2004156257
(但し、R1は水素又はメチル基を示し、R2は炭素数2〜4個のアルキレン基を示し、R3は水素又は炭素数1〜5個のアルキレン基を示し、Pは1〜100の整数を示す)で表されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系モノマーから誘導された構成単位(以下「構成単位1」という)、または、
【0028】
一般式2
Figure 2004156257
(但し、R4は水素又はメチル基を示し、Xは水素、一価金属、二価金属、アンモニウム基若しくは有機アミンを示す)で表される(メタ)アクリル酸系モノマーから誘導された構成単位(以下「構成単位2」という)を有する(メタ)アクリル酸系コポリマーである。なお、これらのモノマーと共重合可能なモノマーから誘導された構成単位(以下「構成単位3」という)を少量含有させることができる。
【0029】
上記各構成単位1〜3の割合は、構成単位1が10〜95重量%、構成単位2が5〜90重量%、構成単位3が0〜50重量%であり、好ましくは構成単位1が50〜80重量%、構成単位2が20〜50重量%である。
【0030】
構成単位1を誘導するためのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらはその1種のみを使用できるほか、2種以上を併用使用することもできる。
【0031】
構成単位2を誘導するための(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩を挙げることができ、これらはその1種のみを使用できるほか、2種以上を併用使用することもできる。
【0032】
構成単位3を誘導するためのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系モノマー及び構成単位2を誘導するための(メタ)アクリル酸系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、炭素数1〜20個の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、フマル酸、あるいはこれらの酸と炭素数1〜20個の脂肪族アルコール又は炭素数2〜4個のグリコール若しくはこれらのグリコールの付加モル数2〜100のポリアルキレングリコールとのモノエステルあるいはジエステル、酢酸ビニル、酢酸プロペニル等の酢酸アルケニルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、スチレンスルホン酸等の芳香族ビニル、塩化ビニル等を挙げることができ、これらはその1種のみを使用できるほか、2種以上を併用使用することもできる。
【0033】
このような減水剤の含有率は、基材100重量部に対して0.1〜0.5重量部である。0.1重量部より少ないとグラウト材の流動性が急激に悪くなり、また、0.5重量部を超えると、グラウト材強度の発現が阻害されるため好ましくない。なお、このような減水剤に代えて他の減水剤を用いると、グラウト材の流動性保持時間が低下することがある。
【0034】
骨材としては、川砂、海砂、硅砂、石灰石、フライアッシュ、シリカ質材等があり、最大粒子径が3mm以下、好ましくは2.5mm以下のものを用い、そのうちの粒子径0.15mm以下のものの比率が30重量%以下、好ましくは15重量%以下となるようにする。最大粒子径が3mmを超えるものを用いると、小間隙への充填性が悪くなり、また、粒子径が0.15mm以下のものの比率が30重量%を超えるとグラウト材の流動性が急激に低下し、粘性が高くなるため好ましくない。
【0035】
骨材の含有率は、基材100重量部に対して、70〜130重量部、好ましくは80〜100重量部である。骨材の含有率が70重量部より少ないと、グラウト材の収縮の低減効果およびせん断抵抗性向上の効果が低下し、また、130重量部を超えるとグラウト材の流動性が急激に低下するので好ましくない。
【0036】
混練用の水としては、上水を用いることができ、その使用量は、基材100重量部に対して20〜50重量部である。20重量部より少ないとグラウト材の流動性が低下し、また50重量部を超えると、グラウト材の強度発現性の低下、収縮の増大等の物性が低下するとともに、材料分離が発生するため好ましくない。
【0037】
本発明のグラウト材は、消泡剤、保水剤等の通常の添加剤を配合してもよい。但し、通常、モルタルのひびわれ抵抗性改善のために添加する膨張材については、これを本発明のグラウト材に添加すると、セメント成分の硬化収縮が増大するにもかかわらず長期の収縮低減作用が得られないだけではなく、逆に異常膨張の危険性が増大するため使用しない。
【0038】
消泡剤としては、プルロニック系化合物、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等が用いられ、その含有率は、基材100重量部に対して0.005〜0.2重量部が好ましい。保水剤としては、セルロース系のもの、ビニル系のもの、アクリル系のもの等が用いられ、その含有率は基剤100重量部に対して0.05〜0.1重量部が好ましい。その他、硬化調整剤、粘度調整剤、凍結防止剤等も適宜添加することができる。
