JP2004152801A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インターフェイス部内の第2の搬送手段を、露光装置側のステージとの間で受け渡しをする搬送手段と処理ブロックとの間で受け渡しをする搬送手段との2つを備えた構成とすると共に第1の搬送手段とは非同期で制御し、搬送元モジュールから基板の搬出が可能である旨の信号と搬送先モジュールに基板の搬入が可能である旨の信号とが出力されたときに、順次搬送元モジュールから基板を搬送先モジュールに搬出するように動作させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハや液晶ディスプレイ用のガラス基板といった基板にレジスト膜を形成し、露光後の基板に現像処理を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスやLCDの製造プロセスにおいては、フォトリソグラフィと呼ばれる技術により被処理基板へのレジスト処理が行われている。この技術は、例えば半導体ウエハ(以下ウエハという)にレジスト液を塗布して当該ウエハの表面に液膜を形成し、フォトマスクを用いて当該レジスト膜を露光した後、現像処理を行うことにより所望のパターンを得る、一連の工程により行われている。
【0003】
このような工程を実施する塗布、現像装置に露光装置を組み合わせたシステムが知られている。図14はこのシステムを示す概略図であり、図15はこのシステムにおけるウエハWの搬送経路を示す説明図である。塗布現像装置1は多数のウエハキャリアCが載置されるキャリア載置部1Aとその奥側に順に設けられる処理ブロック1Bとインターフェイス部1Cとで構成され、露光装置1Dはインターフェイス部1Cを介して塗布現像装置と接続されている。キャリア載置部1A内にはキャリアC内のウエハWを処理ブロック1Bに搬送する受け渡しアーム11が設けられている。処理部1Bの内部には進退及び昇降自在で且つ水平方向に回転自在な例えば3本のアームを有するメイン搬送アーム12を中心に、キャリア載置部1Aから見てメイン搬送アーム12の手前側、左側、奥側には例えば加熱ユニット、高精度温調ユニットである冷却ユニットを多段に積み重ねてなる棚ユニット13(13a,13b,13c)が配置されており、同様に右側には塗布ユニット(COT)及び現像ユニット(DEV)を含む液処理ユニット14が配置されている。
【0004】
また例えば棚ユニット13a〜13cにはキャリア載置部1Aと処理ブロック1Bとの間で、または棚ユニット13a〜13c同士の間で、或いは処理ブロック1Bとインターフェイス部1Cとの間でウエハWの受け渡しを行うための受け渡しユニット(TRS1〜TRS3)や、疎水化処理装置(ADH)及び露光処理後の加熱処理を行うためのベーク装置等が組み込まれている。
【0005】
インターフェイス部1Cには例えば高精度温調ユニット、周縁露光装置(WEE)及びバッファカセット(SBU)が設けられており、これらモジュールの間でまたはこれら各モジュールと処理ブロック1Bの棚ユニット13cとの間でウエハWの受け渡しを行うための受け渡しアーム15が、進退及び昇降自在且つ水平方向に回転自在に設けられている。更に受け渡しアーム15は、例えば露光装置1C内に設けられる搬入ステージ16及び搬出ステージ17にもアクセスが可能であり、インターフェイス部1Cと露光装置1Dとの間でウエハWの受け渡しを行うことができる構成とされている。なお「モジュール」とはウエハWの搬送を行うときの搬送元と搬送先とを明確化するため、基板の置かれる箇所を便宜的に表した用語である。
【0006】
このようなシステムでは、キャリア載置部1Aに載置されたキャリアC内のウエハWは受け渡しアーム11を介して処理ブロック1Bに搬入され、塗布ユニット(COT)にてレジスト液の塗布が行われ、その後インターフェイス部1C、露光装置1Dの順で搬送されて露光される。露光後、ウエハWは逆の経路で処理ブロック1B内の現像ユニット(DEV)まで搬送され、ここで現像される。その後ウエハWは受け渡しアーム11を介してキャリア載置部1Aに戻される。なお塗布及び現像の前後には例えば棚ユニット13(13a,13b,13c)にて例えば加熱や冷却等の前処理及び後処理が行われている。
【0007】
ウエハWは上記の処理を施されるにあたり、所定の経路で搬送されるように予めプログラムされており、図15を参照しながらその経路の一例を示す。なお図中PABはプリベーキングユニット、PEBはポストエクスポージャーベーキングユニット、POSTはポストベーキングユニット(現像後ベーキングユニット)である。図示するようにウエハWは受け渡しアーム11によりキャリアCから処理ブロック1B内に搬送された後、メイン搬送アーム12によりTRS1、ADH、COT、PAB、TRS2の順で搬送され、次いで受け渡しアーム15によりTRS2、CPL3、WEE、SBU、搬入ステージ16の順に搬送される。なおADHの後には実際にはウエハWが温調されるが、紙面の制約から省略してある。そして露光装置1Dによる露光処理後、ウエハWは受け渡しアーム15により搬出ステージ17、TRS3の順で搬送され、メイン搬送アーム12によりTRS3、PEB、CPL、DEV、POST、CPLの順で搬送された後、受け渡しアーム11によりキャリアC内に戻される。
【0008】
ところで例えば本システムにおける制御部のメモリには、ウエハを連続処理する場合におけるロットの全てのウエハについて、各々がどのタイミングでどのモジュールに搬送されるかを定めた搬送スケジュールが記憶されている。従って例えばオペレータがウエハWに対する処理条件などを定めたレシピを選択すると、これに応じた搬送スケジュールが読み出され、各ウエハは当該搬送スケジュールに従って搬送される。実際には各搬送アーム毎に2つの搬送スケジュールを組み、両搬送スケジュールを同期させることで各ウエハが図15の順で搬送されるようにする周期制御と呼ばれる手法にてシステムを運用している。
