JP6710034B2 - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents
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Description
前記少なくとも2種の溶剤が、いずれも沸点が100℃以上であって、かつ、沸点が5℃以上異なることを特徴とするものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱膨張係数がマイナスの値であるフィラーと、硬化性樹脂と、少なくとも2種の溶剤を含み、この少なくとも2種の溶剤が、いずれも沸点が100℃以上であって、かつ、沸点が5℃以上異なる点に特徴を有する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。本発明において用いられる硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂であり、これらの混合物であってもよい。
熱硬化性樹脂は、熱による硬化反応が可能な官能基を有する樹脂である。熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ化合物、オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、ビスマレイミド、カルボジイミド等を用いることができ、これらは併用してもよい。
(1)装置
恒温水槽:
攪拌機、ヒーター、温度計、自動温度調節器(±0.1℃で温度制御が可能なもの)を備えたもので深さ150mm以上のものを用いる。
なお、後述する実施例で用いたエポキシ樹脂の判定では、いずれもヤマト科学社製の低温恒温水槽(型式BU300)と投入式恒温装置サーモメイト(型式BF500)の組み合わせを用い、水道水約22リットルを低温恒温水槽(型式BU300)に入れ、これに組み付けられたサーモメイト(型式BF500)の電源を入れて設定温度(20℃または40℃)に設定し、水温を設定温度±0.1℃にサーモメイト(型式BF500)で微調整したが、同様の調整が可能な装置であればいずれも使用できる。
試験管としては、図3に示すように、内径30mm、高さ120mmの平底円筒型透明ガラス製のもので、管底から55mmおよび85mmの高さのところにそれぞれ標線31、32が付され、試験管の口をゴム栓33aで密閉した液状判定用試験管30aと、同じサイズで同様に標線が付され、中央に温度計を挿入・支持するための孔があけられたゴム栓33bで試験管の口を密閉し、ゴム栓33bに温度計34を挿入した温度測定用試験管30bを用いる。以下、管底から55mmの高さの標線を「A線」、管底から85mmの高さの標線を「B線」という。
温度計34としては、JIS B7410(1982)「石油類試験用ガラス製温度計」に規定する凝固点測定用のもの(SOP−58目盛範囲20〜50℃)を用いるが、0〜50℃の温度範囲が測定できるものであればよい。
温度20±5℃の大気圧下で24時間以上放置した試料を、図3(a)に示す液状判定用試験管30aと図3(b)に示す温度測定用試験管30bにそれぞれA線まで入れる。2本の試験管30a、30bを低温恒温水槽にB線が水面下になるように直立させて静置する。温度計は、その下端がA線よりも30mm下となるようにする。
試料温度が設定温度±0.1℃に達してから10分間そのままの状態を保持する。10分後、液状判断用試験管30aを低温恒温水槽から取り出し、直ちに水平な試験台の上に水平に倒し、試験管内の液面の先端がA線からB線まで移動した時間をストップウォッチで測定し、記録する。試料は、設定温度において、測定された時聞が90秒以内のものを液状、90秒を超えるものを固体状と判定する。
次に、光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、特に、本発明においては、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく用いられる。
本発明に使用する、熱膨張係数がマイナスの値であるフィラーとしては、熱膨張係数の絶対値の大きいものが、少量の配合で硬化物のCTEを低減できるので好ましく、特には、線膨張係数が−0.1×10−6/℃以下、さらには−0.3×10−6/℃以下のフィラーが好適である。具体的には例えば、リン酸ジルコニウム(東亜合成(株)製のウルテアシリーズ)、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr2(WO4)(PO4)2,ZWP)、LaCu3Fe4O12(Aサイト秩序型ペロブスカイト構造酸化物,再表2010/101153号公報参照)、Bi1−xLnxNiO3(Ln=La,Nd,Eu,Dy、ペロブスカイト構造酸化物)、Al2O3・TiO2(AGCセラミックス(株)製のローテック)、Li2O・Al2O3・nSiO2 βスポジュメン固溶体(日本電気硝子(株)製のネオセラム)、フォージャス沸石(faujasite;Na,Ca0.5,Mg0.5,K)x[AlxSi12−xO24]・16H2O)、LiAlSiO4、PbTiO3、Sc2W3O12、Lu2W3O12、ZrW2O8、Mn3XN(X=Cu−Sn,Zn−Sn等)などが挙げられる。中でも、リン酸ジルコニウムやリン酸タングステン酸ジルコニウムが入手しやすく、特に、熱膨張係数の絶対値が大きく真比重が小さいリン酸ジルコニウムが好適である。
