JP2004145032A - マイクロ構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚み寸法について高精度に形成された薄肉部を有するマイクロ構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1導体層101と、第2導体層102と、第3導体層103と、第2導体層102において薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための部位を含むパターン形状を有して第1導体層101および第2導体層102の間に介在する第1絶縁層104と、第2導体層102における薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して第2導体層102および第3導体層103の間に介在する第2絶縁層105と、を含む積層構造を有する材料基板における第1導体層101の側から、薄肉部箇所に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターン58を介して、第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行うことによって、薄肉部を成形する工程(b)を含む。
【選択図】 図21

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシニング技術により作製されるマイクロミラー素子、加速度センサ素子、角速度センサ素子、振動素子などのマイクロ構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な技術分野において、マイクロマシニング技術により形成される微小構造を有する素子の応用化が図られている。例えば光通信技術の分野においては、光反射機能を有する微小なマイクロミラー素子が注目されている。
【0003】
光通信においては、光ファイバを媒体として光信号が伝送され、光信号の伝送経路を或るファイバから他のファイバへと切換えるためには、一般に、いわゆる光スイッチング装置が使用される。良好な光通信を達成するうえで光スイッチング装置に求められる特性としては、切換え動作における、大容量性、高速性、高信頼性などが挙げられる。これらの観点より、光スイッチング装置としては、マイクロマシニング技術によって作製されるマイクロミラー素子を組み込んだものに対する期待が高まっている。マイクロミラー素子によると、光スイッチング装置における入力側の光伝送路と出力側の光伝送路との間で、光信号を電気信号に変換せずに光信号のままでスイッチング処理を行うことができ、上掲の特性を得るうえで好適だからである。
【0004】
マイクロミラー素子は、光を反射するためのミラー面を備え、当該ミラー面の揺動により光の反射方向を変化させることができる。ミラー面を揺動するために静電力を利用する静電駆動型のマイクロミラー素子が、多くの光学装置で採用されている。静電駆動型マイクロミラー素子は、いわゆる表面マイクロマシニング技術によって製造されるマイクロミラー素子と、いわゆるバルクマイクロマシニング技術によって製造されるマイクロミラー素子とに大きく2つに類別することができる。
【0005】
表面マイクロマシニング技術では、基板上において、各構成部位に対応する材料薄膜を所望のパターンに加工し、このようなパターンを順次積層することにより、支持体、ミラー面および電極部など、素子を構成する各部位や、後に除去される犠牲層を形成する。一方、バルクマイクロマシニング技術では、材料基板自体をエッチングすることにより支持体やミラー部などを所望の形状に成形し、必要に応じてミラー面や電極を薄膜形成する。バルクマイクロマシニング技術については、例えば特許文献1〜3に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−302182号公報
【特許文献2】
特開平10−214978号公報
【特許文献3】
特開平10−256569号公報
【0007】
マイクロミラー素子に要求される技術的事項の一つとして、光反射を担うミラー面の平面度が高いことが挙げられる。しかしながら、表面マイクロマシニング技術によると、最終的に形成されるミラー面が薄いため、ミラー面が湾曲し易く、高平面度が保証されるのは、ミラー面のサイズにおいて一辺の長さが数10μmのものに限られる。
【0008】
これに対して、バルクマイクロマシニング技術によると、相対的に分厚い材料基板自体をエッチング技術により削り込んでミラー部を構成し、このミラー部上にミラー面を設けるため、より広面積のミラー面であっても、その剛性を確保することができる。その結果、充分に高い光学的平面度を有するミラー面を形成することが可能となる。したがって、特に一辺の長さが100μm以上のミラー面が必要とされるマイクロミラー素子の製造においては、バルクマイクロマシニング技術が広く採用されている。
【0009】
図29は、バルクマイクロマシニング技術によって作製された従来の静電駆動型マイクロミラー素子の一例としての、マイクロミラー素子400の一部省略分解斜視図である。マイクロミラー素子400は、ミラー基板410とベース基板420とがスペーサ(図示略)を介して積層された構造を有する。ミラー基板410は、ミラー部411と、内フレーム412と、外フレーム413とを有する。ミラー部411と内フレーム412は、一対のトーションバー414により連結されている。内フレーム412と外フレーム413は、一対のトーションバー415により連結されている。一対のトーションバー414は、内フレーム412に対するミラー部411の回転動作の軸心を規定する。一対のトーションバー415は、外フレーム413に対する内フレーム412およびこれに伴うミラー部411の回転動作の軸心を規定する。
【0010】
ミラー部411の裏面には、一対の平板電極411a,411bが設けられており、表面には、光を反射するためのミラー面(図示略)が設けられている。また、内フレーム412の裏面には、一対の平板電極412a,412bが設けられている。
【0011】
ベース基板420には、ミラー部411の平板電極411a,411bに対向するように、平板電極420a,420bが設けられており、内フレーム412の平板電極412a,412bに対向するように、平板電極420c,420dが設けられている。従来のマイクロミラー素子においては、駆動手法として、一般的には、このような平板電極を用いて静電力を発生させる手法が採用される場合が多い。
【0012】
このような構成によれば、例えば、ミラー部411の平板電極411aを正に帯電させた状態において、ベース基板420の平板電極420aを負に帯電させると、平板電極411aと平板電極420aの間に静電引力が発生し、ミラー部411は、一対のトーションバー414を捩りながら矢印M1の方向に揺動する。
【0013】
一方、例えば、内フレーム412の平板電極412aを正に帯電させた状態において、ベース基板420の平板電極420cを負に帯電させると、平板電極412aと平板電極420cの間に静電引力が発生し、内フレーム412は、ミラー部411を伴って、一対のトーションバー415を捩りながら矢印M2方向に揺動する。図30は、このような回転駆動によって、内フレーム412およびこれに伴うミラー部411が、外フレーム413に対して傾斜角度θまで変位した状態を表す。
【0014】
平板電極420a,420bに対する平板電極411a,411bの配向については、図29に示す状態と図30に示す状態とでは異なる。そのため、図29および図30に示す各状態において、例えば平板電極411aと平板電極420aとの間に同じ電圧を印加しても、発生する静電引力の大きさは異なり、その結果、内フレーム412に対するミラー部411の傾斜角度は、相違することとなる。したがって、図29および図30に示す各状態において、内フレーム412に対するミラー部411の傾斜角度を同一とするためには、例えば平板電極411aと平板電極420aとの間に、各状態に応じて異なる適切な大きさの静電引力を発生させなければならない。これを達成するためには、外フレーム413に対する内フレーム412の傾斜角度を考慮して、平板電極411aおよび平板電極420aに印加する電圧を制御する必要がある。
【0015】
このような印加電圧の制御を行うためには、ミラー部411の内フレーム412に対する印加電圧に応じた傾斜角度のデータ、および、外フレーム413に対する印加電圧に応じた傾斜角度のデータを保存しておき、これらを参照して印加電圧を選択する等の手法を採用しなければならない。そのうえ、そのデータ量は膨大となる。そのため、このような印加電圧制御を伴う駆動手法が採用されるマイクロミラー素子400では、スイッチング速度の向上が困難であって、駆動回路に対する負担も過大となってしまう。
【0016】
また、マイクロミラー素子400に採用されている平板電極構造にあっては、ベース基板420に設けられた平板電極420a,420b,420c,420dによって、平板電極411a,411bを備えたミラー部411、ないし、平板電極412a、412bを備えた内フレーム412を引き込むような駆動をするため、その駆動に際して引入れ電圧(Pull−in Voltage)が存在する。すなわち、或る電圧でミラー部411ないし内フレーム412が急激に引き込まれる現象が生じ、ミラー部411の傾斜角度を適切に制御できないという問題が発生する場合がある。この問題は、特に大きな傾斜角度(約5°以上)を達成しようとする場合、すなわちトーションバーの捩れの程度が大きい場合に顕著となる。
【0017】
このような不具合を解決すべく、平板電極構造に代えて、櫛歯電極構造によって、マイクロミラー素子を駆動する手法が提案されている。図31は、櫛歯電極構造を採用した従来のマイクロミラー素子500の一部省略斜視図である。
【0018】
マイクロミラー素子500は、上面または下面にミラー面(図示略)が設けられたミラー部510と、内フレーム520と、外フレーム530(一部省略)とを有し、各々に、櫛歯電極が一体的に形成されている。具体的には、ミラー部510には、その一対の平行な側面から外方に延出する一対の櫛歯電極510a,510bが形成されている。内フレーム520には、櫛歯電極510a,510bに対応して一対の櫛歯電極520a,520bが内方に延びて形成されているとともに、一対の櫛歯電極520c,520dが外方に延びて形成されている。
外フレーム530には、櫛歯電極520c,520dに対応して、一対の櫛歯電極530a,530bが内方に延びて形成されている。また、ミラー部510と内フレーム520は、一対のトーションバー540により連結されており、内フレーム520と外フレーム530は、一対のトーションバー550により連結されている。一対のトーションバー540は、内フレーム520に対するミラー部510の回転動作の軸心を規定し、一対のトーションバー550は、外フレーム530に対する内フレーム520およびこれに伴うミラー部510の回転動作の軸心を規定している。
【0019】
このような構成のマイクロミラー素子500においては、静電力を発生させるために近接して設けられた一組の櫛歯電極、例えば櫛歯電極510aおよび櫛歯電極520aは、電圧非印加時には、図32(a)に示すように、上下2段に分かれた状態をとっている。そして、電圧印加時には、図32(b)に示すように、櫛歯電極510aが櫛歯電極520aに引き込まれ、これによってミラー部510を駆動する。より具体的には、図30において、例えば、櫛歯電極510aを正に帯電させ、櫛歯電極520aを負に帯電させると、ミラー部510が、一対のトーションバー540を捩りながらM3の方向に揺動する。一方、櫛歯電極520cを正に帯電させ、櫛歯電極530aを負に帯電させると、内フレーム520は、一対のトーションバー550を捩りながらM4の方向に揺動する。
【0020】
これら2つの回転動作は、互いに独立している。すなわち、櫛歯電極510a,510bおよび櫛歯電極520a,520bに電位を付与する前において、外フレーム530に対する内フレーム520の傾斜角度の大きさに拘わらず、櫛歯電極510a,510bは、櫛歯電極520a,520bに対して常に同じ配向状態をとる。このように、マイクロミラー素子500においては、外フレーム530に対する内フレーム520およびこれに伴うミラー部510の傾斜角度が影響を与えないため、ミラー部510の傾斜角度の制御を単純化することができる。
【0021】
また、櫛歯電極構造によると、生ずる静電力の作用方向について、ミラー部510の揺動方向に対して略直交するように設定される。したがって、ミラー部510の駆動の際に、引込みによる櫛歯電極の接触が起こりにくく、その結果、ミラー部510について、大きな傾斜角度を適切に達成することが可能となる。
【0022】
マイクロミラー素子500では、ミラー部510および内フレーム520の回転動作に伴って櫛歯(電極)が変位するため、ミラー部510および内フレーム520の傾斜角度に見合った充分な厚みを有する櫛歯電極を形成しておく必要がある。例えば、ミラー部510の胴体部511の長さDが1mmである場合、ミラー部510を内フレーム520に対して、一対のトーションバー540によって規定される軸心まわりに5°傾斜させると、胴体端部511’の一方は44μm沈み込む。そのため、ミラー部510に形成する櫛歯電極510a,510bの厚みTは、少なくとも44μm以上とする必要がある。
【0023】
その一方で、小さな印加電圧によって大きな傾斜角度を得るという観点からは、捩り抵抗を有するトーションバー540,550については、薄肉に形成するのが好ましい。しかしながら、従来のマイクロミラー素子500では、トーションバー540,550は、ミラー部510、内フレーム520および外フレーム530を構成する材料基板と同一の厚みに形成されており、分厚い。例えば、上述のように櫛歯電極510a,510bの厚みTを44μm以上に設計すると、ミラー部510とともに、トーションバー540,550の厚みも44μm以上となってしまう。このような分厚いトーションバー540,550であると、これらを捩るために櫛歯電極間に発生させるべき静電力は大きくなり、その結果、駆動電圧も大きくなってしまう。また、従来の技術においては、トーションバー540,550の幅寸法を変更することによって、トーションバー540,550の捩れ抵抗力を調節しているが、幅方向の設計変更だけでは、適切な捩れ抵抗力を設定するのには充分でない場合が多い。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
このように、バルクマイクロマシニング技術により作製されるマイクロ構造体では、材料基板においてエッチング成形される種々の構造部において、異なる厚みないし高さが要求される場合がある。しかしながら、従来のバルクマイクロマシニング技術においては、厚い構造部に一体的に接続する薄い構造部を、厚み寸法について高精度に形成するのは困難であった。
