JP2004155464A - 製袋包装機 - Google Patents

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Masashi Kondo
真史 近藤
Takafumi Otani
貴文 大谷
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Abstract

【課題】横シール装置の大型化を回避しつつ、高速化が可能で、しかも袋のサイズの点で汎用性に富む製袋包装機を提供することを課題とする。
【解決手段】コントロールユニット60は、一対のシールジョーを回転軸回りに駆動するサーボモータ24と、前後一対の回転軸を水平方向で互いに接近離反するように駆動するサーボモータ25とを協働させることにより、シールジョーを所定のシールモードで作動させる。その場合、コントロールユニット60のメモリ60aは、各サイズの製袋をそれぞれ可能にする複数のシールモードを記憶しており、操作パネル61を介してこれらのシールモードから袋サイズに応じて所定のシールモードを選定する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋を成形しながらその袋に物品を封入して袋詰め商品を連続生産する製袋包装機、詳しくは横シール手段の駆動制御に関し、物品包装の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スナック菓子等の袋詰め商品を連続生産するのに用いられる縦型製袋包装機は、上下に延びるチューブの周囲に帯状の包材を巻き付けて筒状に曲成し、該筒状包材を下方に搬送しながら重ね合わせ部を長手方向に縦シールしたのち、所定の間隔を置いて幅方向に横シール及び切断を行って袋を連続的に生産しつつ、その製袋過程において、例えば組合せ計量装置の集合シュートから排出されて前記チューブに順次投入される物品を個々の袋に封入していくものである。
【0003】
製袋包装機において、このような連続生産を効率よく実現するための横シール装置として、適正なシール時間の確保を目的に、筒状包材の搬送経路を挟んで対向配置された一対のシールジョーを側面視で略D字状の軌跡を描くように移動させることで、該シールジョーを搬送中の包材に追随させるように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この横シール装置は回転軸に固定された連結部材とカムフォロアとシールジョーとを有しており、カムに対して回転軸とカムフォロアとを回転させ、かつ、カムに対して回転軸を水平方向に相対移動可能とすることにより、シールジョーのD字状移動が実現される。そして、回転軸を水平方向に移動させるため、カムのほぼ中心部に水平方向に延びる長穴が形成されており、回転軸はこの長穴の形成された範囲内で移動するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−203531号公報(第6−9頁、図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の横シール装置では、カムにおいて長穴の形成される範囲が制限されるから、シール可能な袋の大きさが制限されるという問題がある。すなわち、一対のカム及び回転軸間の空間を大サイズの筒状包材が通過するためには、長穴を長く形成してカムに対する回転軸の相対移動距離を大きくしなければならない。そうすると、カムやカムフォロアを連結する部材等の大型化を招くことになり、横シール装置の占有スペースが大きくなるという問題が生じるのである。
【0007】
そこで、本発明は、以上の現状に鑑み、横シール装置の大型化を回避しつつ、高速化が可能で、しかも袋のサイズの点で汎用性に富む製袋包装機を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0009】
まず、請求項1に記載の発明は、下方に搬送される帯状の包材の左右両側縁部を重ね合わせて筒状に曲成し、該筒状包材を重ね合わせ部で縦シール手段によって長さ方向にシールすると共に横シール手段によって幅方向にシールして袋に成形しつつ、該袋内へ物品を投入する製袋包装機において、前記横シール手段は、前記筒状包材を挟み付けて溶着する一対のシールジョーと、これらをそれぞれの回転軸回りに駆動する回転駆動手段と、前記両回転軸を水平方向で互いに接近離反するように駆動する水平駆動手段と、前記回転駆動手段と水平駆動手段とを協働させて一対のシールジョーを所定のシールモードで作動させる制御手段とを有すると共に、そのシールモードとして複数のモードを記憶したモード記憶手段と、包材の種類に応じて該記憶手段に記憶されている複数のモードからいずれかのシールモードを選択して設定するモード設定手段とを有することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、シールジョーの回転軸を回転駆動及び水平駆動することにより、シールジョーが連続製袋に適した略D字状の軌跡を描いて移動することが可能となるから、高速化を達成することができる。