JP2022043979A - ポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材 - Google Patents

ポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材 Download PDF

Info

Publication number
JP2022043979A
JP2022043979A JP2021072690A JP2021072690A JP2022043979A JP 2022043979 A JP2022043979 A JP 2022043979A JP 2021072690 A JP2021072690 A JP 2021072690A JP 2021072690 A JP2021072690 A JP 2021072690A JP 2022043979 A JP2022043979 A JP 2022043979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
resin composition
component
polyol
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021072690A
Other languages
English (en)
Inventor
航 青木
Ko Aoki
恒 川那部
Hisashi Kawanabe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Publication of JP2022043979A publication Critical patent/JP2022043979A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

Figure 2022043979000001
【課題】 ブリードおよび発泡を抑制でき、優れた貯蔵安定性を有するポリウレタン樹脂組成物、そのポリウレタン樹脂組成物から得られる弾性舗装材、型枠材、防水材および床材、さらに、そのポリウレタン樹脂組成物から得られるポリウレタン樹脂層を含む複合弾性材を提供すること。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂組成物が、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを含有し、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が9.0質量%以下であり、活性水素基含有成分は、ポリオール成分とポリアミン成分とを含有し、ポリオール成分が、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールであり、ポリアミン成分は、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを含有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材に関する。
現在、ポリウレタン樹脂組成物からなる弾性舗装材が、知られている。弾性舗装材は、例えば、屋外競技場、屋内競技場、運動場の通路、グランドおよびコートを、舗装する。
弾性舗装材としては、例えば、ウレタンプレポリマーを含むA剤と、ポリオールおよび架橋剤を含むB剤とを含有する屋内外施設用常温硬化性表面仕上げ材が、提案されている。この材は、ポリオールとして、ポリオキシプロピレンポリオールを含み、さらに、架橋剤として、芳香族アミン系架橋剤を含んでいる(例えば、特許文献1参照。)。
一方、機械物性およびポットライフの向上を図るため、ポリオキシプロピレンポリオールに代えて、3級アミンのアルキレンオキサイド付加重合体を用いることが、提案されている。より具体的には、ポリイソシアネート成分と、3級アミンのアルキレンオキサイド付加重合体を含む活性水素基含有成分と、酸化アルミニウムとを含有するポリウレタン樹脂組成物が、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2009-7481号公報 国際公開WO2014/141956号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるポリウレタン樹脂組成物には、可塑剤が添加される場合がある。このような場合、特許文献1に記載されるポリウレタン樹脂組成物を硬化させると、可塑剤のブリードを生じる場合がある。
一方、特許文献2に記載されるポリウレタン樹脂組成物には、3級アミンのアルキレンオキサイド付加重合体が含まれるため、可塑剤のブリードを抑制できる。さらに、酸化アルミニウムが含まれるため、3級アミンのアルキレンオキサイド付加重合体と、ポリイソシアネート成分との混合時の発泡が、抑制される。しかし、特許文献2に記載されるポリウレタン樹脂組成物では、酸化アルミニウムが沈降する場合があり、貯蔵安定性が十分ではない場合がある。
本発明は、ブリードおよび発泡を抑制でき、優れた貯蔵安定性を有するポリウレタン樹脂組成物、そのポリウレタン樹脂組成物から得られる弾性舗装材、型枠材、防水材および床材、さらに、そのポリウレタン樹脂組成物から得られるポリウレタン樹脂層を含む複合弾性材である。
本発明[1]は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを含有し、前記ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が9.0質量%以下であり、前記活性水素基含有成分は、ポリオール成分とポリアミン成分とを含有し、前記ポリオール成分が、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールであり、前記ポリアミン成分は、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを含有する、ポリウレタン樹脂組成物を、含んでいる。
本発明[2]は、前記マクロポリオールが、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加重合体であるポリエーテルポリオールからなる、上記[1]に記載のポリウレタン樹脂組成物を、含んでいる。
本発明[3]は、前記活性水素基含有成分において、前記マクロポリオール中の水酸基と、前記ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基との総量に対する、前記アミノ基の含有割合が、50モル%以上85モル%以下である、上記[1]または[2]に記載のポリウレタン樹脂組成物を、含んでいる。
本発明[4]は、前記ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート基数が、2を超過し3未満である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物を、含んでいる。
本発明[5]は、前記ポリオール成分の平均水酸基数が、2を超過し3未満である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物を、含んでいる。
本発明[6]は、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる、弾性舗装材を、含んでいる。
本発明[7]は、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる、型枠材を、含んでいる。
本発明[8]は、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる、防水材を、含んでいる。
本発明[9]は、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる、床材を、含んでいる。
本発明[10]は、ポリウレタン樹脂層を備える複合弾性材であり、前記ポリウレタン樹脂層が、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる、複合弾性材を、含んでいる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材では、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が9.0質量%以下に調整されている。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材では、ポリオール成分が、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールである。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材では、ポリアミン成分は、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを含有する。
そのため、本発明のポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材では、可塑剤のブリードを抑制でき、また、発泡を抑制でき、さらに、優れた貯蔵安定性を確保できる。
図1は、本発明の複合弾性材の一実施形態を示す概略構成図である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート成分と、活性水素基含有成分とを含有している。ポリウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分との反応により、硬化物を生成する。
なお、ポリウレタン樹脂組成物は、例えば、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを個別に備える2液型樹脂組成物であってもよい。また、ポリウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分との混合物を含む1液型樹脂組成物であってもよい。好ましくは、ポリウレタン樹脂組成物は、2液型樹脂組成物である。
