JP2004154327A - 一体化ガラスの支持機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期信頼性および生産効率を高めたガラス板の一体化構造を得る。
【解決手段】前後2枚のガラス板を透視させて遊技を行う遊技機において、それぞれガラス板を受容する前後2列のガラス溝51を有し、前後のガラス板の外周縁部と係脱可能に係合してガラス板を保護する複数に分割された保護フレーム50と、分割された各保護フレーム部材を連結させる連結バンド60とからなり、ガラス板の外周縁部に複数の保護フレーム部材を係合させ、連結バンド60で連結させることで前後2枚のガラス板を所定間隔に保持して一体化させる。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤を保持する枠部材の前面側に、横開き開閉可能に取り付けられた窓枠とこの窓枠の背面側にガラス保持手段を介して取り付けられた少なくとも前後2枚のガラス板とを備え、前後のガラス板を通して遊技盤を透視させ遊技を行う遊技機に関し、なお詳細にはこのような遊技機に用いられる前後のガラス板を一体化させた一体化ガラスの支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような遊技機としてパチンコ機やアレンジボール機、雀球遊技機などがある。この種の遊技機の代表例とされるパチンコ機では、開閉搭載枠たる前枠の正面奥部に所定のゲージ設定で遊技領域が形成された遊技盤がセット保持されており、その前面側に遊技領域を透視保護するガラス扉が設けられている。ガラス扉は、中央部に開口する窓口を有して外郭方形状に一体成型された窓枠と、この窓枠の背面側にガラス保持手段を介して窓口を塞ぐように取り付けられた前後2枚のガラス板とを主体として構成され、窓枠および前枠の左側縁に配設されたヒンジ機構で横開き開閉自在に支持されるとともに、互いの右側縁に配設された施錠装置を利用して閉鎖保持可能に取り付けられている。
【0003】
前後のガラス板は、遊技盤に近接配設されて遊技領域を画定し遊技盤面に展開される遊技球が機外に飛び出ることを防止する目的の第1のガラス板と、この第1のガラス板から所定間隔を隔てた遊技者側に配設されて遊技盤との間に空間領域を形成させ磁石等を用いた不正行為を防止する目的の第2のガラス板とが用いられる。ガラス保持手段としては、窓枠の裏面側に窓口を取り囲むようにねじ固定された金属製のガラス枠が従来から広く用いられている。ガラス枠の左右辺には上下に延びてガラス板の左右縁部を支持するレール状の支持溝が前後に2列形成されており、ガラス枠の上方から各支持溝に沿って第1,第2のガラス板を1枚ずつ挿入することで、前後2枚のガラス板が所定間隔をおいてセット保持されるようになっている。
【0004】
ところが、上記のような従来のガラス支持機構にあっては、ガラス板がそれ自身1枚ずつ単体で取り扱われるため、着脱作業をガラス板の枚数分行わなければならないうえ、ガラス板の装着、脱着、運搬等の各過程においてチッピングや割れ等の機械的損傷を受けやすく、作業者にとってもガラス板を取り扱う際に周縁のエッジに留意しつつ作業を行わなければならいなど、作業が繁雑であるという問題があった。このため、ガラス板の装着や取り扱いの容易化を目的として、前後2枚のガラス板を所定の間隔をおいて一体化させる技術が考案され(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)、実用化の段階に入りつつあり、例えば一体化したガラスアッセンブリを所要の止め金具で4カ所程度固定することによりガラス扉の背面側に固定支持させる技術が考案されている(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭59−183282号公報(第1、2図)
【特許文献2】
実開平2−106291号公報(第2、3図)
【特許文献3】
特開平9−718号公報(第3−4頁、第1−3図)
【特許文献4】
特開平9−56903号公報(第24−25頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の一体化構造は、ガラス板の外形寸法に合わせて成型された樹脂製の枠部材の前後面に、それぞれ上記第1および第2のガラス板を接着剤によって接着保持させることで前後2枚のガラス板を一体化(複層化)した構成であり、以下のような問題があった。
【0007】
第1に、接着対象である樹脂材料とガラス板との組み合わせは、ともに性質が異なる難接着材料であるうえに、線膨張係数が大きく異なる大型部品であり、かつ捻り変形にも柔軟に追従する必要があることなどから、使用可能な接着剤が限られ、生産コストや工程等を勘案すると一液性のシリコーン系接着剤等に限定されてしまう。ところが、このような接着剤では深部硬化に時間がかかり、生産リードタイムが長期化して生産性が悪化するほか、未硬化の接着剤を硬化させるためにガラスアッセンブリをセット状態のまま保持するジグやストッカーが必要になるなど、生産性の面で問題があった。
【0008】
第2に、線膨張係数が大きく異なる大型部品であることから、被接着面の脱脂処理やプライマー処理等の前処理工程に不具合があると、膨張・収縮の繰り返しにより接着面で剥離を生じてガラス板の保持状態を維持できなくなるおそれがあり、生産管理面や長期信頼性の面で問題があった。
【0009】
第3に、被接着面の前処理を充分に行って枠部材とガラス板とが強固に接着接合されると、今度はこれを人為的に分離させることが困難になる。このため、前後2枚のガラス板のうちいずれか1枚のガラス板が破損したような場合に、破損したガラス板を単品交換することができないうえ、破損していないガラス板や枠部材をリサイクル使用することも難しいという問題があった。
【0010】
また、一体化されたガラスアッセンブリを窓枠の背面に係止保持させる支持機は、窓枠背面の所定位置に4カ所程度設けられて後方に突出する支持金具と、この支持金具を受容可能な貫通穴を有して枠部材に一体整形された取付部と、該取付部の基部に回動可能にネジ固定された止め金具などからなり、ガラスアッセンブリを支持して取付部を支持金具に位置合わせして係合させ、止め金具を回動操作することによって窓枠背面に支持させるように構成されていた。このため、第4の問題として、ガラス支持機構の構成部品が多く部材コストおよび組み立てコストが増大するうえ、一体化して重量が増大したガラスアッセンブリを片手で支持しながら他方の手で固定作業を行わなければならないなど、却って作業性が悪化するとの指摘もなされていた。
【0011】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、複数のガラス板を透視させて遊技を行う遊技機におけるガラス板の取り扱い性を向上させるとともに、生産性や長期信頼性、リサイクル性、作業性等を高めたガラス板の支持機構を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技盤を保持する枠部材の前面側に、前後に開口する窓口を有して横開き開閉可能に取り付けられた窓枠とこの窓枠の背面側にガラス保持手段を介して窓口を塞ぐように取り付けられた少なくとも前後2枚のガラス板とを備え、前後のガラス板を通して遊技盤を透視させ遊技を行う遊技機に関するものである。そのうえで、本発明におけるガラス保持手段は、それぞれ前後に所定間隔をおいてガラス板を受容する前後2列のガラス溝を有し、前後のガラス板の外周縁部と係脱可能に係合して当該前後のガラス板を保護する複数の保護部材と、複数の保護部材を連結させる連結部材と、前後のガラス板の外周縁部に係合させた複数の保護部材を連結部材で連結させて一体化したガラスアッセンブリを窓枠の背面側に係脱及び左右揺動可能に支持させる支持手段とを備えており、この支持手段におけるガラスアッセンブリ側の支持構造を連結部材に形成して一体化ガラスの支持機構を構成している。
【0013】
上記一体化ガラスの支持機構では、複数に分割された各保護部材に前後に所定間隔をおいて前後2列のガラス溝が形成されており、このガラス溝に前後のガラス板が係脱可能に係合される。そしてガラス板の外周縁部に係合された複数の保護部材を連結部材で連結させることにより前後のガラス板が所定間隔を保持して一体化される。このため、このような一体化構造によれば、ガラス板および枠部材の前処理工程や、接着剤の塗布工程、および接着姿勢を維持して接着剤を硬化させる硬化工程等が不要であり、生産リードタイムを短縮して生産性を高めることができる。
【0014】
また、複数の保護フレームを連結部材で連結させて一体化する構成のため、接着面の剥離によるガラス保持状態の劣化等を生じることがなく、生産管理を容易化するとともに長期信頼性を向上させることができる。さらに、連結部材を取り外すことで一体化したガラスアッセンブリを容易に分解することができるため、前後2枚のガラス板のうちいずれか1枚のガラス板が破損したような場合であっても、破損したガラス板を簡単に単品交換することができ、かつガラス板や枠部材をリサイクル使用することが可能である。従って、本発明によれば、遊技機におけるガラス板の取り扱い性を向上させるとともに、生産性や長期信頼性、リサイクル性を高めたガラス板の一体化構造を提供することができる。
【0015】
さらに、一体化したガラスアッセンブリを窓枠の背面側に係脱および左右揺動可能に支持させる支持手段が設けられ、かつ当該支持手段におけるガラスアッセンブリ側の支持構造が連結部材に形成されているため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを低減できるとともに、重量のあるガラスアッセンブリの着脱作業を容易化して作業性を向上させた一体化ガラスの支持機構を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお実施例では、前枠の正面奥部に遊技盤が収容保持されたパチンコ機のガラス扉に本発明を適用した場合を主として説明する。
【0017】
まず、本実施例のパチンコ機PMの概要構成を図1および図2を参照して要約説明する。なお、図1はパチンコ機PMの外観正面図を、図2は後述するガラス扉5および上球皿6を開いた状態におけるパチンコ機の正面図を示している。
【0018】
パチンコ機PMは外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ部材3a,3bで横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合された閉鎖状態に保持される。
【0019】
前枠2の各部にはパチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および上球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、上球皿6の下側に下球皿8、操作ハンドル9および打球発射装置10等が装備されている。前枠2の上方奥部には後方に突出する方形枠状の収容枠2aが前枠2と一体に形成されており、この収容枠2aに所定のゲージ設定で構成された遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤正面の遊技領域PAを臨ませている。
【0020】
前枠2の裏側には、詳細図示省略するが、球貯留タンクや球払出装置等を有する裏機構盤が遊技盤20の背面を覆うように横開き開閉および着脱可能に装備されるとともに、裏面各部に主制御基板やターミナル基板、音声基板等の各種基板や電子部品などが取り付けられて各機器がワイヤーハーネスで接続されている。
【0021】
前枠2の上下中間領域には遊技補助盤と称される補助機構部2bが形成されており、発射レール11やファール球回収経路12、スピーカ13などが設けられている。遊技補助盤2bの左上部は一部上方に延出されて前後に連通する通出口14が形成され、この通出口14の後方に配設される裏機構盤の球出口と、通出口14の前方に位置整合して配設される上球皿6の通出樋15との間を繋いで、球払出装置から払い出された遊技球を通出口14および通出樋15を通して上球皿6に排出するように構成されている。なお、ガラス扉5はいわゆるダブル錠と称される施錠装置4により収容枠2aの前面を覆う閉鎖姿勢にロック保持され、上球皿6はガラス扉5を開放させた状態においてのみ開閉操作可能なロック機構16により遊技補助盤2bの前面を覆う閉鎖姿勢にロック保持される。
【0022】
パチンコ機PMは、上球皿6およびガラス扉5がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、上球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル9が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が同球皿に内蔵された球送り装置によって1球ずつ発射レール11上に送り出され、打球発射装置10のハンマーに打ち出されて発射レール11および遊技盤20の案内レールに沿って遊技領域PAに導かれ、以降パチンコゲームが展開される。
【0023】
以上のように概要構成されるパチンコ機PMにあって、前枠2およびガラス扉5の左側部に、前枠2に対してガラス扉5を開放状態に保持させる扉開放保持機構30が設けられている。本実施例に開示する扉開放保持機構30は、図3〜図5の各図に示すように、ガラス扉5の下部に水平面内に揺動可能に支持された係止金具31を主体としてガラス扉5を開放状態に係止保持させる第1開放保持機構30Aと、ガラス扉5の背面に垂直面内に揺動可能に支持された固定金具36を主体としてガラス扉5を開放状態に固定させる第2開放保持機構30Bとの二つの開放保持機構を設けた例を示している。なお、図3はガラス扉5を開放した状態で前枠2の前方斜め上方から見た扉開放保持機構30の分解斜視図、図4は扉開放保持機構30によりガラス扉5を開放保持させた状態の平面図、図5は扉開放保持機構30によりガラス扉5を開放保持させた状態の背面図である。
【0024】
扉開放保持機構30を詳細説明するにあたり、まずガラス扉5について、ガラス扉5の概要背面図である図7を含めて参照しつつ概略説明すると、ガラス扉5は、前後に開口する窓口5bを有して外郭方形の枠状に一体成型された樹脂製の窓枠5aの背面側に、窓口5bの周囲を取り囲むように薄板板金製の固定支持枠90(代表番号で示す、例えば後述する固定支持枠91〜99等)が固定され、この固定支持枠90に前後2枚のガラス板56が一体化されたガラスアッセンブリ70(代表番号で示す、例えば後述するガラスアッセンブリ71〜79等)が取り付けられて構成される。
【0025】
固定支持枠90は、窓口5bの下方に配設される下方枠部90U(固定支持枠の番号に添え字Uを付して示す、例えば、固定支持枠93における下方枠部93U等)、正面視において窓口5bの右側に配設される右方枠部90R(同様に添え字Rを付して示す、例えば、右方枠部93R等)および左側に配設される左方枠部90L(同様に添え字Lを付して示す、例えば、左方枠部93L等)を主体として構成され、各枠部が窓口5bの周囲を取り囲むように窓枠5aの背面にねじ固定されて取り付けられる。なお、上記各枠部の少なくとも一部(例えば右方枠部90R)を設けない構成とすること、あるいは上記各枠部に加えて上方枠部を設ける構成とすることもでき、これらの詳細については後述のガラス支持機構の実施例で説明する。
【0026】
また、ガラスアッセンブリ70は、各々前後に2列のガラス溝が形成され複数に分割された保護フレーム50、各ガラス溝に支持された前後2枚のガラス板56,56、および保護フレーム50の外周を取り巻くようにして一体に連結させる連結バンド60(代表番号で示す、例えば後述する連結バンド61〜69等)等からなり、保護フレーム50の前後のガラス溝51にガラス板56を係合支持させて連結バンド60で連結することにより一体化される。ガラスアッセンブリ70は、後述する揺動支持機構80(代表番号で示す、例えば後述する揺動支持機構81〜89等)により固定支持枠90に前後揺動可能に支持され、係止保持機構により窓口5bを塞ぐ取付角度位置に固定保持される。ガラス扉5は、窓枠5aおよび前枠2の正面左側に設けられたヒンジ機構7a,7bにより前枠2に対して横開き開閉および着脱が自在に支持されている。
【0027】
扉開放保持機構30における第1開放保持機構30Aは、下方枠部90Uに水平旋回可能に支持される係止金具31を主体として構成される。係止金具31は、帯板状に細長く形成された保持杆部31aと、この保持杆部31aの基端側に形成された旋回軸部31b、保持杆部31aの先端側に穿設された係止孔部31cなどからなり、例えば所定板厚の冷間圧延鋼板をプレス加工等により打ち抜き成形して、円柱軸の中心に雌ネジ部が形成された旋回軸部31bをカシメ圧着した後、クロメート処理等の所要の表面処理を行って図示する形態に構成される。
【0028】
下方枠部90Uには、前後のガラス板56,56の中間位置(より詳細には後述する溝間凹部52の配設位置)に位置してネジ32を挿通させる丸孔が形成されており、下方枠部の支持面側からネジ32を挿通させて旋回軸部31bの雌ネジ部に螺合させることにより、係止金具31がガラス扉5の下部に水平旋回可能に取り付けられる。下方枠部90Uの左右中間領域には、取付面が切り起こし成形されて後方に突出する係止フック(図示せず)が形成されており、係止金具31を下方枠部に沿うように水平旋回させたときに、支持杆部31aの下面を支持して係止金具31を係止保持可能に構成されている。これにより、常には係止金具31が係止フックに係止されて窓枠5aの裏面下部にコンパクトに格納保持される。
【0029】
また、通出口14の上方には、上球皿6の通出樋15から針金や金属薄板等を挿入して不正操作が行われることを防止するため、通出口14の上方および右側方を覆うように前方に突出する庇部17が形成されており、ガラス扉5を閉鎖したときに庇部17の前方部分が下方枠部90Uに覆われるようになっている。庇部17の後方には係止金具の係止孔部31cと係脱可能なピン状の係止突起部17a,17bが突出形成されている。
【0030】
ここで、係止金具31における保持杆部31aの長さ、および二つの係止突起部17a,17bの形成位置は、開放保持させようとするガラス扉5の前枠2に対する開放角度に基づいて設定され、例えば、図4中に実線および二点鎖線で示すように、係止孔部31cを正面右側の係止突起部17aに係合させて張り渡したときに、ガラス扉5の開放角度が90度となり、正面左側の係止突起部17bに係合させて張り渡したときにガラス扉5の開放角度が110度(機構上の最大開き角度近傍の角度)となるように設定される。これにより、隣接するパチンコ機に対して順次ガラス板を装着するときや保守作業を行うとき等にはガラス扉を90度の開放角度に係止保持させ、特定のパチンコ機に対して釘調整を行うとき等には110度の開放角度で係止保持させるなど、作業目的に応じて2段階の開放角度で保持させることができる。なお、開放角度は他の角度に設定してもよく、また三以上設けて多段階の開放角度位置で係止保持可能に構成してもよい。
【0031】
扉開放保持機構30における第2開放保持機構30Bは、ガラス扉5の背面に垂直面内に上下揺動可能に支持される固定金具36を主体として構成される。固定金具36は、帯板状のアーム部36aと、このアーム部36aの基端側に板面から垂直に延びてカシメ圧着された円筒状の揺動軸部36b、アーム部36aの先端側が揺動軸部36bと反対方向に直角に折り曲げられて形成された固定片部36c、この固定片部に下方に開いて形成されたU字状のネジ係合溝36dなどからなり、上記係止金具31と同様の金属材料を用いて同様の加工手段により構成される。
【0032】
固定金具36が取り付けられる窓枠5aの背面側には、窓口側部の面材から後方に突出するボス5cが一体に形成され、その後端側の中心部にネジを受容するネジ受容穴が形成されている。ボス5cの突出高さは固定支持枠90を支持する支持ボス5dやリブと同一高さに形成される一方、固定支持枠90における左方枠部90Lにはボス5cの後端面を露出させて揺動軸部36bの前端部を回動自在に嵌合支持する支持孔部90hが形成されている。
【0033】
また、ガラス扉5の閉鎖姿勢において窓枠5aの背後に位置する前枠2の前端面には、固定金具の固定片部36cを当接支持する固定支持部2cが形成され、その中心部にネジ38を受容するネジ受容穴が形成されている(図5を参照)。
【0034】
固定金具36は、揺動軸部36bの前端部を左方枠部90Lに形成された支持孔部90hに嵌合させてボス5cに当接させ、揺動軸部36bの後方からネジ37を挿通させてボス5cのネジ受容穴に螺合させることにより、窓枠5aの背面に垂直面内に揺動可能に支持される。
【0035】