また、製袋する袋の例えば幅や厚み等に応じて、回転駆動及び水平駆動手段を協働させることによってシールジョーを所定のシールモードで作動させるから、1機で多様なサイズの製袋が可能な汎用性に富む製袋包装機が実現される。しかも、構成部材の大型化を必要としないため、いたずらに装置の大型化を招くことはない。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の製袋包装機において、前記シールモードは、連続搬送中の前記筒状包材の搬送速度とシール期間中の前記両シールジョーの移動速度とを同期させる第1のシールモードと、横シール後、該第1のシールモードの場合よりも速い速度で両シールジョーを互いに離反させる第2のシールモードと、筒状包材を間欠搬送中に該第2シールモードで両シールジョーを作動させる第3のシールモードと、該第3のシールモードの場合よりも両シールジョーの回転軸の水平方向の離間距離を大きくさせる第4のシールモードとを有していることを特徴とする。
【0012】
この発明によればシールモードが具体化され、まず、第1のシールモードを設定すると、シールジョーの動作は常時連続搬送される筒状包材に対応可能であるから、通常包材を間欠搬送しなくてよい比較的小サイズの製袋に好適で、この場合の製袋を高速で行うことができる。
【0013】
また、第1のシールモードを設定して比較的中サイズの製袋を行う場合、シールジョーがD字状軌跡において直線移動から回転移動に移行する際、筒状包材の底部の厚みが小サイズの場合より大きいためシールジョーがこの底部に干渉し、筒状包材を持ち上げたり或いは包材や包材内の物品を損傷することがある。それに対して第2のシールモードを設定すると、シールジョーはシール後に直線移動から一層高速とされた回転移動に移行するから、シールジョーは包材の底部に干渉することがなくなり、もって前記不具合が未然に回避される。
【0014】
さらに、第3のシールモードを設定すると、前記第2のシールモードを設定した場合の作用効果に加え、筒状包材の搬送が停止されている期間中に、例えばシェーキング手段を用いて包材内の物品の嵩密度を高めることができるから、比較的中サイズないし大サイズの製袋を良好に行うことができる。
【0015】
そして、第4のシールモードを設定すると、回転軸の水平方向の離間距離を大きくすることにより、回転軸間の空間を通過する筒状包材を大径化することができるから、前記第3のシールモードを設定した場合よりも、さらに大サイズの製袋が可能となる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の製袋包装機において、前記第4のシールモードにおいて、前記回転軸の水平方向の離間距離は、前記袋の種類に基づいて設定されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、第4のシールモードをさらに具体化することができ、比較的大サイズの製袋を行う場合のシールジョーの動作を、一層適正に設定することが可能となる。
【0018】
そして、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の製袋包装機において、前記回転軸ごとに複数のシールジョーが設けられていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、1回転ごとに複数の横シール部が形成されるから、つまり複数個の製袋が行われるから、同一回転速度の場合、回転軸ごとに単一のシールジョーが備えられた横シール装置に比較して確実に高速化が実現される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る製袋包装機について説明する。なお、以下の記載において、「前、後」とあるのは、正面視でそれぞれ手前側、奥方側を、また、「左、右」とあるのは、同じく正面視でそれぞれ左側、右側を意味する。
【0021】
図1に示すように、この製袋包装機1は上下に延びる縦型タイプのもので、上部が漏斗形状とされると共に下部が円筒形状とされて、図示しない直上方の組合せ計量装置によって所定重量に計量された物品が投入されるチューブ2を有している。また、このチューブ2の上部には、図示しないロール支持部から矢印aで示すように繰り出された帯状の包材Faの左右両縁部を重ね合わせて筒状とするフォーマ3が設けられている。