ポリイソシアネート成分は、イソシアネート基含有率が所定値以下となるように、調製される。ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率は、9.0質量%以下、好ましくは、8.0質量%以下、より好ましくは、7.0質量%以下、さらに好ましくは、5.0質量%以下、とりわけ好ましくは、4.0質量%以下である。また、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上、さらに好ましくは、2.0質量%以上である。
なお、イソシアネート基含有率は、JIS K7301(1995)に記載のイソシアネート基含有率試験によって、測定される。
ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が上記上限を下回っていれば、ポットライフに優れたポリウレタン樹脂組成物が、得られる。
上記イソシアネート基含有率を有するポリイソシアネート成分としては、例えば、イソシアネート基末端プレポリマーが挙げられる。
イソシアネート基末端プレポリマーは、少なくとも2つのイソシアネート基を分子末端に有するウレタンプレポリマーである。イソシアネート基末端プレポリマーは、原料ポリイソシアネートと原料ポリオールとの反応生成物である。
原料ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体が挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートおよび芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’-ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカメチレントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアナトメチルオクタン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアネート-5-イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテル-ω、ω’-ジイソシアネート、リジンイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、2-イソシアナトプロピル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、ビス(4-イソシアネート-n-ブチリデン)ペンタエリスリトール、および、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエートが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2’-ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,5-ジイソシアナトメチルビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2,6-ジイソシアナトメチルビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン(NBDI)、2-イソシアナトメチル2-(3-イソシアナトプロピル)-5-イソシアナトメチルビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-6-イソシアナトメチルビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル3-(3-イソシアナトプロピル)-5-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル3-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル2-(3-イソシアナトプロピル)-5-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、および、2-イソシアナトメチル2-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタンが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、パラフェニレンジイソシアネート、および、ナフタレンジイソシアネート(NDI)が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、および、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用できる。
ポリイソシアネート誘導体としては、上記ポリイソシアネート単量体を公知の方法で編成した変成体が、挙げられる。
ポリイソシアネート誘導体として、より具体的には、例えば、多量体、イソシアヌレート変成体、アロファネート変性体、ポリオール変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサジアジントリオン変性体およびカルボジイミド変性体が挙げられる。また、ポリイソシアネート誘導体として、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートも挙げられる。
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用できる。
これら原料ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用できる。
原料ポリイソシアネートとして、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートの単量体または誘導体が挙げられ、より好ましくは、芳香族ポリイソシアネートの単量体が挙げられ、さらに好ましくは、トリレンジイソシアネートが挙げられる。
トリレンジイソシアネートを用いることにより、より優れたポットライフを有するポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、より優れた機械物性を有する硬化物が得られる。
トリレンジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネートおよび2,6-トリレンジイソシアネートが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
トリレンジイソシアネートとして、好ましくは、2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとの併用が挙げられる。また、トリレンジイソシアネートとして、好ましくは、2,4-トリレンジイソシアネートの単独使用も挙げられる。
トリレンジイソシアネートとして、とりわけ好ましくは、2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとの併用が挙げられる。
2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとが併用される場合、それらの総量に対して、2,4-トリレンジイソシアネートの含有割合が、例えば、40質量%以上、好ましくは、60質量%以上である。また、2,4-トリレンジイソシアネートの含有割合が、例えば、90質量%以下である。また、2,6-トリレンジイソシアネートの含有割合が、例えば、10質量%以上である。また、2,6-トリレンジイソシアネートの含有割合が、例えば、60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
2,4-トリレンジイソシアネートを用いることにより、とりわけ優れたポットライフを有するポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、とりわけ優れた硬度および引張強度を有する硬化物が、得られる。また、2,6-トリレンジイソシアネートを用いることにより、とりわけ優れた伸び性能を有する硬化物が、得られる。
原料ポリイソシアネートの平均イソシアネート基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過し、より好ましくは、2.2以上である。また、原料ポリイソシアネートの平均イソシアネート基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、3未満、さらに好ましくは、2.8以下である。
原料ポリオールとしては、例えば、マクロポリオールおよび低分子量ポリオールが挙げられる。
マクロポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である。マクロポリオールの数平均分子量は、例えば、400を超過し、例えば、20000以下である。
なお、数平均分子量は、水酸基当量および平均水酸基数から、公知の方法で算出できる。また、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算分子量として測定できる(以下同様)。
マクロポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールおよびビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。これらマクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
マクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
マクロポリオールの数平均分子量は、例えば、400を超過し、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上、さらに好ましくは、1500以上である。また、マクロポリオールの数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下、より好ましくは、10000以下、さらに好ましくは、5000以下である。