本発明の組成物において、熱硬化性樹脂を用いる場合には、さらに、硬化剤を添加することができる。硬化剤としては、フェノール樹脂、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物において、熱硬化性樹脂を用いる場合には、上記硬化剤とともに、または、単独で、硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤の中でも、BHAST耐性が得られることから、ホスホニウム塩類が好ましい。硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。
本発明の組成物において、光硬化性樹脂を用いる場合には、さらに、光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもできる。
本発明の組成物には、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに、熱可塑性樹脂を配合することができる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂あるいはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の組成物には、必要に応じてゴム状粒子を配合することができる。本発明の組成物は、CTEがプラスの値を有する樹脂とCTEがマイナスの値を有するフィラーとを含むために、温度変化時における内部応力が大きくなると考えられるが、ゴム状粒子を配合することで、内部応力を緩和する効果を得ることができる。また、ゴム状粒子を配合することで、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上する効果も得られる。
本発明の組成物には、さらに必要に応じて、従来公知の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤、チタネート系、アルミニウム系の添加剤類を挙げることができる。
本発明の組成物には、組成物の調製、基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整、ドライフィルムの樹脂層の形成等のために、溶剤を使用することができる。溶剤の種類としては、特に限定されず、従来公知の溶剤を用いることができる。また、溶剤の配合量も限定されない。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の組成物を塗布し、乾燥して、乾燥塗膜としての樹脂層を形成することにより、製造することができる。樹脂層上には、必要に応じて、保護フィルムをラミネートすることができる。
本発明の硬化物は、本発明の組成物またはドライフィルムの樹脂層を硬化させて得られるものであり、本発明のプリント配線板は、かかる本発明の硬化物を具備するものである。その製造方法について以下に説明するが、これに限定されるものではない。
<硬化性樹脂組成物の調製>
下記表2〜表4に記載の配合に従って、実施例および比較例に記載の材料をそれぞれ配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練して、硬化性樹脂組成物を調製した。表中の配合量は、質量部を示す。また、下記表1に、使用したフィラーの物性値を示す。なお、フィラー以外の各配合成分の真比重は、計算上、1.1g/cm3とした。
銅厚15μmで回路が形成されている板厚0.4mmの両面プリント配線板を用意し、メック社CZ−8100を使用して、前処理を行った。その後、ロールコーター(ファーネス社)を用い、上記前処理を行ったプリント配線板に、実施例1〜5,7〜15および比較例1,2,4の硬化性樹脂組成物を、乾燥後で20μmになるように調整して、塗布した。その後、80℃/30minで乾燥させて、乾燥塗膜を得た。