【0022】
そして、チューブ2の左右両側には、帯状の包材Faを該チューブ2の左右両側面に押し付けながら矢印bで示すよう下方へ搬送する一対のプルダウンベルト(一方のみ図示)4,4が配置されていると共に、該チューブ2の前面には、包材Faの重ね合わせ部をシールして筒状に成形する縦シール装置5が配置されている。
【0023】
また、プルダウンベルト4,4や縦シール装置5の下方には、筒状に成形された包材Fbに投入された物品の嵩密度を高めるためのシェ−キング装置6が配置され、さらに下方には、筒状包材Fbを前後両側から挟み付けて、該包材Fbの所定位置をシールすると共にそのシール部近傍を幅方向に切断することにより、筒状包材Fbに底部を形成すると同時に、物品X…Xが収容された筒状包材Fbの上端部をシールして袋Fcとする横シール装置7が配置されている。
【0024】
シェーキング装置6は、底部が形成されて物品X…Xが投入された図中鎖線で示す筒状包材Fbの比較的上方の所定部位をクランプした状態で上下に揺動するもので、例えば特開2000−95205号公報に記載のものが適用可能である。すなわち、シェーキング装置6は、筒状包材Fbをクランプする前後一対のシャッタ部材11,11と、該シャッタ部材11,11を矢印c,cで示すように開閉するためのシリンダ12と、該シャッタ部材11,11を矢印dで示すように上下に揺動するためのサーボモータ13とを有している。
【0025】
そして、横シール装置7は前後一対の横シール機構7a,7aを有しており、各横シール機構7aは、回転軸21に固定された連結部材22の両端部にそれぞれシールジョー23,23が支持されたツインジョータイプのものである。この横シール装置7には、回転軸21,21を矢印e,eで示すように回転駆動するサーボモータ24と回転軸21,21を矢印f,fで示すように水平駆動するサーボモータ25とが配設されており、各横シール機構7aの各シールジョー23は符号gで示すように側面視で略D字状に移動する。すなわち、両サーボモータ24,25の駆動により、各横シール機構7aの各シールジョー23は回転軸21回りに回転すると共に、他方の横シール機構7aの各シールジョー23と筒状包材Fbを介して対接する期間中は垂直に移動する。
【0026】
前後の横シール機構7a,7aは類似の構成とされているので、一方の横シール機構7aの構成につき、図2及び図3に基いて詳しく説明する。
【0027】
まず、この横シール機構7aは左右一対の連結部材22,22を有し、各連結部材22の両端部には、一対の回動部材31,31と、カムフォロア32,32と、ベース部材33,33とが備えられている。また、各連結部材22の長手方向の両側部には、一対のスプリング34,34が配設されている。
【0028】
回動部材31は、一端が回動軸35を介して連結部材22の外側に回動自在に支持されている。そして、回動軸35は、連結部材22を内側に貫通して、左右の連結部材22,22間に配置されると共にシールジョー23を支持するベース部材33に固定されている。つまり、ベース部材33及びシールジョー23は回動部材31と一体に回動する。
【0029】
カムフォロア32は、回動部材31の他端寄りの外側面に回転自在に立設され、連結部材22の外側に配置された図例の形状のカム36のカム面に摺接する。
【0030】
スプリング34は、回動部材31の回動軸35側の端部とはカムフォロア32を挟んで反対側の端部と、連結部材22の当該回動部材31が備えられた端部とは回転軸21を挟んで反対側の端部近傍とにわたって配設されている。このスプリング34は、回動部材31に設けられたカムフォロア32をカム36のカム面方向に付勢する。
【0031】
回転軸21は左右方向に延び、前述したように両側の連結部材22,22はこの回転軸21に固定されている。また、回転軸21の右側端部はカム36及び該カム36を固定支持する移動板37を貫通して図示しない支持フレームの外側に突出し、シュミットカップリング38を介して回転駆動用サーボモータ24に連結されている。一方、回転軸21の左側端部はカム36及び移動板37を貫通して支持フレームの外側に突出し、突出部分に図示しない電力供給用のスリップリングが設けられている。その場合、回転軸21は、カム36及び移動板37とは相対回転可能、かつ水平方向には相対移動不能に配置されている。なお、シュミットカップリング38は、平面的に固定されて回転駆動用サーボモータ24に連結されている入力軸に対して回転軸21が平面的に移動して両者の軸心距離が変わった場合にも、入力軸の回転を回転軸21に伝達するものである。また、本実施の形態では、単一の回転駆動用サーボモータ24によって、前後の回転軸21,21が回転可能とされている。