マクロポリオールの平均水酸基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過し、より好ましくは、2.1以上である。また、マクロポリオールの平均水酸基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、3未満、さらに好ましくは、2.8以下である。
すなわち、マクロポリオールとして、好ましくは、平均水酸基数2のポリエーテルポリオール、および、平均水酸基数3のポリエーテルポリオールの単独使用または併用が挙げられる。マクロポリオールとして、さらに好ましくは、平均水酸基数2のポリエーテルポリオール、および、平均水酸基数3のポリエーテルポリオールの併用が挙げられる。なお、これらの併用割合は、ポリイソシアネート成分が後述の平均イソシアネート基数を有するように、適宜調整される。
低分子量ポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的低分子量の有機化合物である。低分子量ポリオールの分子量は、例えば、40以上、例えば、400以下である。
低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、3価アルコール、および、4価以上のアルコールが挙げられる。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールおよびジグリセリンが挙げられる。また、低分子量ポリオールとしては、数平均分子量が400以下になるように、2~3価アルコールに対してアルキレン(C2~3)オキサイド(後述)を付加重合した重合物も、挙げられる。これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。
低分子量ポリオールとして、好ましくは、2価アルコールが挙げられ、より好ましくは、1,4-ブタンジオールが挙げられる。
原料ポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。原料ポリオールとして、好ましくは、マクロポリオールの単独使用が、挙げられる。また、原料ポリオールとして、好ましくは、マクロポリオールと低分子量ポリオールとの併用も、挙げられる。
原料ポリオールの平均水酸基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過し、より好ましくは、2.2以上である。また、原料ポリオールの平均水酸基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、3未満、さらに好ましくは、2.8以下である。
イソシアネート基末端プレポリマーの調製方法としては、公知の方法が採用される。より具体的には、原料ポリイソシアネートと原料ポリオールとを、所定の当量比でウレタン化反応させる。例えば、原料ポリオールの水酸基に対する、原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、1を超過し、好ましくは、1.5以上であり、例えば、50以下である。
また、ポリイソシアネート成分は、イソシアネート基末端プレポリマーの他、上記ポリイソシアネート単量体、および/または、上記ポリイソシアネート誘導体を、含有できる。なお、ポリイソシアネート単量体の含有割合と、ポリイソシアネート誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が上記範囲になるように、調整される。
好ましくは、ポリイソシアネート成分は、イソシアネート基末端プレポリマーからなる。
ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過し、より好ましくは、2.2以上である。また、ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、3未満、さらに好ましくは、2.8以下である。
ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート基数が上記下限を上回っていれば、とりわけ優れた機械物性を有する硬化物が得られる。
ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート基数が上記上限を下回っていれば、とりわけ優れたポットライフを有するポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、とりわけ優れた耐ブリード性を有する硬化物が得られる。
活性水素基含有成分は、ポリオール成分とポリアミン成分とを含有する。
ポリオール成分は、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールである。すなわち、ポリオール成分は、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールからなる。
水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリオレフィンポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールおよびポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールとしては、例えば、多価アルコールのアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体が挙げられる。多価アルコールのアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体とは、多価アルコールを開始剤とする、アルキレンオキサイド(C2~3)の付加重合体である。
多価アルコールとしては、例えば、上記の低分子量ポリオールが挙げられる。
すなわち、多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール、3価アルコール、および、4価以上のアルコールが挙げられる。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールおよびジグリセリンが挙げられる。これら多価アルコールは、単独使用または2種類以上併用できる。
アルキレン(C2~3)オキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用できる。
多価アルコールのアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体として、より具体的には、ポリオキシエチレンポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオールが挙げられる。
また、多価アルコールのアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体としては、例えば、プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドの共重合体も、挙げられる。
プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドの共重合体としては、例えば、ランダム共重合体およびブロック共重合体が挙げられる。また、プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドの共重合体としては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオールの分子末端にエチレンオキサイドを付加して得られる共重合体も、挙げられる。
また、ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールとしては、ポリトリメチレンエーテルポリオールも挙げられる。ポリトリメチレンエーテルポリオールは、植物由来の1,3-プロパンジオールを、公知の方法で縮重合することによって、得られる。
なお、ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールとして、アミン化合物のアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体が知られている。しかし、アミン化合物が開始剤であると、アルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体は、水素原子、炭素原子および酸素原子に加えて、窒素原子を含む。そのため、本発明において、マクロポリオールは、アミン化合物のアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体を含まない。ポリオール成分が、アミン化合物のアルキレンオキサイド(C2~3)付加重合体を含むと、硬化物の発泡を惹起する場合があり、また、ポットライフの低下を惹起する場合がある。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランの開環重合物が挙げられる。
また、ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコールも含まれる。非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコールとしては、例えば、テトラヒドロフランと、アルキル置換テトラヒドロフランおよび/または2価アルコールとの共重合物などが挙げられる。なお、非晶性は、常温(25℃)において液状であることを、示す。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと公知の多塩基酸との重縮合物が、挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、植物由来のポリエステルポリオールも挙げられる。植物由来のポリエステルポリオールは、例えば、上記の低分子量ポリオールと、植物由来のヒドロキシカルボン酸とを、縮合反応させることによって得られる。
