JP2004143300A - 感光性フィルム、およびこれを備えたプリント配線板、並びにプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性フィルム、およびこれを備えたプリント配線板、並びにプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Kaoru Kokawara
高河原 薫
Yoshifumi Okada
岡田 好史
Toshio Yamanaka
山中 俊夫
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Abstract

【課題】パターン回路の凹凸の埋め込むことが可能な流動性を備え、該パターン回路を埋め込んだ場合の感光性フィルムの平滑性をもたらし得る感光性フィルムおよびそれを備えたプリント配線板、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる感光性フィルムは、少なくともベースポリマーを含有しており、好ましくは(メタ)アクリル系化合物を含有しており、1〜60μmの厚みを有し、当該厚みの50〜95%の範囲内で形成された凹凸形状を有するパターン回路を覆うように形成される。このとき、上記パターン回路を埋め込むとともに、上記パターン回路を埋め込んだ場合に、該パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の表面に形成される凹凸の高低差が5μm以下となっている。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板等に使用される感光性フィルム、およびこれを備えたプリント配線板、並びにプリント配線板の製造方法に関するものであり、より詳細には、凹凸パターンを有してなる回路の埋め込み性に優れ、かつ、該回路を埋め込んだ場合の表面の平滑性に優れた感光性フィルム、およびこれを備えたプリント配線板、並びにプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高機能化、高性能化、小型化が進んでおり、これに伴って、電子機器に用いられる電子部品に対しても、小型化や軽量化が要求されている。そのため、プリント配線板上での半導体素子等の高密度な実装や、配線の微小化、プリント配線板を複数積層する多層化等を行うことにより、電子部品の高機能化や高性能化を図ることが求められている。
【0003】
ところで、上記プリント配線板を作製する際には、種々の用途で感光性材料が用いられる。すなわち、プリント配線板の基板上へのパターン化された回路(パターン回路)の形成や、プリント配線板表面やパターン回路を保護するための保護層の形成、多層のプリント配線板の層間絶縁層の形成等に、感光性材料が使用されている。このような用途で用いられる感光性材料として、液状の感光性材料や、フィルム状の感光性材料がある。このうち、フィルム状の感光性材料は、液状の感光性材料に比べて、膜厚の均一性や作業性に優れているといった利点を備えている。そのため、パターン回路の形成に用いる回路形成用レジストフィルム、上記保護材料の形成に用いる感光性カバーレイフィルム、上記層間絶縁材料の形成に用いる感光性ドライフィルムレジスト等、その用途に応じて、種々のフィルム状感光性材料が用いられている。
【0004】
上記感光性カバーレイフィルムや感光性ドライフィルムレジスト(以下、両者を感光性フィルムと総称する)として、ポリイミド系樹脂を含有してなるものや(例えば、特許文献1参照)、アクリル系樹脂を含有してなるもの、エポキシ樹脂を含有してなるもの等が知られている。
【0005】
このようなフィルム状の感光性材料を用いて、電子部品の小型化や軽量化、さらには、電子部品の高機能化や高性能化を実現するためには、プリント配線板上のパターン回路を覆った後の感光性フィルム表面を平滑に形成することが望まれる。すなわち、パターン回路の凹凸形状に応じて、感光性フィルム表面に凹凸が形成されることなく、平坦となっていることが望まれる。
【0006】
この理由は、パターン回路を覆った感光性フィルム表面が凹凸形状であると、感光性フィルムが硬化した後に、硬化伸縮による反りの発生や、耐屈曲性の低下を招くことになるためである。また、感光性フィルムを多層のプリント配線板の層間絶縁材料として用いた場合にも、感光性フィルム表面に凹凸が形成されていると、プリント配線板を正確な位置で積層することが困難となる。それゆえ、感光性フィルム表面の凹凸は、電子部品の高機能化や高性能化とともに、電子部品の小型化や軽量化の実現の妨げとなる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−335619号公報(公開日:平成13(2001)年12月4日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の感光性フィルムを用いた場合、プリント配線板上に感光性フィルムを接着させる接着性、感光性フィルムの接着後に行う熱圧着時や半田付け時等に必要となる耐熱性、プリント配線板を折り曲げる際等に必要となる耐屈曲性等の諸物性とともに、パターン回路を埋め込むために必要な熱流動性、および、パターン回路を覆った際の表面の平坦性を十分に満たすことは困難であるという問題を有している。
【0009】
すなわち、ポリイミド系樹脂を感光性フィルムとして用いた場合、熱プレス加工による熱圧着を行うと、加工性が悪くなるとともに、熱圧着時に現像性が劣化しやすくなる。また、ラミネート処理(熱ラミネート処理)を行うと、熱流動性が劣るために、熱圧着時に必要な温度や圧力が高くなってしまう。さらに、熱流動性に劣るために、パターン回路の凹凸形状を埋め込みにくく、パターン回路と感光性フィルムとの間に空気の泡が生じる。そのため、ポリイミド系樹脂からなる感光性フィルムを備えてなるプリント配線板では、電気特性や耐熱性が悪化するとともに、プリント配線板の歩留まりの低下につながるという問題がある。
【0010】
これに対し、アクリル系樹脂を感光性フィルムとして用いた場合、熱流動性が高いために、パターン回路の凹凸形状の埋め込みやすさが向上する一方、耐熱性が低下してしまう。また、エポキシ樹脂を感光性フィルムとして用いた場合、耐熱性や接着性は向上するが、耐屈曲性に劣るという問題がある。
【0011】
このように、従来では、それぞれの樹脂が固有に有する諸物性を利用して感光性フィルムを作製していたが、例えば、小型化や軽量化が要求されている電子部品とて用いられるプリント配線板等に使用する場合に、好適な諸物性をすべて備えてなる感光性フィルムは見出されていない。
【0012】
すなわち、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の所望する諸物性とともに、熱流動性およびパターン回路を覆った際の表面の平坦性の要求を十分に満たし得る感光性フィルムは、いまだ得られていない。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、パターン回路の埋め込みを好適に行い得るような優れた熱流動性を有するとともに、パターン回路を埋めこんだ後の表面の平滑性に優れ、かつ、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の所望する諸物性を有してなる感光性フィルムと、これを備えたプリント配線板およびその製造方法とを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、所望する物性を有してなる樹脂をベースポリマーとして用い、必要に応じてその他の成分を添加して、感光性フィルムを形成することにより、所望する物性と、パターン回路の埋め込みを好適に行い得るような優れた熱流動性とを有し、かつ、パターン回路を埋め込んだ場合に、該パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の表面の平滑性に優れた感光性フィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明にかかる感光性フィルムは、上記課題を解決するために、少なくともベースポリマーを含有しており、1〜60μmの厚みを有し、当該厚みの50〜95%の範囲内で形成された凹凸形状を有するパターン回路を覆うように形成される感光性フィルムであって、上記パターン回路を埋め込むとともに、上記パターン回路を埋め込んだ場合に、該パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の表面に形成される凹凸の高低差が5μm以下であることを特徴としている。
【0016】
上記感光性フィルムにおいては、上記凹凸の高低差は、1μm以下であることが好ましい。また、上記感光性フィルムにおいては、Bステージ状態における粘弾性係数は、20℃500MPa以下であり、かつ、100℃100MPa以下であることが好ましい。
【0017】
さらに、上記ベースポリマーとして、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられることが好ましく、(メタ)アクリル系化合物を含有することがより好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、少なくともベースポリマーを含有し、好ましくは1種類以上の(メタ)アクリル系化合物を含有しているので、パターン回路の埋め込みを好適に行い得るような流動性を有してなる感光性フィルムを提供することができる。また、パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の感光性フィルムの表面(以下、感光性フィルムの外表面と記載する)に形成される凹凸の高低差が5μm以下となっているので、パターン回路を埋め込んだ場合の感光性フィルムの外表面の平滑性に優れたものとなっている。
【0019】
さらに、上記ベースポリマーとして、所望する物性を有する樹脂を用いることによって、該樹脂が有する物性を備えてなる感光性フィルムを提供することができる。それゆえ、例えば、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の諸物性を有している樹脂を用いることによって、感光性フィルムに対して、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の諸物性を付与することができる。
【0020】
また、Bステージ状態における粘弾性係数を規定することにより、感光性フィルムの熱圧着性を良好に保つことができる。また、熱圧着時の温度を比較的低温とすることができるので、熱圧着時のパターン回路の埋め込みを低温条件下にて好適に行うことができる。
【0021】
また、本発明のプリント配線板は、上記課題を解決するために、上記の感光性フィルムを有していることを特徴としている。
【0022】