【0032】
シールジョー23は、回転軸21に沿って左右方向に延び、該シールジョー23を加熱して筒状包材Fbを溶着して袋Fcを形成するための図示しないヒータを内蔵している。また、後方側の横シール機構7aのシールジョー23,23は、ソレノイド等の適宜手段によって駆動されて横シール部近傍を幅方向に切断する図示しないカッタを収容している。もちろん、前方側の横シール機構7aにカッタを備えてもよい。なお、前記スプリットリングは、これらヒータやソレノイド等へ電力を供給するために設けられたものである。
【0033】
次に、図2に基き、横シール装置7において、左右両側に配置された片側一対の移動板37,37を介し、前後の回転軸21,21を水平方向で互いに接近離反させる構造について説明する。
【0034】
移動板37,37は矩形状の部材で、中央部において回転軸21,21を回転自在に支持している。各移動板37の外側面の上下左右には都合4個のガイド部材(上側の2個のみ図示)41…41が設けられており、これらのガイド部材41…41は、図示しない支持フレームに設けられて前後方向に延びる上下一対のレール部材(同じく上側のみ図示)42,42にスライド自在に係合している。
【0035】
一方、奥方側の適宜位置に、水平駆動用サーボモータ25が配設されている。このサーボモータ25の出力軸にはボールねじ43が連結されており、該ボールねじ43に第1及び第2ナット部材44,45が螺合している。そして、前記ボールねじ43と水平方向で直交するように第1及び第2連結ロッド46,47が配置されている。また、前後方向に沿って第3連結ロッド48と、該第3連結ロッド48と平行に第4連結ロッド49とが配置されている。
【0036】
その場合、第1連結ロッド46は継手部材50を介して第3連結ロッド48に連結され、そして、第3連結ロッド48は後方側の移動板37をスライド自在に貫通すると共に先端は前方側の移動板37の側端面に固定されている。また、第2連結ロッド47は継手部材51を介して第4連結ロッド49に連結され、そして、第4連結ロッド49の先端は後方側の移動板37の側端面に固定されている。
【0037】
さらに、前記ボールねじ43の第1ナット部材44が螺合する部分と第2ナット部材45が螺合する部分とは、互いに逆ねじとされている。
【0038】
なお、前記ガイド部材41…41及びレール部材42,42で構成されるガイド機構は左右両側に設けられており、これによって移動板37…37は前後方向に安定的に移動する。
【0039】
このような構造としたことにより、ボールねじ43の正逆方向の回転に伴い、第1〜第4連結ロッド46〜49を介して前後の移動板37…37ひいては前後の回転軸21,21を水平方向で互いに接近離反させることが可能となる。
【0040】
次に、図4に示すように、製袋包装機1には、該包装機1を総括的に制御するコントロールユニット60が備えられている。このコントロールユニット60は、例えば製袋包装機1を操作するための操作パネル61からの操作信号を入力して、製袋する袋Fcのサイズに応じてメモリ60aに記憶されている複数のシールモードから、入力信号に対応するシールモードを選択して設定する。そして、コントロールユニット60は、このシールモードに基いて回転駆動用及び水平駆動用サーボモータ24,25に制御信号を出力し、これらの駆動を制御する。
【0041】
ここで、図1、図3、図5、及び図6を用いて、この製袋包装機1の基本動作について説明すると、まず、ロール保持部から供給された帯状包材Faはフォーマ3を介してチューブ2に巻き付けられて筒状に成形されながら、プルダウンベルト4,4によって下方へ搬送される。そして、筒状包材Fbの重ね合わせ部が縦シール装置5によってシールされる。そのとき、組合せ計量装置から所定重量に計量された物品X…Xがチューブ2を介して底部が形成された筒状包材Fbに投入されると、横シール装置7によって包材Fbの上端部がシールされて、物品X…Xが封入された袋Fcと同時に筒状包材Fbの新たな底部が形成される。そして、生産された袋Fcは、図示しない搬出手段によって次工程に搬送される。
【0042】
その場合、横シール装置7において、回転駆動用サーボモータ24によって回転軸21,21が矢印e,eで示すように回転すると、都合4つのシールジョー23…23が連結部材22,22を介して回転軸21,21回りに円運動をする。そして、各横シール機構7aにおいて、一対の回動部材32,32に設けられたカムフォロア32,32がカム36を挟み込むようにカム面を摺動する。
【0043】
