JP2004148633A - バリア性と帯電防止機能を有する透明包装材およびそれを用いた包装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性に優れ、且つ高いバリア性を有すると共に帯電防止性を内容物の要求品質に合わせて調整可能な実用性の高い包装材を提供することにある。
【解決手段】内面からシーラント層10、第一導電層11、絶縁層13、第二導電層12、表面保護層14が順に積層されていて、この第一導電層11と第二導電層12は、無機酸化物の蒸着膜でなり、これら導電層の一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層15が積層され、前記絶縁層13は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でその表面固有抵抗が1013Ω以上であるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材1とするものである。
【選択図】図1
【解決手段】内面からシーラント層10、第一導電層11、絶縁層13、第二導電層12、表面保護層14が順に積層されていて、この第一導電層11と第二導電層12は、無機酸化物の蒸着膜でなり、これら導電層の一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層15が積層され、前記絶縁層13は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でその表面固有抵抗が1013Ω以上であるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材1とするものである。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハーやプリント基板、ICチップ等の包装分野に用いられる包装材に関するものであり、特に塵、埃などが付着せずバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハーやプリント基板、ICチップ等の包装分野に用いられる包装材は内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材を透過する水蒸気、その他内容物を変質させる気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められていて、そのため従来、温度・湿度などによる影響が少ないアルミニウム箔等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
【0003】
ところがアルミニウム箔等の金属箔を用いた包装材は、ガスバリア性に優れるが包装材を透視して内容物を確認することができず、検査・アッセンブル工程で目視検査を含む人による作業の比重が未だ高い状況では取り扱いに不都合が生じていた。また、アルミニウム箔等の金属箔を用いた包装材は、各半導体ウエハーやプリント基板、ICチップ等の数が増えることで使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないことも大きな問題であった。
【0004】
そこで、これらの欠点を克服した包装材として、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を高分子フィルム上に真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性の両方を有する包装材として好適とされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−28017号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した包装用材料に適するフィルムであっても、包装容器または包装材として、蒸着フィルム単体で用いられることはほとんどなく、蒸着後の後加工として蒸着フィルム表面に文字・絵柄等を印刷加工またはフィルム等との貼り合わせ、容器等の包装体への形状加工など様々な工程を経て包装体を完成させている。特に内容物が半導体ウエハーやプリント基板、ICチップ等クリーン性を必要とする電子部品の包装には除電(帯電防止)等の手段で、特に出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装用積層体の摩擦等による帯電から包装用積層体のシール層(最内層)または内容物に直接付着することによって、次工程でのクリーン度劣化、ウエハー等(特に絶縁樹脂等で被覆されていない回路パターンの隙間・表面)に付着することでショートの原因になる等の問題があった。
【0007】
そこで、上述した蒸着フィルム等を用いてシーラント層(シーラントフィルム)と貼り合わせ、製袋後、内容物を充填して各工程(出荷、搬送、受け入れ工程等)調査を試みたところ、搬送中の振動で内容物と包装用積層体の摩擦等による帯電から包装材のシーラント層(最内層)または内容物にパーティクルが直接付着することで、ショートする部品が発生することが明らかになった。
【0008】
すなわち、この様な場合の包装材に要求される条件として、内容物を直接透視することが可能なだけの透明性、内容物に対して影響を与える気体(酸素や水蒸気)等を遮断する高いガスバリア性、出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装用積層体の摩擦等による帯電から包装材のシーラント層(最内層)または内容物に直接付着することを防止する帯電防止性が求められており、現在のところこれら全てを満たす包装材は見いだされていない。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点と要求点を解決するものであり、その課題とするところは、透明性に優れ、且つ高いバリア性を有すると共に帯電防止性を内容物の要求品質に合わせて調整可能な実用性の高い包装材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、内面からシーラント層、第一導電層、絶縁層、第二導電層、表面保護層が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材であって、前記第一導電層および第二導電層は、無機酸化物の蒸着膜であることを特徴とするバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0011】
また、請求項2の発明では、上記無機酸化物は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0012】
また、請求項3の発明では、上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層が積層されていることを特徴とする請求項1または2記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0013】
また、請求項4の発明では、上記絶縁層は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0014】