さらに、ポリエステルポリオールとして、例えば、ラクトン類および/またはラクチド類の開環重合物も挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、上記の低分子量ポリオールと、炭酸ジフェニルとを、エステル交換反応させることによって、得られる。また、ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物も、挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、および、部分ケン価エチレン-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。
水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加重合体が挙げられ、とりわけ好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールが挙げられる。
すなわち、ポリオール成分は、好ましくは、ポリエーテルポリオールからなり、より好ましくは、ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールからなり、さらに好ましくは、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加重合体からなり、とりわけ好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールからなる。
これらを用いることにより、優れた貯蔵安定性を有するポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、発泡が抑制され、さらに、耐ブリード性に優れる硬化物が得られる。
ポリオール成分の数平均分子量は、例えば、400を超過し、好ましくは、1000以上、より好ましくは、1500以上、さらに好ましくは、2000以上である。また、ポリオール成分の数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下、より好ましくは、10000以下、さらに好ましくは、5000以下である。
ポリオール成分の平均水酸基数は、例えば、2以上、好ましくは、2を超過し、より好ましくは、2.2以上である。また、ポリオール成分の平均水酸基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、3未満、さらに好ましくは、2.8以下である。
ポリオール成分の平均水酸基数が上記下限を上回っていれば、とりわけ優れた耐ブリード性を有する硬化物が得られる。
ポリオール成分の平均水酸基数が上記上限を下回っていれば、とりわけ優れたポットライフを有するポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、とりわけ優れた耐ブリード性および機械物性を有する硬化物が得られる。
ポリアミン成分は、必須成分として、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを含有する。
ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを使用すれば、優れた耐ブリード性および機械物性を有する硬化物が得られる。
ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、ジエチルトルエンジアミンのハロゲン化物である。ジエチルトルエンジアミンとしては、2,4-ジエチルトルエンジアミンおよび2,6-ジエチルトルエンジアミンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
すなわち、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、ジエチルトルエンジアミンのベンゼン環に直接結合している水素原子がハロゲン原子に置換された化合物である。ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、2,4-ジエチルトルエンジアミンの6位の水素がハロゲン原子に置換された化合物を、含む。また、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、2,6-ジエチルトルエンジアミンの4位の水素がハロゲン原子に置換された化合物を、含む。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。ハロゲン原子は、単独使用または2種類以上併用できる。ハロゲン原子として、好ましくは、塩素および臭素が挙げられ、より好ましくは、塩素が挙げられる。
ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンとしては、例えば、4-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、6-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、4-ブロモ-3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、および、6-ブロモ-3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンが挙げられる。ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、単独使用または2種類以上併用できる。ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンとして、好ましくは、4-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、および、6-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンが挙げられ、より好ましくは、4-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミンと、6-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンとの併用が挙げられる。
ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの含有割合は、活性水素基含有成分中のアミノ基と水酸基との比率に応じて、調整される。すなわち、活性水素基含有成分において、マクロポリオール中の水酸基と、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基との総量に対する、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基の含有割合が、例えば、20モル%以上、好ましくは、40モル%以上、より好ましくは、50モル%以上、さらに好ましくは、55モル%以上である。また、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基の含有割合が、例えば、95モル%以下、好ましくは、90モル%以下、より好ましくは、85モル%以下、さらに好ましくは、80モル%以下、とりわけ好ましくは、70モル%以下である。
マクロポリオール中の水酸基と、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基との総量に対する、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基の含有割合が、上記下限を上回っていれば、優れた機械物性を有する硬化物が得られる。
マクロポリオール中の水酸基と、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基との総量に対する、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基の含有割合が、上記上限を下回っていれば、ポットライフに優れたポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、優れた耐ブリード性を有する硬化物が得られる。
ポリアミン成分は、任意成分として、その他のポリアミンを含むことができる。
その他のポリアミンは、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを除くポリアミン化合物である。
その他のポリアミンとしては、例えば、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、脂肪族ポリアミンなどが挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンが挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、2,4-ジエチルトルエンジアミン、2,6-ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジフェニルメタンジアミン(MOCA)、4,4’-メチレンビス(n-sec-ブチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、および、テトラクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。
また、芳香族ポリアミンとしては、市販品も挙げられる。市販品としては、例えば、エタキュア100(2,4-ジエチルトルエンジアミンと2,6-ジエチルトルエンジアミンの混合物、アルベマール社製)、エタキュア300(ジメチルチオトルエンジアミン、アルベマール社製)、エタキュア420(4,4’-メチレンビス(n-sec-ブチルアニリン)、アルベマール社製)、ロンザキュアM-DEA(4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、ロンザ社製)、キュアハードMED-J(4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン)、および、TCDAM(テトラクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、イハラケミカル社製)が挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、芳香脂肪族ジアミンが挙げられる。芳香脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,3-キシリレンジアミンおよび1,4-キシリレンジアミンが挙げられる。