上記プリント配線板においては、パターン回路が形成されてなる基板上に、上記の感光性フィルムを、50〜150℃の範囲内の温度条件下にてラミネートすることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、表面の平滑性に優れ、かつ、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の所望する諸物性を有してなる感光性フィルムを備えたプリント配線板を提供することができる。これにより、反りのない、また、耐屈曲性に優れたプリント配線板を提供することができる。また、上記感光性フィルムを形成しているために、プリント配線板の表面が平坦なものとすることができる。それゆえ、複数のプリント配線板が好適に積層し、正確な位置に回路を積層してなる多層のプリント配線板を得ることができる。また、上記の感光性フィルムを用いているので、50〜150℃の範囲内という比較的低温条件下にて、好適にラミネート処理を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
本発明にかかる感光性フィルムは、プリント配線板等に使用され、プリント配線板表面や該プリント配線板上のパターン化された回路(説明の便宜上、以下、パターン回路と称する)を保護する保護層を形成するための保護材料、あるいは、多層のプリント配線板の層間絶縁層を形成するための層間絶縁材料として用いられるものであって、少なくとも、ベースポリマー(樹脂)を含有し、好ましくは(メタ)アクリル系化合物を含有してなっている。
【0026】
<感光性フィルムおよびパターン回路の具体的構成>
より具体的には、上記感光性フィルムは、1〜60μmの範囲内の厚みを有し、この厚みの50〜95%の範囲内で形成された凹凸形状を有するパターン回路を埋め込むことによって、上記保護層または層間絶縁層として用いられる。そして、上記パターン回路を埋め込んだ場合に、該パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の感光性フィルム表面(以下、感光性フィルムの外表面と称する)に形成される凹凸の高低差は、5μm以下、より好ましくは1μm以下となっている。
【0027】
上記パターン回路は、後述する感光性フィルムの厚みの50〜95%の範囲内の凹凸形状を有するものであれば、その形状は特に限定されず、直線パターンや曲線パターン、あるいは、これらの組み合わせて形成してなっていてもよい。また、パターン回路を形成する基板の材質は、特に限定されず、通常、プリント配線板に使用される材質であればよい。
【0028】
上記パターン回路は、例えば、厚みが18μmの銅箔(電解銅箔、圧延銅箔等)に、パターン回路形成用レジストフィルムを用いて、ライン/スペース=100μm/100μmである長さ8cmの直線状ラインを50本と、この直線状ライン対して並行に、ライン/スペース=50μm/50μmである長さ8cmの他の直線状ラインが50本とを形成してなるものである。また、多層のプリント配線板に用いられるパターン回路は、該多層のプリント配線板の厚みをできるだけ小さくするために、例えば、スパッタリングや鍍金等で形成された厚み10μm以下の銅箔上に形成される。
【0029】
上記感光性フィルムの厚みは、上記のように、1〜60μmの範囲内であることが好ましく、10〜60μmの範囲内であることがより好ましく、特に、10〜40μmの範囲内であることが好ましい。感光性フィルムの厚みが1μm未満であると、上記パターン回路を形成してなるプリント配線板上に、感光性フィルムをラミネート処理(熱ラミネート処理)する場合に、パターン回路を埋め込むことが困難となる。また、パターン回路を埋め込んだ場合にも、パターン回路を被覆した部分の感光性フィルムの外表面に、パターン回路に応じた凹凸が形成される。従って、感光性フィルムの外表面の平滑性が保たれず、プリント配線板の厚みのムラを生じることになる。このような厚みのムラは、感光性フィルムが形成されたプリント配線板の反りを招き、さらには、プリント配線板の屈曲性を低下させるという問題を引き起こす。
【0030】
これに対し、感光性フィルムの厚みが60μmを超えると、感光性フィルム上への微細なパターンの現像が行いにくくなって解像度が低下する原因となる。また、感光性フィルムが硬化した場合に、硬化収縮を引き起こしやすくなるので、プリント配線板に反りを招くことになる。
【0031】
上記感光性フィルムは、少なくともベースポリマーを含有し、好ましくは(メタ)アクリル系化合物を含有してなる感光性樹脂組成物によって形成される。このうち、(メタ)アクリル系化合物は、上記のように保護材料または層間絶縁材料として感光性フィルムを用いる場合に、パターン回路の埋め込みを好適に行うことを可能にする。すなわち、(メタ)アクリル系化合物を用いて、感光性フィルムの半硬化状態(Bステージ状態)における粘弾性係数を制御することによって、パターン回路の埋め込み時の熱流動性(流動性)を制御し、さらに、パターン回路の埋め込み後の感光性フィルムの外表面に形成される凹凸の高低差を制御する。
【0032】
なお、上記粘弾性係数とは、高分子化合物に力を加えて変形させる場合に、該高分子化合物の緩和現象として現れる弾性変形および粘性流動の度合いを示す指標である。粘弾性係数は、その値が小さいほど流動性が高く、高分子化合物では、ガラス転移温度を超えると粘弾性係数の値は小さくなる。なお、本発明の感光性フィルムの粘弾性係数は、動的粘弾性測定装置(DMS)を用いて測定することができる。
【0033】
具体的には、感光性フィルムのBステージ状態における粘弾性係数が、下記の範囲内の値となるように、(メタ)アクリル系化合物を含有させるとよい。すなわち、上記感光性フィルムのBステージ状態における粘弾性係数の上限値は、20℃にて500MPa以下であって、かつ100℃にて100MPa以下となることが好ましく、20℃にて200MPa以下であって、かつ100℃にて50MPa以下であることがより好ましく、20℃にて100MPa以下であって、かつ100℃にて10MPa以下であることが特に好ましい。
【0034】
なお、上記Bステージ状態とは、上記感光性フィルムが硬化する前の状態に相当し、感光性フィルムが完全に硬化せず、流動性を有する未硬化状態をいう。
【0035】
この理由は、20℃における粘弾性係数が500MPaより大きくなると、低温領域での圧着性が低下する傾向にあるためである。また、100℃における粘弾性係数が100MPaより大きくなると、ラミネート処理(熱圧着処理)時にパターン回路を埋め込みにくくなり、また、ラミネート処理を可能とする温度が高くなってしまい、ラミネート処理が困難となるためである。
【0036】
なお、上記感光性フィルムのBステージ状態における粘弾性係数の下限値は、感光性フィルムがフィルム形状を有し、プリント配線板上のパターン回路に対してラミネートすることができれば特に限定されない。具体的には、20℃にて、10MPa以上であればよく、100℃にて、1MPa以上であればよい。粘弾性係数が20℃にて10MPa未満であると、フィルム形状を保つことが困難となる。
【0037】
上記範囲内の値の粘弾性係数を有する感光性フィルムを用いれば、プリント配線板上へのラミネート処理時に、プリント配線板上のパターン回路の凹凸形状に応じて、感光性フィルムが弾性変形し、パターン回路に密着することができる。それゆえ、露光処理や、ラミネート処理時や該ラミネート処理後に施す加熱キュア時の熱によって、感光性フィルムを硬化させれば、パターン回路に密着した保護層または層間絶縁層を形成することができる。
【0038】
さらに、パターン回路を埋め込んだ感光性フィルムの外表面には、パターン回路の凹凸形状の高低差に関係なく、高低差が5μm以下の凹凸が形成される。言い換えれば、上記感光性フィルムは、一方の表面が、凹凸形状を有するパターン回路を埋め込んで変形しても、他方の表面が平坦な状態を保つことができる。それゆえ、上記感光性フィルムを保護材料または層間絶縁材料として用いた場合に、パターン回路の凹凸形状に応じてその表面が凹凸形状となることなく、凹凸の高低差が5μm以下である平坦な表面を有する保護層または層間絶縁層を形成することができる。
【0039】
このように、上記の粘弾性係数を有する感光性フィルムを用いることにより、パターン回路を埋め込む際に好適な熱流動性を与えることができ、さらに、パターン回路を埋め込んだ後の感光性フィルムの外表面の平滑性を十分に保つことができる。
【0040】
<感光性樹脂組成物>
本実施の形態の感光性フィルムは、上記のように、ベースポリマーと、好ましくは(メタ)アクリル系化合物を含有してなる感光性樹脂組成物によって形成されるが、上記ベースポリマーには、ベースポリマー以外の樹脂組成物が含有されていてもよい。例えば、感光性フィルムに接着性、耐熱性、耐屈曲性等の諸物性を付与するような樹脂組成物を含有してもよい。
【0041】
一般に、感光性樹脂組成物は、ポリマー成分とオリゴマー成分を含有しているが、当該感光性樹脂組成物の中で含有率の一番高いポリマー成分をベースポリマーと称する。なお、本発明では、ベースポリマー以外の樹脂はその他の成分に含有されるものと見なす。以下、(A)ベースポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)その他の成分について、詳細に説明する。
【0042】
<(A)ベースポリマー>
上記ベースポリマーは、感光性フィルムを形成するために用いられる感光性樹脂組成物中に含有される樹脂組成物のうち、最も含有重量が大きいポリマーをいう。上記ベースポリマーとしては、重量平均分子量の下限値が10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましい。一方、上記ベースポリマーの重量平均分子量の上限値は、3,000,000以下であることが好ましく、1,500,000以下であることがより好ましく、1,000,000以下であることが特に好ましい。
【0043】
上記ベースポリマーとしては、上記重量平均分子量を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。中でも、上記ポリイミド樹脂のうちの可溶性ポリイミド樹脂、上記(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等を好ましく用いることができる。これらベースポリマーは、1種であってもよく、2種以上を組み合わせてもよい。つまり、上記ベースポリマーとしては、互いに異なる物性を有する2種以上の樹脂を用いてもよい。
【0044】
以下、上記樹脂のうち、可溶性ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂について詳細に説明する。
【0045】
<可溶性ポリイミド樹脂>
可溶性ポリイミド樹脂をベースポリマーとして用いることにより、感光性フィルムに、耐熱性、耐屈曲性、優れた機械特性、電気絶縁性、耐薬品性を付与することができる。
【0046】
上記可溶性ポリイミド樹脂としては、特に限定されるものではないが、有機溶媒に溶解するものであることが好ましい。上記有機溶媒としては、特に限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
【0047】
具体的には、上記可溶性ポリイミド樹脂は、上記有機溶媒100gに対して、20℃で1.0g以上の溶解性を示すことが望ましく、より望ましくは、20℃で5.0g以上の溶解性を示し、さらに望ましくは、20℃で10g以上の溶解性を示すものがよい。上記有機溶媒100gに対して、20℃で1.0g未満の溶解性であると、所望する厚みにて、感光性フィルムを成形することが困難になる。
【0048】
<可溶性ポリイミド樹脂の製造方法>
