JP5408772B2 - インソール - Google Patents

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Description

本発明は、インソールに関する。更に詳しくは、本発明は、環境負荷低減材料である貝殻粉末、又はこの貝殻粉末と植物由来原料であるひまし油ポリオールとを含有するフォーム原料を用いることにより、環境への負荷が低減され、且つ品質の低下もないポリウレタンフォームの製造方法により製造され、所定の密度及び硬度を有するポリウレタンフォームを用いてなるインソールに関する。
従来、フォーム原料を混合するミキシングヘッドに流入する直前の原料に、窒素ガス、空気等の気体を混入させ、オークスミキサ等の混合機、又は先端を絞り込んだノズルに原料混合液を供給し、吐出させ、その後、加熱し、フォームを反応させて硬化させる、所謂、メカニカルフロス法によりポリウレタンフォームが製造されている。この方法では、混入された気体が膨張して気泡が生成し、この気泡をそのまま硬化させることによりフォームを形成することができる(例えば、特許文献1参照。)。
メカニカルフロス法では、フォーム原料と気体との体積割合により、フォームの密度及び硬度等を容易に調整することができ、密度が低く柔軟なフォームから、密度が高く比較的硬いフォームまで、各種のフォームを容易に製造することができる。そのため、このフォームは、衝撃緩和の観点で、フットウェア及び周辺用品、特にインソール成形用等として用いられている。また、フォームからの成分の移行がない非移行性及び摩擦力の安定性の観点で、電化製品等の足ゴムなどとしても用いられている。更に、携帯電話、デジタルカメラ、テレビジョン等の機器において、衝撃緩和、振動緩和等を目的としたクッション材、及び防塵等を目的としたシール材などとして用いられている。
また、ウレタンスポンジ等の軟質合成樹脂発泡体に、銅又は酸化チタン、アルミ等の金属微粒子を混入してなるスポンジたわしが知られている。このスポンジたわしでは、銅等の金属微粒子により、研磨力が高められ、且つ抗菌性が発揮され、衛生的であると説明されている。更に、アルミは銅より抗菌性が少ないため、アルミの微粒子を混入するときは、かきの貝殻、エビ、カニの粉粒体等を混入させると説明されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2009−13304号公報 特開2001−190470号公報
しかし、特許文献1に記載されたポリウレタンフォームの製造方法では、環境負荷低減材料は全く用いられておらず、ポリオールとしても、一般に使用されているポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオールが用いられており、環境への負荷の低減は全く考慮されていない。また、特許文献2に記載されたスポンジたわしでは、金属微粒子の配合が必須であり、原料混合時に、攪拌装置が摩耗し、損傷することがある。更に、金属微粒子のみでは抗菌性が不十分であるときは、貝殻等を混入させると記載されているものの、環境負荷低減を意図して所定量の貝殻等を混入させるという観点での検討は全くなされていない。
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、環境負荷低減材料である貝殻粉末、又はこの貝殻粉末と植物由来原料であるひまし油ポリオールとを含有するフォーム原料を用いることにより、環境への負荷が低減され、且つ品質の低下もないポリウレタンフォームの製造方法より製造され、密度及び硬度が低いポリウレタンフォームを用いてなるインソールを提供することを目的とする。
ポリウレタンフォームの製造に用いるポリオール等は石油由来の原料であり、現在、具体的な可採年数は断定できないが、その枯渇を防ぎ、且つ環境負荷の低減を図るため、カーボンニュートラルな原料の使用が望まれている。
上記のような状況下、環境省の「グリーン購入法」に記載されているように、今後は、再生プラスチック及び環境負荷低減効果のある原料が積極的に採用される時代になる。グリーン購入法では、これらのうち、再生プラスチックはプラスチック原料の10質量%以上、環境負荷低減効果のある原料は25質量%以上であることが必要とされている。更に、財団法人日本環境協会が定めるエコマーク認定基準によると、プラスチック製品にポストコンシューマ材料(製品として使用された後、廃棄された原料又は製品)が25質量%以上含有される場合、エコマーク商品として認定される。
また、ウレタン原料として使用可能であり、環境負荷低減効果のある原料としてひまし油ポリオールがあるが、環境負荷低減材料としてひまし油ポリオールのみを用いる場合、フォーム原料の25質量%以上の割合で使用することは困難である。それは、一般に使用されるひまし油ポリオールは、ひまし油を精製したのみで、天然物に近いため、官能基数が一定ではない、及び自己環化又は2分子環化し、ウレタン反応に関与しない分子が含まれる等の理由で、ヒドロキシル基を有していない分子、及び未反応分子がブリードアウトし易く、フォームの物性も低下するためである。このひまし油ポリオールの他に、環境負荷低減効果のある原料として、大豆ポリオールやパームポリオール等の使用も可能であるが、同様に、これらのポリオールをフォーム原料の25質量%以上の割合で使用することは困難である。
