JP4919750B2 - マイクロ構造体製造方法およびマイクロ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロマシニング技術により製造される例えばマイクロミラー素子、加速度センサ、角速度センサ、振動素子など、マイクロ構造体に関する。
近年、様々な技術分野において、マイクロマシニング技術により製造されるマイクロ構造体が注目され、微小構造を有する素子の応用化が図られている。マイクロ構造体には、例えばマイクロミラー素子や、加速度センサ、角速度センサなど、微小な可動部または振動部を有するマイクロ可動素子が含まれる。マイクロミラー素子は、例えば光ディスク技術や光通信技術の分野において、光反射機能を担う素子として利用される。加速度センサおよび角速度センサは、例えばロボットの姿勢制御やカメラの手ぶれ防止などの用途で、利用される。これらマイクロ可動素子は、一般に、固定部と、当該固定部に対して相対変位可能な可動部と、当該固定部および可動部を連結する連結部とを備える。このようなマイクロ構造体については、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
特開2003−19700号公報 特開2004−341364号公報 特開2006−72252号公報
図35および図36は、従来のマイクロ構造体の一例であるマイクロ構造体80を表す。図35は、マイクロ構造体80の平面図であり、図36は、図35の線XXXVI−XXXVIに沿った断面図である。
マイクロ構造体80は、第1構造部81と、第2構造部82と、当該第1構造部81および第2構造部82を連結する連結部83とを有する。このような主要構造を有するマイクロ構造体80がマイクロ可動素子として構成される場合、例えば、第1構造部81は可動部に相当し、第2構造部82は固定部に相当し、これら可動部および固定部が連結部83に連結されることとなる。
図37および図38は、マイクロ構造体80の形成過程を表す。図37および図38においては、上述の第1構造部81、第2構造部82、および連結部83の各々一部の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施される材料基板(ウエハ)における複数の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。
マイクロ構造体80の製造においては、まず、図37(a)に示すような材料基板90を用意する。材料基板90は、いわゆるSOI(Silicon on Insulator)ウエハであり、シリコン層91と、シリコン層92と、これらの間の絶縁層93とからなる積層構造を有する。絶縁層93の厚さは1μm程度である。
次に、図37(b)に示すように、シリコン層91に対して所定のマスクを介して異方性ドライエッチング処理を施すことにより、シリコン層91において成形されるべき部位(第1構造部81,第2構造部82の一部,連結部83)を形成する。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置が使用され、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。
次に、図37(c)および図37(d)に示すように、材料基板90のシリコン層91側に、接合材95を介してサブキャリア94を接合する。接合材95は、例えば、レジスト、グリス、またはシール材である。本工程では、加熱および加圧しつつ、材料基板90とサブキャリア94を接合する。このようにサブキャリア94を接合する目的は、次の加工工程において材料基板90やエッチング装置が破損することを防止する点にある。エッチング装置の真空チャンバ内でシリコン層92に対してエッチング処理を施す次の加工工程では、既にエッチング加工が施されているシリコン層91に加えてシリコン層92もエッチング加工を受けることにより材料基板90の機械的強度は相当程度に低下する。サブキャリア94は、このような材料基板90の補強材として機能し、材料基板90の破損を防止する。また、真空チャンバ内で材料基板90が破損すると、破片が生じて当該破片によりエッチング装置自体が破損する場合があるが、材料基板90の破損を防止するサブキャリア94は、装置の破損防止にも資することとなる。
マイクロ構造体80の製造においては、次に、図38(a)に示すように、シリコン層92に対して所定のマスクを介して異方性ドライエッチング処理を施すことにより、シリコン層92において成形されるべき部位(第2構造部82の一部)を形成する。本工程では、図37(b)を参照して上述した工程と同様に、真空チャンバを有する所定のエッチング装置が使用され、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。
次に、図38(b)に示すように、材料基板90とサブキャリア94を分離する。この工程は、エッチング装置の真空チャンバ外で行われる。この後、図38(c)に示すように、絶縁層93に対して等方性エッチング処理を施すことにより、絶縁層93において露出する箇所を除去する。以上のような過程を経て、マイクロ構造体80は形成される。
しかしながら、マイクロ構造体80の形成過程においては、図38(a)を参照して上述した工程以後に連結部83が破損しやすい。
図37(b)を参照して上述した工程では、シリコン層91の部分的エッチング除去により、絶縁層93はシリコン層91側に部分的に露出する。そして、図38(a)の工程の途中から又は当該工程を終えると、絶縁層93はシリコン層92側にも部分的に露出し、絶縁層93においてシリコン層91にもシリコン層92にも接合していない部位S(両面露出部位)が生ずることとなる。相当程度に薄い絶縁層93における部位Sは、脆弱であり、破断しやすい。
真空チャンバ内で行われる図38(a)の工程中、および、当該工程終了後に真空チャンバ外で図38(b)に示すように材料基板90とサブキャリア94が分離されるまでの間、絶縁層93に対してシリコン層91側は一定の圧力(例えば所定の真空度)が維持される。これに対し、絶縁層93に対してシリコン層92側は、図38(a)の工程中には真空チャンバ内に設定される所定の真空度に維持されるが、真空チャンバの真空が破られた後には昇圧して常圧となる。そのため、図38(a)の工程中および当該工程後の所定期間の少なくとも一方において、絶縁層93の部位Sの両面に作用する圧力に大きな差が生ずる。この大きな圧力差は、部位Sの破断を引き起こす一原因となる。
更には、上述の接合材95として気化しやすいものを採用すると、図38(a)に示すように材料基板90とサブキャリア94が接合された状態において、絶縁層93に対してシリコン層91側の空隙内に当該接合材95の構成材料が気化して当該空隙内が昇圧することにより、絶縁層93ないし部位Sの破断が一層生じやすくなる場合がある。
絶縁層93における部位S(両面露出部位)のいずれかの箇所にて例えば図39(a)に示すように破断Zが生ずると、多くの場合、この破断Zは、例えば図39(b)に示すように、部位Sにて広がり、更に、絶縁層93において連結部83が接合している部位を横断して広がる。破断Zが、絶縁層93において連結部83が接合している部位を横断するとき、連結部83には衝撃が作用し、細くて脆弱な連結部83は破損してしまう。
このように、従来の技術は、第1構造部と、第2構造部と、当該第1および第2構造部を連結する連結部とを備えるマイクロ構造体を製造するうえで、困難性を有する。
本発明は、以上のような事情のもとで考え出されたものであり、第1構造部および第2構造部を連結する部位を備えるマイクロ構造体を製造するのに適した方法、並びに、そのような方法により製造されたマイクロ構造体を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法が提供される。この製造方法は、第1加工工程および第2加工工程を含む。第1加工工程では、第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部と、中間層に接しつつ分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部と、中間層に接しつつ第1構造部構成部または第2構造部構成部から分離ギャップ内に延出する防護部とを、第1加工層において成形する。第2加工工程では、第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、中間層において、少なくとも、第1加工層側の分離ギャップに露出する部位と、連結部が接する部位とを、第2加工層側に露出させる。本発明において、第1構造部構成部とは、第1構造部の少なくとも一部を構成する部位であり、第2構造部構成部とは、第2構造部の少なくとも一部を構成する部位である。
本方法の第1加工工程では、上述のように、中間層に接しつつ分離ギャップを横断して第1および第2構造部構成部を連結する連結部とともに、中間層に接しつつ第1構造部構成部または第2構造部構成部から分離ギャップ内に延出する防護部が、第1加工層において成形される。そのため、中間層において第1加工層側の分離ギャップにも第2加工層側にも露出する部位(両面露出部位)が、第2加工工程を経ることによって生じた状態において、中間層に接する連結部の破損が抑制される。中間層における両面露出部位のいずれかの箇所にて局所的に破断が生じたとしても、中間層に接する防護部の存在が、その破断の広がりを阻む場合があるからである。分離ギャップ内に延出する防護部が中間層において接する部位を、広がりつつある破断が横断するとき、当該防護部に衝撃が伝わり、破断が更に広がるのに要するエネルギの少なくとも一部を当該防護部が吸収する。このように機能し得る防護部が存在することに起因して、中間層に接しつつ分離ギャップを横断する連結部の破損確率が低減される。防護部が連結部に近接して設けられるほど、連結部破損確率は低減される傾向にある。また、より多くの防護部が設けられるほど、連結部破損確率は低減される傾向にある。このように、本方法においては、連結部の破損確率が低減される。したがって、本方法は、第1構造部および第2構造部を連結する連結部を備えるマイクロ構造体を製造するのに適するのである。
