JP2004154192A - 多重像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の正面に視点があっても、多重像を確実に視認することが可能で、遊技機の装飾効果を向上させることを可能にした多重像表示装置を提供する。
【解決手段】多重像表示装置は、文字や絵等の図柄を投影可能な光源の前方に、所定の間隔を保って少なくとも2以上のハーフミラー(22M,23M)が向き合わせて配置される。ハーフミラー(22M,23M)のうち、少なくとも一つは、凹面または凸面を有する変形ハーフミラーになっている。図柄形状の光は、ハーフミラー(22M,23M)を透過して実物を表示するともに、各ハーフミラー(22M,23M)間で反射して実物とズレた位置に虚像を形成する。遊技者の正面側には、実物と虚像からなる多重像が見える。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多重像表示装置に関するもので、例えば、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機の装飾に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、遊技者を視覚的に楽しませるための種々の装飾が施される。このような装飾技術として、従来、文字や絵などの図柄をハーフミラーによって反射させて投影することにより、遊技盤上に多重像を表示するようにした多重像表示装置が知られている。
多重像表示装置の構成としては、例えば、図柄形状の光を発する光源の前方に第1ハーフミラーを設け、この第1ハーフミラーの前方に所定の間隔を保って第2ハーフミラーを向き合わせる。遊技者は、光源から第1ハーフミラーおよび第2ハーフミラーを通して直接送られる透過光によって実物を視認するとともに、第1ハーフミラーと第2ハーフミラーとの間で反射した反射光によって虚像を視認する。これにより、図柄を多重像として捉えるようになっている(特許文献1および2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭60−46994号公報
【特許文献2】
特開2001−231961号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような多重像表示装置は、ハーフミラーに平面構造のものが採用されているために、遊技者の視点の位置によっては、多重像が全く見えない死角を生じることがある。例えば、光源の前方に第1ハーフミラーおよび第2ハーフミラーが平行に配置されている場合、光源の正面側であって第1ハーフミラーおよび第2ハーフミラーに垂直な直線上に視点があると、実物と虚像とが重なってしまうために、多重像が見えない。このため、遊技機の装飾効果を十分に高められないといった問題があった。
【0005】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、遊技者の正面に視点があっても、多重像を確実に視認することが可能で、遊技機の装飾効果を向上させることを可能にした多重像表示装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明(第1発明)による多重像表示装置は、文字や絵等の図柄を投影可能な光源の前方に、所定の間隔を保って少なくとも2以上のハーフミラーを向き合わせて配置し、前記図柄の透過光と反射光とにより多重像を表示するようにした多重像表示装置において、前記ハーフミラーのうち、少なくとも一つが凹面または凸面を有する変形ハーフミラーであることを特徴としている。
本発明において、ハーフミラーとは、光の一部をそのまま透過させ、残りの光を鏡面によって反射させるものである。ハーフミラーの反射率と透過率が等しい場合の他、反射率よりも透過率の方が大きい場合またはその逆の場合も含む。
【0007】
本発明によれば、文字や絵等の図柄がハーフミラーに投影されると、各ハーフミラーで反射されずにそのまま通過した光(透過光)が光源の実物として正面の遊技者に視認される。一方、各ハーフミラーによって反射した光(反射光)は、変形ハーフミラーの凹面または凸面によって実物の光とは異なる方向に進み、虚像として遊技者に視認されることになる。これにより、遊技者が図柄の真正面に視点をもっていても、実物と虚像とをズレた位置に見ることができ、奥行きのある立体的な多重像を視認することが可能になる。
【0008】
本発明で重要な点は、変形ハーフミラーの鏡面が凹面または凸面である点にある。凹面または凸面とは、平面が撓んだ状態の面をいい、球面、円筒面、角筒面、円錘面、角錐面等が含まれる。これらの鏡面のうち、特に望ましいのは、凹面または凸面が球面である場合である。球面ハーフミラーを採用すると、実物に対し、上下左右および斜め方向に均等に拡大または縮小する虚像を形成することができ、実物と虚像が重なりにくく、多重像を鮮明かつ確実に視認しやすくなるからである。なお、実物と虚像との関係については、後述する発明の実施形態において詳述する。