実施例6および比較例3の硬化性樹脂組成物を混練分散し、粘度0.5〜20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)になるように溶剤の量を調整して、それぞれ、バーコーターを用いて、樹脂層の膜厚が乾燥後40μmになるようにキャリアフィルム(PETフィルム;東レ社製ルミラー38R75,厚さ38μm)に塗布した。次いで、熱風循環式乾燥炉にて樹脂層の残留溶剤が1.0〜1.5質量%となるように70〜120℃(平均100℃)にて5〜10分間乾燥し、キャリアフィルム上に樹脂層を形成した。
上記実施例および比較例の乾燥塗膜および樹脂層について、「熱硬化」、「光・熱硬化」および「PEB(post exposure bake)」の3種類の硬化方法により、それぞれ硬化を行った。下記の表5〜表7中の「硬化方法」の項目に、それぞれ硬化させた方法を記載した。以下に、それぞれの硬化方法を記載する。
実施例1〜5,7〜9,12〜15および比較例1,4の乾燥塗膜については、熱風循環式乾燥炉にて170℃/60minにて熱硬化させ、乾燥塗膜を硬化させた。
実施例10の乾燥塗膜については、ネガフィルム越しに高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用い、ソルダーレジストパターンを500mJ/cm2にて露光した。次いで、キャリアフィルムを剥離後、熱風循環式乾燥炉にて100℃で30分間、加熱処理(PEB処理)を行った。得られたプリント配線板について、35℃の3質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)と5質量%エタノールアミンとの混合水溶液にて3分間浸漬し、現像を行い、パターン状のレジストを得た。さらに、ORC社製の紫外線照射装置にて1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、次いで、熱風循環式乾燥炉にて170℃で60分間加熱処理を行い、乾燥塗膜を硬化させた。
実施例11および比較例2の乾燥塗膜については、ネガフィルム越しに高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用い、ソルダーレジストパターンを200mJ/cm2で露光し、次いで、キャリアフィルムを剥離後、30℃の1質量%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.2Paの条件で60秒間現像を行い、パターン状のレジストを得た。次いで、このプリント配線板をUVコンベア炉にて積算露光量1J/cm2の条件で紫外線照射した後、熱風循環式乾燥炉を用い150℃で60分間加熱処理を行い、乾燥塗膜を硬化させた。
プリント配線板に形成された硬化膜を銅箔より剥離した後、測定サイズ(3mm×10mmのサイズ)にサンプルを切り出し、セイコーインスツル社製のTMA6100を用いて、測定を行った。TMA測定は、試験加重5gにて、サンプルを10℃/分の昇温速度で室温より昇温し、連続して2回測定した。2回目における熱膨張係数の異なる2接線の交点をガラス転移温度(Tg)とし、Tg未満の領域における30℃から100℃の平均の熱膨張係数(CTE(α1))として評価した。結果は、銅の熱膨張係数(17ppm)との差で、下記に従い評価した。なお、実施例15については、シリコンウェハーの熱膨張係数(3ppm)との差で、下記に従い評価した。
◎◎ ・・・差が5ppm以内。
◎・・・差が5ppm超〜10ppm以内。
○・・・差が10ppm超〜15ppm以内。
△・・・差が15ppm超〜20ppm以内。
×・・・差が20ppm超
プリント配線板に形成された硬化膜に、CO2レーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いて、トップ径65μm、ボトム径50μmになるようにビア形成を行い、下記に従いレーザー加工性を評価した。ビアの形成条件は以下の通りである。
アパチャー(マスク径):3.1mm/パルス幅:20μsec/出力:2W/周波数:5kHz/ショット数:バースト3ショット
◎◎:狙い加工径との差が±2μm未満で、かつ、加工穴壁が滑らかな状態。
◎:狙い加工径との差が±2μm未満だが、加工穴壁に若干の凹凸が見られる状態。
○:狙い加工径との差が±2μm未満だが、加工穴壁に凹凸が見られる状態。
△:狙い加工径との差が±2μm以上、5μm未満。
×:狙い加工径との差が±5μm以上。
上記レーザー加工後のプリント配線板について、デスミア処理を想定して、酸化剤溶液であるアトテックジャパン(株)製の粗化液(スウェリング・ディップ・セキュリガンスP(膨潤)、コンセントレート・コンパクトCP(酸化)、リダクションソリューション・セキュリガントP(中和))を用いて、膨潤60℃×5分、酸化80℃×20分、中和40℃×5分の順で処理を行った。得られたプリント配線板について、レーザー顕微鏡VK−8500(キーエンス社、測定倍率2000倍、Z軸方向測定ピッチ10nm)により、それぞれの表面粗度Raを測定した。Ra値は、全測定範囲の10点の平均値とした。デスミア耐性は、かかる表面粗さ(Ra値)の値によって、下記に従い評価した。