【0025】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、厚み寸法について高精度に形成された薄肉部を有するマイクロ構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【0026】
本発明の第1の側面によると、薄肉部を有するマイクロ構造体を製造するための方法が提供される。この方法は、第1導体層と、第2導体層と、第3導体層と、第2導体層において薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための部位を含むパターン形状を有して第1導体層および第2導体層の間に介在する第1絶縁層と、第2導体層における薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して第2導体層および第3導体層の間に介在する第2絶縁層と、を含む積層構造を有する材料基板における第1導体層の側から、薄肉部箇所に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターンを介して、第2絶縁層に至るまでエッチング処理を行うことによって、薄肉部を成形する工程を含む。
【0027】
好ましくは、材料基板は、更に、第1絶縁層を貫通し且つ第1導体層と薄肉部とを電気的に接続するための第1導電連絡部、および/または、第2絶縁層を貫通し且つ第3導体層と薄肉部とを電気的に接続するための第2導電連絡部を有する。
【0028】
本発明の第2の側面によると、薄肉部を有するマイクロ構造体を製造するための他の方法が提供される。この方法は、第1導体層と、第2導体層と、第3導体層と、第2導体層において記薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有して第1導体層および第2導体層の間に介在する第1絶縁層と、第2導体層における薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して第2導体層および第3導体層の間に介在する第2絶縁層と、を含む積層構造を有するように、材料基板を作製する材料基板積層化工程と、材料基板における第1導体層の側から、薄肉部箇所に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターンを介して、第2絶縁層に至るまでエッチング処理を行うことによって、薄肉部を成形する薄肉部成形工程と、を含む。
【0029】
第2の側面における第1の好ましい実施形態では、形態材料基板積層化工程は、第1導体層上に、薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、第1導体層に対して第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第2導体層を積層形成する第1積層工程と、第2導体層上に、当該第2導体層における薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有する第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、第2導体層に対して第2絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む。
【0030】
第2の側面における第2の好ましい実施形態では、材料基板積層化工程は、第1導体層上に、薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、第1導体層に対して第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第2導体層を積層形成する第1積層工程と、第2導体層上に第1プレ絶縁層を成膜する工程と、第1プレ絶縁層が成膜された第2導体層と、表面に第2プレ絶縁層が成膜されている第3導体層とを、第1プレ絶縁層および第2プレ絶縁層を介して接合することによって、第2導体層に対して、第1プレ絶縁層および第2プレ絶縁層に由来して形成された第2絶縁層を介して第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む。
【0031】
第2の側面における第3の好ましい実施形態では、材料基板積層化工程は、第1導体層上に、当該第1導体層において櫛歯部へと加工される櫛歯部箇所を非マスク領域に含み且つ薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、第1導体層に対して第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第2導体層を積層形成する第1積層工程と、第2導体層の側から、櫛歯部箇所をマスクするためのマスクパターンを介して、第1導体層の途中までエッチング処理を行う工程と、第2導体層上に第1プレ絶縁層を成膜する工程と、第1プレ絶縁層が成膜された第2導体層と、表面に第2プレ絶縁層が成膜されている第3導体層とを、第1プレ絶縁層および第2プレ絶縁層を介して接合することによって、第2導体層に対して、第1プレ絶縁層および第2プレ絶縁層に由来して形成された第2絶縁層を介して第3導体層を積層形成する工程と、を含む。
【0032】
第2の側面における第4の好ましい実施形態では、材料基板積層化工程は、第2導体層と、第3導体層と、第2導体層および第3導体層の間の第2絶縁層よりなる材料基板中間体における第2導体層上に、薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、第2導体層に対して第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第1導体層を積層形成する第1積層工程と、を含む。
【0033】
第2の側面における第5の好ましい実施形態では、材料基板積層化工程は、第2導体層と、ベース層と、第2導体層における薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して第2導体層およびベース層の間に介在する第2絶縁層と、よりなる材料基板中間体における第2導体層上に、薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、第2導体層に対して第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第1導体層を積層形成する第1積層工程と、ベース層を除去することによって第2絶縁層を露出させる絶縁層露出工程と、第2導体層に対して第2絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む。
【0034】
第2の側面における第6の好ましい実施形態では、材料基板積層化工程は、ベース導体層上に、薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、ベース導体層に対して、第1絶縁層をマスクとして、薄肉部の厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う工程と、ベース導体層に対して第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第1導体層を形成する第1積層工程と、ベース導体層を、第1導体層とは反対の側から、薄肉部の厚みに相当する厚みが残る深さまで除去することによって、第2導体層を形成する工程と、第2導体層上に、第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、第2導体層に対して、第2絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む。
【0035】
第2の側面の第1から第6の好ましい実施形態においては、好ましくは、第1絶縁層形成工程で形成される第1絶縁層は、導電連絡部用の非マスク部を更に含むパターン形状を有し、第1積層工程では、非マスク部に導体材料が堆積することによって、第1導体層と薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される。
【0036】
第1および第6の好ましい実施の形態においては、好ましくは、第2絶縁層形成工程で形成される第2絶縁層は、導電連絡部用の非マスク部を更に含むパターン形状を有し、第2積層工程では、非マスク部に導体材料が堆積することによって、第3導体層と薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される。
【0037】
第1の好ましい実施の形態においては、好ましくは、第2積層工程においては、第2導体層に対して第2絶縁層の側から導体材料を成膜した後に当該導体材料をエピタキシャル成長させる工程を含む。
【0038】
第2および第3の好ましい実施の形態においては、好ましくは、更に、第3導体層および第2絶縁層を貫通して第2導体層に至る貫通孔を形成する工程と、当該貫通孔に導体材料を供給することによって、第3導体層と薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部を形成する工程と、を含む。
【0039】
第4の好ましい実施の形態においては、好ましくは、第1絶縁層形成工程で形成される第1絶縁層は、導電連絡部用の第1非マスク部を更に含むパターン形状を有し、第1絶縁層形成工程の後であって第1積層工程の前に、更に、第1絶縁層をマスクとして第2導体層に対して第2絶縁層に至るまでエッチング処理を行う工程と、第2絶縁層に対して導電連絡部用の第2非マスク部を形成する工程とを含み、第1積層工程では、第2非マスク部に導体材料が堆積することによって、第3導体層と薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される。
【0040】
第5の好ましい実施の形態においては、好ましくは、絶縁層露出工程の後、更に、第2絶縁層に対して導電連絡部用の非マスク部を形成する工程を含み、第2積層工程では、非マスク部に導体材料が堆積することによって、第3導体層と薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される。
【0041】
本発明の第3の側面によると、薄肉部を有するマイクロ構造体を製造するための他の方法が提供される。この方法は、第1導体層、第2導体層、並びに、当該第1導体層および第2導体層の間の第1絶縁層よりなる積層構造を含む第1材料基板における第2導体層に対して、第2導体層において薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための部位を有するマスクパターンを介して、第1絶縁層に至るまで第1エッチング処理を行うことによって、第1絶縁層に接する薄肉部を形成する工程と、薄肉部をエッチングストップ膜により被覆する工程と、第2導体層に対して、薄肉部を埋め込むように、第3導体層を積層形成する工程と、第3導体層の側から、薄肉部に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターンを介して、第1絶縁層に至るまで第2エッチング処理を行う工程と、を含む。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明により製造することのできるマイクロ構造体の一例としてのマイクロミラー素子X1を表す。
【0043】
マイクロミラー素子X1は、不純物をドープすることによって導電性が付与されたシリコンまたはポリシリコン、および、絶縁層、よりなる多層構造を有する材料基板において成形されたものであり、ミラー部110と、これを囲む内フレーム120と、内フレーム120を囲む外フレーム130と、ミラー部110および内フレーム120を連結する一対の連結部140と、内フレーム120および外フレーム130を連結する一対の連結部150とを備える。ミラー部110と内フレーム120との間の離隔距離、および、内フレーム110と外フレーム120と間の離隔距離は、例えば10〜200μmである。一対の連結部140は、内フレーム120に対するミラー部110の回転動作の軸心を規定する。一対の連結部150は、外フレーム130に対する内フレーム120およびこれに伴うミラー部110の回転動作の軸心を規定する。連結部140,150は、これら2つの軸心が直交するように、設けられている。図2では、連結部140,150よりも紙面手前方向に突き出る部位が、ハッチを付して表されている。
【0044】
ミラー部110には、その一対の平行な側面から外方に延出する一対の櫛歯電極110a,110bが一体成形されている。また、ミラー部110の上面には、ミラー面111が設けられている。
【0045】
内フレーム120は、上層部121と、一対の下層部122とを有する。上層部121および下層部122は、電気的に分離されている。上層部121には、外方に延出する櫛歯電極121a,121bが一体的に成形されている。一対の下層部122には、内方に延出する櫛歯電極122a,122bが一体的に成形されている。櫛歯電極122aは、ミラー部110から延出する櫛歯電極110aの下方に位置しているが、内フレーム120に対するミラー部110の回転動作時において櫛歯電極110aの歯と櫛歯電極122aの歯とが当接しないように、配設されている。同様に、櫛歯電極122bは、ミラー部110から延出する櫛歯電極110bの下方に位置しているが、ミラー部110の回転動作時において櫛歯電極110bの歯と櫛歯電極122bの歯とが当接しないように、配設されている。
【0046】
外フレーム130は、上層部131と下層部132とを有する。上層部131および下層部132は、電気的に分離されている。下層部132には、内方に延出する櫛歯電極132a,132bが一体的に成形されている。櫛歯電極132aは、内フレーム120の上層部121から延出する櫛歯電極121aの下方に位置しているが、外フレーム130に対する内フレーム120の回転動作時において、櫛歯電極121aの歯と櫛歯電極132aの歯とが当接しないように、配設されている。同様に、櫛歯電極132bは、内フレーム120の上層部121から延出する櫛歯電極121bの下方に位置しているが、内フレーム120の回転動作時において、櫛歯電極121bの歯と櫛歯電極132bの歯とが当接しないように、配設されている。
【0047】
各連結部140は、相互に離隔している2本のトーションバー141からなる。各トーションバー141は、ミラー部110および内フレーム120と接続し、これらよりも薄肉である。また、2本のトーションバー141の間隔は、内フレーム120の側からミラー部110の側にかけて次第に広くなっている。
【0048】