本発明の第2の側面によると、第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法が提供される。この製造方法は、第1加工工程および第2加工工程を含む。第1加工工程では、第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部と、中間層に接しつつ分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部と、中間層に接しつつ第1構造部構成部から分離ギャップ内に延出する第1の防護部と、中間層に接しつつ第2構造部構成部から分離ギャップ内に延出する第2の防護部とを、当該第1加工層において成形する。第2加工工程では、第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、中間層において、少なくとも、第1加工層側の分離ギャップに露出する部位と、連結部が接する部位とを、当該第2加工層側に露出させる。
本方法の第1加工工程では、上述のように、中間層に接しつつ分離ギャップを横断して第1および第2構造部構成部を連結する連結部とともに、中間層に接しつつ第1構造部構成部から分離ギャップ内に延出する第1の防護部と、中間層に接しつつ第2構造部構成部から分離ギャップ内に延出する第2の防護部とが、第1加工層において成形される。そのため、中間層において第1加工層側の分離ギャップにも第2加工層側にも露出する部位(両面露出部位)が、第2加工工程を経ることによって生じた状態において、中間層に接する連結部の破損は抑制される。本発明の第1の側面に係る方法に関して上述したのと同様に、第2の側面に係る本方法においても、防護部が存在することに起因して、連結部の破損確率が低減されるのである。したがって、本方法も、第1構造部および第2構造部を連結する連結部を備えるマイクロ構造体を製造するのに適する。
本発明の第1および第2の側面における第2加工工程では、第1加工層側の防護部が中間層において接する部位を、第2加工層側に露出させてもよい。
本発明の第1および第2の側面の好ましい実施の形態における第2加工工程では、更に、第2加工層において、追加の第1構造部構成部および/または追加の第2構造部構成部、並びに、中間層に接しつつ追加の第1構造部構成部または追加の第2構造部構成部から延出する防護部を、成形する。このようにして第2加工工程で形成される、中間層に接する防護部も、中間層に接する連結部の破損を抑制するのに資する。
本発明の第1および第2の側面の他の好ましい実施の形態における第2加工工程では、更に、第2加工層において、追加の第1構造部構成部および追加の第2構造部構成部、中間層に接しつつ追加の第1構造部構成部から延出する第1の防護部、並びに、中間層に接しつつ追加の第2構造部構成部から延出する第2の防護部を、成形する。このようにして第2加工工程で形成される、中間層に接する防護部も、中間層に接する連結部の破損を抑制するのに資する。
本発明の第3の側面によると、第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法が提供される。この製造方法は、第1加工工程および第2加工工程を含む。第1加工工程では、第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、並びに、中間層に接しつつ分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部を、当該第1加工層において成形する。第2加工工程では、第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、追加の第1構造部構成部および/または追加の第2構造部構成部と、中間層に接しつつ追加の第1構造部構成部または追加の第2構造部構成部から延出する防護部とを、当該第2加工層において成形しつつ、中間層において、第1加工層側の分離ギャップに露出する部位と、連結部が接する部位とを、当該第2加工層側に露出させる。
本方法の第2加工工程では、上述のように、中間層に接しつつ追加の第1構造部構成部または追加の第2構造部構成部から延出する防護部が、第2加工層において成形される。この防護部について、中間層において第1加工層側の分離ギャップに露出する部位の一部の第2加工層側に接するように形成することにより、中間層において第1加工層側の分離ギャップにも第2加工層側にも露出する部位(両面露出部位)が生じた状態において、中間層に接する連結部の破損を抑制することができる。本発明の第1の側面に係る方法に関して上述したのと同様に、第3の側面に係る本方法においても、防護部が存在することに起因して、連結部の破損確率が低減されるのである。したがって、本方法も、第1構造部および第2構造部を連結する連結部を備えるマイクロ構造体を製造するのに適する。
本発明の第4の側面によると、第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法が提供される。この製造方法は、第1加工工程および第2加工工程を含む。第1加工工程では、第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、並びに、中間層に接しつつ分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部を、当該第1加工層において成形する。第2加工工程では、第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、追加の第1構造部構成部および追加の第2構造部構成部と、中間層に接しつつ追加の第1構造部構成部から延出する第1の防護部と、中間層に接しつつ追加の第2構造部構成部から延出する第2の防護部とを、当該第2加工層において成形しつつ、中間層において、第1加工層側の分離ギャップに露出する部位と、連結部が接する部位とを、当該第2加工層側に露出させる。
本方法の第2加工工程では、上述のように、中間層に接しつつ追加の第1構造部構成部から延出する第1の防護部と、中間層に接しつつ追加の第2構造部構成部から延出する第2の防護部とが、第2加工層において成形される。これら防護部について、中間層において第1加工層側の分離ギャップに露出する部位の一部の第2加工層側に接するように形成することにより、中間層において第1加工層側の分離ギャップにも第2加工層側にも露出する部位(両面露出部位)が生じた状態において、中間層に接する連結部の破損を抑制することができる。本発明の第1の側面に係る方法に関して上述したのと同様に、第4の側面に係る本方法においても、防護部が存在することに起因して、連結部の破損確率が低減されるのである。したがって、本方法も、第1構造部および第2構造部を連結する連結部を備えるマイクロ構造体を製造するのに適する。
本発明の第1から第4の側面の各製造方法は、好ましくは、第1加工工程の後であって第2加工工程の前に、材料基板における第1加工層の側に支持基板を接合する工程を含み、且つ、当該材料基板および支持基板を分離する工程を第2加工工程の後に含む。当該接合工程を経ることにより、その後の第2加工工程を適切に行うことができる場合がある。
本発明の第1から第4の側面における接合工程では、好ましくは、材料基板における第1加工層の側に、樹脂組成物などの接着材料を介して支持基板を接合する。このような構成は、接合工程を適切に行ううえで好適である。
本発明の第5の側面によると、第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを少なくとも含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより製造されたマイクロ構造体が提供される。このマイクロ構造体は、第1構造部と、第2構造部と、連結部と、防護部とを備える。第2構造部は、第1構造部に対してギャップを介して対向する部位を有する。連結部は、第1加工層において中間層に接する箇所に形成されたものであり、且つ、ギャップを横断して第1構造部および第2構造部を連結する。防護部は、第1加工層または第2加工層において中間層に接する箇所に形成されたものであり、且つ、第1構造部から第2構造部側に延出するか或は第2構造部から第1構造部側に延出する。
本マイクロ構造体は、本発明の第1または第3の側面に係る方法により製造されるものである。このようなマイクロ構造体によると、その製造過程において、第1または第3の側面に係る方法に関して上述したのと同様の技術的効果を享受することができる。
本発明の第6の側面によると、第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを少なくとも含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより製造されたマイクロ構造体が提供される。このマイクロ構造体は、第1構造部と、第2構造部と、連結部と、第1の防護部と、第2の防護部とを備える。第2構造部は、第1構造部に対してギャップを介して対向する部位を有する。連結部は、第1加工層において中間層に接する箇所に形成されたものであり、且つ、ギャップを横断して第1構造部および第2構造部を連結する。第1の防護部は、第1加工層または第2加工層において中間層に接する箇所に形成されたものであり、且つ、第1構造部から第2構造部側に延出する。第2の防護部は、第1加工層または第2加工層において中間層に接する箇所に形成されたものであり、且つ、第2構造部から第1構造部側に延出する。