脂環族ポリアミンとしては、例えば、脂環族ジアミンが挙げられる。脂環族ジアミンとしては、例えば、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノエチル)シクロヘキサンおよび1,4-ビス(アミノエチル)シクロヘキサンが挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミンが挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、1,2-ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパンおよび1,3-ジアミノペンタンが挙げられる。
その他のポリアミンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のポリアミンの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、適宜調整される。その他のポリアミンの含有割合は、ポリアミン成分の総量に対して、例えば、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、とりわけ好ましくは、0質量%である。
すなわち、その他のポリアミンは、好ましくは、ポリアミン成分に含まれない。つまり、ポリアミン成分は、好ましくは、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンからなる。
ポリアミン成分が、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンからなる場合、とりわけ優れたポットライフを有するポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、とりわけ耐ブリード性に優れた硬化物が得られる。
また、ポリウレタン樹脂組成物は、任意成分として、充填材を含むことができる。
充填材としては、例えば、無機充填材および有機充填材が挙げられる。
無機充填材としては、例えば、粒状充填材、繊維状充填材およびバルーン状充填材が挙げられる。粒状充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、含水塩基性炭酸マグネシウム、カオリナイト、ハロイサイト、アロフェン、パイロフィライト、タルク、セリサイト、イライト、雲母、モンモリロナイト、パイデライト、アメサイト、シャモサイト、焼成クレー、アスベスト、マイカ、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、軽石粉、スレート粉、ケイ藻土、ケイ砂、ケイ石粉、ジブサイト、ベーマイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、金属粉、湿式シリカおよび乾式シリカが挙げられる。繊維状充填材としては、例えば、例えば、ガラス繊維および炭素繊維が挙げられる。バルーン状充填材としては、例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーンおよびセラミックバルーンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
有機充填材としては、例えば、木粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性樹脂粉末および熱硬化性樹脂粉末が挙げられる。
これら充填材は、単独使用または2種類以上併用できる。充填材として、好ましくは、無機充填材が挙げられ、より好ましくは、粒状充填材が挙げられ、さらに好ましくは、炭酸カルシウムが挙げられる。炭酸カルシウムが使用されていれば、優れた保存安定性を有するポリウレタン樹脂組成物が得られる。
また、充填材の含有割合は、ポリウレタン樹脂組成物100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、15質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下、より好ましくは、60質量部以下である。
なお、充填材は、ポリイソシアネート成分および活性水素基含有成分の配合時に、同時に配合されてもよい。また、充填材は、ポリイソシアネート成分および/または活性水素基含有成分に、予め配合されていてもよい。
好ましくは、充填材は、活性水素基含有成分に予め配合される。このような場合、充填材と活性水素基含有成分との混合物は、コンパウンドと称される。
また、ポリウレタン樹脂組成物には、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、添加剤を含むことができる。
添加剤としては、例えば、可塑剤、顔料、消泡剤、有機溶剤、触媒、ブロッキング防止剤、分散剤、沈降防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、染料、滑剤および加水分解防止剤が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
添加剤として、好ましくは、可塑剤、顔料および触媒が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、グリコールエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。可塑剤として、好ましくは、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤が挙げられる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジへプチル、フタル酸ジn-オクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ2-エチルへキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジブチルペンチルおよびフタル酸ジシクロヘキシルが挙げられる。アジピン酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘプチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジn-オクチル、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジ2-エチルへキシル、アジピン酸ジノニル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジトリデシル、アジピン酸ジブチルペンチルおよびアジピン酸ジシクロヘキシルが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
可塑剤の配合割合は、ポリウレタン樹脂組成物100質量部に対して、例えば、0.2質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上、より好ましくは、0.5質量部以上である。また、可塑剤の配合割合は、例えば、30質量部以下、好ましくは、25質量部以下、より好ましくは、23質量部以下である。
顔料としては、一部が上記充填材と重複するが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クルク、バライト、無水石膏、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、マイカ、亜鉛華、鉛白、リトポン、硫化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄(ベンガラ)、クロム酸鉛、酸化クロム、ウルトラマリン、コバルトブルー、シアニンブルー、シアニングリーン、レーキレッドおよびキナクリドンレッドが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、顔料の添加量は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
触媒としては、公知のウレタン化触媒が挙げられる。ウレタン化触媒としては、例えば、アミン系触媒および有機金属触媒が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。なお、触媒の添加量は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
なお、添加剤は、ポリイソシアネート成分および活性水素基含有成分の配合時に、同時に配合されてもよい。また、添加剤は、ポリイソシアネート成分および/または活性水素基含有成分に、予め配合されていてもよい。好ましくは、添加剤は、活性水素基含有成分に予め配合される。
そして、上記ポリウレタン樹脂組成物では、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が9.0質量%以下に調整されている。
また、上記ポリウレタン樹脂組成物では、ポリオール成分が、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールである。
また、上記ポリウレタン樹脂組成物では、ポリアミン成分は、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを含有する。
そのため、上記ポリウレタン樹脂組成物では、可塑剤のブリードを抑制でき、また、発泡を抑制でき、さらに、優れた貯蔵安定性を確保できる。
そのため、上記ポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物(後述)は、好ましくは、弾性舗装材として用いられる。より具体的には、上記ポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物(後述)は、好ましくは、屋外競技場、屋内競技場、運動場の通路、グランド、コート、床面、廊下面、ベランダおよび屋上屋根において、弾性舗装材として用いられる。