本実施例に示す固定金具36はガラス扉5を90度の開放角度で係止保持または固定保持可能に構成されており、アーム部36aの長さおよび固定支持部2cの形成位置は、ガラス扉5を90度の開放角度に開放させた状態で、固定金具のアーム部36aが水平になるように上方から揺動させたときに、ネジ係合溝36dがネジ38のネジ軸部と係合し固定片部36cがネジ頭部と固定支持部2cとの間に挟持されてガラス扉5を90度の開放角度に係止保持し、この状態からネジ38を締め込むと固定片部36cが固定支持部2cにねじ固定されてガラス扉5を上記開放角度に固定保持するようになっている。なお、固定金具36におけるアーム部36aの長さおよびアーム部36aに対する固定辺部36cの折り曲げ角度を適宜設定することにより、他の開放角度、例えば前述した110度の開放角度でガラス扉5を係止保持ないし固定保持させるように構成することも可能である。
【0036】
固定金具36は、例えば図5中に二点鎖線で付記するように、先端の固定片部36cが鉛直下方に位置して左方枠部90Lに沿うように収容され、または先端の固定片部36cが鉛直上方に位置して左方枠部90Lに沿うように収容される。なお、固定支持部2cは固定片部36cを当接支持する領域のみが前方に突出するように形成されており、90度近傍の開放角度位置でアーム部36aを揺動させたときに固定片部36cの前後の縁部が固定支持部2c周辺の前枠と当接することなく、ネジ係合溝36cを容易に係合させ得るようになっている。また、固定支持部2cを側断面視台形状に形成することにより上記効果をさらに向上させることも可能である。
【0037】
このように構成される扉開放保持機構30の作用について、ガラス扉5を90度の開放角度に開放保持させる場合を例として説明すると、作業者は、合鍵を施錠装置4の錠部に嵌挿して、例えば反時計回りに回動操作することでガラス扉5のロックを解除し、浮き上がるように開いたガラス扉の窓枠5aの側縁に指をかけてガラス扉5を90度近傍の開き角度に開放させる。
【0038】
次いで、下方枠部90Uの係止フックに収容保持されている係止金具31を手前に引き出すように水平旋回させて保持杆部31aの先端側を庇部17上に導き、ガラス扉5の開き角度を微調整しながら保持杆部先端の係止孔部31cを係止突起部17aに位置合わせして、これらを係合連結させる。これにより、係止金具31が下方枠部90Uと庇部17との間に張り渡されて係止され、ガラス扉5が90度の開放角度をもって開放状態に保持される。従って、以上のような係止金具31の係合操作のみによって簡便にガラス扉5を開放状態に係止保持させることができる。
【0039】
一方、より強固な開放保持を望む場合等には、上記係止金具31によるガラス扉5の係止保持に加えて固定金具36によるガラス扉5の係止保持または固定保持を行う。なお、固定金具36の固定片部36cが鉛直下方に位置して収容されている場合には、90度を超える開放角度まで一度ガラス扉5を開いて固定金具36を水平よりも上方の揺動角度位置に待避させておき、この待避状態で係止金具31によるガラス扉5の係止保持または固定金具36によるガラス扉5の係止保持作業を行う。これらの作業はいずれを先行して行ってもよいが、ここでは、固定金具36を上方に待避させた状態で係止金具31による係止保持を行ったものとして以降説明を続ける。
【0040】
上述したように、係止金具31における係止孔部31cを係止突起部17aに係合させた状態では、ガラス扉5が既に90度の開放角度をもって開放状態に保持されている。そこで、作業者は待避姿勢にある固定金具のアーム部36aを時計回りに揺動させてアーム部36aが水平になるように下動させる。すると、アーム部先端の固定片部36cが固定支持部2cの上方から円弧軌跡をもって下動し、ネジ係合溝36dがネジ38のネジ軸部を受容するように係合して固定片部36cがネジ頭部と固定支持部2cの支持面との間に進入し、これらの間に挟持されるように係合する。これにより、ガラス扉5が固定金具36によって90度の開放角度に係止保持される。さらに、このような係合状態からネジ38を締め込むことにより固定片部36cが固定支持部2cにねじ固定され、ガラス扉5が上記開放角度で固定保持される。従って、固定金具36の係合操作によっても前述同様に簡便にガラス扉5を90度の開放角度で係止保持させることができ、さらに、ネジ38を閉め込むことでより強固に固定保持させることができる。
【0041】
また、係止金具31の揺動方向と固定金具36の揺動方向とを直交する平面方向に設定しているため、外力に対する抗力を高めた扉開放保持機構を得ることができる。例えば、ガラス扉5の上部のみを前方に傾動させるような外力が作用して係止金具31における保持杆部31aの先端側が浮き上がり、係止孔部31cと係止突起17aとの係合が解除されるようなことがあっても、固定金具36とネジ38との係合が外れるようなことがなく、開放状態を安定して維持させることができる。
【0042】
さらに、例示した係止金具31では、円筒状の旋回軸部31bを設けることで係止金具31と下方枠部90Uとの摺動面を一定の円環領域に低減化させて滑らかに水平旋回可能に構成している。なお、係止金具31では、下方枠部90Uの支持面側から旋回軸部31bにネジ32を螺合させて連結させているが、旋回軸部31bと下方枠部90Uとの間に樹脂製のワッシャを挟持させて摺動抵抗をさらに低減させるように構成してもよく、雄ネジと雌ネジの係合連結に代えて、リベット等の締結手段を用いて係合連結させ、あるいはスナップリングとリング溝等の嵌着手段を用いて係合連結させてもよい。さらに、係止金具31を前枠2側に水平旋回可能に支持させて下方枠部90U側に係止突起等を設ける構成や、前枠側および下方枠部側双方に係止突起を設けて係止金具をこれら両方の係止突起に着脱可能に係止させる構成としてもよい。
【0043】
また、実施例では作図および説明上の便宜から、第1開放保持機構30Aと第2開放保持機構30Bの両者をガラス扉5の下部に配設した例を示したが、第1または第2開放保持機構のいずれか一方を設ける構成としてもよく、両者を設ける場合には、第2開放保持機構30Bを第1開放保持機構30Aと所定間隔離してガラス扉5の上部に配設し、あるいはガラス扉5の上下に複数設ける構成としてもよい。第1開放保持機構30Aと第2開放保持機構30Bとをガラス扉5の上下に分けて配設する構成とすれば、ガラス扉5の上方に偏った外力が作用した場合であってもガラス扉5が捻り変形するようなことがなく、上下バランスよく外力に抗して開放状態を安定的に保持させることができる。また、第2開放保持機構30Bを上下に複数設ける構成とすれば、支持バランスの良好さに加えて、さらに強固に開放状態を保持させる扉開放保持機構を得ることができる。
【0044】
さて、以上のように開放保持されるガラス扉5における窓枠5aの背面側に、ガラス支持機構40(代表番号で示す、例えば後述するガラス支持機構41〜49等)を介して前後2枚のガラス板56が窓口5bの背後を覆うように取り付けられる。図6に窓枠5aからガラスアッセンブリ70を取り外して分解した状態でガラス支持機構40の全体概要を略示するように、ガラス支持機構40では、前後のガラス板56が保護フレーム50および連結バンド60(61〜69等)により複層化されて一体のガラスアッセンブリ70(71〜79等)が形成され、こうして一体化されたガラスアッセンブリ70が揺動支持機構80(81〜89等)により窓枠5aの背面側に係脱および揺動可能に支持される。
【0045】
以下、ガラス支持機構40について、まず図7〜図11を参照して第1実施例のガラス支持機構41から順に説明する。ここで、図7は連結バンド61を分離させた状態でガラス支持機構41の主要部を正面側から見た分解斜視図、図8は部分断面図を含むガラスアッセンブリ71の背面図、図9は連結バンド61の収容状態を示す平面図(部分断面図)、図10(A)(B)は連結バンド61の取付状態を示す背面図(部分断面図)である。なお、以降説明する各図ではガラス扉5の記載を省略しており、既述した図3〜図6を適宜参照しながら説明する。
【0046】
ガラス支持機構41は、複数の保護フレーム部材からなり前後2枚のガラス板56の外周縁部と係合してガラス板を所定の間隔をおいて保持する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように固定されて複数の保護フレーム部材を連結させ一体のガラスアッセンブリ71を形成させる連結バンド61、ガラスアッセンブリ71を窓枠5aに係脱及び左右揺動可能に支持させる揺動支持機構81(第1ヒンジピン81a、第2ヒンジピン81b、ヒンジブラケット81c)などから構成される。
【0047】
ガラス支持機構41におけるガラスアッセンブリ71は、前後2枚のガラス板56(図7では記載を省略している)と、これらのガラス板56と係脱可能に係合してガラス板を保護する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周を取り囲むように係合して複数の保護フレーム部材を連結させる連結バンド61とを主体として構成され、前後のガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合支持させて連結バンド61で連結することにより一体のアッセンブリとして形成される。
【0048】
保護フレーム50は、内周側にガラス板56を受容する前後2列のガラス溝51を有して全体として外郭方形のフレーム形態をなし、ガラス板56の外周縁部全体をガラス溝51に受容係合させて保護するため、複数の保護フレーム部材に分割されて形成される。保護フレーム50の分割形態は、例えば図18(A)に示すように上下に2分割する形態(上下の保護フレーム部材50a,50a)や、図18(B)に示すように左右に2分割する形態(左右の保護フレーム部材50b,50b)が代表例として示されるが、そのほか、コの字状の枠体と開放辺を塞ぐ一辺とに2分割する形態、角部ごとにコーナ枠状に4分割する形態、上下左右の各辺に4分割する形態などであってもよい。複数に分割された各保護フレーム部材は、例えば、ABS樹脂やポリアセタール(POM)、ポリプロピレン(PP)その他の比較的軟質の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により形成される。
【0049】
前後のガラス溝51,51は、前後の溝間を所定間隔に保持するスペーサ部を挟んで、それぞれガラス板56の外周縁部を覆う断面視凹型のレール状に形成され、前方ガラス溝の前面側および後方ガラス溝の背面側には、それぞれの溝内に収容されたガラス板56の前面および背面を保護する前方の保護シート面55aおよび後方の保護シート面55bが形成されている。このため、前後のガラス板56をガラス溝51に係合支持させることで、これら2枚のガラス板がスペーサ部を挟んで所定間隔を保持して平行に支持されるとともに、各ガラス板56の前後面を含む上下左右の外周縁部全体が樹脂製の保護フレーム50に包み込まれるように保持される。
【0050】
また、前方の保護シート面55aにおける角部は窓口5bの開口部よりも幾分大きめの半径を有したR状に形成され、後方の保護シート面55bおよびスペーサ部の角部は窓口5bの開口部よりも幾分外側を通るコーナ枠状に形成されている。このため、前方のガラス板56を窓口5bの開口背面に密着させて不正行為可能な隙間を生じさせることなく配設し得るとともに、パチンコ機正面側からの視認性を確保しつつガラス板56の支持面積を増大させて前後2枚のガラス板56が安定に支持されるようになっている(図4および図5を参照)。
【0051】
保護フレーム50の外周側には、フレーム内方に膨出成型されたスペーサ部に対応して凹状に窪む溝間凹部52が形成され、この溝間凹部52に前後の壁面を繋いで補強用のリブ54が適宜な間隔をおいて形成されている。これにより単純枠組み構成に比べて保護フレームを軽量化しながらフレーム剛性を向上させ、保護フレーム50の捻り変形を抑制している。また、保護フレーム50の上辺および左右辺の溝間凹部52には円筒状のネジボス53が形成され、その中心に溝間凹部52の深さを利用してネジの嵌合長さを確保したネジ受容穴53hが形成されている。なお、図7〜図10に示すガラスアッセンブリ71では、連結バンド61を溝間凹部52に収容させて固定する実施形態を示しており、ネジボス53およびリブ54の形成高さは、連結バンド61を固定したときに連結バンドおよびこれを取り付けるナベコネジ58の頭部が保護フレーム50の外周に突出しないように設定されている。
【0052】
一方、連結バンド61は、溝間凹部52の溝幅よりも幾分小さめの板幅の金属板を曲げ加工して形成された第1バンド部材61aと第2バンド部材61bとからなり、両者が連結された状態で、全体として外郭方形の枠状に構成される。第1バンド部材61aは、上下左右四辺のうち左辺の中央部を除く枠状に形成され、第2バンド部材61bは左辺中央の開放部を繋ぐ帯板状に形成されている。第1バンド部材61aの両端部、第2バンド部材61bの両端部は、それぞれ枠部外方に折り曲げられて相対峙するフランジ部61af,61bfが形成され、これらのフランジ部を第1,第2ヒンジピン81a,81bおよびナット81nで締結することで、第1,第2バンド部材が一体の方形枠状に連結される。
【0053】
第1バンド部材61aの相対する二辺の内面間隔は、分割された保護フレーム部材の各ガラス溝51にガラス板56を係合させてガラス板の外周全体を覆うように複数の保護フレーム部材に支持させた状態において、保護フレーム50の相対する二辺のネジボス53およびリブ54の外面間隔(外向きの端面間隔)と同一若しくはわずかに小さめの寸法に形成されている。また、第2バンド部材の上下のフランジ部61bf,61bfの外面間隔は、ガラス板を支持させた保護フレームの溝間凹部52に第1バンド部材61aを係合させた状態における第1バンド部材の上下のフランジ部61af,61afの内面間隔よりも小さく設定されており、第1バンド部材のフランジ部61afと第2バンド部材のフランジ部61bfとが所定の隙間間隔を隔てて上下に対向するように形成されている。各フランジ部61af,61bfには、これらのフランジ部を締結させる第1,第2ヒンジピン81a,81bの軸部を挿通させるための円孔が穿設されている。
【0054】
第1バンド部材61aおよび第2バンド部材61bの各辺には、ガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合させ、溝間凹部52に第1バンド部材61a、第2バンド部材61bを係合させたときに、保護フレーム側の各ネジ受容穴53hと位置整合してナベコネジ58を挿通させるネジ取付孔61hが形成されている。
【0055】
以上の各部材は、保護フレーム部材の各ガラス溝51にガラス板56を係合させて複数の保護フレーム部材で前後のガラス板56の外周全体を覆うように支持させ、その外周から保護フレーム50の溝間凹部52に連結バンド61を係合させて固定することで一体化され、ガラスアッセンブリ71が形成される。
【0056】
例えば、図18(A)に示すように保護フレーム50が上下に2分割された形態の保護フレーム部材50a,50aを用いてガラスアッセンブリ71を形成する場合について具体的に説明すると、作業者は下方の保護フレーム部材50aにおける左右辺のガラス溝51に、ガラス板56の左右側縁を係合させて下方にスライドさせ、ガラス板56の下縁が下方のガラス溝51の溝底面に当接するまで挿入する。これを前後のガラス板について行うことで、前後2枚のガラス板56の下縁全体と左右側縁の下半分が下方の保護フレーム部材50aに係合され、ガラス板56の上半分が露出した状態に保持される。
【0057】
次いで、上方の保護フレーム部材50aにおける左右辺のガラス溝51を前後のガラス板56の左右側縁上端部に係合させ、上方の保護フレーム部材を覆い被せるように下方にスライドさせてガラス板56の上縁が上方のガラス溝51の溝底面に当接するまで下動させる。これにより前後のガラス板56の上縁全体と左右側縁の上半分が上方の保護フレーム部材50aに係合保持され、前後2枚のガラス板が上下の保護フレーム部材50a,50aに外周縁部全体を覆われるように保持される。
【0058】
次に、第1バンド部材61aの端部を開いて上下の保護フレーム部材の溝間凹部52に係合させる。また第2バンド部材61bを第1バンド部材の上下のフランジ部61af,61afの間(保護フレーム右辺)の溝間凹部に係合させる。そして、相互に対向した上下各一対のフランジ部61af,61bfにおける、下側のフランジ部の円孔に第1ヒンジピン81aを挿通させ、上側のフランジ部の円孔に第2ヒンジピン81bを挿通させて、それぞれナット81nを締め込むことで各フランジ部61af,61bfを連結させ、一体の方形枠状の連結バンド61を形成させる。また、連結バンド61の各辺のネジ取付孔61hを通してネジ受容穴53hにナベコネジ58を螺合させ締め込んで連結バンド61を固定する。
【0059】
ここで、既述したように、第1バンド部材61aの各辺の内面間隔は、ガラス板56の外周に複数の保護フレーム部材を係合させた状態におけるネジボス53およびリブ54の外面間隔と同一若しくはわずかに小さめの寸法に形成されるとともに、第2バンド部材の上下のフランジ部61bf,61bfの外面間隔が、第1バンド部材の上下のフランジ部61af,61afの内面間隔よりも小さく設定され、第1バンド部材のフランジ部61afと第2バンド部材のフランジ部61bfとが所定の隙間間隔を隔てて上下に対向するように形成されている。このため、上記のように第1バンド部材61aと第2バンド部材61bとを第1,第2ヒンジピン81a,81bで締結させたときに、連結バンド61が保護フレーム50の外周を締め込む「タガ」のように作用し、上下の保護フレーム部材で前後のガラス板56を挟み込むように緊密に締結させる。
【0060】
こうして上下の保護フレーム部材が連結されガラス板56の外周を取り囲む保護フレーム50が形成されると、前後のガラス板56が所定間隔をおいて平行に支持され、これら2枚のガラス板が複層化された一体のガラスアッセンブリ71が形成される。これにより、前後のガラス板56の各前後面を含む外周縁部全体が前後のガラス溝51、保護シート面55a,55bおよびスペーサ部に包み込まれるように保持され、ガラスアッセンブリ71の運搬時や着脱作業時などを含めて機械的損傷から保護される。また、フランジ部を除く連結バンド61の略全体が溝間凹部52に収容される構成のため、ガラスアッセンブリ71を小型軽量に構成することができる。
【0061】
ガラスアッセンブリ71の左辺には、第1バンド部材61aと第2バンド部材61bとを締結させる締結部材を利用して揺動支持機構81のアッセンブリ側構造が設けられている。すなわち、第1バンド部材のフランジ部61afと第2バンド部材のフランジ部61bfとを締結して一体のフランジ部61fを形成させる締結部材として第1,第2ヒンジピン81a,81bが用いられ、これらのヒンジピンを利用して揺動支持機構81が形成される。ヒンジピンは、下方のフランジ部61fにネジ締結された第1ヒンジピン81aと、上方のフランジ部61fにネジ締結された第2ヒンジピン81bとからなり、両ヒンジピンが同軸上に配設されて上下に延びる揺動軸が形成される。第1ヒンジピン81aは第2ヒンジピン81bよりも長く形成されるとともに、各ピンの先端部には円錐状の導入部が形成されている。
【0062】
一方、窓枠5aの背面側には、揺動支持機構81の窓枠側構造が設けられている。この窓枠側構造は、上述したガラスアッセンブリ71の上下のフランジ部61f,61fに対応して取り付けられた上下のヒンジブラケット81c,81cからなり、それぞれ窓口5bの左側に位置して窓枠5aの背面側に固定される固定面とガラスアッセンブリのフランジ部61fを支持する支持面とを有して側面視アングル状の形態に形成される。
【0063】
ヒンジブラケット81cの支持面には、第1,第2ヒンジピン81a,81bを係脱可能に受容して軸まわりに回動可能に支持するヒンジホール81dが形成されている。上下のヒンジブラケット81c,81cは、ガラスアッセンブリ71が窓口5bの背後を覆おって閉止された取付角度位置に位置したときの上下のフランジ部61f,61fの高さ位置およびヒンジピン81a,81bの平面位置に合わせて窓枠5aの背面側に固定される。
【0064】
以上のように構成されるガラス支持機構41を利用してガラスアッセンブリ71を装着する場合には、まず、既述した扉開放保持機構30によりガラス扉5を例えば90度の開放角度に係止保持させておく。これにより、ガラスアッセンブリ71の着脱作業時に作用する外力でガラス扉5が揺動してしまうようなことがなく、安定した開放姿勢でガラスアッセンブリ71の着脱作業を行うことができる。
【0065】