各連結部150は、相互に離隔している2本のトーションバー151からなる。各トーションバー151は、内フレーム120および外フレーム130と接続し、これらよりも薄肉である。また、2本のトーションバー151の間隔は、外フレーム130の側から内フレーム120の側にかけて次第に広くなっている。
【0049】
このように、マイクロミラー素子X1は、ミラー部110および内フレーム120よりも薄肉であって、ミラー部110および内フレーム120の間の導電経路を担い得る連結部140ないしトーションバー141を有し、且つ、内フレーム120および外フレーム130よりも薄肉であって、内フレーム120および外フレーム130の間の導電経路を担い得る連結部150ないしトーションバー151を有する。各連結部140,150に含まれるトーションバーの数については、必要に応じて変更してもよい。
【0050】
図3(a)〜図6(c)は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一連の工程を表す。この方法は、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。
【0051】
図3(a)〜図6(c)においては、図6(c)に示すミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3の形成過程を、一の断面により表す。当該一の断面は、マイクロマシニングが施される材料基板(多層構造を有するウエハ)における単一のマイクロミラー素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面としたものである。
【0052】
図6(c)において、ミラー部Mは、ミラー部110の一部位に相当する。トーションバーT1は、トーションバー141に相当し、その延び方向に沿った断面により表されている。内フレームF1は、内フレーム120において上層部121を含む一部位に相当する。櫛歯電極E1は、櫛歯電極110a,110b,121a,121bの一部に相当する。櫛歯電極E2は、櫛歯電極122a,122b,132a,132bの一部に相当する。トーションバーT2は、トーションバー141,151に相当し、その延び方向に垂直な断面により表されている。内フレームF2は、内フレーム120において上層部12および下層部122を含む一部位に相当する。トーションバーT3は、トーションバー151に相当し、その延び方向に沿った断面により表されている。外フレームF3は、外フレーム130の一部位に相当する。
【0053】
図6(c)に示すトーションバーT3は、内フレーム120の下層部122と、外フレーム130の下層部132とを電気的に接続しているが、後述するように、トーションバーT3については、上層部121と上層部131、上層部121と下層部132、または、下層部122と上層部131を電気的に接続するように形成することもできる。
【0054】
また、図3(a)〜図5(c)においては、当該モデル化断面とともに、ウエハの端部付近におけるアライメントマーク形成部位についての2種類の断面を表す。この2種類の断面は、異なる2つのアライメントマーク形成方法に対応するものである。モデル化断面の右隣の断面により、第1アライメントマーク形成方法によるアライメントマークの形成過程を表す。図中最も右側の断面により、第2アライメントマーク形成方法によるアライメントマークの形成過程を表す。本実施形態では、いずれのアライメントマーク形成方法を採用してもよい。また、アライメントマークは、ウエハにおける適切な2箇所に形成される。
【0055】
第1の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法においては、まず、図3(a)に示すように、シリコン基板11の上に酸化膜パターン12を形成する。本実施形態では、シリコン基板11は、PやSbをドープすることによって導電性が付与されたシリコンよりなるウエハであり、例えば300μmの厚みを有する。酸化膜パターン12の形成においては、具体的には、まず、熱酸化法(加熱温度900℃)により、シリコン基板11の表面に、酸化シリコンよりなり厚が例えば0.25μmの酸化膜を成長させる。そして、シリコン基板11の上面の酸化膜については、所定のレジストパターンをマスクとしたエッチングによりパターニングする。このパターニングにおけるエッチング液としては、例えば、フッ酸とフッ化アンモニウムからなるバッファードフッ酸(BHF)を使用することができる。熱酸化膜またはCVD酸化膜からなる後出の各酸化膜パターンについても、このようなレジストパターンの形成およびその後のエッチング処理を経て形成される。シリコン基板11の下面に成長した酸化膜は、BHFにより除去される。
【0056】
酸化膜パターン12は、図6(a)に示す工程において、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、トーションバーT2、および、トーションバーT3へと加工される箇所をマスクするためのものである。また、第1アライメントマーク形成方法を採用する場合には、本工程にて、アライメントマークAM1が形成される。
【0057】
次に、例えばCVD法により、酸化膜パターン12の上方からシリコン基板11に対してポリシリコンを成膜することによって、図3(b)に示すように、ポリシリコン層13a,13bを形成する。ポリシリコン層13a,13bは、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、酸化膜パターン12の表面から例えば3μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層13aと、シリコン基板11およびポリシリコン層13bとは、電気的に接続している。また、ポリシリコン層13aの表面には、酸化膜パターン12の厚みに起因して、約0.25μmの段差が生じるが、図の簡潔化の観点より当該段差は省略する。
【0058】
次に、図3(c)に示すように、ポリシリコン層13aの上に酸化膜パターン14を形成する。具体的には、まず、CVD法により、ポリシリコン層13aの表面に、酸化シリコンよりなり例えば1μmの厚みを有する酸化膜を成長させる。その後、当該酸化膜をパターニングする。酸化膜パターン14は、導電連絡部用の開口部14a,14bを有する。第1アライメントマーク形成方法を採用する場合には、酸化膜パターン14は、アライメントマークAM1に対応する位置に開口部14cを有する。また、第2アライメントマーク形成方法を採用する場合には、本工程にて、アライメントマークAM2が形成される。
【0059】
次に、CVD法により、酸化膜パターン14の上方からポリシリコンを成膜することによって、図3(d)に示すように、酸化膜パターン14の開口部14a,14bに導電連絡部としてのプラグP1,P2を形成し、且つ、酸化膜パターン14の上にポリシリコン層15を形成する。ポリシリコン層15は、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、酸化膜パターン14の表面から例えば3μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層15とポリシリコン層13aとは、電気的に接続している。
【0060】
次に、図4(a)に示すように、エピタキシャル成長法により、ポリシリコン層15の上にポリシリコン層16を形成する。本実施形態では、ポリシリコン層16は、エピタキシャル成長時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、ポリシリコン層15の表面から約130μmの厚みを有する。本工程では、ポリシリコン層16の表面には、比較的大きな凹凸が形成されてしまう。
【0061】
次に、図4(b)に示すように、ポリシリコン層16の表面を研削およびそれに続いて鏡面研磨する。これにより、酸化膜パターン14上のポリシリコン層15およびポリシリコン層16の総厚を50μmとする。
【0062】
本工程を経ることによって、シリコン基板11およびポリシリコン層13bよりなる第1導体層101と、ポリシリコン層13aよりなる第2導体層102と、ポリシリコン層15およびポリシリコン層16よりなる第3導体層103と、第1導体層および第2導体層の間に介在する酸化膜パターン12(第1絶縁層104)と、第2導体層および第3導体層の間に介在する酸化膜パターン14(第2絶縁層105)とからなる積層構造を有する材料基板が形成される。
【0063】
次に、図4(c)に示すように、アライメントマークを露出させる。第1アライメントマーク形成方法を採用する場合には、第3導体層103の側から、所定のレジストパターンをマスクとして、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)により、第1導体層101が数μm掘れるまでエッチング処理を行う。第2アライメントマーク形成方法を採用する場合には、第3導体層103の側から、所定のレジストパターンをマスクとして、DRIEにより、第1絶縁層104に至るまでエッチング処理を行う。
【0064】
DRIEでは、エッチングと側壁保護を交互に行うBoschプロセスにおいて、SFガスによるエッチングを例えば8秒行い、Cガスによる側壁保護処理を例えば6.5秒行い、ウエハに印加するバイアスを例えば23Wとすることによって、良好なエッチング処理を行うことができる。以降のDRIEについても、このような条件を採用することができる。
【0065】
次に、図4(d)に示すように、第1導体層101上に配線17(図1および図2において図示せず)を形成するとともに、第3導体層103上にミラー面111を形成する。具体的には、第1導体層101および第3導体層103に対して、スパッタリングにより、例えば、Cr(50nm)およびこれに続いてAu(200nm)を成膜した後に当該金属膜に対して所定のマスクを介したエッチング処理を行うことによって、配線17およびミラー面111をパターン形成する。Crに対するエッチング液としては、例えば硝酸第二セリウムアンモニウムを使用することができる。Auに対するエッチング液としては、例えば、ヨウ化カリウム−ヨウ素水溶液を使用することができる。第3導体層103上におけるミラー面111のパターニングに際しては、アライメントマーク(AM1またはAM2)を参照して位置合せを行う。第1導体層101上における配線17のパターニングに際しては、第3導体層103上のミラー面111のパターン形状を参照して位置合せを行う。
【0066】
次に、図5(a)に示すように、第1導体層101および第3導体層103に対して、酸化膜パターン18を形成し、且つ、第1導体層101に対してレジストパターン19を形成する。レジストパターン19の形成においては、具体的には、第1導体層101上に液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経てパターニングする。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210(クラリアントジャパン製)やAZ1500(クラリアントジャパン製)を使用することができる。以降のレジストパターンについても、このようなフォトレジストの成膜およびその後の露光・現象を経て形成される。
【0067】
第3導体層103上の酸化膜パターン18は、図5(c)に示す工程にて、第3導体層103においてミラー部M、内フレームF1、櫛歯電極E1、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。第1導体層101上の酸化膜パターン18は、図5(d)および図6(a)に示す工程にて、第1導体層101において外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。レジストパターン19は、図5(d)に示す工程にて、第1導体層101において櫛歯電極E2および内フレームF2へと加工される箇所に対応する箇所をマスクするためのものである。
【0068】
次に、図5(b)に示すように、アライメントマーク(AM1またはAM2)を穴埋めしてもよい。穴埋めには、レジストやSOG(Spin−on−Glass)などを使用することができる。
【0069】
次に、図5(c)に示すように、第3導体層103に対して、酸化膜パターン18をマスクとして、DRIEにより第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、内フレームF1の一部、櫛歯電極E1、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0070】
次に、図5(d)に示すように、DRIEにより、酸化膜パターン18およびレジストパターン19をマスクとして、第1導体層101に対して櫛歯電極E2の厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う。当該エッチング処理の前に、図5(d)に示すように、第2絶縁層105の上位に犠牲膜20を形成しておいてもよい。犠牲膜20は、第2絶縁層105の上位の構造が、本工程以降に破損することを防止すべく設けられるものである。犠牲膜20は、例えば、液状ガラスを塗布した後にこれをアニールすることによって形成することができる。これに代えて、犠牲膜20としてはレジストを塗布形成してもよい。或は、紫外線硬化型接着フィルムシートなどのような接着力を制御できるフィルムを材料基板に張り付けることによって、犠牲膜20を形成してもよい。
【0071】
次に、レジストパターン19を剥離した後、図6(a)に示すように、第1導体層101の側から第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、トーションバーT1、内フレームF1の一部、櫛歯電極E2、トーションバーT2、内フレームF2の一部、トーションバーT3、および、外フレームF3の一部が成形される。また、内フレームF2には、導電連絡部としてのプラグP3が形成される。同様に、外フレームF3には、プラグP4が形成される。レジストパターン19を剥離するための剥離液としては、AZリムーバ700(クラリアントジャパン製)を使用することができる。以降のレジストパターンの剥離についても、これを使用することができる。
【0072】
次に、図6(b)に示すように、犠牲層20を除去する。犠牲層20の除去に際しては、液状ガラスに対しては例えばBHFを使用することができる。レジストに対しては、AZリムーバ700(クラリアントジャパン製)を使用することができる。
【0073】
次に、図6(c)に示すように、エッチング液に素子を浸漬することによって、露出している第1絶縁層104、第2絶縁層105、および、酸化膜パターン18をエッチング除去する。
【0074】
