JP2004149719A - ポリウレタン用ポリオールプレミックス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】膨潤網目構造形成剤および吸湿剤を含有する、ポリウレタン用ポリオールプレミックス、およびこのポリオールプレミックスを用いて製造されたポリウレタン。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン用ポリオールプレミックスに関し、膨潤網目構造形成剤を添加することで、ポリオールプレミックス中の吸湿剤の沈降および固化を防止し、かつ沈降してしまった吸湿剤の再分散性を高めたポリオールプレミックスに関するものである。また、本発明は、該ポリオールプレミックスを用いて製造された各種用途のポリウレタンにも関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンは、主鎖中にウレタン結合(−NHCOO−)を有する高分子の総称で、自動車、マットレスまたは家具などに使用されるクッション材のような発泡体として、あるいはトレーニングパンツ、フリーサイズ肌着もしくは海水着に使用される弾性繊維、または自動車部品のような成形体などとして広く利用されている。
【0003】
ポリウレタンの製造には、レジントランスファー成形法(RTM)、反応射出成形法(RIM)、スラブ発泡法、スプレー現場発泡法およびスプレーアップ法などがあるが、基本的にはポリオールと、鎖延長剤および/または架橋剤などの種々の副資材を含有し、あるいは製品が発泡体の場合は、さらに整泡剤および/または発泡剤を含有する、ポリオールプレミックス成分(通常、A液と呼ばれる)と、イソシアネート成分(通常、B液と呼ばれる)とを反応させてポリウレタンを得る製造方法である。
【0004】
ポリウレタンの製造時には、原料中に含まれる水分や、製造工程中に大気中より吸湿された水分などにより、発泡現象を生じやすいため、製造されたポリウレタンが不良になるという問題が生じている。例えば、スプレーアップ法を使用した、ポリウレタンを用いたガラス繊維強化プラスチック(FRP)の製造では、2液混合タイプのスプレー機を用いて、オープン型にポリウレタンを吹付け、硬化させ、脱型、トリミングし、また、その後必要であれば塗装して製品とするが、スプレーアップ成形時に、スプレーガンから噴霧された混合反応物が大気中の水分を吸湿して、発泡現象が起き、製品が不良になる。
【0005】
また、製造工程時に限らず、ポリオールプレミックスを貯蔵する際にも、吸湿が生じ、それが原因で発泡現象が起きることも指摘されている。
【0006】
したがって、このような発泡現象を防止するには、ポリオールプレミックスに吸湿剤を添加することが非常に有効と考えられる。しかし、この吸湿剤は、原料輸送中および保存中の貯蔵安定性を必要とするが、主としてゼオライトのような無機物であるため、ポリオールプレミックス中で沈降し、単にプレミックスしただけでは貯蔵安定性を得ることができない。しかも、いったん沈降すると、沈降した添加物が圧縮されて固化するため、再分散させるのが困難である。
【0007】
特許文献1には、吸湿剤をポリオールに配合、混練することによって形成されるポリウレタン用ペースト状吸湿剤組成物が開示されている。この組成物は、ペースト状なので、取扱いが容易であり、分散性にも優れていること、およびこの組成物により、ポリウレタン製造時において十分な脱水を行なうことができ、発泡を有効に防止し得ることが記載されている。
当該組成物自体はペースト状であるため、組成物中で分散した吸湿剤が沈殿して固化するおそれはない。しかしながら、当該組成物をポリオール成分に添加して、ポリオールプレミックスを調製する場合、吸湿剤はポリオールプレミックス中で沈降する。特許文献1には、そのことを防止する工夫については記載されていない。
【0008】
【特許文献1】
特公平7−49517号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、ポリオールプレミックス中での吸湿剤の沈降・固化を防止し、かつ、いったん沈降してしまった吸湿剤の再分散性を高めるための手段を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオールプレミックス中に吸湿剤を添加後、ポリオールプレミックス中において膨潤網目構造形成能のある物質を添加することにより、吸湿剤のポリオールプレミックス中における沈降および固化を防止でき、さらに再分散を容易にすることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、膨潤網目構造形成剤および吸湿剤を含有する、ポリウレタン用ポリオールプレミックスに関する。
本発明はまた、上記のポリオールプレミックスを用いて製造されたポリウレタンにも関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、膨潤網目構造形成剤とは、それ自身が水素結合やファンデルワールス力などの分子間力や二次結合などにより互いに弱く結びつくか、あるいは他の成分に吸着してフロキュレーションを起こさせるかして、膨潤網目構造を形成するものをいう。
