JP2002255714A - ホタテ貝殻粉焼成物からなる細菌抑制剤 - Google Patents

ホタテ貝殻粉焼成物からなる細菌抑制剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト・環境にやさしく無害な天然無機廃棄物
である「ホタテ貝殻」の有効利用として、効果の高い除
菌・抗菌剤(病原性細菌などの抑制効果)・防カビ剤を
提供する。 【解決手段】 炭酸カルシウムを主成分とするホタテ貝
殻を原料とし、この貝殻を乾燥、粉砕後、好ましくは7
00℃で焼成処理した細菌抑制剤ないしダイオキシン抑
制剤及びホルムアルデヒド抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、炭酸カルシウムを
主成分とするホタテ貝殻の粉砕物を所定温度で焼成処理
したものであって、大腸菌などの細菌類の繁殖を抑制す
る作用を有し、除菌剤、抗菌剤、または防カビ剤として
用いることができ、またダイオキシンの抑制剤及びホル
ムアルデヒドの抑制剤としての効果を併せ持つホタテ貝
殻の粉砕焼成処理物に関する。
【0002】
【従来の技術】除菌剤や抗菌剤として無機系、有機系、
天然系の材料が知られている。無機系の材料として、抗
菌性の金属(銀・銅・亜鉛など)をゼオライト、シリカ
ゲル、セラミックなどに結合させた金属化合物が開発さ
れている。有機系材料は殺菌剤、殺虫剤、防カビ剤、防
腐剤としても使われている。天然系材料は主に抗菌性の
ある天然素材からの抽出物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】無機系の除菌・抗菌材
料は有機系材料に比べてその効果は緩く、程度も弱い。
一方、汗などに熔解せず、ガス化しないので皮膚障害や
呼吸器障害を生じる可能性は低い。しかし、新たな耐性
菌の出現や金属アレルギー発症の問題が発生している。
有機系材料は殺菌剤・殺虫剤・防カビ剤・防腐剤として
も使われている薬剤類であり、直接作用するため効果は
早く強いが、人体への影響も大きい。天然系材料は揮発
性や溶質性があり、有機系と同様に健康被害の可能性が
高いものがある。例えば、ワサビやからしの抗菌成分、
ハーブ精油成分はガス化しやすいために皮膚だけでなく
呼吸器系を通じた健康被害にも注意する必要がある。
【0004】北海道のホタテ貝生産量は年間40万トン
以上に達し、この40%(約16万トン)程度は貝殻の
部分であり、大部分が廃棄物処理されている。しかも、
ホタテ貝の養殖は年々拡大しており、その廃棄物の処理
が大きな問題になっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その廃棄処理
が問題視されているホタテ貝殻を有効に再利用すること
によって、除菌剤や抗菌剤等について従来の無機系材
料、有機系材料、および天然系材料における上記問題を
解決したものである。
【0006】すなわち、本願請求項1の発明は、ホタテ
貝殻の粉砕物を焼成してなる細菌抑制剤に関する。ま
た、請求項2の発明は除菌剤、抗菌剤、または防カビ剤
として用いられる細菌抑制剤であり、請求項3の発明は
焼成温度が600〜700℃である細菌抑制剤、請求項
4の発明は粉砕物の粒度が5mm以下、好ましくは10
μm以下である細菌抑制剤である。
【0007】また、本願請求項5の発明は、ホタテ貝殻
の粉砕物を焼成してなるダイオキシン抑制剤に関し、請
求項6の発明は焼成温度が600〜700℃であり、粉
砕物の粒度が5mm以下、好ましくは10μm以下であ
るダイオキシン抑制剤に関するものである。
【0008】また、本願請求項7の発明は、ホタテ貝殻
の粉砕物を焼成してなるホルムアルデヒド抑制剤に関
し、請求項8の発明は焼成温度が600〜700℃であ
り、粉砕物の粒度が5mm以下、好ましくは10μm以
下であるホルムアルデヒド抑制剤に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に即して
詳細に説明する。第一の発明は、ホタテ貝殻の粉砕物を
焼成してなる細菌抑制剤に関する。この細菌抑制剤は、
具体的には除菌剤、抗菌剤、または防カビ剤として用い
られる。また、その焼成温度は600〜700℃が適当
であり、粉砕物の粒度は5mm以下が良く、10μm以
下が好ましい。焼成時間は粉砕物の量および大きさに応
じて4〜12時間程度である。なお、本発明において細
菌とは病理学上の細菌に限らず、カビ菌や微生物類を含
む意味である。