次に、ガラスアッセンブリ71の側縁および下辺を把持してフランジ部61fを斜め前方に向けて支持し、窓枠5aの背面側からヒンジブラケット81cに近づける。そして、まず第1ヒンジピン81aを下方のヒンジブラケットのヒンジホール81dに位置合わせし、ガラスアッセンブリ71をわずかに下動させて先端の導入部を係合させる。次いで第2ヒンジピン81bを上方のヒンジブラケットのヒンジホール81dに位置合わせし、ガラスアッセンブリ71を下動させて先端の導入部を係合させる。そして、これら第1,第2ヒンジピン81a,81bがともに上下のヒンジホール81d,81dに係合したところでガラスアッセンブリ71をさらに下動させ、上下のフランジ部61f,61fをそれぞれ上下のヒンジブラケット81c,81cに支持させる。
【0066】
これにより、ガラスアッセンブリ71の左端部が上下および左右方向に位置決めされて揺動自在に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ71全体の荷重が上下のヒンジブラケット81cに支持され、以降はガラスアッセンブリ71を前方に押圧する軽い操作力だけで装着作業を進めることができる。また、上下2本のヒンジピン81a,81bを異なる長さに設定しているため、上下のヒンジピンをそれぞれのヒンジホールに係合させる際に、作業者は1カ所ずつ注目して段階的に係合作業を進めることができ、非熟練作業者にとっても容易に着脱作業を行える構成になっている。
【0067】
従って、以上説明したようなガラス支持機構41によれば、連結バンド61を固定する工程だけで直ちに使用可能なガラスアッセンブリ71が形成されるため、被接着部材の前処理工程や接着剤の塗布工程、接着姿勢を維持して接着剤を硬化させる硬化工程等が不要であり、生産リードタイムを短縮して生産性を高めることができる。また、複数の保護フレーム部材を連結バンド61で機械的に連結させて一体化する構成のため、接着面の剥離や接着剤の経時変化等によるガラス保持力の低下を生じるようなことがなく、生産管理を容易化するとともに長期信頼性を向上させることができる。さらに、ガラスアッセンブリ71はナベコネジ58およびナット81nを緩めて連結バンド61を取り外すことで容易に分解することができるため、前後2枚のガラス板56のうちいずれか1枚が破損したような場合であっても、破損したガラス板を簡単に単品交換することができ、かつ各部材を完全に分離可能なため、分解して取り外したガラス板56や保護フレーム部材、連結バンド61、第1,第2ヒンジピン81a,81b、ナット81n等の各構成部材をリサイクル使用することも可能である。
【0068】
また、ガラス支持機構41では、揺動支持機構81におけるアッセンブリ側構造が連結バンド61の締結部材を利用して形成されているため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを抑制することができるとともに、窓枠5aの背面側から容易かつ安全にガラス板の着脱作業を行えるガラス支持機構を提供できる。さらに、ガラス支持機構41では、アッセンブリ側のヒンジピン81a,81bを窓枠側のヒンジホール81dに係合させることで、ガラスアッセンブリ全体の荷重が支持され、以降ガラスアッセンブリ71を軽く揺動させるだけの軽作業で装着作業を進めることができる。従って、一体化されて重量が増加したガラスアッセンブリを支持しながら位置合わせをしたり固定操作する等の必要がなく、ガラス板の着脱作業を全体的に容易化して作業性が良好なガラス支持機構を提供することができる。
【0069】
なお、図7では、窓枠背面に設けられる固定支持枠(91)の記載を省略しヒンジブラケット81cが窓枠5aの背面に取り付けられる例を示したが、別途窓枠5aを補強する補強枠を設け、あるいは後述する固定支持枠と同様の支持枠を設けてヒンジブラケットを固定支持枠に形成してガラス支持機構を構成してもよい。また各図ではガラスアッセンブリ71を取付角度位置に係止する係止保持機構の記載を省略しているが、後述する実施例における係止保持機構のいずれかを用いることにより同様にガラスアッセンブリ71を取付角度位置に係止保持させることができ、同様の効果を得ることが可能である。
【0070】
次に、第2実施例のガラス支持機構42について、図11を参照して説明する。図11は第2実施例のガラス支持機構42の主要部を示す分解斜視図である。なお、図11はガラス支持機構を斜め後方から見た斜視図であり、以降の説明の便宜上、図11における左右方向(背面視における左右方向)をもって左方または右方と称して説明する。
【0071】
ガラス支持機構42は、複数の保護フレーム部材からなり前後2枚のガラス板56の外周縁部と係合してガラス板を所定の間隔をおいて保持する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように固定されて複数の保護フレーム部材を連結させ一体のガラスアッセンブリ72を形成させる連結バンド62、ガラスアッセンブリ72を窓枠5aに係脱及び左右揺動可能に支持させる揺動支持機構82(第1ヒンジピン82a、第2ヒンジピン82b、ヒンジブラケット82c)、ガラスアッセンブリ72が窓口5bを塞ぐ取付角度位置に閉止されたときにガラスアッセンブリ72を仮止めする仮止め機構102(仮支持アーム102a、仮支持孔102h)、および取付角度位置に位置したガラスアッセンブリ72と係脱可能に係合して当該ガラスアッセンブリを取付角度位置に係止させる係止保持機構120(第1ロックアーム121、第2ロックアーム122、把持ハンドル125)などから構成される。
【0072】
ガラス支持機構42におけるガラスアッセンブリ72は、前後2枚のガラス板56(図11では記載を省略している)と、これらのガラス板56と係脱可能に係合してガラス板を保護する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように係合して複数の保護フレーム部材を連結させる連結バンド62とを主体として構成され、前後のガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合支持させて連結バンド62で連結することにより一体のアッセンブリとして形成される。
【0073】
保護フレーム50は、内周側にガラス板56を受容する前後2列のガラス溝51を有して全体として外郭方形のフレーム形態をなし、例えば、図18(A)に示したような上下2分割の保護フレーム部材(50a,50a)から形成される。なお、本実施例の保護フレーム50では、上下左右の溝間凹部52に設けられるネジボス53およびリブ54が保護フレーム各辺の外周端面と同一高さに形成されている。保護フレーム50のその余の構成は、第1実施例のガラス支持機構41の説明において既述した保護フレーム50と同様であり、ここでは重複説明を省略する。
【0074】
連結バンド62は、保護フレーム50の厚さ(前後方向寸法)と略同一の板幅を有し、コの字状に折り曲げられて保護フレーム50の上下辺および左辺(正面視における右辺)の三辺と係合する第1バンド部材62aと、第1バンド部材62aの開放辺を塞ぎ保護フレーム50の右辺(正面視における左辺)と係合する第2バンド部材62bとからなる。連結バンド62では、第1バンド部材62aの上下辺の端部が右方に延出されてフランジ部62af,62afが形成される一方、第2バンド部材62bの上下両端部が枠部外方である右方に折り曲げられて第1バンド部材と同様のフランジ部62bf,62bfが形成されており、第1バンド部材のフランジ部62afと第2バンド部材のフランジ部62bfとを重ね合わせて第1ヒンジピン82a,第2ヒンジピン82bで締結することにより、バンド部材の枠内に位置する上下の保護フレーム部材を緊密に連結させるものである。
【0075】
第1バンド部材62aにおける上下二辺の内面間隔は、上下の保護フレーム部材をガラス板56の外周縁部に係合支持させた状態における保護フレーム50の上下の端面間隔と同一若しくはわずかに小さめに形成され、第2バンド部材62bにおける上下のフランジ部62bf,62bfの外面間隔は、保護フレーム50の上下の端面間隔よりも小さく、すなわち第1バンド部材62aを保護フレーム50の外周面に係合させた状態における第1バンド部材の上下のフランジ部62af,62afの内面間隔よりも小さく設定されている。各フランジ部62af,62bfには第1,第2ヒンジピン82a,82bの軸部を挿通させる円孔が形成されている。また第1バンド部材62aおよび第2バンド部材62bの各辺には、バンド係合時に保護フレーム50のネジ受容穴53hと位置整合するサラモミ孔形態のネジ取付孔62hが形成されている。
【0076】
連結バンド62を用いて上下の保護フレーム部材を連結させる際には、前後2枚のガラス板56を上下の保護フレーム部材に係合支持させたうえ、第2バンド部材62bをこれら保護フレームの右辺に係合させ、第1バンド部材62aを保護フレームの左辺側から被せるようにして上下辺および左辺に係合させる。そして、上下2カ所で相互に重なり合った第1バンド部材のフランジ部62afと第2バンド部材のフランジ部62bfのうち、下方のフランジ部の円孔に第1ヒンジピン82aを挿通させてカシメ圧着し、上方のフランジ部の円孔に第2ヒンジピン82bを挿通させてカシメ圧着することで締結させ(締結されたフランジ部62f)、保護フレーム50の外周を取り囲む方形枠状に形成させる。また、連結バンド62のネジ取付孔62hと位置整合した保護フレーム50のネジ受容穴53hに、サラコネジ59を螺合させ締め込んで連結バンド62を固定する。
【0077】
ここで、上述したように、第1バンド部材62aの上下二辺の内面間隔は、上下の保護フレーム部材をガラス板56の外周縁部に係合支持させた状態における保護フレーム50の上下端面間隔と同一若しくはわずかに小さめに形成され、また第2バンド部材62bにおける上下のフランジ部62bf,62bfの外面間隔は、第1バンド部材62aを保護フレーム50の外周面に係合させた状態における第1バンド部材の上下のフランジ部62af,62afの内面間隔よりも小さく設定されている。このため、上記のように第1バンド部材のフランジ部62afと第2バンド部材のフランジ部62bfとを第1,第2ヒンジピン82a,82bで締結させたときに、連結バンド62が保護フレーム50の外周を締め込んで上下の保護フレーム部材でガラス板56を挟み込むように緊密に締結させる。
【0078】
これにより、上下の保護フレーム部材が緊密に連結され、前後のガラス板56の外周縁部全体が保護フレーム50に保護されるとともに、さらに保護フレーム50の全周が金属製の連結バンド62に取り囲まれるように保護されたガラスアッセンブリ72が形成される。
【0079】
ガラスアッセンブリ72の各部には、連結バンド62および保護フレームの溝間凹部52を利用して、揺動支持機構82、仮止め機構102および係止保持機構120のアッセンブリ側構造が形成されている。すなわち、ガラスアッセンブリ72の右辺上下には、第1バンド部材62aと第2バンド部材62bとを連結させる締結手段としての機能を兼ね備える揺動支持機構82の第1,第2ヒンジピン82a,82bが設けられ、ガラスアッセンブリ72の上下辺には仮止め機構102における仮支持アーム102aを受容係合可能な仮支持孔102hが形成され、ガラスアッセンブリ72の左辺にはアッセンブリの吊り下げ運搬機能を兼ね備えた係止保持機構120の把持ハンドル125が設けられている。
【0080】
揺動支持機構82のアッセンブリ側構造であるヒンジピンは、下方のフランジ部62fにカシメ圧着された第1ヒンジピン82aと、上方のフランジ部62fにカシメ圧着された第2ヒンジピン82bとからなり、両ヒンジピンが同軸上に配設されて上下に延びる揺動軸が形成される。第1ヒンジピン82aは第2ヒンジピン82bよりも長く形成されるとともに、各ピンの先端部には円錐状の導入部が形成されている。
【0081】
一方、窓枠5aの背面右側には、揺動支持機構82の窓枠側構造が設けられている。この窓枠側構造は、窓枠5aの背面側に取り付けられた上下のヒンジブラケット82c,82cからなり、それぞれ窓枠5aの背面側に固定される固定面とガラスアッセンブリのフランジ部62fを支持する支持面とを有して側面視アングル状の形態に形成される。ヒンジブラケット82cの支持面には、第1,第2ヒンジピン82a,82bを係脱可能に受容して軸まわりに回動可能に支持するヒンジホール82dが形成されている。上下のヒンジブラケット82c,82cは、ガラスアッセンブリ72が窓口5bの背後を覆おう取付角度位置に位置されたときの上下のフランジ部62f,62fの高さ位置およびヒンジピン82a,82bの平面位置に合わせて窓枠5aの背面側にネジ固定される。
【0082】
また、ガラスアッセンブリ72の上下辺および窓口5bの上下には、ガラスアッセンブリ72を取付角度位置に仮止め支持する仮止め機構102が設けられている。仮止め機構102は、溝間凹部52の位置に合わせて第1バンド部材62aの上下辺に穿設された仮支持孔102hと、この仮支持孔102hと位置整合して窓枠側に取り付けられた仮支持アーム102aとからなる。仮支持アーム102aは、窓枠5aの背面側に固定された基部から後方に延びるアーム部102b、アーム部102bの先端側が取付角度位置にあるガラスアッセンブリ72の仮支持孔102hの形成位置に合わせてガラスアッセンブリ側に折り曲げられた係止部102c、係止部102cの端部が折り返されて斜め外方に延びる傾斜辺部102d等からなり、所定板厚のバネ鋼板やステンレス鋼板をプレス成形等の公知の成形手段により加工成形して窓口5bの上下に固定される。
【0083】
仮支持アーム102aは、アーム部102bの先端側が上下に弾性変位可能に片持ち支持されており、第1,第2ヒンジピン82a,82bをヒンジホール82dに嵌合支持させてガラスアッセンブリ72を前方に揺動させたときに、連結バンド62の前端角部(第1バンド部材62aの前方縁部)が傾斜辺部102dと係合してアーム部102bを枠部外方に弾性変形させ、ガラスアッセンブリ72が窓口5bの背後を覆う取付角度位置まで揺動されたときに、係止部102cおよび傾斜辺部102dが仮支持孔102h内に嵌入して弾性変形していたアーム部102bが自己復帰し、係止部102cが仮支持孔102hの端面および溝間凹部52の前方壁面と係合して、ガラスアッセンブリ72を取付角度位置に仮止め可能に構成されている。
【0084】
ガラスアッセンブリ72の左辺側には、アッセンブリの運搬用ハンドルとしての機能をも兼ね備える把持ハンドル125が設けられ、この把持ハンドル125を利用して係止保持機構120のアッセンブリ側構造が形成される。把持ハンドル125は、第1バンド部材62aの左辺中央の一部がそれぞれ上下外方に切り起こされて左方に突出形成されたフランジ部125a,125aと、これら上下のフランジの間を結んで固着されたハンドル部125bとからなり、ガラスアッセンブリ72の運搬や着脱、開閉作業等を容易に行い得るようになっている。
【0085】
一方、窓口5bの左側には、係止保持機構120の窓枠側構造が形成されている。窓枠側構造は窓口5bの左側下部に設けられた第1係止機構と、窓口の左側上部に設けられた第2係止機構とからなり、それぞれ把持ハンドルのハンドル部125bと係脱可能に係合する第1ロックアーム121および第2ロックアーム122を主体として構成される。
【0086】
第1ロックアーム121は、窓枠5aから後方に突出成型された円柱状の支軸ボス(図16に示す支軸ボス5eを参照)に嵌合して回動可能に支持される円筒状のカラー部121aと、このカラー部121aから軸直交方向に突出する板状のアーム部121b、アーム部121bの先端側に形成された操作つまみ部121m等からなり、例えば、ガラス繊維を添加したABS樹脂やポリアセタール等の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で形成される。第1ロックアーム121はカラー部121aを支軸ボスに嵌合させて、その後方からネジ124を螺合することで支軸ボスの軸まわりに回動可能に取り付けられ、アーム部121bが窓口5bの開口面と平行な面内に上下揺動可能に支持される。
【0087】
アーム部121bは、第1,第2ヒンジピン82a,82bをヒンジホール82dに嵌合支持させてガラスアッセンブリ72を取付角度位置に閉止させ、第1ロックアーム121を揺動させたときに、アーム部121bの前面が把持ハンドルのハンドル部125bの後端面と係脱可能に係合し、アーム部121bを水平な角度位置まで揺動させたときにアーム先端面がガラスアッセンブリ72の左端面と当接してアッセンブリを緩く右方に付勢するとともに、アーム下端面が下方のフランジ部125aの上面と当接し、ガラスアッセンブリ72を前後左右および上下に位置決めして係止保持し得るようになっている。
【0088】
また、第2ロックアーム122は、窓枠5aの背面側に設けられたブラケットに水平揺動可能に枢結支持された板状のアーム部122bと、このアーム部122bの先端側に形成された係止溝122cおよび操作つまみ部122m等からなり、例えば、所定板厚の冷間圧延鋼板を板金加工して形成し、あるいは、上記第1ロックアーム121と同様の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で形成され、窓口5bの背面上部に取り付けられる。
【0089】
アーム部122b先端の係止溝122cは、開口部で溝幅が広く溝底部でハンドル部125bと同一径の半円弧状に狭く形成されるとともに、取付角度位置に閉止されたガラスアッセンブリのハンドル部125bの位置に合わせて配設されており、ガラスアッセンブリ72を取付角度位置に閉止させて第2ロックアーム122をガラスアッセンブリの左側面と平行になるように揺動させたときに、係止溝122c内にハンドル部125bを受容して溝底部で係合し、アーム部上面が上方のフランジ部125aの下面を支持するように係合してガラスアッセンブリ72を前後および上下に位置決めして係止保持し得るようになっている。
【0090】
以上のように構成されるガラス支持機構42を利用してガラスアッセンブリ72を装着し係止保持させる場合には、まず、既述した扉開放保持機構30によりガラス扉5を例えば90度の開放角度に係止保持させる。これにより、ガラスアッセンブリ72の着脱作業時にガラス扉5が揺動してしまうようなことがなく、安定した開放姿勢で着脱作業を行うことができる。また予め第1ロックアーム121および第2ロックアーム122を把持ハンドル125の揺動軌跡外に待避させておく。
【0091】
次に、ガラスアッセンブリ72の把持ハンドル125および下辺を把持してフランジ部62fを斜め前方に支持し、窓枠5aの背面側からヒンジブラケット82cに近づける。そして、まず第1ヒンジピン82aを下方のヒンジブラケットのヒンジホール82dに位置合わせし、ガラスアッセンブリ72をわずかに下動させて先端の導入部を係合させる。次いで第2ヒンジピン82bを上方のヒンジブラケットのヒンジホール82dに位置合わせし、ガラスアッセンブリ72を下動させて先端の導入部を係合させる。そして、これら第1,第2ヒンジピン82a,82bがともに上下のヒンジホール82d,82dに係合したところでガラスアッセンブリ72をさらに下動させ、上下のフランジ部62f,62fをそれぞれ上下のヒンジブラケット82c,82cに支持させる。
【0092】
これにより、ガラスアッセンブリ72の右端部が上下および左右方向に位置決めされて揺動自在に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ72全体の荷重が上下のヒンジブラケット82cに支持され、以降はガラスアッセンブリ72を前方に押圧する軽い操作力だけで装着作業を進めることができる。また、第1,第2ヒンジピン82a,82bを異なる長さに設定しているため、上下のヒンジピンをそれぞれのヒンジホールに係合させる際に、作業者は1カ所ずつ注目して段階的に係合作業を進めることができ、非熟練作業者にとっても容易に着脱作業を行える構成になっている。
【0093】
次いで、作業者はガラスアッセンブリ72の把持ハンドル125を前方に押圧して第1,第2ヒンジピン82a,82bによる揺動軸まわりにガラスアッセンブリ72を揺動させ、ガラス板56が窓口5bの背後を覆う取付角度位置まで揺動させる。このとき、仮支持アーム102aの傾斜辺部102dが連結バンド62の前縁部に押圧されて弾性変形し、一旦、上下外方に待避してガラスアッセンブリ72の進入を許容する一方、ガラスアッセンブリ72が取付角度位置まで揺動されると、この角度位置で位置整合する仮支持孔102hに係止部102cおよび傾斜辺部102dが嵌入して弾性変形していたアーム部102bが自己復帰し、係止部102cが仮支持孔102hの端面および溝間凹部52の前方壁面と係合して、ガラスアッセンブリ72を取付角度位置に仮止めする。
【0094】
これにより、ガラスアッセンブリ72は前後方向への揺動および左右方向への移動が規制され上記取付角度位置に仮止め支持される。このため、作業者がガラスアッセンブリ72を支えていなくても、ガラスアッセンブリ72が開放方向に揺動して出てきたり、ガラスアッセンブリ72が脱落したりするようなことがなく、作業者はガラスアッセンブリ72を仮止め支持させた状態でガラスアッセンブリから両手を離して次の作業に移ることができる。