そこで、環境に負荷をかけず、フォーム物性に影響を及ぼさない原料として、貝殻粉末、特にホタテ貝殻粉末に着眼した。ホタテ貝殻は、現在、年間約21万トンも生じており、現在、ホタテ貝殻粉末等の貝殻粉末は、チョーク、肥料、融雪材、防滑材、ブラスト研磨材等として再利用されてはいるものの、多くは有効な用途がないまま廃棄されており、その処理方法が大きな社会問題になっている。一方、従来の高密度ポリウレタンフォームの原料には粘度調整等を目的として水酸化アルミニウム等の無機フイラーが配合されており、その代替原料としてホタテ貝殻粉末が使用可能であれば、ホタテ貝殻の処理に大きく貢献することができる。
また、貝殻粉末はウレタン反応に関与しないため、大量に配合することができ、ひまし油ポリオールを併用しなくても、環境負荷低減効果のある原料として25質量%以上含有させることができ、フォーム物性を低下させることもない。更に、ホタテ貝殻粉末等の貝殻粉末はエコマーク認定基準のポストコンシューマ材料に該当するため、貝殻粉末が製品重量の25質量%以上を占めておれば、エコマーク認定商品ともなり得る。また、貝殻の成長には二酸化炭素が使われるため、貝殻粉末を用いることにより二酸化炭素排出量を低減させることができる。更に、従来は多くが廃棄されていたものであり、再生資源としての活用という観点でも有意なことである。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明は以下のとおりである。
1.ポリウレタンフォームを用いてなるインソールであって、上記ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート、ポリオール及び貝殻粉末を含有し、且つ水及び発泡剤が配合されていないフォーム原料と、気体とを混合し、攪拌して、気液混合物を生成させ、その後、該気液混合物を加熱し、該フォーム原料を反応させて硬化させる製造方法により製造され、上記フォーム原料を100質量%とした場合に、上記貝殻粉末は15〜35質量%であることを特徴とするインソール。
2.上記フォーム原料はひまし油ポリオールを含有し、上記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、該ひまし油ポリオールは20質量部以下である上記1.に記載のインソール
3.上記フォーム原料を100質量%とした場合に、上記貝殻粉末と上記ひまし油ポリオールとの合計量が20〜35質量%である上記2.に記載のインソール
4.上記貝殻粉末がホタテ貝殻粉末を含有する上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載のインソール
5.上記貝殻粉末を400〜800℃で加熱して用いる上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載のインソール
6.上記貝殻粉末を900℃以上で加熱して用いる上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載のインソール
7.上記貝殻粉末を100質量%とした場合に、900℃以上で加熱して用いる貝殻粉末の割合が5〜95質量%である上記6.に記載のインソール
8.上記貝殻粉末の粒径が5〜100μmである上記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載のインソール
9.上記ポリウレタンフォームの密度が200〜500kg/mであり、25%圧縮時の硬さが0.02〜0.43MPaである上記1.乃至8.のうちのいずれか1項に記載のインソール
本発明のインソールに用いられるポリウレタンフォームの製造方法は、フォーム原料が所定量の貝殻粉末を含有しているため、環境負荷低減効果があり、揮発性有機化合物を低減させることもでき、圧縮残留歪等の歪み特性が低下することもなく、25質量%以上含有されておれば、得られるフォームはエコマーク認定商品ともなり得る。
また、フォーム原料がひまし油ポリオールを含有し、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、ひまし油ポリオールが20質量部以下である場合は、貝殻粉末と同様に環境負荷低減の効果があり、且つ得られるポリウレタンフォームの物性が低下することもない。このひまし油ポリオールは特有の臭いを有しているが、貝殻粉末、特にホタテ貝殻粉末には消臭作用があるため、ひまし油ポリオールの臭いも軽減される。
更に、フォーム原料を100質量%とした場合に、貝殻粉末とひまし油ポリオールとの合計量が20〜35質量%である場合は、環境負荷低減の効果が十分に発現され、合計量が25質量%以上であれば、得られるポリウレタンフォームはエコマーク認定商品ともなり得る。
また、貝殻粉末がホタテ貝殻粉末を含有する場合は、大量に廃棄され、処理方法が問題になっているホタテ貝殻を有効利用することができる。