【0013】
本発明において、膨潤網目構造形成剤は、ポリオールプレミックス中で膨潤網目構造を形成し得るものであればよく、特に限定されない。しかし、ポリオールプレミックスが70〜80℃で一般的に調製されること、および耐熱性の観点などから、膨潤網目構造が高温でも変化しにくい、高融点のものが望まれる。したがって、膨潤網目構造形成剤の融点は、好ましくは90〜150℃、より好ましくは100〜135℃、さらに好ましくは115〜125℃である。
【0014】
膨潤網目構造形成剤として、チキソトロピック剤(揺変剤または垂れ防止剤とも称される)が好ましい。
【0015】
チキソトロピック剤は、無機系、複合系および有機系とに分けられる。無機系には、例えば煙霧質シリカなどの合成微粉シリカ系、ベントナイト系および極微細沈降炭酸カルシウムが挙げられる。複合系には、例えばベントナイト第四級アンモニウム誘導体などの有機ベントナイト系および表面処理炭酸カルシウム系などが挙げられる。
【0016】
本発明では有機系チキソトロピック剤が好ましい。有機系チキソトロピック剤には、例えば、金属セッケン系、脂肪酸エステル系、ポリアミドワックス、植物油系重合油、酸化ポリエチレン系および界面活性剤系などがある。脂肪酸エステル系として、水素添加ヒマシ油および脂肪酸エステルワックスなどが挙げられ、ポリアミドワックスとして、脂肪酸アミドワックスなどが挙げられ、植物油系重合油として、あまに重合油および脂肪酸二量体などが挙げられ、酸化ポリエチレン系として、酸化ポリエチレンなどが挙げられ、界面活性剤系として、硫酸化油および高級アルコール硫酸塩などの硫酸エステル系、脂肪酸エステル型およびポリエーテル型などの非イオン系などが挙げられる。例えば、ダイマ酸エステル、硫酸化物アミン塩およびポリエチレングリコールなどである。
特に、水素添加ひまし油、脂肪酸アミドワックスおよびポリエチレングリコールが好ましく、脂肪酸アミドワックスが特に好ましい。
【0017】
本発明において、上記膨潤網目構造形成剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を用いてもよい。例えば、脂肪酸アミドワックスと酸化ポリエチレンを複合したものが挙げられる。
【0018】
吸湿剤としては、ポリウレタンの製造時における、水分による発泡現象を抑える目的で添加されるものであればよく、特に制限されない。例えば、無機系吸湿剤を挙げることができる。無機系吸湿剤には、例えばゼオライト、無水または半水セッコウ、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウムなどがある。ゼオライトとしては、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれでもよい。通常は結晶性アルミノシリケートであるが、そのほか結晶性ボロシリケート、結晶性ボロアルミノシリケートなどのゼオライトを使用してもよい。結晶性アルミノシリケートゼオライトの例としては、A型ゼオライト、L型ゼオライト、X型ゼオライト及びY型ゼオライトなどがあり、さらにはUSY型ゼオライト、ZSM型ゼオライトなどもある。また、無水または半水セッコウとしては、天然セッコウおよび化学セッコウのいずれでもよく、化学セッコウとしては合成セッコウ、再生セッコウ、副産セッコウなどが挙げられる。さらに、シリカゲルとしては天然シリカゲルおよび合成シリカゲルが挙げられる。
【0019】
本発明のポリウレタン用ポリオールプレミックスは、ポリウレタンの製造のため、その主原料のポリオールに、上記の吸湿剤を添加し、または場合により触媒、整泡剤、発泡剤、鎖延長剤もしくは架橋剤などの種々の副資材とともに上記の吸湿剤を添加し、その後、さらに上記の膨潤網目構造形成剤を添加することにより調製される。
【0020】
本発明において用いられるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエーテルポリオールなどが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸など、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸など、脂環族ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸およびヘキサヒドロイソフタル酸など、またはこれらの酸エステルもしくは酸無水物と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなど、もしくは、これらの混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトンなどのラクトンモノマーの開環重合で得られるポリラクトンジオールなどが挙げられる。
【0021】
ポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコールなどの多価アルコールの少なくとも1種と、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどとを反応させて得られるものが挙げられる。