【0010】本発明の除菌剤、抗菌剤としての効果(細
菌増殖抑制効果)は、ホタテ貝殻粉の焼成処理によっ
て、貝殻の成分が変化して生成する酸化カルシウムと貝
殻の主成分である炭酸カルシウムなどの酸化物によって
得られる。これらの成分によって大腸菌(各種細菌;黄
色ブドウ状球菌など)がダメージを受け、その増殖が抑
えられ一部は減菌される。
【0011】この菌に対する「損傷・増殖阻害活性」は
焼成貝殻粉中に一時的に発生する活性酸素種(O
による酸化作用の可能性が最近示唆されている。この活
性酸素種(O )は寿命が短く、大腸菌などに損傷を
与えると同時に炭酸カルシウム結晶内へ転化されると考
えられる。従って、完全な炭酸カルシウムCaOの形態
でない方が充分な「損傷・増殖阻害活性」を有し、かつ
持続性も高いと考える。
【0012】上述の作用を有するには、600〜700
℃、好ましくは650〜700℃の焼成温度で処理する
のが好ましく、700℃より高温度で焼成すると、炭酸
カルシウムが分解して酸化カルシウムが多くなるので、
好ましくない。一方、600℃未満の温度では焼成処理
が不十分になる。
【0013】また、本発明のホタテ貝殻粉焼成処理物は
ダイオキシンの発生を抑制する効果を有する。本発明の
ホタテ貝殻粉焼成物をダイオキシンに添加することによ
り、このホタテ貝殻粉焼成物に含まれる酸化カルシウ
ム、発生する活性酸素種(スーパーオキシド)、ヒドロ
キシルラジカル、過酸化水素、酸素ラジカル、電子が1
個不足している酸素化合分子などが、ダイオキシンの脱
塩素化反応、およびアルカリ(加水)分解に作用し、こ
れによってダイオキシンの発生が抑制されるものと考え
らる。因みに、この焼成物の成分は必ずしも完全にCa
Oにしない方が分解力があると考えられる。
【0014】また、本発明のホタテ貝殻粉焼成処理物は
ホルムアルデヒドの発生を抑制する効果を有する。本発
明のホタテ貝殻粉焼成物をホルムアルデヒドに添加する
ことにより、「アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶
液による黄色発色」が消失したことは、定量試験に用い
たアンモニウム塩(酢酸アンモニウム)とホルムアルデ
ヒド(HCHO)の反応により生成した「ヘキサメチレ
ンテトラミン[(CH]」が、さらに、「ア
セチルアセトン(CHOCHCOCH)」と反応
生成した『黄色錯化複合体』が焼成貝殻紛により酸化分
解したために退色したものと考えられる。一般にメタノ
ール(CHOH)などが酸化されてホルムアルデヒド
(HCHO)になり、さらに酸化されて、無害なカルボ
ン酸(CHCOOH)などの有機酸になる事が良く知
られている。従って、本試験結果より、除去・分解試験
に用いた『焼成(700℃)ホタテ貝殻紛』は、有害
「ホルムアルデヒド(HCHO)」を完全に無害な有機
酸などの形態(カルボキシル基;−COOH基を有する
酸化生成物)に分解・除去する事が確認された。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0016】〔実施例1〕ホタテ貝殻粉のダイオキシン
に対する分解特性試験。 1.試験方法 分光光度法(紫外分光)により、ダイオキシン[2、
3、7、8−テトラクロロジベンゾ−p(パラ)−ダイ
オキシン;50ppm]標準品を用い、700℃で焼成
したホタテ貝殻粉の分解能について検討を行った。ま
ず、上記標準ダイオキシンにトルエンを加えて、2pp
m(mg/L)に希釈調製した。その後、このダイオキ
シン−トルエン溶液に本発明の焼成ホタテ貝殻粉(1w
t%)を添加し、1時間振盪した。その上澄液につい
て、分光光度計(日立製、U−2000)を用い、波長
200μm〜400μmの紫外線領域でスキャンニング
測定を行った。また、トルエン溶液を対照液として同様
の測定を行った。さらに併行して、このホタテ貝殻粉を
添加しない試料についても同様の測定を行った。測定は
容量1cmの石英セルを用い、トルエン溶媒および貝殻
粉の吸収妨害を避けるため、バックグラウンド補正を行
った。また、本発明のホタテ貝殻粉を添加した試料と無
添加の試料について、分解特性を吸光値(Absorb
ance)より算出した。この結果を表1〜表6に示し
た。
【0017】2.試験結果 特性吸収波長域である320μmでの吸収特性により半
定量を行った。その結果、本発明のホタテ貝殻粉焼成物
を1wt%添加したものは、320μmでの吸収極大が
無添加を基準として約45%(Abs.1.83→1.