【0095】
そこで、作業者は第1ロックアーム121の操作つまみ部121mに指をかけて第1ロックアーム121を時計回りに回動させ、アーム部121bが水平になるまで揺動させる。このとき、アーム部121bの前面がハンドル部125bの後端部と係脱可能に係合するとともに、アーム先端面がガラスアッセンブリ72の左端面と当接してガラスアッセンブリ72を緩く右方に付勢し、アーム下端面が下方のフランジ部125aの上面と当接してガラスアッセンブリ72を前後左右および上下に位置決めして係止保持する。
【0096】
また、作業者は第2ロックアーム122の操作つまみ部122mに指をかけて第1ロックアーム121を水平面内に回動させ、アーム部122bがガラスアッセンブリ72の左側面と平行になるまで揺動させる。このとき、係止溝122c内にハンドル部125bを受容して溝底部で係合し、アーム部上面が上方のフランジ部125aの下面を支持するように係合してガラスアッセンブリ72を前後および上下に位置決めして係止保持する。
【0097】
従って、以上説明したようなガラス支持機構42では、ガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合させて外周に連結バンド62をネジ固定するだけで直ちに使用可能なガラスアッセンブリ72が形成されるため、接着を主とする従来の一体化構造に比べて生産リードタイムを短縮し生産性を高めた一体化構造を得ることができる。また複数の保護フレーム部材を連結バンド62で機械的に連結させる構成のため、接着面の剥離や接着剤の経時変化等に起因するガラス保持力の低下を生じるようなことがなく、生産管理を容易化するとともに長期信頼性を向上させることができる。
【0098】
また、ガラスアッセンブリ72では、ガラス板56の前後面を含む外周縁部全体が保護フレーム50に包み込まれるように保護されたうえ、その外周辺全体がさらに金属製の連結バンド62に取り囲まれて保護される構成のため、外力に対する抗力が高く機械的損傷を受けにくいアッセンブリ構造となっている。さらに、ガラスアッセンブリ72では、ヒンジピンを切断し連結バンド周縁のサラコネジ59を緩めることで一体化されたガラスアッセンブリ72を分解することができるため、前後2枚のガラス板56のいずれか1枚が破損したような場合であっても破損したガラス板を交換することができ、また分解して取り外したガラス板56や保護フレーム部材等の各構成部材をリサイクル使用することも可能である。なお、第1または第2ヒンジピン82a,82bの少なくともいずれか一方に前述したナット締結タイプのヒンジピン(81a,81b)を使用する構成とすれば、分解・組み立てを容易化してリサイクル性をさらに向上させたガラス支持機構を得ることができる。
【0099】
また、ガラス支持機構42では、ガラスアッセンブリ72を着脱および左右揺動可能に支持する揺動支持機構82のアッセンブリ構造が連結バンド62の締結部材を利用して形成されている。このため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを抑制するとともに、背の低い作業者や非熟練作業者等であっても窓枠5aの背面側から容易かつ安全にガラス板の着脱作業を行えるガラス支持機構を提供できる。
【0100】
さらに、ガラス支持機構42では、アッセンブリ側のヒンジピン82a,82bを窓枠側のヒンジホール82dに係合させることで、ガラスアッセンブリ全体の荷重が支持され、以降ガラスアッセンブリ72を軽く揺動させるだけの軽作業で固定作業を進めることができるうえ、仮止め機構102が設けられているため仮止め後はガラスアッセンブリ71から両手を離して固定作業等を行うことができる。従って、ガラスアッセンブリを支持しながら位置合わせをしたり固定操作する等の必要がなく、ガラス板の着脱作業を全体的に容易化して作業性が良好なガラス支持機構を提供することができる。
【0101】
なお、図11では、窓枠背面に設けられる固定支持枠(92)の記載を省略しヒンジブラケット82c等が窓枠5aの背面に取り付けられる例を示したが、別途窓枠5aを補強する補強枠を設け、あるいは後述する固定支持枠と同様の支持枠を設けてヒンジブラケット82c等を固定支持枠に形成してガラス支持機構を構成してもよい。
【0102】
次に、第3実施例のガラス支持機構43について、図12を参照しながら説明する。図12は第3実施例のガラス支持機構43の主要部を示す分解斜視図である。なお、図12はガラス支持機構を斜め後方から見た斜視図であり、説明の便宜上、図12における左右方向(背面視における左右方向)をもって左方または右方と称して説明する。
【0103】
ガラス支持機構43は、窓口5bの周囲を取り囲むように窓枠5aの背面にねじ固定された固定支持枠93、複数の保護フレーム部材からなり前後2枚のガラス板56の外周縁部と係合してガラス板を所定の間隔をおいて保持する保護フレーム50、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように固定されて複数の保護フレーム部材を連結させ一体のガラスアッセンブリ73を形成させる連結バンド63、ガラスアッセンブリ73を固定支持枠93に係脱及び左右揺動可能に支持させる揺動支持機構83(第1ヒンジピン83a、第2ヒンジピン83b、支持ブラケット部等)、ガラスアッセンブリ73が窓口5bを塞ぐ取付角度位置に位置したときにガラスアッセンブリ73と係脱可能に係合してガラスアッセンブリ73を当該取付角度位置に係止させる係止保持機構130(ロックアーム131,フック部132,ローレットネジ135,係止フランジ136等)などから構成される。
【0104】
固定支持枠93は、窓口5bの下方に位置する下方枠部93U、窓口5bの左側(正面視右側)に位置する右方枠部93R、窓口5bの右側(正面視左側)に位置する左方枠部93Lを主体として構成され、それぞれ窓枠5aの背面に沿って窓口外方に延び窓枠の背面にネジ固定される取付面と、取付面から後方に延びる支持面とを有して断面視L字状のビーム形態に曲げ成形されている。
【0105】
各枠部93U,93R,93Lは、例えば、所定板厚の冷間圧延鋼板をパンチング、ベンディング、プレス等の加工手段により加工成形することで部材ごとに図示形状に形成され、所要の表面処理を行った後、下方枠部93Uの左右端部に左右枠部93L,93Rをスポット溶接やリベット等の接合手段で接合することにより一体の固定支持枠93に形成される。固定支持枠93は、窓枠5aの背面に形成された支持ボス5dを利用して窓口5bの周囲を取り囲むようにねじ固定される(図3〜図5を参照)。
【0106】
これにより、窓枠5aの背面に強固な支持枠が形成され、ガラスアッセンブリ73が安定に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ73の装着の有無にかかわらず窓枠5aを補強する補強枠としても機能し、ガラスアッセンブリ73の着脱時を含めて窓枠5aの撓み変形等が抑制される。また、左右枠部93L,93Rの支持面間隔は、後述するガラスアッセンブリ73の外形寸法よりもわずかに大きい程度に形成され、ガラスアッセンブリ73を係止保持させた状態でガラスアッセンブリ73と左右枠部93L,93Rとの間に殆ど隙間が生じないように設定されており、これらの間に薄板や針金を挿入して遊技盤20に悪戯するような不正行為を効果的に防止し得る構成になっている。
【0107】
ガラスアッセンブリ73は、前後2枚のガラス板56(図12では記載を省略している)と、これらのガラス板56と係脱可能に係合してガラス板を保護する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように係合して複数の保護フレーム部材を連結させる連結バンド63とを主体として構成され、前後のガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合支持させて連結バンド63で連結することにより一体のアッセンブリとして形成される。
【0108】
保護フレーム50は、内周側にガラス板56を受容する前後2列のガラス溝51を有して全体として外郭方形のフレーム形態をなし、例えば、図18(A)に示したような上下2分割の保護フレーム部材(50a,50a)から形成される。保護フレーム50のその余の構成は、第2実施例のガラス支持機構42における保護フレーム50と同様であり、ここでは重複説明を省略する。
【0109】
保護フレーム50の外周を取り囲む連結バンド63は、保護フレーム50の厚さ(前後方向寸法)と略同一の板幅を有して保護フレーム50の外周を取り囲むように曲げ加工された第1バンド部材63aと第2バンド部材63bとからなり、両者が連結された状態で外郭方形の枠状に構成される。連結バンド63における第1バンド部材63aおよび第2バンド部材63bは、第1バンド部材63aが上下左右四辺のうち右辺(正面視における左辺)の中央部を除く枠状に形成され、第2バンド部材63bが右辺中央(正面視における左辺中央)の開放部を繋ぐ帯板状に形成されている。第1バンド部材63aの両端部、第2バンド部材63bの両端部は、それぞれ枠部外方に折り曲げられて相対峙するフランジ部63af,63bfが形成され、これらのフランジ部を図10に示した第1,第2ヒンジピン81a,81bと同様構成の第1,第2ヒンジピン83a,83bおよびナット81nで締結することで一体の方形枠状に連結される。
【0110】
第1バンド部材63aの相対する二辺の内面間隔は、上下の保護フレーム部材をガラス板56の外周縁部に係合支持させた状態における保護フレーム50の外形寸法と同一若しくはわずかに小さめの寸法に形成されている。また、第2バンド部材の上下のフランジ部63bf,63bfの外面間隔は、ガラス板56を支持させた保護フレーム50の外周に第1バンド部材63aを係合させた状態における第1バンド部材の上下のフランジ部63af,63afの内面間隔よりも小さく設定されており、第1バンド部材のフランジ部63afと第2バンド部材のフランジ部63bfとが所定の隙間間隔を隔てて上下に対向するように形成されている。各フランジ部63af,63bfには、第1,第2ヒンジピン83a,83bの軸部を挿通させる円孔が穿設され、第1バンド部材63aおよび第2バンド部材63bの各辺には、第1,第2バンド部材63a,63bを保護フレーム50の外周に係合させたときに、保護フレーム側の各ネジ受容穴53hと位置整合するサラモミ孔形態のネジ取付孔63hが形成されている。
【0111】
連結バンド63を用いて上下の保護フレーム部材を連結させる際には、前後2枚のガラス板56の外周縁部に上下の保護フレーム部材を係合させて一体化させ、保護フレームの外周に第1バンド部材63aを係合させるとともに、第1バンド部材の上下のフランジ部63af,63afの間に第2バンド部材63bを係合させる。そして、相互に対向した上下各一対のフランジ部63af,63bfにおける、下側のフランジ部の円孔に第1ヒンジピン83aを挿通させ、上側のフランジ部の円孔に第2ヒンジピン83bを挿通させて、それぞれナット81nを締め込んでフランジ部63af,63bfを連結させることで上下一対のフランジ部63f,63fが形成され、保護フレーム50の外周を取り囲む枠状に形成される。また、連結バンド63の各辺のネジ取付孔63hを通してネジ受容穴53hにサラコネジ59を螺合させ締め込んで連結バンド63を固定する。
【0112】
ここで、上述したように、第1バンド部材63aの内面間隔は、ガラス板56の外周に保護フレーム部材を係合させた状態における保護フレーム50の外形寸法と同一若しくはわずかに小さめの寸法に形成されるとともに、第2バンド部材の上下のフランジ部63bf,63bfの外面間隔が、第1バンド部材の上下のフランジ部63af,63afの内面間隔よりも小さく設定され、第1バンド部材のフランジ部63afと第2バンド部材のフランジ部63bfとが所定の隙間間隔を隔てて上下に対向するように形成されている。このため、第1,第2バンド部材の上下のフランジ部をそれぞれヒンジピンで締結させたときに、連結バンド63が保護フレーム50の外周を締め込んで上下の保護フレーム部材でガラス板56を挟み込むように緊密に締結させる。
【0113】
これにより、上下の保護フレーム部材が緊密に連結され、前後のガラス板56の外周縁部全体が保護フレーム50に保護されるとともに、さらに保護フレーム50の全周が金属製の連結バンド63に取り囲まれるように保護されたガラスアッセンブリ73が形成される。
【0114】
ガラスアッセンブリ73の各部には、連結バンド63を利用して揺動支持機構83および係止保持機構130のアッセンブリ側構造が形成されている。すなわち、ガラスアッセンブリ73の右辺には、上述した第1バンド部材63aと第2バンド部材63bとを連結させる締結手段としての機能に加えて、揺動支持機構83における揺動軸としての機能をも兼ね備える第1,第2ヒンジピン83a,83bが設けられている。また、ガラスアッセンブリ73の上辺には、第1バンド部材63aの上辺後方の一部が前方に切り起こされて係止フランジ136が設けられ、その中心に係止保持機構130における第1係止機構のローレットネジ135を受容係合可能なU字状の係止溝136aが形成され、ガラスアッセンブリ73の左辺には係止保持機構130における第2係止機構のロックアーム131と係脱可能なフック部132が形成されている。
【0115】
揺動支持機構83における第1,第2ヒンジピン83a,83bは、図7〜図10を参照して説明した第1実施例の揺動支持機構83における第1,第2ヒンジピン81a,81bと同様に構成されており、第1ヒンジピン83aが第2ヒンジピン83bよりも長く形成され、両ヒンジピンがナット81nで連結バンド63の上下のフランジ部63fに締結されて上下に延びる揺動軸が形成される。
【0116】
一方、上記ガラスアッセンブリ73を収容して固定支持する固定支持枠93の各部には、揺動支持機構83および係止保持機構130の窓枠側構造が設けられている。揺動支持機構83の窓枠側構造は固定支持枠93の右側(左方枠部93L)に設けられており、ガラスアッセンブリ73が取付角度位置に閉止されたときのフランジ部63f,63fの配設位置に合わせて左方枠部93Lの支持面の一部が切り欠かれて切り欠き部93eが形成されるとともに、その外側の取付面に第1,第2ヒンジピン83a,83bに対応してヒンジブラケット81cと同様の支持ブラケット部が形成されている。
【0117】
切り欠き部93eは、平面視においてフランジ部63fを斜め方向から受容してヒンジピンを嵌脱可能に形成される一方、ガラスアッセンブリ73を取付角度位置まで揺動閉止させたときに、切り欠き部93eの上下の支持面が上下フランジ部63fを挟み込むように位置してガラスアッセンブリ73の上下移動を規制し得るように形成されている。支持ブラケット部は、詳細図示省略するが、既述したヒンジブラケット81cと同様に後方に突出する支持面を有し、この支持面にヒンジピン83a,83bと嵌脱自在に係合するヒンジホールが形成されている。
【0118】
係止保持機構130の窓枠側構造は、固定支持枠93の上部に設けられた第1係止機構と左側に設けられた第2係止機構とからなる。このうち第1係止機構は、左右枠部93L,93Rを繋いでガラスアッセンブリ73の上方に張り渡された係止シャフト133、この係止シャフト133に回動可能に支持された係止ブロック134、係止ブロック134に螺合されたローレットネジ135などから構成される。
【0119】
係止シャフト133は、所定線径のみがき鋼棒を左右枠部93L,93Rの外面間隔に合わせて端面加工するとともに、シャフト部中間の所定位置に溝切り加工した棒状体からなり、シャフト部に係止ブロック134を嵌合させて軸端に円盤状の係止部材を圧入固定することで一体化される。左右枠部93L,93Rの支持面上端には、係止シャフト133の軸径に合わせて上方に開くU字状の吊支溝93cが形成されており、係止シャフト133を吊支溝93cに係合支持させたときに、シャフト部外周面が吊支溝93cの溝底面と係合して上下および前後方向に位置決めされ、左右端部の係止部材が左右枠部93L,93Rの支持面と係合して左右方向に位置決めされる。係止シャフト133が係合支持されると、この係止シャフトに133より左右枠部の上端部が連結され左右枠部を開こうとする外力に対抗する補強杆としての機能も果たす。
【0120】
このように位置決めされる係止シャフト133の中間部には、ガラスアッセンブリ73の上辺に形成された左右の係止溝136aと位置整合してスナップリング溝状の位置決め溝が形成されており、係止ブロック134に螺合されるローレットネジ135のネジ先端部を受容してその左右方向位置を規定し、これによりローレットネジ135と係止溝136aとの整合性を高めてガラスアッセンブリ73の係止操作を容易化している。
【0121】
係止ブロック134は、矩形断面の引き抜き棒の角部を面取り加工し、その中心に係止シャフト133の軸径に合わせた嵌合孔を形成するとともに、その一辺にローレットネジ135を受容するネジ孔を形成して構成される。係止ブロック134の外形寸法は係止フランジ136との相対関係によって規定され、ガラスアッセンブリ73を取付角度位置に閉止させたときに、係止フランジ136の前面が係止ブロック134の外周辺に当接し、係止フランジの係止溝136aとローレットネジ135のネジ部とが位置整合して、ローレットネジ135を締め込むことで係止フランジ136を挟み込んでガラスアッセンブリ73を取付角度位置に係止保持可能に構成されている。
【0122】
第2係止機構は、ガラスアッセンブリ73の左辺に形成されたフック部132と、右方枠部93Rに切り欠き形成されたフック支持溝(図12では記載を省略している)と、右方枠部93Rの支持面に上下揺動可能に枢結されたロックアーム131とを主体として構成される。
【0123】
フック部132は、連結バンド63における第1バンド部材63aの左辺後端部が一部前方に切り起こされ、その先端が後方に折り返されて形成される。また図示省略するフック支持溝は、ガラスアッセンブリ73を揺動支持機構83に支持させて取付角度位置に位置させたときのフック部132の位置形状に合わせて後方に開くコの字溝状に切り欠き形成されており、ガラスアッセンブリ73を前後揺動させたときに係脱自在にフック部132を受容するとともに、溝内に受容したフック部132の前面と係合してガラスアッセンブリ73の前方への移動を規制し、フック部132の側縁を上下にはさんで上下方向への移動を規制する。
【0124】
ロックアーム131は、基端部が右方枠部93Rの支持面に上下揺動可能に枢結され先端部が支持面に沿って延びるアーム部131b、アーム部131bの先端側に取付角度位置にあるフック部132の背面位置に合わせて形成された係止片131f、アーム部131bから左外方に折り曲げ形成された操作つまみ部131m等からなり、所定板厚の冷間圧延鋼板等を打ち抜き、曲げ加工等して図示する形状に形成し、右方枠部93Rの支持面にリベット締結される。ロックアーム131は、上記のようにガラスアッセンブリ73を取付角度位置に閉止させて、フック部132をフック支持溝の溝内前端部に位置させた状態で、ロックアーム131を上下に揺動させたときに、先端の係止片131fがフック部132の背面と係脱可能に係合し、フック部132をフック支持溝と係止片131fとの間に挟持するように固定してガラスアッセンブリ73を取付角度位置に係止保持するように構成されている。
【0125】
以上のように各部構成されるガラス支持機構43を利用してガラスアッセンブリ73を装着し係止保持させる場合には、作業者は、まず扉開放保持機構30によりガラス扉5を例えば90度の開放角度に係止保持させるとともに、予めローレットネジ135を上方に揺動待避させ、ロックアーム131を上方に揺動待避させておく。
【0126】
次いで、ガラスアッセンブリ73の側縁および下辺を把持してフランジ部63fを斜め前方に向けて支持し、窓枠5aの背面側からヒンジピン83a,83bを支持ブラケット部(81c、図7を参照)に近づける。そして、まず第1ヒンジピン83aを下方のヒンジホール(81d、同様)に位置合わせして先端の導入部を係合させ、次いで第2ヒンジピン83bを上方のヒンジホールに位置合わせして先端の導入部を係合させ、これら第1,第2ヒンジピン83a,83bがともに上下のヒンジホールに係合したところでガラスアッセンブリ73をさらに下動させて、上下のフランジ部63f,63fをそれぞれ上下の支持ブラケット部に支持させる。
【0127】
これにより、ガラスアッセンブリ73の右端部が上下および左右方向に位置決めされて揺動自在に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ73全体の荷重が固定支持枠93に支持され、以降はガラスアッセンブリ73を前方に押圧する軽い操作力だけで装着作業を進めることができる。また、上下のヒンジピン83a,83bを異なる長さに設定しているため、作業者は1カ所ずつ注目して段階的に係合作業を進めることができる。