上記可溶性ポリイミド樹脂は、その前駆体であるポリアミド酸から得ることができる。このポリアミド酸は、有機溶媒中でジアミンと酸二無水物とを反応させることにより得られる。具体的には、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気中にて、ジアミンを有機溶媒中に、溶解させるまたはスラリー状に拡散させてジアミン溶液とする。また、酸二無水物は、有機溶媒に、溶解させるまたはスラリー状に拡散させた状態とした後、あるいは固体の状態で、上記ジアミン溶液中に添加すればよい。
【0049】
以下、上記可溶性ポリイミド樹脂の製造方法を説明するために、ポリアミド酸の合成方法、およびポリアミド酸を脱水閉環してイミド化を行い、可溶性ポリイミド樹脂を得る方法について詳細に説明する。
【0050】
ポリアミド酸を合成するために用いられるジアミンとしては、特に限定されるものではないが、後述する加熱処理等での耐熱性の点から、1分子中に1つ以上の芳香環を有する芳香族系ジアミンを原料の少なくとも一部として用いることが好ましい。また、耐熱性と有機溶媒に対する可溶性とのバランスの調整が可能である点から、1分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を1つ以上有することが好ましい。特に、側鎖に水酸基および/またはカルボキシル基を有するジアミンを用いると、得られる可溶性ポリイミド樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を向上することができる。そのため、得られる感光性フィルムを、アルカリ水溶液で現像することが可能になる。従って、上記ジアミンとしては、1分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を1個以上有する芳香族系ジアミンを少なくとも一部として含有していることが好ましい。
【0051】
上記ジアミンとしては、例えば、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、シリコンジアミン、[ビス(4−アミノ−3−カルボキシ)フェニル]メタン等を挙げることができる。
【0052】
また、ポリアミド酸を合成するために用いられる酸二無水物としては、カルボン酸二無水和物であれば特に限定されないが、耐熱性を向上させる点から、芳香環を1〜4個有する酸二無水物または脂環式の酸二無水物を用いることが好ましい。また、有機溶媒への溶解性が高い可溶性ポリイミド樹脂を得るためには、芳香環を2個以上有する酸二無水物を少なくとも一部として用いることが好ましく、芳香環を4個以上有する酸二無水物を少なくとも一部として用いることがより好ましい。
【0053】
上記酸二無水物としては、例えば、(2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート)−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸無水物、(3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物等を挙げることができる。
【0054】
上記ジアミンと酸二無水物とを用いてポリアミド酸を合成する場合、上記ジアミンと酸二無水物とを、それぞれ少なくとも1つずつ用いて反応を行えばよい。すなわち、水酸基および/またはカルボキシル基を1個以上有する芳香族系ジアミンを少なくとも一部として含むジアミン成分と、上記酸二無水物成分とを用いて、上記したように、有機溶媒中で重合反応を行うにより、水酸基および/またはカルボキシル基を1個以上有するポリアミド酸を得ることができる。
【0055】
このとき、ジアミンと酸二無水物とが実質上等モルであれば、酸成分1種およびジアミン成分1種のポリアミド酸になる。また、2種以上の酸二無水物成分および2種以上のジアミン成分を用いる場合、複数のジアミン成分全量のモル比と複数の酸二無水物成分全量のモル比とを、実質的に等モルに調整しておけば、ポリアミド酸共重合体を任意に得ることもできる。
【0056】
上記酸二無水物とジアミンとの反応(ポリアミド酸の合成反応)の温度条件は、特に限定されないが、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは0〜50℃がよい。また、反応時間は、30分〜50時間の範囲内で任意に設定すればよい。
【0057】
さらに、上記ポリアミド酸の合成反応に使用する上記有機溶媒としては、有機極性溶媒であれば特に限定されるものではない。しかしながら、上記酸二無水物とジアミンと反応が進行するにつれてポリアミド酸が生成し、反応液の粘度が上昇する。また、後述するように、ポリアミド酸を合成して得られるポリアミド酸溶液を、減圧下で加熱して、有機溶媒の除去とイミド化とを同時に行う。そのため、上記有機溶媒としては、ポリアミド酸を溶解でき、かつ、なるべく沸点の低いものを選択すると、製造工程上有利である。
【0058】
具体的には、ポリアミド酸の合成反応に使用する上記有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミドやN,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドンやN−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;テトラヒドロフラン,ジオキサン,ジオキソラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
【0059】
また、生成するポリアミド酸の平均分子量は5,000〜3,000,000の範囲内であることが望ましい。平均分子量が5,000未満では、ポリアミド酸を用いて最終的に得られる可溶性ポリイミド樹脂の分子量も低くなり、該可溶性ポリイミド樹脂をそのまま用いても、得られる感光性フィルムが脆くなる傾向にある。これに対し、平均分子量が3,000,000を超えると、得られるポリアミド酸ワニスの粘度が高くなる傾向にあり、取扱いが困難となる可能性がある。
【0060】
<ポリアミド酸のイミド化>
次に、上記ポリアミド酸を用いて、可溶性ポリイミド樹脂を得るために、上記ポリアミド酸をイミド化する方法について説明する。イミド化は、ポリアミド酸を脱水閉環することによって行われる。この脱水閉環は、熱的手法または化学的手法によって行うことができる。
【0061】
熱的手法による脱水閉環は、ポリアミド酸溶液を加熱して行えばよい。あるいは、ガラス板、金属板、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム状支持体に、ポリアミド酸溶液を流延または塗布した後、80〜300℃の範囲内で熱処理を行えばよい。さらに、テフロン(登録商標)コート等の離型処理を施した容器に、直接ポリアミド酸溶液を入れ、減圧下で加熱乾燥することによって、ポリアミド酸の脱水閉環を行うこともできる。このような熱的手法によるポリアミド酸の脱水閉環により、可溶性ポリイミド樹脂を得ることができる。
【0062】
なお、上記各処理の加熱時間は、脱水閉環を行うポリアミド酸の処理量や加熱温度によって異なるが、一般的には、処理温度が最高温度に達してから1分〜5時間の範囲内で行うことが好ましい。
【0063】
一方、化学的手法による脱水閉環は、上記ポリアミド酸溶液に、化学量論量以上の脱水剤と、必要に応じて触媒として、触媒量の第3級アミンとを加えて、加熱処理を行えばよい。なお、この加熱処理は、上記の熱的手法にて行った加熱処理と同様の加熱処理を指すものとする。これにより、可溶性ポリイミド樹脂を得ることができる。
【0064】
化学的手法にて用いた上記脱水剤としては、一般的には、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物が用いられる。また、上記第3級アミンとしては、ピリジン、イソキノリン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、イミダゾール、ピコリン等を用いればよい。
【0065】
上記のような手法によって得られた可溶性ポリイミド樹脂に、さらに反応性や硬化性を付与するためには、可溶性ポリイミド樹脂に反応可能なエポキシ基を有する化合物を用いて、各種の官能基を導入すればよい。ここで、エポキシ基を有する化合物としては、光重合性基および/または熱重合性官能基として、エポキシ基、炭素間三重結合、炭素間二重結合から選ばれる少なくとも二つの官能基を有してなる化合物である。
【0066】
従って、上記可溶性ポリイミド樹脂に、反応性や硬化性を付与するために導入される官能基は、エポキシ基、炭素間三重結合、炭素間二重結合から選ばれる少なくとも二つの官能基であって、光重合性基および/または熱重合性官能基となるものである。このようにして得られた上記光重合性基および/または熱重合性官能基を導入されてなる可溶性ポリイミド樹脂(以下、変性ポリイミド樹脂と記載する)は、良好な硬化性や接着性を有している。
【0067】
また、プリント配線板やパターン回路との接着性や接着時の加工性を向上するために、上記変性ポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シアナートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂とを組み合わせて用いてもよい。
【0068】
<(メタ)アクリル系樹脂>
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系モノマーを主成分として重合してなる重合体、すなわち(メタ)アクリル系ポリマー樹脂と、上記(メタ)アクリル系モノマーと共重合してなる共重合体、すなわち(メタ)アクリル系コポリマー樹脂とを挙げることができる。
【0069】
上記(メタ)アクリル系ポリマー樹脂に用いられる上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0070】
また、上記(メタ)アクリル系コポリマー樹脂に用いられる、上記(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸,フマル酸等のジカルボン酸、あるいは、これらモノカルボン酸やジカルボン酸の無水物やハーフエステル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。
【0071】
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂は、銅箔(電解銅箔、圧延銅箔等)や、該銅箔が形成されるベースフィルムとして用いられるポリイミドフィルム等に対する感光性フィルムの接着性を向上することができる。
【0072】
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、商品名エピコート828,834,1001,1002,1003,1004,1005,1007,1010,1100L(油化シェル(株))等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;商品名エピコート5050,5051,5051H(油化シェル(株))等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂;商品名エピコートESCN−220L、220F、220H、220HH、180H65(油化シェル(株))等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;商品名エピコート1032H60(油化シェル(株))やEPPN−502H(日本化薬(株))等のノボラック型エポキシ樹脂;商品名ESN−375、ESN−185(新日鉄化学(株))等のナフタレンアラルキルノボラック型エポキシ樹脂;商品名YX4000H(油化シェル(株))等のビフェノール型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0073】
