JP2004149660A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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貴史 久保
Katsutoshi Aoki
克敏 青木
Eiji Shirai
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Abstract

【課題】非磁性一成分トナーの結着樹脂として用い、長時間現像を繰り返した際にも、カブリの発生や、トナーの流動性の低下を防止することができる、非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法、並びに該ポリエステル樹脂組成物を含有した非磁性一成分トナーを提供すること。
【解決手段】チタン化合物を含有してなる非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物であって、前記チタン化合物の含有量が0.005〜4重量%であり、ガラス転移点が60〜75℃、軟化点が135〜155℃、クロロホルム不溶分が5〜30重量%である、非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物、該ポリエステル樹脂組成物を含有してなる非磁性一成分トナー及びチタン化合物の存在下で、原料モノマーを縮重合させて得られる、前記ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの結着樹脂として好適に用いられる非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法、並びに該ポリエステル樹脂組成物を含有した非磁性一成分トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
非磁性一成分現像方式では、現像剤への静電荷の付与、及び現像剤層の厚みを規定するための層規制部材と現像ローラとの間でトナーに力学的ストレスが加えられるため、現像を長時間繰り返して行うと、現像ローラや層規制部材にトナーのフィルミングが生じ、帯電不良となり、カブリが発生したり、外添剤の埋め込み等により、トナーの流動性が悪化しやすい。
【0003】
そこで、フィルミングによるカブリやトナーの流動性を解決するために、見かけ溶融粘度を限定する方法(特許文献1)や、誘電正接の値を規定し、樹脂の帯電を制御するという方法(特許文献2)、また、特定の外添剤を使用する方法(特許文献3)が提案されているが、その効果は十分とはいえない。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−80806号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平10−268548号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開平2001−66821号公報(請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非磁性一成分トナーの結着樹脂として用い、長時間現像を繰り返した際にも、カブリの発生や、トナーの流動性の低下を防止することができる、非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法、並びに該ポリエステル樹脂組成物を含有した非磁性一成分トナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、非磁性一成分トナー用結着樹脂として使用されるポリエステルを製造する際に、従来、耐久性の観点から使用されているスズ系等の触媒ではなく、反応活性の高いチタン触媒を使用することで、樹脂の低分子量成分を減少させ、かつ特定物性のポリエステル樹脂組成物とすることで、非磁性一成分現像方式特有の問題点である長時間現像を繰り返した際に生じるカブリの発生や、トナーの流動性の低下を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、
(1) チタン化合物を含有してなる非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物であって、前記チタン化合物の含有量が0.005〜4重量%であり、ガラス転移点が60〜75℃、軟化点が135〜155℃、クロロホルム不溶分が5〜30重量%である、非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物、
(2) 前記ポリエステル樹脂組成物を含有してなる非磁性一成分トナー、並びに
(3) チタン化合物の存在下で、原料モノマーを縮重合させて得られる、前記ポリエステル樹脂組成物の製造方法
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物はチタン化合物を含有する。
【0009】
本発明のポリエステル樹脂組成物におけるチタン化合物としては、ポリエステルの縮重合反応の触媒として作用するものであれば特に限定されないが、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有するチタン化合物がより好ましく、式(I):
Ti(X)(Y) (I)
(式中、Xは総炭素数1〜28の置換アミノ基、Yは総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基、好ましくはアルコキシ基、n及びmは1〜3の整数であり、nとmの和は4である)
で表されるチタン化合物及び式(II):
Ti(Z) (II)
(Zは総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基、好ましくはアルコキシ基であり、4種のZは同一でも異なっていてもよい)で表されるチタン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種が特に好ましい。
【0010】
式(I)において、Xで表される置換アミノ基の総炭素数は、2〜10が好ましく、4〜8がより好ましく、6が特に好ましい。なお、本発明における置換アミノ基とは、チタン原子と直接結合することのできる窒素原子を有する基であり、水酸基が置換されていてもよいアルキルアミノ基等が挙げられるが、4級カチオン基もアミノ基に含まれ、好ましくは4級カチオン基である。かかるアミノ基は、例えばハロゲン化チタンをアミン化合物と反応させることにより生成させることができ、かかるアミン化合物としてはモノアルカノールアミン化合物、ジアルカノールアミン化合物、トリアルカノールアミン化合物等のアルカノールアミン化合物、トリアルキルアミン等のアルキルアミン化合物等が挙げられ、これらの中ではアルカノールアミンが好ましく、トリアルカノールアミンがより好ましい。
【0011】