【0009】
この搬送スケジュールについて図16を例に説明すると、例えばフェーズ1でTRS1にある1枚目のウエハW1は、フェーズ2でADHに搬送され、これに伴い2枚目のウエハW2がキャリア載置部1AのキャリアCからTRS1へと搬送される。そしてフェーズ3ではウエハW1がCOT、ウエハW2がADHへと夫々搬送され、更に3枚目のウエハWがTRS1へと搬送される。従って各ウエハは、搬送スケジュールに定められた一のフェーズが終了しない限り次のフェーズに進むことはない。一のフェーズの終了とは、搬送アーム(ここではメイン搬送アーム12)が待機状態であり、且つ搬送元のモジュールがウエハの搬出可能な状態であると共に搬送先のモジュールがウエハを搬入可能な状態にあるときのことをいう。従って例えばCOTにおけるウエハW1が搬出可能であっても、他の二つの条件が揃わなければウエハW1はCOTにて待機することとなり、3つの条件が揃ったときにフェーズ4に示すCOTからPABへの搬送が行われ、他のウエハについてもウエハW1に続いて搬送が行われる。
【0010】
なお図15では既述の2つの搬送スケジュールを同期させたものを示したが、図中SC1の部位が受け渡しアーム15の搬送スケジュールであり、その左右部分SC2がメイン搬送アーム12の搬送スケジュールである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで露光装置1Dでは通常、図17の上段に示すように先ず露光装置1Dへの搬送元モジュールであるSBUにて搬出が可能な旨の信号が出力され、更に露光装置1DからウエハWの搬入が可能である旨の信号(インレディ信号)が図示しない制御部から出力されると、例えば受け渡しアーム15がウエハWをSBUから露光装置1Dの搬入ステージ16へと搬送し、その後搬出ステージ17にあるウエハWをTRS3へと搬送する。
【0012】
しかし、露光装置1Dではロットの切り替わり時においてレチクルの交換や露光処理におけるパラメータを変更するのに時間を要するとき、或いはアラームが発せられたとき等に長い時間、ウエハの搬入可能である旨の信号(インレディ信号)が出力されないことがある。このような場合において上記の周期制御を行っていると、原則的には、既述のように前フェーズが終わらなければ後フェーズに移行できないため、露光装置1DからのウエハWの搬出が可能であるとき、即ち搬出ステージ17にウエハWが載置され、アウトレディ信号が発せられたときでも、ウエハWを露光装置1Dからキャリア載置部1Aへと搬送することができない。
【0013】
そこでこのような異常時には、制御部にて図17の下段に示すように、露光装置1Dからアウトレディ信号が出された後、インレディ信号が出されないまま所定時間T1が経過すると現在進行中のフェーズをスキップさせ、搬入ステージに新たなウエハWを搬入することなく既に露光処理の済んだ搬出ステージ17上のウエハを次の搬送フェーズに移行させていた。しかし、異常時には上記の時間T1を設けているため、露光装置1Dからアウトレディ信号が出力されてから搬出ステージのウエハWが搬出されるまでの時間が通常時よりも遙かに長く、結果として露光装置1Dのスループットが生かされず、システム全体としてのスループットが大幅に低下してしまうという問題があった。
【0014】
また化学増幅型のレジストが用いられる場合には、アウトレディ信号が出力されてから加熱処理の開始までの時間が均一でないと現像後に得られるウエハ上に形成される回路パターンの線幅にばらつきが生じてしまうという問題もある。
【0015】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、第1の処理部、第2の処理部、第3の処理部の順に処理される基板に対し、第1の処理部及び第3の処理部における処理を行う基板処理装置において、スループットの向上を図ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、第1の処理部、第2の処理部、第3の処理部の順に処理される基板に対し、第1の処理部及び第3の処理部における処理を行う基板処理装置において、
前記基板に対して一連の処理を行う複数の処理ユニットを備えた第1の処理部と、
前記基板に対して一連の処理を行う複数の処理ユニットを備えた第3の処理部と、
前記第1の処理部及び第3の処理部と第2の処理部との間に介在するインターフェイス部と、
前記第1の処理部から基板をインターフェイス部に受け渡すための第1の中間受け渡し部と、
前記インターフェイス部から基板を第3の処理部に受け渡すための第2の中間受け渡し部と、
複数の基板を収納したキャリアが載置されるキャリア載置部と、
キャリア載置部に載置されたキャリアから基板を受け取って、第1の処理部の各処理ユニット、第1の中間受け渡し部の順に基板を搬送し、更に第2の処理部にて処理された基板を第2の中間受け渡し部から受け取って、第3の処理部の各処理ユニット、キャリア載置部に載置されたキャリアの順に搬送すると共に、基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、搬送スケジュールに基づいて各モジュールに置かれた基板を一つ順番が後のモジュールに移るように順次搬送を行う第1の搬送手段と、
前記第1の処理部で処理された基板を前記第1の中間受け渡し部から受け取って、第2の処理部に基板を搬入するための搬入ステージに搬送し、更に第2の処理部にて処理された基板を、第2の処理部にて処理された基板を搬出するための搬出ステージから受け取って前記第2の中間受け渡し部に搬送する第2の搬送手段と、を備え、