更に、貝殻粉末を400〜800℃で加熱して用いる場合は、貝殻に付着していた有機物及び汚れ等が燃焼又は分解して除去され、ウレタン化反応が阻害されることがなく、得られるフォームの物性が低下することもない。特に、ホタテ貝殻は格子状のチョーク構造をしており、乾燥させると結晶間を埋めていたタンパク質が失われ、その隙間に有害物質等を吸着させることができるため、種々の結晶構造が分散して構成されているカキ貝殻等の他の貝殻と比べて、より優れた消臭作用等を有するポリウレタンフォームを製造することができる。
また、貝殻粉末を900℃以上で加熱して用いる場合は、貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し、この酸化カルシウムは水と反応してアルカリ性を呈するため、細菌のタンパク質を変性させる作用があり、より優れた細菌抑制及び消臭の効果が発現されるポリウレタンフォームを製造することができる。
更に、貝殻粉末を100質量%とした場合に、900℃以上で加熱して用いる貝殻粉末の割合が5〜95質量%である場合は、炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化することによる細菌抑制及び消臭の効果がより十分に発現されるポリウレタンフォームを製造することができる。
また、貝殻粉末の粒径が5〜100μmである場合は、気液混合物を生成させるときに、過度に増粘せず、攪拌、混合が容易で、取り扱い易く、且つ貝殻粉末が沈降することもなく、より均質な気液混合物を容易に調製することができ、優れた物性を有するポリウレタンフォームを製造することができる。
上述の製造方法により製造されたポリウレタンフォームでは、環境への負荷を十分に低減させることができ、物性の低下もなく、衝撃緩和の観点でフットウェア及びその周辺用品、特にインソール等、並びに非移行性及び摩擦力の安定性の観点で電荷製品等の足ゴムなどとして有用であり、各種機器における衝撃緩和、振動緩和等を目的としたクッション材、防塵等を目的としたシール材などとしても用いることができる。
また、密度が200〜500kg/mであり、25%圧縮時の硬さが0.02〜0.43MPaである場合は、インソール、足ゴム、クッション材及びシール材等として、より優れた衝撃緩和性能等を有する製品とすることができる。
本発明のインソールは、本発明のポリウレタンフォームを用いてなり、衝撃緩和の性能に優れ、使用感も良好である。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]ポリウレタンフォームの製造方法
ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート、ポリオール及び貝殻粉末を含有し、且つ水及び発泡剤が配合されていないフォーム原料と、気体とを混合し、攪拌して、気液混合物を生成させ、その後、気液混合物を加熱し、フォーム原料を反応させて硬化させることにより製造することができ、フォーム原料を100質量%とした場合に、貝殻粉末は15〜35質量%含有される。
尚、フォーム原料には、発泡剤として作用する水及び発泡剤は配合されていないが、これらのうち、水は意図せず混入することがあるかもしれないが、これは配合された水ではないとする。
(1)フォーム原料
上記「ポリイソシアネート」は特に限定されず、ポリウレタンフォームの製造に用いられる各種のポリイソシアネートを用いることができる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、粗TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗MDI等が用いられることが多い。この他、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、粗HDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化MDI、イソホロンジイソシアネート等の芳香族系及び脂肪族系の各種のポリイソシアネートを使用することができる。これらの他、プレポリマー型のポリイソシアネートを用いることもできる。このポリイソシアネートは2種以上を併用してもよいが、1種のみ用いることが多い。
ポリイソシアネートは、イソシアネートインデックスが0.8〜1.2、特に0.9〜1.1となるように配合される。
上記「ポリオール」も特に限定されず、ポリウレタンフォームの製造に用いられる各種のポリオールを用いることができる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを共重合させたポリエーテルエステルポリオール等を用いることができる。更に、十分な引張強度等を有するフォームとすること等を目的として、ポリマーポリオールを併用することもできる。このポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等のエチレン性不飽和化合物を、固形分換算で10〜40質量%、好ましくは15〜30質量%、グラフト重合させたポリオールであり、各種のポリマーポリオールを特に限定されることなく用いることができる。ポリオールは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