また、Yで表される基の総炭素数は、1〜6が好ましく、2〜5がより好ましい。
【0012】
さらに、本発明の効果の観点から、Xで表される基がYで表される基よりも総炭素数が多いことが好ましく、その総炭素数の差は、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。
【0013】
式(I)で表されるチタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C10N)(CO)〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C11O)〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(OHC16O)〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C1837O)〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C14N)(CO)〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商(株)の市販品としても入手可能である。
【0014】
式(II)において、Zで表される基の総炭素数は、8〜28が好ましく、12〜24がより好ましく、16〜20が特に好ましい。
【0015】
なお、式(I)及び式(II)において、Yで表される基及びZで表される基は、水酸基、ハロゲン等の置換基を有していてもよいが、無置換又は水酸基を置換基とするものが好ましく、無置換のものがより好ましい。
【0016】
また、Zで表される4種の基は、同一でも異なっていてもよいが、反応活性及び耐加水分解性の観点から、全て同一の基であるのが好ましい。
【0017】
式(II)で表されるチタン化合物の具体例としては、テトラ−n−ブチルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C17O)〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C17O)(OHC16O)〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)(C17O)〕等で挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましく、これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることもできるが、ニッソー社等の市販品としても入手可能である。
【0018】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、チタン化合物の存在下で、原料モノマーを縮重合させて得られる。
【0019】
ポリエステルの原料モノマーとしては、2価以上の多価アルコールからなるアルコール成分と2価以上の多価カルボン酸化合物からなるカルボン酸成分が用いられる。
【0020】
2価の多価アルコールとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(平均付加モル数1.5〜6)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0021】
3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0022】
多価アルコールの中では、帯電性及び耐久性の観点から、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノールA骨格を有するアルコールが好ましい。ビスフェノールA骨格を有するアルコールの含有量は、アルコール成分中、10〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、100モル%が特に好ましい。
【0023】
2価のカルボン酸化合物としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
【0024】
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
【0025】
なお、アルコール成分及びカルボン酸成分には、前記した2価以上のアルコール及びカルボン酸化合物に加えて、分子量、極性、粉砕性等を調整するために、ヘキサノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の1価のアルコール及び酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の1価のカルボン酸化合物が、各成分に含有されていてもよい。
【0026】
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、チタン化合物の存在下、ポリエステルの原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とを、例えば、不活性ガス雰囲気中にて180〜250℃の温度で、要すれば減圧下で縮重合させる方法が好ましい。触媒として高活性を示すチタン化合物を用いることにより、ポリエステル中の低分子量成分が低減し、耐久性を改善させることができる。
【0027】
チタン化合物は、縮重合反応を促進するエステル化触媒として作用し、重合当初から反応系に存在させるのが好ましい。
【0028】
本発明のポリエステル樹脂組成物におけるチタン化合物の含有量は、0.005〜4重量%であり、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.05〜1重量%である。従って、本発明のポリエステル樹脂組成物を製造する際のチタン化合物の使用量も、ポリエステル樹脂の原料モノマー100重量部に対して、0.005〜4重量部程度が好ましく、より好ましくは0.01〜3重量部、特に好ましくは0.05〜1重量部である。
【0029】
なお、ポリエステル樹脂組成物を製造する際には、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化ジブチル錫等の従来より公知の有機錫化合物等が適宜併用されていてもよい。
【0030】
また、触媒の耐加水分解性を向上させるために、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、脂肪酸塩やゼオライト等が補助添加剤として併用されていてもよい。
【0031】
本発明のポリエステル樹脂組成物の軟化点は、カブリの防止及び流動性の確保の観点から、135〜155℃であり、好ましくは140〜150℃である。また、ガラス転移点は、カブリの防止及び流動性の確保の観点から、60〜75℃であり、好ましくは65〜72℃である。