前記第2の搬送手段は、基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、搬送元モジュールから基板の搬出が可能である旨の信号と搬送先モジュールに基板の搬入が可能である旨の信号とが出力されたときに、搬送元モジュールから基板を搬送先モジュールに搬出するように動作することを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば第2の搬送手段は、第1の搬送手段の搬送手順を定めた搬送スケジュールの内容に拘わらず、該第2の搬送手段が基板を搬送できる領域内において別個に基板の搬送を行うことができる。このため第2の処理部にてあるモジュールに対して基板の搬入ができない状態であっても、例えば他のモジュールから基板の搬出が可能であれば上記の条件を満たす限り基板を搬出することができる。従って第2の処理部における搬送効率が高くなり、結果として第1の処理部から第3の処理部までを含めた装置全体のスループットが向上する。
【0018】
また上記構成は、第1の処理部が基板にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成する処理を行うための複数の処理ユニットを備え、第3の処理部が第2の処理部にて露光された基板に対して現像処理を行うための複数の処理ユニットを備える装置に好適である。また第3の処理部は、露光済みの基板に対し現像処理前に加熱処理を施す加熱装置を備えている場合、インターフェイス部は、第2の処理部から基板の搬出が可能である旨の信号が出力されてから該基板が加熱装置にて加熱処理を開始するまでの時間を、各基板間で揃うように制御する制御部を備えたこと構成とすることで、例えば化学増幅型レジストを使用した場合において基板に形成される回路パターンの線幅がばらつくことを抑えることができる。なお搬送スケジュールは、少なくとも基板がキャリア載置部から第1の中間受け渡し部に搬送されるまでについては当該搬送の開始前に予め作成されており、基板が第2の中間受け渡し部からキャリア載置部に搬送されるまでについては、該基板が第2の中間受け渡し部に載置された後に作成されることが好ましい。
【0019】
更にまた上記構成において、第1の中間受け渡し部と搬入ステージとの間の搬送経路には基板が置かれる少なくとも一つの前段モジュールが存在し、また搬出ステージと第2の中間受け渡し部との間の搬送経路には基板が置かれる少なくとも一つの後段モジュールが存在し、第2の搬送手段は、第1の中間受け渡し部から基板を前段モジュールに搬送すると共に後段モジュールから基板を第2の中間受け渡し部に搬送する主搬送部と、前段モジュールから基板を搬入ステージに搬送すると共に搬出ステージから基板を後段モジュールに搬送する補助搬送部と、を備えることが好ましく、このようにすることで第2の搬送手段のスループットを向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る基板処理装置をレジストパターン形成装置に適用した例について説明する。図1は、本実施の形態の基板処理装置の実施の形態である塗布、現像装置を露光装置に接続してなるレジストパターン形成装置を示す平面図であり、図2は同斜視図である。図中B1は被処理体であるウエハWが例えば13枚密閉収納されたキャリアCを搬入出するためのキャリア載置部であり、キャリアCを複数個載置可能な載置台21と、この載置台21から見て前方の壁面に設けられる開閉部22と、開閉部22を介してキャリアCからウエハWを取り出すための第1の搬送手段の一部をなすトランスファーアーム23とが設けられている。
【0021】
キャリア載置部B1の奥側には筐体24にて周囲を囲まれる処理ブロックB2が接続されており、この処理ブロックB2には手前側から順に加熱・冷却系のユニットを多段化した3個の棚ユニットU1,U2,U3と、後述するその他の各種ユニットを含む各ユニット間のウエハWの受け渡しを行う進退及び昇降自在且つ鉛直軸回りに回転自在な第1の搬送手段の一部であるメイン搬送機構25(25A,25B)とが交互に配列して設けられている。即ち、棚ユニットU1,U2,U3及びメイン搬送機構25(25A,25B)はキャリア載置部B1側から見て前後一列に配列されており、各々の接続部位には図示しないウエハ搬送用の開口部が形成されており、ウエハWは処理ブロックB2内を一端側の棚ユニットU1から他端側の棚ユニットU2まで自由に移動できるようになっている。なおメイン搬送機構25(25A,25B)は、後述する制御部7からの指令に基づいてコントローラにより駆動が制御される。この例では、トランスファーアーム23とメイン搬送機構25(25A,25B)とにより第1の搬送手段が構成される。
【0022】
またメイン搬送機構25(25A,25B)は、キャリア載置部B1から見て前後方向に配置される棚ユニットU1,U2,U3側の一面部と、右側の液処理ユニットU4,U5側の一面部と、左側の一面をなす背面部とで構成される区画壁26により囲まれる空間内に置かれている。またメイン搬送機構25Aの左側(メイン搬送機構25Aを挟んで液処理ユニットU4と対向する位置)には複数段の疎水化処理ユニット(ADH)が配置されており、上記の各ユニット同様に図示しない開口部を介してメイン搬送機構25Aがその内部にアクセスできるようになっている。図中27,28は各ユニットで用いられる処理液の温度調節装置や温湿度調節用のダクト等を備えた温湿度調節ユニットである。
【0023】
液処理ユニットU4,U5は、例えば図2に示すように塗布液(レジスト液)や現像液といった薬液供給用のスペースをなす収納部29の上に、例えば塗布装置(COT)及び現像装置(DEV)を複数段例えば5段に積層した構成とされている。また既述の棚ユニットU1,U2,U3は、液処理ユニットU4,U5にて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段例えば10段に積層した構成とされている。なお作図の便宜上図2では疎水化処理ユニット(ADH)の図示を省略している。
【0024】