また、上記の他、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラックグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、芳香族型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等であってもよい。
【0074】
上記エポキシ樹脂のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記エポキシ樹脂は、ベースポリマーとして用いてもよいが、ベースポリマーとしてではなく、感光性フィルムに接着性を付与するためのベースポリマー以外の樹脂組成物として添加してもよい。上記エポキシ樹脂をベースポリマーとしてではなく、接着性を付与する目的のみで使用する場合、上記エポキシ樹脂の含有量は、ベースポリマー100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内で用いることが好ましく、1〜50重量部の範囲内で用いることがより好ましく、2〜30重量部の範囲内で用いることがさらに好ましい。
【0075】
上記エポキシ樹脂の含有量が1重量部未満となると、得られる感光性フィルムの接着性が低下するため好ましくない。一方、100重量部を超えると、耐熱性や耐屈曲性の低下を引き起こす可能性があるためである。
【0076】
<(B)(メタ)アクリル系化合物>
(メタ)アクリル系化合物を含有することにより、得られる感光性フィルムの熱加工時の粘弾性係数を小さくし、熱流動性を付与することができる。それゆえ、感光性フィルムに(メタ)アクリル系化合物を用いることにより、比較的低温でラミネート処理を行い、パターン回路の凹凸を好適に埋め込むことができる。例えば、上記感光性フィルムを用いれば、パターン回路を形成する銅箔(電解銅箔、圧延銅箔等)の光沢面や、該銅箔を形成するベースフィルムとして用いられるポリイミドフィルム等に対して、150℃以下の温度条件下で、ラミネート処理を行うことが可能になる。
【0077】
上記(メタ)アクリル系化合物は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。感光性フィルム(感光性樹脂組成物)に含有される(メタ)アクリル系化合物の総量は、後述するベースポリマーの種類に応じて、上記した粘弾性係数を有する感光性フィルムを提供し得るように設定すればよい。具体的には、後述するベースポリマー100重量部に対して、0〜100重量部の範囲内で用いることが好ましく、0〜80重量部の範囲内で用いることがより好ましく、0〜50重量部の範囲内で用いることがさらに好ましい。
【0078】
ベースポリマー100重量部に対して、100重量部を超える(メタ)アクリル系化合物を用いると、感光性フィルムの耐熱性が低下し、ラミネート処理時に、ベースポリマーがしみ出てしまう可能性がある。
【0079】
上記(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されないが、後述する光照射による架橋反応時の架橋密度を向上するためには、少なくとも2つの炭素間二重結合を有する多官能の(メタ)アクリル系化合物を用いることが好ましい。また、得られる感光性フィルムに耐熱性を付与するために、1分子中に芳香環および/または複素環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル系化合物を用いることが好ましい。
【0080】
1分子中に芳香環および/または複素環を1個以上有し、かつ炭素間二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−210、アロニックスM−211B(東亞合成製)、NKエステルABE−300、NKエステルA−BPE−4、NKエステルA−BPE−10、NKエステルA−BPE−20、NKエステルA−BPE−30、NKエステルBPE−100、NKエステルBPE−200(新中村化学製)等のビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート;アロニックスM−208(東亞合成製)等のビスフェノールF EO変性(n=2〜20)ジ(メタ)アクリレート;デナコールアクリレートDA−250(ナガセ化成製)、ビスコート#540(大阪有機化学工業製)等のビスフェノールA PO変性(n=2〜20)ジ(メタ)アクリレート;デナコールアクリレートDA−721(ナガセ化成製)等のフタル酸PO変性ジアクリレート等を挙げることができる。
【0081】
また、芳香環や複素環を含んでいないが、炭素間二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−215(東亞合成製)等のイソシアヌル酸 EO 変性ジアクリレート;アロニックスM−315(東亞合成製)、NKエステルA−9300(新中村化学製)等のイソシアヌル酸 EO 変性トリアクリレート等を挙げることができる。
【0082】
なお、上記EO変性とは、エチレンオキサイド変性部位を有することを示し、上記PO変性とは、プロピレンオキサイド変性部位を有することを示す。
【0083】
上記(メタ)アクリル系化合物のうち、少なくとも1種類の(メタ)アクリル系化合物は、1分子内のエチレンオキサイド変性(EO変性)部位の繰り返し単位−(CHCHO)−の数、または、1分子内のプロピレンオキサイド変性(PO変性)部位の繰り返し単位−(CH(CH)CHO)−の数が10以上である(メタ)アクリル系化合物であることが好ましい。上記の繰り返し単位を10以上有することにより、ラミネート処理時の粘弾性係数を小さくして熱流動性を付与することができる。
【0084】
上記のように、EO変性部位の繰り返し単位、またはPO変性部位の繰り返し単位を10以上有してなる(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、上記したNKエステルA−BPE−10、NKエステルA−BPE−20、NKエステルA−BPE−30、NKエステルBPE−100、NKエステルBPE−200等のビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールF EO変性(n=10〜20)ジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA PO変性(n=10〜20)ジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0085】
EO変性部位の繰り返し単位、またはPO変性部位の繰り返し単位を10以上有してなる(メタ)アクリル系化合物は、感光性樹脂組成物(感光性フィルム)に含有されるすべての(メタ)アクリル系化合物の総重量に対して、少なくとも10重量部含有されていることが好ましく、少なくとも20重量部含有されていることがより好ましい。
【0086】
<(C)その他の成分>
本発明にかかる感光性フィルムを形成するために用いられる感光性樹脂組成物には、上記(メタ)アクリル系化合物、ベースポリマー以外に、(C)その他の成分が含有されていてもよい。その他の成分としては、難燃剤、硬化促進剤および/または硬化剤、光反応開始剤・増感剤等を挙げることができる。
【0087】
<難燃剤>
まず、感光性フィルムに難燃性を付与するために、上記ベースポリマーとして難燃剤を含有してもよい。上記難燃剤としては、特に限定されないが、リン酸エステル、縮合リン酸エステル等のリン系化合物;リン原子および窒素原子を分子内に有するリン−窒素含有化合物;含臭素(メタ)アクリル化合物等の含臭素有機化合物;芳香族環の含有率が高いシリコーン化合物を挙げることができる。これらの難燃剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。
【0088】
上記難燃剤は、上記上記(A)ベースポリマーおよび(B)(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内とすることが好ましく、1〜50重量部の範囲内とすることがより好ましく、1〜40重量部の範囲内とすることが特に好ましい。
【0089】
上記難燃剤が、ベースポリマーおよび(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して1重量部未満であると、十分な難燃効果を得ることが困難であるため好ましくない。一方、100重量部を超えると、Bステージ状態の感光性フィルムにベタツキが見られたり、熱圧着時に樹脂がしみ出しやすくなったりする場合があり、さらに硬化物の機械特性に悪影響を与える傾向があるため好ましくない。
【0090】
<硬化促進剤および/または硬化剤>
感光性フィルムの硬化を効率よく行うために、上記ベースポリマーとして、硬化促進剤や硬化剤を含有してもよい。このような硬化促進剤や硬化剤としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂の硬化を効率よく行うためには、イミダゾール系化合物、酸無水物、第3級アミン類、ヒドラジン類、芳香族アミン類、フェノール類、トリフェニルホスフィン類、有機過酸化物等を挙げることができる。これらの硬化促進剤および/または硬化剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。
【0091】
上記硬化促進剤または硬化剤は、ベースポリマー100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内であることが好ましく、1〜20重量部の範囲内であることがより好ましく、0.5〜15重量部の範囲内であることが特に好ましい。上記硬化促進剤または硬化剤が、ベースポリマー100重量部に対して0.1重量部未満であると、エポキシ樹脂の硬化が十分に行われず、20重量部を超えると耐熱性の低下を引き起こす可能性がある。
【0092】
<光反応開始剤・増感剤>
感光性フィルムに現像性を付与するために、上記他の成分として、光反応開始剤および/または増感剤を含有してもよい。光反応開始剤および/または増感剤を添加してなる感光性フィルムを露光した場合に、露光領域にて架橋反応や重合反応を促進することができる。これにより、露光領域と未露光領域とで、感光性フィルムのアルカリ水溶液への溶解性が十分に異ならせることができ、それゆえ、感光性フィルム上にパターンを好適に現像することが可能になる。
【0093】