【0128】
そこで、作業者はガラスアッセンブリ73の背面を前方に押圧してガラスアッセンブリ73を上下ヒンジピンによる揺動軸まわりに揺動させ、ガラスアッセンブリ73上部の係止フランジ136を係止ブロック134に近接させる。そこで上方に待避させていたローレットネジ135を緩めて係止ブロック134を回動させ、ローレットネジ135を係止フランジの係止溝136aに係合させる。この係合によりガラスアッセンブリ73がほぼ閉止された角度位置範囲に仮止めされ、手を離してもガラスアッセンブリ73が開き出てくることがない。そこで、作業者は緩くガラスアッセンブリ73を前方に押圧して係止フランジ136を係止ブロック134のネジ取付面に当接させ、その状態でローレットネジ135を締め込んで係止ブロック134のネジ取付面とローレットネジ135のネジ頭部との間に係止フランジ136を挟み込むように締結して係止フランジ136を固定する。これにより、ガラス板56が窓口5bの背後を覆う取付角度位置に位置決めされ、ガラスアッセンブリ73が当該取付角度位置に係止保持される。
【0129】
このとき、ガラスアッセンブリ73の左辺側では、フック部132が右方枠部93Rのフック受容溝に進入し、フック部132の前面がフック受容溝の前縁部に当接する。そこで、作業者は上方に待避させていたロックアーム131を、操作つまみ部131mを利用して下方に揺動させ、先端の係止片131fをフック部132の背面に係合させる。これによりフック部132の前後面がフック支持溝と係止片131fとに前後方向に挟まれ、またフック部132の上下端面がフック支持溝に上下方向に挟まれるように移動規制されて、ガラスアッセンブリ73が第2係止機構によっても取付角度位置に係止保持される。
【0130】
またガラスアッセンブリ73の右辺側では、ヒンジピンとヒンジホールとの嵌合接続によってガラスアッセンブリ73が前後左右方向に位置決め支持されるほか、上下のフランジ部63fが固定支持枠93の切り欠き部93e内で上下を支持面に挟まれるように配設され、ガラスアッセンブリ73の右辺側でも上下方向に移動規制される。これにより、前後左右方向のみならずガラスアッセンブリ73を上方に持ち上げるような外力を及ぼす不正行為に対しても抗力が高いガラス支持機構を得ることができる。
【0131】
こうしてガラスアッセンブリ73が固定支持枠93に係止されると、ガラスアッセンブリ73が左右枠部93L,93Rの間に隙間なく支持され、前方のガラス板56が窓口5bの開口を塞いで隙間なく配設されて(図3〜図5を参照)、ガラスアセンブリ73が窓枠5aの背面に強固に固定支持される。これにより、窓口5bの前面側から薄板や針金を挿入して遊技盤20に悪戯するような不正行為が効果的に防止される。
【0132】
従って、以上説明したようなガラス支持機構43では、ガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合させて外周に連結バンド63をネジ固定するだけで直ちに使用可能なガラスアッセンブリ73が形成されるため、上述したガラスアッセンブリ71,72と同様に、生産リードタイムを短縮し生産性を高めた一体化構造を得ることができ、接着面の剥離や接着剤の経時変化等に起因するガラス保持力の低下を生じるようなことがないため、生産管理を容易化するとともに長期信頼性を向上させることができる。また、ガラス板56の前後面を含む外周縁部全体が保護フレーム50に包み込まれ、さらにその外周辺全体が金属製の連結バンド63に取り囲まれて保護される構成のため、外力に対する抗力が高く機械的損傷を受けにくいアッセンブリ構造となっている。
【0133】
さらに、ガラスアッセンブリ73では、連結バンド63周縁のサラコネジ59および第1,第2ヒンジピンのナット81nを緩めることでガラスアッセンブリ73を簡単に分解することができるため、前後2枚のガラス板56のいずれか1枚が破損したような場合であっても破損したガラス板を容易に交換することができるうえ、分解して取り外したガラス板56や保護フレーム部材等の各構成部材をリサイクル使用することも可能である。
【0134】
また、ガラス支持機構43では、ガラスアッセンブリ73を着脱および左右揺動可能に支持する揺動支持機構83のアッセンブリ支持構造が連結バンド63の締結部材を利用して形成されている。このため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを抑制しつつ、背の低い作業者や非熟練作業者等であっても窓枠5aの背面側から容易かつ安全にガラス板の着脱作業を行えるガラス支持機構を提供できる。
【0135】
さらに、ガラス支持機構43では、アッセンブリ側のヒンジピンを窓枠側のヒンジホールに係合させることで、ガラスアッセンブリ全体の荷重が支持され、以降ガラスアッセンブリ73を軽く揺動させるだけの軽作業で固定作業を進めることができる。従って、ガラスアッセンブリを支持しながら位置合わせをしたり固定操作する等の必要がなく、ガラス板の着脱作業を全体的に容易化して作業性が良好なガラス支持機構を提供することができる。
【0136】
なお、図12中に二点鎖線で付記したように、ガラスアッセンブリ73および固定支持枠93の互いの左側に、後述するローレットネジ155を用いた係止機構を設けてもよい。また、係止シャフト133の両端にネジ部を形成してボルトやナットまたはローレットネジ等を螺合させ左右枠部93L,93Rの支持面を締め込むように形成してもよく、あるいは係止シャフト133を左右枠部の支持面に直接リベット止めしてもよい。これらのような構成によれば、ガラスアッセンブリ73の係止保持力をさらに高めたガラス支持機構を得ることができる。
【0137】
次に、第4実施例のガラス支持機構44について、ガラス支持機構44の主要部を示す図13を参照しながら説明する。なお、図13はガラス支持機構44を斜め後方から見た分解斜視図であり、前示各実施例と同様に説明の便宜上から、図13における左右方向(背面視における左右方向)をもって左方または右方と称して説明する。
【0138】
ガラス支持機構44は、窓口5bの周囲を取り囲むように窓枠5aの背面にねじ固定された固定支持枠94、複数の保護フレーム部材からなり前後2枚のガラス板56の外周縁部と係合してガラス板を所定の間隔をおいて保持する保護フレーム50、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように固定されて複数の保護フレーム部材を連結させ一体のガラスアッセンブリ74を形成させる連結バンド64、ガラスアッセンブリ74を固定支持枠94に係脱及び左右揺動可能に支持させる揺動支持機構84(ヒンジカラー84a、ヒンジピン等)、ガラスアッセンブリ74が窓口5bを塞ぐ取付角度位置に閉止されたときにガラスアッセンブリ74を仮止めする仮止め機構104(仮支持アーム104a,仮支持孔104b)、および取付角度位置に位置したガラスアッセンブリ74と係脱可能に係合して当該ガラスアッセンブリを取付角度位置に係止させる係止保持機構140(ロックアーム141,ローレットネジ142,145,係止孔146)などから構成される。
【0139】
固定支持枠94は、窓口5bの下方に位置する下方枠部94U、窓口5bの左側(正面視右側)に位置する右方枠部94R、窓口5bの右側(正面視左側)に位置する左方枠部94Lを主体として構成され、それぞれ前述した固定支持枠93と同様に窓枠の背面にネジ固定される取付面と取付面から後方に延びる支持面とを有して同様の加工手段により一体に形成され、窓口5bの周囲を取り囲むように窓枠5aの背面にねじ固定される(図3〜図5を参照)。左右枠部94L,94Rにおける支持面の上端部には、これらの間を繋いで帯板状の補強杆94Tが設けられ、左右枠部の支持面間隔を一定に保持させるとともに枠部上方の強度を向上させている。
【0140】
これにより、窓枠5aの背面に強固な支持枠が形成され、ガラスアッセンブリ74が安定に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ74の装着の有無にかかわらず窓枠5aを補強する補強枠としても機能し、ガラスアッセンブリ74の着脱時を含めて窓枠5aの撓み変形等が抑制される。また、左右枠部94L,94Rの支持面間隔は、後述するガラスアッセンブリ74の外形寸法よりもわずかに大きい程度に形成され、ガラスアッセンブリ74を係止保持させた状態でガラスアッセンブリ74と左右枠部94L,94Rとの間に殆ど隙間が生じないように設定されており、これらの間に薄板や針金を挿入して遊技盤20に悪戯するような不正行為を効果的に防止し得る構成になっている。
【0141】
ガラスアッセンブリ74は、前後2枚のガラス板56(図13では記載を省略している)と、これらのガラス板56と係脱可能に係合してガラス板を保護する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように係合して複数の保護フレーム部材を連結させる連結バンド64とを主体として構成され、前後のガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合支持させて連結バンド64で連結することにより一体のアッセンブリとして形成される。
【0142】
保護フレーム50は、内周側にガラス板56を受容する前後2列のガラス溝51を有して全体として外郭方形のフレーム形態をなし、例えば、図18(A)に示したような上下2分割の保護フレーム部材(50a,50a)から形成される。保護フレーム50のその余の構成は、第2実施例のガラス支持機構42における保護フレーム50と同様であり、ここでは重複説明を省略する。
【0143】
保護フレーム50の外周を取り囲む連結バンド64は、保護フレーム50の厚さ(前後方向寸法)と略同一の板幅を有して保護フレーム50の外周を取り囲むように曲げ加工された第1バンド部材64aと第2バンド部材64bとからなり、両者が連結されて外郭方形の枠状に構成される。連結バンド64における第1バンド部材64aおよび第2バンド部材64bは、全体として上述した第3実施例の連結バンド63と同様に構成され、第1バンド部材64aが上下左右四辺のうち右辺の中央部を除く枠状に形成され、第2バンド部材64bが右辺中央の開放部を繋ぐ帯板状に形成されている。第1バンド部材64aの両端部および第2バンド部材64bの両端部は、それぞれ枠部外方に折り曲げられてフランジ部64af,64bfが形成されており、これらのフランジ部を重ね合わせて後述するヒンジカラー84aで締結することにより、バンド部材の枠内に位置する上下の保護フレーム部材を緊密に連結させるものである。
【0144】
第1バンド部材64aの相対する二辺の内面間隔は、上下の保護フレーム部材をガラス板56の外周縁部に係合支持させた状態における保護フレーム50の外形寸法と同一若しくはわずかに小さめの寸法に形成されている。また、第2バンド部材の上下のフランジ部64bf,64bfの外面間隔は、ガラス板56を支持させた保護フレーム50の外周に第1バンド部材64aを係合させた状態における第1バンド部材の上下のフランジ部64af,64afの内面間隔よりも小さく設定され、第1バンド部材のフランジ部64afと第2バンド部材のフランジ部64bfとが所定の隙間間隔を隔てて上下に対向するように形成されている。各フランジ部64af,64bfにはヒンジカラー84aの胴部を挿通させる円孔が穿設され、第1,第2バンド部材の各辺にはこれらのバンド部材を保護フレーム50の外周に係合させたときに、保護フレーム側の各ネジ受容穴53hと位置整合するサラモミ孔形態のネジ取付孔64hが形成されている。
【0145】
連結バンド64を用いて上下の保護フレーム部材を連結させる際には、前後2枚のガラス板56の外周縁部に上下の保護フレーム部材を係合させて一体化させ、保護フレームの外周に第1バンド部材64aを係合させるとともに、第1バンド部材の上下のフランジ部64af,64afの間に第2バンド部材64bを係合させる。そして、相互に対向した上下各一対のフランジ部64af,64bfの円孔にそれぞれヒンジカラー84aを挿通させ、これらをカシメ圧着することで締結させ、保護フレーム50の外周を取り囲む方形枠状に形成させる。また、連結バンド64の各辺のネジ取付孔64hを通してネジ受容穴53hにサラコネジ59を螺合させ締め込んで連結バンド64を固定する。
【0146】
ここで、上述したように、第1バンド部材64aの内面間隔は、ガラス板56の外周に保護フレーム部材を係合させた状態における保護フレーム50の外形寸法と同一若しくはわずかに小さめの寸法に形成されるとともに、第2バンド部材の上下のフランジ部64bf,64bfの外面間隔が、第1バンド部材の上下のフランジ部64af,64afの内面間隔よりも小さく設定され、第1バンド部材のフランジ部64afと第2バンド部材のフランジ部64bfとが所定の隙間間隔を隔てて上下に対向するように形成されている。このため、上記のように第1バンド部材64aと第2バンド部材64bとをヒンジカラー84aで締結させたときに、連結バンド64が保護フレーム50の外周を締め込んで上下の保護フレーム部材でガラス板56を挟み込むように緊密に締結させる。
【0147】
これにより、上下の保護フレーム部材が緊密に連結され、前後のガラス板56の外周縁部全体が保護フレーム50に保護されるとともに、さらに保護フレーム50の全周が金属製の連結バンド64に取り囲まれるように保護されたガラスアッセンブリ74が形成される。
【0148】
ガラスアッセンブリ74の各部には、連結バンド64および保護フレームの溝間凹部52を利用して、揺動支持機構84、仮止め機構104および係止保持機構140のアッセンブリ側構造が形成されている。すなわち、ガラスアッセンブリ74の右辺には、第1バンド部材64aと第2バンド部材64bとを連結させる締結手段としての機能を兼ね備える揺動支持機構84のヒンジカラー84aが設けられ、ガラスアッセンブリ74の左辺上部には、仮止め機構104における仮支持アーム104aを受容係合可能な仮支持孔104bが形成され、その下方には係止保持機構140における第1係止機構のローレットネジ142が螺着されている。また、ガラスアッセンブリ74の上辺には、係止保持機構140における第2係止機構のローレットネジ145を受容して係合する係止孔146が形成されている。
【0149】
揺動支持機構84におけるヒンジカラー84aは、図17中にこの領域の部分断面図を付記するように、いわゆるチューブラーリベット状の形態をなし、第1バンド部材のフランジ部64afと第2バンド部材のフランジ部64bfとを重ね合わせてヒンジカラー84aをカシメ圧着することにより、これらを締結して上下各一対のフランジ部64fを形成させるとともに、その中心に上下連通して固定支持枠側のヒンジピンと嵌脱自在なヒンジホールを形成する。また、第1バンド部材64aに穿設された係止孔146は、この係止孔146と係合するローレットネジ145の先端部の外径に合わせた前後方向幅で左右方向に長い長孔状に形成されており、容易かつ確実な係止保持を実現している。
【0150】
一方、上記ガラスアッセンブリ74を収容して固定支持する固定支持枠94の各部には、揺動支持機構84、仮止め機構104および係止保持機構140の窓枠側構造が形成されている。揺動支持機構84の窓枠側構造は固定支持枠94の右側(左方枠部94L)に設けられており、ガラスアッセンブリ74が取付角度位置に閉止されたときのフランジ部64f,64fの配設位置に合わせて左方枠部94Lの支持面の一部が切り欠かれて切り欠き部94eが形成されるとともに、その外側の取付面に上下のヒンジカラー84aに対応してこれらを支持する支持ブラケット部が形成されている。
【0151】
切り欠き部94eは、ガラスアッセンブリ74が取付角度位置に閉止されたときのフランジ部64fの配設位置に合わせて形成されており、平面視においてフランジ部64fを斜め方向から受容してヒンジピンを嵌脱可能に形成される一方、ガラスアッセンブリ74を取付角度位置まで揺動閉止させたときに、切り欠き部94eの上下の支持面が上下フランジ部64fを挟み込むように位置してガラスアッセンブリ74の上下移動を規制し得るように形成されている。
【0152】
支持ブラケット部は、詳細図示省略するが、既述したヒンジブラケット81cと同様に後方に突出する支持面を有し、この支持面にはヒンジホール81dに代えて上方に突出するヒンジピンがカシメ圧着されている。ヒンジピンは下方の支持ブラケット部に固着された第1ヒンジピンと上方の支持ブラケット部に固着された第2ヒンジピンとからなり、第1,第2ヒンジピンが同軸上に配設されて揺動軸を形成する。これにより、上下のヒンジピンにヒンジカラー84a,84aを嵌合接続して支持させることで、ガラスアッセンブリ74が揺動軸まわりに左右揺動可能に支持されるようになっている。なお、第1ヒンジピンは第2ヒンジピンよりも長く形成されるとともに、両ピンの上端部には円錐状の導入部が形成されている。
【0153】
仮支持機構104の窓枠側構造は、固定支持枠94の左側(右方枠部94R)に設けられた仮支持アーム104aからなり、右方枠部94Rの支持面の一部が前方および上下でコの字状に切り離されて左右方向に弾性変位可能に形成されている。仮支持アーム104aは、アーム部が固定支持枠94の枠部内方に折り曲げられて枠内に斜めに突出する傾斜辺部と、突出したアーム部の先端側が左右外方に折り返されて左右枠部の取付面と平行に枠部外方に突出する係止辺部とからなり、各枠部の部材加工時にこれら枠部と一体に形成される。係止辺部は上述したガラスアッセンブリ74の仮支持孔104bの配接位置に合わせて形成されており、ガラスアッセンブリ74を揺動支持機構84に支持させて窓口5bの背面を覆う取付角度位置まで揺動させたときに、アーム先端部が仮支持孔104bに嵌入し、係止辺部が仮支持孔104bの端面および溝間凹部52の前面と係合してガラスアッセンブリ74を取付角度位置に仮止め支持可能になっている。
【0154】
また、係止保持機構140の窓枠側構造は、固定支持枠94の左側に設けられた第1係止機構と上部に設けられた第2係止機構とからなる。このうち第1係止機構は、右方枠部94Rの支持面に形成されてガラスアッセンブリ74の左辺に螺合されたローレットネジ142を係脱可能に受容する揺動支持溝94bと、この揺動支持溝上方の支持面に上下揺動可能に枢結されたロックアーム141とから構成される。
【0155】
揺動支持溝94bは、その溝部前端位置が、ガラスアッセンブリ74が取付角度位置に閉止されたときのローレットネジ142のネジ位置およびネジ部外径に合わせて形成される一方、支持面後端の開口に向けて広く広がるように形成されている。このため、揺動支持機構84に支持されたガラスアッセンブリ74を前方に揺動させたときに、ローレットネジ142が容易かつ確実に揺動支持溝94b内に進入し係合してガラスアッセンブリ74を滑らかに適正な高さ位置に案内するとともに、溝部前端の取付角度位置でローレットネジ142とガタなく係合し、ガラスアッセンブリ74の前方への過度な揺動および上下方向への移動を規制する。
【0156】
ロックアーム141は、基端部が右方枠部94Rの支持面に上下揺動可能に枢結され先端部が支持面に沿って延びるアーム部141b、アーム部141bの先端側にローレットネジ142のネジ外径に合わせて形成された係止溝141f、アーム部141bから左右外方に折り曲げ形成された操作つまみ部141m等からなり、所定板厚の冷間圧延鋼板等を打ち抜き、曲げ加工等して図示する形状に形成し、右方枠部の支持面にリベット締結される。
【0157】
ロックアーム141は、上記のようにガラスアッセンブリ74を取付角度位置に閉止させて、ローレットネジ142のネジ部を揺動支持溝94bの溝内前端部に位置させた状態で、ロックアーム141を上下に揺動させたときに、アーム部先端の係止溝141fがローレットネジ142のネジ部と係脱可能に係合してガラスアッセンブリ74を取付角度位置に係止保持可能に構成されている。
【0158】
一方、固定支持枠94の上部に設けられた第2係止機構は、左右枠部を繋ぐ補強杆94Tに螺合されたローレットネジ145からなる。ローレットネジ145は、詳細図示省略するが、ネジ部の先端がガラスアッセンブリ側の係止孔146の溝幅に合わせて段落としされてピン状の係止突起が形成されるとともに、その先端角部がテーパ状に面取りされて案内面が形成されている。ローレットネジ145は、ガラスアッセンブリ74が取付角度位置に閉止されたときにガラスアッセンブリ上辺の係止孔146と位置整合するように配設されており、ローレットネジ145を締め込むことで先端の係止突起が係止孔146に嵌入して係合し、ガラスアッセンブリ74を取付角度位置に係止保持可能に構成されている。
【0159】
さて、以上のように各部構成されるガラス支持機構44を利用してガラスアッセンブリ74を装着し係止保持させる場合には、作業者は、まず扉開放保持機構30によりガラス扉5を例えば90度の開放角度に係止保持させるとともに、予めロックアーム141を上方に揺動待避させ、ローレットネジ145を緩めて先端の係止突起を上方に待避させておく。