00)であり、、タイオキシンの分解率が高かった。
【0018】〔実施例2〕ホタテ貝殻粉のホルムアルデ
ヒド(HCHO)に対する分解特性試験。 1.試験方法 建材よりのホルムアルデヒド放散量定量試験は、農林水
産省告示第九百七十九号(平成12年8月6日〜施行)
に準じて行った。すなわち、ガラス製デシケーター(計
240mm)内の底部に蒸留水300mlを入れた結晶
皿(120mm×60mm)を設置し、さらに、試験肩
(150mm×50mm)5肩(企画は10肩)を入
れ、インキュベーター内で20℃、24時間静か致死放
散するホルムアルデヒドを蒸留水に九州捕集した。捕集
した吸収ホルムアルデヒド水溶液を試験溶液として、試
験溶液25mlについてアセチルアセトン−酢酸アンモ
ニウム溶液を用いるアセチルアセトン法により定量を行
った。定量は、分光光度計(日立製 U−2000)を
用いて波長415nm(名のメーター)での急高度を測
定する緋色分析により行った。別途、2ppm〜10p
pmホルムアルデヒド標準液により作成した件稜線より
放散ホルムアルデヒド濃度(ppm;mg/L)を算出
した。次に、ホルムアルデヒド分解試験は、アセチルア
セトン(CHOCHCOCH)により発色した
「黄色錯化合物溶液」に、1%濃度になるように700
℃焼成ホタテ貝殻紛を添加投入し24時間後の退色度よ
り求めた。退色度は併行して行った貝殻紛無添加溶液と
比較する事により判別した。
【0019】2.試験結果 アセチルアセトン法による比色定量により、20℃、2
4時間での「建材放散量(mg/L;ppm)」は、
1.23mg・L(ppm)であった。従って、供試建
材は日本農林規格建材の『FC1(平均放散量1.5m
g/L)』に相当する値であった汗散るアセトン法によ
る定量後の黄色溶液50ml中へ焼成貝殻分を1%濃度
で添加し、室温・24時間静置した。その結果、700
℃貝殻焼成粉1%、室温24時間処理でほとんど完全に
分解され、全く呈色を示さなくなった。さらに、貝殻紛
無添加溶液と共に分光光度計により415nmでの吸光
度を測定したところ、焼成(700℃)貝殻紛添加溶液
では全く吸収が認められず、建材より放散・吸収された
ホルマリンのほぼ全量が分解された事が示唆された。
【0020】〔実施例3〕ホタテ貝殻焼成粉による細菌
抑制試験 ホタテ貝殻を乾燥後、直径1cm以下に粉砕後、700
℃で5時間焼成し、常温まで自然冷却後、微粉砕(直径
150μm以下)した粉砕物とした。また、比較例とし
て未焼成物を用いた。これらの粉砕物を用いた試験結果
を以下の表1〜表10および図1〜図5に示した
【0021】表1はホタテ貝殻粉の未加熱品と700℃
焼成品の成分値である。表2はホタテ貝殻粉の未加熱
品、500℃焼成品、700℃焼成品のpH値とEC値
(ホタテ貝殻粉1%水溶液)である。なお、炭酸カルシ
ウム粉と(酸化カルシウム粉のpH値とEC値(CaC
、CaO各1%水溶液)を比較基準として表2に対
比して示した。表2に示すように、ホタテ貝殻700℃
焼成粉は、pH値が炭酸カルシウムと酸化カルシウムの
中間値であり、電気伝導度(EC値)は酸化カルシウム
よりも高い値を有する。従って、抗菌効果について炭酸
カルシウムや酸化カルシウムよりも有利である。
【0022】表3は、大腸菌汚染砂の抽出液に本発明の
