JP2005316131A - 感光性樹脂組成物及び感光性ドライフィルムレジスト、並びにこれを用いたプリント配線板 - Google Patents

感光性樹脂組成物及び感光性ドライフィルムレジスト、並びにこれを用いたプリント配線板 Download PDF

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俊夫 山中
Yoshifumi Okada
好史 岡田
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Abstract

【課題】水系現像が可能で、良好なパターン形状が得られ、かつ耐熱性や柔軟性に優れた感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルムレジスト、並びにこれらの利用を提供する。
【解決手段】(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド、(B)エポキシ(メタ)アクリレートを含有することにより、硬化後のフィルムが優れた接着性、耐熱性を有する。(A)成分である可溶性ポリイミドが、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の炭素間二重結合を有することにより、露光部の硬化性を向上させることができ、(B)成分であるエポキシ(メタ)アクリレートの単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上であることにより、硬化後のフィルムが優れた柔軟性、可とう性を有する。
【選択図】なし

Description

近年の電子機器の高機能化、小型化、軽量化に伴い、これら電子機器に用いられる電子部品に対しても、さらなる小型化、軽薄化が要求されている。そのため、プリント配線板上での半導体素子などの高密度実装や、配線の微細化、プリント配線板の多層化等を行うことにより、電子部品の高機能化や高性能化を図ることが求められている。また、配線の微細化に対応するためには、配線を保護するためにより高い電気絶縁性を有する絶縁材料が必要である。
ところで、上記プリント配線板を作製する際には、種々の用途で感光性材料が用いられる。すなわち、プリント配線板の基板上へパターン化された回路(パターン回路)の形成や、プリント配線板表面やパターン回路を保護するための保護層の形成、多層プリント配線板の層間絶縁層の形成等に、感光性材料が使用されている。このような用途に用いられる感光性材料として、液状の感光性材料や、フィルム状の感光性材料がある。このうち、フィルム状の感光性材料は、液状の感光性材料に比べて、膜厚の均一性や作業性に優れているといった利点を備えている。そのため、パターン回路の形成に用いるパターン回路用レジストフィルム、上記保護層の形成に用いる感光性カバーレイフィルム、上記層間絶縁層の形成に用いる感光性ドライフィルムレジスト等、その用途に応じて、種々のフィルム状感光性材料も用いられている。
上記感光性カバーレイフィルムや感光性ドライフィルムレジスト(以下、両者を感光性ドライフィルムレジストと総称する)としては、現在アクリル系やエポキシ系のフィルムが上市されているのみであり、硬化後のフィルムの耐熱性、耐薬品性、耐屈曲性に劣るという問題がある。
耐熱性、耐薬品性に優れる感光性ポリイミド前駆体を用いたもの(特許文献1)も知られているが、このような感光性ポリイミド前駆体は、液状の感光性材料として電子材料の接着剤や絶縁材料に用いるものであって、感光性ドライフィルムレジストとしては用いるものではなかった。
近年、ポリイミド樹脂を含有してなるドライフィルムレジスト(特許文献2)も報告されている。しかし、硬化性の付与や低温での熱ラミネートを可能とするために(メタ)アクリル系化合物を多量添加することが多く、用いる(メタ)アクリル系化合物によっては、耐熱性、耐屈曲性を低下させ、ポリイミドの優れた特性を損なうことがあった。
一方、上記(メタ)アクリル系化合物の中でも、エポキシ(メタ)アクリレートは、硬化性及び、硬化物の耐熱性、接着性、電気信頼性が良好で、該樹脂を用いた組成物は、電子材料用途接着剤、電子材料用インキ、ソルダーレジスト、プラスチック用ハードコーティングなどに幅広く利用されている。しかし一般に市販されているエポキシ(メタ)アクリレートの多くは、硬化膜の引張破断伸度が5%以下であり、柔軟性、可とう性に課題があった。
特開2002-167367号公報 (公開日:平成14(2002)年6月11日) 特開2003-167336号公報 (公開日:平成15(2003)年6月13日)
本発明は、水系現像が可能で、良好なパターン形状が得られ、硬化後のフィルムが優れた柔軟性、接着性、耐熱性を有するに優れた感光性樹脂組成物及び感光性ドライフィルムレジスト、並びにこれらの利用を提供することである。
本発明の第1は、(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド、並びに(B)エポキシ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物を使用することにより、硬化後のフィルムが優れた接着性、耐熱性を有する。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)成分である可溶性ポリイミドが、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の炭素間二重結合を有することを特徴とすることにより、露光部の硬化性を向上させることができる。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、上記(B)成分であるエポキシ(メタ)アクリレートの単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上であることを特徴とすることにより、硬化後のフィルムが優れた柔軟性、可とう性を有する。
本発明の第2は、上記何れかに記載の感光性樹脂組成物を用いて作製される感光性ドライフィルムレジストに関する。
さらに、水系現像液として、40℃、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いるとともに、現像手段としてスプレー現像機を用いた場合に、スプレー圧0.85MPaの条件下での溶解時間が、180秒以下であることを特徴とすることにより、現像液が水系となるので環境への負荷が少なくなる。
本発明の第3は、上記いずれかに記載の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として用いることを特徴とする、プリント配線板に関する。
本発明に係る感光性樹脂組成物、及びそれから作製される感光性ドライフィルムレジストは、水系現像性(塩基性水溶液での現像性)が良好であり、かつ耐熱性、柔軟性等に優れたものとなっている。