上記光反応開始剤としては、ラジカル発生剤、光カチオン発生剤、光塩基発生剤、光酸発生剤等を挙げることができる。上記ラジカル発生剤としては、g線程度の長波長の光によりラジカルを発生するものが好ましく、例えば、アシルフォスフィンオキシド化合物が挙げられる。また、上記光カチオン発生剤としては、例えば、ジメトキシアントラキノンスルフォン酸のジフェニルヨードニウム塩等のジフェニルヨードニウム塩類、トリフェニルスルフォニウム塩類、ピリリニウム塩類、トリフェニルオニウム塩類、ジアゾニウム塩類等を挙げることができる。なお、上記各塩類の他、カチオン硬化性の高い脂環式エポキシやビニルエーテル化合物を混合することが好ましい。
【0094】
さらに、上記光塩基発生剤としては、ニトロベンジルアルコールやジニトロベンジルアルコールとイソシアナートとの反応によって得られるベンジルアルコール−ウレタン化合物;ニトロ−1−フェニルエチルアルコールやジニトロ−1−フェニルエチルアルコールとイソシアナートとの反応によって得られるフェニルエチルアルコール−ウレタン化合物;ジメトキシ−2−フェニル−2−プロパノールとイソシアナートとの反応によって得られるプロパノール−ウレタン化合物等を挙げることができる。
【0095】
また、光酸発生剤としては、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、オニウム塩等のスルホン酸を発生させる化合物;ナフトキノンジアジド等のカルボン酸を発生させる化合物を挙げることができる。あるいは、ジアゾニウム塩や、ビス(トリクロロメチル)トリアジン類等の化合物は、光の照射によりスルホン基を生成させることができるので、これら化合物も好ましく用いることができる。
【0096】
一方、上記増感剤としては、特に限定されないが、ミヒラケトン、ビス−4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン等を挙げることができる。
【0097】
上記光反応開始剤および/または増感剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。
【0098】
上記光反応開始剤および/または増感剤は、上記(A)ベースポリマー、および、上記(B)(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜10重量部の範囲内であることがより好ましい。上記光反応開始剤および/または増感剤の含有重量が、ベースポリマーと(メタ)アクリル系化合物との総重量100重量部に対して、0.001重量部未満である、あるいは、10重量部を超えると、増感効果が得られず、また、現像性に対して悪い影響を及ぼす可能性がある。
【0099】
また、ラジカル発生剤と増感剤とを組み合わせて用いることもできる。特に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のパーオキサイドと、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンとの組み合わせが好ましい。
【0100】
<感光性フィルムの製造方法>
次に、以上のような成分を含有してなる感光性樹脂組成物を用いて形成される感光性フィルムの製造方法について説明する。
【0101】
まず、上記(A)ベースポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)その他の成分を含有してなる感光性樹脂組成物を有機溶媒に溶解する。この有機溶媒としては、感光性樹脂組成物に含有される成分を溶解することができる有機溶媒であれば、特に限定されるものではない。上記有機溶媒としては、例えば、ジオキソラン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール系溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、後の工程にて、上記有機溶媒の除去を行うので、上記感光性樹脂組成物を溶解し、できるだけ沸点の低いものを選択することが製造工程上、有利である。
【0102】
続いて、溶液状の感光性樹脂組成物を、支持体フィルムに均一に塗布した後、加熱および/または熱風の吹き付けを行う。これによって、上記有機溶媒を除去し、感光性樹脂組成物を乾燥させて、感光性フィルムを得る。このようにして形成された感光性フィルムは、半硬化状態(Bステージ状態)にあり、上記した粘弾性係数を有している。それゆえ、上記感光性フィルムは、Bステージ状態にあるので、ラミネート処理等の熱圧着処理を行う場合に適度な流動性を有し、パターン回路の埋め込みを好適に行うことができる。また、パターン回路を埋め込んだ後、露光処理、熱圧着処理、加熱キュア等を行うことによって、完全に硬化させることができる。
【0103】
上記加熱および/または熱風の吹き付けを行うことによって、感光性樹脂組成物を乾燥する温度は、感光性樹脂組成物に含有される(メタ)アクリル基等の硬化性基が反応しない温度であればよい。具体的には、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることが特に好ましい。また、乾燥時間は、有機溶媒を除去することが可能な範囲内で、より短い時間とすることが好ましい。
【0104】
上記支持体フィルムとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム等、通常市販されている各種のフィルムが使用可能である。上記支持体フィルムのうち、ある程度の耐熱性を有し、比較的安価に手に入る点から、PETフィルムが多く用いられる。なお、支持体フィルムの感光性フィルムとの接合面には、該感光性フィルムとの密着性および剥離性を向上させるための表面処理が施されていてもよい。
【0105】
また、上記支持体フィルムの厚みは、5〜50μmの範囲内であることが好ましく、10〜30μmの範囲内であることがより好ましい。支持体フィルムの厚みが5μm未満であると、支持体フィルムにしわが生じて、操作性が低下する傾向にある。一方、支持体フィルムの厚みが50μmを超えると、感光性フィルムが巻き取り難くなるという問題が生じる。
【0106】
上記のように作製された感光性フィルムは、さらに、その表面にエポキシ樹脂層を形成してもよい。このエポキシ樹脂層は、銅箔への接着性を向上させるために設けられる。上記エポキシ樹脂層は、エポキシ樹脂を溶解させた有機溶媒溶液を用いて、薄い層状となるように形成される。なお、上記有機溶媒溶液には、さらに硬化剤が溶解していてもよい。以下、エポキシ樹脂層を形成する手法について、説明する。
【0107】
感光性フィルム表面にエポキシ樹脂層を形成するためには、例えば、次に示す2つの手法のうち、いずれかの手法にて行えばよい。すなわち、
▲1▼感光性フィルム表面に、バーコーター等を用いて上記有機溶媒溶液を直接塗布して乾燥し、エポキシ樹脂層を形成する、または、
▲2▼保護フィルムを用い、該保護フィルム表面に、上記有機溶媒溶液を塗布して乾燥し、エポキシ樹脂層を形成した後、該エポキシ樹脂層を感光性フィルムに転写する。
【0108】
上記▲2▼の手法では、エポキシ樹脂層が形成された保護フィルムを、エポキシ樹脂層が感光性フィルムに対向するように、感光性フィルム上にラミネートする。その後、感光性フィルム上から保護フィルムのみを剥離することによって、感光性フィルム上にエポキシ樹脂層が転写される。
【0109】
なお、上記▲2▼の手法では、上記有機溶媒溶液を乾燥する温度は、有機溶媒が蒸発する温度以上であればよく、特に保護フィルムの耐熱性が低い場合には、必要以上に高い温度に設定しないことが好ましい。具体的な温度としては、100℃以下が好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
【0110】
また、上記感光性フィルムの使用前に、空気中のゴミや塵が付着することや、乾燥によって品質が劣化することを防止するために、上記保護フィルムは、感光性フィルムの使用時に剥離するようにすることが好ましい。つまり、本実施の形態の感光性フィルムは、使用時に剥離できるような保護フィルムを形成しておくことが好ましい。
【0111】
従って、上記▲1▼の手法を用いてエポキシ樹脂層を形成した場合や、感光性フィルム上にエポキシ樹脂層を形成していない場合には、感光性フィルム表面またはエポキシ樹脂層表面に、10℃〜50℃の温度でラミネート処理を施して、保護フィルムを形成することが好ましい。なお、ラミネート処理時の温度が50℃よりも高くなると、保護フィルムの熱膨張を招き、ラミネート処理後の保護フィルムにしわやカールが生じることになる。
【0112】
上記保護フィルムは、感光性フィルムの使用時に剥離されるため、保護フィルムと感光性フィルムまたはエポキシ樹脂層との接合面は、適度な密着性を有し、かつ、剥離性に優れていることが好ましい。
【0113】
保護フィルムの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンフィルム(PEフィルム)、ポリエチレンビニルアルコールフィルム(EVAフィルム)、「ポリエチレンとエチレンビニルアルコールの共重合体フィルム」(以下、(PE+EVA)共重合体フィルムと略す)、「PEフィルムと(PE+EVA)共重合体フィルムの積層体」(以下、PE−PE+EVA積層フィルムと称する)、または「(PE+EVA)共重合体とポリエチレンとの同時押し出し製法によるフィルム」(片面がPEフィルム面であり、もう片面が(PE+EVA)共重合体フィルム面であるフィルムとなる。以下、PE−PE+EVA同時押出フィルムと称する)等を挙げることができる。
【0114】
上記PEフィルムは、安価であり、表面の滑り性に優れているという長所がある。また、(PE+EVA)共重合体フィルムは、感光性フィルムへの適度な密着性と剥離性とを備えている。このような保護フィルムが形成されることにより、保護フィルム、感光性フィルム、支持体フィルムの3層を有する3層構造シートをロール状に巻き取った場合に、その表面の滑り性を向上することができる。
【0115】
<プリント配線板の作製>
次に、上記感光性フィルムを保護層として形成してなるプリント配線板を作製する手法について、説明する。なお、以下では、プリント配線板として、パターン回路が形成されてなる銅箔(以下、回路付きCCLと記載)を用いる場合を例に挙げて説明するが、多層のプリント配線板を形成する場合にも、同様の手法により、層間絶縁層を形成することができる。
【0116】
まず、上記にて説明した保護フィルム,感光性フィルム,支持体フィルムを有してなる三層フィルムから保護フィルムを剥離する。以下では、保護フィルムが剥離されたものを、支持体付き感光性フィルムと記載する。そして、感光性フィルムと上記回路付きCCLとが対向するように、該回路付きCCLを、支持体付き感光性フィルムにて覆い、熱圧着によって貼り合せる。この熱圧着による貼り合わせは、熱プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、熱ロールラミネート処理等によって行えばよく、特に限定されるものではない。
【0117】
上記貼り合わせを、熱ラミネート処理または熱ロールラミネート処理(以下、ラミネート処理)によって行う場合、処理温度は、ラミネート処理が可能である下限の温度(以下、圧着可能温度)以上であればよい。具体的には、上記圧着可能温度は、50℃以上150℃以下であることが好ましく、60℃以上120℃以下であることがより好ましく、特に、80℃以上120℃以下であることが好ましい。
【0118】