図5に示すように、横シール前であって、前後のシールジョー23,23が筒状包材Fbを介して対接していない状態では、シールジョー23,23の先端が包材Fbを挟んで上方を向くように、そして、図3に示すように、横シール時には、前後のシールジョー23,23の先端が対向するように、カム36,36のカム面は形成されている。その場合、図5に示す状態から図3に示す状態に移行する間に、水平駆動用サーボモータ25の駆動により、両回転軸21,21は一旦互いに接近したのち離反する方向に移動する。
【0044】
横シール時には、前後一対のシールジョー23,23は下方に搬送される筒状包材Fbの搬送速度に同期して移動し、先行する袋Fcの上端部と後続する包材Fbの下端部とが同時にシールされると共に横シール部のほぼ中間位置がカッタによって切断される。
【0045】
さらに回転軸21,21が回転すると、図6に示すように、前後のシールジョー23,23の先端が筒状包材Fbを挟んで下方を向くように、カム36,36のカム面は形成されている。その場合、図3に示す状態から図6に示す状態に移行する間に、水平駆動用サーボモータ25の駆動により、両回転軸21,21は一旦互いに接近したのち離反する方向に移動する。
【0046】
この横シール装置7では、回転軸21,21を回転駆動及び水平駆動することによってシールジョー23…23のD字状移動を可能としたから、高速化を達成することができる。しかも、ツインジョータイプとされているから、シングルジョータイプの場合に比較してさらなる高速化が可能となる。また、回転軸21,21を回転駆動する際、横シール前と横シール後とにおいて、回転軸21,21を互いに離反させるように水平移動することにより、回転軸21,21と共にカム36,36を水平方向に移動させることができるから、例えばカム36,36を小サイズに維持しつつ、両横シール機構7a,7a間の空間を広く確保することができる。したがって、構成部品の大型化を招くことなく、大サイズの袋Fcの製袋にも対応可能な製袋包装機1が実現される。
【0047】
加えて、この横シール装置7では、シール時の物品Xの噛み込み不良にも対応することができる。すなわち、図7に示すように、前後のシールジョー23,23が包材Fb内の物品Xを噛み込んだ場合、各シールジョー23,23の下部に作用する物品Xからの押圧反力によって、前方側(図例では左側)の回動部材31はスプリング34の付勢力に抗して回動軸35回りに下方に回動すると共に、カムフォロア32はカム36のカム面から離反する。一方、後方側(同じく右側)の回動部材31は、シールジョー23の下部が押圧反力を受けたとき、カムフォロア32がカム36のカム面から離反しないように構成されている。つまり、後方側の回動部材31は、前方側の回動部材31と同方向への回動が禁止されており、逆方向へのみ回動可能とされている。
【0048】
こうすることにより、物品Xの噛み込みが生じたとしても、両シールジョー23,23は異なる方向へ傾動するから、両シールジョー23,23が物品Xを押しつぶしたり、或いはシールジョー23,23自体が損傷することが抑制されるようになる。なお、図例と異なってシールジョー23,23の上部で物品Xの噛み込みが生じた場合には、前方側の回動部材31は、前述とは反対の方向つまり上方に回動する。また、シールジョー23,23の中央部で物品Xの噛み込みが生じた場合には、押圧反力の強い部位に応じた回動部材31の動作が行われる。
【0049】
そして、この製袋包装機1では、製袋する袋Fcのサイズに応じて横シール装置7が実行するシールモードを設定することができる。例えば、オペレータが操作パネル61を操作して該当する袋サイズのキーを押下すると、その信号を入力したコントロールユニット60は、メモリ60aに記憶されている複数のシールモードから入力信号に対応するシールモードを選択した上で、横シール装置7に備えられた回転駆動用及び水平駆動用サーボモータ24,25に制御信号を出力する。
【0050】
以下、いくつかのシールモードが設定された場合の横シール装置7の動作について説明するが、本発明の特徴を簡潔に表すため、便宜上1つのシールジョー23の動作に限定して説明する。
【0051】
まず、第1のシールモードは、筒状包材Fbが連続的に搬送されるのに伴い、シールジョー23を回転軸21回りに連続的に回転させるモードである。すなわち、図1に示すように、例えばシールジョー23の回転軸21は、横シール前と横シール後とでは細い鎖線で示す位置に停止して回転し、かつ横シール期間中はこの鎖線で示す位置と実線で示す位置との間を移動しながら回転する。細い鎖線で示す回転軸21,21の離間距離Mは、当該包装機1の生産能力や袋Fcの長さ等に応じて決定される筒状包材Fbの搬送速度と横シールに必要な時間とから算出される横シール期間中の直線移動距離Lと、シールジョー23の回転半径Rとに基いて設定され、通常この離間距離Mより小径のチューブ2を用いた製袋が行われる。