したがって、本発明は、FPC等のプリント配線板を製造する産業、例えば電子部品用の樹脂材料を製造する樹脂産業分野に好適に用いることができるだけではなく、このようなプリント配線板を用いる電子機器の産業分野に好適に用いることができるという効果を奏する。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド、(B)エポキシ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物を含有するものであるが、必要に応じて(C)その他の成分が含有されていても良い。例えば、得られる感光性ドライフィルムレジストに接着性、難燃性、耐熱性、耐屈曲性等の諸物性を付与するような成分を含有することができる。なお、本発明に係る感光性ドライフィルムレジストは、本発明に係る感光性樹脂組成物から作製されるものである。以下、各成分について詳細に説明する。
<(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド>
本発明に係る感光性樹脂組成物において、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドを用いることにより、得られる感光性ドライフィルムレジストに、耐熱性、耐屈曲性、優れた機械特性、電気絶縁性、耐薬品性を付与することができる。更に、カルボキシル基及び/又は水酸基(好ましくはフェノール性水酸基)を含有しているので、水系現像が可能となる。
更に、上記(A)成分であるカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドは、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の炭素間二重結合を、例えば側鎖等に有することが好ましい。可溶性ポリイミド分子中にアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基のような感光性基を有することにより、露光部の硬化性を向上させることができる。
なお、可溶性ポリイミドとは、有機溶媒に溶解するポリイミドであれば特に限定されるものではないが、本発明においては有機溶媒100gに対して、20℃で1.0g以上の溶解性を示すものが好ましい。より好ましくは20℃で5.0g以上の溶解性を示し、更に好ましくは、20℃で10g以上の溶解性を示すものがよい。有機溶媒100gに対する20℃での溶解性が1.0g未満であると、所望する厚みにて、感光性ドライフィルムレジストを形成することが困難になる傾向がある。上記有機溶媒としては、特に限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、5000〜200000であることが好ましく、10000〜100000であることがより好ましい。重量平均分子量が5000未満であると、本発明の感光性樹脂組成物を用いて作製された感光性ドライフィルムレジストにベタツキが生じやすく、さらに硬化後のフィルムの耐屈曲性に劣るという傾向がある。一方、重量平均分子量が200000より大きいとカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの溶液粘度が高くなりすぎるため取扱いが難しくなる傾向があり、また作製された感光性ドライフィルムレジストの現像性が低下する場合がある。なお、上記重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、例えば、東ソー社製HLC8220GPCにより測定することが可能である。
また、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドにおけるカルボキシル基及び/又は水酸基1個あたりの重量平均分子量(以下、酸当量という)は、7000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、3000以下であることが最も好ましい。上記酸当量が7000を超えると、本発明の感光性樹脂組成物を用いて作製された感光性ドライフィルムレジストの水系現像が困難になる傾向がある。なお、上記可溶性ポリイミドの酸当量は、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの組成より計算して求めることが可能である。
<ポリイミドの製造方法>
以下、上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの製造方法を説明するために、ポリアミド酸の合成方法、及びポリアミド酸を脱水閉環してイミド化する方法、さらに、得られたカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドを変性して、ポリイミドにアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基のような感光性基を導入する方法について詳細に説明する。
<ポリアミド酸の合成>
上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドは、その前駆体であるポリアミド酸から得ることができる。このポリアミド酸は、有機溶媒中でジアミンと酸二無水物とを反応させることにより得ることができる。具体的には、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気中において、ジアミンを有機溶媒中に溶解、又はスラリー状に分散させて、ジアミン溶液とする。一方、酸二無水物は、有機溶媒に溶解、又はスラリー状に分散させた状態とした後、あるいは固体の状態で、上記ジアミン溶液中に添加すればよい。
本発明のカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を合成するために用いられるジアミンとしては、特に限定されるものではないが、水系現像性の点から、1分子中に1以上のカルボキシル基及び/又は水酸基を有するジアミンを原料の少なくとも一部として用いることが好ましい。また、耐熱性や耐薬品性の点から、1分子中に1以上の芳香環を有する芳香族系ジアミンを原料の少なくとも一部として用いることが好ましい。特に、1分子中に1以上のカルボキシル基及び/又は水酸基を有する芳香族系ジアミンを原料の一部として用いれば、得られる感光性ドライフィルムレジストに、耐熱性と水系現像性を付与することができるため、特に好ましい。
カルボキシル基及び/又は水酸基を有する芳香族系ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、以下の一般式(1):
Figure 2005316131