上記処理温度が150℃を超えると、ラミネート処理時に、感光性フィルムに含まれる感光性反応部位の架橋反応が生じ、感光性フィルムが硬化してしまう。一方、上記処理温度が50℃未満であると、感光性フィルムの流動性が低く、パターン回路を埋め込むことが困難となる。さらに、回路付きCCLや該回路付きCCLに設けられているベースフィルムとの接着性が低下してしまう。
【0119】
なお、回路付きCCLを用いる場合、該回路付きCCLの銅箔は、光沢のある面(以下、光沢面)と、光沢のない面(以下、粗面)とを有している。銅箔の光沢面は、粗面に比較して表面積が小さくなっている。そのため、上記ラミネート処理は、光沢面に対するよりも、上記粗面に対して行う方が容易となっている。それゆえ、上記ラミネート処理を行う場合、上記光沢面に対してラミネート処理を行うこと可能な温度であれば、上記粗面に対してもラミネート処理を行って、感光性フィルムを貼り合せることができる。
【0120】
上記の熱圧着処理によって、回路付きCCL上に感光性フィルムが形成され、さらに支持体フィルムが形成された、貼り合わせサンプルが得られる。次いで、この貼り合わせサンプルに対して、パターン露光および現像を行う。パターン露光および現像に際しては、上記貼り合わせサンプルの支持体フィルム上に、フォトマスクパターンを配置し、該フォトマスクを介して露光処理を行う。その後、支持体フィルムを剥離して現像処理を行うことによって、フォトマスクパターンに応じた穴(ビア)が形成される。
【0121】
ここで、露光に用いる光源としては、300nm〜430nmの光を有効に放射する光源が好ましい。この理由は、感光性フィルムに含有される光反応開始剤が、通常450nm以下の光を吸収して機能するためである。
【0122】
また、上記現像に用いる現像液としては、塩基性化合物が溶解した塩基性溶液を用いればよい。塩基性化合物を溶解させる溶媒としては、上記塩基性化合物を溶解することができる溶媒であれば特に限定されず、水であってもよく、有機溶媒であってもよい。
【0123】
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アミン化合物等を挙げることができる。上記塩基性化合物は、1種類を用いてもよいし、2種類以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
【0124】
上記塩基性溶液に含有される塩基性化合物の濃度は、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましいが、感光性フィルムの耐アルカリ性の点から、0.1〜5重量%の範囲内とすることがより好ましい。
【0125】
なお、上記支持体フィルムは、露光処理後に剥離しているが、回路付きCCL上に支持体付き感光性フィルムが貼り合わせられた後に、すなわち、露光処理を行う前に剥離してもよい。感光性フィルムを保護する点からは、露光処理が完了した後に、支持体フィルムを剥離することが好ましい。
【0126】
上記のように露光・現像処理が施された後、感光性フィルムに対して、加熱キュアを行うことにより、感光性フィルムが完全に硬化する。これにより、硬化した感光性フィルムは、プリント配線板の保護層となる。
【0127】
また、多層のプリント配線板を形成する場合には、プリント配線板の保護層を層間絶縁層とし、該層間絶縁層上に、さらにスパッタリングや鍍金、もしくは、銅箔の貼り合わせ等を行った後、パターン回路を形成し、上記のように感光性フィルムをラミネートすればよい。これにより、多層のプリント配線板を作製することができる。
【0128】
なお、本実施の形態では、感光性フィルムを、プリント配線板の保護材料または層間絶縁材料として用いて、プリント配線板上に保護層や層間絶縁層を形成する場合について説明したが、上記した以外の用途に用いることも可能である。さらに、本発明の感光性フィルムは、プリント配線板に限らず、基板上に配線が形成されてなる配線板に対しても適用可能である。
【0129】
【実施例】
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、感光性フィルムの具体的な製造例、およびその物性の評価は、次のようにして行った。
【0130】
〔感光性フィルムの製造例〕
ジオキソランに対して、(A)ベースポリマーを溶解させ、その固形分重量%(Sc)=30%として、ベースポリマーワニスを調製した。このベースポリマーワニスに対して、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)その他の成分を混合・攪拌し、溶液の感光性樹脂組成物を調製した。
【0131】
この感光性樹脂組成物を、乾燥後の塗布層の厚み(感光性フィルムの厚み)が15〜36μmになるように支持体フィルム上に塗布した。支持体フィルムとしては、PETフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー、厚み25μm)を用いた。その後、支持体フィルム上の塗布層を、100℃2分間の条件で乾燥することによって、ジオキソランを除去した。これにより、感光性フィルム/PETフィルム(支持体フィルム)からなる2層構造シートを得た。なお、感光性フィルム層はBステージ状態にある。
【0132】
続いて、上記2層構造シートにおける感光性フィルムの上に、ポリエチレン(タマポリ(株)製商品番号GF−1、厚み20μm)を、ロール温度20℃、ニップ圧75,000Pa・mの条件下でロールラミネート処理して保護フィルムを形成し、保護フィルム/感光性フィルム/支持体フィルムの三層を有する3層構造シートを得た。
【0133】
〔感光性フィルムの物性の評価〕
上述のようにして製造された感光性フィルムについて、次に示す各項目の物性について評価を行った。
【0134】
<粘弾性係数>
上記のようにして得られたBステージ状態の感光性フィルムの粘弾性係数について、動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業(株)製、商品番号DMS200)を用いて測定した。このときの測定条件は、0℃から300℃まで、昇温速度3℃/分とした。
【0135】
<圧着可能温度の測定>
ポリイミドフィルム(鐘淵化学工業(株)製、商品名NPIフィルム、厚み25μm)および電解銅箔(三井金属(株)製、厚み38μm)の光沢面に対して、上記Bステージ状態の感光性フィルムをラミネートし、上記感光性フィルムがポリイミドフィルムおよび銅箔光沢面に貼り合わせることができる温度を測定した。上記感光性フィルムと、ポリイミドフィルムまたは銅箔光沢面との貼り合わせは、ラミネートした後、該感光性フィルムが剥離可能であるか否かによって確認し、剥離が不可能である下限温度を圧着可能温度とした。
【0136】
<パターン回路の埋め込み性>
厚み25μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学工業(株)製商品名アピカルNPI)をベースフィルムとし、該ベースフィルムに接着剤を塗布して、圧延銅箔(三井金属(株)製、厚み18μm)を貼り付けた。次いで、上記圧延銅箔上に、レジストフィルム(旭化成(株)製、サンフォート)を用いて、ライン/スペース=100μm/100μmで長さ8cmの直線状ラインを50本と、この直線状ライン対して並行に、ライン/スペース=50μm/50μmで長さ8cmの他の直線状ラインが50本とを形成して、厚み18μmのパターン回路を形成して、回路付きCCLを得た。
【0137】
続いて、上記3層構造シートの保護フィルムを剥離し、感光性フィルム面を、上記回路付きCCLにラミネートして、貼り合わせサンプルを得た。該ラミネートは、温度100〜150℃、75,000Pa・mの条件下で行った。得られた貼り合わせサンプルを、光学顕微鏡を用いて50倍〜200倍の倍率で観察した。
【0138】
この観察により、上記感光性フィルムが、上記パターン回路とベースフィルムとの段差を埋め込み、上記感光性フィルムと上記回路付きCCLとの間に隙間ができていない場合は、埋め込み性を合格とした。一方、上記感光性フィルムと上記回路付きCCLとの間に隙間が生じている場合や、パターン回路と感光性フィルムとの間に空気の泡等が生じている場合には、埋め込み性を不合格とした。
【0139】
<感光性フィルムの外表面の平滑性>
上記の貼り合わせサンプルを、波長400nm、300mJ/cmの光を用いて露光し、その後、支持体フィルムを剥離して、180℃のオーブンで加熱キュアを行い、感光性フィルムを硬化させた。硬化後の感光性フィルムについて、パターン回路を埋め込んだ領域にある感光性フィルムの外表面を、三次元表面構造解析顕微鏡(フィルム表面形状観察装置)Zygo NewView 5030システム(商品名、Zygo Corporation(ザイゴ社)製)を用いて観察し、凹凸の最大高低差を計測した。
【0140】
<現像性>
銅箔(三井金属(株)製の電解銅箔、厚み38μm)を10%硫酸水溶液で1分間ソフトエッチング(銅箔表面の防錆剤を除去する工程)した。その後、銅箔片を水洗いし、その表面を、さらにエタノールおよびアセトンで洗浄してから乾燥させた。
【0141】
次に、上記3層構造シートの保護フィルムを剥離し、感光性フィルム側を上記銅箔の表面(光沢面)に重ねてラミネートした。ラミネート条件は、ロール温度100〜120℃、ニップ圧75,000Pa・mの条件とした。これにより積層体サンプルを得た。
【0142】
この積層体サンプルにおける支持体フィルムの上に、100μm×100μmおよび200μm×200μmの微細な正方形のパターン(何れも、100μm角および200μm角の穴と称する)を描いたパターンマスクを載せ、波長400nmの光を用いて300mJ/cm露光した。
【0143】
この積層体サンプルから支持体フィルムを剥離した後、スプレー現像機(サンハヤト(株)製エッチングマシーン商品番号ES−655D)を用いて現像した。このときの現像条件は、現像液として1%水酸化カリウム水溶液(液温40℃)を用いて、スプレー圧0.85MPa、現像時間30秒〜1分間の条件とした。これにより、感光性フィルムを、上記マスクのパターンに形成した。
【0144】
現像後の感光性フィルムを蒸留水により洗浄して、現像液を除去し、乾燥させた。そして、感光性フィルムを光学顕微鏡で観察して、少なくとも200μm角の穴が形成されていれば合格とした。
【0145】
<耐屈曲性>
保護フィルムを剥離して、感光性フィルム側をポリイミドフィルムの表面にラミネートした。ポリイミドフィルムとしては、25μm厚のポリイミドフィルム(鐘淵化学(株)製商品名アピカルAH)を用いた。また、ラミネート条件は、ロール温度100〜120℃、ニップ圧75,000Pa・mの条件とした。
【0146】
次に、ポリイミドフィルム上の感光性フィルムを、波長400nmの光を用いて300mJ/cm露光した。その後、感光性フィルムから支持体フィルムを剥離し、180℃のオーブンで2時間加熱キュアを行った。これにより、ポリイミドフィルム/感光性フィルムの積層体サンプルを得た。
【0147】
上記積層体サンプルを、2cm×10cmのサイズにカットし、▲1▼ドライフィルムレジスト面を外側に向けて180°に折り曲げるか、▲2▼ドライフィルムレジスト面を内側にして180°に折り曲げることによって、耐屈曲性を評価した。上記▲1▼・▲2▼の何れの条件であっても、感光性フィルムにクラック等の異常が生じないものを合格とし、1つでもクラックが生じるものは不合格とした。
【0148】
<耐熱性(半田耐熱性)>