◎:過マンガン酸デスミア後の表面粗度Raが0.1μm未満。
○:過マンガン酸デスミア後の表面粗度Raが0.1μm以上0.3μm以下。
レーザービアおよびデスミア処理を施したプリント配線について、TCT処理を実施した。具体的には、プリント配線板に対し、−65℃で30分、150℃で30分を1サイクルとして熱履歴を加えた。2000サイクル経過後、ビア底や壁面の状態を光学顕微鏡により観察するために、ビア中心部分を精密切断機で裁断、研磨し、断面状態の観察を行った。評価は、下記に従い行った。観察ビア数は100穴とした。
◎◎:クラック発生なし。
◎:クラック発生率5%未満。
○:クラック発生率5〜10%未満。
△:クラック発生率10〜20%未満。
×:クラック発生率20%以上。
総厚が100μm、サイズ50×50mmの銅張り板(片側の銅厚=20μm、MCL−E−679FGR、日立化成(株)製)に、前処理としてメック社製CZ−8101を用いて、1μm相当のエッチングを行った。この銅張り板に、上記方法により硬化膜を形成して、プリント配線板を得た。反りの評価方法は、得られた基板を50×50mmの対角線にて精密切断し、対角線エリアの断面の中で、最も大きな値と、最も小さな値の差を反り量として、下記に従い行った。
◎◎:基板の反り量が、10mm未満。
◎:基板の反り量が、10mm以上15mm未満。
○:基板の反り量が、15mm以上20mm未満。
×:基板の反り量が、20mm以上。
光・熱硬化性組成物である実施例10,11および比較例2については、下記のように、アンダーカットも評価した。
銅厚15μmの銅張り板上に、前処理としてメック社製CZ−8101処理を行い、0.5μm相当エッチング処理を行った。次いで、上記した硬化基板の作製の項目の、硬化方法「光・熱硬化」の作製方法に準拠して、実施例10,11および比較例2の組成物を用いて、パターン状のレジスト(L/S=50/50μm、ライン状のパターン)を形成した。得られたプリント配線板について、精密切断機を用い、ラインに対して垂直になるように切断を行い、光学顕微鏡を用いて、表層部と深部とのラインの断面長さ測定を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:表層部と深部のラインの断面長さの差が、0μm以上、5μm未満。
○:表層部と深部のラインの断面長さの差が、5μm以上、8μm未満。
×:表層部と深部のラインの断面長さの差が、8μm以上。
実施例6および比較例3のドライフィルムについては、下記のように、柔軟性も評価した。
JIS K5600−5−1(ISO1519)に準拠し、BYK−Gardner社製の円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて、実施例6および比較例3のドライフィルムの割れおよびキャリアフィルムからの剥がれが起こり始めるマンドレルの最小直径から、ドライフィルムの柔軟性を評価した。評価基準は以下のとおりである。ドライフィルムの柔軟性が良好な場合、樹脂層の柔軟性が高く、割れと粉落ちを抑制できる。
○:φ1mmで、樹脂層の割れおよびキャリアフィルムの剥がれの発生がなく、樹脂層の粉落ちがなかった。
△:φ2〜5mmの直径で、樹脂層の割れ、粉落ち、およびキャリアフィルムの剥がれが発生した。
プリント配線板に形成された硬化膜を銅箔より剥離した後、測定サイズ(50mm×50mmのサイズ)にサンプルを切り出して、100℃にて2時間乾燥を行い、水分を完全に除去し、精密天秤にて質量(W1)の測定を行った。その後、サンプルを23℃±2℃に管理された蒸留水に浸漬し、24時間後の質量(W2)の測定を行った。吸水率は(W2−W1)/W1×100(%)により求めた。評価基準は以下の通りである。
◎◎:0.3%未満。
◎:0.3%以上0.7%未満。
○:0.7%以上1.4%未満。
△:1.4%以上。
*7)EMG−1015:DIC(株)製(カルボキシル基含有ポリイミド樹脂、溶液酸価:863mgKOH/g、固形分50質量%、固形分酸価1726mgKOH/g)
*8)ADCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製 A−DCP)
*9)エピクロンN−870:DIC(株)製(ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量205g/eq、軟化点70℃、分子量1600)
*10)HP−7200:DIC(株)製(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂,エポキシ当量250〜280g/eq;軟化点57〜68℃)