上記発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、またそれらの間にポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなる1013Ω以上の表面固有抵抗の絶縁層を介することで両導電層に対する密着性を付与するとともにコンデンサー回路を作り出すことが可能になるので、帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材とすることができる。さらに上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層を積層することによって、導電層を形成する無機酸化物の蒸着膜のクラックや剥がれ等を無くし高バリア性が保持できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を提供することができる。
【0015】
さらにまた、請求項5の発明では、内面からシーラント層、第一導電層、絶縁層、第二導電層、表面保護層が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、その一端面を残してヒートシールして袋化し、その袋の搬送後、前記残った一端面を開口して内容物を充填し、この一端面を封止する包装方法において、前記ヒートシール後で、その搬送前に、前記一端面に直流電圧を印加して第一導電層、絶縁層、第二導電層に蓄積せしめ、搬送後で一端面の開口時に前記一端面に露出している第一導電層と第二導電層側から交流電圧を印加することを特徴とするバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法としたものである。
【0016】
上記請求項5に係る発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、それらの間に絶縁層を介することによってコンデンサー回路を作り出すことを可能にする帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、内容物を充填し包装する包装方法において、上記コンデンサー回路に状況(工程)に応じて直流電圧・交流電圧をかけて帯電防止効果を最大限に発現させるためには内容物充填時のヒートシールでその後の必要以上の帯電を防ぐために電荷飽和発現装置で直流電圧を積層体端面の2層の導電層に蓄え、搬送による振動、摩擦、帯電等の電荷と前記直流電圧により発生した電荷を次工程の包装材の開口時に帯電積層体電荷除去(帯電防止)装置で交流電圧を積層体端面の2層の導電層側から印加して、これらに挟まれている絶縁層を含む導電層/絶縁層/導電層の全てで電荷の流れが起こるので、これが包装材のシーラント層(最内層)の帯電を防止し、出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装材の摩擦等による帯電で付着することを防止するバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材は、例えば図1の積層断面図に示すように、最内層としてシーラント層(10)、第一導電層(11)、絶縁層(13)、第二導電層(12)、最外層として表面保護層(14)が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材(1)に関するものであり、上記請求項1に係る発明では、この第一導電層(11)および第二導電層(12)は、無機酸化物の蒸着膜でなるものとしたものである。
【0018】
また、上記請求項2に係る発明では、例えば図1に示す第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物としたものである。
【0019】
また、上記請求項3に係る発明では、例えば図1に示すように、第一導電層(11)とシーラント層(10)の間に、および第二導電層(12)と絶縁層(13)との間に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層(15)が積層されているものとするものである。
【0020】
また、上記請求項4に係る発明では、例えば図1に示すように、絶縁層(13)は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であるものとするものである。
【0021】
以下に上記各層についてさらに詳しく説明する。
まず、上記最外層としての表面保護層(14)としては、上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜の透明性を生かしかつ第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜を保護するために透明なフィルムが好ましく、さらにこのフィルムに無機酸化物の蒸着がし易いものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましく、特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートがより好ましく用いられる。
【0022】
またこれら表面保護層(14)としてフィルムの表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、無機酸化物の蒸着膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
【0023】
またこれら表面保護層(14)としてフィルムの厚さは特に制限を受けるものではないが、包装材としての適性、他の層を積層する場合も考慮して、実用的には3〜200μの範囲で、用途によって6〜30μとすることが好ましい。
【0024】
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
【0025】
また、上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物でなり、透明性を有し且つ水蒸気や酸素等のガスバリア性を有するものであればよいが、その中でも特に酸化アルミニウムが好ましく用いられる。それはアルミニウムを昇華させる際、酸素との反応条件を導電層として適切な水準に維持するために適宜変更することが可能であるからである。
【0026】
上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜の厚さは用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましくその値は適宜選択される。但し、膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合があり、また、膜厚が300nmを越える場合は蒸着膜にフレキシビリティを保持させることができず、製膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じる恐れがあるので好ましくなく、よってより好ましくは、10〜150nmの範囲である。