銅箔(三井金属(株)製の電解銅箔、厚み35μm)を5cm角の銅箔片とするとともに、感光性フィルムを4cm角のフィルム片とした以外は、上記<現像性>と同様にして、感光性フィルムを加熱キュアした積層体サンプルを得た。
【0149】
この積層体サンプルを、常態(20℃/相対湿度40%の環境で24時間)、または吸湿(40℃/相対湿度85%の環境で48時間)の各条件で調湿した。その後、▲1▼積層体サンプルを270℃以上の溶融半田に1分間ディップしてから引き上げ、銅箔と感光性フィルムとの界面に膨れが発生したり剥離したりしていないか観察した。また、▲2▼溶融半田の温度を徐々に上げていき、10℃毎に30秒間ディップして何℃まで異常が発生しないか観察した。何れの条件であっても、異常の発生しなかった最高温度を30秒ディップ可能温度とした。
【0150】
〔実施例1〕
<(A)ベースポリマーの合成>
原料として、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、およびメタクリル酸のモノマーを用いた。これらモノマー成分を、公知の方法を用いて共重合し、(A)ベースポリマーとしてのカルボキシル基含有共重合体を得た。このときの各モノマー成分の重合比は、メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸=55/8/15/22(重量基準)とした。
【0151】
<感光性フィルムの製造>
上記カルボキシル基含有共重合体と、次に示す各成分を用いて、前記〔感光性フィルムの製造例〕に基づいて、Bステージ状態の感光性フィルム(感光性フィルム/支持体フィルムからなる2層構造シート)を作製した。
(A)ベースポリマー:
上記カルボキシル基含有共重合体・・・・・・・・・・・・・・・・70重量部
(B)(メタ)アクリル系化合物:
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位:m+n≒4)ジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−211B)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位:m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名NKエステルA−BPE−30)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
(C)その他成分として光反応開始剤:
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名イルガキュア819)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1重量部
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で240MPa、100℃で80MPa。
圧着可能温度:110℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差2μm。
現像性:200μm角の穴が現像できており合格。
耐屈曲性:クラックは全く発生せず合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では270℃、吸湿条件では250℃まで合格。
【0152】
〔実施例2〕
<(A)ベースポリマーの合成>
ポリイミドの原料として、(2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート)−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸無水物(ESDA)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン(BAPS−M)、シリコンジアミン、[ビス(4−アミノ−3−カルボキシ)フェニル]メタン(MBAA)を用い、重合用溶媒として、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)およびジオキソランを用いた。
【0153】
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコに、ESDA17.3g(0.030mol)、DMF30gを仕込んで攪拌・混合し、ESDAのDMF溶液を調製した。この溶液に、和歌山精化製のジアミンMBAA5.15g(0.018mol)をDMF9gに溶解したMBAA溶液を添加し、激しく攪拌した。溶液が均一になった後、シリコンジアミン(信越シリコーン製商品番号KF−8010)7.47g(0.009mol)を加えて激しく攪拌した。溶液が均一になったら、最後に、BAPS−M1.29g(0.003mol)を加えて1時間激しく攪拌して反応させた。これによりポリアミド酸溶液を得た。
【0154】
このポリアミド酸溶液をフッ素樹脂加工したバットに移し、真空オーブンで200℃、600Paの圧力で2時間減圧乾燥した。これにより26.40gのポリイミドを得た。
【0155】
上記ポリイミドは、テトラヒドロフラン100g(20℃)に50g以上溶解したので、本発明で定義する可溶性ポリイミドに該当した。
【0156】
<感光性フィルムの製造>
得られた上記可溶性ポリイミド15gを、ジオキソラン35gに溶解させ、固形分重量%(Sc)=30%のベースポリマーワニスを調製した。そして、このベースポリマーワニスに対して、次に示す各成分を混合して感光性樹脂組成物を調製し、前記〔感光性フィルムの製造例〕に基づいて、Bステージ状態の感光性フィルム(感光性フィルム層/PETフィルムからなる2層構造シート)を作製した。
(A)ベースポリマー:
上記可溶性ポリイミド(固形分重量で換算)・・・・・・・・・・・50重量部
(B)(メタ)アクリル系化合物
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位:m+n≒4)ジアクリレート:(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−211B)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40重量部
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位:m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名NKエステルA−BPE−30)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
(C)その他成分として光反応開始剤:
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名イルガキュア819)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1重量部
上記接着剤用樹脂組成物を用いて上記2層構造シートにおける感光性フィルムの表面に保護フィルムを積層し、本発明にかかる感光性フィルムを含む3層構造シートを得た。
【0157】
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で220MPa、100℃で30MPa。
圧着可能温度:120℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差2μm。
現像性:200μm角の穴および100μ角の穴が現像できており合格。
耐屈曲性:クラックは全く発生せず合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では370℃、吸湿条件では360℃まで合格。
【0158】
〔実施例3〕
Bステージ状態の感光性フィルムの厚みを30μmとした以外は、実施例2と同様に、Bステージ状態の感光性フィルム、および当該感光性フィルムを有してなる3層構造シートを得た。
【0159】
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で220MPa、100℃で30MPa。
圧着可能温度:120℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差0.5μm。
現像性:200μm角の穴および100μ角の穴が現像できており合格。
耐屈曲性:クラックは全く発生せず合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では370℃、吸湿条件では360℃まで合格。
【0160】
〔実施例4〕
<(A)ベースポリマーの合成>
次に示す各事項以外は、前記実施例2における<(A)ベースポリマーの合成>と全く同様にして可溶性ポリイミドを合成した。
(1)ポリイミドの原料として、ESDAに代えて3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物(ODPA)を9.31g(0.03mol)用いた。
(2)MBAAを4.29g(0.015mol)用い、これをDMF10gに溶解してMBAA溶液を調製した。
(3)BAPS−Mを2.58g(0.006mol)用いた。
【0161】
これにより21.28gのポリイミドを得た。また、このポリイミドは、テトラヒドロフラン100g(20℃)に50g以上溶解したので、本発明で定義する可溶性ポリイミドに該当した。
【0162】
<感光性フィルムの製造>
得られた上記可溶性ポリイミド21gを、ジオキソラン49gに溶解させ、固形分重量%(Sc)=30%のベースポリマーワニスを調製した。そして、このベースポリマーワニスに対して、次に示す各成分を混合して感光性樹脂組成物を調製し、前記〔感光性フィルムの製造例〕に基づいて、乾燥後の厚みが18μmのBステージ状態の感光性フィルム(感光性フィルム/支持体フィルムからなる2層構造シート)を作製した。
(A)ベースポリマー:
上記可溶性ポリイミド(固形分重量で換算)・・・・・・・・・・・60重量部
(B)(メタ)アクリル系化合物:
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位:m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名NKエステルA−BPE−30)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位:m+n≒4)ジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−211B)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
(C)その他の成分として光反応開始剤:
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン・・・・・・・・1重量部
3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1重量部
(C)その他成分として難燃剤(リン酸エステル):
クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート(大八化学(株)製、商品名PX−110)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部