上述の前処理及び後処理を行うための各種ユニットの中には、疎水化処理ユニット(ADH)で処理されたウエハWをレジスト液の塗布前に所定温度に調整するための温調ユニットである冷却ユニット(CPL1)、レジスト液の塗布後にウエハの加熱処理を行うためのプリベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(PAB)、露光後のウエハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(PEB)、この加熱ユニット(PEB)で加熱されたウエハWを現像処理前に所定温度に調整するための温調ユニットである冷却ユニット(CPL3)、現像処理後のウエハWを加熱処理するポストベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(POST)、この加熱ユニット(POST)で加熱されたウエハWを冷却する冷却ユニット(CPL4)が含まれている。図3はこれらユニットのレイアウトの一例を示しているが、これに限られるものではない。また棚ユニットU1及びU3は例えば図3に示すようにウエハWの受け渡しを行うための受け渡し台を有する受け渡しユニット(TRS1)、(TRS2)を夫々備えている。
【0025】
加熱ユニット(PAB)、(POST)はいずれも加熱プレートを備え、メイン搬送機構25A、25Bの双方からアクセスできるように構成されている。
【0026】
露光後のウエハWを加熱処理する加熱ユニット(PEB)は、加熱プレート及び加熱後のウエハWの粗熱取りを行う冷却プレートをそなえている。図4はPEBの詳細構造を示す図であり、筐体41の内部にはステージ42が設けられ、このステージ42の正面側(図中右側)には、ファン43を介して連通する通気室44が設けられている。通気室44は例えば棚ユニットU3内を上下に貫通し、図示しない温調用エアーの供給部と接続する構成とされている。筐体41における左右の側壁45のうち、ステージ42を挟む部分には、前方側にウエハWの搬入出を行うための開口部40(40a,40b)が形成され、背面側には冷媒流路46、通気口47が上下に貫通して形成されている。開口部40(40a,40b)はシャッタ47により開閉自在とされており、メイン搬送機構25Bは開口部40aを介して、主搬送部31Aは開口部40bを介して夫々筐体41内にアクセスできるようになっている。また通気口47はファン48を介して筐体41内と連通する構成とされている。
【0027】
ステージ42の上面には、その前方側に冷却アーム5が、後方側にヒータ61を備えた加熱プレート6が夫々設けられている。冷却アーム5は、筐体41内に開口部46(46a,46b)を介して進入してくるメイン搬送機構25Bまたは後述する主搬送部31Aと、加熱プレート6との間でウエハWの受け渡しを行うと共に、搬送時においては加熱されたウエハWを粗冷却する(粗熱取りを行う)役割を有するものである。このため図5に示すように脚部51がステージ42に設けられるガイド手段49(図4参照)に沿ってY方向に進退可能に構成されており、これにより冷却プレート52が開口部40(40a,40b)の側方位置から加熱プレート61の上方位置まで移動できるようになっている。また冷却プレート52の裏面側には、例えば温度調節水を流すための図示しない冷却流路が設けられている。
【0028】
ステージ42におけるメイン搬送機構25Bまたは主搬送部31Aとウエハ支持板52とのウエハWの受け渡し位置、及び加熱プレート6と冷却プレート52とのウエハWの受け渡し位置の夫々には、孔部53を介して突没するように支持ピン54が3本ずつ設けられており、ウエハ支持板52には、これら支持ピン54が上昇したときに当該ウエハ支持板52を突き抜けてウエハWを持ち上げることができるようにスリット55が形成されている。
【0029】
ここで図1に説明を戻すと、処理部B2における棚ユニットU3の奥側には、インターフェイス部B3を介して露光装置B4が接続されている。以下、インターフェイス部B3について図1、図2及び図6を参照しながら説明する。インターフェイス部B3は処理ブロックB2と露光装置B4との間に前後に設けられる第1の搬送室3A、第2の搬送室3Bにて構成されており、夫々に第2の搬送手段31をなす主搬送部31A及び補助搬送部31Bが設けられている。主搬送部31Aは昇降自在且つ鉛直軸回りに回転自在な基体32と、この基体32上に設けられる進退自在なアーム33とで構成されている。第1の搬送室には主搬送部31Aを挟んでキャリア載置部B1側から見た左側には、ウエハWのエッジ部のみを選択的に露光するための周縁露光装置(WEE)と、複数例えば25枚のウエハWを一時的に収容する2つのバッファカセット(SBU)とが設けられている。同じく右側には受け渡しユニット(TRS3)と、各々例えば冷却プレートを有する2つの高精度温調ユニット(CPL2)とが設けられている。
【0030】
ここで上記システムにおける第1の搬送手段をなすトランスファーアーム23及びメイン搬送機構25(25A,25B)と、第2の搬送手段31(31A,31B)との働きを図7を参照して説明する。トランスファーアーム23は、キャリア載置部B1に載置されたキャリアC内の処理前のウエハWをTRS1に搬送し、現像を終えてCPL4に置かれた処理後のウエハWを前記キャリアCに搬送する役割を有する。メイン搬送機構25(25A,25B)は、TRS1上のウエハWをADH、CPL1、COT、PAB、TRS2の順で搬送し、更にインターフェイス部B3から搬出されてPEB内に載置されたウエハWをCPL3、DEV、POST、CPL4の順で搬送する役割を有する。
【0031】
主搬送部31Aは、受け渡しユニット(TRS2)に載置された露光前のウエハWを周縁露光装置(WEE)、バッファカセット(SBU)、高精度温調ユニット(CPL2)に順次搬送すると共に、補助搬送部31Bにより受け渡しユニット(TRS3)に載置された露光後のウエハWを加熱ユニット(PEB)に搬送する役割を備えている。