【0009】
本発明(第2発明)による多重像表示装置は、前記光源が図柄表示板に光を透過させて前記図柄を投影するものであって、前記図柄表示板には、光源からの照射光を拡散して前記図柄の形状の光を浮かび上がらせる光拡散部を設けたことを特徴としている。
【0010】
本発明に採用する光源としては、例えば、特定図柄の形状に合わせて発光ダイオード等の高輝度ランプを複数並べて配置するものが考えられる。しかしながら、このように複数の光源を並べて配置するものでは、図柄の輪郭がぼけやすく、多重像を視認しにくくなることがある。
本発明(第2発明)によれば、図柄表示板に図柄形状の拡散光が形成される。すなわち、図柄表示板が図柄形状の面状発光体となり、その輪郭がよりシャープなものになる。この結果、多重像が視認しやすくなり、装飾効果が極めて高いものになる。
【0011】
本発明(第3発明)による多重像表示装置は、前記変形ハーフミラーを可撓性材料で形成するとともに、この変形ハーフミラーを撓み変形可能に支持し、かつ支持間隔を自在に調節可能な支持間隔調節手段を設けることを特徴としている。
【0012】
変形ハーフミラーを採用する場合、その撓み具合によって多重像のピッチや形状が変化する。すなわち、鏡面の撓みが小さければ実物および虚像間のそれぞれのズレ間隔が小さくなり、また鏡面の撓みが大きければその逆の現象が生じる。
本発明(第3発明)によれば、変形ハーフミラーが支持間隔調節手段によって撓みの程度を変化させる。つまり、変形ハーフミラーの支持間隔が小さくなれば撓み具合が大きくなり、逆に支持間隔が大きくなれば撓み具合が小さくなる。これによって多重像を多彩に形成することが可能になる。
【0013】
本発明(第4発明)による多重像表示装置は、前記ハーフミラーのうち少なくとも一のハーフミラーに、鏡面の傾斜角を振り子状に変化させる角度調節手段を設けたことを特徴としている。
【0014】
各ハーフミラーが一定の間隔で固定されている場合、多重像が一様なものになり、新鮮さに欠けるようになることもある。
本発明(第4発明)によれば、ハーフミラーのうち少なくとも一つが角度調節手段によって振り子状に動き、鏡面の傾斜角が変化する。これにより、虚像の表示位置を鏡面の傾斜角に応じて自在にズラすることが可能になり、多重像の見え方をより多彩にすることができる。
また、遊技者の視点の位置をセンサ等で検知し、多重像がより鮮明に見えるようにハーフミラーの傾斜角を制御するようにすることもできる。
【0015】
前記課題を解決するための本発明による遊技機は、前記多重像表示装置を備えたことを特徴としている。
本発明の遊技機によれば、前述したように、遊技盤の正面に文字や絵などの図柄を多重像として表示することができる。これにより、遊技機の装飾効果が格段に向上し、より斬新で遊技性の高い装飾を実現することが可能になる。
なお、遊技機の種類は特に限定されず、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール機、雀球機等の各種遊技機に本発明を適用することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態による多重表示装置の構成を図1〜図4に示す。
図2は、本発明の多重表示装置を適用したパチンコ機の遊技盤を正面から見た図である。図2に示すように、パチンコ機10は、遊技盤の中央に抽選図柄表示パネル15が設けられている。球案内レール12と13との間に球発射用通路S1が形成される。球発射用通路S1に連なる遊技領域S2には、風車16、始動口17、アタッカ装置18、ゲート口19等が設けられている。遊技領域S2で遊技球が始動口17に入賞すると、抽選図柄表示パネル15の図柄が各種の表示に切り替わるようになっている。そして、抽選図柄表示パネル15の上部に多重像表示装置20が配置されている。
【0017】
図1に示すように、多重像表示装置20は、筒形のハウジング21に前板22、後板23、スペーサ24および図柄表示板25が収納される。図柄表示板25の後方には発光ダイオード等からなる光源が設けられる。光源から照射される光が図柄表示板25、後板23、前板22を透過してハウジング21の前方に見えるようになっている。
【0018】
図3および図4に多重像表示装置20の正面図および断面図を示した。
図4に示すように、ハウジング21内に前板22、後板23、スペーサ24および図柄表示板25が順に組み付けられている。前板22の外周端には、筒部22aが後方に向けて延びている。この筒部22aによって前板22と後板23との間に一定の間隔が保たれる。また、後板23と図柄表示板25との間には、スペーサ24が挟まれており、このスペーサ24によって一定の間隔が保たれている。
【0019】
前板22および後板23は、樹脂やガラス等の透光性材料からなるもので、互いに向き合う面に鏡面が設けられている。前板22の鏡面は、中央から外側に行くに従ってしだいに後方側に傾斜する凹面ハーフミラー22Mである。後板23の鏡面は平面ハーフミラー23Mである。これにより、凹面ハーフミラー22Mと平面ハーフミラー23Mとの間で光が反射し合ってその反射光の一部が多重表示装置20の正面に見えることになる。