【0160】
次いで、ガラスアッセンブリ74の側縁および下辺を把持してフランジ部64fを斜め前方に向けて支持し、窓枠5aの背面側から上下のヒンジカラー84aを支持ブラケット部に近づける。そして、まず下方のヒンジカラー84aのヒンジホールを第1ヒンジピンに位置合わせして先端の導入部を係合させ、次いで上方のヒンジカラー84aのヒンジホールを第2ヒンジピンに位置合わせして先端の導入部を係合させ、これら上下のヒンジカラー84a,84aがともに上下の第1,第2ヒンジピンに係合したところでガラスアッセンブリ74をさらに下動させて、上下のフランジ部64f,64fをそれぞれ上下の支持ブラケット部に支持させる。
【0161】
これにより、ガラスアッセンブリ74の右端部が上下および左右方向に位置決めされて揺動自在に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ74全体の荷重が固定支持枠94に支持され、以降はガラスアッセンブリ74を前方に押圧する軽い操作力だけで装着作業を進めることができる。また、上下の支持ブラケット部に設けた第1,第2ヒンジピンを異なる長さに設定しているため、作業者は1カ所ずつ注目して段階的に係合作業を進めることができる。
【0162】
そこで、作業者はガラスアッセンブリ74の背面を前方に押圧してガラスアッセンブリ74を上下ヒンジピンによる揺動軸まわりに揺動させる。このとき、ローレットネジ142のネジ部が支持面後端の開口部から揺動支持溝94bに進入し、この溝に導かれて溝前端部に係合する。このため、例えば、ガラスアッセンブリ74の重量によって連結バンド64が撓み、多少左に傾いた状態で支持されるような状況であっても、ローレットネジ142が揺動支持溝94bの溝面に案内されて滑らかに適正な高さ位置に導かれ、かつ前端の取付角度位置にあっては上下にガタを生じることなく的確に位置決め支持する。すなわち、ローレットネジ142および揺動支持溝94bはガラスアッセンブリ74を適正な取付角度位置に案内する案内機構としての機能も兼ね備えている。
【0163】
また上記ガラスアッセンブリ74の揺動過程において、仮支持アーム104aの傾斜辺部が連結バンド64(第1バンド部材64a)の前縁部に押圧されて弾性変形し、一旦、支持面外方に待避してガラスアッセンブリ74の進入を許容する一方、ガラスアッセンブリ74が取付角度位置まで揺動されると、この角度位置で位置整合する仮支持孔104bにより押圧が解放されて孔内に突出し、係止辺部の前面が仮支持孔104bの開口縁部および溝間凹部52の前方壁面と係合する。
【0164】
これにより、ガラスアッセンブリ74は前後方向への揺動および左右方向への移動が規制され上記取付角度位置に仮止め支持される。このため、作業者がガラスアッセンブリ74を支えていなくても、ガラスアッセンブリ74が開放方向に揺動して出てきたり、ガラスアッセンブリ74が脱落したりするようなことがなく、作業者はガラスアッセンブリ74を仮止め支持させた状態でガラスアッセンブリから両手を離して次の作業に移ることができる。
【0165】
ここで、上記のようにガラスアッセンブリ74が仮止めされた取付角度位置では、ガラスアッセンブリ74の左辺において第1係止機構のローレットネジ142が揺動支持溝94bの溝前端部、すなわちにロックアーム141の係止溝141fの揺動軌跡上に位置して支持され、ガラスアッセンブリ74の上辺において第2係止機構の係止孔146がローレットネジ145の直下に位置している。
【0166】
そこで、作業者は、上方に待避させていた第1係止機構のロックアーム141を操作つまみ部141mを利用して下方に揺動させ、先端の係止溝141fをローレットネジ142のネジ部に係合させる。そして、ローレットネジ142を締め込むと、ロックアーム141がローレットネジ142に締め付けられて固定され、これによりローレットネジ142が揺動支持溝94bと係止溝141fとに前後および上下を挟まれるように固定され、ガラスアッセンブリ74が取付角度位置に係止保持される。
【0167】
また、上方に待避させていた第2係止機構のローレットネジ145を締め込んで下動させ、先端の係止突起を係止孔146に嵌入させる。既述したように、係止孔146は左右に長孔状に形成され、また係止突起の先端部がテーパ状に面取りされて案内面が形成されている。このため、上記ローレットネジ145の締め込み操作によりローレットネジ先端の係止突起が滑らかに係止孔146に嵌入して係合し、ガラスアッセンブリ74が第2係止機構によっても取付角度位置に係止保持される。
【0168】
さらに、ガラスアッセンブリ74の右辺側では、ヒンジピンとヒンジホールとの嵌合接続によってガラスアッセンブリ74が前後左右方向に位置決め支持されるほか、上下のフランジ部64fが固定支持枠94の切り欠き部94e内で上下を支持面に挟まれるように配設され、ガラスアッセンブリ74の右辺側でも上下方向に移動規制される。これにより、ガラス支持機構94では前後左右方向のみならず、ガラスアッセンブリ74を上方に持ち上げるような外力を及ぼす不正行為に対して極めて抗力が高いガラス支持機構を得ることができる。
【0169】
そして以上のようにしてガラスアッセンブリ74が固定支持枠94に係止されると、ガラスアッセンブリ74が左右枠部94L,94Rの間に隙間なく支持され、前方のガラス板56が窓口5bの開口を塞いで隙間なく配設された状態で(図3〜図5を参照)、ガラスアセンブリ74が窓枠5aの背面に強固に固定支持される。これにより、窓口5bの前面側から薄板や針金を挿入して遊技盤20に悪戯するような不正行為が効果的に防止される。
【0170】
従って、以上説明したようなガラス支持機構44においても、既述した各ガラス支持機構41〜43と同様に、生産リードタイムを短縮して生産性を高め得るとともに、外力に対する抗力が高く長期信頼性を向上させた一体化構造を得ることがでる。また、ドリル等によりヒンジカラー84aを取り外してガラスアッセンブリ74を分解することも可能であり、取り外したガラス板56や保護フレーム部材等の各構成部材をリサイクル使用することも可能である。なお、第1または第2ヒンジカラー84a,84bの少なくともいずれか一方にナットを用いて締結するタイプのヒンジカラーを使用する構成とすれば、分解・組み立てを容易化してリサイクル性をさらに向上させたガラス支持機構を得ることができる。
【0171】
また、ガラス支持機構44では、揺動支持機構84におけるアッセンブリ側構造が連結バンド64を利用して形成されているため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを抑制することができるとともに、窓枠5aの背面側から容易かつ安全にガラス板の着脱作業を行えるガラス支持機構を提供できる。さらに、ガラス支持機構44では、アッセンブリ側のヒンジカラー84aを窓枠側のヒンジピンに係合させることで、ガラスアッセンブリ全体の荷重が支持され、以降ガラスアッセンブリ74を軽く揺動させるだけの軽作業で固定作業を進めることができるうえ、仮止め機構104が設けられているため仮止め後はガラスアッセンブリ74から両手を離して固定作業等を行うことができる。従って、ガラスアッセンブリを支持しながら位置合わせをしたり固定操作する等の必要がなく、ガラス板の着脱作業を全体的に容易化して作業性が良好なガラス支持機構を提供することができる。
【0172】
次に、第5実施例のガラス支持機構45について、図14〜図16の各図を参照しながら説明する。ここで、図14は第5実施例のガラス支持機構45の主要部を示す分解斜視図、図15はガラス支持機構45におけるロックアーム151の作用を主として示す背面図および平面図である。なお、図14はガラス支持機構45を斜め後方から見た斜視図であり、前述した各実施例と同様に説明の便宜上から、図14における左右方向(背面視における左右方向)をもって左方または右方と称して説明する。
【0173】
ガラス支持機構45は、窓口5bの周囲を取り囲むように窓枠5aの背面にねじ固定された固定支持枠95、複数の保護フレーム部材からなり前後2枚のガラス板56の外周縁部と係合してガラス板を所定の間隔をおいて保持する保護フレーム50、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように固定されて複数の保護フレーム部材を連結させ一体のガラスアッセンブリ75を形成させる連結バンド65、ガラスアッセンブリ75を固定支持枠95に係脱及び左右揺動可能に支持させる揺動支持機構85(ヒンジカラー85a、ヒンジピン等)、ガラスアッセンブリ75が窓口5bを塞ぐ取付角度位置に閉止される過程でガラスアッセンブリを適正な取付角度位置に案内する案内機構(案内ロッド95t,ガイドフック65t)ガラスアッセンブリ75が取付角度位置に閉止されたときにガラスアッセンブリ75と係脱可能に係合して当該ガラスアッセンブリを係止させる係止保持機構150(ロックアーム151,アーム係合部152,ローレットネジ155,係止孔156)などから構成される。
【0174】
固定支持枠95は、窓口5bの下方に位置する下方枠部95U、窓口5bの左側(正面視右側)に位置する右方枠部95R、窓口5bの右側(正面視左側)に位置する左方枠部95Lを主体として構成され、それぞれ前述した固定支持枠93,94と同様に窓枠の背面にネジ固定される取付面と取付面から後方に延びる支持面とを有して同様の加工手段により一体に形成され、窓口5bの周囲を取り囲むように窓枠5aの背面にねじ固定される(図3〜図5を参照)。左右枠部95L,95Rにおける支持面の上端部には、これらの間を繋いでシャフト状の案内ロッド95tが設けられている。
【0175】
これにより、窓枠5aの背面に強固な支持枠が形成され、ガラスアッセンブリ75が安定に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ75の装着の有無にかかわらず窓枠5aを補強する補強枠としても機能し、ガラスアッセンブリ75の着脱時を含めて窓枠5aの撓み変形等が抑制される。また、左右枠部95L,95Rの支持面間隔は、後述するガラスアッセンブリ75の外形寸法よりもわずかに大きい程度に形成され、ガラスアッセンブリ75を係止保持させた状態でガラスアッセンブリ75と左右枠部95L,95Rとの間に殆ど隙間が生じないように設定されており、これらの間に薄板や針金を挿入して遊技盤20に悪戯するような不正行為を効果的に防止し得る構成になっている。
【0176】
ガラスアッセンブリ75は、前後2枚のガラス板56(図14では記載を省略している)と、これらのガラス板56と係脱可能に係合してガラス板を保護する保護フレーム50と、保護フレーム50の外周縁部を取り囲むように係合して複数の保護フレーム部材を連結させる連結バンド65とを主体として構成され、前後のガラス板56の外周縁部に保護フレーム部材を係合支持させて連結バンド65で連結することにより一体のアッセンブリとして形成される。
【0177】
保護フレーム50は、内周側にガラス板56を受容する前後2列のガラス溝51を有して全体として外郭方形のフレーム形態をなし、例えば、図18(B)に示したような左右2分割の保護フレーム部材(50b,50b)から形成される。なお、保護フレーム50のその余の構成は、第2実施例の支持機構42における保護フレーム50と同様であり、ここでは重複説明を省略する。
【0178】
連結バンド65は、保護フレーム50の厚さと略同一の板幅を有して保護フレーム50の外周を取り囲むように曲げ加工された第1バンド部材65aと第2バンド部材65bとからなり、両者が連結されて外郭方形の枠状に構成される。連結バンド65における第1バンド部材65aおよび第2バンド部材65bは、全体として上述した第3,第4実施例の連結バンド63,64と同様に構成され、第1バンド部材65aが上下左右四辺のうち右辺の中央部を除く枠状に形成され、第2バンド部材65bが右辺中央の開放部を繋ぐ帯板状に形成されている。第1バンド部材65aの両端部および第2バンド部材65bの両端部は、それぞれ枠部外方に折り曲げられてフランジ部65af,65bfが形成されており、これらのフランジ部を重ね合わせて後述するヒンジカラー85aで締結することにより一体の方形枠状に形成される。
【0179】
枠状に形成された連結バンド65の内面間隔は、左右の保護フレーム部材をガラス板56の外周縁部に係合支持させた状態における保護フレーム50の外形寸法と同一若しくはわずかに大きめに形成され、第1,第2バンド部材65a,65bの各辺には、連結バンド65の枠内に保護フレーム50を受容したときに保護フレームのネジ受容穴53hと位置整合するサラモミ孔形態のネジ取付孔65hが形成されている。
【0180】
連結バンド65を用いて左右の保護フレーム部材を連結させる際には、前後2枚のガラス板56の外周縁部に左右の保護フレーム部材を係合させて一体化させ、その外周に枠状の連結バンド65を覆い被せるようにして係合させる。そして、連結バンド65のネジ取付孔65hと位置整合した保護フレーム50のネジ受容穴53hに、サラコネジ59を螺合させ締め込んで連結バンド65を固定する。これにより、左右の保護フレーム部材が連結され、前後のガラス板56の外周縁部全体が保護フレーム50に保護されるとともに、さらに保護フレーム50の全周が金属製の連結バンド65に取り囲まれるように保護されたガラスアッセンブリ75が形成される。
【0181】
なお、連結バンド65または保護フレーム部材の外周辺の少なくともいずれか一方を前後方向に緩いテーパ状に形成し、保護フレーム50の外周に連結バンド65を係合させたときに(または連結バンド65の枠内に保護フレーム50を収容させたときに)、上記テーパの効果により複数の保護フレーム部材がガラス板56の中心に向けて緩く押圧されるように構成してもよい。このような構成によれば、前述した各ガラスアッセンブリ71〜74等と同様に複数の保護フレーム部材およびガラス板をより緊密に連結させたガラスアッセンブリを得ることができる。
【0182】
ガラスアッセンブリ75の各部には、連結バンド65および保護フレームの溝間凹部52を利用して、揺動支持機構85、係止保持機構150および案内機構のアッセンブリ側構造が形成されている。すなわち、ガラスアッセンブリ75の右辺には、第1バンド部材65aと第2バンド部材65bとを連結させる締結手段としての機能を兼ね備える揺動支持機構85のヒンジカラー85aが設けられ、ガラスアッセンブリ75の左辺には、係止保持機構150における第1係止機構のロックアーム151と係脱可能なアーム係合部152、および第2係止機構のローレットネジ155と係脱可能な係止孔156が形成され、ガラスアッセンブリ75の上辺には案内機構の案内ロッド95tと係脱可能なガイドフック65tが形成されている。
【0183】
ヒンジカラー85aは、前述したヒンジカラー84aと同様にチューブラーリベット状の形態をなし、第1バンド部材のフランジ部65afと第2バンド部材のフランジ部65bfとを重ね合わせてヒンジカラー85aをカシメ圧着することにより、これらを締結して上下各一対のフランジ部65f,65fを形成させるとともに、その中心に上下連通して固定支持枠側のヒンジピンと嵌脱自在なヒンジホールを形成する(図17中の部分断面図を参照)。
【0184】
アーム係合部152は、ガラスアッセンブリ75の左右外方に突出する前後の固定フランジ152bと、これら前後の固定フランジ152bを結んで設けられた係止ピン152pと、係止ピン152pの背後に形成されてロックアーム151の先端部を受容可能なスリット状のアーム受容孔152fからなる。固定フランジ152bは第1バンド部材65aの前後を枠部外方に切り起こすことで前後に対峙して形成され、これら前後の固定フランジ152bの間を結んで係止ピン152pが両フランジ間に固着されている。
【0185】
係止孔156は、保護フレームの溝間凹部52を利用してローレットネジ155の先端部を受容可能に形成されており、第1バンド部材65aに穿設された係止孔156およびその背後に位置する保護フレームの受容穴がローレットネジ155先端部の外径に合わせた前後方向幅で上下に長い長孔状に形成され、容易かつ確実に係止保持可能になっている。
【0186】
ガイドフック65tは、第1バンド部材65aの左前方の一部が上方に切り起こされて形成され、第1バンド部材の上辺から鉛直上方に延びる起立部、ガラスアッセンブリ75が取付角度位置に閉止されたときの案内ロッド95tの位置および軸径に合わせて半円弧状に曲げ成形された支持受け部、支持受け部から斜め上方に延びる斜面状の係合片部などから構成される。
【0187】
一方、ガラスアッセンブリ75を固定支持する固定支持枠95には、揺動支持機構85、係止保持機構150および案内機構の窓枠側構造が形成されている。揺動支持機構85の窓枠側構造は固定支持枠95の右側(左方枠部95L)に設けられており、ガラスアッセンブリ75が取付角度位置に閉止されたときのフランジ部65f,65fの配設位置に合わせて左方枠部95Lの支持面の一部が切り欠かれて切り欠き部95eが形成されるとともに、その外側の取付面に上下のヒンジカラー85aに対応してこれらを支持する支持ブラケット部が形成されている。
【0188】
切り欠き部95eは、ガラスアッセンブリ75が取付角度位置に閉止されたときのフランジ部65f,65fの配設位置に合わせて形成されており、平面視においてフランジ部65fを斜め方向から受容してヒンジピンを嵌脱可能に形成される一方、ガラスアッセンブリ75を取付角度位置まで揺動閉止させたときに、切り欠き部95eの上下の支持面が上下フランジ部65fを挟み込むように位置してガラスアッセンブリ75の上下移動を規制し得るようになっている。
【0189】
支持ブラケット部は、詳細図示省略するが、既述したヒンジブラケット81cと同様に後方に突出する支持面を有し、支持面にはヒンジホール81dに代えて上方に突出するヒンジピンがカシメ圧着されている。ヒンジピンは下方の支持ブラケット部に固着された第1ヒンジピンと上方の支持ブラケット部に固着された第2ヒンジピンとからなり、第1,第2ヒンジピンが同軸上に配設されて揺動軸を形成する。これにより、上下のヒンジピンにヒンジカラー85a,85aを嵌合接続して支持させることで、ガラスアッセンブリ75が揺動軸まわりに左右揺動可能に支持されるようになっている。なお、第1ヒンジピンは第2ヒンジピンよりも長く形成され、両ピンの上端部には円錐状の導入部が形成されている。
【0190】
案内機構の窓枠側構造は、ガラスアッセンブリ側のガイドフック65tと係脱可能に係合してガラスアッセンブリ75を所定高さ位置に案内する案内ロッド95tを主体として構成される。案内ロッド95tは所定線径のみがき鋼棒を左右枠部95L,95Rの内面間隔と同一寸法に端面加工して形成され、シャフトの両端がそれぞれ左右枠部95L,95Rにリベット締結され、これら枠部の支持面間を結んで固定される。
【0191】
案内ロッド95tは、揺動支持機構85に揺動可能に支持されたガラスアッセンブリ75が窓口5bの背面を覆う取付角度位置に向けて揺動される過程で、閉鎖方向に移動するガイドフック65tの斜面状の係合片部と係合し、この斜面の効果でガラスアッセンブリ75を適正な高さ位置に案内するとともに、ガラスアッセンブリ75が取付角度位置まで揺動されたときにガイドフック65tの支持受け部と係合し、ガラスアッセンブリ75を適正な取付角度位置に係止させる。このように、案内ロッド95tはガラスアッセンブリ75を取付角度位置に導く案内部材として機能するほか、左右枠部95L,95Rの支持面を所定の間隔に維持して連結させ、左右枠部に作用する外力に抗して固定支持枠95を補強する補強杆としても機能する。
【0192】
係止保持機構150の窓枠側構造は、固定支持枠95の左側(右方枠部95R)に設けられており、右方枠部95Rの下部に設けられた第1係止機構と、その上方に設けられた第2係止機構とからなる。このうち第1係止機構の窓枠側構造は、右方枠部95Rの取付面に設けられて窓口開口と平行な面内に揺動可能に枢支されたロックアーム151と、このロックアームに隣接する右方枠部95Rの支持面に形成された切り欠き部95fとから構成される。
【0193】
切り欠き部95fはロックアーム151およびアーム係合部152の揺動軌跡に合わせて形成されており、揺動機構85に支持されたガラスアッセンブリ75が前方に揺動されたときに、切り欠き部95f内にアーム係合部152を受容するとともに、切り欠き部95fの上下縁部が固定フランジ152bの上下に位置してガラスアッセンブリ75の上下移動を規制する。
【0194】