【0027】
上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜を例えば表面保護層(14)としてのPETフィルムや、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなる絶縁層(13)の上に形成する方法としては種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができるがその他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。この真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材の密着性及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行なっても一向に構わない。
【0028】
また、上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜の上に設けられる被覆層(15)は、要求品質によりアルミニウム箔なみの高いガスバリア性を付与するもので、この被覆層(15)は、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなるもので、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機酸化物の蒸着膜上にコーティング、加熱乾燥したものである。
【0029】
以下にこのコーテイング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられ、特にポリビニルアルコール(以下PVAとする)を本発明の包装材のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるものとなる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含むものであるが、特にこれに限定されるものではない。
【0030】
また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
【0031】
更に金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などの一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロアルキシルアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0032】
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
【0033】
例えばコーテイング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(TTI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0034】
上記コーテイング剤の塗布方法には、ディッピング法、ロールコーテイング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。この被覆層(15)の厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さで0.01μm以上あれば良いが、厚さ50μmを越えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
【0035】
さらにまた、上記絶縁層(13)としては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であり、この包装材(1)の電気特性をコンデンサーの直流・交流電圧から制御するためにむしろ十分な絶縁性が必要になる。
【0036】
上記オレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単層体或いは複合物(ブレンド)或いは積層体からなり上下層との相溶性向上のための適当な樹脂等とのブレンドであっても構わないことはもちろんである。但し、前記絶縁層(13)としての機能を正確に発現するために表面抵抗率もしくは体積抵抗率は1013Ω以上が必要となる。
【0037】
更に無機酸化物でなる蒸着膜でなる第一導電層(11)、第二導電層(12)やそれらを被覆する被覆層(15)上に他の層を積層することも可能である。例えば印刷層等であり、その印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の公知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0038】
また、図2に示すように、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム、ポリアクリルフィルム等でなる基材フィルム(13a)にポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなる絶縁補助層(13b)を施して絶縁層(13)とすることもでき、この場合はこの基材フィルム(13a)に無機酸化物でなる蒸着膜を施して第二導電層(12)とし、この蒸着膜に被覆層(15)を積層させ、その上に透明プラスチック材料でなる表面保護層(14)とすることもできる。
【0039】
上記表面保護層(14)としての透明プラスチック材料としては、最外層としての突き刺し、破袋強度を高めるために設けられているもので、特に機械強度の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が好適である。この厚さは、材質や要求品質に応じて決められるが、一般的には10〜30μの範囲であり、その形成方法としては二液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方式により積層することができる。
【0040】
また、最内層となるシーラント層(10)としては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が袋状の包装体などを形成する際に接着層として設けられるものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリルさんエステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。その厚さは目的に応じて決められるが一般的には15〜200μの範囲である。また、電気特性(帯電防止)をコントロールするためには最内層であるシーラント層(10)に最も近い第一導電層(11)から最内層(シールラント層含む)までが15〜50μの範囲が望ましい。このシールラント層(10)の形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いる一般的な方法により積層することができる。
【0041】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
【0042】