【0020】
凹面ハーフミラー22Mと平面ハーフミラー23Mは、例えば反射率と透光率が50%程度のハーフミラーフィルムが透明なプレート(前板22または後板23)に貼り付けられることで形成される。また、アクリル等の透明な樹脂プレート(前板22または後板23)の表面に金属薄膜が蒸着、スパッタリング等によって設けられることによって形成されてもよい。
【0021】
図柄表示板25には、遮蔽材料からなる板面の中央部に「V」の文字を象った透光性かつ光拡散機能を備える光拡散部26が設けられている。光拡散部26は、図柄表示板25の厚み方向に貫通するように設けられている。光源からの光が図柄表示板25の後方に照射されると、光拡散部26が受けた光を面状に拡散して透過し、図柄表示板25に「V」の文字が浮かび上がる。これにより、多重像表示装置20の正面側に図柄表示板25の「V」字形の面状の光が表示されるようになっている。
【0022】
次に、多重像が形成される原理について図5〜図10に従って説明する。
前板22、後板23および図柄表示板25の位置関係を図5に示した。遊技者の視点の前方に前板22、後板23および図柄表示板25が直線上に並んでいる。光源から照射される光は、図柄表示板25の光拡散部26を通過して「V」字形に面状発光し、図5に矢印で示すように、平面ハーフミラー23M、凹面ハーフミラー22Mを順に透過して遊技者に視認される。
【0023】
ここで、凹面ハーフミラー22Mおよび平面ハーフミラー23Mの入射光および反射光の光路を分かりやすくするため、図6に示すように、凹面ハーフミラー22Mが円筒面になっているものとして説明する。なお、円筒面の円弧方向をx軸、軸方向をy軸で示す。
【0024】
まず、図7に示すように、凹面ミラー22Mの撓み(x軸)が図柄「V」に対して左右方向に生じている場合、光拡散部26を通過して表示される図柄「V」の左右および中間の各点をL0、M0、R0とすると、それぞれL0、M0、R0から平面ハーフミラー23Mおよび凹面ハーフミラー22Mを順に透過する光は、遊技者にそのまま視認される。すなわち、この透過光が光拡散部26の実物の像として遊技者に捉えられることになる。
【0025】
一方、L0、M0、R0から放たれる光のうち、図7で矢印aに示す方向に向かう光は、凹面ハーフミラー22Mに対し等しい入射角と反射角をもって反射し、矢印bに示すように平面ハーフミラー23Mに向かう。そして、平面ハーフミラー23Mに対し等しい入射角と反射角を保って反射し、凹面ハーフミラー22Mを透過する。すなわち、この反射光が第1の虚像として遊技者に視認される。
同様に、凹面ハーフミラー22Mと凸面ハーフミラー32Mとの間でそれぞれ等しい入射角と反射角の関係を保ちながら繰り返し反射し合う光の一部は、凹面ハーフミラー22Mを透過することで、第2、第3…の虚像として遊技者に視認されることになる。
【0026】
この結果、本実施形態では、図8に示すように、L0、M0、R0を結ぶ実物の左右方向の外側に、L1、M0、R1を結ぶ第1の虚像、L2、M0、R2を結ぶ第2の虚像…(第3の虚像以降の図示省略)が拡大しながら重なる多重像G1が遊技者に見える。
【0027】
次に、図9に示すように、凹面ミラー22Mの撓み(x軸)が図柄「V」に対して上下方向に生じている場合には、図柄「V」の上下および中間の各点をT0、M0、B0とすると、それぞれT0、M0、B0から平面ハーフミラー23Mおよび凹面ハーフミラー22Mを順に透過する光は、遊技者に直接視認され、この透過光が光拡散部26の実物の像として遊技者に捉えられる。
【0028】
一方、T0、M0、B0から放たれる光のうち、図9で矢印aに示す方向に向かう光は、凹面ハーフミラー22Mに対し等しい入射角と反射角をもって反射し、矢印bに示すように平面ハーフミラー23Mに向かう。そして、平面ハーフミラー23Mに対し等しい入射角と反射角を保って反射した光が、凹面ハーフミラー22Mを透過し、第1の虚像として遊技者に視認される。
同様に、凹面ハーフミラー22Mと平面ハーフミラー23Mとの間でそれぞれ等しい入射角と反射角の関係を保ちながら繰り返し反射し合う光の一部は、凹面ハーフミラー22Mを透過することで、第2、第3…の虚像として遊技者に視認される。
【0029】
この結果、本実施形態では、図10に示すように、T0、M0、B0を結ぶ実物の上下方向の外側に、T1、M0、B1を結ぶ第1の虚像、T2、M0、B2を結ぶ第2の虚像…が拡大しながら重なる多重像G2が遊技者に見えることになる。
【0030】
図5〜図10では、凹面ハーフミラー22Mが円筒面になっている場合に限定して説明したが、円筒面が球面やドーム面であるときも、同様な原理によって多重像が遊技者の正面に視認される。すなわち、実物の外側に第1の虚像、第2の虚像…の輪郭が拡大する奥行き感のある、より複雑な多重像が形成される。
【0031】