ロックアーム151は、窓枠5aから後方に突出成型された円柱状の支軸ボス5e(図16を参照)に嵌合して回動可能に支持される円筒状のカラー部151aと、このカラー部151aから軸直交方向に突出する板状のアーム部151b、アーム部151bの先端側に形成されてアーム係合部152の係止ピン152pと係合可能な円弧形態の係止溝151p、アーム部151bの基端側に形成された操作つまみ部151m等からなり、例えば前述した第2実施例の第1ロックアーム121と同様の成形手段で形成される。ロックアーム151はカラー部151aを支軸ボス5eに嵌合させて、カラー部151aの後方からネジ154を挿通させて支軸ボス5eに螺合締結することで、支軸ボス5eの軸まわりに回動可能に取り付けられ、アーム部151bが右方枠部95Rの取付面と平行な面内に上下揺動可能に支持される。
【0195】
アーム部151bの配設位置は、ガラスアッセンブリ75を取付角度位置に閉止させ、アーム係合部152を切り欠き部95f内に位置させた状態で、ロックアーム151を枠部内方に揺動させたときに、アーム先端部がアーム受容孔152fから溝間凹部52内に進入し、係止溝151pが係止ピン152pと滑らかに係合して、ガラスアッセンブリ75を係止保持するように形成されている。
【0196】
なお、アーム部151b先端の厚さおよび配設位置をアーム受容孔152fの開口幅および配設位置と合わせて嵌脱可能に形成し、ロックアーム151をアーム係合部152に係合させたときに、アーム部先端がアーム受容孔152fと嵌合してガラスアッセンブリ75を前後方向に位置決めし、係止溝151pが係止ピン152pと係合してガラスアッセンブリ75を左右方向に位置決めして係止保持するように構成してもよい。このような構成によれば、ロックアーム151をアーム係合部152に係合させることで、ガラスアッセンブリ75を前後左右に位置決めして固定支持枠95に係止保持させることができる。
【0197】
一方、上記切り欠き部95fの上方に位置して第2係止機構の窓枠側構造が設けられている。第2係止機構の窓枠側構造は、右方枠部95Rの支持面から枠部内方に出没移動可能に螺合されたローレットネジ155を主体として構成される。右方枠部95Rの支持面にはローレットネジ155のネジ部外径と略同径の支持孔が穿設され、その外側に雌ネジが形成された補強パッド95gが支持孔と同軸に固着されている。
【0198】
これらの支持孔および雌ネジは取付角度位置に位置したガラスアッセンブリ75の係止孔156と位置整合して設けられており、補強パッド95gの外側から雌ネジにローレットネジ155を螺合させることでネジ先端部が枠部内方に出没移動可能に支持され、取付角度位置に閉止されたガラスアッセンブリの係止孔156と係脱可能になっている。そしてこのような補強パッド95gによりネジの嵌合長さを確保するとともに、その内側に設けられた支持孔の内壁面でローレットネジ155のネジ外周面を支持することで、ネジ直交方向に作用する押圧力に対する抗力を高めた支持構造になっている。
【0199】
なお、補強パッド95gに代えて溶接ナットやカシメナットを固着し、あるいは右方枠部95Rの支持面にバーリング加工等によってネジ部を形成してもよい。また、ローレットネジ155に代えて、いわゆるインデックスプランジャやスプリングプランジャ、あるいはボールプランジャ等を用いてもよい。このような構成によれば、ガラスアッセンブリ75の着脱操作を容易化して作業性を向上させたガラス支持機構を得ることができる。
【0200】
さて、以上のように構成されるガラス支持機構45を利用してガラスアッセンブリ75を装着し係止保持させる場合には、作業者は、まず扉開放保持機構30によりガラス扉5を例えば90度の開放角度に係止保持させるとともに、予めロックアーム151を上方に起立させてアーム係合部152の揺動軌跡の外側に待避させ、またローレットネジ155を緩めてネジ先端部が枠部内方に突出しないように待避させておく。
【0201】
次いで、ガラスアッセンブリ75の側縁および下辺を把持してフランジ部65fを斜め前方に向けて支持し、窓枠5aの背面側から上下のヒンジカラー85aを支持ブラケット部に近づける。そして、まず下方のヒンジカラー85aのヒンジホールを第1ヒンジピンに位置合わせして先端の導入部を係合させ、次いで上方のヒンジカラー85aのヒンジホールを第2ヒンジピンに位置合わせして先端の導入部を係合させ、これら上下のヒンジカラー85a,85aがともに上下の第1,第2ヒンジピンに係合したところでガラスアッセンブリ75をさらに下動させて、上下のフランジ部65f,65fをそれぞれ上下の支持ブラケット部に支持させる。
【0202】
これにより、ガラスアッセンブリ75の右端部が上下および左右方向に位置決めされて揺動自在に支持されるとともに、ガラスアッセンブリ75全体の荷重が固定支持枠95に支持され、以降はガラスアッセンブリ75を前方に押圧する軽い操作力だけで装着作業を進めることができる。また、上下の支持ブラケット部にカシメ圧着した第1,第2ヒンジピンを異なる長さに設定しているため、作業者は1カ所ずつ注目して段階的に係合作業を進めることができる。
【0203】
そこで、作業者はガラスアッセンブリ75の背面を前方に押圧してガラスアッセンブリ75を上下ヒンジピンによる揺動軸まわりに揺動させる。このとき、ガイドフック65tの斜面状の係合片部が案内ロッド95tと係合し、この案内ロッド95tに乗り上げるように摺動して支持受け面と案内ロッドとが係合する。このため、例えば、ガラスアッセンブリ75の重量によって連結バンド65が撓み、多少左に傾いた状態で支持されるような状況であっても、ガイドフック65tが案内ロッド95tに案内されて滑らかに適正な高さ位置に導かれ、かつ取付角度位置においてはガイドフック65tの支持受け面が案内ロッド95tと係合してガラスアッセンブリ75が適正な取付角度位置に位置決めされる。
【0204】
こうしてガラスアッセンブリ75が閉止された取付角度位置では、ガラスアッセンブリ75の左辺下部において第1係止機構のアーム係合部152が切り欠き部95gの溝内でロックアーム151の揺動軌跡と位置整合して配設され、ガラスアッセンブリ75の左辺上部において第2係止機構の係止孔156がローレットネジ155のネジ軸上に位置して配設される。
【0205】
そこで、作業者は、上方に待避させていた第1係止機構のロックアーム151を操作つまみ部151mを利用して下方に揺動させ、先端の係止溝151fを操作つまみ部151mを利用して支軸ボス5eまわりに回動させ、アーム先端部をアーム受容孔152fから溝間凹部52内に進入させるとともに、係止溝151pを係止ピン152pに係合させる。これによりガラスアッセンブリ75が窓口5bの背後を覆う取付角度位置に係止保持される。またこのときアーム係合部152の固定フランジ部152bが切り欠き部95f内で開口縁部に上下を挟まれるように配設され、ガラスアッセンブリ75の上下動が規制される。
【0206】
また、作業者は枠部外方に待避させていたローレットネジ155を回動してネジ部を枠部内方に突出させ、ネジ先端部をガラスアッセンブリの係止孔156に係合させる。これにより、ガラスアッセンブリ75が第2係止機構によっても取付角度位置に係止保持される。
【0207】
さらに、ガラスアッセンブリ75の右辺側では、ヒンジピンとヒンジホールとの嵌合接続によってガラスアッセンブリ75が前後左右方向に位置決め支持されるほか、上下のフランジ部65fが左方枠部95Lの切り欠き部95e内で上下を支持面に挟まれるように配設され、ガラスアッセンブリ75の右辺側でも上下方向に移動規制される。これにより、ガラス支持機構95では前後左右方向のみならず、ガラスアッセンブリ75を上方に持ち上げるような外力を及ぼす不正行為に対して極めて抗力が高いガラス支持機構を得ることができる。
【0208】
そして以上のようにしてガラスアッセンブリ75が固定支持枠95に係止されると、ガラスアッセンブリ75が左右枠部95L,95Rの間に隙間なく支持され、前方のガラス板56が窓口5bの開口を塞いで隙間なく配設された状態で窓枠5aの背面に強固に固定支持される。これにより、窓口5bの前面側から薄板や針金を挿入して遊技盤20に悪戯するような不正行為が効果的に防止される。
【0209】
従って、以上説明したようなガラス支持機構45においても、既述した各ガラス支持機構41〜44と同様に、生産リードタイムを短縮して生産性を高め得るとともに、外力に対する抗力が高く長期信頼性を向上させた一体化構造を得ることがでる。また、必要に応じてガラスアッセンブリ75を容易に分解し組み立て直すことができ、取り外したガラス板56や保護フレーム部材等の各構成部材をリサイクル使用することも可能である。
【0210】
また、ガラス支持機構45では、揺動支持機構85におけるアッセンブリ側構造が連結バンド65を利用して形成されているため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを抑制することができるとともに、窓枠5aの背面側から容易かつ安全にガラス板の着脱作業を行えるガラス支持機構を提供できる。さらに、ガラス支持機構45では、アッセンブリ側のヒンジカラー85aを窓枠側のヒンジピンに係合させることで、ガラスアッセンブリ全体の荷重が支持され、以降ガラスアッセンブリ75を軽く揺動させるだけの軽作業で固定作業を進めることができるため、ガラスアッセンブリを支持しながら位置合わせをしたり固定操作する等の必要がなく、ガラス板の着脱作業を全体的に容易化して作業性が良好なガラス支持機構を提供することができる。
【0211】
なお、以上説明した各ガラス支持機構42〜45では、係止保持機構として第1係止機構と第2係止機構との二つの係止機構を設けた例を示したが、これら係止機構のいずれか一方を設ける構成であってもよい。またガラス支持機構の実施例ごとに揺動支持機構、案内機構、仮止め機構、係止保持機構の説明を行ったが、これらの各機構は適宜組み合わせを変更して適用可能であることはいうまでもなく、各機構の配設位置を上下あるいは左右に変更するなど適宜変更して適用することも可能である。
【0212】
さて、以上では複数の保護フレーム部材を連結させる連結部材の例として、バンド部のほぼ全体が溝間凹部52に収容される形態の連結バンド61、バンド部全体が保護フレーム50の外周辺を取り囲む形態の連結バンド62〜65について説明したが、連結部材はこれらの連結バンドのように一定の板幅で保護フレーム50の周囲全体を取り囲む形態のものに限らない。そこで、以下では連結部材の他の構成例について、その構成形態を中心に簡明に説明する。なお、連結部材おけるフランジ部の形成位置や揺動支持機構、案内機構、仮支持機構、係止保持機構等については、既に詳細に説明した第1〜第5のガラス支持機構41〜45のいずれを適用するものであってもよく、ここでは図面への記載および重複説明を省略する。
【0213】
まず、図17(A)(B)(C)は、保護フレーム50の周囲を取り囲む各辺の板幅を変更した形態の連結バンドを部分的に例示する斜視図である。
【0214】
このうち、図17(A)に示す連結バンド66Iは、連結バンドの上下左右四辺を保護フレーム50の前後方向寸法(厚さ寸法)と略同一寸法の一定のバンド幅で形成した構成例であり、全体として既述した連結バンド62と同様構成の連結部材である。一方、連結バンド66Iでは、第1バンド部材66aと第2バンド部材66bとを締結させる締結部材および揺動支持機構のアッセンブリ側構造として、既述したヒンジカラー84a,85aと同様のヒンジカラー86aが用いられている。
【0215】
ヒンジカラー86aは、いわゆるチューブラーリベット状の形態をなし、図17中に部分断面図を付記するように、第1バンド部材のフランジ部66afと第2バンド部材のフランジ部66bfとを重ね合わせて、これら両フランジ部に形成された円孔にヒンジカラー86aの胴部を挿通させ、これをプレス等によりカシメ圧着することにより、第1,第2バンド部材のフランジ部66af,66bfを締結して一体のフランジ部66fを形成させるとともに、その中心に上下に連通して窓枠側のヒンジピンと嵌脱自在なヒンジホールを形成するものである。
【0216】
また、連結バンド66Iでは、連結バンドを保護フレーム50の外周端面に係合させたときに、ネジボス53中央のネジ受容穴53hと位置整合するネジ取付孔66h(既述した各実施例におけるネジ取付孔61h〜65hに相当する)が長穴状に形成されており、保護フレーム部材やガラス板56等の各部寸法が多少ばらついていても容易かつ確実に締結可能になっている。
【0217】
一方、図17(B),図17(C)に示す連結バンド66IIおよび66IIIは、ともに連結バンドにおける上下辺のバンド幅と左右辺のバンド幅とを異なる幅寸法に形成した構成例を示している。このうち、図17(B)に示す連結バンド66IIは、その上下辺が保護フレーム50における上下の溝間凹部52の形成位置および溝幅寸法に合わせて溝間凹部52に収容可能に形成され、左右辺が保護フレーム50の左右端面位置および厚さ寸法に合わせて形成されている。連結バンド66IIが係合される保護フレーム50では、上下辺の溝間凹部52に設けられるネジボスおよびリブが、図7に示したネジボス53およびリブ54と同様に保護フレームの外周端面よりも所定寸法低く形成される一方、左右辺の溝間凹部52に設けられるネジボスおよびリブは、保護フレーム左右辺の外周端面と同一高さに形成されている。連結バンド66IIの各辺には、連結バンドの上下辺を保護フレームの溝間凹部52に係合させ、左右辺を保護フレーム50の左右外周端面に係合させたときに、各辺のネジ受容穴53hと容易に位置整合する長孔状のネジ取付孔66hが形成されている。
【0218】
また、図17(C)に示す連結バンド66IIIは、上記連結バンド66IIと上下左右の構成を逆にしたものであり、その左右辺が保護フレーム50における左右の溝間凹部52の形成位置および溝幅寸法に合わせて溝間凹部52に収容可能に形成され、上下辺が保護フレーム50の上下端面位置および厚さ寸法に合わせて形成されている。連結バンド66IIIが係合される保護フレーム50のネジボス53およびリブ54についても、上記連結バンド66IIが係合される保護フレーム50と同様にバンド幅に対応して形成されている。
【0219】
このような構成の連結バンド66IIでは、連結バンドの上下辺を保護フレーム50の溝間凹部52収容させることでアッセンブリの上下方向寸法を小型化するとともに、連結バンドの左右辺を保護フレーム50の厚さ寸法と略同一に形成して左右端面に密着配設することで左右辺の保護を強化したガラスアッセンブリおよびガラス支持機構を構成することができる。一方、連結バンド66IIIでは、連結バンドの左右辺を保護フレーム50の溝間凹部52収容させることでアッセンブリの左右方向寸法を小型化するとともに、連結バンドの上下辺を保護フレーム50の厚さ寸法と略同一に形成して上下端面に密着配設することで上下辺の保護を強化したガラスアッセンブリおよびガラス支持機構を構成することができる。
【0220】
なお、連結バンド66II,66IIIでは、上下または左右の対向する二辺のバンド幅を同一幅に構成する例を説明したが、上下左右四辺のうち任意の一辺のみを他辺と異なるバンド幅に形成してもよい。例えば、揺動支点側以外の三辺のバンド幅を保護フレーム50の厚さ寸法と略同一に形成してこれら三辺に係止保持機構等を設けるとともに保護強化をはかり、揺動支点側の辺を保護フレームの溝間凹部52に収容させて固定支持枠の切り欠き部を小さくするとともに固定支持枠との隙間を生じないように構成する等、その目的に応じて適宜組み合わせて構成することが可能である。
【0221】
さて、以上では保護フレームの全周を取り巻くように係合して連結させる連結バンドを例示したが、連結部材はこのような全周取り巻き形態の連結バンドに限らず、保護フレームの分割形態に応じて他の形態、例えばプレート状やブロック状に構成することもできる。図18(A)(B)はその一例としてプレート状の連結バンド(以下、連結プレートという)で複数の保護フレーム部材を連結させた構成を示している。
【0222】
図18(A)に示す連結プレート67は、保護フレーム50が上下に2分割された形態の保護フレーム部材50a,50aを連結させるに好適な構成例である。この連結プレート67は、揺動支持機構を有しない第1プレート部材67aと揺動支持機構87を有する第2プレート部材67bとからなり、それぞれ保護フレーム50の厚さ(前後方向寸法)に合わせた板幅で保護フレーム50の上下方向寸法と同程度の高さに形成され、第1,第2プレート部材67a,67bを上下の保護フレーム部材50a,50aを繋ぐように左右側端面に固定することでこれらの保護フレーム部材を連結させるものである。
【0223】
保護フレーム部材50aは、左右の溝間凹部52に複数のネジボス53が、上下の溝間凹部52に複数のリブ54がそれぞれ保護フレーム部材の外周端面と同一高さに形成されている。一方、第1および第2プレート部材67a,67bには、ガラス板56の外周縁部に上下の保護フレーム部材50a,50aを係合させて、その左右端面にプレート部材を係合させたときに、ネジ受容穴53hと位置整合するネジ取付孔67hが形成されている。
【0224】
また、第2プレート部材67bの上下両端部は枠部外方に折り曲げられてフランジ部67f,67fが形成されており、この上下のフランジ部に、例えば既述した第1,第2ヒンジピン82a,82bと同様のヒンジピンをカシメ圧着し、あるいは既述したヒンジカラー84aと同様のヒンジカラーをカシメ圧着して揺動支持機構のアッセンブリ側構造87が形成される。
【0225】
このような連結プレート67では、前後2枚のガラス板56の外周縁部に上下の保護フレーム部材50a,50aを係合させて、これら上下の保護フレーム部材の左右端面にそれぞれ第1プレート部材67a,第2プレート部材67bをあてがい、ネジ取付孔67hを通してネジ受容穴53hにナベコネジ58を螺合させ締め込んで第1,第2プレート部材67a,67bを固定する。これにより、上下の保護フレーム部材50a,50aが連結プレート67を介して一体に連結され、前後2枚のガラス板56が上下の保護フレーム部材に挟み込まれるように保持される。
【0226】
従って、このような構成の連結プレート67を用いたガラスアッセンブリ77においても、既述した各ガラスアッセンブリと同様の効果を得ることができる。また連結プレート67では、板幅が保護フレーム50の厚さ寸法に合わせて略同一寸法に形成されているため、保護フレーム50の左右辺全体が金属製の連結プレートに保護され、機械的損傷に対する抗力を高めたガラスアッセンブリを構成することができる。また揺動支持機構のアッセンブリ側構造87が第2プレート部材67bに形成されているため、部品点数および組み立て工数を削減して生産コストを抑制しつつガラス板56の保護を強化したガラスアッセンブリおよびガラス支持機構を構成することができる。
【0227】
なお、ネジ取付孔67hは、既述した連結バンド66と同様に適宜長孔に形成して組み立て性を向上させ、あるいはサラモミ孔、サラモミ長孔に形成してネジ頭部の突出を防止するように構成することができる。また連結プレート67の板幅を溝間凹部52の溝幅よりも幾分小さめに形成して溝間凹部52に収容させるように構成してもよい。
【0228】
一方、図18(B)に示す連結プレート68は、保護フレーム50が左右に2分割された形態の保護フレーム部材50b,50bを連結させるに好適な構成例であり、上述した保護プレート67と上下左右を変換させた構成例である。すなわち、連結プレート68は、保護フレーム50の上辺に取り付けられる第1プレート部材68aと下辺に取り付けられる第2プレート部材68bとからなり、それぞれ保護フレーム50の厚さ(前後方向寸法)に合わせた板幅で保護フレーム50の左右方向寸法に合わせて屈曲成形され、第1,第2プレート部材68a,68bを左右の保護フレーム部材50b,50bを繋ぐように上下端面に固定することでこれらの保護フレーム部材を連結させるものである。
【0229】
保護フレーム部材50bは、上下の溝間凹部52に複数のネジボス53が、左右の溝間凹部52に複数のリブ54がそれぞれ保護フレーム部材の外周端面と同一高さに形成されている。一方、第1,第2プレート部材68a,68bには、ガラス板56の外周縁部に左右の保護フレーム部材50b,50bを係合させて、その上下端面にプレート部材を係合させたときに、受容穴53hと位置整合するネジ取付孔68hが形成されている。
【0230】
また、第1,第2プレート部材の端部は、それぞれ保護フレーム50の側縁に沿って上下内側に屈曲されるとともに、所定の高さ位置でそれぞれ枠部外方に折り曲げられてフランジ部68f,68fが形成されており、この上下のフランジ部に、例えば既述した第1,第2ヒンジピン82a,82bと同様のヒンジピンをカシメ圧着し、あるいは既述したヒンジカラー84aと同様のヒンジカラーをカシメ圧着して揺動支持機構のアッセンブリ側構造88が形成される。
【0231】
このような連結プレート68では、前後2枚のガラス板56の外周縁部に左右の保護フレーム部材50b,50bを係合させて、これら左右の保護フレーム部材の上下端面にそれぞれ第1プレート部材68a,第2プレート部材68bをあてがい、ネジ取付孔68hを通してネジ受容穴53hにナベコネジ58を螺合させ締め込んで第1,第2プレート部材68a,68bを固定する。これにより、左右の保護フレーム部材50b,50bが連結プレート68を介して一体に連結され、前後2枚のガラス板56が左右の保護フレーム部材に挟み込まれるように保持される。