【0052】
図8に示すように、シールジョー23が回転軸21回りに連続的に回転する場合、時刻t1,t2間では、回転駆動用サーボモータ24の回転駆動速度はそれまでの速度Vから直線的に減速される。次いで時刻t2,t3間は横シールが実行される横シール期間Tseで、この期間Tseでは、回転駆動用サーボモータ24が回転軸21を図例のように回転駆動速度を減速したのち加速するように駆動すると共に、水平駆動用サーボモータ24が前後の回転軸21,21を前記離間距離Mに対して一旦離反させたのち接近させて再び離間距離Mを保つように駆動することにより、シールジョー23は筒状包材Fbの搬送速度に同期して直線移動する。そして、時刻t3,t4間では回転駆動速度は速度Vまで直線的に加速され、時刻t4から次回の時刻t1までの期間では速度Vに維持される。ここで、時刻t1から次回の時刻t1までの期間が横シールの1サイクル期間Tcで、この1サイクルで1つの横シール部つまり1個の袋Fcが生産される。
【0053】
第1のシールモードに基いて横シール装置7を作動させると、前記サイクルが繰り返されることによって、連続的に搬送される筒状包材Fbに対応可能であるから、通常包材Fbを間欠的に搬送しなくてよい比較的小サイズの製袋に好適で、この場合の製袋を高速で行うことができる。
【0054】
次に、第2のシールモードは、前記第1のシールモードと同様に、筒状包材Fbが連続的に搬送されるのに伴い、シールジョー23を回転軸21回りに連続的に回転させるモードを基本とする。
【0055】
図9に示すように、シールジョー23が回転軸21回りに連続的に回転する場合、時刻t1,t2間では、回転駆動用サーボモータ24の回転駆動速度はそれまでの速度Vから減速される。次いで時刻t2,t3間は横シール期間Tseで、前述したようにこの期間Tseでは、シールジョー23は筒状包材Fbの搬送速度に同期して直線移動する。そして、特徴的なこととして時刻t3,t4間では、回転駆動速度が速度Vを上回る速度V1まで直線的に加速される。時刻t4,t5間で回転駆動速度は速度V1に維持されたのち、時刻t5,t6間で速度Vまで減速され、時刻t6,t7間ではこの速度Vに維持される。その後、これまでの高速で回転した分つまり時刻t4′,t6間を埋め合わせるための措置が時刻t7,t8間でとられ、回転駆動速度は一旦速度Vを速度V1だけ下回る速度V2とされたのち、時刻t8から次回の時刻t1までの期間では所定の速度Vに維持される。すなわち、時刻t4′,t8間の回転駆動速度が見かけ上速度Vに維持されるように、回転軸21が駆動されるのである。ここで、時刻t1から次回の時刻t1までの期間が横シールの1サイクル期間Tcで、この1サイクルで1個の袋Fcが生産される。なお、横シール期間Tse中、前後の回転軸21,21の水平方向における移動は前記第1のシールモードにおけると同様であるので、説明を省略する。
【0056】
比較的中サイズの製袋を行う場合、筒状包材Fbの底部の厚みが小サイズの場合より大きいため、シールジョー23がD字状軌跡において直線移動から回転移動に移行する際、シールジョー23がこの底部に干渉し、包材Fbを持ち上げたり或いは包材Fbや包材Fb内の物品X…Xを損傷することがある。そのような場合、第2のシールモードに基いて横シール装置7を作動させると、横シール期間Tse後は直線移動から一層高速とされた回転移動に移行するから、シールジョー23は包材Fbの底部に干渉することがなくなり、もって前記不具合が未然に回避される。
【0057】
また、第3のシールモードは、筒状包材Fbを間欠的に搬送させると共にシールジョー23を間欠的に回転させるモードである。この場合、例えば図1において符号yで示すような所定位置で停止しているシールジョー23が回転を開始すると、シールジョー23は回転中に前記第2のシールモードにおけると同様の動作を実行し、このシールジョー23が180°回転したのち再び停止する間に、1回の横シールを実行して袋Fcを1個生産するというものである。
【0058】
図10に示すように、このシールモードでは、回転駆動用サーボモータ24は時刻t1で回転軸21を回転させ始め、時刻t2,t3間では回転駆動速度を速度Vに維持したのち、時刻t3,t11間は前述の第2のシールモードにおける時刻t1から次回の時刻t1までの期間と同様の回転駆動を行う。次いで、時刻t11,t12間で回転駆動速度は減速され、時刻t12から次回の時刻t1までの期間では回転は停止される。この停止期間中、筒状包材Fbの搬送も停止されている。
【0059】