以上の一連の工程を経ることによって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3が形成される。すなわち、図1および図2に示すマイクロミラー素子X1が製造される。
【0075】
本実施形態では、図3(b)に示す工程において、ポリシリコン層13aすなわち第2導体層102を、厚み寸法について高精度に成膜することができる。したがって、本実施形態によると、絶縁層104,105の間において予め厚み寸法が高精度に規定されている第2導体層102から、トーションバー141,151を、厚み寸法について高精度に成形することができるのである。
【0076】
本実施形態において形成されるミラー部Mは、第3導体層103に由来する部位と、第2導体層102に由来してトーションバーT1に連続する部位とを有し、これら2つの部位は、プラグP1を介して電気的に接続している。内フレームF1は、第3導体層103に由来する部位すなわち上層部121と、第2導体層102に由来してトーションバーT1に連続する部位とを有し、これら2つの部位は、プラグP2を介して電気的に接続している。したがって、ミラー部M(ミラー部110)と内フレームF1(内フレーム120)の上層部121とは、トーションバーT1(トーションバー141)によって電気的に接続されている。
【0077】
また、内フレームF2は、第2導体層102に由来してトーションバーT3に連続する部位と、第1導体層101に由来する部位すなわち下層部122とを有し、これら2つの部位は、プラグP3を介して電気的に接続している。外フレームF3は、第2導体層102に由来してトーションバーT3に連続する部位と、第1導体層101に由来する部位すなわち下層部132とを有し、これら2つの部位は、プラグP4を介して電気的に接続している。したがって、内フレームF2(内フレーム120)の下層部122と、外フレームF3(外フレーム130)の下層部132とは、トーションバーT3(トーションバー151)によって電気的に接続されている。
【0078】
本実施形態においては、内フレームF2および外フレームF3の間の電気的接続の態様について、他の態様を形成することもできる。内フレームF2において、下層部122と第2導体層由来部位との間にプラグP3を設けずに、下層部122と第2導体層由来部位との間を第1絶縁層104により電気的に分離し、且つ、上層部121と第2導体層由来部位との間に、例えば内フレームF1のプラグP2を形成したのと同様の工程を経て導電プラグを設けることによって、内フレームF2の上層部121は、トーションバーT3と電気的に接続することとなる。図6(c)における内フレームF2の構造をこのように変更すると、内フレームF2(内フレーム120)の上層部121と、外フレームF3(外フレーム130)の下層部132とを、トーションバーT3(トーションバー151)によって電気的に接続することができる。
【0079】
同様に、外フレームF3において、下層部132と第2導体層由来部位との間にプラグP4を設けずに、下層部132と第2導体層由来部位との間を第1絶縁層104により電気的に分離し、且つ、上層部131と第2導体層由来部位との間に、例えば内フレームF1のプラグP2と同様のプラグを設けることによって、外フレームF3の上層部131は、トーションバーT3と電気的に接続することとなる。図6(c)における外フレームF3の構造をこのように変更すると、内フレームF2(内フレーム120)の下層部122と、外フレームF3(外フレーム130)の上層部131とを、トーションバーT3(トーションバー151)によって電気的に接続することができる。
【0080】
また、図6(c)における内フレームF2および外フレームF3の構造を、共に上述のように変更すると、内フレームF2(内フレーム120)の上層部121と、外フレームF3(外フレーム130)の上層部131とを、トーションバーT3(トーションバー151)によって電気的に接続することができる。
【0081】
マイクロミラー素子X1において、連結部150に含まれる各トーションバー151について上述のいずれかの電気的接続態様を適宜選択し、且つ、各トーションバー151が不適切に短絡しないように内フレーム120および外フレーム130の内部において導電経路を形成することによって、外フレーム130から内フレーム120に対して、複数の電位伝達が可能となる。すなわち、各櫛歯電極に対して付与すべき電位の大きさを、個別に制御することが可能となる。その結果、マイクロミラー素子X1について、複雑な動作を適切に実現することが可能となる。
【0082】
図7(a)〜図10(c)は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一連の工程を表す。この方法も、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図7(a)〜図10(c)においては、図3(a)〜図6(c)と同様に、モデル化した一の断面によって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3の形成過程を表す。また、本実施形態では、アライメントマークAM3の形成過程についても、モデル化断面において表す。
【0083】
本実施形態では、まず、図7(a)に示すように、シリコン基板21の下面にアライメントマークAM3としての凹部を形成した後、シリコン基板21の上面に酸化膜パターン22を形成する。アライメントマークAM3は、DRIEにより、所定のマスクを介して5μm程の深さまでエッチング処理を行うことによって形成する。酸化膜パターン22は、熱酸化法によりシリコン基板21の上面に成膜された酸化膜(厚みは例えば0.25μm)をパターニングすることによって形成する。当該パターニングに際しては、アライメントマークAM3を参照して位置合せを行う。酸化膜パターン22は、図10(a)に示す工程において、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、トーションバーT2、および、トーションバーT3へと加工される箇所をマスクするためのものである。
【0084】
次に、CVD法により、酸化膜パターン22の上方からシリコン基板21に対してポリシリコンを成膜することによって、図7(b)に示すように、ポリシリコン層23a,23bを形成する。ポリシリコン層23a,23bは、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、酸化膜パターン22の表面から例えば3μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層23aと、シリコン基板21およびポリシリコン層23bとは、電気的に接続している。ポリシリコン層23bには、アライメントマークAM3に対応する凹部が形成される。
【0085】
次に、図7(c)に示すように、CVD法により、ポリシリコン層23a,23bの上に、例えば1μmの厚みを有する酸化膜24’を成膜する。次に、図7(d)に示すように、片面に酸化膜24’’が成膜されたシリコン基板25を用意する。酸化膜24’’は、熱酸化法によりシリコン基板25上に形成されたものである。
【0086】
次に、図8(a)に示すように、シリコン基板25を、酸化膜24’’を介して酸化膜24’の上に加熱接合する。酸化膜24’と酸化膜24’’は、一体となって酸化膜24となる。
【0087】
次に、図8(b)に示すように、シリコン基板25に対して酸化膜24に至る貫通孔を形成した後、酸化膜24に対して導電連絡部用の開口部24a,24bを形成する。シリコン基板25における貫通孔は、所定のレジストパターンをマスクとするDRIEにより形成する。開口部24a,24bは、BHFに素子を浸漬することによって形成する。このとき、ポリシリコン層23b上の酸化膜24’も除去される。
【0088】
次に、図8(c)に示すように、ポリシリコン層26およびプラグP5,P6を形成する。これらの形成においては、まず、例えばCVD法により、シリコン基板25上および開口部24a,24b内に、ポリシリコン膜(例えば1μm)を成膜する。次に、例えばCVD法により、当該ポリシリコン膜上にリンシリケートガラス(PSG)膜(例えば1μm)を成膜し、続いて熱処理を行う。これにより、導電機能を有するプラグP5,P6の形成が可能となる。次に、開口部24a,24bに連通するシリコン基板25の貫通孔を、ポリシリコンをエピタキシャル成長させることによって填塞する。次に、貫通孔外にてエピタキシャル成長したポリシリコンを研磨して除去する。このようにして、ポリシリコン層26およびプラグP5,P6を形成することができる。本工程を経た材料基板においては、シリコン基板25とポリシリコン層23aとは、電気的に接続している。
【0089】
本工程を経ることによって、シリコン基板21およびポリシリコン層23bよりなる第1導体層101と、ポリシリコン層23aよりなる第2導体層102と、シリコン基板25およびポリシリコン層26よりなる第3導体層103と、第1導体層および第2導体層の間に介在する酸化膜パターン22(第1絶縁層104)と、第2導体層および第3導体層の間に介在する酸化膜24(第2絶縁層105)とからなる積層構造を有する材料基板が形成される。
【0090】
次に、図8(d)に示すように、第1導体層101上に配線27(図1および図2において図示せず)を形成するとともに、第3導体層103上にミラー面111を形成する。具体的には、第1の実施形態において図4(d)を参照して上述したのと略同様である。ただし、第1導体層101上における配線27のパターニングに際しては、アライメントマークAM3を参照して位置合せを行う。第3導体層103上のミラー面111のパターニングに際しては、第1導体層101上の配線27のパターン形状を参照して位置合せを行う。
【0091】
次に、図9(a)に示すように、第1導体層101および第3導体層103に対して、酸化膜パターン28を形成し、且つ、第1導体層101に対してレジストパターン29を形成する。
【0092】
第3導体層103上の酸化膜パターン28は、図9(b)に示す工程にて、第3導体層103においてミラー部M、内フレームF1、櫛歯電極E1、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。第1導体層101上の酸化膜パターン28は、図9(c)および図10(a)に示す工程にて、第1導体層101において外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。レジストパターン29は、図9(c)に示す工程にて、第1導体層101において櫛歯電極E2および内フレームF2へと加工される箇所に対応する箇所をマスクするためのものである。
【0093】
次に、図9(b)に示すように、第3導体層103に対して、酸化膜パターン28をマスクとして、DRIEにより第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、内フレームF1の一部、櫛歯電極E1、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0094】
次に、図9(c)に示すように、第2絶縁層105の上位に犠牲膜20を形成した後に、DRIEにより、レジストパターン29をマスクとして、第1導体層101に対して櫛歯電極E2の厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う。
【0095】
次に、レジストパターン29を剥離した後に、図10(a)に示すように、第1導体層101の側から第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、トーションバーT1、内フレームF1の一部、櫛歯電極E2、トーションバーT2、内フレームF2の一部、トーションバーT3、および、外フレームF3の一部が成形される。また、内フレームF2には、第1の実施形態と同様のプラグP3が形成される。同様に、外フレームF3には、プラグP4が形成される。
【0096】
次に、図10(b)に示すように、第1の実施形態において図6(b)を参照して上述したのと同様に、犠牲層20を除去する。次に、図10(c)に示すように、エッチング液に素子を浸漬することによって、露出している第1絶縁層104、第2絶縁層105、および、酸化膜パターン28をエッチング除去する。
【0097】
以上の一連の工程を経ることによって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3が形成される。すなわち、図1および図2に示すマイクロミラー素子X1が製造される。
【0098】
本実施形態では、図7(b)に示す工程において、ポリシリコン層23aすなわち第2導体層102を、厚み寸法について高精度に成膜することができる。したがって、本実施形態によると、絶縁層104,105の間において予め厚み寸法が高精度に規定されている第2導体層102から、トーションバー141,151を、厚み寸法について高精度に成形することができるのである。
【0099】
本実施形態において形成されるミラー部Mは、第3導体層103に由来する部位と、第2導体層102に由来してトーションバーT1に連続する部位とを有し、これら2つの部位は、プラグP5を介して電気的に接続している。内フレームF1は、第3導体層103に由来する部位すなわち上層部121と、第2導体層102に由来してトーションバーT1に連続する部位とを有し、これら2つの部位は、プラグP6を介して電気的に接続している。したがって、ミラー部M(ミラー部110)と内フレームF1(内フレーム120)の上層部121とは、トーションバーT1(トーションバー141)によって電気的に接続されている。
【0100】
本実施形態により形成される、内フレームF2および外フレームF3の間の電気的接続態様、および、そのバリエーションについては、第1の実施形態に関して上述したのと同様である。したがって、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においては、外フレーム130から内フレーム120に対して、複数の電位伝達が可能となり、各櫛歯電極に対して付与すべき電位の大きさを、個別に制御することが可能となる。その結果、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においても、複雑な動作を適切に実現することが可能となる。
【0101】
図11(a)〜図14(d)は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一連の工程を表す。この方法も、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図11(a)〜図14(d)においては、図3(a)〜図6(c)と同様に、モデル化した一の断面によって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3の形成過程を表す。また、本実施形態では、第2の実施形態と同様に、アライメントマークAM3の形成過程についても、モデル化断面において表す。