図1に示す表面保護層(14)として、厚さ12μの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、該フィルムの片面に電子線加熱方式による真空蒸着装置により金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ20nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物の蒸着膜を形成し第二導電層(12)とした。更にその上に下記組成のコーティング剤をバーコーターで塗布し乾燥機で100℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmの被覆層(15)を形成した。また、押し出しラミ(300℃)で低密度ポリエチレンLDPE(d=0.920)を15μm積層して絶縁層(13)とし、再度、前記と同様の方法で無機酸化物の蒸着膜を形成して第一導電層(11)とし、その上に上記と同様にして被覆層(15)を順次積層し、最後にこの被覆層(15)上にシーラント層(10)として押し出しラミ(300℃)で直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE(d=0.920)を30μm積層して帯電防止機能を有する積層体(1)を作成した。上記いすれの押し出しラミも2液硬化型ウレタン系接着剤を介してラミネートしたものである。
【0043】
上記コーテイング剤の組成は下記A液とB液を配合比(wt%)で60/40に混合したものである。
A液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え30分間撹拌し、加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
B液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
【0044】
〈比較例1〉
無機酸化物の蒸着膜でなる第一導電層(11)、第二導電層(12)およびそれらを被覆する被覆層(15)を除いた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
【0045】
〈比較例2〉
無機酸化物の蒸着膜でなる第一導電層(11)、第二導電層(12)およびそれらを被覆する被覆層(15)、さらに絶縁層(13)を除き、これらに代わり厚さ9μmのアルミニウム箔を施した以外は、実施例1と同様にして積層体を
得た。
【0046】
上記実施例1、比較例1、2の3類の透明積層体について150mm×200mmの四方パウチを作成し、水蒸気透過率、光線透過率、表面抵抗率を測定し、その結果を表1に示した。また、実施例1の表面抵抗率は上記本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法に基づいた除電後の値とした。
【0047】
【表1】
【0048】
上記表1の結果を考察すると、比較例2のアルミニウム箔が積層されている積層体では、不透明で目視確認が不可能(光線透過率0.0%)であり、検査・アッセンブル工程で目視検査を含む人による作業の比重が高い状況下では致命的である。また、このようなアルミニウム箔が積層されている積層体では、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないことも大きな問題となる。
また、比較例1は、光線透過率では最適な値(95.0%)を示すが表面抵抗率では十分な帯電防止効果が発現しているとは言えない。これに対して実施例1は構成的に無機酸化物の蒸着膜/被覆層が2重になるため光線透過率はやや落ちるが目視可能な範囲(85.0%)にあり、且つ水蒸気透過率は比較例1の半分(0.5g/m2 /day)を実現し、コンデンサー原理を応用した構成であることから、必要な処置(帯電防止調整用装置で除電)すれば金属箔(9μmのアルミニウム箔)に近い帯電防止効果が実現できるのである。
【0049】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、またそれらの間にポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなる1013Ω以上の表面固有抵抗の絶縁層を介することで両導電層に対する密着性を付与するとともにコンデンサー回路を作り出すことが可能になるので、帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材とすることができる。さらに上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層を積層することによって、導電層を形成する無機酸化物の蒸着膜のクラックや剥がれ等を無くし高バリア性が保持できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を提供することができる。
【0050】
上記請求項5に係る発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、それらの間に絶縁層を介することによってコンデンサー回路を作り出すことを可能にする帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、内容物を充填し包装する包装方法において、上記コンデンサー回路に状況(工程)に応じて直流電圧・交流電圧をかけて帯電防止効果を最大限に発現させるためには内容物充填時のヒートシールでその後の必要以上の帯電を防ぐために電荷飽和発現装置で直流電圧を積層体端面の2層の導電層に蓄え、搬送による振動、摩擦、帯電等の電荷と前記直流電圧により発生した電荷を次工程の包装材の開口時に帯電積層体電荷除去(帯電防止)装置で交流電圧を積層体端面の2層の導電層側から印加して、これらに挟まれている絶縁層を含む導電層/絶縁層/導電層の全てで電荷の流れが起こるので、これが包装材のシーラント層(最内層)の帯電を防止し、出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装材の摩擦等による帯電で付着することを防止する透明包装材を用いた包装方法を提供できる。
【0051】
従って本発明は、半導体ウェハーやプリント基板、ICチップ等の包装分野に用いられる包装材、特に塵、埃などが付着せずバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材の他の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥バリア性と帯電防止機能を有する透明包装材
10‥‥シーラント層
11‥‥第一導電層
12‥‥第二導電層
13‥‥絶縁層
13a‥‥基材フィルム
13b‥‥絶縁補助層
14‥‥表面保護層
15‥‥被覆層