(式中、R1はカルボキシル基若しくは水酸基、R2及びR3は、各々同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシ基、又は−COOR4(R4は炭素数1〜9のアルキル基を示す。)であり、Xは、−O−、−S−、−SO2−、−C(CH32−、−CH2−、−C(CH3)(C25)−、又は−C(CF32−である。m及びnは、各々m+n=4を満たす0以上の整数であり、p及びqは、各々p+q=4を満たす0以上の整数である。rは0〜10の整数である。)で表される芳香族系ジアミンを可溶性ポリイミドの原料の一部として用いることが好ましい。
カルボキシル基を有する芳香族系ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、3,5−ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2',5,5'−テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシジフェニルメタン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン類、4,4'−ジアミノ−2,2',5,5'−テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン化合物等を例示することができる。
中でも、特に好ましいカルボキシル基含有芳香族系ジアミンの構造式の一部を以下に示す(式(2)、式(3)、式(4)、式(5))。
Figure 2005316131
次に、水酸基を有する芳香族系ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、2,2'−ジアミノビスフェノールA、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−メチルフェニル)メタン、2,6−ジ[(2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ジ[(2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−メチルフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ安息香酸プロピル等の化合物を挙げることができる。
中でも、特に好ましい水酸基含有芳香族系ジアミンの構造式の一部を以下に示す(式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)、式(11))。
Figure 2005316131
これらのジアミンを原料の一部として使用することで、得られるカルボキシル基及び/又は水酸基を含有する可溶性ポリイミドの酸当量が低くなり、水系現像性を向上させることができる。
なお言うまでもないが、上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有するジアミン以外に、公知の他のジアミンを可溶性ポリイミドの原料の一部として同時に用いてもよい。例えば、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、シロキサン構造の両末端にアミノ基を含有する反応性シリコーン(以下、シリコンジアミンと称する)、[ビス(4−アミノ−3−カルボキシ)フェニル]メタンなどを挙げることができる。特に、フィルムの弾性率を下げることができる点からシリコンジアミンを使用することが好ましい。上記ジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、ポリアミド酸を合成するために用いられる酸二無水物としては、特に限定されないが、耐熱性を向上させる点から、芳香環を1〜4個有する酸二無水物または脂環式の酸二無水物を用いることが好ましい。また、有機溶媒への溶解性が高いポリイミド樹脂を得るためには、芳香環を2個以上有する酸二無水物を少なくとも一部用いることが好ましく、芳香環を4個以上有する酸二無水物を少なくとも一部として用いることがより好ましい。
上記の酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。上記酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記酸二無水物のうち、合成の容易さ、得られるポリイミドの有機溶媒への溶解性の点から、2,2'−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物等の芳香環を2個以上有する酸二無水物を一部用いることが好ましい。
上記ジアミンと酸二無水物とを用いてポリアミド酸を合成する場合、上記ジアミンと酸二無水物とを、それぞれ少なくとも1種類ずつ用いて反応を行えばよい。すなわち、例えば、カルボキシル基及び/又は水酸基を含有するジアミンを少なくとも一部として含むジアミン成分と、上記酸二無水物とを用いて、上述したように、有機溶媒中で重合反応を行うことにより、カルボキシル基及び/又は水酸基を分子鎖中に1以上含有するポリアミド酸を得ることができる。
このとき、1種のジアミンと1種の酸二無水物が実質上等モルであれば、酸二無水物成分1種及びジアミン成分1種のポリアミド酸になる。また、2種以上の酸二無水物成分及び2種以上のジアミン成分を用いる場合、複数のジアミン成分全量のモル比と複数の酸二無水物成分全量のモル比とを、実質上等モルに調整しておけば、ポリアミド酸共重合体を任意に得ることもできる。
上記ジアミンと酸二無水物の反応(ポリアミド酸の合成反応)の温度条件は、特に限定されないが、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは0〜50℃がよい。80℃を超えると、ポリアミド酸が分解する恐れがあり、逆に0℃以下だと、重合反応の進行が遅くなる場合がある。また、反応時間は10分〜30時間の範囲で任意に設定すればよい。
さらに、上記ポリアミド酸の合成反応に使用する有機溶媒としては、有機極性溶媒であれば特に限定されるものではない。しかしながら、上記ジアミンと酸二無水物との反応が進行するにつれてポリアミド酸が生成し、反応液の粘度が上昇する。また、後述するように、ポリアミド酸を合成して得られるポリアミド酸溶液を、減圧下で加熱して、有機溶媒の除去とイミド化を同時に行うことができる。そのため、上記有機溶媒としては、ポリアミド酸を溶解でき、かつ、なるべく沸点の低いものを選択することが工程上有利である。
具体的には、ポリアミド酸の合成反応に使用する有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンやN−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
<ポリアミド酸のイミド化>
次に、上記ポリアミド酸を用いて、ポリイミドを得るために、上記ポリアミド酸をイミド化する方法について説明する。イミド化は、ポリアミド酸を脱水閉環することによって行われる。この脱水閉環は、共沸溶媒を用いた共沸法、熱的手法または化学的手法によって行うことができる。