上記のポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物を弾性舗装材として用いる場合には、上記したポリウレタン樹脂組成物が、公知の施工方法によって、任意の場所に施工される。
より具体的には、まず、任意の場所を素地調整し、次いで、その下地に、プライマーを塗布する。次いで、プライマー上に、ポリウレタン樹脂組成物を均一に塗工し、硬化させる。塗工方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。
硬化温度は、例えば、0℃以上、好ましくは、5℃以上である。また、硬化温度は、例えば、50℃以下、好ましくは、40℃以下である。
硬化時間は、例えば、5時間以上、好ましくは、8時間以上である。また、硬化時間は、例えば、240時間以下、好ましくは、168時間以下である。
これにより、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させ、硬化物を得ることができる。硬化物は、弾性舗装材である。
このような弾性舗装材は、上記した本発明のポリウレタン樹脂組成物によって、形成されている。そのため、可塑剤のブリードを抑制でき、また、発泡を抑制でき、さらに、硬化前の優れた貯蔵安定性を確保できる。
また、本発明は、型枠材、床材および防水材を含んでいる。
型枠材は、上記のポリウレタン樹脂組成物から形成される。より具体的には、上記ポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物(後述)は、型枠材として、使用される。
型枠材としては、例えば、化粧コンクリート用型枠材が挙げられる。化粧コンクリート用型枠材は、例えば、建築物および土木構造物において、コンクリートの型枠として使用される。また、化粧コンクリート用型枠材は、例えば、任意の凹凸形状を有している。このような型枠材を使用すれば、コンクリート表面に対して、意匠を直接付与できる。また、このような型枠材は、複数回、繰り返し使用できる。
上記のポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物を型枠材として用いる場合には、上記したポリウレタン樹脂組成物が、公知の方法によって、任意の型枠の形に注型される。
より具体的には、まず、任意の型枠形状を有する成形型を準備する。成形型としては、例えば、木製成形型および鋼製成形型が挙げられる。また、成形型の内面には、任意の意匠を施すことができる。意匠としては、例えば、エンボスおよび各種模様が挙げられる。
次いで、この方法では、上記のポリウレタン樹脂組成物を均一に混合し、成形型に注入する。そして、成形型内で、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる。
注型方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。例えば、容器にポリウレタン樹脂組成物を装入し、撹拌羽根付きミキサーで数分撹拌し、成形型に注型してもよい。また、例えば、公知の低圧注型機または高圧注型機により、ポリウレタン樹脂組成物を混合し、成形型に注型してもよい。
硬化温度は、例えば、0℃以上、好ましくは、5℃以上である。また、硬化温度は、例えば、60℃以下、好ましくは、50℃以下である。
硬化時間は、例えば、5時間以上、好ましくは、8時間以上である。また、硬化時間は、例えば、240時間以下、好ましくは、168時間以下である。
これにより、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させ、硬化物を得ることができる。硬化物は型枠材である。
このような型枠材は、上記した本発明のポリウレタン樹脂組成物によって形成されている。そのため、可塑剤のブリードを抑制でき、また、発泡を抑制でき、さらに、硬化前の優れた貯蔵安定性を確保できる。
床材は、上記のポリウレタン樹脂組成物から形成される。より具体的には、上記ポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物(後述)は、床材として、使用される。また、防水材は、上記のポリウレタン樹脂組成物から形成される。より具体的には、上記ポリウレタン樹脂組成物およびその硬化物(後述)は、防水材として、使用される。
床材としては、例えば、路面用床材、廊下面用床材、ベランダ用床材および駐車場用床材が挙げられる。防水材としては、例えば、路面用防水材、廊下面用防水材、ベランダ用防水材、駐車場用防水材および屋上屋根用防水材が挙げられる。
上記のポリウレタン樹脂組成物を、床材および/または防水材として用いる場合には、上記のポリウレタン樹脂組成物を、公知の施工方法によって、任意の場所に施工する。場所としては、例えば、各種施設の路面、廊下面、ベランダ、駐車場、および、屋上屋根が挙げられる。
より具体的には、ポリウレタン樹脂組成物の施工では、まず、上記した任意の場所を素地調整し、公知のプライマーを塗布する。その後、プライマーの上にポリウレタン樹脂組成物を均一に塗工し、硬化させる。塗工方法としては、例えば、鏝、ローラー、レーキおよびスプレーガンが挙げられる。
硬化温度は、例えば、0℃以上、好ましくは、5℃以上である。また、硬化温度は、例えば、60℃以下、好ましくは、50℃以下である。
硬化時間は、例えば、5時間以上、好ましくは、8時間以上である。また、硬化時間は、例えば、240時間以下、好ましくは、168時間以下である。
これにより、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させ、硬化物として、床材および/または防水材を得ることができる。硬化物は床材および/または防水材である。
このような床材および防水材は、上記した本発明のポリウレタン樹脂組成物によって形成されている。そのため、可塑剤のブリードを抑制でき、また、発泡を抑制でき、さらに、硬化前の優れた貯蔵安定性を確保できる。
さらに、本発明は、複合弾性材を、含んでいる。複合弾性材は、上記のポリウレタン樹脂組成物から形成されるポリウレタン樹脂層を備えている。
より具体的には、複合弾性材1は、図1に示すように、弾性層2と、弾性層2の上に積層される耐久層3と、耐久層3の上に積層されるエンボス層4とを備えている。そして、上記のいずれかの層において、上記したポリウレタン樹脂組成物が用いられる。好ましくは、上記の全ての層において、上記したポリウレタン樹脂組成物が用いられる。
弾性層2は、内部に空隙を有する層である。弾性層2は、発泡体チップおよび合成樹脂バインダーを含んでいる。
発泡体チップとしては、例えば、合成樹脂の発泡体チップ、ガラス発泡体のチップ、および、コルクのチップが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
発泡体チップとして、好ましくは、合成樹脂の発泡体チップが挙げられる。
合成樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、発泡体チップは、チップ形状に発泡形成されたものであってもよい。また、発泡体チップは、発泡成形物をチップ状に破砕したものであってもよい。さらに、発泡体チップは、例えば、廃品を、チップ状に再生したものであってもよい。
また、発泡体としては、例えば、硬質発泡体、軟質発泡体および半硬質発泡体が挙げられる。また、発泡体の気泡構造は、独立でもあってもよく、連通であってもよい。
発泡体チップの形状およびサイズは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
より具体的には、発泡体チップの形状としては、例えば、小片、細片、粒状およびビーズ状が挙げられる。また、発泡体チップの平均粒径は、例えば、0.1mm以上、10mm以下である。また、発泡体の密度は、例えば、0.01g/cm以上0.6g/cmである。
弾性層2において、発泡体チップの含有割合は、目的および用途に応じて適宜設定される。
合成樹脂バインダーとしては、複合弾性材において通常使用される公知の合成樹脂が、使用される。より具体的には、合成樹脂バインダーとしては、例えば、ゴムのラテックスおよびエマルジョンが挙げられる。ゴムとしては、公知の天然ゴム、および、公知の合成ゴムが挙げられる。
また、合成樹脂バインダーとしては、例えば、公知のポリウレタン樹脂組成物、および、公知のウレタンプレポリマーも挙げられる。さらに、合成樹脂バインダーとして、上記のポリウレタン樹脂組成物も挙げられる。合成樹脂バインダーとして、好ましくは、上記のポリウレタン樹脂組成物が用いられる。
これにより、弾性層2をポリウレタン樹脂層として得ることができる。
また、弾性層2は、必要に応じて、粒状ゴムを含有することができる。
粒状ゴムは、ゴムのチップである。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン-プロピレンゴム、ポリウレタンゴム、および、それらの加硫ゴムが挙げられる。また、粒状ゴムとして、例えば、廃タイヤの粉砕物を用いることもできる。
これら粒状ゴムは、単独使用または2種類以上併用することができる。
粒状ゴムの形状およびサイズは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。より具体的には、粒状ゴムの平均粒径は、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上である。また、粒状ゴムの平均粒径は、例えば、10mm以下である。
弾性層2における粒状ゴムの含有割合は、目的および用途に応じて適宜設定される。
さらに、弾性層2は、必要に応じて、整泡剤などの公知の添加剤を含有できる。弾性層2における添加剤の含有割合は、目的および用途に応じて適宜設定される。