【0232】
従って、このような構成の連結プレート68を用いたガラスアッセンブリ78においても、既述した各ガラスアッセンブリと同様の効果を得ることができる。また連結プレート68では、板幅が保護フレーム50の厚さ寸法に合わせて略同一寸法に形成されているため、保護フレーム50の上下辺全体が金属製の連結プレートに保護され、機械的損傷に対する抗力を高めたガラスアッセンブリを構成することができる。また揺動支持機構のアッセンブリ側構造88が連結プレートを利用して形成されているため、部品点数および組み立て工数を削減して生産コストを抑制しつつガラス板56の保護を強化したガラスアッセンブリおよびガラス支持機構を構成することができる。
【0233】
なお、ネジ取付孔68hの形態や連結プレート68の板幅等については前述のガラスアッセンブリ77と同様に適宜変更可能である。また、上下辺のプレート部をそのまま延出させてフランジ部68fを形成し揺動支持機構88を設ける構成とすれば、第1プレート部材68aと第2プレート部材68bとを共通化することができる。さらに、ガラス板56が正方形の場合には、保護フレーム部材50a,50bを共通化して任意の連結プレートを用いることができ、保護を強化すべき側縁の方向や揺動支持機構80の構成形態等に応じて、例えば機種ごとに適宜変更することが可能である。
【0234】
また連結プレートは、保護フレーム50の分割辺の全幅かつ全長にわたって形成するものでなくともよい。例えば、図18(A)に示す連結プレート67において、プレート部の上下端部をコの字状にフレーム内側に折り曲げて挟持片部を形成し、これら上下の挟持片部で上下の保護フレーム部材50a,50aを弾性的に挟み込むように構成してもよく、あるいは、上下保護フレーム部材の接合部近傍の溝間凹部52に係止リブを設け(またはネジボス53の側面を利用して係止部を形成し)、これら上下の係止リブをクリップ状に切り起こし成型した連結部で弾性的に挟持させ、上下の保護フレーム部材50a,50aを連結させるように構成してもよい。このような連結部材によれば分割された保護フレームを相互の連結方向に付勢させて緊密に締結させたガラスアッセンブリを得ることができる。
【0235】
ところで、以上では前後2枚のガラス板が方形形状である場合を主として説明してきたが、連結部材はガラス板56や保護フレーム50の形状等に応じて適宜変更可能であり、多角形や円形、またはこれらを組み合わせた形態とすることも可能である。図19および図20には、一例として上方の角部がラウンド状(円弧状)に形成されたガラス板56′を支持するガラス支持機構49を示しており、以下本機構49の構成について簡潔に説明する。ここで、図19は窓枠5aからガラスアッセンブリ79を取り外して分解した状態でガラス支持機構49の全体概要を略示する背面図、図20は連結バンド69を分離させた状態でガラスアッセンブリ79の構成を例示する分解斜視図である。
【0236】
ガラス支持機構49は、前後2枚のガラス板56′の外周縁部と係合してガラス板を所定の間隔をおいて保持する左右2分割形態の保護フレーム50′と、保護フレーム50′の外周を取り囲むように溝間凹部52に収容固定され左右の保護フレーム部材を連結させて一体のガラスアッセンブリ79を形成させる連結バンド69、ガラスアッセンブリ79を窓枠5aに係脱及び左右揺動可能に支持させる揺動支持機構89(第1ヒンジピン89a,第2ヒンジピン89b、ヒンジブラケット89c)、および揺動支持機構89に支持されたガラスアッセンブリ79を窓枠背面の固定支持枠90に係止保持する係止保持機構などから構成される。なお、固定支持枠や係止保持機構等の各部機構については、これまでに説明したいずれの機構を用いてもよく、ここでは説明を省略する。
【0237】
保護フレーム50′は、ガラス板56′の外形形状に合わせて形成された左右の保護フレーム部材からなり、各保護フレーム部材は、既述した保護フレーム50と同様に前後2列のガラス溝51,溝間凹部52,前後の保護シート面55a,55bが形成され、また溝間凹部52にはネジボス53,リブ54が形成されている。ネジボス53およびリブ54の形成高さは、連結バンド69を固定したときに連結バンドおよびこれを取り付けるナベコネジ58の頭部が保護フレーム50の外周に突出しないように低めに設定されている。
【0238】
連結バンド69は、既述した連結バンド61と同様に溝間凹部52に収容される形態の連結バンドであり、保護フレーム50′の形状に合わせて枠状に曲げ加工された第1バンド部材69aと、第1バンド部材の開放辺を繋ぐ帯板状に形成された第2バンド部材69bとから構成される。第1,第2バンド部材の両端部は、それぞれ枠部外方に折り曲げられてフランジ部61af,61bfが形成されており、第1,第2バンド部材を保護フレームの溝間凹部52に係合させて、これらのフランジ部を第1,第2ヒンジピン89a,89bで締結することによって枠内に位置する左右の保護フレーム部材を締め込んで連結させる。また、連結バンドの各部にはガラスアッセンブリ側のネジ受容孔53hと位置整合するネジ取付孔69hが形成されており、ネジ取付孔69hを通してナベコネジ58を螺合締結することで連結バンドが固定され、一体のガラスアッセンブリ79が形成される。
【0239】
ここで、第1,第2バンド部材のフランジ部69af,69bfは、これら両バンド部材69a,69bを保護フレームの溝間凹部52に係合させたときに所定の隙間間隔を隔てて対峙するように設定されており、それぞれ第1ヒンジピン89a,第2ヒンジピン89bでカシメ締結して上下一対のフランジ部69f,69fを形成させることで、左右の保護フレーム部材が締め込まれるように緊密に連結される。さらに、連結バンド69では、第1バンド部材69aの上辺部が保護フレーム50′の上部形状に合わせてラウンド状に形成されているため、上記のようにヒンジピンをカシメ締結することで締め付け力がバンド全体に作用し、左右保護フレーム部材およびガラス板56′が均一且つ緊密に締結される。
【0240】
こうしてカシメ圧着された第1,第2ヒンジピン89a,89bは、これまでに説明した種々の第1,第2ヒンジピンと同様に、揺動機構89におけるアッセンブリ側構造としての機能も備えており、窓枠5aの背面に設けられた上下のヒンジブラケット89cと嵌脱自在に係合してガラスアッセンブリ79が左右揺動可能に支持される。従って、このような形態のガラス支持機構49においても、既述した各ガラス支持機構41〜45等と同様に、容易にガラスアッセンブリ79の着脱操作を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
【0241】
以上、連結バンド60の種々の構成形態について説明してきたが、連結バンド60は、予め曲げ加工された金属製の枠形態に限るものではなく、いわゆる荷締めバンドのように可撓性のある薄肉の金属バンドや樹脂製バンドを用いてこれをカシメ圧着や溶着、締結部品を用いて連結させる等の手段で固定する形態であってもよい。また、保護フレーム50を上下または左右に2分割する場合やコーナ枠状に4分割するような場合に、保護フレーム部材の角部にテーパ面やラウンド面等の斜面部を設けて(例えばスペーサ部を利用して斜め45度のテーパ面を設けて)この斜面部を連結バンドで押圧して連結させるように構成してもよい。このような形態のガラスアッセンブリによれば、保護フレーム部材の分割方向や連結バンドの分割数および分割方向等にかかわらず、複数の保護フレーム部材をガラス板の中心方向に押圧して緊密に締結させることができる。
【0242】
さらに、以上各実施例においてはパチンコ機のガラス扉に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はパチンコ機に限らずガラス板を透視して遊技を行う遊技機、例えばアレンジボール機や、雀球遊技機、パチスロ機、アーケードゲーム機などに対しても同様に適用し同様の効果を得ることができる。
【0243】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、枠部材の前面側にガラス保持手段を介して取り付けられた前後2枚のガラス板を透視させて遊技を行う遊技機において、ガラス保持手段に、ガラス板を受容する前後2列のガラス溝を有し前後のガラス板の外周縁部と係脱可能に係合してガラス板を保護する複数の保護部材と、これらの複数の保護部材を連結させる連結部材と、連結部材で一体化されたガラスアッセンブリを窓枠の背面側に係脱及び左右揺動可能に支持させる支持手段とを備え、この支持手段におけるガラスアッセンブリ側の支持構造を連結部材に形成して一体化ガラスの支持機構を構成する。
【0244】
このため、連結部材による一体化後、直ちに使用可能なガラスアッセンブリを得ることができ、生産リードタイムを短縮して生産性を高めることができる。また、接着部の経時変化に伴うガラス保持力の低下等を生じることがなく、生産管理を容易化するとともに長期信頼性を向上させることができる。さらに、連結部材を取り外すことで一体化したガラスアッセンブリを容易に分解することができるため、前後2枚のガラス板のうちいずれか1枚のガラス板が破損したような場合であっても、破損したガラス板を簡単に単品交換することができ、かつガラス板や枠部材をリサイクル使用することが可能である。従って、本発明によれば、遊技機におけるガラス板の取り扱い性を向上させるとともに、生産性や長期信頼性、リサイクル性を高めたガラス板の支持機構を提供することができる。
【0245】
また、一体化したガラスアッセンブリを窓枠の背面側に係脱および左右揺動可能に支持させる支持手段が設けられ、かつ当該支持手段におけるガラスアッセンブリ側の支持構造が連結部材に形成されているため、ガラス支持機構の機構構成を簡明化して製造コストを低減するとともに、重量のあるガラスアッセンブリの着脱作業を容易化して作業性を向上させた一体化ガラスの支持機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス板の一体化構造を利用した遊技機の一例として示すパチンコ機の正面図である。
【図2】ガラス扉と上球皿とを開放した状態のパチンコ機の正面図である。
【図3】ガラス扉を開放した状態で前枠の前方斜め上方から見た扉開放保持機構の分解斜視図である。
【図4】ガラス扉を開放保持させた状態の扉開放保持機構の平面図である。
【図5】ガラス扉を開放保持させた状態の扉開放保持機構の背面図である。
【図6】ガラスアッセンブリを取り外して分離させた状態でガラス支持機構の概要構成を略示する全体図(背面図)である。
【図7】連結バンドを分離させた状態で第1実施例のガラス支持機構の主要部を示す分解斜視図である。
【図8】第1実施例のガラス支持機構におけるガラスアッセンブリの背面図である。
【図9】第1実施例のガラス支持機構における連結バンドの収容状態を示す平面図(部分断面図)である。
【図10】第1実施例のガラス支持機構における連結バンドの取付状態を(A)(B)の両図に例示する背面図(部分断面図)である。
【図11】第2実施例のガラス支持機構の主要部を示す分解斜視図である。
【図12】第3実施例のガラス支持機構の主要部を示す分解斜視図である。
【図13】第4実施例のガラス支持機構の主要部を示す分解斜視図である。
【図14】第5実施例のガラス支持機構の主要部を示す分解斜視図である。
【図15】第5実施例のガラス支持機構における係止保持機構の作用を主として示す背面図である。
【図16】第5実施例のガラス支持機構における係止保持機構の作用を主として示す平断面図である。
【図17】連結バンドの板幅についての変更例を(A)(B)(C)の各図に示す図面であり、それぞれ第6〜第8実施例のガラス支持機構を構成する連結バンドの斜視図である。
【図18】プレート状の連結部材で複数の保護フレーム部材を連結させた構成例を(A)(B)の両図に例示する図面であり、それぞれ第9,第10実施例のガラス支持機構を構成する連結部材の斜視図でありる。
【図19】ガラスアッセンブリを取り外して分離させた状態で第11実施例のガラス支持機構の概要構成を略示する全体図(背面図)である。
【図20】連結バンドを分離させた状態で第11実施例のガラス支持機構の主要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
PA 遊技領域
PM パチンコ機
1 外枠
2 前枠
(2a 収容枠、2b 遊技補助盤、2c 固定支持部)
3a,3b ヒンジ部材
4 施錠装置
5 ガラス扉
(5a 窓枠、5b 窓口、5c ボス、5d 支持ボス、 5e 支軸ボス)
6 上球皿
7 ヒンジ機構
(7a 上部ヒンジ機構、7b 中間ヒンジ機構、7c 下部ヒンジ機構)
8 下球皿
9 操作ハンドル
10 打球発射装置
11 発射レール
12 ファール球回収経路
13 スピーカ
14 通出口
15 通出樋
16 ロック機構
17 庇部
(17a,17b 開放保持突起)
20 遊技盤
30 扉開放保持機構
(30A 第1開放保持機構、30B 第2開放保持機構)
31 係止金具
(31a 保持杆部、31b 旋回軸部、31c 係止孔部)
32 ネジ
36 固定金具
(36a アーム部、36b 揺動軸部、36c 係合溝部)
37 ネジ
38 ネジ
40 ガラス支持機構(代表番号)
41 ガラス支持機構(第1実施例)
42 ガラス支持機構(第2実施例)
43 ガラス支持機構(第3実施例)
44 ガラス支持機構(第4実施例)
45 ガラス支持機構(第5実施例)
49 ガラス支持機構(第11実施例)
50,50′ 保護フレーム
(50a 保護フレーム部材、50b保護フレーム部材)
51 ガラス溝
52 溝間凹部
53 ネジボス
(53h ネジ受容穴)
54 リブ
55a 前方の保護シート面
55b 後方の保護シート面
56,56′ ガラス板
58 ナベコネジ
59 サラコネジ
60 連結バンド(代表番号)
61 連結バンド(第1実施例)
(61a 第1バンド部材、61b 第2バンド部材、
61af 第1バンド部材のフランジ部、61bf 第2バンド部材のフランジ部
61f 締結されたフランジ部、61h ネジ取付孔)
62 連結バンド(第2実施例)
(62a 第1バンド部材、62b 第2バンド部材、
62af 第1バンド部材のフランジ部、62bf 第2バンド部材のフランジ部
62f 締結されたフランジ部、62h ネジ取付孔)
63 連結バンド(第3実施例)
(63a 第1バンド部材、63b 第2バンド部材、
63af 第1バンド部材のフランジ部、63bf 第2バンド部材のフランジ部
63f 締結されたフランジ部、63h ネジ取付孔)
64 連結バンド(第4実施例)
(64a 第1バンド部材、64b 第2バンド部材、
64af 第1バンド部材のフランジ部、64bf 第2バンド部材のフランジ部
64f 締結されたフランジ部、64h ネジ取付孔)
65 連結バンド(第5実施例)
(65a 第1バンド部材、65b 第2バンド部材、65h ネジ取付孔、
65af 第1バンド部材のフランジ部、65bf 第2バンド部材のフランジ部
65f 締結されたフランジ部、65t ガイドフック)
66 連結バンド(66I〜66III 第6〜第8実施例の連結バンド)
(66a 第1バンド部材、66b 第2バンド部材、
66af 第1バンド部材のフランジ部、66bf 第2バンド部材のフランジ部
66f 締結されたフランジ部、66h ネジ取付孔)
67 連結プレート(第9実施例)
(67a 第1プレート部材、67b 第2プレート部材、
67f フランジ部、67h ネジ取付孔)
68 連結プレート(第10実施例)
(68a 第1プレート部材、68b 第2プレート部材、
68f フランジ部、68h ネジ取付孔)
69 連結バンド(第11実施例)
(69a 第1バンド部材、69b 第2バンド部材、
69af 第1バンド部材のフランジ部、69bf 第2バンド部材のフランジ部
69f 締結されたフランジ部、69h ネジ取付孔)
70 ガラスアッセンブリ(代表番号)
71 ガラスアッセンブリ(第1実施例)
72 ガラスアッセンブリ(第2実施例)
73 ガラスアッセンブリ(第3実施例)
74 ガラスアッセンブリ(第4実施例)
75 ガラスアッセンブリ(第5実施例)
77 ガラスアッセンブリ(第9実施例)
78 ガラスアッセンブリ(第10実施例)
79 ガラスアッセンブリ(第11実施例)
80 揺動支持機構(代表番号)
81 揺動支持機構(第1実施例)
(81a 第1ヒンジピン、81b 第2ヒンジピン、
81c ヒンジブラケット、81d ヒンジホール、81n ナット)
82 揺動支持機構(第2実施例)
(82a 第1ヒンジピン、82b 第2ヒンジピン、
82c ヒンジブラケット、82d ヒンジホール)
83 揺動支持機構(第3実施例)
(83a 第1ヒンジピン、83b 第2ヒンジピン)
84 揺動支持機構(第4実施例)
(84a ヒンジカラー)
85 揺動支持機構(第5実施例)
(85a ヒンジカラー)
86 揺動支持機構(第6〜第8実施例)
(86a ヒンジカラー)
87 揺動支持機構(第9実施例)
88 揺動支持機構(第10実施例)
89 揺動支持機構(第11実施例)
(89a 第1ヒンジピン、89b 第2ヒンジピン、
89c ヒンジブラケット)
90 固定支持枠(代表番号)
(90L 左方枠部、90R 右方枠部、90U 下方枠部、
90h 支持孔部)
91 固定支持枠(第1実施例)
92 固定支持枠(第2実施例)
93 固定支持枠(第3実施例)
(93L 左方枠部、93R 右方枠部、93U 下方枠部、
93c 吊支溝、93e 切り欠き部)
94 固定支持枠(第4実施例)
(94L 左方枠部、94R 右方枠部、94U 下方枠部、94T 補強杆、
94b 揺動支持溝、94e 切り欠き部)
95 固定支持枠(第5実施例)
(95L 左方枠部、95R 右方枠部、95U 下方枠部、
95e 切り欠き部、95f 切り欠き部、95g 補強パッド、
95t 案内ロッド)
102 仮止め機構(第2実施例)
(102a 仮支持アーム、102b アーム部、102c 係止部、
102d 傾斜辺部、102h 仮支持孔)
104 仮止め機構(第4実施例)
(104a 仮支持アーム、104b 仮支持孔)
120 係止保持機構(第2実施例)
121 第1ロックアーム
(121a カラー部、121b アーム部、121m 操作つまみ部)
122 第2ロックアーム
(122b アーム部、122c 係止溝、122m 操作つまみ部)
124 ネジ
125 把持ハンドル
(125a フランジ部、125b ハンドル部)
130 係止保持機構(第3実施例)
131 ロックアーム
(131b アーム部、131f 係止片、131m 操作つまみ部)
132 フック部
133 係止シャフト
134 係止ブロック
135 ローレットネジ
136 係止フランジ
(136a 係止溝)
140 係止保持機構(第4実施例)
141 ロックアーム
(141b アーム部、141f 係止片、141m 操作つまみ部)
142 ローレットネジ
145 ローレットネジ
146 係止孔
150 係止保持機構(第5実施例)
151 ロックアーム
(151a カラー部、151b アーム部、151m 操作つまみ部、
151p 係止溝)
152 アーム係合部
(152b 固定フランジ、152f アーム受容孔、152p 係止ピン)
154 ネジ
155 ローレットネジ
156 係止孔

Claims (1)

  1. 遊技盤を保持する枠部材の前面側に、前後に開口する窓口を有して横開き開閉可能に取り付けられた窓枠とこの窓枠の背面側にガラス保持手段を介して前記窓口を塞ぐように取り付けられた少なくとも前後2枚のガラス板とを備え、前記前後のガラス板を通して前記遊技盤を透視させ遊技を行う遊技機において、
    前記ガラス保持手段は、
    それぞれ前後に前記所定間隔をおいて前記ガラス板を受容する前後2列のガラス溝を有し、前記前後のガラス板の外周縁部と係脱可能に係合して当該前後のガラス板を保護する複数の保護部材と、
    前記複数の保護部材を連結させる連結部材と、
    前記前後のガラス板の外周縁部に係合させた前記複数の保護部材を前記連結部材で連結させて一体化したガラスアッセンブリを、前記窓枠の背面側に係脱及び左右揺動可能に支持させる支持手段とを備え、
    前記支持手段におけるガラスアッセンブリ側の支持構造が前記連結部材に形成されていることを特徴とする一体化ガラスの支持機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013215387A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Kita Denshi Corp かしめ構造及び遊技機

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