【0032】
この実施の形態では、受け渡しユニット(TRS2)が特許請求の範囲でいう第1の処理部から基板をインターフェイス部に受け渡すための第1の中間受け渡し部に相当し、加熱ユニット(PEB)が特許請求の範囲でいうインターフェイス部から基板を第3の処理部に受け渡すための第2の中間受け渡し部に相当する。
【0033】
また補助搬送部31Bについては、昇降自在且つ鉛直軸回りに回転自在な基体34がガイド機構35の働きにより左右方向に移動できるように構成されており、更にこの基体34上に進退自在なアーム36が設けられている。この補助搬送部31Bは、高精度温調ユニット(CPL2)内のウエハWを露光装置B4の搬入ステージ37に搬送すると共に、露光装置B4の搬出ステージ38上のウエハWを受け渡しユニット(TRS3)に搬送する役割を備えている。この第2の搬送手段31(31A,31B)は後述する制御部4からの指令に基づき、駆動制御される。
【0034】
ところで上記のパターン形成装置は、既述のようにメイン搬送機構25(25A,25B)及び第2の搬送手段31(31A,31B)の駆動制御やその他各処理ユニットの制御を行う制御部7を備えている。図8はこの制御部7の構成を示すものであり、実際にはCPU(中央処理ユニット)、プログラム及びメモリなどにより構成されるが、ここでは構成要素の一部をブロック化して説明するものとする。また制御部7は本装置における各ユニット毎の処理や処理の手順等を記録したレシピの管理を行うものであるが、本発明はウエハの搬送制御にあるため、この部位に重点をおいて説明を行うものとする。
【0035】
図8中70はバスであり、このバス70にレシピ格納部71、レシピ選択部72、スケジュール作成部73、加熱前経過時間調整部74、第2の搬送手段31の搬送制御部75が互いに接続されている。レシピ格納部71は例えばウエハWの搬送経路が記録されている搬送レシピや、ウエハWに対して行う処理条件などが記録された複数のレシピが格納される部位である。レシピ選択部72はレシピ格納部71に格納されたレシピから適当なものを選択する部位であり、例えばウエハの処理枚数やレジストの種類などの入力もできるようになっている。
【0036】
スケジュール作成部73は、レシピに含まれるウエハWの搬送レシピに基づき、ロット内の全てのウエハWについてどのタイミングでどのユニットに搬送するか、といった内容の搬送スケジュールを作成する部位であり、本実施の形態ではキャリア載置部B1及び処理ブロックB2内における搬送スケジュールが作成される。具体的には往路ではキャリア載置部B1に載置されたキャリアCからインターフェイスB3直前の第1の中間受け渡し部であるTRS2までの区間について、復路は第2の中間受け渡し部であるPEBからキャリア載置部B1に載置されたキャリアCまでの区間について、夫々後述のタイミングで搬送スケジュールが作成される。
【0037】
加熱前経過時間調整部74は、露光装置B4にてウエハWの露光が終了してアウトレディ信号が出力された時点から、当該ウエハWがPEBにて加熱が開始される時点までの加熱前経過時間t(E−P)を所定時間に調整するためのプログラムを含むものであり、いずれのウエハについても前記時間t(E−P)が一定となるようにすることを目的としている。具体的にはウエハWがPEBの冷却プレート52の上に置かれた時点でそのウエハWについての前記時間t(E−P)を求め、予め設定した時間からその当該時間t(E−P)を差し引いた時間だけ冷却プレート52にて待機させるようにプログラムが組まれている。
【0038】
第2の搬送手段31(31A,31B)は搬送スケジュールにより動作するのではなく、搬送制御部75により制御される。この搬送制御部75は、ウエハWが置かれる個所をモジュール(この例ではTRS2、WEE、SBU、CPL2、搬入ステージ37、搬出ステージ38、TRS3、PEB)と呼ぶとすると、搬送元モジュールからウエハWの搬出が可能である旨の信号と搬送先モジュールにウエハWの搬入が可能である旨の信号とが出力されたときに、例えば出力された順に搬送元モジュールからウエハWを搬送先モジュールに搬出するように第2の搬送手段31(31A,31B)を制御する。
【0039】
搬送元モジュールからウエハWの搬出が可能である旨の信号が出力されるとは、例えばCPL2にてウエハWが所定時間冷却(温調)された後、制御部7内の図示しないメモリ内のCPL2に対応する項目に例えばフラグが立てられることを意味する。この場合搬送元モジュールがSBUであれば、SBU内にウエハWが存在しているときに出力される。また搬送先モジュールにウエハWの搬入が可能である旨の信号が出力されるとは、例えばCPL2内にウエハWが存在しないときにメモリ内のSBUに対応する項目に例えばフラグが立てられることを意味する。
【0040】
更に制御部7は、制御対象であるトランスファーアーム23、メイン搬送機構25(25A,25B)、処理ブロックB2における棚ユニットU1〜U5内に設けられるCPL1、COT、PAB等の各種処理ユニット76、インターフェイス部B3における棚ユニットU6,U7内のWEE、CPL3などの各種処理ユニット77に対して、夫々のコントローラ81〜84を介して接続されており、各ユニットの動作は制御部7の指令に基づいて各コントローラ81〜84により制御される。
【0041】
ここで特許請求の範囲に記載に記載した第1の処理部は、処理ブロックB2内におけるレジスト膜を形成するためのユニット群、即ちADH、CPL1、COT、PABなどが相当し、第2の処理部は露光装置B4が相当する。また第3の処理部は、露光後のウエハWに対して現像を行うためのユニット群、即ちPEB、CPL3、DEV、POSTなどの処理ユニットが相当する。特許請求の範囲に記載した、第1の中間受け渡し部(TRS2)と搬入ステージ37との間の搬送経路に設けられた前段モジュールは、CPL2に相当し、搬出ステージ38と第2の中間受け渡し部(PEB)との間の搬送経路に設けられた後段モジュールはTRS3が相当する。