【0032】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物のクロロホルム不溶分は、カブリの防止及び流動性の確保の観点から、5〜30重量%であり、好ましくは10〜30重量%である。
【0033】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、軟化点、ガラス転移点、クロロホルム不溶分が異なる複数のポリエステルの混合物であっても、全体として上記規定を満足していればよい。
【0034】
さらに、本発明においては、本発明のポリエステル樹脂組成物を含有した非磁性一成分トナーを提供する。
【0035】
本発明のトナーには、前記ポリエステル樹脂組成物以外の樹脂、スチレン−アクリル樹脂等の付加重合系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が結着樹脂として含有されていてもよい。本発明のポリエステル樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましく、100重量%が特に好ましい。
【0036】
なお、本発明のポリエステル樹脂組成物は、他の樹脂と混合してトナー中に含有されていてもよいが、チタン化合物を触媒として用いて得られたポリエステル成分と付加重合系樹脂成分、好ましくはビニル系樹脂成分とが部分的に化学結合したハイブリッド樹脂におけるポリエステル成分としてトナー中に含有されていてもよい。なお、ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
【0037】
従って、ハイブリッド樹脂としては、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマー、好ましくはポリエステル樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られる樹脂が好ましく、具体的には、特開平10−087839号公報に記載のハイブリッド樹脂が好ましい。
【0038】
なお、本発明のトナーには、前記ポリエステル樹脂組成物以外に、着色剤、荷電制御剤、離型剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0039】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明において、トナーは黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0040】
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤及び含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等の負帯電性荷電制御剤が挙げられる。本発明のトナーの帯電性は正帯電性及び負帯電性のいずれであってもよく、正帯電性荷電制御剤と負帯電性荷電制御剤とが併用されていてもよい。
【0041】
離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して含有されていてもよい。
【0042】
本発明のトナーの製造方法は、混練粉砕法、乳化転相法等の従来より公知のいずれの方法であってもよいが、製造の容易性から混練粉砕法が好ましい。なお、混練粉砕法による粉砕トナーの場合、結着樹脂、着色剤等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができ、乳化転相法では、結着樹脂、着色剤等を有機溶剤に溶解又は分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。トナーの表面には、さらに、疎水性シリカ等の流動性向上剤等が外添剤として添加されていてもよい。
【0043】
本発明の非磁性一成分トナーとは、キャリアや磁性体を実質的に使用せず、静電潜像を現像する非磁性一成分現像方法に用いられるトナーである。非磁性一成分現像方法では、層規制部材と現像ローラ等との間での圧接によりトナー層の均一化と静電荷付与が行なわれ、さらに感光体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う。静電潜像へのトナーの供給は、現像ローラと感光体の接触によるものであっても、トナーを感光体に飛翔させるものであってもよいが、好ましくは、本発明のトナーの性能がより顕著に発揮される、前者の接触現像法である。
【0044】
【実施例】
〔軟化点〕
高化式フローテスター「CFT−500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)―温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0045】
〔ガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求めた。また、ガラス転移点は前記測定で最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分から、ピークの頂点まで最大傾斜を示す接線との交点の温度とした。
【0046】
〔クロロホルム不溶分〕
100ml容のふた付きガラス瓶に樹脂粉体5g、ラジオライト「♯700」5g(昭和化学工業(株)製)及びクロロホルム100mlを入れ、ボールミルにて25℃で5時間攪拌した後、ラジオライト5gを均一に敷き詰めた濾紙(東洋濾紙(株)製、No.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形物をクロロホルム100mlで2回洗浄し、乾燥させた後、以下の式に従い不溶分の比率を算出する。
【0047】
不溶分(重量%)=
(濾紙上の固形物の重量−ラジオライト10g)/5g×100
【0048】
実施例1〜11及び比較例1〜7
(1)樹脂組成物の製造例
▲1▼ 原料モノマー配合A、B、E、Hを用いた例
表1に示す量のBPA−PO、BPA−EO、テレフタル酸及び表2に示す触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。この後、反応物を180℃まで冷却し、表1に示す量のフマル酸、無水トリメリット酸及びハイドロキノンを添加して、3時間かけて210℃まで昇温し、1時間反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点まで反応させた。なお、本発明において反応率とは、反応水量(モル)/理論生成水量(モル)×100の値をいう。
【0049】
▲2▼ 原料モノマー配合C、Gを用いた例
表1に示す量のBPA−PO、BPA−EO、フマル酸、ハイドロキノン及び表2に示す触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下180℃から210℃まで3時間かけて昇温し、1時間反応させた後、8.3kPaにて反応させた。この後、表1に示す量の無水トリメリット酸を添加し、1時間常圧下で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点まで反応させた。