ポリオールとしては、上記の各種のポリオールと、ひまし油ポリオールとを併用することもできる。このひまし油ポリオールとしては、植物由来であり、ひまし油を精製したのみの天然に近いひまし油ポリオールを用いることができ、ひまし油ポリオールの併用により、環境への負荷を低減することができる。ひまし油ポリオールを併用する場合、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、ひまし油ポリオールは20質量部以下、特に15質量部以下(通常、5質量部以上)であることが好ましい。ひまし油ポリオールの含有量が20質量部以下であれば、生成するフォームの物性が低下することもない。
上記「貝殻粉末」も特に限定されず、各種の貝殻粉末を用いることができる。この貝殻粉末としては、ホタテ貝殻粉末、カキ貝殻粉末、あわび貝殻粉末、サザエ貝殻粉末等の各種の貝の貝殻粉末を用いることができる。貝殻粉末は、気液混合物を生成させるときに、適度に増粘させるため用いられている従来の金属酸化物粉末、例えば、水酸化アルミニウム粉末等に換えて含有させるものであり、増粘剤としての作用の観点では、いずれの貝殻粉末を用いてもよい。貝殻粉末は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
貝殻粉末としては、ホタテ貝殻粉末が好ましい。ホタテ貝殻は、特殊な結晶構造を有し、乾燥させると多孔質体となるため、ホタテ貝殻粉末を用いた場合、有害物質等を吸着させることができ、優れた消臭作用等が発現される。また、ホタテ貝殻粉末は市販されており、入手も容易であり、大量に生じる廃棄貝殻の有効利用の観点でも、ホタテ貝殻粉末の使用が好ましい。更に、ホタテ貝殻粉末を用いる場合、貝殻粉末の全量のうちのホタテ貝殻粉末の割合は特に限定されないが、貝殻粉末の全量を100質量%としたときに、ホタテ貝殻粉末は20質量%以上とすることができ、50質量%以上とすることが好ましく、貝殻粉末の全量がホタテ貝殻粉末であってもよい。
また、貝殻粉末は、フォーム原料を100質量%とした場合に、15〜35質量%含有されており、18〜28質量%含有されていることが好ましい。貝殻粉末の含有量が15〜35質量%であれば、適度な粘度のフォーム原料とすることができ、均質な気液混合物を容易に生成させることができる。これにより、優れた物性等を有するポリウレタンフォームを製造することができる。この貝殻粉末の含有量は、得られるフォームの目標密度によって調整することもできる。
更に、ポリオールとして、ひまし油ポリオールを併用する場合、フォーム原料を100質量%とした場合に、貝殻粉末とひまし油ポリオールとの合計量は、20〜35質量%、特に23〜32質量%であることが好ましい。ポリオールの全量を100質量部とした場合に、ひまし油ポリオールは20質量部以下であり、且つフォーム原料を100質量%とした場合に、貝殻粉末とひまし油ポリオールとの合計量が20〜35質量%であれば、フォーム原料が適度に増粘して、気液混合物の調製が容易である。同時に、環境への負荷を十分に低減させることもでき、特に貝殻粉末とひまし油ポリオールとの合計量が25質量%以上であれば、生成するフォームはエコマーク認定商品になり得る。
また、貝殻には、各種の有機物及び汚れ等が付着しているため、通常、貝殻を粉砕したままの粉末がそのまま用いられることはなく、加熱し、有機物及び汚れ等が除去された貝殻粉末が用いられる。加熱条件は、有機物及び汚れ等を十分に除去することができればよく、特に限定されないが、加熱温度は400〜800℃、特に500〜700℃とすることが好ましい。更に、加熱時間は加熱温度にもよるが、1〜5時間、特に1〜2時間とすることが好ましい。
尚、通常、貝殻粉末を加熱するが、粉砕前の貝殻を加熱し、その後、粉砕してもよい。この場合、上記と同様の加熱条件とすることができる。
貝殻粉末の主成分は炭酸カルシウムであるが、上記の有機物及び汚れ等を除去するための加熱条件では、炭酸カルシウムは実質的にそのままである。一方、炭酸カルシウムは898℃以上の温度で加熱すると酸化カルシウムに変化する。従って、貝殻粉末を900℃以上、特に1000℃以上(通常、1500℃以下)で加熱し、酸化カルシウム粉末として用いることもできる。また、加熱時間は加熱温度にもよるが、1〜5時間、特に1〜2時間とすることが好ましい。この加熱により生成する酸化カルシウムは、水分の存在下、水酸化カルシウムとなり、アルカリ性を呈するため、フォームをインソール等として用いた場合に、特に優れた抗菌作用、消臭作用等を有する製品とすることができる。この900℃以上の温度での加熱も、通常、貝殻粉末を加熱することによりなされるが、粉砕前の貝殻を加熱し、その後、粉砕してもよい。この場合、上記と同様の加熱条件とすることができる。この900℃以上で加熱した貝殻粉末は、貝殻粉末の全量を100質量%としたときに5〜95質量%とすることが好ましい。