このように多重像表示装置20によれば、凹面ハーフミラー22Mと平面ハーフミラー23Mとを組み合わせることによって遊技者の正面に立体感のある多重像を見せることができる。
また、多重像表示装置20では、図柄表示板25から図柄「V」を面状発光させるため、実物および虚像の輪郭がはっきりし、多重像をより鮮明にすることが可能になる。
【0032】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下に説明する他の実施形態において前記第1実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付す。
【0033】
本発明の第2実施形態を図11に示す。
第2実施形態は、凹面ハーフミラーに代えて、凸面ハーフミラーを採用したものである。
図11に示すように、多重像表示装置30は、前板32の後方側の面に、中央から外側に行くに従ってしだいに前方側に傾斜する凸面ハーフミラー32Mが設けられている。凸面ハーフミラー32Mと平面ハーフミラー23Mとが互いに向き合っている。図柄表示板25の後方に光が照射されると、平面ハーフミラー23Mおよび凸面ハーフミラー32Mを透過する光が実物を表示し、これらのハーフミラー間の反射光が虚像を形成する。
【0034】
第2実施形態によれば、平面ハーフミラー23Mの前方に凸面ハーフミラー32Mが設けられるため、図柄表示板25の光拡散部26から放たれる光の一部が、凸面ハーフミラー32Mと平面ハーフミラー23Mと間で反射し合って、実物の透過光よりも内側に入った位置から遊技者の正面の視点に向かう。この結果、実物の内側にしだいに縮小するように第1の虚像、第2の虚像…がズレた多重像が遊技者の正面に視認されることになる。
【0035】
本発明の第3実施形態を図12に示す。
第3実施形態は、凸面ハーフミラーと平面ハーフミラーの位置を入れ替えたものである。
図12に示すように、多重像表示装置40は、前板42の後方側の面に平面ハーフミラー42Mが設けられる。後板43の前面側には凸面ハーフミラー43Mが設けられている。平面ハーフミラー42Mと凸面ハーフミラー43Mが互いに向き合っている。図柄表示板25から放たれる光は、凸面ハーフミラー43Mおよび平面ハーフミラー42Mを透過して実物を表示するとともに、平面ハーフミラー42Mと凸面ハーフミラー43Mと間で反射し合って虚像を形成する。これにより、遊技者の正面に多重像を視認させることが可能になる。
なお、第3実施形態においても、平面ハーフミラー42Mと凸面ハーフミラー43Mとが向き合う位置関係は、前記第2実施形態と同様な位置関係であるので、実物の内側に第1の虚像、第2の虚像…がズレて重なった多重像が遊技者の正面に視認されることになる。
【0036】
本発明の第4実施形態を図13に示す。
第4実施形態は、錘面ハーフミラーを採用したものである。
図13に示すように、多重像表示装置50は、前板52の後方側の面に多角錐面状の錘面ハーフミラー52Mが設けられる。錘面ハーフミラー52Mは、中央から外側に行くに従ってしだいに後方側に傾斜している。後板23Mの前面側には、錘面ハーフミラー52Mと向き合う平面ハーフミラー23Mが設けられている。図柄表示板25から放たれる光は、平面ハーフミラー23Mおよび錘面ハーフミラー52Mを透過して実物を表示するとともに、錘面ミラー52Mと平面ハーフミラー23Mとの間で反射し合って虚像を形成する。
第4実施形態によれば、錘面ハーフミラー52Mの反射光によって虚像が多角形状に変化するため、より多彩な多重像を遊技者の正面に見せることが可能になる。
【0037】
本発明の第5実施形態を図14に示す。
第5実施形態は、平面ハーフミラーの傾斜角を変更可能にしたものである。
図14に示すように、多重像表示装置60は、スペーサ24の内側に支軸62によって後板63が回動自在に取り付けられている。後板63の前面側には、平面ハーフミラー63Mが設けられる。前板22Mには、平面ハーフミラー63Mと向き合う凹面ハーフミラー22Mが設けられている。支軸62には、後板63を振り子状に回動させるサーボモータ等の駆動手段が取り付けられ、平面ハーフミラー63Mの傾斜角を自在に調節することが可能になっている。
【0038】
第5実施形態によると、平面ハーフミラー63Mが垂直な位置に設定される場合には、前述した第1実施形態と同様な多重像を形成することができる。図14二点鎖線に示すように、平面ハーフミラー63Mの傾斜角を変更すると、凹面ハーフミラー22Mと平面ハーフミラー63Mとの間の入射光および反射光の光路が変化し虚像の位置が上下方向にズレる。これにより、より多彩な多重像を遊技者の正面に見せることができる。
【0039】
本発明の第6実施形態を図15に示す。
第6実施形態は、平面ハーフミラーの撓みを調節可能にしたものである。
図15に示すように、多重像表示装置70は、後板73の前方側の側面に鏡面として平面ハーフミラー73Mが設けられている。後板73は、可撓性を有する材料で形成されている。前板23の後方側の面には、平面ハーフミラー73Mと向き合う凹面ハーフミラー22Mが設けられている。
