JP6691772B2 - ポリウレタン弾性舗装体およびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性舗装体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、衝撃吸収率等の優れた物性を有するポリウレタン弾性舗装体およびその製造方法に関するものである。
従来、陸上競技場やテニスコート、多目的運動場、公園や遊歩道等に使用されている弾性舗装体は、競技者・利用者の身体にかかる衝撃を軽減し、転倒しても怪我をしないよう、クッション性(衝撃吸収性)を有するものが望まれている。なかでも、衝撃吸収率等の物性に優れ、施工が容易である等の理由から、ポリウレタン弾性舗装体が注目を集めている。
また、陸上競技場に使用される弾性舗装体は、その物性が記録に大きく影響を与えるため、所定の規格が定められている。例えば、IAAF(国際陸上競技連盟)では、衝撃吸収率(Force Reduction)を35〜50%の範囲とするよう定められている。
したがって、弾性舗装体の物性を上記範囲内となるよう調整するため、様々な提案がなされている。例えば、中空粒子をポリウレタン組成物に添加する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。もしくは、ウレタン原料に整泡剤を添加し、撹拌することでウレタン中に泡を混入させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に示されているとおり、中空粒子をポリウレタン組成物に添加すると、ウレタン組成物の粘度が上昇するため、充分な撹拌を行うことが難しくなり、希望する規格に適合するような物性を得ることが困難になるという問題がある。また、特許文献2に記載の方法では、陸上競技場等の大面積に用いられる大量のポリウレタン組成物に対し、気泡を均一に含ませるよう撹拌することは極めて困難であり、所望の規格に合致する物性のポリウレタン弾性舗装体を得ることが難しいという問題もある。
特公平08−11882号公報 特開2000−044789号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ポリウレタン組成物の粘度の上昇を招くことなく、また、現状の施工設備を変更することなく製造することができ、目的とする規格に適合する物性を備えたポリウレタン弾性舗装体およびその製造方法の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、シラスバルーンとを有するポリウレタン組成物からなるポリウレタン弾性舗装体であって、上記シラスバルーンが、ポリウレタン組成物全体に対し0.5〜3.0重量%含有されているポリウレタン弾性舗装体を第1の要旨とする。
上記第1の要旨のポリウレタン弾性舗装体のうち、シラスバルーンの平均粒径が、2〜250μmの範囲にあるものを第2の要旨とする。また、上記第1および第2の要旨のポリウレタン弾性舗装体のうち、シラスバルーンの嵩比重が、0.1〜0.9g/cmの範囲にあるものを第3の要旨とし、上記第1〜3の要旨のポリウレタン弾性舗装体のうち、ポリオールが、官能基2〜4のポリエーテルポリオールであるものを第4の要旨とし、上記第1〜4の要旨のポリウレタン弾性舗装体のうち、ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、メチレンビスフェニルイソシアネート(モノメリックMDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)とポリオールを反応させたウレタンプレポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一つであるものを第5の要旨とする。
さらに、本発明は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、シラスバルーンとを有するポリウレタン組成物を作製し、上記ポリウレタン組成物を混合することにより、ポリウレタン組成物中にシラスバルーンが分散しているポリウレタン組成物からポリウレタン弾性舗装体を製造する方法であって、上記シラスバルーンをポリウレタン組成物全体に対し0.5〜3.0重量%含有させることにより、ポリウレタン弾性舗装体の気泡量を制御するポリウレタン弾性舗装体の製造方法を第6の要旨とする。