共沸溶媒を用いた共沸法は、ポリアミド酸溶液にトルエン・キシレン等の水と共沸する溶媒を加え、170〜200℃に昇温して、脱水閉環により生成してくる水を積極的に系外へ除去しながら、1時間〜5時間程度反応させればよい。反応終了後、メタノール等のアルコール溶媒中にて沈殿させ、必要に応じてアルコール溶媒にて洗浄を行ったのち、乾燥を行ってポリイミド樹脂を得ることができる。
熱的手法による脱水閉環は、ポリアミド酸溶液を加熱して行えばよい。あるいは、ガラス板、金属板、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム状支持体に、ポリアミド酸溶液を流延または塗布した後、80℃〜300℃の範囲内で熱処理を行えばよい。さらに、フッ素系樹脂によるコーティング等の離型処理を施した容器に直接ポリアミド酸溶液を入れ、減圧下で加熱乾燥することによって、ポリアミド酸の脱水閉環を行うこともできる。このような熱的手法によるポリアミド酸の脱水閉環により、ポリイミドを得ることができる。
なお、上記各処理の加熱時間は、脱水閉環を行うポリアミド酸溶液の処理量や加熱温度により異なるが、一般的には、処理温度が最高温度に達してから1分〜5時間の範囲で行うことが好ましい。
一方、化学的手法による脱水閉環は、上記ポリアミド酸溶液に、脱水剤と、必要に応じて触媒として、触媒量の第3級アミンとを加えて、加熱処理を行えばよい。なお、この加熱処理は、上記の熱的手法にて行った加熱処理を指すものとする。これにより、ポリイミドを得ることができる。
化学的手法における上記脱水剤としては、一般的には、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物が用いられる。また、上記第3級アミンとしては、ピリジン、イソキノリン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、イミダゾ−ル、ピコリン等を用いればよい。
なお、本発明の可溶性ポリイミドが水酸基を有するものである場合には、脱水剤として加える酸無水物と水酸基との反応が考えられるため、用いる酸無水物は化学量論的にイミド化に必要な最低限の量にすることが好ましい。
<アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の炭素間二重結合を有するポリイミド>
さらに、本発明に係るカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドは、後述する露光処理において、ポリイミドとエポキシ(メタ)アクリレートとを架橋反応させるため、若しくはポリイミド分子同士を架橋反応させるために、分子中、例えば側鎖にアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の炭素間二重結合を有することがより好ましい。なお、上記可溶性ポリイミドは、前述した官能基以外の炭素間二重結合を有する官能基を有していてもよい。
例えば、側鎖にアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基のうち、いずれかの炭素間二重結合を有するポリイミドは、前述したカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミドに上記炭素間二重結合を有する化合物を反応させ、変性することにより得ることができる。上記炭素間二重結合を有する化合物は、ポリイミド分子鎖中のカルボキシル基及び/又は水酸基と反応するものであれば特に限定されないが、炭素間二重結合を有するエポキシ化合物、(メタ)アクリル酸無水物、及び、臭化アリル等のハロゲン化アリルが挙げられる。
上記炭素間二重結合を有するエポキシ化合物を反応させる場合は、不活性溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基存在下、カルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミドと、炭素間二重結合を有するエポキシ化合物を反応させることが例示され、目的とする炭素間二重結合を有する可溶性ポリイミドを得ることができる。
上記反応温度は、エポキシ基とカルボキシル基及び/又は水酸基が反応する、40℃以上、130℃以下の温度で行うことが好ましい。特に炭素間二重結合が熱により重合等の反応を起こさない程度の温度で反応させることが望ましい。具体的に、より好ましくは40℃以上、100℃以下、さらに好ましくは50℃以上、80℃以下である。反応時間は、適宜選択できるが、一般的には1時間程度から20時間程度である。
上記反応により得られる反応溶液は、その目的に応じ、反応終了後の溶液状態のままで用いても良いし、メタノール等のアルコール溶媒中にて沈殿させ、必要に応じてアルコール溶媒にて洗浄を行ってもよい。
上記炭素間二重結合を有するエポキシ化合物は、エポキシ基と前記炭素間二重結合を同一分子内に有するものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル等を具体的に例示することができる。中でも、安価で容易に入手でき、また良好な反応性を有する点から、メタクリル酸グリシジルが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸無水物を反応させる場合は、不活性溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基存在下、ポリイミド分子鎖中の水酸基を(メタ)アクリル酸無水物と縮合させることが例示され、目的とする炭素間二重結合を有する可溶性ポリイミドを得ることができる。
上記反応温度は、ポリイミド分子鎖中の水酸基のアシル化が可能な0℃以上、100℃以下の温度で行うことが好ましい。特に、炭素間二重結合が熱により重合等の反応を起こさない程度の温度で反応させることが望ましい。具体的に、より好ましくは10℃以上、100℃以下、さらに好ましくは、20℃以上、80℃以下である。反応時間は、適宜選択できるが、一般的には1時間程度から20時間程度である。
上記反応により得られる反応溶液は、反応によって生成する(メタ)アクリル酸を除去するために、メタノール等のアルコール溶媒中にて沈殿させ、必要に応じてアルコール溶媒にて洗浄を行うことが好ましい。
ハロゲン化アリルを反応させる場合は、不活性溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基存在下、水酸基を含有するポリイミドと、ハロゲン化アリルを反応させることが例示され、目的とする炭素間二重結合を有するポリイミドを得ることができる。
上記反応温度は、反応可能な0℃以上、100℃以下の温度で行うことが好ましい。特に炭素間二重結合が熱により重合等の反応を起こさない程度の温度で反応させることが望ましい。具体的に、より好ましくは0℃以上、80℃以下、さらに好ましくは、20℃以上、50℃以下である。反応時間は、適宜選択できるが、一般的には1時間程度から20時間程度である。