本マイクロ構造体は、本発明の第2または第4の側面に係る方法により製造されるものである。このようなマイクロ構造体によると、その製造過程において、第2または第4の側面に係る方法に関して上述したのと同様の技術的効果を享受することができる。
本発明の第5および第6の側面において、連結部は、第1構造部および第2構造部より薄肉であってもよい。連結部が薄いほど、当該連結部の捩り剛性や曲げ剛性を低減することができる。また、防護部も、第1構造部および第2構造部より薄肉であってもよい。
好ましくは、防護部は、連結部よりも厚肉である。防護部が厚いほど、上述の連結部破損確率を低減するうえで好ましい。好ましくは、防護部は、連結部よりも幅太である。防護部が太いほど、上述の連結部破損確率を低減するうえで好ましい。
好ましくは、第1構造部は可動部であり、第2構造部は固定部である。このような構成によると、本発明に係るマイクロ構造体をマイクロ可動素子として構成することができる。本発明の第5および第6の側面に係るマイクロ構造体は、好ましくは、可動部に固定された第1櫛歯電極と、固定部に固定されて第1櫛歯電極と対向可能な第2櫛歯電極とを更に備える。
好ましい実施の形態では、第1櫛歯電極および第2櫛歯電極は、協働して当該第1および第2櫛歯電極の間に静電引力を発生させ得る駆動力発生手段を構成する。このような構成によると、当該静電引力を駆動力として利用して、固定部に対して可動部を相対変位させることができる。
他の好ましい実施の形態では、第1櫛歯電極および第2櫛歯電極は、当該第1および第2櫛歯電極の間の静電容量の変化を検知するための検知手段を構成する。このような構成によると、当該静電容量の変化を基に、第1櫛歯電極に対する第2櫛歯電極の相対変位量、即ち、固定部に対する可動部の相対変位量について知ることが可能となる。
本発明の第5および第6の側面において、連結部は、可動部を固定部に対して一時的に固定するための支持部であってもよい。この支持部は、切断されるまでは、可動部を固定部に連結しておく機能または可動部と固定部の連結を補強する機能を担うものであり、且つ、マイクロ可動素子の使用前に切断されるものである。
図1から図6は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロミラー素子X1を表す。図1は、マイクロミラー素子X1の平面図であり、図2は、マイクロミラー素子X1の他の平面図である。図3から図6は、各々、図1の線III−III、線IV−IV、線V−V、および線VI−VIに沿った断面図である。
マイクロミラー素子X1は、可動部1と、フレーム2と、一対の連結部3と、複数の防護部4と、櫛歯電極5,6,7,8とを備え、MEMS技術などのマイクロマシニング技術によって、いわゆるSOI(silicon on insulator)基板である材料基板に対して加工を施すことにより製造されたものである。当該材料基板は、第1および第2シリコン層ならびに当該シリコン層間の絶縁層よりなる積層構造を有し、各シリコン層は、不純物のドープにより所定の導電性が付与されている。マイクロミラー素子X1における上述の各部位は主に第1シリコン層および/または第2シリコン層に由来して形成されるところ、図の明確化の観点より、図1においては、第1シリコン層に由来して絶縁層より紙面手前方向に突き出る箇所について斜線ハッチングを付して表し、図2においては、第2シリコン層に由来して絶縁層より紙面手前方向に突き出る箇所について、斜線ハッチングを付して表す。
可動部1は、第1シリコン層に由来する部位であり、その表面には、光反射機能を有するミラー面1’が設けられている。
フレーム2は、図1に示すように可動部1を囲む形状を有し、また、図3から図6に示すように、第1層部2aと、第2層部2bと、これらの間の絶縁層2cとからなる積層構造を有する。第1層部2aは第1シリコン層に由来する部位であり、第2層部2bは第2シリコン層に由来する部位である。
一対の連結部3の各々は、第1シリコン層に由来する部位であり、図1、図2、および図7に示すように、可動部1とフレーム2の間のギャップGを横断して当該可動部1とフレーム2を連結する。各連結部3は、可動部1に接続し且つフレーム2の第1層部2aに接続し、各連結部3により、可動部1と第1層部2aとは電気的に接続される。また、本実施形態の各連結部3は、図8に示すように、素子厚さ方向Hにおいて可動部1およびフレーム2の第1層部2aよりも薄肉である。このような一対の連結部3は、フレーム2に対する可動部1の回転変移ないし回転動作の回転軸心Aを規定する。
複数の防護部4の各々は、第1シリコン層に由来する部位であり、図1および図7に示すように、可動部1またはフレーム2の第1層部2aからギャップG内に延出する。本実施形態では、各連結部3に近接する箇所に、可動部1から延出する二つの防護部4と、第1層部2aから延出する二つの防護部4とが設けられている。本実施形態の各防護部4は、図8に示すように、素子厚さ方向Hにおいて可動部1およびフレーム2の第1層部2aと同じ厚さを有する。また、各防護部4は、連結部3よりも幅太である。
櫛歯電極5は、第1シリコン層に由来する複数の電極歯5aからなり、可動部1に固定されている。各電極歯5aは、図1、図2、および図6に示すように可動部1から延出し、複数の電極歯5aは、図1、図2、および図4に示すように相互に平行である。
櫛歯電極6は、第1シリコン層に由来する複数の電極歯6aからなり、可動部1における櫛歯電極5とは反対側の箇所に固定されている。各電極歯6aは、図1、図2、および図6に示すように、可動部1から延出し、複数の電極歯6aは、図1、図2、および図5に示すように相互に平行である。このような櫛歯電極6は、可動部1を介して櫛歯電極5と電気的に接続されている。
櫛歯電極7は、第2シリコン層に由来する複数の電極歯7aからなり、図2に示すように、フレーム2の第2層部2bに固定されている。各電極歯7aは第2層部2bから延出し、複数の電極歯7aは、図1、図2、および図4に示すように相互に平行である。このような櫛歯電極7は、上述の櫛歯電極5と協働して静電引力(駆動力)を発生するための部位であり、一対の櫛歯電極5,7は、マイクロミラー素子X1の一のアクチュエータを構成する。
櫛歯電極8は、第2シリコン層に由来する複数の電極歯8aからなり、図2に示すように、フレーム2の第2層部2bに固定されている。各電極歯8aは第2層部2bから延出し、複数の電極歯8aは、図1、図2、および図5に示すように相互に平行である。このような櫛歯電極8は、上述の櫛歯電極6と協働して静電引力(駆動力)を発生するための部位であり、一対の櫛歯電極6,8は、マイクロミラー素子X1の一のアクチュエータを構成する。また、フレーム2の第2層部2bにおいて櫛歯電極8が接合する部位と、第2層部2bにおいて櫛歯電極7が接合する部位とは、電気的に分離されており、従って、これら櫛歯電極7,8は電気的に分離されている。
マイクロミラー素子X1においては、櫛歯電極5〜8の各々に対して必要に応じて所定の電位を付与することにより、可動部1を回転軸心Aまわりに回転動作させることができる。櫛歯電極5,6に対する電位付与は、フレーム2の第1層部2a、各連結部3、および可動部1を介して、実現することができる。櫛歯電極5,6は、例えばグラウンド接続される。一方、櫛歯電極7に対する電位付与は、フレーム2の第2層部2bの一部を介して実現することができ、櫛歯電極8に対する電位付与は、第2層部2bの他の一部を介して実現することができる。櫛歯電極7,8は上述のように電気的に分離されているため、櫛歯電極7,8に対する電位付与は独立して行うことができる。
櫛歯電極5,7の各々に所定の電位を付与することにより櫛歯電極5,7間に所望の静電引力を発生させると、櫛歯電極5は櫛歯電極7に引き込まれる。そのため、可動部1は、回転軸心Aまわりに回転動作し、当該静電引力と、捩れ変形した各連結部3の捩り抵抗力の総和とが、釣り合う角度まで回転変位する。このような回転動作における回転変位量は、櫛歯電極5,7への付与電位を調整することにより、調節することができる。櫛歯電極5,7間の静電引力を消滅させると、各連結部3は、その捩り応力を解放して自然状態に復帰する。
また、櫛歯電極6,8の各々に所定の電位を付与することにより櫛歯電極6,8間に所望の静電引力を発生させると、櫛歯電極6は櫛歯電極8に引き込まれる。そのため、可動部1は、回転軸心Aまわりに、前述の回転動作とは逆方向に回転動作し、当該静電引力と、各連結部3の捩り抵抗力の総和とが、釣り合う角度まで回転変位する。このような回転動作における回転変位量は、櫛歯電極6,8への付与電位を調整することにより、調節することができる。櫛歯電極6,8間の静電引力を消滅させると、各連結部3は、その捩り応力を解放して自然状態に復帰する。
マイクロミラー素子X1においては、以上のような可動部1の揺動駆動により、可動部1上に設けられたミラー面1’にて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
図9から図11は、マイクロミラー素子X1の製造方法を表す。この方法は、マイクロマシニング技術によりマイクロミラー素子X1を製造するための一手法である。図9から図11においては、図11(c)に示す可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、防護部P1,P2、および一組の櫛歯電極E1,E2の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施されるウエハにおける単一のマイクロミラー素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。可動部Mは、可動部1の一部に相当する。フレームF1,F2,F3は、各々、フレーム2に相当し、フレーム2の所定箇所の横断面を表す。連結部C1は、連結部3に相当し、連結部3の延び方向の断面を表す。連結部C2は、連結部3に相当し、連結部3の横断面を表す。防護部P1,P2は、各々、防護部4に相当し、防護部4の横断面を表す。櫛歯電極E1は、櫛歯電極5,6に相当し、櫛歯電極5,6の部分的な横断面を表す。櫛歯電極E2は、櫛歯電極7,8に相当し、櫛歯電極7,8の部分的な横断面を表す。