そして、上記第6の要旨のポリウレタン弾性舗装体の製造方法のうち、シラスバルーンの平均粒径が、2〜250μmの範囲にあるものを第7の要旨とする。また、上記第6および7の要旨のポリウレタン弾性舗装体の製造方法のうち、シラスバルーンの嵩比重が、0.1〜0.9g/cmの範囲にあるものを第8の要旨とし、上記第6〜8の要旨のポリウレタン弾性舗装体の製造方法のうち、ポリオールが、官能基数2〜4のポリエーテルポリオールであるものを第9の要旨とし、上記6〜9の要旨のポリウレタン弾性舗装体の製造方法のうち、ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、メチレンビスフェニルイソシアネート(モノメリックMDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)とポリオールを反応させたウレタンプレポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一つであるものを第10の要旨とする。
本発明者らは、ポリウレタン弾性舗装体について、より優れた性能を獲得するため、種々の検討を重ねた。その結果、従来、ポリウレタン組成物に中空粒子を添加すると粘度が上昇し、充分に撹拌、混合できないところ、ポリウレタン組成物に、シラスバルーンを所定量含有させるようにすると、ポリウレタン組成物の粘度の上昇が抑制され、充分に混合することができるようになり、シラスバルーンをポリウレタン組成物中に均一な状態で分散させることができることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明に用いるポリウレタン組成物は、シラスバルーンを所定量含有している。このため、ポリウレタン組成物の粘度の上昇が抑制されており、充分に撹拌、混合することができ、ポリウレタン組成物中にシラスバルーンを均一な状態で分散させることができる。このようなポリウレタン組成物からなるポリウレタン弾性舗装体は、充分な衝撃吸収性を備えている。また、本発明に用いるポリウレタン組成物は、シラスバルーンを所定量含有しているため、熱伝導率が低くなっている。したがって、本発明のポリウレタン弾性舗装体を、陸上競技場のトラック等に用いると、ポリウレタン弾性舗装体の施工下地として汎用されるアスファルトコンクリートの温度上昇を抑制することができ、熱に弱いアスファルトコンクリートに起因するトラック等の隆起(膨れ)を抑制することができる。さらに、本発明に用いるポリウレタン組成物は、撹拌によって気泡を均一に含ませるように作製するものではないため、陸上競技場等の大面積に用いられる大量のポリウレタン組成物であっても、シラスバルーンを均一な状態で分散させるだけで、気泡が均一な状態で含有されるものを作製することができ、所望の規格に合致する物性のポリウレタン弾性舗装体を容易に得ることができる。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明のポリウレタン弾性舗装体は、例えば、セメントコンクリート、アスファルトコンクリート等の下地の上に、配置して用いられるものであり、ポリオールと、ポリイソシアネートと、シラスバルーンとを有するポリウレタン組成物からなるポリウレタン弾性舗装体であって、上記シラスバルーンが、ポリウレタン組成物全体に対し0.5〜3.0重量%含有されているものである。シラスバルーンの含有量が少なすぎると充分な物性が得られず、多すぎると、ポリウレタン組成物の粘度が高くなり過ぎ、充分な撹拌、混合ができず、所望の物性のポリウレタン弾性舗装体を得られないためである。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、メチレンビスフェニルイソシアネート(モノメリックMDI)、それらとポリオールとを反応させたウレタンプレポリマーがあげられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、より所望の衝撃吸収率を達成するポリウレタン弾性舗装体を得やすくなるとの観点から、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、メチレンビスフェニルイソシアネート(モノメリックMDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)とポリオールを反応させたウレタンプレポリマーを用いることが好ましい。