【0022】
ポリエステルエーテルポリオールとしては、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸など、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸など、脂環族ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸およびヘキサヒドロイソフタル酸など、またはこれらの酸エステルもしくは酸無水物と、ジエチレングリコール、もしくはプロピレンオキシド付加物などのグリコールなど、または、これらの混合物との脱水縮合反応で得られるものが挙げられる。
【0023】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルをそれぞれ重合させて得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど、および、これらのコポリエーテルが挙げられる。また、グリセリンやトリメチロールエタンなどの多価アルコールを用い、上記の環状エーテルを重合させて得ることもできる。
【0024】
本発明において、上記ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0025】
本発明において、上記の膨潤網目構造形成剤は、吸湿剤に対して、量が少ないと効果を発揮できず、また多すぎても、ポリオールプレミックスの粘度が上昇して、作業性が低下する。本発明において、膨潤網目構造形成剤は、吸湿剤に対して0.4〜10.0重量%、好ましくは0.4〜8.5重量%、より好ましくは0.85〜1.7重量%、さらにより好ましくは1.1〜1.3重量%含有される。
【0026】
特に、水素添加ひまし油の場合、吸湿剤に対し5.0〜10.0重量%、脂肪酸アミドワックスの場合、吸湿剤に対し0.85〜1.7重量%、ポリエチレングリコールの場合、吸湿剤に対し0.5〜1.0重量%の割合で含有されているのが好ましい。
【0027】
本発明においてポリウレタンは、上記のポリオールプレミックスと、イソシアネートまたはポリウレタンプレポリマーから、レジントランスファー成形法(RTM)、反応射出成形法(RIM)、スラブ発泡法、スプレー現場発泡法およびスプレーアップ法などの慣用の方法で製造される。
【0028】
本発明において使用されるイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、水素添加MDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,8−ジイソシアナトメチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、およびこれらの変性体、誘導体などが挙げられる。
本発明において、上記イソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0029】
本発明で用いられる副資材は、ポリウレタンの製造において、慣用されるすべての副資材であってよく、特に制限されない。一般に用いられる副資材の種類として、触媒、整泡剤、鎖延長剤、架橋剤、難熱剤および安定剤などがある。本発明において、副資材は必要に応じて添加され、その際、単独でまたは2種以上を用いてもよい。
【0030】
本発明に係るポリウレタン用ポリオールプレミックスを使用して製造されたポリウレタンは、家具、寝具、シート、クッション、緩衝材、遮音材などに使用される発泡体(フォーム)、自動車の内外装、部品、構造体、建材、靴底などに使用されるエラストマー、塗料、接着剤、繊維、皮革、床材、防水材、医用材料などに有用である。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0032】
実施例1〜3および比較例1〜4
(1) 実施例および比較例の処方を表1に示す。ここで、
a.ポリオール1:プロピレンオキシド付加プロピレングリコール、平均分子量700、官能基数2、商品名P−700、旭電化工業(株)製、
b.ポリオール2:プロピレンオキシド付加グリセリン、平均分子量250、官能基数3、商品名サンニックスGP−250、三洋化成工業(株)製、
c.架橋剤1:3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンと3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの80:20の混合物、商品名ETACHURE(登録商標)300、ALBEMARLE製、
d.架橋剤2:少量の多価アルコールを出発物質として加えた、イソフタル酸およびアジピン酸と、1,6−ヘキサンジオールのポリエステルポリオール、平均分子量約700、官能基数約3、商品名YT−651、旭電化工業(株)製、
e.触媒1:2−メチルトリエチレン−ジアミン、商品名METHYL−DABCO(登録商標)、三共エアプロダクツ(株)製、