マイクロミラー素子X1の製造においては、まず、図9(a)に示すような材料基板10を用意する。材料基板10は、シリコン層11,12と、当該シリコン層11,12間の絶縁層13とからなる積層構造を有するSOI(Silicon on Insulator)ウエハである。シリコン層11,12は、不純物をドープすることにより導電性を付与されたシリコン材料よりなる。不純物としては、Bなどのp型不純物や、PおよびSbなどのn型不純物を採用することができる。絶縁層13は例えば酸化シリコンよりなる。シリコン層11の厚さは例えば5〜100μmであり、シリコン層12の厚さは例えば100〜500μmであり、絶縁層13の厚さは例えば0.2〜2μmである。また、シリコン層11,12および絶縁層13は、本発明における第1および第2加工層ならびに中間層である。
次に、図9(b)に示すように、シリコン層11上にミラー面1’を形成する。具体的には、まず、スパッタリング法により、シリコン層11に対して例えばCr(50nm)およびこれに続いて例えばAu(200nm)を成膜する。次に、所定のマスクを介してこれら金属膜に対してエッチング処理を順次行う。このようにして、シリコン層11上にミラー面1’をパターン形成することができる。Auに対するエッチング液としては、例えば、ヨウ化カリウム−ヨウ素水溶液を使用することができる。Crに対するエッチング液としては、例えば硝酸第二セリウムアンモニウム水溶液を使用することができる。
次に、図9(c)に示すように、シリコン層11上に酸化膜パターン21およびレジストパターン22を形成し、また、シリコン層12上に酸化膜パターン23を形成する。酸化膜パターン21は、可動部M、フレームF1,F2,F3、防護部P1,P2、および櫛歯電極E1に対応するパターン形状を有する。レジストパターン22は、連結部C1,C2に対応するパターン形状を有する。酸化膜パターン23は、フレームF1,F2,F3および櫛歯電極E2に対応するパターン形状を有する。
酸化膜パターン21の形成においては、まず、例えばCVD法により、シリコン層11の表面に、厚さが例えば1μmとなるまで例えば二酸化ケイ素を成膜する。次に、シリコン層11上の当該酸化膜について、所定のレジストパターンをマスクとしたエッチングによりパターニングする。酸化膜パターン23および後出の酸化膜パターンについても、酸化物材料の成膜、酸化膜上のレジストパターンの形成、およびその後のエッチング処理を経て形成することができる。一方、レジストパターン22の形成においては、まず、シリコン層11上に液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜する。次に、露光処理およびその後の現像処理を経て、当該フォトレジスト膜をパターニングする。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210(AZエレクトロニック製)やAZ1500(AZエレクトロニック製)を使用することができる。後出のレジストパターンについても、このようなフォトレジストの成膜ならびにその後の露光処理および現象処理を経て、形成することができる。
マイクロミラー素子X1の製造においては、次に、図9(d)に示すように、酸化膜パターン21およびレジストパターン22をマスクとして、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)により、シリコン層11に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、連結部C1,C2の厚さに相当し、例えば5μmである。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてDRIEを実行する。また、DRIEでは、エッチングと側壁保護とを交互に行うBoschプロセスにおいて、良好な異方性エッチング処理を行うことができる。本工程および後出のDRIEについては、このようなBoschプロセスを採用することができる。
次に、図10(a)に示すように、剥離液を作用させることにより、レジストパターン22を剥離する。剥離液としては、例えばAZリムーバ700(AZエレクトロニック製)を使用することができる。後出のレジストパターンを剥離する際にも、この剥離液を使用することができる。
次に、図10(b)に示すように、酸化膜パターン21をマスクとして、DRIEにより、薄肉で絶縁層13に接する連結部C1,C2を残存形成しつつ、シリコン層11に対して絶縁層13に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程でも、図9(d)を参照して上述した工程と同様に、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。本工程にて、連結部C1,C2に加え、可動部M、フレームF1,F2,F3の一部(第1層部2a)、防護部P1,P2、および櫛歯電極E1が成形される。
本工程で形成された可動部1およびフレーム2の第1層部2aは、絶縁層13が部分的に露出する分離ギャップG’を介して相対向する。各連結部3は、絶縁層13に接しつつ分離ギャップG’を横断して可動部1および第1層部2aを連結する。各防護部4は、絶縁層13に接しつつ可動部1または第1層部2aから分離ギャップG’内に延出する。
次に、図10(c)および図11(a)に示すように、材料基板10のシリコン層11側に、接合材25を介してサブキャリア24を接合する。サブキャリア24は、例えば、シリコン基板、石英基板、メタル基板である。接合材25は、例えば、レジスト、伝熱グリス、シール材、またはテープである。レジストとしては、例えばレジストAZP4210(AZエレクトロニック製)が挙げられる。本工程では、加熱および加圧しつつ、材料基板10とサブキャリア24を接合する。このようにサブキャリア24を接合する目的は、次の加工工程において材料基板10やエッチング装置が破損することを防止する点にある。エッチング装置の真空チャンバ内でシリコン層12に対してエッチング処理を施す次の加工工程では、既にエッチング加工が施されているシリコン層11に加えてシリコン層12もエッチング加工を受けることにより材料基板10の機械的強度は相当程度に低下する。サブキャリア24は、このような材料基板10の補強材として機能し、材料基板10の破損を防止する。また、仮に真空チャンバ内で材料基板10が破損すると、破片が生じて当該破片によりエッチング装置自体が破損する場合があるが、材料基板10の破損を防止するサブキャリア24は、装置の破損防止にも資することとなる。
次に、図11(b)に示すように、酸化膜パターン23をマスクとして、DRIEにより、シリコン層12に対して絶縁層13に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程でも、図9(d)を参照して上述した工程と同様に、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。本工程にて、フレームF1,F2,F3の一部(第2層部2b)および櫛歯電極E2が成形される。また、本工程を経ることにより、シリコン層12側にも絶縁層13が部分的に露出することとなる。当該露出部位には、シリコン層11側の分離ギャップG’にも露出する部位S(両面露出部位)、連結部C1,C2(各連結部3)が接する部位、および防護部P1,P2(各防護部4)が接する部位が含まれる。
本工程の後、材料基板10とサブキャリア24を分離する。接合材25としてレジストを用いる場合には、所定の剥離液を接合材25に作用させることにより、材料基板10とサブキャリア24を分離することができる。
次に、図11(c)に示すように、絶縁層13において露出している箇所、および酸化膜パターン21,23を、エッチング除去する。エッチング手法としては、ドライエッチングまたはウエットエッチングを採用することができる。ドライエッチングを採用する場合、エッチングガスとしては、例えば、CF4やCHF3などを採用することができる。ウエットエッチングを採用する場合、エッチング液としては、例えば、フッ酸とフッ化アンモニウムからなるバッファードフッ酸(BHF)を使用することができる。
以上の一連の工程を経ることにより、可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、防護部P1,P2、および一組の櫛歯電極E1,E2を成形してマイクロミラー素子X1を製造することができる。図9(c)から図10(b)までを参照して上述した各工程、即ち、シリコン層11に対して加工を施すための各工程は、本発明における第1加工工程をなす。図9(c)および図11(b)を参照して上述した各工程、即ち、シリコン層12に対して加工を施すための各工程は、本発明における第2加工工程をなす。
本方法の第1加工工程では、絶縁層13に接しつつ分離ギャップG’を横断して可動部1およびフレーム2の第1層部2aを連結する各連結部3とともに、絶縁層13に接しつつ可動部1または第1層部2aから分離ギャップG’内に延出する各防護部4が、シリコン層11において成形される。そのため、絶縁層13おける上述の部位S(両面露出部位)が、第2加工工程を経ることによって生じた状態において、絶縁層13に接する連結部3の破損が抑制される。図12(a)に示すように絶縁層13の部位Sにおいて局所的に破断Zが生じたとしても、図12(b)に示すように、絶縁層13に接する各防護部4の存在が、連結部3に向けての当該破断Zの広がりを阻むからである。