そして、筒状包材Fbの搬送とシールジョー23の回転とが停止している所定期間Tsh中に、例えばシェ−キング装置6を作動させることができる。すなわち、シャッタ開閉用シリンダ12が駆動して前後一対のシャッタ部材11,11を閉じて、これらのシャッタ部材11,11が底部が形成された筒状包材Fbの上端部をクランプし、かつ、揺動用サーボモータ13が駆動してシャッタ部材11,11を上下に揺動することにより、筒状包材Fbに投入された物品X…Xの嵩密度が高められることになる。このシェーキング期間Tshが経過して次回の時刻t1に至ると、揺動が停止されてシャッタ部材11,11が開かれると同時に、筒状包材Fbの搬送とシールジョー23つまり回転軸21の回転とが再開される。ここで、時刻t1から次回の時刻t1までの期間が横シールの1サイクル期間Tcで、この1サイクルで1個の袋Fcが生産される。なお、横シール期間Tse中、前後の回転軸21,21の水平方向における移動は前記第1のシールモードにおけると同様であるので、説明を省略する。
【0060】
こうすることにより、前記第2のシールモードを設定した場合の作用効果に加え、筒状包材Fbの搬送及び回転軸21の回転が停止されている期間中にシェーキング装置6を用いて筒状包材Fb内の物品X…Xの嵩密度を高めることができるから、物品X…Xが嵩高いと生じ易い横シール時の物品Xの噛み込み不良等の不具合が回避される。したがって、第3のシールモードに基いて横シール装置7を作動させると、投入された物品X…Xの嵩密度を高める必要が往々にしてある比較的中サイズないし大サイズの製袋を良好に行うことができる。
【0061】
そして、第4のシールモードは、前後の回転軸21,21の水平方向の離間距離が前記第3のシールモードの場合に比較して大きくなるように横シール装置7を作動させるモードである。
【0062】
図11に示すように、回転駆動用サーボモータ24は、時刻t1,t12間では前記第3のシールモードにおける時刻t1,t12間と同様に、回転軸21を駆動する。そして、筒状包材Fbの搬送及び回転軸21の回転が停止中の時刻t12から次回の時刻t1までの間に、所定のシェーキング期間Tshにおいて、第3のシールモードにおけると同様にシェーキング装置6によって包材Fb内の物品X…Xの嵩密度を高める。加えて、特徴的なこととして回転の停止期間中に、水平駆動用サーボモータ25は、図1において太い鎖線で示すように両回転軸21,21の離間距離を広げて両回転軸21,21間に広い空間を形成させたのち、両回転軸21,21の離間距離を狭めて細い鎖線で示す所定の位置に停止させると共に、その間に所定の期間Tpを確保するように駆動する。次回の時刻t1に達して筒状包材Fbの搬送及び回転軸21の回転が再開されると、回転軸21の水平方向における移動は時刻t4,t5間に示されているように行われる。この動作は前述した通りである。
【0063】
その場合、広げられた回転軸21,21つまり図1において太い鎖線で示す回転軸21,21の水平方向の離間距離は、チューブ2の直径つまり筒状包材Fbの直径ひいては製袋する袋Fcの直径或いは幅に基いて設定される。すなわち、水平駆動用サーボモータ25は、シール前やシール後の回転停止時の離間距離がチューブ2の直径よりも大きくなるように、そして、横シール動作のために回転を開始すると所定の離間距離Mとなるように、回転軸21,21を駆動する。
【0064】
こうすることにより、第4のシールモードに基いて横シール装置7を作動させると、両回転軸21,21の離間距離を大きくすると共に前記期間Tpを確保することによって、両回転軸21,21間に大径の筒状包材Fbを通過可能とすることができるから、前記第3のシールモードを選択した場合よりも、さらに大サイズの製袋が可能となる。しかも、製袋する袋Fcの直径に基いて広げられたときの両回転軸21,21の水平方向の離間距離を設定するから、シールジョー23,23の動作を一層適正に設定することが可能となる。そして、横シール動作に際しては、回転軸21,21は所定の離間距離Mとなるように、つまり両回転軸21,21は所定の位置まで互いに接近するように駆動されるから、シールジョー23…23がいたずらに大きな軌跡を描くことはなく、高速化が維持されることになる。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態に係る製袋包装機1によれば、袋Fcのサイズに応じてシールモードを設定することにより、いたずらに構成部品の大型化を招くことなく小サイズから大サイズまでの製袋が可能となる。
【0066】
なお、前記実施の形態では、第3のシールモードにおいては、シール後は直線移動から一層高速とされた回転移動に移行していたが、その必要が認められない場合には、第1のシールモードと同様の移行方式を採用してもよい。つまり、図10における時刻t3,t11間の期間を図8における時刻t1から次回の時刻t1までの期間と同様に動作させてもよい。