ホタテ貝殻焼成粉を添加した処理液を加えた場合のpH
値とEC値の測定データである。なお、大腸菌汚染砂の
抽出液は汚染砂10gを蒸留水30mlに攪拌し、25
℃で1時間自然放置したものであり、本発明のホタテ貝
殻焼成粉を添加した処理液はホタテ貝殻粉を1%添加し
た水溶液である。
【0023】表4は、ホタテ貝殻焼成粉による汚染土の
大腸菌等の増殖抑制(抗菌)効果を示す試験結果であ
る。大腸菌汚染土抽出液に本発明のホタテ貝殻焼成粉を
添加した処理液を加え、デスオキシコレート寒天培地に
より37℃培養器内で24時間培養した後の出現コロニ
ー数を測定し、抗菌率(%)を示した。なお、大腸菌汚
染砂の抽出液は汚染砂10gを蒸留水30mlに攪拌
し、1時間振盪後、3000回転で20分間遠心分離し
たものを用いた。また、本発明のホタテ貝殻焼成粉を添
加した処理液はホタテ貝殻粉を1%添加した水溶液であ
る。表4の結果に示すように、本発明のホタテ貝殻焼成
物を添加することによって、100%に近い抗菌率が達
成される。
【0024】表5は、牛舎内糞尿の大腸菌等に対する増
殖抑制(抗菌)効果を示すデータである。糞尿1gに対
して700℃で焼成したホタテ貝殻粉を直接に添加した
もの(添加量0.5〜4.0%)を1時間振盪し、ろ過
(No.2c)後、1〜5日間室温(25℃)に静置
し、出現コロニー数を測定した。表5の結果に示すよう
に、本発明のホタテ貝殻焼成粉は、2%添加から抗菌効
果を発揮し、4%添加したものは完全な抗菌活性(抑
制)が見られた。
【0025】表6は、未焼成のホタテ貝殻粉を用いた場
合の腸管出血性大腸菌(O−157)に対する増殖抑制
(抗菌)効果を示すデータである。添加細菌(腸管出血
性大腸菌O−157分離株)、細菌濃度(3,000C
FU/ml、100ml)、細菌希釈溶液(トリプトソ
イブイヨン)の条件下で、菌液100mlにホタテ貝殻
粉(未加熱)を各々0.1g、1g、10g添加後、3
7℃で培養し、1、3、6、24時間後の菌数を測定し
た。表6の結果に示すように未焼成のホタテ貝殻を用い
ると、10g添加しても、菌数は培養時間とともに増加
する傾向にあり、未焼成紛では抗菌活性(抑制)効果は
見られなかった。
【0026】表7は、500℃で焼成したホタテ貝殻粉
を用いた場合の腸管出血性大腸菌(O−157)に対す
る増殖抑制(抗菌)効果を示すデータである。添加細菌
(腸管出血性大腸菌O−157分離株)、細菌濃度
(3,000CFU/ml、100ml)、細菌希釈溶
液(トリプトソイブイヨン)の条件下で、菌液100m
lにホタテ貝殻粉(500℃、5時間焼成)を各々0.
1g、1g、10g添加後、37℃で培養し、1、3、
6、24時間後の菌数を測定した。表7の結果に示すよ
うに500℃で5時間焼成したホタテ貝殻を用いると、
10g添加したものの菌数は少ないが、抗菌活性(抑
制)効果は十分ではない。
【0027】表8は、700℃で焼成したホタテ貝殻粉
を用いた場合の腸管出血性大腸菌(O−157)に対す
る増殖抑制(抗菌)効果を示すデータである。添加細菌
(腸管出血性大腸菌O−157分離株)、細菌濃度
(3,000CFU/ml、100ml)、細菌希釈溶
液(トリプトソイブイヨン)の条件下で、菌液100m
lにホタテ貝殻粉(700℃、5時間焼成)を各々0.