分離ギャップG’内に延出する防護部4が絶縁層13において接する部位を、広がりつつある破断Zが横断するとき、当該防護部4に衝撃が伝わり、破断Zが更に広がるのに要するエネルギの少なくとも一部を当該防護部4が吸収する。このように機能し得る防護部4が存在することに起因して、絶縁層13に接しつつ分離ギャップG’を横断する連結部3の破損確率が低減される。防護部4が連結部に近接して設けられるほど、連結部破損確率は低減される傾向にある。また、より多くの防護部4が設けられるほど、連結部破損確率は低減される傾向にある。
このように、本方法においては、連結部3の破損確率は低減される。したがって、本方法は、可動部(第1構造部)およびフレーム(第2構造部)を連結する連結部を備えるマイクロミラー素子(マイクロ構造体)を製造するのに適するのである。
マイクロミラー素子X1では、図13(a)に示すように、各連結部3は、素子厚さ方向Hにおいて、可動部1、フレーム2の第1層部2a、および防護部4と同じ厚さを有してもよい。このような厚肉の連結部3は、例えば、厚肉の防護部4と同様にして形成することができる。
各防護部4は、図13(b)に示すように、素子厚さ方向Hにおいて、薄肉の連結部3と同じ厚さを有してもよい。このような薄肉の防護部4は、薄肉の連結部3と同様にして形成することができる。
マイクロミラー素子X1では、各防護部4は、図14(a)に示すような形状を有してもよい。本変形例では、可動部1から延出する各防護部4、および、フレーム2から延出する各防護部4は、先端ほど細い形状を有する。
各防護部4は、図14(b)に示すような形状を有してもよい。本変形例では、可動部1から延出する各防護部4、および、フレーム2から延出する各防護部4は、先端ほ太い形状を有する。
各防護部4は、図14(c)に示すような形状を有してもよい。本変形例では、可動部1から延出する各防護部4は、丸みをおびた側面4aを有する。
マイクロミラー素子X1では、各連結部3ごとに、図7に示すような四つの防護部4に代えて図14(d)に示すような六つの防護部4を設けてもよい。また、各連結部3ごとに、図14(e)に示すような六つの防護部4を設けてもよい。
マイクロミラー素子X1では、図15および図16に示すような防護部4’を、例えば一部の防護部4の代わりに、設けてもよい。防護部4’は、フレーム2の第1層部2aよりも薄肉であり、当該第1層部2aからギャップG内に延出し、且つ、フレーム2に沿って延びる。
例えば以上の変形例のように、防護部4の形状、数、および配置態様等については、必要に応じて変更可能である。
マイクロミラー素子X1では、連結部3は、図7に示すような形状に代えて図17(a)に示すような形状を有してもよい。図17(a)に示す連結部3は、フレーム2側から可動部1側にかけて次第に間隔が広くなる2本の離隔したバーからなる。また、連結部3は、図17(b)に示すような形状や、図17(c)に示すような形状を有してもよい。例えばこれら変形例のように、連結部3の形状については、必要に応じて変更可能である。
マイクロミラー素子X1には、図18および図19に示すように、支持部3’と当該支持部3’近傍の一組の防護部4とを更に設けてもよい。支持部3’は、連結部3による可動部1とフレーム2の間の連結を補強するためのものであり、マイクロミラー素子X1が使用される前に、切断または除去される。支持部3’を切断または除去するための手段としては、例えば、Nd:YAGレーザの照射を採用することができる。
また、上述の櫛歯電極5〜8はアクチュエータ(駆動手段)を構成する部位であるが、本発明においては、一対の櫛歯電極5,7および一対の櫛歯電極6,8の少なくとも一方について、櫛歯電極間の静電容量の変化を検知するための検知手段をなすように設けてもよい。このような構成を採用すると、当該静電容量の変化を基に、フレーム2に対する可動部1の相対変位量について知ることが可能となる。
本発明においては、一列に配された複数のマイクロミラー素子X1が単一の材料基板内に作り込まれてもよい。このように一次元アレイ状に配された複数のマイクロミラー素子X1の可動部1の回転軸心Aは、例えば、全て平行である。
本発明においては、複数列をなすように配された複数のマイクロミラー素子X1が単一の材料基板内に作り込まれてもよい。このように2次元アレイ状に配された複数のマイクロミラー素子X1の可動部1の回転軸心Aは、例えば、全て平行である。
本発明においては、マイクロミラー素子X1は、上述のフレーム2を囲む形状を有する外フレームと、当該外フレームとフレーム2を連結する一対の連結部とを更に備えてもよい。この追加の一対の連結部は、好ましくは、外フレームに対するフレーム2およびこれに伴う可動部1の回転変移ないし回転動作の回転軸心を規定するように設けられている。このような回転軸心と上述の回転軸心Aとは直交するのが好ましい。
本発明においては、マイクロミラー素子X1にて片方の連結部3を有しない構成を具備するマイクロ構造体であってもよい。このようなマイクロ構造体では、一つの連結部3を介してフレーム2に連結されている可動部1は、当該連結部3の延び方向に交差するいずれの方向にも振動可能である。
図20は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロミラー素子X2の平面図である。図21は、マイクロミラー素子X2の部分拡大図である。図22は、図21の線XXII−XXIIに沿った断面図である。
マイクロミラー素子X2は、可動部1と、フレーム2と、一対の連結部3と、複数の防護部4Aと、櫛歯電極5,6,7,8とを備える。マイクロミラー素子X2は、防護部4に代えて防護部4Aを備える点以外はマイクロミラーX1と同一の構成を有し、マイクロミラー素子X1と同様にして駆動することができる。
複数の防護部4Aの各々は、第1シリコン層に由来する部位であり、可動部1またはフレーム2の第1層部2aからギャップG内に延出する。各連結部3に近接する箇所に、可動部1から延出する二つの防護部4Aと、第1層部2aから延出する二つの防護部4Aとが設けられている。また、各防護部4Aは、図22に示すように、素子厚さ方向Hにおいて可動部1およびフレーム2の第1層部2aよりも薄肉である。
図23から図25は、マイクロミラー素子X2の製造方法を表す。この方法は、マイクロマシニング技術によりマイクロミラー素子X2を製造するための一手法である。図23から図25においては、図25(c)に示す可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、防護部P1,P2、および一組の櫛歯電極E1,E2の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施されるウエハにおける単一のマイクロミラー素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。防護部P1,P2は、各々、防護部4Aに相当し、防護部4Aの横断面を表す。可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、および櫛歯電極E1,E2については、マイクロミラー素子X1の製造方法に関して上述したのと同様である。
マイクロミラー素子X2の製造においては、まず、図23(a)に示すように材料基板10上にミラー面1’を形成する。材料基板10については、第1の実施形態におけるのと同様であり、シリコン層11,12および絶縁層13からなる積層構造を有する。
次に、図23(b)に示すように、シリコン層11上に酸化膜パターン31、レジストパターン22、および窒化膜パターン32を形成し、また、シリコン層12上に酸化膜パターン23を形成する。酸化膜パターン31は、可動部M、フレームF1,F2,F3、および櫛歯電極E1に対応するパターン形状を有する。レジストパターン22は、マイクロミラー素子X1の製造方法に関して上述したように、連結部C1,C2に対応するパターン形状を有する。窒化膜パターン32は、防護部P1,P2に対応するパターン形状を有する。酸化膜パターン23は、マイクロミラー素子X1の製造方法に関して上述したように、フレームF1,F2,F3および櫛歯電極E2に対応するパターン形状を有する。窒化膜パターン32の形成においては、まず、例えばCVD法により、シリコン層11の表面に、厚さが例えば500nmとなるまで窒化ケイ素膜を成膜する。次に、シリコン層11上の当該窒化膜について、所定のレジストパターンをマスクとしたエッチングによりパターニングする。このパターニングには、例えば、CF4ガスをエッチングガスとして用いて行うドライエッチングを採用することができる。
次に、図23(c)に示すように、酸化膜パターン31、レジストパターン22、および窒化膜パターン32をマスクとして、DRIEにより、シリコン層11に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、連結部C1,C2の厚さに相当し、例えば5μmである。この後、図21(d)に示すように、剥離液を作用させることにより、レジストパターン22を剥離する。
次に、図24(a)に示すように、酸化膜パターン31および窒化膜パターン32をマスクとして、DRIEにより、シリコン層11に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、防護部P1,P2の厚さと連結部C1,C2の厚さとの差に相当し、例えば5〜50μmである。この後、図24(b)に示すように、窒化膜パターン32を除去する。熱リン酸を作用させることにより、窒化膜パターン32をエッチング除去することができる。
次に、図24(c)に示すように、酸化膜パターン31をマスクとして、DRIEにより、絶縁層13に接する連結部C1,C2および防護部P1,P2を残存形成しつつ、シリコン層11に対して絶縁層13に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。本工程にて、連結部C1,C2および防護部P1,P2に加え、可動部M、フレームF1,F2,F3の一部(第1層部2a)、および櫛歯電極E1が成形される。