【0102】
本実施形態では、まず、図11(a)および図11(b)に示すように、第2の実施形態において図7(a)および図7(b)を参照して上述したのと同様の工程を経る。
【0103】
次に、ポリシリコン層23a,23bの上に例えば1μmの厚みを有する酸化膜31を成膜した後、図11(c)に示すように、ポリシリコン層23a上の酸化膜31をパターニングして酸化膜パターン32を形成する。酸化膜パターン32は、図11(d)に示す工程において、櫛歯電極E2へと加工される箇所をマスクするためのものである。
【0104】
次に、図11(d)に示すように、酸化膜パターン32をマスクとして、DRIEにより、ポリシリコン層23aおよびシリコン基板21に対して、櫛歯電極E2の厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う。
【0105】
次に、図12(a)に示すように、酸化膜パターン32の上方から、CVD法により、更に酸化シリコンよりなる酸化膜を成膜する。これにより、前工程で成形された櫛歯電極E2の表面が酸化膜32’により被覆される。
【0106】
次に、図12(b)に示すように、片面に酸化膜33が成膜されたシリコン基板34を用意する。酸化膜33は、熱酸化法によりシリコン基板34上に形成されたものである。
【0107】
次に、図12(c)に示すように、シリコン基板34を、酸化膜33を介して酸化膜32の上に加熱接合する。酸化膜32と酸化膜33は、一体となって酸化膜35となる。
【0108】
次に、図12(d)に示すように、シリコン基板34に対して酸化膜35に至る貫通孔を形成した後、酸化膜35に対して導電連絡部用の開口部35a,35bを形成する。シリコン基板34における貫通孔は、所定のレジストパターンをマスクとするDRIEにより形成する。開口部35a,35bは、BHFに素子を浸漬して、酸化膜35において露出する部分をエッチング除去することによって形成する。このとき、ポリシリコン層23b上の酸化膜31も除去される。
【0109】
次に、図13(a)に示すように、ポリシリコン層36およびプラグP5,P6を形成する。これらの形成においては、まず、例えばCVD法により、シリコン基板34上および開口部35a,35b内に、ポリシリコン膜(例えば1μm)を成膜する。次に、例えばCVD法により、当該ポリシリコン膜上にリンシリケートガラス(PSG)膜(例えば1μm)を成膜し、続いて熱処理を行う。これにより、導電機能を有するプラグP5,P6の形成が可能となる。次に、開口部35a,35bに連通するシリコン基板34の貫通孔を、ポリシリコンをエピタキシャル成長させることによって填塞する。次に、貫通孔外にてエピタキシャル成長したポリシリコンを研磨して除去する。本工程を経た材料基板においては、シリコン基板34とポリシリコン層23aとは、電気的に接続している。
【0110】
本工程を経ることによって、シリコン基板21およびポリシリコン層23bよりなる第1導体層101と、ポリシリコン層23aよりなる第2導体層102と、シリコン基板34およびポリシリコン層36よりなる第3導体層103と、第1導体層および第2導体層の間に介在する酸化膜パターン22(第1絶縁層104)と、第2導体層および第3導体層の間に介在する酸化膜35(第2絶縁層105)とからなる積層構造を有する材料基板が形成される。
【0111】
次に、図13(b)に示すように、第1導体層101上に配線37(図1および図2において図示せず)を形成するとともに、第3導体層103上にミラー面111を形成する。具体的には、第2の実施形態において図8(d)を参照して上述したのと同様である。
【0112】
次に、図13(c)に示すように、第1導体層101および第3導体層103に対して、酸化膜パターン38を形成し、且つ、第1導体層101に対してレジストパターン39を形成する。第3導体層103上の酸化膜パターン38は、図13(d)に示す工程にて、第3導体層103においてミラー部M、内フレームF1、櫛歯電極E1、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。第1導体層101上の酸化膜パターン38は、図14(a)および図14(b)に示す工程にて、第1導体層101において外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。レジストパターン39は、図14(a)に示す工程にて、第1導体層101において櫛歯電極E2および内フレームF2へと加工される箇所に対応する箇所をマスクするためのものである。
【0113】
次に、図13(d)に示すように、第3導体層103に対して、酸化膜パターン38をマスクとして、DRIEにより第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、内フレームF1の一部、櫛歯電極E1、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0114】
次に、図14(a)に示すように、第2絶縁層105の上位に犠牲膜20を形成した後に、DRIEにより、レジストパターン39をマスクとして、第1導体層101に対して所定の深さまでエッチング処理を行う。
【0115】
次に、レジストパターン39を剥離した後に、図14(b)に示すように、第1導体層101の側から第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、トーションバーT1、内フレームF1の一部、櫛歯電極E2、トーションバーT2、内フレームF2の一部、トーションバーT3、および、外フレームF3の一部が成形される。本工程におけるエッチング処理中には、櫛歯電極E2は、酸化膜32’に被覆保護される。また、内フレームF2には、第1の実施形態と同様のプラグP3が形成される。同様に、外フレームF3には、プラグP4が形成される。
【0116】
次に、図14(c)に示すように、第1の実施形態において図6(b)を参照して上述したのと同様に、犠牲層20を除去する。
【0117】
次に、図14(d)に示すように、エッチング液に素子を浸漬することによって、露出している第1絶縁層104、第2絶縁層105、酸化膜パターン38、および、櫛歯電極E2を保護していた酸化膜32’をエッチング除去する。
【0118】
以上の一連の工程を経ることによって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3が形成される。すなわち、図1および図2に示すマイクロミラー素子X1が製造される。
【0119】
本実施形態では、図11(b)に示す工程において、ポリシリコン層23aすなわち第2導体層102を、厚み寸法について高精度に成膜することができる。
したがって、本実施形態によると、絶縁層104,105の間において予め厚み寸法が高精度に規定されている第2導体層102から、トーションバー141,151を、厚み寸法について高精度に成形することができるのである。
【0120】
本実施形態において形成されるミラー部Mおよび内フレームF2の間の電気的接続態様については、第2の実施形態に関して上述したのと同様である。したがって、ミラー部M(ミラー部110)と内フレームF1(内フレーム120)の上層部121とは、トーションバーT1(トーションバー141)によって電気的に接続されている。
【0121】
本実施形態により形成される、内フレームF2および外フレームF3の間の電気的接続態様、および、そのバリエーションについては、第1の実施形態に関して上述したのと同様である。したがって、本実実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においては、外フレーム130から内フレーム120に対して、複数の電位伝達が可能となり、各櫛歯電極に対して付与すべき電位の大きさを、個別に制御することが可能となる。その結果、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においても、複雑な動作を適切に実現することが可能となる。
【0122】
また、本実施形態では、櫛歯電極E2は、シリコン基板21において予め埋め込み形成される。そのため、外フレームF3の下層部132よりも厚み寸法の短い櫛歯電極E2を精度よく形成することができる。
【0123】
図15(a)〜図17(d)は、本発明の第4の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一連の工程を表す。この方法も、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図15(a)〜図17(d)においては、図3(a)〜図6(c)と同様に、モデル化した一の断面によって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3の形成過程を表す。また、図15(a)〜図17(a)においては、当該モデル化断面とともに、ウエハの端部付近におけるアライメントマーク形成部位の断面を表す。
【0124】
本実施形態では、まず、図15(a)に示すように、SOI(Silicon on Insulator)基板40に対して、酸化膜パターン44を形成する。SOI基板40は、相対的に厚いシリコン層41と、相対的に薄いシリコン層42と、これらに挟まれた酸化膜43とからなる積層構造を有する。
【0125】
シリコン層41,42は、PやSbをドープすることによって導電性が付与されたシリコンよりなる。酸化膜43は、熱酸化法により、シリコン層41またはシリコン層42の表面に成長形成された酸化シリコンよりなる。酸化膜43の成膜手段としては、熱酸化法に代えて、CVD法を採用してもよい。酸化膜43の成長形成の後、シリコン層41とシリコン層42とが接合されてSOI基板40が作製される。本実施形態では、例えば、シリコン層41の厚みは例えば150μmであり、シリコン層42の厚みは例えば5μmであり、酸化膜43の厚みは例えば1μmである。
【0126】
酸化膜パターン44は、シリコン層42上に、熱酸化法により酸化シリコンよりなる酸化膜を成長させ、これをパターニングすることによって形成する。酸化膜パターン44は、図15(b)および図17(b)に示す工程において、主にトーションバーT1〜T3をマスクするためのものである。また、本工程においては、シリコン層42上にアライメントマークAM4が形成される。
【0127】
次に、図15(b)に示すように、酸化膜パターン44をマスクとして、DRIEにより、シリコン層42に対して酸化膜43に至るまでエッチング処理を行う。次に、図15(c)に示すように、所定のレジストパターンをマスクとして、酸化膜43の所定の箇所に、導電連絡部用の開口部43a,43bを形成する。次に、CVD法により、SOI基板40に対してポリシリコンを成膜することによって、図15(d)に示すように、ポリシリコン層45a,45bを形成する。このとき、当該ポリシリコンにより、酸化膜パターン43の開口部43a,43bは填塞される。ポリシリコン層45a,45bは、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、約1μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層45aおよびシリコン層42と、シリコン層41およびポリシリコン層45bとは、電気的に接続している。
【0128】
次に、図16(a)に示すように、エピタキシャル成長法により、ポリシリコン層45aの上にポリシリコン層46を形成する。本実施形態では、ポリシリコン層46は、エピタキシャル成長時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、ポリシリコン層45aの表面から約130μmの厚みを有する。本固定では、ポリシリコン層46の表面には、比較的大きな凹凸が形成されてしまう。
【0129】
次に、図16(b)に示すように、ポリシリコン層46の表面を研削およびそれに続いて鏡面研磨する。これにより、酸化膜パターン44上のポリシリコン層45aおよびポリシリコン層46の総厚を50μmとする。
【0130】
本工程を経ることによって、ポリシリコン層45aおよびポリシリコン層46よりなる第1導体層101と、シリコン層42およびポリシリコン層45aよりなる第2導体層102と、シリコン層41およびポリシリコン層45bよりなる第3導体層103と、第1導体層および第2導体層の間に介在する酸化膜パターン44(第1絶縁層104)と、第2導体層および第3導体層の間に介在する酸化膜43(第2絶縁層105)とからなる積層構造を有する材料基板が形成される。
【0131】
次に、図16(c)に示すように、アライメントマークAM4を露出させる。
具体的には、第1導体層101の側から、所定のレジストパターンをマスクとして、DRIEにより、第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。図16(c)以降の図においては、図の簡潔化の観点より、ポリシリコン層46に入り込むポリシリコン層45aは図示しない。
【0132】
次に、図16(d)に示すように、第1導体層101上にミラー面111を形成するとともに、第3導体層103上に配線47(図1および図2において図示せず)形成する。具体的には、第1の実施形態において図4(d)を参照して上述したのと略同様である。
【0133】
次に、図17(a)に示すように、第1導体層101に対して酸化膜パターン48を形成し、且つ、第3導体層103に対して酸化膜パターン49を形成する。酸化膜パターン48は、図17(b)に示す工程にて、第1導体層101においてミラー部M、内フレームF1、櫛歯電極E1、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。ただし、酸化膜パターン48は、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクする部位に、各々、開口部48a,48bを有する。酸化膜パターン49は、図17(c)に示す工程にて、第3導体層103において、櫛歯電極E2、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。
【0134】