上記反応により得られる反応溶液は、メタノール等のアルコール溶媒中にて沈殿させ、必要に応じてアルコール溶媒にて洗浄を行うことが好ましい。
上記いずれの反応においても、目的の炭素間二重結合を導入した後も、水系現像性を維持するために、ポリイミド分子鎖中のカルボキシル基及び/又は水酸基をすべて反応させるのではなく、カルボキシル基及び/又は水酸基が残るように、反応させる炭素間二重結合を有する化合物の当量数を調整することが好ましい。具体的には、反応後のカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの酸当量が7000以下になるように調整すればよい。
また、反応中に炭素間二重結合が反応することを防止するために、重合禁止剤を加えることが好ましい。重合禁止剤としては、p−メトキシフェノール等のハイドロキノン誘導体、フェノチアジン、N−ニトロヒドロキシルアミン塩類を例示することができる。
このようにして得られた炭素間二重結合という光重合性基及び/又は熱重合性官能基を導入されてなるポリイミドは、良好な硬化性や接着性を有している。
<(B)エポキシ(メタ)アクリレート>
次に、(B)成分について説明する。本発明においてエポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシアクリレート及び/又はエポキシメタクリレートを指すものとする。感光性樹脂組成物に(B)成分のエポキシ(メタ)アクリレートを含有することにより、良好な硬化性を付与するだけでなく、作製される感光性ドライフィルムレジストの熱加工時での粘弾性を下げ、熱ラミネート時の流動性を付与することができる。さらに、エポキシ(メタ)アクリレートは、硬化性及び、硬化物の耐熱性、接着性、耐薬品性、電気信頼性が良好である。
本発明の感光性樹脂組成物には、単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上のエポキシ(メタ)アクリレートを使用することが特に好ましい。このような単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上のエポキシ(メタ)アクリレートを使用することにより、得られる感光性ドライフィルムレジストに柔軟性、可とう性を付与することが出来る。
本発明における引張破断伸度は、JIS C−2318に準じて、エポキシ(メタ)アクリレートの硬化膜の引張試験測定試片を作製して測定した値である。なお、エポキシ(メタ)アクリレートの硬化膜は、エポキシ(メタ)アクリレート100重量部に対して、光重合開始剤のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド3重量部添加し、膜厚100μ、硬化条件(高圧水銀灯120W/cm、コンベア速度5m・min、照射距離10cm、照射回数2回)で作製した。
単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、KRM7856、Ebecryl3604、Ebecryl3702、Ebecryl3703,Ebecryl3708(ダイセル・ユーシービー)、LR9019(BASF)等の変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート、LR8765(BASF)等の脂肪族系エポキシアクリレートを挙げることができる。特に、耐熱性、密着性の点から、Ebecryl3703、Ebecryl3708が好ましい。
このような単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、本発明の(B)成分であるエポキシ(メタ)アクリレートの総重量に対して、少なくとも30重量部含有されていることが好ましく、少なくとも50重量部以上含有されていることがより好ましい。
なお言うまでもないが、上記単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上のエポキシ(メタ)アクリレート以外に、公知の他のエポキシ(メタ)アクリレートを同時に用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、とくに1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基及び1つ以上の(メタ)アクリル基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。このようなエポキシ(メタ)アクリレートを用いることにより、得られる感光性ドライフィルムレジストの耐加水分解性及び銅箔への接着強度を向上させることが可能となる。
1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基及び1つ以上の(メタ)アクリル基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートしては、特に限定されないが、例えば、NKオリゴEA-1010, EA-6310(新中村化学)等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリル基とは、アクリル基及び/又はメタクリル基を指すものとする。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、1分子中に少なくとも2つ以上の水酸基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、さらには1分子中に少なくとも4つ以上の水酸基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。このようなエポキシ(メタ)アクリレートを用いることにより、得られる感光性ドライフィルムレジストのアルカリ水溶液への溶解性が向上し、現像時間の短縮化が実現できる。
1分子中に少なくとも2つ以上の水酸基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、リポキシSP-2600(昭和高分子)、NKオリゴEA-1020, EA-6340(新中村化学)、カラヤッドR-280, R-190(日本化薬)、Ebecryl 600, Ebecryl 3700(ダイセルUCB)等のビスフェノールAタイプのエポキシアクリレート、NKオリゴEA-6320, EA-6340(新中村化学)等のフェノールノボラックエポキシアクリレート、カラヤッドR-167、 MAX-2104(日本化薬)、デナコールアクリレートDA-721(ナガセ化成)等の変性フタル酸ジアクリレート、NKオリゴEA-1020(新中村化学)等のクレゾールノボラックエポキシアクリレート等を挙げることができる。