本工程で形成された可動部1およびフレーム2の第1層部2aは、絶縁層13が部分的に露出する分離ギャップG’を介して相対向する。各連結部3は、絶縁層13に接しつつ分離ギャップG’を横断して可動部1および第1層部2aを連結する。各防護部4Aは、絶縁層13に接しつつ可動部1または第1層部2aから分離ギャップG’内に延出する。
次に、図25(a)に示すように、材料基板10のシリコン層11側に、接合材25を介してサブキャリア24を接合した後、図25(b)に示すように、酸化膜パターン23をマスクとして、DRIEにより、シリコン層12に対して絶縁層13に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。本工程にて、フレームF1,F2,F3の一部(第2層部2b)および櫛歯電極E2が成形される。また、本工程を経ることにより、シリコン層12側にも絶縁層13が部分的に露出することとなる。当該露出部位には、シリコン層11側の分離ギャップG’にも露出する部位S(両面露出部位)、連結部C1,C2(各連結部3)が接する部位、および防護部P1,P2(各防護部4A)が接する部位が含まれる。本工程の後、材料基板10とサブキャリア24を分離する。
次に、図25(c)に示すように、絶縁層13において露出している箇所、および酸化膜パターン23,31を、エッチング除去する。エッチング手法としては、ドライエッチングまたはウエットエッチングを採用することができる。
以上の一連の工程を経ることにより、可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、防護部P1,P2、および一組の櫛歯電極E1,E2を成形してマイクロミラー素子X2を製造することができる。図23(b)から図24(c)までを参照して上述した各工程、即ち、シリコン層11に対して加工を施すための各工程は、本発明における第1加工工程をなす。図23(b)および図25(b)を参照して上述した各工程、即ち、シリコン層12に対して加工を施すための各工程は、本発明における第2加工工程をなす。
本方法の第1加工工程では、絶縁層13に接しつつ分離ギャップG’を横断して可動部1およびフレーム2の第1層部2aを連結する各連結部3とともに、絶縁層13に接しつつ可動部1または第1層部2aから分離ギャップG’内に延出する各防護部4Aが、シリコン層11において成形される。そのため、絶縁層13おける上述の部位S(両面露出部位)が、第2加工工程を経ることによって生じた状態において、絶縁層13に接する連結部3の破損が抑制される。マイクロミラー素子X1の製造方法に関して図12を参照して上述したのと同様に、マイクロミラー素子X2の製造方法においても、防護部が存在することに起因して、連結部3の破損確率が低減されるのである。したがって、本方法も、可動部(第1構造部)およびフレーム(第2構造部)を連結する連結部を備えるマイクロミラー素子(マイクロ構造体)を製造するのに適する。
図26から図28は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロミラー素子X3を表す。図26は、マイクロミラー素子X3の平面図であり、図27は、マイクロミラー素子X3の他の平面図である。図28は、図26の線XXVIII−XXVIIIに沿った断面図である。
マイクロミラー素子X3は、可動部1Aと、フレーム2と、一対の連結部3と、複数の防護部4Bと、櫛歯電極5,6,7,8とを備える。マイクロミラー素子X3は、可動部1に代えて可動部1Aを備え且つ防護部4に代えて防護部4Bを備える点以外はマイクロミラーX1と同一の構成を有し、マイクロミラー素子X1と同様にして駆動することができる。
可動部1Aは、第1層部1aおよび第2層部1bを有し、第1層部1a上には、光反射機能を有するミラー面1’が設けられている。第1層部1aは、第1シリコン層に由来する部位であり、第2層部1bは、第2シリコン層に由来する部位である。第1層部1aおよび第2層部1bは、図28に示すように、絶縁層1cを介して接合されている。マイクロミラー素子X3の櫛歯電極5,6は、このような可動部1Aの第1層部1aに固定されている。
複数の防護部4Bの各々は、第2シリコン層に由来する部位であり、図27および図28に示すように、可動部1Aの第2層部1bからフレーム2側に延出するか、或は、フレーム2の第2層部2bから可動部1A側に延出する。各連結部3に近接する箇所に、第2層部1bから延出する二つの防護部4と、第2層部2bから延出する二つの防護部4とが設けられている。また、各防護部4は、例えば図30に示すように、素子厚さ方向Hにおいて、可動部1Aの第2層部1bおよびフレーム2の第2層部2bよりも薄肉である。
図31から図33は、マイクロミラー素子X3の製造方法を表す。この方法は、マイクロマシニング技術によりマイクロミラー素子X3を製造するための一手法である。図31から図33においては、図33(c)に示す可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、防護部P1,P2、および一組の櫛歯電極E1,E2の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施されるウエハにおける単一のマイクロミラー素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。防護部P1,P2は、各々、防護部4Bに相当し、防護部4Bの横断面を表す。可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、および櫛歯電極E1,E2については、マイクロミラー素子X1の製造方法に関して上述したのと同様である。
マイクロミラー素子X3の製造においては、まず、図31(a)に示すように材料基板10上にミラー面1’を形成する。材料基板10については、第1の実施形態におけるのと同様であり、シリコン層11,12および絶縁層13からなる積層構造を有する。
次に、図31(b)に示すように、シリコン層11上に酸化膜パターン31およびレジストパターン22を形成し、また、シリコン層12上に酸化膜パターン23およびレジストパターン33を形成する。酸化膜パターン31は、マイクロミラー素子X2の製造方法に関して上述したように、可動部M、フレームF1,F2,F3、および櫛歯電極E1に対応するパターン形状を有する。レジストパターン22は、マイクロミラー素子X1の製造方法に関して上述したように、連結部C1,C2に対応するパターン形状を有する。酸化膜パターン23は、マイクロミラー素子X1の製造方法に関して上述したように、フレームF1,F2,F3および櫛歯電極E2に対応するパターン形状を有する。レジストパターン33は、防護部P1,P2に対応するパターン形状を有する。
次に、図31(c)に示すように、酸化膜パターン31およびレジストパターン22をマスクとして、DRIEにより、シリコン層11に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、連結部C1,C2の厚さに相当し、例えば5μmである。この後、図31(d)に示すように、剥離液を作用させることにより、レジストパターン22を剥離する。
次に、図32(a)に示すように、酸化膜パターン31をマスクとして、DRIEにより、薄肉で絶縁層13に接する連結部C1,C2を残存形成しつつ、シリコン層11に対して絶縁層13に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。本工程にて、連結部C1,C2に加え、可動部Mの一部(第1層部1a)、フレームF1,F2,F3の一部(第1層部2a)、および櫛歯電極E1が成形される。
本工程で形成された可動部1Aの第1層部1aおよびフレーム2の第1層部2aは、絶縁層13が部分的に露出する分離ギャップG’を介して相対向する。各連結部3は、絶縁層13に接しつつ分離ギャップG’を横断して可動部1Aおよび第1層部2aを連結する。
次に、図32(b)に示すように、材料基板10のシリコン層11側に、接合材25を介してサブキャリア24を接合した後、図32(c)に示すように、酸化膜パターン23およびレジストパターン33をマスクとして、DRIEにより、シリコン層12に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、防護部P1,P2の厚さに相当し、例えば5〜55μmである。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。この後、図33(a)に示すように、剥離液を作用させることにより、レジストパターン33を剥離する。
次に、図33(b)に示すように、酸化膜パターン23をマスクとして、DRIEにより、絶縁層13に接する防護部P1,P2を残存形成しつつ、シリコン層12に対して絶縁層13に至るまで異方性ドライエッチング処理を行う。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてドライエッチング処理を行う。本工程にて、防護部P1,P2に加え、可動部Mの一部(第2層部1b)、フレームF1,F2,F3の一部(第2層部2b)、および櫛歯電極E2が成形される。また、本工程を経ることにより、シリコン層12側にも絶縁層13が部分的に露出することとなる。当該露出部位には、シリコン層11側の分離ギャップG’にも露出する部位S(両面露出部位)および連結部C1,C2(各連結部3)が接する部位が含まれる。本工程の後、材料基板10とサブキャリア24を分離する。
次に、図33(c)に示すように、絶縁層13において露出している箇所、および酸化膜パターン23,31を、エッチング除去する。エッチング手法としては、ドライエッチングまたはウエットエッチングを採用することができる。