更に、貝殻粉末の平均粒径(50%平均粒径)は特に限定されないが、0.5〜100μm、特に0.5〜80μmであることが好ましい。貝殻粉末の平均粒径が0.5〜100μmであれば、気液混合物を生成させるときに、過度に増粘せず、攪拌、混合が容易で、取り扱い易く、且つ貝殻粉末が沈降することもなく、より均質な気液混合物を容易に調製することができる。
尚、平均粒径は、貝殻粉末を光学顕微鏡により倍率100倍で観察し、粒径の累積を粒子の個数で除して算出することができる。
上記「フォーム原料」には、ポリイソシアネート及びポリオールの他、架橋剤、整泡剤、触媒等が含有される。
尚、架橋剤、整泡剤、触媒等は、通常、ポリオールに配合されるが、整泡剤は、ポリオールには配合せず、別途、供給することもある。
架橋剤としては、エチレングリコール、トリメチロールプロパン等を開始剤として、ε−カプロラクトンで鎖延長したエステル系オリゴマー、及び分子量400〜700程度の3官能ポリエーテルポリオール等の分子量の大きい架橋剤を使用することが好ましい。これらの架橋剤を用いた場合、より硬度の低いフォームとすることができる。また、架橋剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の短鎖ジオール系のものを使用することもできる。この短鎖ジオール系の架橋剤を用いた場合、ハードセグメントの割合が高くなる傾向があるため、この点を考慮して配合量を設定することが好ましい。架橋剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。架橋剤の配合量は、その種類、及び所望のフォーム物性等にもよるが、ポリオールを100質量部とした場合に、1.0〜25質量部、特に3.0〜20質量部とすることが好ましい。
整泡剤としては、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体が用いられることが多い。また、ポリシロキサンに有機官能基を付加した整泡剤を使用することもできる。このように、整泡剤としては、通常、シリコーン系整泡剤が用いられる。整泡剤の配合量は、その種類、及び所望のフォーム物性等にもよるが、ポリオールを100質量部とした場合に、2.0〜10質量部、特に3.0〜7質量部とすることが好ましい。
触媒としては、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ニッケルアセチルアセトエート、ニッケルジアセチルアセトエート等の有機ニッケル化合物、鉄アセチルアセトエート等の有機鉄化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、フェノキシドなどの金属触媒を使用することができる。更に、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等の3級アミン系触媒を使用することもできる。この他、有機酸塩等の触媒を用いることもできる。触媒は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。触媒の配合量は、その種類、及びポリウレタンフォーム形成時の反応条件等にもよるが、ポリオールを100質量部とした場合に、0.1〜5.0質量部、特に0.5〜3.0質量部とすることが好ましい。
フォーム原料には、上記の各種の成分の他、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等のポリウレタンフォームの製造において一般に用いられる各種の添加剤を適量配合することができる。これらの添加剤等は、ポリオール及びポリイソシアネートのいずれに配合してもよいが、通常、ポリオールに配合されて用いられる。また、整泡剤が別途配合される場合は、添加剤は整泡剤に配合してもよい。
(2)製造方法
この製造方法では、ポリイソシアネート、ポリオール、貝殻粉末、架橋剤、整泡剤及び触媒等を含有し、水及び発泡剤が配合されていないフォーム原料を、チャンバー内に供給し、同時に、不活性ガス、空気等の気体を供給し、オークスミキサ、ホバートミキサ等の攪拌器などにより攪拌し、気液混合させる。そして、チャンバー内で気液混合されたフォーム原料を、成形型内、又はキャリアフィルム上等に吐出させる。その後、所要温度に加熱し、フォーム原料を反応させて硬化させることにより、ポリウレタンフォームを製造することができる。気液混合物を成形型内に吐出させたときは、加熱後、冷却し、脱型することにより、所定形状のフォーム製品を得ることができる。また、キャリアフィルム上に吐出したときは、加熱後、冷却し、キャリアフィルムを取り除き、得られたフォームシートから打ち抜き等の方法により、所定形状のフォーム製品を得ることができる。
上記「気体」は特に限定されず、窒素ガス、不活性ガス、乾燥空気等を用いるこができる。この気体とフォーム原料との混合割合により泡化を制御することができ、フォームの密度を容易に調整することができる。また、チャンバーに供給されたフォーム原料と気体との混合、攪拌に用いる攪拌器等も特に限定されないが、通常、オークスミキサ、ホバートミキサなどが用いられる。これらにより混合し、攪拌することで、フォーム原料と気体とを均一に混合することができ、泡化された均質な上記「気液混合物」を生成させることができる。