【0039】
図2は本発明の他の実施の形態である定着アンカーとして使用した形態例を示すもので、1つの固着スリーブ10の一端開口部11から鉄筋2の端部が挿入され、前記した実施の態様に示したグラウトと同一のグラウト材90がこのスリーブ10内に注入してあり、このスリーブの他端の開口部12にはプラスチックキャップ71が被嵌してある。開口部11にはゴムシール70を圧入して、グラウト材90が流出しないように封止してある。また、スリーブ10には空気抜き口13が設けてある。
【0040】
そこで、鉄筋2を固着スリーブ10の開口部11から挿入し、固定ボルト4をねじ込み、この鉄筋をこのスリーブの内面に突出している山部との協働により固定し、開口部12にはキャップ71を被嵌し、この開口部からグラウト材90を注入して、開口部11をシール材70で封止する。このようにして、この鉄筋2を固着スリーブ10に固定する。
【0041】
鉄筋2端部固着のためには、従来はこの端部をU字状、またはL字状に曲げ加工し、柱と梁との接合部に配筋していたが、この実施の形態によると、配筋作業が簡略化するばかりでなく、柱と梁との接合部がシンプルになり、梁の配筋量を増やすこともできるので、耐震性能も向上する。
【0042】
【発明の効果】
本発明によると、グラウト材の高い流動性により連結用スリーブ(以下、固着スリーブを含む)をより内径が小さいものが採用可能となり、この流動性が長時間保持できるため作業の中断によるグラウト材の一体性の阻害を防止でき、また、このグラウトは連結強度が高く、収縮性が少ないためこの連結用スリーブはより軸方向が短いものを採用することができた。高炉水砕スラグ粉の比表面積が、5000cm/g(好ましくは5700cm/g〜6000cm/g)を超える超微粉末では、グラウト材は高流動性と共に高強度を発揮する。無水石こうまたは二水石こうは膨張性により収縮を極力小さくして、グラウト材による鉄筋を固定保持するために必要な高強度を維持する。さらに、減水剤として(メタ)アクリル酸系コポリマーを混練してあるためグラウト材の流動性が長時間保持でき、鉄筋の連結、固着作業を中断しても問題がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の鉄筋の継手の例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の定着アンカーの例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 連結用スリーブ
2,3 鉄筋
7,8 シール材
9 グラウト材
10 固着スリーブ
11 一端の開口部
12 他端の開口部
70 シール材
71 キャップ
90 グラウト材

Claims (5)

  1. 開口端から鉄筋の端部が挿入可能な1つの連結用スリーブと、この連結用スリーブに注入されるグラウト材とからなり、
    上記連結用スリーブの開口端部はシール材で封止してあり、
    上記グラウト材は、高炉スラグ微粉末とセメント及び無水石こうまたは二水石こうとを基材とし、この基材に少なくとも減水剤として(メタ)アクリル酸系コポリマー、水を混練したもので、
    上記高炉スラグ微粉末の比表面積は5000cm/gを超える超微粉末である
    ことを特徴とする鉄筋の固着構造。
  2. 一端開口部から鉄筋の端部が挿入可能な1つの固着スリーブと、この固着スリーブに注入されるグラウト材とからなり、
    上記固着スリーブの一端開口部はシール材で封止してあり、かつ他端開口部にはキャップが被嵌してあり、
    上記グラウト材は、高炉スラグ微粉末とセメント及び無水石こうまたは二水石こうとを基材とし、この基材に少なくとも減水剤として(メタ)アクリル酸系コポリマー、水を混練したもので、
    上記高炉スラグ微粉末の比表面積は5000cm/gを超える超微粉末である
    ことを特徴とする鉄筋の固着構造。
  3. 請求項1または2において、上記グラウト材の基材に上記減水剤や水と共に骨材が混練してあり、
    上記グラウト材の混合割合は、基材100重量部に対して減水剤0.1〜0.5重量部、骨材70〜130重量部、水20〜50重量部である
    ことを特徴とする鉄筋の固着構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1において、基材の混合比は高炉水砕スラグ粉が25〜60重量%、セメントが25〜60重量%、無水石こうまたは二水石こう5〜15重量%である
    ことを特徴とする鉄筋の固着構造。
  5. 請求項3において、骨材の最大粒子径が3mm以下であって、粒子径0.15mmのものの比率が30重量%以下である
    ことを特徴とする鉄筋の固着構造。
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