以上の一連の工程を経ることにより、可動部M、フレームF1,F2,F3、連結部C1,C2、防護部P1,P2、および一組の櫛歯電極E1,E2を成形してマイクロミラー素子X3を製造することができる。図31(b)から図32(a)までを参照して上述した各工程、即ち、シリコン層11に対して加工を施すための各工程は、本発明における第1加工工程をなす。図31(b)と図32(c)から図33(b)までとを参照して上述した各工程、即ち、シリコン層12に対して加工を施すための各工程は、本発明における第2加工工程をなす。
本方法の第2加工工程では、絶縁層13に接しつつ可動部1Aの第1層部1bまたはフレーム2の第2層部2bから延出する防護部4Bが、シリコン層12において成形される。この防護部4Bは、絶縁層13においてシリコン層11側の分離ギャップG’に露出する部位のシリコン層12側に接する。そのため、絶縁層13おける上述の部位S(両面露出部位)が、第2加工工程を経ることによって生じた状態において、絶縁層13に接する連結部3の破損が抑制される。マイクロミラー素子X1の製造方法に関して図12を参照して上述したのと同様に、マイクロミラー素子X3の製造方法においても、防護部が存在することに起因して、連結部3の破損確率が低減されるのである。したがって、本方法も、可動部(第1構造部)およびフレーム(第2構造部)を連結する連結部を備えるマイクロミラー素子(マイクロ構造体)を製造するのに適する。
マイクロミラー素子X3では、図34(a)に示すように、各防護部4Bは、素子厚さ方向Hにおいて、可動部1Aの第2層部1bおよびフレーム2の第2層部2bと同じ厚さを有してもよい。このような厚肉の防護部4Bは、例えば、これら厚肉の第2層部1b,2bと同様にして形成することができる。
マイクロミラー素子X3には、図34(b)および図34(c)に示すように、各防護部4Bに加えて防護部4Cを設けてもよい。各防護部4Cは、可動部1Aの第1層部1aまたはフレーム2の第1層部2aから延出する。可動部1Aの第2層部1bから延出する防護部4Bには、可動部1Aの第1層部1aから延出する防護部4Cが絶縁層を介して接合している。フレーム2の第2層部2bから延出する防護部4Bには、フレーム2の第1層部2aから延出する防護部4Cが絶縁層を介して接合している。図34(b)に示す防護部4Cは、素子厚さ方向Hにおいて、第1層部1a,2aと同じ厚さを有する。図34(c)に示す防護部4Cは、素子厚さ方向Hにおいて、第1層部1a,2aよりも薄肉であり且つ連結部3よりも厚肉である。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部、並びに、前記中間層に接しつつ前記第1構造部構成部または前記第2構造部構成部から前記分離ギャップ内に延出する防護部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる第2加工工程と、を含むマイクロ構造体製造方法。
(付記2)第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部、前記中間層に接しつつ前記第1構造部構成部から前記分離ギャップ内に延出する第1の防護部、並びに、前記中間層に接しつつ前記第2構造部構成部から前記分離ギャップ内に延出する第2の防護部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる第2加工工程と、を含むマイクロ構造体製造方法。
(付記3)前記第2加工工程では、前記中間層において前記防護部が接する部位も露出させる、付記1または2に記載のマイクロ構造体製造方法。
(付記4)前記第2加工工程では、更に、前記第2加工層において、追加の第1構造部構成部および/または追加の第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記追加の第1構造部構成部または前記追加の第2構造部構成部から延出する防護部を、成形する、請求項1から3のいずれか一つに記載のマイクロ構造体製造方法。
(付記5)前記第2加工工程では、更に、前記第2加工層において、追加の第1構造部構成部および追加の第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記追加の第1構造部構成部から延出する第1の防護部、並びに、前記中間層に接しつつ前記追加の第2構造部構成部から延出する第2の防護部を、成形する、請求項1から3のいずれか一つに記載のマイクロ構造体製造方法。
(付記6)第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、追加の第1構造部構成部および/または追加の第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記追加の第1構造部構成部または前記追加の第2構造部構成部から延出する防護部を、当該第2加工層において成形しつつ、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる、第2加工工程と、を含むマイクロ構造体製造方法。
(付記7)第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、追加の第1構造部構成部および追加の第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記追加の第1構造部構成部から延出する第1の防護部、並びに、前記中間層に接しつつ前記追加の第2構造部構成部から延出する第2の防護部を、当該第2加工層において成形しつつ、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる、第2加工工程と、を含むマイクロ構造体製造方法。
(付記8)前記第1加工工程の後であって前記第2加工工程の前に、前記材料基板における前記第1加工層の側に支持基板を接合する工程を含み、且つ、当該材料基板および支持基板を分離する工程を前記第2加工工程の後に含む、請求項1から7のいずれか一つに記載のマイクロ構造体製造方法。
(付記9)前記接合工程では、前記材料基板における前記第1加工層の側に接着材料を介して前記支持基板を接合する、付記8に記載のマイクロ構造体製造方法。
(付記10)第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを少なくとも含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより製造されたマイクロ構造体であって、
第1構造部と、
前記第1構造部に対してギャップを介して対向する部位を有する第2構造部と、
前記第1加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記ギャップを横断して前記第1構造部および前記第2構造部を連結する、連結部と、
前記第1加工層または前記第2加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記第1構造部から前記第2構造部側に延出するか或は前記第2構造部から前記第1構造部側に延出する、防護部と、を備えるマイクロ構造体。
(付記11)第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを少なくとも含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより製造されたマイクロ構造体であって、
第1構造部と、
前記第1構造部に対してギャップを介して対向する部位を有する第2構造部と、
前記第1加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記ギャップを横断して前記第1構造部および前記第2構造部を連結する、連結部と、
前記第1加工層または前記第2加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記第1構造部から前記第2構造部側に延出する第1の防護部と、
前記第1加工層または前記第2加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記第2構造部から前記第1構造部側に延出する第2の防護部と、を備えるマイクロ構造体。
(付記12)前記連結部は、前記第1構造部および前記第2構造部よりも薄肉である、付記10または11に記載のマイクロ構造体。
(付記13)前記防護部は、前記第1構造部および前記第2構造部よりも薄肉である、付記10から12のいずれか一つに記載のマイクロ構造体。
(付記14)前記防護部は、前記連結部よりも厚肉である、付記10から13のいずれか一つに記載のマイクロ構造体。
(付記15)前記防護部は、前記連結部よりも幅太である、付記10から14のいずれか一つに記載のマイクロ構造体。
(付記16)前記第1構造部は可動部であり、前記第2構造部は固定部である、付記10から15のいずれか一つに記載のマイクロ構造体。
(付記17)前記可動部に固定された第1櫛歯電極と、前記固定部に固定されて前記第1櫛歯電極と対向可能な第2櫛歯電極とを更に備える、付記16に記載のマイクロ構造体。
(付記18)前記第1櫛歯電極および第2櫛歯電極は、協働して当該第1および第2櫛歯電極の間に静電引力を発生させ得る駆動力発生手段を構成する、付記17に記載のマイクロ構造体。
(付記19)前記第1櫛歯電極および第2櫛歯電極は、当該第1および第2櫛歯電極の間の静電容量の変化を検知するための検知手段を構成する、付記17に記載のマイクロ構造体。