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール(ポリエーテルポリオール変性体)、ポリ(テトラメチレン)エーテルグリコール等があげられ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド等を付加重合して得られるポリオキシアルキレンポリオールを用いることができる。上記ポリオールの分子量は、100〜100000の範囲にあることが好ましく、1000〜80000の範囲にあることがより好ましい。また、上記ポリオールの官能基数は、2〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。なかでも、より所望の衝撃吸収率を達成するポリウレタン弾性舗装体を得やすくなるとの観点から、分子量100〜100000、官能基数2〜4のポリオシキアルキレンポリオールが好ましく、さらに好ましいのは、分子量1000〜80000、官能基数2〜3のポリオキシプロピレンポリオールである。これらのポリオールは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記シラスバルーンは、天然素材である火山灰シラスを、高温加熱して発泡させた微細な粒子であり、二酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化第二鉄等を主な成分とするものである。このようなシラスバルーンの平均粒径は、2〜250μmの範囲にあることが好ましく、平均粒径が25〜180μmの範囲にあるものがより好ましい。すなわち、シラスバルーンの粒径が大き過ぎると、ポリウレタン組成物の粘度が高くなり、施工性が悪くなるだけでなく、充分な撹拌、混合ができず、得られるポリウレタン弾性舗装体の物性が低下する傾向がみられるためである。そして、シラスバルーンの嵩比重は、0.1〜0.9g/cmの範囲にあることが好ましく、0.15〜0.4g/cmの範囲にあることがより好ましい。嵩比重は、粒子の有する気泡量と関係するため、ポリウレタン弾性舗装体の達成すべき物性に応じて、選択することが好ましい。なお、上記「平均粒径」とは、ふるい分け法によって測定した試験用ふるい目開きで表したものである(日本工業規格 JIS Z 8901参照。)
上記ポリウレタン組成物には、上記の成分だけでなく、例えば、架橋剤、整泡剤、触媒、可塑剤、充填剤、骨材、消泡剤、揺変剤等、必要に応じて適宜の添加剤を配合することができる。
上記架橋剤としては、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、イソブチル−4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾエート(ICDAB)、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)等があげられる。なかでも、芳香族アミン系架橋剤を用いることが、強度や伸び等の性能維持・向上効果を得る上で好適であり、2,4−ビス(メチルチオ)−トルエンジアミン(a)と2,6−ビス(メチルチオ)−トルエンジアミン(b)とを、(a)/(b)が80/20となる割合(重量)や3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MbOCA)、特にMbOCAが好ましい。
上記整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)とポリエーテルのブロックコポリマー(ポリエーテル変性シリコーン)の混合物等を用いることができる。このようなものとしては、例えば、モメンティブ社製のNIAX SILICONE L-6900、東レ・ダウ・コーニング製SH192、SH193等のウレタンフォーム用整泡剤があげられる。
上記触媒としては、オクチル酸鉛(OctPb)、ナフテン酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫ジラウレート等があげられる。
上記可塑剤としては、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等があげられる。
上記充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、タルク、無水石膏(CaSO4 )、雲母等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記骨材としては、粒径0.5〜5mmのポリウレタン発泡体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)発泡体、ポリオレフィン発泡体、各種合成ゴムの発泡体等の軟質発泡体のチップ、各種ゴムの粉末等を用いることができる。骨材を用いると、所望の物性を実現しやすくなり、また、コスト低減を実現できる。