上記接着剤用樹脂組成物を用いて上記2層構造シートにおける感光性フィルムの表面に保護フィルムを積層し、本発明にかかる感光性フィルムを含む3層構造シートを得た。
【0163】
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で450MPa、100℃で90MPa。
圧着可能温度:120℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差3μm。
現像性:200μm角の穴が現像できており合格。
耐屈曲性:クラックは全く発生せず合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では360℃、吸湿条件では350℃まで合格。
【0164】
〔実施例5〕
Bステージ状態の感光性フィルムの厚みを25μmとした以外は、前記実施例4と同様に、Bステージ状態の感光性フィルム、および、当該感光性フィルムを有してなる3層構造シートを得た。
【0165】
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で450MPa、100℃で90MPa。
圧着可能温度:120℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差1μm。
現像性:200μm角の穴が現像できており合格。
耐屈曲性:クラックは全く発生せず合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では360℃、吸湿条件では350℃まで合格。
【0166】
〔実施例6〕
ビスフェノールA EO変性(エチレンオキサイド変性部位の繰り返し単位;m+n≒4)ジアクリレートに代えて、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート(第一工業製薬(株)商品名ニューフロンティアBR−42M)を用いた以外は、前記実施例2における<感光性フィルムの製造>と全く同様にして、厚みが20μmであるBステージ状態の感光性フィルム、および、当該感光性フィルムを有してなる3層構造シートを得た。
【0167】
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で380MPa、100℃で40MPa。
圧着可能温度:100℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差2μm
現像性:200μm角の穴および100μ角の穴が現像できており合格。
耐屈曲性:クラックは全く発生せず合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では370℃、吸湿条件では360℃まで合格。
【0168】
〔比較例1〕
<変性ポリイミド樹脂の合成>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、BAPS−M43.05g(0.1mol)、DMF30gを仕込んで攪拌・混合し、BAPS−MのDMF溶液を調製した。この溶液を激しく攪拌しながら、ESDA115.30g(0.20mol)を一気に加え、さらに激しく攪拌した。溶液が均一になった後、ジアミノ安息香酸15.20g(0.1mol)をDMFに溶解したジアミノ安息香酸溶液を加えて、1時間激しく攪拌した。これによりポリアミド酸溶液を得た。
【0169】
このポリアミド酸溶液をフッ素樹脂加工したバットに移し、真空オーブンで200℃、600Paの圧力で2時間減圧乾燥した。これにより160gのポリイミドを得た。
【0170】
上記ポリイミドは、テトラヒドロフラン100g(20℃)に50g以上溶解したので、本発明で定義する可溶性ポリイミドに該当した。
【0171】
次に、上記可溶性ポリイミド樹脂33.0gを、ジオキソラン66.0gに溶解させ、4−メトキシフェノールを0.33g添加した。ここに、2.85g(0.025mol)のアリルグリシジルエーテルをジオキソラン25gに溶解したジオキソラン溶液を加え、70℃で6時間加熱撹拌を行って、上記可溶性ポリイミド樹脂の変性を行った。これにより、固形分重量%(Sc)=30%の変性ポリイミド樹脂のワニスを得た。
【0172】
<感光性フィルムの製造>
得られた変性ポリイミド樹脂のワニスに対して、次に示す各成分を混合して感光性樹脂組成物を調製し、前記〔感光性フィルムの製造例〕に基づいて、乾燥後の厚みが20μmのBステージ状態の感光性フィルム(感光性フィルム層/支持体フィルムからなる2層構造シート)を作製した。
(A)ベースポリマー:
上記変性ポリイミド樹脂(固形分重量で換算)・・・・・・・・・・75重量部
(B)(メタ)アクリル系化合物:
イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)・・・・・・・・・・・20重量部
(C)その他の成分として光反応開始剤:
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名イルガキュア819)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1重量部
4,4’−ジアミノフェニルスルフォン・・・・・・・・・・・0.5重量部
(C)その他の成分として接着剤:
エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート828)・・・・・・3重量部
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で380MPa、100℃で40MPa。
圧着可能温度:200℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差10μm
現像性:200μm角の穴が現像できておらず不合格。
耐屈曲性:クラックが発生して不合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では370℃、吸湿条件では350℃まで合格。
【0173】
〔比較例2〕
Bステージ状態の感光性フィルムの厚みを30μmとした以外は、前記比較例1と同様に、Bステージ状態の感光性フィルム、および、当該感光性フィルムを有してなる3層構造シートを得た。
【0174】
<物性の評価>
得られた感光性フィルムにおける物性の評価は、次のようになった。
粘弾性係数(Bステージ):20℃で380MPa、100℃で40MPa。
圧着可能温度:200℃。
パターン回路の埋め込み性:回路を埋め込めており合格。
感光性フィルムの外表面の平滑性:最大高低差6μm
現像性:200μm角の穴が現像できておらず不合格。
耐屈曲性:クラックが発生して不合格。
耐熱性(半田耐熱性、30秒ディップ可能温度):常態条件では370℃、吸湿条件では350℃まで合格。
【0175】
このように、粘弾性係数が、100℃以上の温度でも100MPaより大きいフィルムは、熱流動性に劣るために、パターン回路の埋め込み後のフィルムの外表面の平滑性に劣り、さらに、耐屈曲性および現像性に劣ることが分かった。
【0176】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる感光性フィルムは、少なくともベースポリマーを含有し、好ましくは1種類以上の(メタ)アクリル系化合物を含有しているので、パターン回路の埋め込みを好適に行い得るような流動性を有してなる感光性フィルムを提供することができる。また、パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の感光性フィルムの表面(以下、感光性フィルムの外表面と記載する)に形成される凹凸の高低差が5μm以下となっているので、パターン回路を埋め込んだ場合の感光性フィルムの外表面の平滑性に優れたものとなっている。
【0177】
さらに、上記ベースポリマーとして、所望する物性を有する樹脂を用いることによって、該樹脂が有する物性を備えてなる感光性フィルムを提供することができる。それゆえ、例えば、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の諸物性を有している樹脂を用いることによって、感光性フィルムに対して、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の諸物性を付与することができる。
【0178】
また、本発明のプリント配線板は、上記の感光性フィルムを有している。そのため、表面の平滑性に優れ、かつ、接着性、耐熱性、耐屈曲性等の所望する諸物性を有してなる感光性フィルムを備えたプリント配線板を提供することができる。これにより、反りのない、また、耐屈曲性に優れたプリント配線板を提供することができる。また、上記感光性フィルムを形成しているために、プリント配線板の表面が平坦なものとすることができる。それゆえ、複数のプリント配線板が好適に積層し、正確な位置に回路を積層してなる多層のプリント配線板を得ることができる。
【0179】
したがって、本発明は、FPC等のプリント配線板を製造する産業、例えば電子部品用の樹脂材料を製造する樹脂産業分野に好適に用いることができるだけでなく、このようなプリント配線板を用いる電子機器の産業分野に好適に用いることができるという効果を奏する。

Claims (7)

  1. 少なくともベースポリマーを含有しており、1〜60μmの厚みを有し、当該厚みの50〜95%の範囲内で形成された凹凸形状を有するパターン回路を覆うように形成される感光性フィルムであって、
    上記パターン回路を埋め込むとともに、上記パターン回路を埋め込んだ場合に、該パターン回路を埋め込んだ側とは反対側の表面に形成される凹凸の高低差が5μm以下であることを特徴とする感光性フィルム。
  2. さらに、上記凹凸の高低差は、1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光性フィルム。
  3. Bステージ状態における粘弾性係数は、20℃500MPa以下であり、かつ、100℃100MPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性フィルム。
  4. 上記ベースポリマーとして、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられることを特徴とする請求項1、2または3に記載の感光性フィルム。
  5. さらに、(メタ)アクリル系化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の感光性フィルム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の感光性フィルムを有していることを特徴とするプリント配線板。
  7. パターン回路が形成されてなる基板上に、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の感光性フィルムを、50℃以上150℃以下の温度条件下にてラミネートすることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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