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハーやプリント基板、ICチップ等の包装分野に用いられる包装材に関するものであり、特に塵、埃などが付着せずバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハーやプリント基板、ICチップ等の包装分野に用いられる包装材は内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材を透過する水蒸気、その他内容物を変質させる気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められていて、そのため従来、温度・湿度などによる影響が少ないアルミニウム箔等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
【0003】
ところがアルミニウム箔等の金属箔を用いた包装材は、ガスバリア性に優れるが包装材を透視して内容物を確認することができず、検査・アッセンブル工程で目視検査を含む人による作業の比重が未だ高い状況では取り扱いに不都合が生じていた。また、アルミニウム箔等の金属箔を用いた包装材は、各半導体ウエハーやプリント基板、ICチップ等の数が増えることで使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないことも大きな問題であった。
【0004】
そこで、これらの欠点を克服した包装材として、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を高分子フィルム上に真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性の両方を有する包装材として好適とされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−28017号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した包装用材料に適するフィルムであっても、包装容器または包装材として、蒸着フィルム単体で用いられることはほとんどなく、蒸着後の後加工として蒸着フィルム表面に文字・絵柄等を印刷加工またはフィルム等との貼り合わせ、容器等の包装体への形状加工など様々な工程を経て包装体を完成させている。特に内容物が半導体ウエハーやプリント基板、ICチップ等クリーン性を必要とする電子部品の包装には除電(帯電防止)等の手段で、特に出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装用積層体の摩擦等による帯電から包装用積層体のシール層(最内層)または内容物に直接付着することによって、次工程でのクリーン度劣化、ウエハー等(特に絶縁樹脂等で被覆されていない回路パターンの隙間・表面)に付着することでショートの原因になる等の問題があった。
【0007】
そこで、上述した蒸着フィルム等を用いてシーラント層(シーラントフィルム)と貼り合わせ、製袋後、内容物を充填して各工程(出荷、搬送、受け入れ工程等)調査を試みたところ、搬送中の振動で内容物と包装用積層体の摩擦等による帯電から包装材のシーラント層(最内層)または内容物にパーティクルが直接付着することで、ショートする部品が発生することが明らかになった。
【0008】
すなわち、この様な場合の包装材に要求される条件として、内容物を直接透視することが可能なだけの透明性、内容物に対して影響を与える気体(酸素や水蒸気)等を遮断する高いガスバリア性、出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装用積層体の摩擦等による帯電から包装材のシーラント層(最内層)または内容物に直接付着することを防止する帯電防止性が求められており、現在のところこれら全てを満たす包装材は見いだされていない。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点と要求点を解決するものであり、その課題とするところは、透明性に優れ、且つ高いバリア性を有すると共に帯電防止性を内容物の要求品質に合わせて調整可能な実用性の高い包装材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、内面からシーラント層、第一導電層、絶縁層、第二導電層、表面保護層が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材であって、前記第一導電層および第二導電層は、無機酸化物の蒸着膜であることを特徴とするバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0011】
また、請求項2の発明では、上記無機酸化物は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0012】
また、請求項3の発明では、上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層が積層されていることを特徴とする請求項1または2記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0013】
また、請求項4の発明では、上記絶縁層は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材としたものである。
【0014】
上記発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、またそれらの間にポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなる1013Ω以上の表面固有抵抗の絶縁層を介することで両導電層に対する密着性を付与するとともにコンデンサー回路を作り出すことが可能になるので、帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材とすることができる。さらに上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層を積層することによって、導電層を形成する無機酸化物の蒸着膜のクラックや剥がれ等を無くし高バリア性が保持できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を提供することができる。
【0015】
さらにまた、請求項5の発明では、内面からシーラント層、第一導電層、絶縁層、第二導電層、表面保護層が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、その一端面を残してヒートシールして袋化し、その袋の搬送後、前記残った一端面を開口して内容物を充填し、この一端面を封止する包装方法において、前記ヒートシール後で、その搬送前に、前記一端面に直流電圧を印加して第一導電層、絶縁層、第二導電層に蓄積せしめ、搬送後で一端面の開口時に前記一端面に露出している第一導電層と第二導電層側から交流電圧を印加することを特徴とするバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法としたものである。
【0016】