上記消泡剤としては、ジメチルシロキサン系消泡剤、ポリアクリレート系消泡剤等を用いることができる。
上記揺変剤としては、有機系もしくは無機系揺変剤等を用いることができる。
なお、本発明のポリウレタン弾性舗装体を弾性舗装構造体に用いる場合は、一層だけで用いてもよいし、他の層(下地や他の弾性舗装体)の上または下に配置してもよい。本発明のポリウレタン弾性舗装体を、他の弾性舗装体と組み合わせた弾性舗装構造とすると、所望の衝撃吸収率と耐久性とが得やすくなるため、好適である。また、本発明のポリウレタン弾性舗装体の上、もしくは、上記弾性舗装構造の表面に本発明のポリウレタン弾性舗装体が配置される場合、その上に、表面仕上げ層を設けるようにしてもよい。表面仕上げ層を設けると、本発明のポリウレタン弾性舗装体の外観を、長期間にわたって美麗に維持することができる。そして、上記表面仕上げ層において、本発明のポリウレタン弾性舗装体の最表面に滑り止め、耐候性向上等の特性を付加することができるという利点がある。
さらに、本発明のポリウレタン弾性舗装体は、陸上競技場等にトラック等を新設する際だけでなく、すでに設置されているトラック等の修繕にも用いることができる。例えば、既存のトラック等(弾性舗装体)を表面から所定厚みだけ削り取り、その削り跡に、本発明のポリウレタン弾性舗装体に係るポリウレタン組成物を所定厚みだけ流し込み、表面を平滑に仕上げるようにしてもよい。
このようなポリウレタン弾性舗装体は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、ポリオール系組成物と、ポリイソシアネート系組成物とをそれぞれ作製する。そして、これらの組成物とシラスバルーンとを合わせてポリウレタン組成物を作製し、ポリウレタン組成物を撹拌、混合してポリウレタン組成物中にシラスバルーンを分散させることにより得ることができる。ポリオール系組成物とポリイソシアネート系組成物とを混合すると、硬化反応が開始される。なお、ポリオール系材料とポリイソシアネート系材料とシラスバルーンとを同時に合わせてもよいし、ポリオール系材料とポリイソシアネート系材料を先に合わせた後、未硬化の状態でシラスバルーンを加えるようにしてもよい。
上記撹拌、混合には、対象となるポリウレタン組成物の量に応じたサイズの撹拌機を使用することが好ましい。このような撹拌機としては、大型撹拌機として、リボン、ニーダー撹拌機等があげられ、小型撹拌機としては、3枚羽付マキタ製UT2204、不二空機エアー撹拌機等があげられる。
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下に示す成分組成は、すべて重量基準(重量部)で示している。
実施例、比較例の作製に先駆けて、まず、ポリオール系組成物、ポリイソシアネート系組成物を以下のとおり調製するとともに、シラスバルーンとして以下のものを準備した。また、ゴムチップとして、平均粒径1〜2mm、嵩比重0.2〜0.4g/cmの粒状(カット粉砕)のものを準備した。
(A)ポリオール系組成物
表1に示す材料を混合してポリオール系組成物を作製した。なお、ブレンドポリオールとして、平均分子量2000のポリオキシプロピレングリコールとこれと同量の平均分子量4000のポリオキシプロピレントリオールとの混合物を用い、MbOCAとして、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを用いている。なお、上記「平均分子量」は、数平均分子量を意味するものであり、ゲル浸透ガスクロマトグラフィー(GPC)によって求めることができる(以下同じ)。
Figure 0006691772
(B)ポリイソシアネート系組成物
イソシアネート〔トルエンジイソシアネート(2,4付加物/2,6付加物=65/35)〕とブレンドポリオール(平均分子量2000のポリオキシプロピレングリコールと平均分子量4000のポリオキシプロピレントリオールとの混合物)を窒素雰囲気下で混合し、80℃で20時間反応させた後冷却し、末端イソシアネート基を有するTDI系のウレタンプレポリマーを作製した。このTDI系のウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有率が3.0%であり、粘度は5900mPa・s/25℃であった。なお、上記「粘度」は、JIS K 7117−1に準拠して測定されるものである(以下同じ)。