【0042】
次に上述した装置によりウエハW上にレジストパターンを形成する場合を例に、本実施の形態の作用説明を行う。先ずウエハWに対する処理を開始するのに先立ち、オペレータがレシピの選択を行う。レシピを選択すると、スケジュール作成部73によりロット内の全てのウエハについて、例えば図9に示すように前半分の搬送スケジュール、この例でいえばロット内の各ウエハW1〜W3についてキャリア載置部B1に載置されるキャリアCからTRS2までの範囲において搬送スケジュールが作成される。
【0043】
なお図9では便宜上3枚のウエハWが順次搬送される場合であって、各処理ユニットが1個であるとして記載してある。実際にはウエハWは多数枚存在しかつADH、CPL、COT、PABなどの各処理ユニットは複数設けられており、その場合同種の複数の処理ユニットを1号、2号………と識別するなら、図10のようにADHの欄をADH1とADH2………と行った具合に各処理ユニットを台数分設け、フェーズの数をその台数分用意してスケジュールが立てられる。しかしながらこのように記載すると説明が煩雑になり、また図面の作図が紙面の制約から困難になるため、図9のように簡略化して記載する。
【0044】
そして制御部7はこの搬送スケジュールを参照しながら各部に指示を出力し、ウエハWに対する処理が開始される。ロットの各ウエハWはキャリア載置部B1内のトランスファーアーム23によりキャリアCから取り出されてTRS1に搬入された後、処理ブロックB2内のメイン搬送機構25(25A,25B)によって図7に示すようにTRS1、ADH、COT、LHP1、TRS2の順で搬送されながら所定の処理を施される。メイン搬送機構25(25A,25B)は既述のように3枚のアームを備えており、例えば既に疎水化処理が行われたウエハをADHから取り出し、次いでTRS1から受け取った次のウエハをADHに搬入し、こうして順次ウエハWを次の処理ユニットに送るようにしている。
【0045】
TRS2まで搬送されたウエハWは、図7にて説明したようにインターフェイス部B3内においてWEE、SBU、CPL2、搬入ステージ37の順で搬送され、露光装置B4にて露光される。そして露光処理後は搬出ステージ38からTRS3を経由して処理ブロックB2のPEBへと搬送されるが、第2の搬送手段31(31A,31B)の動作は既述のように作成済みの前半分の搬送スケジュールに含まれておらず、従ってトランスファーアーム23及びメイン搬送機構25(25A,25B)に対して非同期で動作する。
【0046】
即ち第2の搬送手段31(31A,31B)は既述のように搬送元モジュールからウエハWの搬出が可能である旨の信号と搬送先モジュールにウエハWの搬入が可能である旨の信号とが出力されたときに、例えば出力された順に搬送元モジュールからウエハWを搬送先モジュールに搬出するように動作するので、例えば図11に示すようにCPL2についてアウトレディ信号(ウエハWの搬出が可能である旨の信号)が出力されているが、露光装置B4側の事情により搬入ステージ37についてインレディ信号(ウエハWの搬入が可能である旨の信号)が出力されていない場合でも、搬出ステージ38についてアウトレディ信号が出力されかつTRS3についてインレディ信号が出力されれば、補助搬送部31Bは、搬入ステージ37のインレディ信号を待つことなく、搬出ステージ38上のウエハWをTRS3に搬送する。TRS3に置かれたウエハWは主搬送部31AによりPEBの冷却プレート52(図4、図5参照)に搬送され、既述のようにして冷却プレート52から加熱プレート6に受け渡される。また搬入ステージ37のインレディ信号が発せられると、CPL2からウエハWが搬入ステージ37に搬送される。
【0047】
ここで加熱前経過時間調整部74は、搬出ステージ38のアウトレディ信号が出力されてから例えばカウンタによりカウントを行って、搬出ステージ38からのウエハWが冷却プレート52に搬入された時点までのカウント値Nを求め、このカウント値が予め設定した時間つまり設定カウント値NSに満たない場合には設定カウント値NSになるまで当該ウエハWを冷却プレート52の上で待機させ、設定カウント値NSになった後、加熱プレート6に受け渡すように制御する。言い換えれば加熱前経過時間が設定時間に満たないときにはその差分の時間だけ当該ウエハWを待機させる。
【0048】
このように制御する理由は次の通りである。例えば搬出ステージ38のアウトレディ信号の出力時を時刻t1とすると、時刻t1からウエハWがPEBの冷却プレート52上に搬送される時刻t2までの時間は図12に示すように最短時間(min)から最長時間(max)まで各ウエハ毎にばらつきがある。最短時間(min)となるのは、搬出ステージ38のアウトレディ信号が出力されたときに直ぐに補助搬送部31Bが搬出ステージ38上のウエハWをTRS3に搬送し、その後直ぐに主搬送部31AがTRS3からウエハWをPEBに搬送する場合である。これに対して最長時間(max)となるのは、搬出ステージ38のアウトレディ信号が出力されたときに補助搬送部31Bが別の搬送作業を開始した直後であり、更にTRS3にウエハWが載置されたときに主搬送部31Aが別の搬送作業を開始した直後である場合である。最短時間(min)と最長時間(max)との差は例えば16秒程度である。
【0049】
このように搬送時間に差があると、加熱前経過時間t(E−P)にばらつきが生じてしまい現像に悪影響を及ぼす。即ち目標とするパターンの線幅を得るために露光時間、露光量、PEBにおける加熱温度及び加熱時間などのパラメータを設定するが、そのとき加熱前経過時間t(E−P)はある時間を予定しており、特にパターンが微細化するとこの加熱前経過時間t(E−P)の長さが現像結果に影響を及ぼすと考えられる。このため前記設定カウント値NSを最長時間(max)に対応する値にすることにより、いずれのウエハWについても加熱前経過時間t(E−P)が最長時間(max)に対応する値に揃うようにしている。