上記請求項5に係る発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、それらの間に絶縁層を介することによってコンデンサー回路を作り出すことを可能にする帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、内容物を充填し包装する包装方法において、上記コンデンサー回路に状況(工程)に応じて直流電圧・交流電圧をかけて帯電防止効果を最大限に発現させるためには内容物充填時のヒートシールでその後の必要以上の帯電を防ぐために電荷飽和発現装置で直流電圧を積層体端面の2層の導電層に蓄え、搬送による振動、摩擦、帯電等の電荷と前記直流電圧により発生した電荷を次工程の包装材の開口時に帯電積層体電荷除去(帯電防止)装置で交流電圧を積層体端面の2層の導電層側から印加して、これらに挟まれている絶縁層を含む導電層/絶縁層/導電層の全てで電荷の流れが起こるので、これが包装材のシーラント層(最内層)の帯電を防止し、出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装材の摩擦等による帯電で付着することを防止するバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材は、例えば図1の積層断面図に示すように、最内層としてシーラント層(10)、第一導電層(11)、絶縁層(13)、第二導電層(12)、最外層として表面保護層(14)が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材(1)に関するものであり、上記請求項1に係る発明では、この第一導電層(11)および第二導電層(12)は、無機酸化物の蒸着膜でなるものとしたものである。
【0018】
また、上記請求項2に係る発明では、例えば図1に示す第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物としたものである。
【0019】
また、上記請求項3に係る発明では、例えば図1に示すように、第一導電層(11)とシーラント層(10)の間に、および第二導電層(12)と絶縁層(13)との間に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層(15)が積層されているものとするものである。
【0020】
また、上記請求項4に係る発明では、例えば図1に示すように、絶縁層(13)は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であるものとするものである。
【0021】
以下に上記各層についてさらに詳しく説明する。
まず、上記最外層としての表面保護層(14)としては、上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜の透明性を生かしかつ第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜を保護するために透明なフィルムが好ましく、さらにこのフィルムに無機酸化物の蒸着がし易いものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましく、特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートがより好ましく用いられる。
【0022】
またこれら表面保護層(14)としてフィルムの表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、無機酸化物の蒸着膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
【0023】
またこれら表面保護層(14)としてフィルムの厚さは特に制限を受けるものではないが、包装材としての適性、他の層を積層する場合も考慮して、実用的には3〜200μの範囲で、用途によって6〜30μとすることが好ましい。
【0024】
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
【0025】
また、上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物でなり、透明性を有し且つ水蒸気や酸素等のガスバリア性を有するものであればよいが、その中でも特に酸化アルミニウムが好ましく用いられる。それはアルミニウムを昇華させる際、酸素との反応条件を導電層として適切な水準に維持するために適宜変更することが可能であるからである。
【0026】
上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜の厚さは用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましくその値は適宜選択される。但し、膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合があり、また、膜厚が300nmを越える場合は蒸着膜にフレキシビリティを保持させることができず、製膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じる恐れがあるので好ましくなく、よってより好ましくは、10〜150nmの範囲である。
【0027】
上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜を例えば表面保護層(14)としてのPETフィルムや、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなる絶縁層(13)の上に形成する方法としては種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができるがその他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。この真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材の密着性及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行なっても一向に構わない。
【0028】
また、上記第一導電層(11)および第二導電層(12)を形成する無機酸化物の蒸着膜の上に設けられる被覆層(15)は、要求品質によりアルミニウム箔なみの高いガスバリア性を付与するもので、この被覆層(15)は、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなるもので、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機酸化物の蒸着膜上にコーティング、加熱乾燥したものである。
【0029】
以下にこのコーテイング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられ、特にポリビニルアルコール(以下PVAとする)を本発明の包装材のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるものとなる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含むものであるが、特にこれに限定されるものではない。
【0030】