(C)シラスバルーン
平均粒径150μm、嵩比重0.28〜0.34g/cmのシラスバルーン(ウインライトWP−9011、アクシーズケミカル社製)
〔実施例1、2〕
上記で準備した、ポリオール系組成物、ポリイソシアネート系組成物、シラスバルーン、ゴムチップを、表2に示すよう配合してポリウレタン組成物を作製した。作製したポリウレタン組成物の粘度を表2に併せて示す。このポリウレタン組成物を不二空機製エアー撹拌機UT2204/φ70mm3枚羽根付を用いて3分間撹拌、混合した。そして、上記ポリウレタン組成物を所定の金型に流し込み、コテを用いて表面を平滑に仕上げることにより、所定の厚みのポリウレタン弾性舗装体を得た。
〔比較例1〕
シラスバルーンを用いない以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン弾性舗装体を得た。
〔比較例2〕
シラスバルーンを用いない以外は、実施例2と同様にしてポリウレタン弾性舗装体を得た。
〔比較例3〕
シラスバルーンの代わりにシラスを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン弾性舗装体を得た。なお、上記シラスとは、天然素材である火山灰シラスを、その粒径が0.5〜2mmとなるよう調製したものであり、シラスバルーンのように高温加熱によって発泡したものではない。
〔比較例4〕
ゴムチップの配合量を、表2に示すものに変更した以外は、比較例1と同様にしてポリウレタン弾性舗装体を得た。
〔比較例5〕
ゴムチップを配合せず、シラスバルーンの配合量を表2に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン弾性舗装体を得た。
実施例1、2および比較例1〜5のポリウレタン弾性舗装体について、密度(g/cm)、引張強度(MPa)、伸び率(%)を下記に示すとおりに測定した。また、レベリング性、硬化性、衝撃吸収率および熱伝導率を、下記に示す指標に従って評価した。これらの結果を、後記の表2に合わせて示す。
〔密度(g/cm)〕
実施例1、2および比較例1〜5で用いたポリウレタン組成物を、別途用意した金型の容器(サイズ:70mm×70mm×15mm)に流し入れ、硬化反応を完了させて試験片αを作製した。この試験片αに対し、JIS K6268に準じて密度を測定した。
〔引張強度(MPa)および伸び率(%)〕
実施例1、2および比較例1〜4で用いたポリウレタン組成物を、型内面にてテフロン(登録商標)加工を施した、縦300mm×横300mm×深さ12mmのアルミ型(離型剤は不使用、常温)に注入して成形し、23℃×7日(もしくは23℃×1日+50℃×1日)の間、養生を行うことにより、厚み12mmの試験片βを得た。この試験片βに対し、IAAFに準じて引張強度(MPa)および伸び率(%)を測定した。なお、比較例5のものは、レベリング性および硬化性の評価が不良であったため、測定を行っていない(以下、衝撃吸収率の評価、熱伝導率の評価について同じ)。
〔レベリング性〕
実施例1、2および比較例1〜5で用いたポリウレタン組成物を、別途用意した金型の容器(サイズ:300mm×300mm×12mm)に流し入れた際の、ポリウレタン組成物の表面を目視にて観察し、レベリング性(流動性)を下記の指標に基づいて評価した。
◎:凹凸が認められない
〇:凹凸が多少認められるが目立たない
×:凹凸が目立つ程に多く認められる
〔硬化性〕
実施例1、2および比較例1〜5で用いたポリウレタン組成物を、別途用意した金型の容器(サイズ:70mm×70mm×15mm)に流し入れ、所定時間経過後に、竹串でその表面に切り込みを入れ、その切り込み跡が消えない(表面に切り込み跡が残った)時間を可使時間とし、硬化性を下記の指標に基づいて評価した。
◎:40分以上50分未満
〇:50分以上80分未満
×:80分以上
〔衝撃吸収率の評価〕
実施例1、2および比較例1〜4で用いたポリウレタン組成物を、別途用意した金型の容器(サイズ:300mm×300mm×12mm)に流し入れ、硬化反応を完了させて試験片を作製した。実施例1、2および比較例1〜4のポリウレタン弾性舗装体に対し、IAAF基準に定める衝撃吸収試験機を垂直に設置し、所定の高さ(55mm±0.25mm)から20kg±0.1kgの鎮を落下させ、その衝撃吸収率(%)を測定した。この測定においては、初回の衝撃吸収値は除外し、その後60秒の間隔を空けて2回測定した値の平均を算出して、各ポリウレタン弾性舗装体の衝撃吸収率(%)とした。そして、シラスバルーンが配合されていない比較例1のポリウレタン弾性舗装体の衝撃吸収率(%)を基準(100)とし、各ポリウレタン弾性舗装体の衝撃吸収率を評価した。