<(C)その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、上記(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド、並びに(B)エポキシ(メタ)アクリレート以外に、必要に応じて(D)その他の成分が含有されていてもよい。その他の成分としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物、難燃剤、エポキシ樹脂、硬化促進剤及び/又は硬化剤、光反応開始剤及び/又は増感剤を挙げることができる。
<(メタ)アクリル系化合物>
本発明に用いる感光性樹脂組成物には、(メタ)アクリル化合物として、上記の(B)エポキシ(メタ)アクリレートのほかに、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、それ以外の(メタ)アクリル化合物を用いることができる。なお、(メタ)アクリル化合物とは、アクリル化合物及び/又はメタクリル化合物を指すものとする。
感光性樹脂組成物に、エポキシ(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリル系化合物成分を含有することにより、得られる感光性ドライフィルムレジストのアルカリ水溶液への溶解性、柔軟性を向上させることができる。
上記(メタ)アクリル系化合物は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を組み合わせてもよい。本発明における感光性樹脂組成物に含有される(メタ)アクリル系化合物の総重量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、1〜50重量部の範囲内で用いることが好ましく、1〜30重量部の範囲内で用いることがより好ましく、1〜20重量部の範囲内で用いることがさらに好ましい。
(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、(メタ)アクリル系化合物として50重量部を超える(メタ)アクリル系化合物を用いた場合は、得られる感光性ドライフィルムレジストの耐熱性が低下してしまう。
ポリエステル(メタ)アクリレートを用いることにより、作製される感光性ドライフィルムレジストに柔軟性を付与することができる。ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−5300、M−6100、M−7100(東亞合成)等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、作製される感光性ドライフィルムレジストに柔軟性を付与することができる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−1100、M−1310(東亞合成)、カラヤッドUX−4101(日本化薬)等を挙げることができる。
イミド(メタ)アクリレートを用いることにより、作製される感光性ドライフィルムレジストを貼り合わせる基材(例えば、ポリイミドフィルム、銅箔等)への密着性、屈曲性を向上させることができる。イミド(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アロニックスTO−1534、TO−1429、TO−1428(東亞合成)を挙げることができる。
さらに、上記に示した以外の(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されないが、得られる感光性ドライフィルムレジストのアルカリ水溶液への溶解性を向上するためには、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物を用いることが特に好ましい。望ましい。また、得られる感光性ドライフィルムレジストに耐熱性を付与するために、1分子中に芳香環及び/又は複素環を少なくとも1つ有する化合物を用いることが好ましい。
カルボキシル基及び/又は水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、CN−131(日本化薬)、アロニックスM−5400、M−5700(東亞合成)、V#2000、V#2100、V#2308、V#2323(大阪有機化学工業)を挙げることができる。
<難燃剤>
本発明の感光性樹脂組成物には、硬化後の感光性ドライフィルムレジストに難燃性を付与するために、難燃剤を含有してもよい。上記難燃剤としては、特に限定されないが、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスフィンオキシド等のリン系化合物、リン−窒素二重結合をもつホスファゼン化合物、含臭素(メタ)アクリル化合物等の含臭素有機化合物、芳香族環の含有率が高いシリコーン化合物を挙げることができる。これら難燃剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記難燃剤の使用量は、上記(A)成分であるカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド及び(B)成分であるエポキシ(メタ)アクリレートの総重量100重量部に対し、1〜100重量部の範囲内とすることが好ましく、1〜50重量部の範囲内とすることがより好ましく、1〜40重量部の範囲内とすることが特に好ましい。
上記難燃剤が、感光性ポリイミド樹脂及び(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して1重量部未満であると、十分な難燃効果が得られない場合がある。一方、100重量部を超えると、後述するBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストにベタツキが見られたり、熱圧着時に樹脂がしみ出しやすくなったりする場合があり、さらに硬化物の物性に悪影響を与える場合があるために好ましくない。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂を用いることにより、作製される感光性ドライフィルムレジストに銅箔やポリイミドフィルム等に対する接着性を向上することができる。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、製品名エピコート828、834、1001、1002、1003、1004、1005、1007、1010、1100L(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、製品名ESCN−220L、220F、220H、220HH、180H65(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、製品名EPPN−502H(日本化薬(株)製)等のトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、製品名ESN−375等のナフタレンアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、製品名ESN−185(新日鐵化学(株))等のノボラック型エポキシ樹脂、製品名YX4000H等のビフェノール型エポキシ樹脂を挙げることができる。