(付記20)前記連結部は、前記可動部を前記固定部に対して一時的に固定するための支持部である、付記16から19のいずれか一つに記載のマイクロ構造体。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロミラー素子の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロミラー素子の他の平面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 図1の線IV−IVに沿った断面図である。 図1の線V−Vに沿った断面図である。 図1の線VI−VIに沿った断面図である。 図1に示すマイクロミラー素子の部分拡大平面図である。 図7の線VIII−VIIIに沿った断面図である。 図1に示すマイクロミラー素子の製造方法における一部の工程を表す。 図9の後に続く工程を表す。 図10の後に続く工程を表す。 本発明における防護部の機能を表す。 (a)および(b)は、各々、図1に示すマイクロミラー素子の変形例の部分拡大断面図であり、図8に対応する。 (a)から(e)は、各々、図1に示すマイクロミラー素子の変形例の部分拡大平面図であり、図7に対応する。 図1に示すマイクロミラー素子の一変形例の平面図である。 図15の線XVI−XVIに沿った断面図である。 (a)から(c)は、各々、図1に示すマイクロミラー素子の変形例の部分拡大平面図であり、図7に対応する。 図1に示すマイクロミラー素子の一変形例の平面図である。 図18の線XIX−XIXに沿った部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロミラー素子の平面図である。 図20に示すマイクロミラー素子の部分拡大平面図である。 図21の線XXII−XXIIに沿った断面図である。 図20に示すマイクロミラー素子の製造方法における一部の工程を表す。 図23の後に続く工程を表す。 図24の後に続く工程を表す。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロミラー素子の平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロミラー素子の他の平面図である。 図26の線XXVIII-XXVIIIに沿った断面図である。 図26に示すマイクロミラー素子の部分拡大平面図である。 図29の線XXX−XXXに沿った断面図である。 図26に示すマイクロミラー素子の製造方法における一部の工程を表す。 図31の後に続く工程を表す。 図32の後に続く工程を表す。 (a)から(c)は、各々、図26に示すマイクロミラー素子の変形例の部分拡大断面図であり、図30に対応する。 従来のマイクロ構造体の平面図である。 図35の線XXXVI−XXXVIに沿った断面図である。 図35に示すマイクロ構造体の形成過程における一部の工程を表す。 図37の後に続く工程を表す。 連絡部が破損した場合を表す。
符号の説明
X1,X2,X3 マイクロミラー素子
1,1A,M 可動部
1a 第1層部
1b 第2層部
2,F1,F2,F3 フレーム
2a 第1層部
2b 第2層部
3,C1,C2 連結部
4,4’,4A,4B,4C,P1,P2 防護部
5,6,7,8,E1,E2 櫛歯電極
10,90 材料基板
11,12,91,92 シリコン層
13,93 絶縁層
80 マイクロ構造体
81 第1構造部
82 第2構造部
83 連結部

Claims (10)

  1. 第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部、並びに、前記中間層に接しつつ前記第1構造部構成部または前記第2構造部構成部から前記分離ギャップ内に延出する防護部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
    前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる第2加工工程と、を含み、
    前記第1加工工程の後であって前記第2加工工程の前に、前記材料基板における前記第1加工層の側に支持基板を接合する工程を含み、且つ、当該材料基板および支持基板を分離する工程を前記第2加工工程の後に含むマイクロ構造体製造方法。
  2. 第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部、前記中間層に接しつつ前記第1構造部構成部から前記分離ギャップ内に延出する第1の防護部、並びに、前記中間層に接しつつ前記第2構造部構成部から前記分離ギャップ内に延出する第2の防護部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
    前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる第2加工工程と、を含み、
    前記第1加工工程の後であって前記第2加工工程の前に、前記材料基板における前記第1加工層の側に支持基板を接合する工程を含み、且つ、当該材料基板および支持基板を分離する工程を前記第2加工工程の後に含むマイクロ構造体製造方法。
  3. 第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
    前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、追加の第1構造部構成部および/または追加の第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記追加の第1構造部構成部または前記追加の第2構造部構成部から延出する防護部を、当該第2加工層において成形しつつ、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる、第2加工工程と、を含み、
    前記第1加工工程の後であって前記第2加工工程の前に、前記材料基板における前記第1加工層の側に支持基板を接合する工程を含み、且つ、当該材料基板および支持基板を分離する工程を前記第2加工工程の後に含むマイクロ構造体製造方法。
  4. 第1加工層と、第2加工層と、当該第1および第2加工層の間に介在する中間層とを含む積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことにより、第1構造部、当該第1構造部に対向する部位を有する第2構造部、並びに、当該第1および第2構造部を連結する連結部、を備えるマイクロ構造体を製造するための方法であって、
    前記第1加工層に対してエッチング処理を施すことにより、前記中間層が部分的に露出する分離ギャップを介して相対向する第1構造部構成部および第2構造部構成部、並びに、前記中間層に接しつつ前記分離ギャップを横断して当該第1および第2構造部構成部を連結する連結部を、当該第1加工層において成形する第1加工工程と、
    前記第2加工層に対してエッチング処理を施すことにより、追加の第1構造部構成部および追加の第2構造部構成部、前記中間層に接しつつ前記追加の第1構造部構成部から延出する第1の防護部、並びに、前記中間層に接しつつ前記追加の第2構造部構成部から延出する第2の防護部を、当該第2加工層において成形しつつ、前記中間層において、前記第1加工層側の前記分離ギャップに露出する部位、および、前記連結部が接する部位を、当該第2加工層側に露出させる、第2加工工程と、を含み、
    前記第1加工工程の後であって前記第2加工工程の前に、前記材料基板における前記第1加工層の側に支持基板を接合する工程を含み、且つ、当該材料基板および支持基板を分離する工程を前記第2加工工程の後に含むマイクロ構造体製造方法。
  5. 請求項1または3に記載の方法により製造されたマイクロ構造体であって、
    第1構造部と、
    前記第1構造部に対してギャップを介して対向する部位を有する第2構造部と、
    前記第1加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記ギャップを横断して前記第1構造部および前記第2構造部を連結する、連結部と、
    前記第1加工層または前記第2加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記第1構造部から前記第2構造部側に延出するか或は前記第2構造部から前記第1構造部側に延出する、防護部と、を備えるマイクロ構造体。
  6. 請求項2または4に記載の方法により製造されたマイクロ構造体であって、
    第1構造部と、
    前記第1構造部に対してギャップを介して対向する部位を有する第2構造部と、
    前記第1加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記ギャップを横断して前記第1構造部および前記第2構造部を連結する、連結部と、
    前記第1加工層または前記第2加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記第1構造部から前記第2構造部側に延出する第1の防護部と、
    前記第1加工層または前記第2加工層において前記中間層に接する箇所に形成され、且つ、前記第2構造部から前記第1構造部側に延出する第2の防護部と、を備えるマイクロ構造体。
  7. 前記防護部は、前記連結部よりも厚肉である、請求項5または6に記載のマイクロ構造体。
  8. 前記第1構造部は可動部であり、前記第2構造部は固定部である、請求項5から7のいずれか一つに記載のマイクロ構造体。
  9. 前記可動部に固定された第1櫛歯電極と、前記固定部に固定されて前記第1櫛歯電極と対向可能な第2櫛歯電極とを更に備える、請求項8に記載のマイクロ構造体。
  10. 前記連結部は、前記可動部を前記固定部に対して一時的に固定するための支持部である、請求項8または9に記載のマイクロ構造体。
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