〔熱伝導率の評価〕
実施例1、2および比較例1〜4で用いたポリウレタン組成物を、別途用意した金型の容器(サイズ:200mm×200mm×25mm)に流し入れ、硬化反応を完了させて試験片を作製した。実施例1、2および比較例1〜4のポリウレタン弾性舗装体に対し、JIS A 1412−2に準拠し、熱伝導率測定装置(製品名:オートラムダHC−074(200)型、英弘精機社製)を用いて、熱伝導率(mW/m・K)を測定した。そして、シラスバルーンが配合されていない比較例1のポリウレタン弾性舗装体の熱伝導率(mW/m・K)を基準(100)とし、各ポリウレタン弾性舗装体の熱伝導率を評価した。
Figure 0006691772
このように、上記表2に示された結果から、上記実施例1、2は比較例1、2に対し、
シラスバルーンをポリウレタンに添加することで施工性(レべリング性および硬化性)を損なうことなく、衝撃吸収率を向上させ、熱伝導率を低下させることが分かる。しかし、比較例5に示すようにポリウレタン組成物全体に対するシラスバルーンの割合が所定の範囲を超えると、シラスバルーンによる増粘効果が高まるとともに、ポリウレタン組成物の酸性化することによる硬化遅延による影響が大きくなり、従来通りの施工が困難になる恐れがある。そして、実施例1と、比較例3の対比からわかるとおり、シラスバルーンの代わりにシラスを用いても、シラスバルーンと同様の衝撃吸収率向上の効果はみられなかった。
一方、比較例1、4より、ゴムチップを増量することにより衝撃吸収率を向上させると、レべリング性が悪化する傾向が見られた。
本発明のポリウレタン弾性舗装体は、衝撃吸収率等の優れた物性を有するため、陸上競技場、テニスコート、多目的運動場、公園、遊歩道に利用することができる。また、本発明のポリウレタン弾性舗装体の製造方法は、目的とする規格に適合する物性を備えたポリウレタン弾性舗装体を、容易に製造することができる。

Claims (10)

  1. ポリオールと、ポリイソシアネートと、シラスバルーンとを有するポリウレタン組成物からなるポリウレタン弾性舗装体であって、上記シラスバルーンが、ポリウレタン組成物全体に対し0.5〜3.0重量%含有されていることを特徴とするポリウレタン弾性舗装体。
  2. シラスバルーンの平均粒径が、2〜250μmの範囲にある請求項1記載のポリウレタン弾性舗装体。
  3. シラスバルーンの嵩比重が、0.1〜0.9g/cmの範囲にある請求項1または2記載のポリウレタン弾性舗装体。
  4. ポリオールが、官能基2〜4のポリエーテルポリオールである請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性舗装体。
  5. ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性舗装体。
  6. ポリオールと、ポリイソシアネートと、シラスバルーンとを有するポリウレタン組成物を作製し、上記ポリウレタン組成物を混合することにより、ポリウレタン組成物中にシラスバルーンが分散しているポリウレタン組成物からポリウレタン弾性舗装体を製造する方法であって、上記シラスバルーンをポリウレタン組成物全体に対し0.5〜3.0重量%含有させることにより、ポリウレタン弾性舗装体の気泡量を制御することを特徴とするポリウレタン弾性舗装体の製造方法。
  7. シラスバルーンの平均粒径が、2〜250μmの範囲にある請求項6記載のポリウレタン弾性舗装体の製造方法。
  8. シラスバルーンの嵩比重が、0.1〜0.9g/cmの範囲にある請求項6または7記載のポリウレタン弾性舗装体の製造方法。
  9. ポリオールが、官能基数2〜4のポリエーテルポリオールである請求項6〜8のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性舗装体の製造方法。
  10. ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマーからなる群から少なくとも一つである請求項6〜9のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性舗装体の製造方法。
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