また、上記の他、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラックグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、芳香族型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等であってもよい。
上記エポキシ樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記エポキシ樹脂は、(A)成分であるカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド100重量部に対し、必要に応じて1〜100重量部の範囲内で用いることが好ましく、1〜50重量部の範囲内で用いることがより好ましく、2〜30重量部の範囲内で用いることが特に好ましい。上記エポキシ樹脂が1重量部未満であると、得られる感光性ドライフィルムレジストの接着性が低下する場合があり、一方、100重量部を超えると耐熱性及び耐屈曲性の低下を引き起こす可能性がある。
<硬化促進剤及び/又は硬化剤>
感光性樹脂組成物の材料としてエポキシ樹脂を用いた場合、作製される感光性ドライフィルムレジストの硬化を効率良く行うために、感光性樹脂組成物に硬化促進剤及び/又は硬化剤を添加してもよい。このような硬化促進剤及び/又は硬化剤としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂の硬化を効率良く行うためには、イミダゾ−ル系化合物、酸無水物、第3級アミン類、ヒドラジン類、芳香族アミン類、フェノール類、トリフェニルホスフィン類、有機過酸化物などを挙げることができる。これらの硬化促進剤及び/又は硬化剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。
上記硬化促進剤及び/又は硬化剤の使用量は、(A)成分であるカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド100重量部に対し0.1〜20重量部の範囲内であることが好ましく、0.5〜20重量部の範囲内であることがより好ましく、0.5〜15重量部の範囲内であることが特に好ましい。上記硬化促進剤及び/又は硬化剤が(A)成分であるカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド100重量部に対して0.1重量部未満であると、エポキシ樹脂の硬化が十分に行われず、逆に20重量部を超えると耐熱性の低下を引き起こす可能性がある。
<光反応開始剤・増感剤>
光反応開始剤及び/又は増感剤を添加してなる感光性ドライフィルムレジストを露光した場合に、露光領域にて架橋反応や重合反応を促進することができる。これにより、露光領域と未露光領域とで、感光性ドライフィルムレジストの水系現像液への溶解性を十分に異なるようにすることができ、それゆえに、感光性ドライフィルムレジスト上にパターンを好適に現像することが可能になる。
上記光反応開始剤としいては、ラジカル発生剤、光カチオン発生剤、光塩基発生剤、光酸発生剤等を挙げることができる。
上記ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、g線程度の長波長の光によりラジカルを発生するものが好ましく、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンなどのケトン化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物、ビス(−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン化合物が挙げることができる。とくに、ホスフィンオキサイド化合物やチタノセン化合物を用いることが好ましい。
また、上記光カチオン発生剤としては、例えば、ジメトキシアントラキノンスルフォン酸のジフェニルヨードニウム塩等のジフェニルヨードニウム塩類、トリフェニルスルフォニウム塩類、ピリリニウム塩類、トリフェニルオニウム塩類、ジアゾニウム塩類等を挙げることができる。なお上記塩類の他、カチオン硬化性の高い脂環式エポキシやビニルエーテル化合物を混合することが好ましい。
さらに、上記光塩基発生剤としては、ニトロベンジルアルコールやジニトロベンジルアルコールとイソシアナートの反応により得られるベンジルアルコール−ウレタン化合物、ニトロ−1−フェニルエチルアルコールやジニトロ−1−フェニルエチルアルコールとイソシアナートの反応により得られるフェニルアルコール−ウレタン化合物、ジメトキシ−2−フェニル−2−プロパノールとイソシアナートの反応により得られるプロパノール−ウレタン化合物等を挙げることができる。
また、光酸発生剤としては、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、オニウム塩等のスルホン酸を発生させる化合物、ナフトキノンジアジド等のカルボン酸を発生させる化合物を挙げることができる。あるいは、ジアゾニウム塩や、ビス(トリクロロメチル)トリアジン類等の化合物は、光の照射によりスルホン基を生成させることができるので、これらの化合物も好ましく用いることができる。
一方、上記増感剤としては、特に限定されないが、ミヒラケトン、ビス−4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン等を挙げることができる。
上記光反応開始剤及び/又は増感剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記光反応開始剤及び/又は増感剤の使用量は、上記(A)成分であるカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド及び(B)成分であるエポキシ(メタ)アクリレートの総重量100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜10重量部の範囲内であることがより好ましい。上記光反応開始剤及び/又は増感剤の使用量が、0.001重量部未満であると、あるいは10重量部を超えると、増感効果が得られず、現像性に対して悪い影響を及ぼす可能性がある。
また、ラジカル発生剤と増感剤とを組み合わせて用いることもできるが、特に入手容易性の点から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のパーオキサイドと3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンとの組み合わせが好ましい。