次に、図17(b)に示すように、第1導体層101の側から、酸化膜パターン48をマスクとして、DRIEにより第3導体層103が数μm掘れるまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、トーションバーT1、内フレームF1の一部、櫛歯電極E1、トーションバーT2、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。このとき、ミラー部Mおよび内フレームF1において、各々、導電連絡部としてのプラグP7およびプラグP8が形成される。これとともに、内フレームF2および外フレームF3において、各々、導電連絡部としてのプラグP9およびプラグP10が形成される。
【0135】
次に、図17(c)に示すように、第2絶縁層105の上位に犠牲膜20を形成した後に、DRIEにより、レジストパターン49をマスクとして、第3導体層103に対して、第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、内フレームF1の一部、櫛歯電極E2、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0136】
次に、第1の実施形態において図6(b)を参照して上述したのと同様に犠牲層20を除去した後、図17(d)に示すように、エッチング液に素子を浸漬することによって、露出している第1絶縁層104、第2絶縁層105、および、酸化膜パターン48,49をエッチング除去する。
【0137】
以上の一連の工程を経ることによって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3が形成される。すなわち、図1および図2に示すマイクロミラー素子X1が製造される。
【0138】
本実施形態では、図15(a)に示す工程において使用するSOI基板40において、シリコン層42すなわち第2導体層102を、薄膜形成技術により、厚み寸法について高精度に形成しておくことができる。したがって、本実施形態によると、絶縁層104,105の間において予め厚み寸法が高精度に規定されている第2導体層102から、トーションバー141,151を、厚み寸法について高精度に成形することができるのである。
【0139】
本実施形態において形成されるミラー部Mは、第1導体層101に由来する部位と、第2導体層102に由来してトーションバーT1に連続する部位とを有し、これら2つの部位は、プラグP7を介して電気的に接続している。内フレームF1は、第1導体層101に由来する部位すなわち上層部121と、第2導体層102に由来してトーションバーT1に連続する部位とを有し、これら2つの部位は、プラグP8を介して電気的に接続している。したがって、ミラー部M(ミラー部110)と内フレームF1(内フレーム120)の上層部121とは、トーションバーT1(トーションバー141)によって電気的に接続されている。
【0140】
また、内フレームF2は、第2導体層102に由来してトーションバーT3に連続する部位と、第3導体層103に由来する部位すなわち下層部122とを有し、これら2つの部位は、プラグP9を介して電気的に接続している。外フレームF3は、第2導体層102に由来してトーションバーT3に連続する部位と、第3導体層103に由来する部位すなわち下層部132とを有し、これら2つの部位は、プラグP10を介して電気的に接続している。したがって、内フレームF2(内フレーム120)の下層部122と、外フレームF3(外フレーム130)の下層部132とは、トーションバーT3(トーションバー151)によって電気的に接続されている。本実施形態により形成される、内フレームF2および外フレームF3の間の電気的接続態様のバリエーションについては、第1の実施形態に関して上述したのと略同様である。したがって、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においては、外フレーム130から内フレーム120に対して、複数の電位伝達が可能となり、各櫛歯電極に対して付与すべき電位の大きさを、個別に制御することが可能となる。その結果、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においても、複雑な動作を適切に実現することが可能となる。
【0141】
また、本実施形態では、櫛歯電極E2は、外フレームF3の下層部132と同じ厚み寸法を有する。したがって、櫛歯電極E2を成形するためのエッチング深度は浅くて済み、厚み寸法について櫛歯電極E2を精度よく形成することができる。
【0142】
図18(a)〜図21(d)は、本発明の第5の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一連の工程を表す。この方法も、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図18(a)〜図21(d)においては、図3(a)〜図6(c)と同様に、モデル化した一の断面によって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3の形成過程を表す。また、図18(a)〜図21(a)においては、当該モデル化断面とともに、ウエハの端部付近におけるアライメントマーク形成部位の断面を表す。
【0143】
本実施形態では、まず、図18(a)に示すように、SOI基板50に対して、酸化膜パターン54を形成する。SOI基板50は、相対的に厚いシリコン層51と、相対的に薄いシリコン層52と、これらに挟まれた酸化膜53とからなる積層構造を有する。シリコン層51,52は、PやSbをドープすることによって導電性が付与されたシリコンよりなる。酸化膜53は酸化シリコンよりなる。SOI基板50は、第4の実施形態におけるSOI基板40と同様にして作製されたものである。本実施形態では、シリコン層52の厚みは例えば5μmであり、酸化膜53の厚みは例えば1μmである。
【0144】
酸化膜パターン54は、シリコン層42上に、熱酸化法により酸化シリコンよりなる酸化膜を成長させ、これをパターニングすることによって形成する。酸化膜パターン44は、図18(b)および図21(b)に示す工程において、主にトーションバーT1〜T3をマスクするためのものである。また、本工程においては、シリコン層52上にアライメントマークAM5が形成される。
【0145】
次に、図18(b)に示すように、酸化膜パターン54をマスクとして、DRIEにより、シリコン層52に対して酸化膜53に至るまでエッチング処理を行う。次に、CVD法により、SOI基板50に対して、酸化膜パターン54の上方からポリシリコンを成膜することによって、図18(c)に示すように、ポリシリコン層55aを形成する。ポリシリコン層55aは、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、約1μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層55aとシリコン層52とは、電気的に接続している。
【0146】
次に、図18(d)に示すように、エピタキシャル成長法により、ポリシリコン層55aの上にポリシリコン層55bを形成する。本実施形態では、ポリシリコン層55bは、エピタキシャル成長時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、ポリシリコン層55aの表面から約130μmの厚みを有する。本工程では、ポリシリコン層55bの表面には、比較的大きな凹凸が形成されてしまう。
【0147】
次に、図19(a)に示すように、ポリシリコン層55bの表面を研削およびそれに続いて鏡面研磨する。これにより、酸化膜パターン54上のポリシリコン層55aおよびポリシリコン層55bの総厚を50μmとする。
【0148】
次に、図19(b)に示すように、SOI基板50のシリコン層51を研磨により除去する。図19(b)以降の図においては、図の簡潔化の観点より、ポリシリコン層55bに入り込むポリシリコン層55aは図示しない。次に、図19(c)に示すように、酸化膜53に対して、所定のマスクを用いたエッチング処理により、導電連絡部用の開口部53a,53bを形成する。次に、CVD法により、酸化膜53に対してポリシリコンを成膜することによって、図19(d)に示すように、ポリシリコン層56aを形成する。このとき、酸化膜53の開口部53a,53bがポリシリコンにより填塞されることによって、導電連絡部としてのプラグP11,P12が形成される。ポリシリコン層56aおよびプラグP11,P12は、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、ポリシリコン層56aは約1μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層56aとシリコン層52とは、電気的に接続している。
【0149】
次に、図20(a)に示すように、エピタキシャル成長法により、ポリシリコン層56a上にポリシリコン層56bを形成する。本実施形態では、ポリシリコン層56bは、エピタキシャル成長時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、ポリシリコン層56aの表面から約130μmの厚みを有する。本工程では、ポリシリコン層56bの表面には、比較的大きな凹凸が形成されてしまう。
【0150】
次に、図20(b)に示すように、ポリシリコン層56bの表面を研削およびそれに続いて鏡面研磨する。これにより、酸化膜53上のポリシリコン層56aおよびポリシリコン層56bの総厚を50μmとする。
【0151】
本工程を経ることによって、ポリシリコン層55aおよびポリシリコン層55bよりなる第1導体層101と、シリコン層52およびポリシリコン層55aよりなる第2導体層102と、ポリシリコン層56aおよびポリシリコン層56bよりなる第3導体層103と、第1導体層および第2導体層の間に介在する酸化膜パターン54(第1絶縁層104)と、第2導体層および第3導体層の間に介在する酸化膜53(第2絶縁層105)とからなる積層構造を有する材料基板が形成される。
【0152】
次に、図20(c)に示すように、アライメントマークAM5を露出させる。
具体的には、第1導体層101の側から、所定のレジストパターンをマスクとして、DRIEにより、第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。次に、図20(d)に示すように、第1導体層101上にミラー面111を形成するとともに、第3導体層103上に配線57(図1および図2において図示せず)形成する。具体的には、第1の実施形態において図4(d)を参照して上述したのと略同様である。
【0153】
次に、図21(a)に示すように、第1導体層101に対して酸化膜パターン58を形成し、且つ、第3導体層103に対して酸化膜パターン59を形成する。酸化膜パターン58は、図21(b)に示す工程にて、第1導体層101および第2導体層102においてミラー部M、内フレームF1、櫛歯電極E1、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。酸化膜パターン49は、図21(c)に示す工程にて、第3導体層103において、櫛歯電極E2および内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。
【0154】
次に、図21(b)に示すように、第1導体層101に対して、酸化膜パターン58をマスクとして、DRIEにより第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、トーションバーT1、内フレームF1の一部、櫛歯電極E1、トーションバーT2、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。このとき、ミラー部Mおよび内フレームF1において、各々、導電連絡部としてのプラグP7およびプラグP8が形成される。
【0155】
次に、図21(c)に示すように、第2絶縁層105の上位に犠牲膜20を形成した後に、DRIEにより、レジストパターン59をマスクとして、第3導体層103に対して、第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、内フレームF1の一部、櫛歯電極E2、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0156】
次に、第1の実施形態において図6(b)を参照して上述したのと同様に犠牲層20を除去した後、図21(d)に示すように、エッチング液に素子を浸漬することによって、露出している第1絶縁層104、第2絶縁層105、および、酸化膜パターン58,59をエッチング除去する。
【0157】
以上の一連の工程を経ることによって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3が形成される。すなわち、図1および図2に示すマイクロミラー素子X1が製造される。
【0158】
本実施形態では、図18(a)に示す工程において使用するSOI基板50において、シリコン層52すなわち第2導体層102を、薄膜形成技術により、厚み寸法について高精度に形成しておくことができる。したがって、本実施形態によると、絶縁層104,105の間において予め厚み寸法が高精度に規定されている第2導体層102から、トーションバー141,151を、厚み寸法について高精度に成形することができるのである。
【0159】
本実施形態により形成される、ミラー部Mおよび内フレームF2の間の電気的接続態様については、第3の実施形態に関して上述したのと同様である。また、内フレームF2は、第2導体層102に由来してトーションバーT3に連続する部位と、第3導体層103に由来する部位すなわち下層部122とを有し、これら2つの部位は、プラグP11を介して電気的に接続している。外フレームF3は、第2導体層102に由来してトーションバーT3に連続する部位と、第3導体層103に由来する部位すなわち下層部132とを有し、これら2つの部位は、プラグP12を介して電気的に接続している。したがって、内フレームF2(内フレーム120)の下層部122と、外フレームF3(外フレーム130)の下層部132とは、トーションバーT3(トーションバー151)によって電気的に接続されている。本実施形態により形成される、内フレームF2および外フレームF3の間の電気的接続態様のバリエーションについては、第1の実施形態に関して上述したのと略同様である。したがって、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においては、外フレーム130から内フレーム120に対して、複数の電位伝達が可能となり、各櫛歯電極に対して付与すべき電位の大きさを、個別に制御することが可能となる。その結果、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においても、複雑な動作を適切に実現することが可能となる。
【0160】