そして、弾性層2は、例えば、以下の方法で形成される。すなわち、例えば、まず、発泡体チップを、合成樹脂バインダーに配合し、次いで、それらを混合する。次いで、混合物を、舗装基盤上に、公知の方法で塗布する。なお、舗装基盤としては、例えば、コンクリート、モルタルおよびアスファルトコンクリートが挙げられる。次いで、混合物を均一に敷き均し、乾燥および硬化させる。また、乾燥前に、仕上げ機により仕上げ処理することができる。仕上げ機としては、例えば、自動フィニッシャー、金ゴテおよびローラーが挙げられる。
これにより、弾性層2が得られる。弾性層2の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
耐久層3は、例えば、ポリウレタン樹脂からなるポリウレタン樹脂層である。
耐久層3は、好ましくは、上記したポリウレタン樹脂組成物の硬化物である。なお、耐久層3は、公知のポリウレタン樹脂組成物の硬化物であってもよい。
耐久層3は、公知の添加剤を含有できる。添加剤としては、例えば、フィラーおよびチクソ剤が挙げられる。これらを用いることにより、弾性層2の空隙に対するポリウレタン樹脂の侵入が、防止される。なお、添加剤の含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、耐久層3は、例えば、以下の方法で形成される。すなわち、例えば、まず、必要に応じて、添加剤をポリウレタン樹脂組成物に配合し、次いで、それらを混合する。次いで、ポリウレタン樹脂組成物または混合物を、弾性層2の上に、公知の方法で塗布し、乾燥および硬化させる。
これにより、耐久層3が得られる。耐久層3の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
エンボス層4は、例えば、ポリウレタン樹脂からなるポリウレタン樹脂層である。
エンボス層4は、好ましくは、上記したポリウレタン樹脂組成物の硬化物である。なお、エンボス層4は、公知のポリウレタン樹脂組成物の硬化物であってもよい。
エンボス層4は、公知の充填材および/または添加剤を含有できる。なお、充填材および/または添加剤の含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、エンボス層4は、例えば、以下の方法で形成される。すなわち、例えば、まず、必要に応じて、充填材および/または添加剤をポリウレタン樹脂組成物に配合し、次いで、それらを混合する。次いで、ポリウレタン樹脂組成物または混合物を、耐久層3の上に、公知の方法で塗布し、乾燥および硬化させる。その後、ポリウレタン樹脂組成物の硬化物の表面を、公知の方法でエンボス加工する。
これにより、エンボス層4が得られる。エンボス層4の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。また、エンボス層4のエンボスパターンは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
なお、図示しないが、複合弾性材1は、中間層を含むことができる。中間層としては、例えば、フォーム樹脂層、プライマー層および目止め層が挙げられる。中間層は、例えば、弾性層2と耐久層3との間に介在できる。また、中間層は、例えば、耐久層3とエンボス層4との間に介在できる。
そして、上記の複合弾性材1は、上記したポリウレタン樹脂組成物を用いて得られる。
そのため、可塑剤のブリードを抑制でき、また、発泡を抑制でき、さらに、硬化前の優れた貯蔵安定性を確保できる。
そのため、複合弾性材1は、例えば、運動場の通路、屋外競技場、屋内競技場、コートなどの舗装において、好適に用いられる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される対応する数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
<ポリイソシアネート成分>
製造例1および製造例5~9
攪拌機、温度計および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、原料ポリイソシアネートと原料ポリオールとを、表1に記載の割合で仕込んだ。
次いで、原料ポリイソシアネートと原料ポリオールとを、窒素雰囲気下、90℃で4時間反応させた。また、製造例9では、反応液を薄膜蒸留(150℃、真空度50Pa)し、未反応の原料ポリイソシアネートを除去した。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーAおよびE~Iを得た。
その後、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有率(NCO%)を、JIS K7301(1995)に記載のイソシアネート基含有率試験により測定した。
また、イソシアネート基末端プレポリマーを、ポリイソシアネート成分AおよびE~Iとして使用した。
製造例2~4
攪拌機、温度計および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、原料ポリイソシアネートと高分子量ポリオールとを、表1に記載の割合で仕込んだ。
次いで、原料ポリイソシアネートと高分子量ポリオールとを、窒素雰囲気下、90℃で1時間反応させた。次いで、これらの反応生成物に、表1に記載の処方で、低分子量ポリオールを添加し、90℃で4時間反応させた。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーB~Dを得た。
その後、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有率(NCO%)を、JIS K7301(1995)に記載のイソシアネート基含有率試験により測定した。
また、イソシアネート基末端プレポリマーを、ポリイソシアネート成分B~Dとして使用した。
<活性水素基含有成分>
調製例1~14
表2~表3に記載の処方に従って、ポリオール成分、ポリアミン成分、可塑剤、顔料、充填材および消泡剤を混合した。これにより、活性水素基含有成分を含むコンパウンドa~nを得た。
調製例15
調製例1のコンパウンドaと、調製例12のコンパウンドlとを、混合した。なお、質量比を、5:5に調整した。これにより、コンパウンドoを得た。
<ポリウレタン樹脂組成物>
実施例1~16および比較例1~7
表4~表8に記載の処方に従って、ポリウレタン樹脂組成物を調製した。その後、ポリウレタン樹脂組成物を、所定の型に流し込み、23℃相対湿度55%で7日間、硬化養生させた。これにより、硬化物を得た。
なお、触媒の配合量は、ポットライフが40~60分となるように、調整した。これにより、硬化時間をほぼ統一した状態で、硬化物の物性を対比可能とした。
<評価>
(1)ポットライフ
表4~表8に記載の処方に従って、各成分を、全体量が100gとなるように、23℃、相対湿度55%で撹拌混合した。そして、混合粘度が100,000mPa・sに達するまでの時間を、東機産業社製B型粘度計TV-25型を用いて、測定した。
なお、弾性舗装材、型枠材および複合弾性材に用いる観点から、ポリウレタン樹脂組成物には、3分以上のポットライフが要求される。
そのため、ポットライフが3分未満であるポリウレタン樹脂組成物に対して、硬化物を評価しなかった。
(2)耐ブリード性
厚み2mmの硬化物を製造した。そして、硬化物を目視観察し、さらに、硬化物を指触評価した。これにより、耐ブリード性を評価した。なお、触媒の配合量が調整されているため、硬化に必要な時間が、ほぼ統一されていた。そのため、所定の硬化時間あたりの耐ブリード性が、対比可能であった。
評価の基準を、下記する。
◎:表面に液状成分が観察されなかった。また、表面に指触の跡が残らなかった。
○:表面に液状成分が観察されなかった。しかし、表面に指触の跡が残った。
△:表面に微量の液状成分が観察された。
×:表面に多量の液状成分が観察された。
(3)発泡
厚み15mmの硬化物を製造した。硬化物の外観を目視で確認した。そして、発泡の有無を、以下の基準で確認した。
○:膨張および空隙が観察されず、発泡していないことが確認された。
×:膨張および空隙が観察され、発泡していることが確認された。
(4)硬度
厚み15mmの硬化物を製造した。そして、硬化物の硬度を、タイプAのデュロメータを用いて、測定した。なお、測定方法は、JIS K6253(2012)に準拠した。
なお、硬化物が発泡している場合、硬度の測定値は、参考値である。
(5)機械強度
厚み2mmの硬化物を得た。そして、硬化物を、JIS K6251(2010)に定めるダンベル状3号形に打ち抜き、サンプルを得た。その後、サンプルの引張性能および破断伸びを、23℃、相対湿度55%で測定した。
また、硬化物を、JIS K6252(2007)に定める、切込みなしのアングル形に打ち抜き、サンプルを得た。その後、サンプルの引裂強度を、23℃、相対湿度55%で測定した。
なお、サンプルの点数は各3点とした。また、機械強度の測定では、万能型引張試験装置を用いた。なお、クロスヘッドスピードを、500mm/分に設定した。
より具体的には、ダンベル状3号形サンプルが破断するときの引張強度を、上記装置および条件で測定した。
また、ダンベル状3号形サンプルが破断するときの伸び率を、上記装置および条件で測定した。
さらに、切込みなしのアングル形サンプルが破断するまでのうち、最大強度を引裂強度とし、その引裂強度を、上記装置および条件で測定した。
(6)貯蔵安定性
活性水素基含有成分を、室温で1週間放置した。その後、充填材の沈降の度合いを、目視で確認した。そして、以下の基準で評価した。
○:充填材の沈降が観察されなかった。
△:充填材の沈降がわずかに観察された。
×:充填材の沈降が観察された。
Figure 2022043979000002
Figure 2022043979000003
Figure 2022043979000004
Figure 2022043979000005
Figure 2022043979000006
Figure 2022043979000007
Figure 2022043979000008
Figure 2022043979000009
なお、表中の略号の詳細を下記する。
TDI:トリレンジイソシアネート
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
T-80:コスモネートT-80、2,4-TDIと2,6-TDIとの混合物、2,4体/2,6体=80/20(質量比)、MCNS社製