【0050】
▲3▼ 原料モノマー配合Dを用いた例
表1に示す量のエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、テレフタル酸及び表2に示す触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃から210℃まで4時間かけて昇温後、表1に示す量の無水トリメリット酸を添加し、1時間反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂組成物を得た。
【0051】
▲4▼ 原料モノマー配合Fを用いた例
表1に示す量のBPA−PO、テレフタル酸及び表2に示す触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂組成物を得た。
【0052】
表2に各実施例及び比較例にて得られた樹脂組成物の軟化点(Tm)、ガラス転移点(Tg)、クロロホルム不溶分(重量%)を示す。
【0053】
【表1】
Figure 2004149660
【0054】
(2)トナーの製造例
表2に示す原料モノマー配合において、表2に示す触媒を用いて得られた樹脂組成物100重量部、着色剤としてカーボンブラック「MOGUL−L」(キャボット社製)4重量部及び離型剤としてポリエチレンワックス「SP−105」(サゾール社製、融点:105℃)0.5重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行い、得られた混合物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積平均粒径8.0μmの粉体を得た。
【0055】
得られた粉体100重量部に外添剤として「TS−530」(キャボット社製)0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、粉体に表面処理を施して、トナーを得た。
【0056】
試験例1〔カブリの評価基準〕
非磁性一成分現像装置として、ステンレス製の現像ロール(ロール径:2.3cm)を装備した接触現像方式の「ページプレストN−4」(カシオ計算機社製)にトナーを実装し、転写までを行い、外部定着機により定着を行った。この装置にトナーを実装し、3000枚の印刷後、A4紙(210mm×297mm)の上端中央から2cmのところに2cm四方の正方形のベタ画像を形成させ、かかるA4紙を用い、下記に示す方法に従ってカブリを評価した。
【0057】
(1) 紙の上端中央から現像ローラの円周分の距離(7.2cm)からさらに2cm下、即ち上端中央から9.2cmの、ベタ画像によるカブリが生じる部分において、2cm四方の正方形内で4角から縦横それぞれ0.5cm内側の4点について、色彩色差計「CR−321」(ミノルタ社製)によりL値、a値及びb値を測定し、それぞれの値の平均値を算出した。
(2) 画像中央上端から10.2cmの距離の中央から左右に4cm及び8cmの距離における白紙部分の4点について、(1)と同様にしてL値、a値及びb値を測定し、それぞれの値の平均値を算出した。
【0058】
(1)、(2)の2つの値の差(ΔE)を下記式により求め、以下の評価基準に従ってカブリの発生の程度を評価した。結果を表2に示す。
【0059】
【数1】
Figure 2004149660
【0060】
(式中、L 、a 及びb は(1)における各測定値を、L 、a 及びb は(2)における各測定値をそれぞれ示す。)
【0061】
〔カブリの評価基準〕
◎: ΔEが0.5未満
○: ΔEが0.5以上、1未満
△: ΔEが1以上3未満
×: ΔEが3以上
【0062】
試験例2〔流動性の評価〕
試験例1において3000枚の印刷後、現像器中のトナーの見掛け比重をパウダーテスタ(ホソカワミクロン社製、TYPE PT−E)により測定し、以下の評価基準に従って流動性を評価した。結果を表2に示す。
【0063】
〔流動性の評価基準〕
◎: 0.42g/ml以上
○: 0.37g/ml以上、0.42g/ml未満
△: 0.35g/ml以上、0.37g/ml未満
×: 0.35g/ml未満
【0064】
【表2】
Figure 2004149660
【0065】
以上の結果より、実施例のトナーはいずれも、連続印刷後もカブリの発生が抑制されており、流動性も良好であることが分かる。これに対し、比較例1、2の結果より、チタン化合物の量が少なすぎる場合はもちろんのこと、多すぎてもカブリの発生及び流動性の低下の効果は得られず、また比較例3〜6の結果より、チタン化合物の量が適量であってもポリエステル樹脂組成物の物性が調整されていないとチタン化合物による効果は発揮されないことが分かる。また、比較例7の結果より、ポリエステル樹脂組成物の物性が調整されていても錫化合物を使用した場合には、カブリの発生及び流動性の低下の効果は得られていない。
【0066】
【発明の効果】
本発明のポリエステル樹脂組成物を非磁性一成分トナーの結着樹脂として用いることにより、長時間現像を繰り返した際にも、カブリの発生や、トナーの流動性の低下を防止することができるという、優れた効果が奏される。

Claims (5)

  1. チタン化合物を含有してなる非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物であって、前記チタン化合物の含有量が0.005〜4重量%であり、ガラス転移点が60〜75℃、軟化点が135〜155℃、クロロホルム不溶分が5〜30重量%である、非磁性一成分トナー用ポリエステル樹脂組成物。
  2. チタン化合物がTi−O結合を有する化合物である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. チタン化合物が、式(I):
    Ti(X)(Y) (I)
    (式中、Xは総炭素数1〜28の置換アミノ基、Yは総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基及びmは1〜3の整数であり、nとmの和は4である)
    で表されるチタン化合物及び式(II):
    Ti(Z) (II)
    (Zは総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基であり、4種のZは同一でも異なっていてもよい)
    で表されるチタン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載のポリエステル樹脂組成物を含有してなる非磁性一成分トナー。
  5. チタン化合物の存在下で、原料モノマーを縮重合させて得られる、請求項1〜3いずれか記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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