また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
【0031】
更に金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などの一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロアルキシルアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0032】
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
【0033】
例えばコーテイング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(TTI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0034】
上記コーテイング剤の塗布方法には、ディッピング法、ロールコーテイング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。この被覆層(15)の厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さで0.01μm以上あれば良いが、厚さ50μmを越えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
【0035】
さらにまた、上記絶縁層(13)としては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であり、この包装材(1)の電気特性をコンデンサーの直流・交流電圧から制御するためにむしろ十分な絶縁性が必要になる。
【0036】
上記オレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単層体或いは複合物(ブレンド)或いは積層体からなり上下層との相溶性向上のための適当な樹脂等とのブレンドであっても構わないことはもちろんである。但し、前記絶縁層(13)としての機能を正確に発現するために表面抵抗率もしくは体積抵抗率は1013Ω以上が必要となる。
【0037】
更に無機酸化物でなる蒸着膜でなる第一導電層(11)、第二導電層(12)やそれらを被覆する被覆層(15)上に他の層を積層することも可能である。例えば印刷層等であり、その印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の公知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0038】
また、図2に示すように、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム、ポリアクリルフィルム等でなる基材フィルム(13a)にポリオレフィン系熱可塑性樹脂でなる絶縁補助層(13b)を施して絶縁層(13)とすることもでき、この場合はこの基材フィルム(13a)に無機酸化物でなる蒸着膜を施して第二導電層(12)とし、この蒸着膜に被覆層(15)を積層させ、その上に透明プラスチック材料でなる表面保護層(14)とすることもできる。
【0039】
上記表面保護層(14)としての透明プラスチック材料としては、最外層としての突き刺し、破袋強度を高めるために設けられているもので、特に機械強度の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が好適である。この厚さは、材質や要求品質に応じて決められるが、一般的には10〜30μの範囲であり、その形成方法としては二液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方式により積層することができる。
【0040】
また、最内層となるシーラント層(10)としては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が袋状の包装体などを形成する際に接着層として設けられるものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリルさんエステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。その厚さは目的に応じて決められるが一般的には15〜200μの範囲である。また、電気特性(帯電防止)をコントロールするためには最内層であるシーラント層(10)に最も近い第一導電層(11)から最内層(シールラント層含む)までが15〜50μの範囲が望ましい。このシールラント層(10)の形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いる一般的な方法により積層することができる。
【0041】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
【0042】
図1に示す表面保護層(14)として、厚さ12μの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、該フィルムの片面に電子線加熱方式による真空蒸着装置により金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ20nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物の蒸着膜を形成し第二導電層(12)とした。更にその上に下記組成のコーティング剤をバーコーターで塗布し乾燥機で100℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmの被覆層(15)を形成した。また、押し出しラミ(300℃)で低密度ポリエチレンLDPE(d=0.920)を15μm積層して絶縁層(13)とし、再度、前記と同様の方法で無機酸化物の蒸着膜を形成して第一導電層(11)とし、その上に上記と同様にして被覆層(15)を順次積層し、最後にこの被覆層(15)上にシーラント層(10)として押し出しラミ(300℃)で直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE(d=0.920)を30μm積層して帯電防止機能を有する積層体(1)を作成した。上記いすれの押し出しラミも2液硬化型ウレタン系接着剤を介してラミネートしたものである。
【0043】
上記コーテイング剤の組成は下記A液とB液を配合比(wt%)で60/40に混合したものである。
A液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え30分間撹拌し、加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
B液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
【0044】
〈比較例1〉
無機酸化物の蒸着膜でなる第一導電層(11)、第二導電層(12)およびそれらを被覆する被覆層(15)を除いた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