f.触媒2:ジブチルスズジラウレート(DBTDL)、東栄化工(株)製、
g.吸湿剤配合剤:グリセリルトリリシノレート50重量%および合成ゼオライト50重量%、商品名Hei−Ad DHL Paste、エッチ・アンド・ケー(株)製、
h.膨潤網目構造形成剤1:脂肪酸アミドワックス、平均分子量約800、商品名ディスパロン6650、楠本化成(株)製、
i.膨潤網目構造形成剤2:ポリエチレングリコール、商品名PEG−20000、平均分子量20,000、和光純薬工業(株)製、
j.添加剤1:ドテシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
k.添加剤2:カルボキシメチルセルロース、
l.添加剤3:ポリビニルアルコール、平均分子量2,000、
m.イソシアネート:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、商品名ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業(株)製
である。
なお、表1の配合量は重量部で表すが、イソシアネートの配合量は、イソシアネートインデックス(NCO INDEX)、すなわちポリオール1、ポリオール2、架橋剤1および架橋剤2の官能基数の合計1個あたりのイソシアナト基の数を百分率で表す。
【0033】
(2)ポリオールプレミックスの調製
上記処方に従い、ポリオールプレミックスに、膨潤網目構造形成剤を添加し、ディゾルバーを用いて90℃で30分間撹拌して分散させた。該分散液を室温まで放冷した後、再度80℃、200hに保温した状態で、沈降性を分離状況および再分散性の観点から評価した。
分離状況の評価は、目視にて沈降状態を確認し、液面の高さに対する、分離した境界面の高さの割合(%)で行った。例えば、分離した境界面の高さが、液面の高さの2割の場合は20%沈降と評価した。そして、分離が見られない場合(0%沈降)は「沈降なし」と、完全に分離固化した場合(100%沈降)を「完全沈降」とした。また、底部に圧縮固化が発生しているか否かも確認した。
再分散性の評価は、分離状況観察後、容器を手で振ることにより撹拌し、撹拌後の状態を観察し、固化物がなく均一に分散した場合「○」と、そして固化物が残った場合「×」と評価した。
貯蔵安定性は、25℃で2ヵ月間放置後、20分間振とうし、その後状態を観察し、固化物なく均一に分散した場合「○」と、そして固化物が残った場合「×」と評価した。
【0034】
(3)ポリウレタンの製造
上記処方に従い、2液衝突混合吐出型スプレーで、300mm×300mmの平板状テストピース型に3〜5回重ねて塗布し、45℃にて30分間硬化させることによりテストピースを成形した。
そして、成形時の反応性を測定し、その後テストピース型に予め塗布してあったゲルコート(組成:主剤R240−01、硬化剤R−255、シンナーT−701、日本ビーケミカル(株)製)との密着性を、碁盤目試験(JIS K 5400)にて評価した。
ここで、成形時の反応性は、テストピース型への塗布開始と同時に時間計測を開始し、触指により指紋が付かなくなった時間を記録することで評価した。
また、外観は、目視にて観察し、凹凸がない場合「○」と、凹凸がある場合「剥離発生」と評価した。
【0035】
【表1】
【0036】
以上の結果を表1に示す。これにより、本発明のポリオールプレミックスでは、吸湿剤の沈降が抑制され、かつ沈降してしまった吸湿剤の再分散性もよいことがわかった。また、本発明のポリオールプレミックスを用いても、ポリウレタンの合成は阻害されず、製造されたポリウレタンの塗装にも影響のないことが確認できた。
特に、脂肪酸アミドワックスは高融点であるため、高温でも膨潤網目構造が変化してしまうことがないので、吸湿剤の沈降を防止し、貯蔵中での安定性を高める効果に優れていた。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸湿剤の沈降が抑制され、かつ沈降してしまった吸湿剤の再分散性が高いポリオールプレミックスが調製できる。さらに、本発明によるポリオールプレミックスを用いて製造されたポリウレタンは、従前のものと比べて、品質その他に問題はなく、本発明によるポリオールプレミックスは、各種ポリウレタンに広く適用できる。
Claims (5)
- 膨潤網目構造形成剤および吸湿剤を含有する、ポリウレタン用ポリオールプレミックス。
- 膨潤網目構造形成剤がチキソトロピック剤である、請求項1記載のポリオールプレミックス。
- 吸湿剤が、ゼオライト、無水もしくは半水セッコウ、シリカゲル、酸化カルシウムまたは塩化カルシウムである、請求項1または2記載のポリオールプレミックス。
- 膨潤網目構造形成剤を、吸湿剤に対して0.4〜10.0重量%含有する、請求項1〜3のいずれか一項記載のポリオールプレミックス。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載のポリオールプレミックスを使用して製造されたポリウレタン。
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