【0067】
また、前記実施の形態では、横シール機構7aごとつまり回転軸21ごとに一対のシールジョー23,23を備えていたが、生産性や設置スペース等の理由により、単一のシールジョーを備えてもよいし、また逆に個数を増加させてもよい。このような場合においても、前述のような作用効果が得られるのはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、横シール装置の大型化を回避しつつ、高速化が可能で、しかも袋のサイズの点で汎用性に富む製袋包装機が提供される。本発明は、袋を成形しながらその袋に物品を封入して袋詰め商品を連続生産する製袋包装機などの物品包装の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る製袋包装機の概略側面図である。
【図2】横シール装置の概略平面図である。
【図3】図2のh−h線による要部矢視図である。
【図4】製袋包装機の主に横シール装置に係る制御システム図である。
【図5】シール前の横シール装置の状態を示し、図3に相当する図である。
【図6】シール後の横シール装置の状態を示し、図3に相当する図である。
【図7】物品噛み込み時のシールジョーの動作を説明するための要部側面図である。
【図8】第1のシールモードを説明するためのタイムチャートである。
【図9】第2のシールモードを説明するためのタイムチャートである。
【図10】第3のシールモードを説明するためのタイムチャートである。
【図11】第4のシールモードを説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 製袋包装機
5 縦シール装置(縦シール手段)
7 横シール装置(横シール手段)
21 回転軸
23 シールジョー
24 回転駆動用サーボモータ(回転駆動手段)
25 水平駆動用サーボモータ(水平駆動手段)
60 コントロールユニット(制御手段、モード設定手段)
60a メモリ(モード記憶手段)
Fa,Fb 包材
Fc 袋
X 物品

Claims (4)

  1. 下方に搬送される帯状の包材の左右両側縁部を重ね合わせて筒状に曲成し、該筒状包材を重ね合わせ部で縦シール手段によって長さ方向にシールすると共に横シール手段によって幅方向にシールして袋に成形しつつ、該袋内へ物品を投入する製袋包装機であって、前記横シール手段は、前記筒状包材を挟み付けて溶着する一対のシールジョーと、これらをそれぞれの回転軸回りに駆動する回転駆動手段と、前記両回転軸を水平方向で互いに接近離反するように駆動する水平駆動手段と、前記回転駆動手段と水平駆動手段とを協働させて一対のシールジョーを所定のシールモードで作動させる制御手段とを有すると共に、そのシールモードとして複数のモードを記憶したモード記憶手段と、包材の種類に応じて該記憶手段に記憶されている複数のモードからいずれかのシールモードを選択して設定するモード設定手段とを有することを特徴とする製袋包装機。
  2. 前記シールモードは、連続搬送中の前記筒状包材の搬送速度とシール期間中の前記両シールジョーの移動速度とを同期させる第1のシールモードと、横シール後、該第1のシールモードの場合よりも速い速度で両シールジョーを互いに離反させる第2のシールモードと、筒状包材を間欠搬送中に該第2シールモードで両シールジョーを作動させる第3のシールモードと、該第3のシールモードの場合よりも両シールジョーの回転軸の水平方向の離間距離を大きくさせる第4のシールモードとを有していることを特徴とする請求項1に記載の製袋包装機。
  3. 前記第4のシールモードにおいて、前記回転軸の水平方向の離間距離は、前記袋の種類に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の製袋包装機。
  4. 前記回転軸ごとに複数のシールジョーが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の製袋包装機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007145366A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Ishida Co Ltd 製袋包装機
JP2012136270A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Ishida Co Ltd 製袋包装機

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