【0045】
〈比較例2〉
無機酸化物の蒸着膜でなる第一導電層(11)、第二導電層(12)およびそれらを被覆する被覆層(15)、さらに絶縁層(13)を除き、これらに代わり厚さ9μmのアルミニウム箔を施した以外は、実施例1と同様にして積層体を
得た。
【0046】
上記実施例1、比較例1、2の3類の透明積層体について150mm×200mmの四方パウチを作成し、水蒸気透過率、光線透過率、表面抵抗率を測定し、その結果を表1に示した。また、実施例1の表面抵抗率は上記本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法に基づいた除電後の値とした。
【0047】
【表1】
【0048】
上記表1の結果を考察すると、比較例2のアルミニウム箔が積層されている積層体では、不透明で目視確認が不可能(光線透過率0.0%)であり、検査・アッセンブル工程で目視検査を含む人による作業の比重が高い状況下では致命的である。また、このようなアルミニウム箔が積層されている積層体では、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないことも大きな問題となる。
また、比較例1は、光線透過率では最適な値(95.0%)を示すが表面抵抗率では十分な帯電防止効果が発現しているとは言えない。これに対して実施例1は構成的に無機酸化物の蒸着膜/被覆層が2重になるため光線透過率はやや落ちるが目視可能な範囲(85.0%)にあり、且つ水蒸気透過率は比較例1の半分(0.5g/m2 /day)を実現し、コンデンサー原理を応用した構成であることから、必要な処置(帯電防止調整用装置で除電)すれば金属箔(9μmのアルミニウム箔)に近い帯電防止効果が実現できるのである。
【0049】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、またそれらの間にポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなる1013Ω以上の表面固有抵抗の絶縁層を介することで両導電層に対する密着性を付与するとともにコンデンサー回路を作り出すことが可能になるので、帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材とすることができる。さらに上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層を積層することによって、導電層を形成する無機酸化物の蒸着膜のクラックや剥がれ等を無くし高バリア性が保持できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を提供することができる。
【0050】
上記請求項5に係る発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法によれば、透明性があり、且つガスバリア性に優れた無機酸化物の蒸着膜でなる二層の導電層からなり、それらの間に絶縁層を介することによってコンデンサー回路を作り出すことを可能にする帯電防止効果を発現できるバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、内容物を充填し包装する包装方法において、上記コンデンサー回路に状況(工程)に応じて直流電圧・交流電圧をかけて帯電防止効果を最大限に発現させるためには内容物充填時のヒートシールでその後の必要以上の帯電を防ぐために電荷飽和発現装置で直流電圧を積層体端面の2層の導電層に蓄え、搬送による振動、摩擦、帯電等の電荷と前記直流電圧により発生した電荷を次工程の包装材の開口時に帯電積層体電荷除去(帯電防止)装置で交流電圧を積層体端面の2層の導電層側から印加して、これらに挟まれている絶縁層を含む導電層/絶縁層/導電層の全てで電荷の流れが起こるので、これが包装材のシーラント層(最内層)の帯電を防止し、出荷、搬送、受け入れ時に周囲のパーティクル(ゴミ、埃、汚れ等)が内容物と包装材の摩擦等による帯電で付着することを防止する透明包装材を用いた包装方法を提供できる。
【0051】
従って本発明は、半導体ウェハーやプリント基板、ICチップ等の包装分野に用いられる包装材、特に塵、埃などが付着せずバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材の他の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥バリア性と帯電防止機能を有する透明包装材
10‥‥シーラント層
11‥‥第一導電層
12‥‥第二導電層
13‥‥絶縁層
13a‥‥基材フィルム
13b‥‥絶縁補助層
14‥‥表面保護層
15‥‥被覆層
Claims (5)
- 内面からシーラント層、第一導電層、絶縁層、第二導電層、表面保護層が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材であって、前記第一導電層および第二導電層は、無機酸化物の蒸着膜であることを特徴とするバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材。
- 上記無機酸化物は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材。
- 上記第一導電層の、および第二導電層のいずれか一方の面に水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤でなる被覆層が積層されていることを特徴とする請求項1または2記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材。
- 上記絶縁層は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が介在してなり、その表面固有抵抗は1013Ω以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材。
- 内面からシーラント層、第一導電層、絶縁層、第二導電層、表面保護層が順に積層されているバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いて、その一端面を残してヒートシールして袋化し、その袋の搬送後、前記残った一端面を開口して内容物を充填し、この一端面を封止する包装方法において、前記ヒートシール後で、その搬送前に、前記一端面に直流電圧を印加して第一導電層、絶縁層、第二導電層に蓄積せしめ、搬送後で一端面の開口時に前記一端面に露出している第一導電層と第二導電層側から交流電圧を印加することを特徴とするバリア性と帯電防止機能を有する透明包装材を用いた包装方法。
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-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002315816A patent/JP2004148633A/ja active Pending
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