また、本実施形態では、櫛歯電極E2は、外フレームF3の下層部132と同じ厚み寸法を有する。したがって、櫛歯電極E2を成形するためのエッチング深度は浅くて済み、厚み寸法について櫛歯電極E2を精度よく形成することができる。
【0161】
図22(a)〜図23(c)は、本発明の第6の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一部の工程を表す。この方法も、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図22(a)〜図23(c)においては、図3(a)〜図6(c)と同様に、モデル化した一の断面によって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、内フレームF2、トーションバーT3、および、外フレームF3の形成過程を表す。また、図22(a)〜図23(c)においては、当該モデル化断面とともに、ウエハの端部付近におけるアライメントマーク形成部位の断面を表す。
【0162】
本実施形態では、まず、図22(a)に示すように、シリコン基板61に対して、酸化膜パターン62を形成する。シリコン基板61は、PやSbをドープすることによって導電性が付与されたシリコンよりなるウエハである。酸化膜パターン62は、熱酸化法によりシリコン基板61上に成膜された酸化シリコン膜をパターニングすることによって形成される。本実施形態では、シリコン基板61の厚みは例えば150μmであり、酸化膜パターン62の厚みは例えば1μmである。酸化膜パターン62は、第5の実施形態の酸化膜パターン54と同様に主にトーションバーT1〜T3をマスクするためのものである。また、本工程においては、シリコン基板61上にアライメントマークAM6が形成される。
【0163】
次に、図22(b)に示すように、酸化膜パターン62をマスクとして、DRIEにより、シリコン基板61に対して、トーションバーTの厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う。
【0164】
次に、CVD法により、シリコン基板61に対して、酸化膜パターン62の上方からポリシリコンを成膜することによって、図22(c)に示すように、ポリシリコン層63を形成する。ポリシリコン層63は、CVD時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、約1μmの厚みを有する。本工程を経た材料基板においては、ポリシリコン層63とシリコン基板61とは、電気的に接続している。
【0165】
次に、図22(d)に示すように、エピタキシャル成長法により、ポリシリコン層63の上にポリシリコン層64を形成する。本実施形態では、ポリシリコン層64は、エピタキシャル成長時にポリシリコンにPをドープすることによって導電性が付与されており、ポリシリコン層63の表面から約130μmの厚みを有する。本工程では、ポリシリコン層64の表面には、比較的大きな凹凸が形成されてしまう。
【0166】
次に、図23(a)に示すように、ポリシリコン層64の表面を研削およびそれに続いて鏡面研磨する。これにより、酸化膜パターン62上のポリシリコン層63およびポリシリコン層64の総厚を50μmとする。
【0167】
次に、図23(b)に示すように、シリコン基板61を研磨する。具体的には、ポリシリコン層63が現れ、且つ、トーションバーT1〜T3が現れるまで、シリコン基板61を研磨する。図23(b)以降の図においては、図の簡潔化の観点より、ポリシリコン層64に入り込むポリシリコン層63は図示しない。
【0168】
次に、図23(c)に示すように、研磨表面に対して、酸化膜パターン65を形成する。具体的には、CVD法により、当該研磨面に酸化シリコンよりなる酸化膜を形成した後、これをパターニングすることによって、酸化膜パターン65を形成する。酸化膜パターン65は、導電連絡部用の開口部65a,65bを有する。
【0169】
以降の工程については、第5の実施形態において図19(d)〜図21(d)を参照して上述した工程と同一である。したがって、本実施形態によると、第5の実施形態により製造されるのと同様の内部層構造を有するマイクロミラー素子X1を製造することができる。
【0170】
図24(a)〜図28(d)は、本発明の第7の実施形態に係るマイクロ構造体製造方法における一部の工程を表す。この方法も、マイクロマシニング技術によって上述のマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図24(a)〜図28(d)においては、モデル化した一の断面によって、図28(d)に示すミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、一組の櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、トーションバーT3、内フレームF2、トーションバーT4、および、外フレームF3の形成過程を表す。上述の第1〜第6の実施形態とは異なり、トーションバーT2は、マイクロミラー素子X1のトーションバー141に相当し、その延び方向に垂直な断面により表されている。また、トーションバーT3は、トーションバー151に相当し、その延び方向に垂直な断面により表されている。トーションバーT4は、トーションバー151に相当し、その延び方向に沿った断面により表されている。また、図25(a)〜図27(a)においては、当該モデル化断面とともに、ウエハの端部付近におけるアライメントマーク形成部位の断面を表す。
【0171】
本実施形態では、まず、図24(a)に示すようなSOI基板70を用意する。SOI基板70は、相対的に厚いシリコン層71と、相対的に薄いシリコン層72と、これらに挟まれた酸化膜73とからなる積層構造を有する。シリコン層71,72は、PやSbをドープすることによって導電性が付与されたシリコンよりなる。酸化膜73は酸化シリコンよりなる。SOI基板70は、第4の実施形態におけるSOI基板40と同様にして作製されたものである。本実施形態では、シリコン層71の厚みは例えば300μmであり、シリコン層72の厚みは例えば5μmであり、酸化膜73の厚みは例えば1μmである。
【0172】
次に、図24(b)に示すように、シリコン層72において、トーションバー141(T1,T2)を成形する。具体的には、所定のレジストパターンをマスクとして、DRIEにより、酸化膜73に至るまでエッチング処理を行なうことによって、トーションバー141を成形する。
【0173】
次に、図24(c)に示すように、レジストパターン74を形成した後、DRIE、または、KOH水溶液を使用する異方性エッチングにより、トーションバーT1,T2を若干量(例えば1μm)削る。すなわち、トーションバーT1,T2を少しだけ薄くする。レジストパターン74は、トーションバーT1,T2以外のシリコン層72を覆っている。
【0174】
次に、図24(d)に示すように、トーションバーT1,T2を、熱酸化法により形成された酸化シリコンよりなる酸化膜75により被覆する。
【0175】
次に、図25(a)に示すように、シリコン層72に対して、レジスト膜76を積層形成する。シリコン層72が凹凸を有するので、レジスト膜76の形成においては、レジストスプレー(ノンコンタクトジェットディスペンサ)を使用するのが好ましい。
【0176】
次に、レジスト膜76に対して、トーションバーT1,T2との位置合わせを正確に行いつつアライメントマーク形成用の開口部76aを形成した後、当該レジスト膜76をマスクとして、図25(b)に示すように、DRIEにより酸化膜73に至るまでエッチング処理することによって、アライメントマークAM7を形成する。
【0177】
次に、図25(c)に示すように、BHFを作用させることにより、アライメントマーク形成部において前工程で露出した酸化膜73の一部を除去する。次に、図25(d)に示すように、アライメントマーク形成部において、更なるDRIEにより、シリコン層71に対して所定の深さまでエッチング処理を行なう。
【0178】
次に、図26(a)に示すように、SOI基板70からレジスト膜76を除去する。次に、図26(b)に示すように、SOI基板70のシリコン層72の側に対して、シリコン基板77を加熱接合する。シリコン基板77は、PやSbをドープすることによって導電性が付与されたシリコンよりなり、例えば150μmの厚みを有する。
【0179】
本工程を経ることによって、シリコン基板77よりなる第1導体層101と、シリコン層72よりなる第2導体層102と、シリコン層71よりなる第3導体層103と、第1導体層および第2導体層の間に介在する酸化膜75(第1絶縁層104)と、第2導体層および第3導体層の間に介在する酸化膜73(第2絶縁層105)とからなる積層構造を有する材料基板が形成される。
【0180】
次に、図26(c)に示すように、シリコン層71が所定の厚みとなるように、当該シリコン層71を研磨する。このとき、アライメントマークAM7が第3導体層103の側に露出する。
【0181】
次に、図26(d)に示すように、第1導体層101上にミラー面111を形成するとともに、第3導体層103上に配線78を形成する。具体的には、第2の実施形態において図8(d)を参照して上述したのと同様である。
【0182】
次に、図27(a)に示すように、第1導体層101に対して酸化膜パターン79を形成し、且つ、第3導体層103に対して酸化膜パターン80およびレジストパターン81を形成する。酸化膜パターン79は、図27(b)に示す工程にて、第1導体層101および第2導体層102においてミラー部M、内フレームF1、櫛歯電極E1、内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。酸化膜パターン80は、図27(c)および図28(a)に示す工程にて、第3導体層103において、櫛歯電極E2および内フレームF2、および、外フレームF3へと加工される箇所をマスクするためのものである。レジストパターン81は、図27(c)に示す工程にて、トーションバーT3,T4へと加工される箇所に対応する箇所をマスクするためのものである。
【0183】
次に、図27(b)に示すように、第1導体層101および第2導体層102に対して、酸化膜パターン79をマスクとして、DRIEにより第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、ミラー部Mの一部、トーションバーT1、内フレームF1の一部、櫛歯電極E1、トーションバーT2、内フレームF2の一部、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0184】
次に、図27(c)に示すように、第2絶縁層105の上位に犠牲膜20を形成した後に、DRIEにより、酸化膜パターン80およびレジストパターン81をマスクとして、第3導体層103に対して、トーションバーT3,T4の厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う。次に、図27(d)に示すように、レジストパターン81を除去する。
【0185】
次に、図28(a)に示すように、配線パターン80をマスクとして、第3導体層103に対して、第2絶縁層105に至るまでエッチング処理を行う。これによって、櫛歯電極E2、トーションバーT3、内フレームF2の一部、トーションバーT4、および、外フレームF3の一部が成形される。
【0186】
次に、図28(b)に示すように、第1の実施形態において図6(b)を参照して上述したのと同様に犠牲層20を除去する。次に、図28(c)に示すように、エッチング液に素子を浸漬することによって、露出している第1絶縁層104、第2絶縁層105、および、酸化膜パターン79,80をエッチング除去する。
【0187】
以上の一連の工程を経ることによって、ミラー部M、トーションバーT1、内フレームF1、櫛歯電極E1,E2、トーションバーT2、トーションバーT3、内フレームF2、トーションバーT4、および、外フレームF3が形成される。すなわち、図1および図2に示すマイクロミラー素子X1が製造される。
【0188】
本実施形態では、図24(a)に示す工程において使用するSOI基板70において、シリコン層72すなわち第2導体層102を、薄膜形成技術により、厚み寸法について高精度に形成しておくことができる。したがって、本実施形態によると、絶縁層104,105の間において予め厚み寸法が高精度に規定されている第2導体層102から、トーションバー141を、厚み寸法について高精度に成形することができるのである。
【0189】
本実施形態により形成される、ミラー部M(ミラー部110)と内フレームF1(内フレーム120)の上層部121とは、図28(a)に表れているように、トーションバーT1によって機械的かつ電機的に接続されている。また、内フレームF2(内フレーム120)の下層部122と、外フレームF3(外フレーム130)の下層部132とは、図28(a)に表れているように、トーションバーT4によって機械的かつ電機的に接続されている。本実施形態においては、内フレームF2と外フレームF3との間にトーションバーT4に代えて、又はこれとともに、トーションバーT1と同様の工程を経て他のトーションバーを設けることによって、内フレームF2の上層部121と外フレームF3の上層部131とを電気的に接続することができる。内フレームF2と外フレームF3とに接続するこのようなトーションバーを設ける場合、内フレームF2および外フレームF3の内部においては、当該トーションバーとトーションバーT4とが短絡しないような導電経路を形成する。このように、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においては、外フレーム130から内フレーム120に対して、複数の電位伝達が可能となり、各櫛歯電極に対して付与すべき電位の大きさを、個別に制御することが可能となる。その結果、本実施形態により製造されるマイクロミラー素子X1においても、複雑な動作を適切に実現することが可能となる。
【0190】
また、本実施形態では、櫛歯電極E2は、外フレームF3の下層部132と同じ厚み寸法を有する。したがって、櫛歯電極E2を成形するためのエッチング深度は浅くて済み、厚み寸法について櫛歯電極E2を精度よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造することのできるマイクロ構造体の一例としてのマイクロミラー素子の斜視図である。
【図2】図1に示すマイクロミラー素子の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図4】図3に続く工程を表す。
【図5】図4に続く工程を表す。
【図6】図5に続く工程を表す。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図8】図7に続く工程を表す。