上記「加熱」は、成形型を用いる場合は、通常、成形型の内部に設けられた流路に熱媒体を流通させることによりなされる。熱媒体としては、シリコーンオイル等の油類、並びにジフェニルエーテル、ターフェニル及びこれらの混合物等の有機熱媒体などを用いることができる。加熱温度は特に限定されず、フォーム原料が硬化し、所定の密度及び硬度等を有するポリウレタンフォームが形成されればよい。この加熱温度は、120〜200℃とすることができ、140〜180℃、特に150〜170℃とすることが好ましい。
一方、キャリアフィルムを用いる場合は、加熱は、キャリアフィルムと、キャリアフィルム上に形成された気液混合物の未硬化層とからなる積層体の、キャリアフィルム側及び/又は反対側、即ち、未硬化層の側からなされる。この加熱は、加熱炉内を移動させる、遠赤外線を照射する、及び熱風を吹き付ける等の各種の方法により実施することができるが、積層体の全体を均一に加熱し、より均質なフォームシートとするためには、加熱炉内を移動させる方法が好ましい。また、加熱温度は特に限定されず、フォーム原料が硬化し、所定の密度及び硬度等を有するポリウレタンフォームが形成されればよい。この加熱温度は、上記の成形型を用いるときと同様とすることができる。
成形型を用いる場合、その材質は特に限定されず、金型、樹脂型等を使用することができるが、熱伝導性のよい金型がより好ましく、アルミニウム合金、ステンレス鋼等からなる金型が多用される。また、キャビティの形状及び寸法はフォーム製品の種類により特定されるが、同一形状、同一寸法の複数のキャビティが等間隔に形成されている成形型が好ましい。このような成形型であれば、複数の同一のフォーム製品を効率よく製造することができる。また、キャビティの個数も特に限定されないが、短時間のうちに効率よく、すべてのキャビティに原料を均等に、且つ十分に供給するためには、通常、2〜12個、特に4〜8個とすることが好ましい。更に、気液混合物の供給路は、各々のキャビティの底部近傍に開口していることが好ましい。これにより、下方から供給される気液混合物が上方に向けて充填されていくことになり、混合された気体がキャビティの上方から容易に外部に放出され、ボイド等のない良質なフォーム製品とすることができる。
また、キャリアフィルムは、フォームシート形成時の支持材としての引張強度、引裂強度等を有し、且つ十分な耐熱性を有しておればよく、材質、厚さ等は特に限定されない。このキャリアフィルムとしては、通常、合成樹脂製のフィルムが用いられる。合成樹脂も特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド等の各種の合成樹脂を用いることができる。これらの合成樹脂のうちでは、強度、耐熱性等の観点で、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドが好ましい。キャリアフィルムの厚さも特に限定されないが、15〜500μmであればよく、25〜300μm、特に25〜150μmであることが好ましい。この厚さが15〜500μmであれば、成形方向への引張応力にも十分に耐え、容易に伸長することもなく、安定な製造が可能となる。
この製造方法では、フォームの密度を、気体の混合量により容易に調整することができる。即ち、原料配合各成分の密度(真比重)の加重平均を求め、原料配合全体の密度とし、この密度で原料配合物の総質量を除して、原料配合の総体積を推定する。この原料配合物の総体積から、目標とするフォームの密度(目標密度)を差し引くことで、混合攪拌される気体の体積量を求めることができる。実際の製造では、原料配合各成分の密度の加重平均を1と見なすこともできる。
尚、後記の実施例では、上記計算方法に従い、原料配合各成分の密度の加重平均を1と見なして、配合に関係なく、発泡体の密度を調整した。
[2]ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォームは、上述の製造方法により製造される。このフォームの密度は特に限定されないが、200〜500kg/m、特に240〜320kg/mとすることができる。また、フォームの25%圧縮時の硬さも特に限定されないが、0.02〜0.43MPa、特に0.04〜0.15MPaとすることができる。フォームの硬さは、フォームの密度が高くなるとともに高くなるが、本発明のポリウレタンフォームでは、上記のように密度及び硬さを幅広く設定することができる。
また、ポリウレタンフォームの平均セル径は特に限定されないが、上述の製造方法により製造されたフォームは、水又は発泡剤を用いて製造された軟質ポリウレタンフォームと比べて、密度が同程度である場合に、セル径の小さいフォームとすることができ、平均セル径は、50〜300μm、特に50〜200μmとすることができる。このセル径は、貝殻粉末の含有量が、例えば、フォーム原料を100質量%としたときに、30質量%以上と多い場合、若干変化するが、それでも300μm以下程度に抑えることができる。このようにセル径が小さいため、衝撃吸収性に優れ、圧縮残留歪の小さいフォームとすることができ、このポリウレタンフォームは、フットウェア及びその周辺用品、特にインソール、電化製品等の足ゴム、及び各種機器のクッション材、パッキン材等の広範な用途において有用である。