【0050】
一方搬出ステージ38のアウトレディ信号の出力後、スケジュール作成部73では後半分、即ちウエハWが処理ブロックB2内のPEBに搬送された後の復路の搬送スケジュールの作成が行われる。なお図7に示した搬送経路のうち一部については図示を省略しており、またPEBの開始時刻は不明であるためPEB内での処理開始時刻は点線にて示している。
【0051】
図13に示すようにこの例ではウエハW1はフェーズ11、ウエハW2はフェーズ12、ウエハW3はフェーズ13にて夫々1フェーズおきに終了するため、これ以降の搬送経路についてもウエハWが1フェーズおきに次のモジュールに搬送されるようにスケジュール作成部73にて搬送スケジュールが作成され、ウエハWは該スケジュールに沿ってPEBからキャリア載置部B1のキャリアCまで順次搬送される。
【0052】
ところで処理ブロックB2内のメイン搬送機構25Bは、インターフェイス部B3内の主搬送部31Aと同期しないし、またメイン搬送機構25Bは前半分の搬送スケジュールの進行に拘わらず、並行して後半分の搬送スケジュールを行うことができる。一例を挙げると、往路においてロットのn番目のウエハWnがTRS2まで搬送された後は、当該ウエハWnについてのインターフェイス部B3及び露光装置B4における処理が終了しなくても、その前にロットの(n−3)番目のウエハWn−3がインターフェイス部B3から搬出されてPEB内に載置されていれば、該ウエハWn−3について復路の搬送スケジュールに沿った搬送が行われる。
【0053】
以上のように本実施の形態によれば、キャリア載置部B1及び処理ブロックB2内においてはロットの各ウエハWが搬送スケジュールに沿って順次搬送されるようにトランスファーアーム23及びメイン搬送機構25(25A,25B)を制御し、インターフェイス部B3内については第2の搬送手段31として主搬送部31A及び補助搬送部31Bを設けてこの第2の搬送手段31については前記搬送スケジュールに沿うことなく、搬送元モジュールからのウエハWの搬出が可能である旨の信号と、搬送先モジュールからのウエハWの搬入が可能である旨の信号とが揃ったときに動作するようにしている。このため露光装置B4からのインレディ信号及びアウトレディ信号に迅速に反応してウエハWの搬送を行うことができる。例えば露光装置B4側の事情などにより露光装置B4からインレディ信号の出力が遅れており、この状態で露光装置B4からアウトレディ信号が出力されたときには搬出ステージ38から露光後のウエハWを搬出し、更にその後インレディ信号が出力されれば温調されたウエハWを搬入ステージ37に搬入することができる。
【0054】
これに対して第2の搬送手段31をスケジュール搬送すると、「発明が解決しようとする課題」の項目でも述べたように、インレディ信号が出力されないときには所定時間待機するので露光装置B4からのウエハWの搬出が遅れ、そして第2の搬送手段31が当該ウエハWの搬出中にインレディ信号が出力されても当該搬出動作の終了を待つため、ウエハWの搬入も遅れ、露光装置B4のスループットが低下する。これに対して上述実施の形態では露光装置B4からのインレディ信号及びアウトレディ信号に迅速に反応することから、露光装置B4のスループットの低下を防止することができ、結果としてパターン形成装置全体のスループットの向上を図ることができる。
【0055】
更にアウトレディ信号の出力後、搬出ステージ38上にあるウエハWがPEBに搬送されて加熱が開始されるまでの加熱前経過時間t(E−P)の最大時間を予め決めておき、ロットの全てのウエハの加熱前経過時間t(E−P)が揃うように調節しているため、既述のように化学増幅型のレジスト液を用いた場合において回路パターンの線幅にばらつきが生じることを抑えることができ、製品の歩留まりが向上する。
【0056】
以上においてインターフェイス部1Cの第2の搬送手段31は主搬送部31A及び補助搬送部31Bに分割されずに一個の搬送部であってもよく、この場合ウエハWの搬送動作が終了した時点で既に搬送元モジュールからウエハWの搬出が可能である旨の信号と搬送先モジュールにウエハWの搬入が可能である旨の信号とが揃った組(搬送元モジュール及び搬出先モジュール)が2組以上存在したときに、その組の信号の中に搬入ステージ37のインレディ信号及び搬出ステージ38のアウトレディ信号の一方が含まれているときには、搬入ステージ37へのウエハWの搬入あるいは搬出ステージ38からのウエハWの搬出を優先的に行うようにしてもよい。この場合搬入ステージ37のインレディ信号及び搬出ステージ38のアウトレディ信号のうち早く出力している方に応じて搬送してもよいし、あるいは搬入ステージ37のインレディ信号に対して優先的に反応してもよい。具体的には、例えば搬送部がウエハをWEEからSBUに搬送しているときにTRS2のアウトレディ信号とWEEのインレディ信号とが揃い、かつCPL2のアウトレディ信号と搬入ステージ3の7インレディ信号とが揃ったときには、CPL2から搬入ステージ37へ優先的に搬送されることになる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第1の処理部、第2の処理部、第3の処理部の順に処理される基板に対し、第1の処理部及び第3の処理部における処理を行う基板処理装置において、スループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理装置の実施の形態を示す平面図である。
【図2】前記基板処理装置を示す斜視図である。
【図3】前記基板処理装置における棚ユニットの構造を示す側面図である。
【図4】前記棚ユニットの一段をなすベークユニット(CHHP)の一例を示す平面図である。