【図9】図8に続く工程を表す。
【図10】図9に続く工程を表す。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図12】図11に続く工程を表す。
【図13】図12に続く工程を表す。
【図14】図13に続く工程を表す。
【図15】本発明の第4の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図16】図15に続く工程を表す。
【図17】図16に続く工程を表す。
【図18】本発明の第5の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図19】図18に続く工程を表す。
【図20】図19に続く工程を表す。
【図21】図20に続く工程を表す。
【図22】本発明の第6の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図23】図22に続く工程を表す。
【図24】本発明の第7の実施形態に係るマイクロミラー素子製造方法における一部の工程を表す。
【図25】図24に続く工程を表す。
【図26】図25に続く工程を表す。
【図27】図26に続く工程を表す。
【図28】図27に続く工程を表す。
【図29】従来の平板電極型マイクロミラー素子の分解斜視図である。
【図30】図29に示すマイクロミラー素子の傾斜態様の一例を表す。
【図31】従来の櫛歯電極型マイクロミラー素子の一部切欠斜視図である。
【図32】一組の櫛歯電極の配向を表す。
【符号の説明】
X1   マイクロミラー素子
110,M   ミラー部
120,F1,F2   内フレーム
130,F3   外フレーム
140,150   連結部
141,151,T1〜T4   トーションバー
101   第1導体層
102   第2導体層
103   第3導体層
104   第1絶縁層
105   第2絶縁層
E1,E2   櫛歯電極
P1〜P12   プラグ
AM1〜AM7   アライメントマーク

Claims (16)

  1. 薄肉部を有するマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    第1導体層と、第2導体層と、第3導体層と、前記第2導体層において薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための部位を含むパターン形状を有して前記第1導体層および前記第2導体層の間に介在する第1絶縁層と、前記第2導体層における前記薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して前記第2導体層および前記第3導体層の間に介在する第2絶縁層と、を含む積層構造を有する材料基板における前記第1導体層の側から、前記薄肉部箇所に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターンを介して、前記第2絶縁層に至るまでエッチング処理を行うことによって、前記薄肉部を成形する工程を含む、マイクロ構造体の製造方法。
  2. 前記材料基板は、更に、前記第1絶縁層を貫通し且つ前記第1導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための第1導電連絡部、および/または、前記第2絶縁層を貫通し且つ前記第3導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための第2導電連絡部を有する、請求項1に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  3. 薄肉部を有するマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    第1導体層と、第2導体層と、第3導体層と、前記第2導体層において前記薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有して前記第1導体層および前記第2導体層の間に介在する第1絶縁層と、前記第2導体層における前記薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して前記第2導体層および前記第3導体層の間に介在する第2絶縁層と、を含む積層構造を有するように、材料基板を作製する材料基板積層化工程と、
    前記材料基板における前記第1導体層の側から、前記薄肉部箇所に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターンを介して、前記第2絶縁層に至るまでエッチング処理を行うことによって、前記薄肉部を成形する薄肉部成形工程と、を含む、マイクロ構造体の製造方法。
  4. 前記材料基板積層化工程は、
    第1導体層上に、前記薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記第1導体層に対して前記第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第2導体層を積層形成する第1積層工程と、
    前記第2導体層上に、当該第2導体層における前記薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有する第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、
    前記第2導体層に対して前記第2絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む、請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  5. 前記材料基板積層化工程は、
    第1導体層上に、前記薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記第1導体層に対して前記第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第2導体層を積層形成する第1積層工程と、
    前記第2導体層上に第1プレ絶縁層を成膜する工程と、
    第1プレ絶縁層が成膜された前記第2導体層と、表面に第2プレ絶縁層が成膜されている第3導体層とを、前記第1プレ絶縁層および前記第2プレ絶縁層を介して接合することによって、前記第2導体層に対して、前記第1プレ絶縁層および前記第2プレ絶縁層に由来して形成された第2絶縁層を介して前記第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む、請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  6. 前記材料基板積層化工程は、
    第1導体層上に、当該第1導体層において櫛歯部へと加工される櫛歯部箇所を非マスク領域に含み且つ前記薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記第1導体層に対して前記第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第2導体層を積層形成する第1積層工程と、
    前記第2導体層の側から、前記櫛歯部箇所をマスクするためのマスクパターンを介して、前記第1導体層の途中までエッチング処理を行う工程と、
    前記第2導体層上に第1プレ絶縁層を成膜する工程と、
    第1プレ絶縁層が成膜された前記第2導体層と、表面に第2プレ絶縁層が成膜されている第3導体層とを、前記第1プレ絶縁層および前記第2プレ絶縁層を介して接合することによって、前記第2導体層に対して、前記第1プレ絶縁層および前記第2プレ絶縁層に由来して形成された第2絶縁層を介して前記第3導体層を積層形成する工程と、を含む、請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  7. 前記材料基板積層化工程は、
    第2導体層と、第3導体層と、前記第2導体層および前記第3導体層の間の前記第2絶縁層よりなる材料基板中間体における前記第2導体層上に、前記薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記第2導体層に対して前記第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第1導体層を積層形成する第1積層工程と、を含む、請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  8. 前記材料基板積層化工程は、
    第2導体層と、ベース層と、前記第2導体層における前記薄肉部箇所をマスク領域に含むパターン形状を有して前記第2導体層および前記ベース層の間に介在する第2絶縁層と、よりなる材料基板中間体における前記第2導体層上に、前記薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記第2導体層に対して前記第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第1導体層を積層形成する第1積層工程と、
    前記ベース層を除去することによって前記第2絶縁層を露出させる絶縁層露出工程と、
    前記第2導体層に対して前記第2絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む、請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  9. 前記材料基板積層化工程は、
    ベース導体層上に、前記薄肉部マスク部位を含むパターン形状を有する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記ベース導体層に対して、前記第1絶縁層をマスクとして、前記薄肉部の厚みに相当する深さまでエッチング処理を行う工程と、
    前記ベース導体層に対して前記第1絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第1導体層を形成する第1積層工程と、
    前記ベース導体層を、前記第1導体層とは反対の側から、前記薄肉部の厚みに相当する厚みが残る深さまで除去することによって、第2導体層を形成する工程と、
    前記第2導体層上に、第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、
    前記第2導体層に対して、前記第2絶縁層の側から導体材料を堆積することによって、第3導体層を積層形成する第2積層工程と、を含む、請求項3に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  10. 前記第1絶縁層形成工程で形成される前記第1絶縁層は、導電連絡部用の非マスク部を更に含むパターン形状を有し、前記第1積層工程では、前記非マスク部に前記導体材料が堆積することによって、前記第1導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される、請求項4から9のいずれか1つに記載のマイクロ構造体の製造方法。
  11. 前記第2絶縁層形成工程で形成される前記第2絶縁層は、導電連絡部用の非マスク部を更に含むパターン形状を有し、前記第2積層工程では、前記非マスク部に前記導体材料が堆積することによって、前記第3導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される、請求項4または9に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  12. 前記第2積層工程においては、前記第2導体層に対して前記第2絶縁層の側から導体材料を成膜した後に当該導体材料をエピタキシャル成長させる工程を含む、請求項4に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  13. 更に、前記第3導体層および前記第2絶縁層を貫通して前記第2導体層に至る貫通孔を形成する工程と、当該貫通孔に導体材料を供給することによって、前記第3導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部を形成する工程と、を含む、請求項5または6に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  14. 前記第1絶縁層形成工程で形成される前記第1絶縁層は、導電連絡部用の第1非マスク部を更に含むパターン形状を有し、前記第1絶縁層形成工程の後であって前記第1積層工程の前に、更に、前記第1絶縁層をマスクとして前記第2導体層に対して前記第2絶縁層に至るまでエッチング処理を行う工程と、前記第2絶縁層に対して導電連絡部用の第2非マスク部を形成する工程とを含み、前記第1積層工程では、前記第2非マスク部に前記導体材料が堆積することによって、前記第3導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される、請求項7に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  15. 前記絶縁層露出工程の後、更に、前記第2絶縁層に対して導電連絡部用の非マスク部を形成する工程を含み、前記第2積層工程では、前記非マスク部に前記導体材料が堆積することによって、前記第3導体層と前記薄肉部とを電気的に接続するための導電連絡部が形成される、請求項8に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  16. 薄肉部を有するマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    第1導体層、第2導体層、並びに、当該第1導体層および第2導体層の間の第1絶縁層よりなる積層構造を含む第1材料基板における第2導体層に対して、前記第2導体層において薄肉部へと加工される薄肉部箇所をマスクするための部位を有するマスクパターンを介して、前記第1絶縁層に至るまで第1エッチング処理を行うことによって、前記第1絶縁層に接する前記薄肉部を形成する工程と、
    前記薄肉部をエッチングストップ膜により被覆する工程と、
    前記第2導体層に対して、前記薄肉部を埋め込むように、第3導体層を積層形成する工程と、
    前記第3導体層の側から、前記薄肉部に対応する箇所を非マスク領域に含むマスクパターンを介して、前記第1絶縁層に至るまで第2エッチング処理を行う工程と、を含む、マイクロ構造体の製造方法。
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