尚、平均セル径は、フォームの断面を、走査型電子顕微鏡により倍率200倍で観察したときの、セル径の累計をセルの個数で除して算出することができる。
[3]インソール
本発明のインソールは、上述のポリウレタンフォームを用いてなり、気液混合物をインソール用のキャビティを有する成形型に供給し、加熱し、フォーム原料を反応させて硬化させることにより製造することができる。上述のポリウレタンフォームには貝殻粉末が含有されており、吸着性能があるため消臭作用があり、併せて抗菌作用も得られる。特に貝殻粉末を900℃以上で加熱した場合、炭酸カルシウムが酸化カルシウムになり、水分との接触でアルカリ性を呈し、消臭作用とともに、より優れた抗菌効果が発現され、十分な消臭作用及び抗菌作用を併せて有するインソールとすることができる。
以下、実験例により本発明を説明する。
実験例1〜6及び比較実験例1〜2
フットウェア及びインソール等の周辺用品の用途を想定した比較的密度の低いフォームを製造するための配合(表1)、及び足ゴム用途を想定した比較的密度の高いフォームを製造するための配合(表2)について、フォームシートを製造し、物性及び抗菌性を評価した。
(1)ポリオール成分の調製
表1、2に記載されたポリオール、ホタテ貝殻粉末、架橋剤、触媒、増粘剤、整泡剤及び顔料を、表1、2に記載された配合量となるように、混合、攪拌し、ポリオール成分を調製した。
尚、表1、2の数値は、フォーム原料からポリイソシアネート及び顔料を除いた他の成分の合計量を100質量部とした場合の数値であり、単位は質量部である。また、環境負荷低減材料合計は、ホタテ貝殻粉末の配合量(実験例1、3、4、6)、又はホタテ貝殻粉末とひまし油ポリオールとの合計配合量(実験例2、5)である。更に、環境負荷低減材料率は、環境負荷低減材料合計量のフォーム原料全量に対する割合である。
表1、2に記載された各々の成分は、具体的には以下のとおりである。
エーテル系ポリオール(A);三洋化成社製、商品名「GP−3000」
エーテル系ポリオール(B);三洋化成社製、商品名「PP−2000」
ホタテ貝殻粉末;井手商会製、商品名「シェルパワー」、50%平均粒径5.6μm[モード径(最頻粒子径)として測定することもでき、モード径(最頻粒子径)は18.5μmである。]
ひまし油ポリオール;伊藤製油社製、商品名「URIC H−30」
架橋剤;1,4−ブタンジオール
触媒;スタナスオクトエート(城北化学社製、商品名「KCS−405T」)
増粘剤;水酸化アルミニウム(昭和電工社製、商品名「ハイジライト H−10」)
整泡剤;シリコーン系(モメンティヴ社製、商品名「L−5614」)
顔料;油性加工顔料(山陽色素社製、商品名「UT COLOR」)
Figure 0005408772
Figure 0005408772
尚、表1、2におけるホタテ貝殻粉末の欄の括弧内の数値は、フォーム原料の合計を100質量%としたときのホタテ貝殻粉末の質量割合である。
(2)気液混合物の調製
上記(1)で調製したポリオール成分と、イソシアネートインデックスが0.9〜1.1となる配合量のポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名「C−1130」、粗MDI、イソシアネート基含有量;31質量%)とをチャンバーに投入し、このフォーム原料に、0℃、0.1MPaにおいて表1、2の体積割合となる流量で窒素ガスを注入し、気液混合物を調製した。
尚、表1、2の目標密度は、200〜500kg/mまで4段階ある。また、それぞれの目標密度に応じた気体混合割合が、81.0〜52.0体積%まであり、実験例1〜6及び比較実験例1〜2の配合の総質量に関係なく、上記体積%で気体を混合することで、目標密度のフォームが得られる。
(3)フォームシートの製造
上記(2)で調製した気液混合物を、10m/分の速度で連続的に送出されているPET製の厚さ500μmのキャリアフィルム上に吐出ノズルより供給し、ナイフコーターにより未硬化層を形成した。次いで、キャリアフィルムと未硬化層との積層体を、遠赤外線ヒータにより150℃に調温されている加熱炉に導入して加熱し、その後、冷却ロールと接触させて冷却し、次いで、積層体からキャリアフィルムを剥離し、物性等を評価するための所定厚さのフォームシートを紙管に巻き取った。
上記のようにして製造したフォームシートから試験片を切り出し、表3、4に記載の方法に準拠して、厚さ、密度、平均セル径、25%CLD硬さ、引張強さ、引裂強さ及び圧縮残留歪を測定した。また、JIS Z 2801に基づく方法により、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を評価した。結果は表3、4に記載のとおりである。
Figure 0005408772
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尚、表3、4における「SEM」は、走査型電子顕微鏡の略記である。