スペーサ24の内側には、支軸77、78によって後板73の端部が支持される。支軸77、78には、支軸間の距離を調節可能なサーボモータ等の駆動手段が取り付けられる。図15の状態から支軸77、78間の距離を近づけると、図15二点鎖線に示すように、後板73ひいては平面ハーフミラー73Mが凸面状に撓むようになっている。
【0040】
第6実施形態によると、図15実線に示すように、平面ハーフミラー73Mが撓んでいない場合には、凹面ハーフミラー22Mと平面ハーフミラー73Mによって前記第1実施形態と同様な多重像を形成することができる。
図15二点鎖線に示すように、平面ハーフミラー73Mが撓んで凸面に変化すると、これによって凹面ハーフミラー22Mと、凸面に変化した平面ハーフミラー73Mとの間で反射光の光路が変化する。これにより、より多彩で変化に富んだ多重像を正面の遊技者に見せることが可能になる。
【0041】
前記第1実施形態〜第6実施形態を説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、変形ハーフミラーおよび平面ハーフミラーの位置や数、形状、組み合わせ等については、遊技機の仕様等によって適宜変更することができる。
【0042】
また、前記実施形態では、遊技機の抽選図柄表示パネルの装飾部に多重像表示装置を採用したが、遊技機のその他の部分に多重像表示装置を採用してもよい。例えば、役物の装飾部として役物周辺に配置して機種名の文字を表したり、役物内の特定入賞口の直ぐ近くに配置して特定入賞口であることを目立たせるのに利用することができる。また、抽選図柄表示パネルの図柄表示に本発明による多重像表示装置を採用してもよい。
さらに、前記実施形態による多重像表示装置において、光源の点灯タイミングを遊技機の入賞時や大当たり時に連動させてもよい。例えば、大当たり時のみに多重像を遊技者に見せることで、遊技者に大当たりの実感を湧かせやすくし、遊技性を高めるようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多重像表示装置によれば、次のような優れた効果を奏する。
(a) 遊技者の正面に鮮明な多重像を確実に視認させることができる。
(b) 遊技機に立体感のある多彩な多重像を表示することで、遊技性を高めることができる。
(c) 複雑な画像処理技術を利用しないため、導入コストが少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による多重像表示装置を示す組立分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による遊技機を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による多重像表示装置を示す正面図である。
【図4】図3に示すIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による多重像表示装置の作用を説明するための模式図である。
【図6】図5に示す凹面ハーフミラーの撓みを説明するための斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態による実物と虚像との関係を説明するための模式図である。
【図8】図7の実物および虚像が形成する多重像を示す正面図である。
【図9】本発明の第1実施形態による実物と虚像との関係を説明するための模式図である。
【図10】図9の実物および虚像が形成する多重像を示す正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による多重像表示装置を示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による多重像表示装置を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態による多重像表示装置を示す断面図である。
【図14】本発明の第5実施形態による多重像表示装置を示す断面図である。
【図15】本発明の第6実施形態による多重像表示装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
20 多重像表示装置
21 ハウジング
22 前板
22M 凹面ハーフミラー(変形ハーフミラー)
23 後板
23M 平面ハーフミラー
24 スペーサ
25 図柄表示板
26 光拡散部
G1、G2 多重像

Claims (1)

  1. 文字や絵等の図柄を投影可能な光源の前方に、所定の間隔を保って少なくとも2以上のハーフミラーを向き合わせて配置し、前記図柄の透過光と反射光とにより多重像を表示するようにした多重像表示装置において、前記ハーフミラーのうち、少なくとも一つが凹面または凸面を有する変形ハーフミラーであることを特徴とする多重像表示装置。
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