1g、1g、10g添加後、37℃で培養し、1、3、
6、24時間後の菌数を測定した。表8の結果に示すよ
うに700℃で5時間焼成したホタテ貝殻を用いると、
0.1g添加したものでも菌数は殆ど0に近く、1.0
g以上添加したものの菌数は0であり、完全な抗菌活性
(抑制)が見られた。
【0028】表9、表10は、700℃焼成ホタテ貝殻
による黄色ブドウ状球菌(表9)および緑膿菌(表1
0)に対する増殖抑制(抗菌)効果を示すデータであ
る。使用菌株:Staphylococcus aur
eus ATCC33862(黄色ブドウ状球菌)、P
seudomonas aeruginosa ATC
C27853(緑膿菌)を使用し、培養条件は、菌株を
トリプトソイブイヨンで3代継代し、4代目を0.1%
ペプトン加生食で1000倍に希釈し、各々10g、1
g、0.1g添加した後、37℃で培養し、1、3、
6、24時間後の菌数を測定した。この結果に示すよう
に、本発明のホタテ貝殻焼成粉を用いると、1.0g以
上の添加によって菌数は0になり、強い殺菌作用が見ら
れる。
【0029】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、ホタテ
貝殻粉の700℃焼成物は、大腸菌、腸管出血性大腸菌
(O−157)、黄色ブドウ状球菌、緑膿菌の何れに対
しても優れた殺菌作用を有する。
【0030】本発明のホタテ貝殻焼成粉を、除菌剤や抗
菌剤として公園等の砂場等に使用する場合には、効果の
即効性および持続性の点から、5mm以下の粒径が好ま
しい。また、本発明のホタテ貝殻焼成粉をセメント骨材
の材料として用い、除菌・抗菌効果を発揮させる場合に
も5mm以下の粒径のものを使用すれば持続性が向上
し、防カビ効果も併せ持つ。
【0031】一方、本発明のホタテ貝殻焼成粉を微粉砕
(粒径150μm以下)し、タイル素材に混入して焼成
すると抗菌効果を有するタイルとなり、防カビ効果が得
られる。さらに、本発明のホタテ貝殻焼成粉を微粉砕
(粒径5μm以下)して、塗料・洗剤・化学繊維・塩化
ビニール等の石油製品等に混入して用いると、除菌・抗
菌効果に加えて防カビ効果、最終処分の焼却処分時には
ダイオキシン抑制効果がある。
【0032】なお、本発明のホタテ貝殻焼成粉は、天然
素材を原料とする焼成貝殻であり、食品衛生法および栄
養改善法の一部を改正する法律に規定する既存添加物名
簿(平成8年4月16日厚生省告示第百二十号)の二百
十八に焼成カルシウム(貝殻を焼成して得られたカルシ
ウム化合物を主成分とするもの)として記載されてお
り、人体に対して安全であることが公認されている。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】
【表10】
【図面の簡単な説明】
【図1】表6に対応する試験結果を示すグラフ。
【図2】表7に対応する試験結果を示すグラフ。
【図3】表8に対応する試験結果を示すグラフ。
【図4】表9に対応する試験結果を示すグラフ。
【図5】表10に対応する試験結果を示すグラフ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 319/24 C07D 319/24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホタテ貝殻の粉砕物を焼成してなる細菌
    抑制剤。
  2. 【請求項2】 除菌剤、抗菌剤、または防カビ剤として
    用いられる請求項1の細菌抑制剤。
  3. 【請求項3】 焼成温度が600〜700℃である請求
    項1または2の細菌抑制剤。
  4. 【請求項4】 粉砕物の粒度が5mm以下、好ましくは
    10μm以下である請求項1、2、または3の細菌抑制
    剤。
  5. 【請求項5】 ホタテ貝殻の粉砕物を焼成してなるダイ
    オキシン抑制剤。
  6. 【請求項6】 焼成温度が600〜700℃であり、粉
    砕物の粒度が5mm以下、好ましくは10μm以下であ
    る請求項5のダイオキシン抑制剤。
  7. 【請求項7】 ホタテ貝殻の粉砕物を焼成してなるホル
    ムアルデヒド抑制剤
  8. 【請求項8】 焼成温度が600〜700℃であり、粉
    砕物の粒度が5mm以下、好ましくは10μm以下であ
    る請求項6のホルムアルデヒド抑制剤。
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