*11)HP−4032:DIC(株)製(ナフタレン型エポキシ樹脂,エポキシ当量135〜165g/eq;半固体)
*12)JER828:三菱化学(株)製(ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量184〜194g/eq、液状)
*13)JER807:三菱化学(株)製(ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量160〜175g/eq、液状)
*14)HF−1M:明和化成(株)製(フェノールノボラック樹脂)
*15)HPC−8000:DIC(株)製(活性エステル樹脂)
*16)PT30:ロンザジャパン社製(フェノールノボラック型多官能シアネート樹脂)
*17)Irg369:BASFジャパン(株)製(IRGACURE369,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
*18)DPHA:日本化薬(株)製(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート,KAYARAD DPHA)
*19)2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
*20)4APy:広栄化学工業(株)製(4−ジメチルアミノピリジン)
*21)NapZn(II):ナフテン酸亜鉛(II)
*22)YX−6954:三菱化学(株)製(フェノキシ樹脂)
*23)BYK−352:ビックケミー社製(レベリング剤)(アクリル系表面張力調整剤)
*24)KBM−403:信越化学(株)製(トリメトキシエポキシシラン)
*25)シクロヘキサノン(沸点155.65℃)
*26)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点190℃)
*27)イプゾール150:出光興産(株)製(芳香族系高沸点溶剤,沸点184〜205℃)
*28)メチルイソブチルケトン(沸点116℃)
3 導体層としての内層導体パターン
3a コネクション部
4、9 樹脂絶縁層
8 導体層としての外層導体パターン
10 導体層としての最外層導体パターン
20 導体層としてのスルーホール
21 スルーホール孔
22 コネクション部
30a 液状判定用試験管
30b 温度測定用試験管
31 標線(A線)
32 標線(B線)
33a、33b ゴム栓
34 温度計
41 基板
42 導体層としての導体パターン
42a 部品実装部
43 硬化物としての熱硬化性樹脂組成物層
44 硬化物としての光硬化性樹脂組成物層
46 溝状のダム
50 はんだボール
51 チップ
52 バンプ
53a フリップチップ実装基板
X 積層基板
Claims (6)
- 導体パターンが形成された基板の表面に、熱硬化性樹脂組成物層からなる第一硬化物および光硬化性樹脂組成物層からなる第二硬化物が、基板表面側から順に積層されウエハ層を含む半導体チップが実装されているプリント配線板における、前記第一硬化物または前記第二硬化物を得るための組成物であって、
熱膨張係数がマイナスの値であるフィラーと、硬化性樹脂と、少なくとも2種の溶剤とを含み、
前記少なくとも2種の溶剤が、いずれも沸点が100℃以上であって、かつ、沸点が5℃以上異なることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 前記フィラーの真比重が、2.5〜4.0g/cm3である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の、前記プリント配線板の導体層または前記プリント配線板に実装された半導体チップのウエハ層との熱膨張係数の差が、15ppm/℃以内である請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
- フィルム上に、請求項1〜3のうちいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物を乾燥させた樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1〜3のうちいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物、または、請求項4記載のドライフィルムの樹脂層を、硬化したことを特徴とする硬化物。
- 請求項5記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
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