T-100:コスモネートT-100、2,4-TDI、MCNS社製
PH-LK:コスモネートLK、MDIのカルボジイミド変性体、NCO%28%、MCNS社製
300M:コスモネート300M、4,4’-MDI、東ソー社製
D-2000:アクトコールD-2000、ポリオキシプロピレンジオール、PPG、数平均分子量2000、MCNS社製
D-3000:アクトコールD-3000、ポリオキシプロピレンジオール、PPG、数平均分子量3000、MCNS社製
T-3000:アクトコールT-3000、ポリオキシプロピレントリオール、PPT、数平均分子量3000、MCNS社製
T-4000:アクトコールT-4000、ポリオキシプロピレントリオール、PPT、数平均分子量4000、MCNS社製
T-5000:アクトコールT-5000、ポリオキシプロピレントリオール、PPT、数平均分子量5000、MCNS社製
EA-0081:アクトコールEA-0081、アミン開始ポリオキシプロピレンジオール、数平均分子量4300、MCNS社製
ED-56:アクトコールED-56、ポリオキシエチレン含有ポリオキシプロピレンジオール、PPG(EO含有)、数平均分子量2000、MCNS社製
EP-330N:アクトコールEP-330N、ポリオキシエチレン含有ポリオキシプロピレントリオール、PPT(EO含有)、数平均分子量5100、MCNS社製
1,4-BD:1,4-ブタンジオール、三菱化学社製
DETDA:エタキュア100、2,4-ジエチルトルエンジアミンと2,6-ジエチルトルエンジアミンの混合物、アルベマール社製
P-25:ロンザキュアP-25、4-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミンと、6-クロロ-3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンとの混合物、ロンザ社製
DOP:可塑剤、フタル酸ジオクチル、新日本理化社製
NSR-300:顔料、べんがら、森下弁柄工業社製
SS-50:充填材、炭酸カルシウムSS-50、日東粉化工業社製
BK-115:充填材、酸化アルミニウム、水硬性アルミナ、住友化学製
P-450:消泡剤、ディスパロンP-450、楠本化学社製
触媒:ニッカオクチックス鉛24%(T)、オクチル酸鉛60%品、日本化学産業社製

Claims (10)

  1. ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを含有し、
    前記ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率が9.0質量%以下であり、
    前記活性水素基含有成分は、ポリオール成分とポリアミン成分とを含有し、
    前記ポリオール成分が、水素原子、炭素原子および酸素原子からなるマクロポリオールであり、
    前記ポリアミン成分は、ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンを含有する
    ことを特徴とする、ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記マクロポリオールが、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加重合体であるポリエーテルポリオールからなる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記活性水素基含有成分において、
    前記マクロポリオール中の水酸基と、前記ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン中のアミノ基との総量に対する、前記アミノ基の含有割合が、50モル%以上85モル%以下である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート基数が、2を超過し3未満である
    ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ポリオール成分の平均水酸基数が、2を超過し3未満である
    ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする、弾性舗装材。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする、型枠材。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする、防水材。
  9. 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする、床材。
  10. ポリウレタン樹脂層を備える複合弾性材であり、
    前記ポリウレタン樹脂層が、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする、複合弾性材。

JP2021072690A 2020-09-04 2021-04-22 ポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材 Pending JP2022043979A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020148823 2020-09-04
JP2020148823 2020-09-04

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022043979A true JP2022043979A (ja) 2022-03-16

Family

ID=80668774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021072690A Pending JP2022043979A (ja) 2020-09-04 2021-04-22 ポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022043979A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023146075A (ja) * 2022-03-29 2023-10-12 アイカ工業株式会社 コンクリート床用目地材組成物及びその施工方法及びコンクリート床
CN117447677A (zh) * 2023-12-22 2024-01-26 山东一诺威聚氨酯股份有限公司 驱虫型聚氨酯塑胶材料及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023146075A (ja) * 2022-03-29 2023-10-12 アイカ工業株式会社 コンクリート床用目地材組成物及びその施工方法及びコンクリート床
CN117447677A (zh) * 2023-12-22 2024-01-26 山东一诺威聚氨酯股份有限公司 驱虫型聚氨酯塑胶材料及其制备方法
CN117447677B (zh) * 2023-12-22 2024-04-23 山东一诺威聚氨酯股份有限公司 驱虫型聚氨酯塑胶材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101825757B1 (ko) 옥외 시설물의 포장면 제조 방법
JP5959718B2 (ja) ポリウレタン樹脂組成物、防水材および複合弾性材
KR101310615B1 (ko) 폴리우레탄 도막 방수재 조성물 및 그 조성물을 이용한 스프레이형 도장방법
TW200418895A (en) Polyurethane dispersion and articles prepared therefrom
JP2022043979A (ja) ポリウレタン樹脂組成物、弾性舗装材、型枠材、防水材、床材および複合弾性材
KR100987339B1 (ko) 코르크 칩 혼합용 폴리우레탄 바인더 및 그를 이용한 탄성 바닥재
CA2539599A1 (en) Two-component composition for the production of polyurethane gel coats for epoxy resin and vinyl ester resin composite materials
JP4803045B2 (ja) ウレタンセメント系組成物、塗り床材及びその施工方法
JP6069576B2 (ja) スプレーポリウレタンエラストマーの製造方法及び該方法で製造されたエラストマー
JP7299139B2 (ja) 弾性舗装材の製造方法
KR100684162B1 (ko) 우레탄 시트용 수지 조성물 및 이를 이용한 우레탄 시트의시공방법
JP3149413B1 (ja) 常温硬化性舗装材
JP2000072507A (ja) ポリマーセメント組成物
KR20150130716A (ko) 친환경 소재를 적용한 폴리우레탄 트랙 및 이의 시공방법
KR20180129230A (ko) 비노출용 방수 구조 및 그 시공방법
JP7344105B2 (ja) 構造物の保護方法
JP6442638B1 (ja) 2液混合常温硬化型舗装材及び弾性舗装方法
KR20040012389A (ko) 자기평활성, 환경친화성 및 작업성이 우수한 이성분계폴리우레탄 방수재 및 그에 사용되는 경화제
JP2003064349A (ja) ポリウレタン系塗膜防水材およびそれを用いた塗膜防水工法
JP2001026630A (ja) ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法
JP6327814B2 (ja) 全天候弾性舗装体
JP4120847B2 (ja) 常温硬化ポリウレタンポリウレア被覆組成物
KR100586037B1 (ko) 친환경적 우레탄 시트 및 그 제조방법
KR102572673B1 (ko) 폐폴리우레탄을 재활용한 육상트랙용 포장재 조성물 및 이를 이용한 육상트랙 시공방법
KR102485825B1 (ko) 주차장 바닥용 중도코팅제 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240112