【図5】前記ベークユニットを示す縦断面図である。
【図6】前記基板処理装置におけるインターフェイス部を示す概略斜視図である。
【図7】前記基板処理装置内のウエハの搬送経路を示す平面図である。
【図8】前記基板処理装置の制御部の機能の一例を示す構成図である。
【図9】前記制御部にて作成される前半分の搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図10】前記制御部にて作成される前半分の搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図11】第2の搬送手段による搬送動作とモジュールの状態とを対応させた説明図である。
【図12】露光処理後におけるウエハの搬送時間の調整工程を示す説明図である。
【図13】前記制御部にて作成される後半分の搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図14】従来の基板処理装置を示す平面図である。
【図15】前記基板処理装置内のウエハの搬送経路を示す平面図である。
【図16】前記基板処理装置におけるウエハの搬送スケジュールを示す説明図である。
【図17】前記基板処理装置における問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
C キャリア
B1 キャリア載置部
B2 処理ブロック
B3 インターフェイス部
B4 露光装置
23 トランスファーアーム
25(25A,25B) メイン搬送機構
31(31A,31B) 第2の搬送手段(主搬送部,補助搬送部)
37 搬入ステージ
38 搬出ステージ
5 冷却アーム
6 加熱プレート
7 制御部
73 スケジュール作成部
75 加熱前経過時間調整部
Claims (5)
- 第1の処理部、第2の処理部、第3の処理部の順に処理される基板に対し、第1の処理部及び第3の処理部における処理を行う基板処理装置において、
前記基板に対して一連の処理を行う複数の処理ユニットを備えた第1の処理部と、
前記基板に対して一連の処理を行う複数の処理ユニットを備えた第3の処理部と、
前記第1の処理部及び第3の処理部と第2の処理部との間に介在するインターフェイス部と、
前記第1の処理部から基板をインターフェイス部に受け渡すための第1の中間受け渡し部と、
前記インターフェイス部から基板を第3の処理部に受け渡すための第2の中間受け渡し部と、
複数の基板を収納したキャリアが載置されるキャリア載置部と、
キャリア載置部に載置されたキャリアから基板を受け取って、第1の処理部の各処理ユニット、第1の中間受け渡し部の順に基板を搬送し、更に第2の処理部にて処理された基板を第2の中間受け渡し部から受け取って、第3の処理部の各処理ユニット、キャリア載置部に載置されたキャリアの順に搬送すると共に、基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、搬送スケジュールに基づいて各モジュールに置かれた基板を一つ順番が後のモジュールに移るように順次搬送を行う第1の搬送手段と、
前記第1の処理部で処理された基板を前記第1の中間受け渡し部から受け取って、第2の処理部に基板を搬入するための搬入ステージに搬送し、更に第2の処理部にて処理された基板を、第2の処理部にて処理された基板を搬出するための搬出ステージから受け取って前記第2の中間受け渡し部に搬送する第2の搬送手段と、を備え、
前記第2の搬送手段は、基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、搬送元モジュールから基板の搬出が可能である旨の信号と搬送先モジュールに基板の搬入が可能である旨の信号とが出力されたときに、搬送元モジュールから基板を搬送先モジュールに搬出するように動作することを特徴とする基板処理装置。 - 第1の処理部は基板にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成する処理を行うための複数の処理ユニットを備え、第3の処理部は第2の処理部にて露光された基板に対して現像処理を行うための複数の処理ユニットを備えたことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 第1の中間受け渡し部と搬入ステージとの間の搬送経路には基板が置かれる少なくとも一つの前段モジュールが存在し、また搬出ステージと第2の中間受け渡し部との間の搬送経路には基板が置かれる少なくとも一つの後段モジュールが存在し、
第2の搬送手段は、第1の中間受け渡し部から基板を前段モジュールに搬送すると共に後段モジュールから基板を第2の中間受け渡し部に搬送する主搬送部と、前段モジュールから基板を搬入ステージに搬送すると共に搬出ステージから基板を後段モジュールに搬送する補助搬送部と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。 - 第3の処理部は、露光済みの基板に対し現像処理前に加熱処理を施す加熱装置を備え、
インターフェイス部は、第2の処理部から基板の搬出が可能である旨の信号が出力されてから該基板が加熱装置にて加熱処理を開始するまでの時間を、各基板間で揃うように制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。 - 搬送スケジュールは、少なくとも基板がキャリア載置部から第1の中間受け渡し部に搬送されるまでについては当該搬送の開始前に予め作成されており、基板が第2の中間受け渡し部からキャリア載置部に搬送されるまでについては、該基板が第2の中間受け渡し部に載置された後に作成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
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