フットウェア及びその周辺用品の用途を想定した比較的密度の低いフォームに係る表3によれば、より密度の低い、比較実験例1−1と、環境負荷低減材料である貝殻粉末を用いた実験例1−1とで、硬さ、引張特性、引裂強さ及び圧縮残留歪に大差がないことが分かる。また、実験例1−1と比べて貝殻粉末の配合量が多い実験例3−1では、物性が若干変化するが、いずれの実験例も十分に実用的なフォームである。更に、ポリオールとして環境負荷低減材料であるひまし油ポリオールを併用した実験例2−1では、実験例1−1と比べて物性が少し低下するものの、実用上、何ら問題のない範囲内である。また、抗菌性の評価では、比較実験例1−1でも、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性値が、ともに抗菌効果があると判断される2.0であり、抗菌効果があると判断されるが、実験例1−1及び2−1では、大腸菌に対する抗菌活性値が5.8、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性値が3.6であり、比較実験例1−1と比べて抗菌効果が大幅に向上しており、特に大腸菌に対する抗菌活性が高いことが分かる。更に、貝殻粉末の配合量が多い実験例3−1では、より優れた抗菌効果が得られる。また、密度の高い比較実験例1−2、実験例1−2、2−2、3−2においても、物性値の絶対値は異なるものの、傾向は同様であり、抗菌効果についても同様の傾向である。
また、足ゴム用途を想定した比較的密度の高いフォームに係る表4によれば、より密度の低い、比較実験例2−1と、環境負荷低減材料である貝殻粉末を用いた実験例4−1とで、物性に大差がないこと、貝殻粉末の配合量が多い実験例6−1では、実験例4−1と比べて平均セル径が大きく、物性も変化すること、及びポリオールとして環境負荷低減材料であるひまし油ポリオールを併用した実験例5−1では、実験例4−1と比べて物性が少し低下すること、は上記の比較実験例1−1、実験例1−1、2−1、3−1の場合と同様である。更に、抗菌効果についても、上記の比較実験例1−1、実験例1−1、2−1、3−1の場合と全く同様のことがいえる。更に、密度の高い比較実験例2−2、実験例4−2、5−2、6−2においても、物性値の絶対値は異なるものの、傾向は同様であり、抗菌効果についても同様の傾向である。
本発明は、フットウェア及びインソール等の周辺用品、足ゴム、各種機器におけるクッション材、シール材等の、ポリウレタンフォームの各種の用途において利用することができる。特に、環境への負荷を十分に低減させることができ、物性の低下もなく、衝撃緩和の観点でインソール、並びに非移行性及び摩擦力の安定性の観点で足ゴムとして有用であり、各種機器における衝撃緩和を目的としたクッション材、防塵等を目的としたシール材等の分野で利用することができる。

Claims (9)

  1. ポリウレタンフォームを用いてなるインソールであって、
    上記ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート、ポリオール及び貝殻粉末を含有し、且つ水及び発泡剤が配合されていないフォーム原料と、気体とを混合し、攪拌して、気液混合物を生成させ、その後、該気液混合物を加熱し、該フォーム原料を反応させて硬化させる製造方法により製造され、
    上記フォーム原料を100質量%とした場合に、上記貝殻粉末は15〜35質量%であることを特徴とするインソール。
  2. 上記フォーム原料はひまし油ポリオールを含有し、上記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、該ひまし油ポリオールは20質量部以下である請求項1に記載のインソール
  3. 上記フォーム原料を100質量%とした場合に、上記貝殻粉末と上記ひまし油ポリオールとの合計量が20〜35質量%である請求項2に記載のインソール
  4. 上記貝殻粉末がホタテ貝殻粉末を含有する請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のインソール
  5. 上記貝殻粉末を400〜800℃で加熱して用いる請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のインソール
  6. 上記貝殻粉末を900℃以上で加熱して用いる請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のインソール
  7. 上記貝殻粉末を100質量%とした場合に、900℃以上で加熱して用いる貝殻粉末の割合が5〜95質量%である請求項6に記載のインソール
  8. 上記貝殻粉末の粒径が5〜100μmである請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載のインソール
  9. 上記ポリウレタンフォームの密度が200〜500kg/mであり、25%圧縮時の硬さが0.02〜0.43MPaである請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載のインソール
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