<感光性樹脂組成物の調製方法と感光性ドライフィルムレジストの作製方法>
続いて、感光性樹脂組成物の調製方法及び感光性ドライフィルムレジストの作製方法について説明する。感光性ドライフィルムレジストは、感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を支持体フィルム上に均一に塗布・乾燥して作製される。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
まず、本発明の感光性樹脂組成物の調製方法について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド、(B)エポキシ(メタ)アクリレート、並びに必要に応じて(C)その他の成分をある割合で混合したものであり、それを有機溶媒に均一に溶解させた溶液を感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液という。この有機溶媒としては、感光性樹脂組成物に含有される成分を溶解することができる有機溶媒であれば、特に限定されるものではない。上記有機溶媒としては、例えば、ジオキソラン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール系溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、後の工程にて、上記有機溶媒の除去を行うので、上記感光性樹脂組成物に含有される成分を溶解し、できるだけ沸点の低いものを選択することが、製造工程上、有利である。
<感光性ドライフィルムレジストの製造方法>
続いて、上記の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を支持体フィルム上に均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けを行う。これによって、上記有機溶媒を除去し、感光性樹脂組成物がフィルム状となった感光性ドライフィルムレジストを得ることができる。このように形成された感光性ドライフィルムレジストは、感光性樹脂組成物を半硬化状態(Bステージ)で保ったものである。それゆえ、熱ラミネート処理等の熱圧着処理を行う場合には適度な流動性を持ち、プリント配線板のパターン回路の埋め込みを好適に行うことができる。また、パターン回路を埋め込んだ後、露光処理、熱圧着処理、加熱キュアを行うことによって、完全に硬化させることができる。
上記加熱及び/又は熱風吹き付けを行うことによって、感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を乾燥する時の温度は、感光性樹脂組成物に含有される(メタ)アクリル基、エポキシ基などの硬化性基が反応しない程度の温度であればよい。具体的には、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることが特に望ましい。また、乾燥時間は有機溶媒を除去することが可能な範囲内で、より短い時間とすることが好ましい。
上記支持体フィルムの材料としては、得に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルムなど、通常市販されている各種のフィルムが使用可能である。上記支持体フィルムのうち、ある程度の耐熱性を有し、比較的安価に手に入る点から、PETフィルムが多く用いられる。なお、支持体フィルムの感光性ドライフィルムレジストとの接合面については、密着性と剥離性を向上させるために表面処理されているものを用いてもよい。
さらに、感光性樹脂組成物を支持体フィルムに塗布し乾燥して作製した感光性ドライフィルムレジストの上には、保護フィルムを積層することが好ましい。空気中のゴミやチリが付着することを防ぎ感光性ドライフィルムレジストの乾燥による品質の劣化を防ぐことができる。
上記保護フィルムは、感光性ドライフィルムレジスト面に10℃〜50℃の温度でラミネートして積層することが好ましい。なお、ラミネート処理時の温度が50℃よりも高くなると、保護フィルムの熱膨張を招き、ラミネート処理後の保護フィルムにしわやカールが生じる場合がある。なお、上記保護フィルムは使用時には剥離するため、保護フィルムと感光性ドライフィルムレジストとの接合面は、保管時には適度な密着性を有し、かつ剥離性に優れていることが好ましい。
上記保護フィルムの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンフィルム(PEフィルム)、ポリエチレンビニルアルコールフィルム(EVAフィルム)、「ポリエチレンとエチレンビニルアルコールの共重合体フィルム」(以下(PE+EVA)共重合体フィルムと略す)、「PEフィルムと(PE+EVA)共重合体フィルムの貼り合せ体」、もしくは「(PE+EVA)共重合体とポリエチレンとの同時押し出し製法によるフィルム」(片面がPEフィルム面であり、もう片面が(PE+EVA)共重合体フィルム面であるフィルムとなる)等を挙げることができる。
上記PEフィルムは安価であり、表面の滑り性に優れているという長所がある。また、(PE+EVA)共重合体フィルムは、感光性ドライフィルムレジストへの適度な密着性と剥離性とを備えている。このような保護フィルムを用いることにより、保護フィルム、感光性ドライフィルムレジスト、支持体フィルムの3層を有する三層構造シートをロール状に巻き取った場合に、その表面の滑り性を向上することができる。
<プリント配線板の作製>
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として形成してなるプリント配線板を作製する手法について、説明する。プリント配線板として、パターン回路が形成されてなるCCL(以下、回路付きCCLともう。)を用いる場合を例に挙げて説明するが、多層のプリント配線板を形成する場合にも、同様の手法により層間絶縁層を形成することができる。
まず、上記にて説明した保護フィルム、感光性ドライフィルムレジスト、支持体フィルムを有してなる三層構造シートから保護フィルムを剥離する。以下では、保護フィルムが剥離されたものを支持体フィルム付き感光性ドライフィルムレジストと記載する。そして、感光性ドライフィルムレジストと回路付きCCLの回路部分とが対向するように、該回路付きCCLを、支持体フィルム付き感光性ドライフィルムレジストにて覆い、熱圧着によって貼り合せる。この熱圧着による貼り合わせは、熱プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、熱ロールラミネート処理等によって行えばよく、特に限定されるものではない。
上記貼り合わせを、熱ラミネート処理、熱ロールラミネート処理(以下、ラミネート処理と記載)によって行う場合、処理温度は、ラミネート処理が可能である下限の温度(以下、圧着可能温度)以上であればよい。具体的には、上記圧着可能温度は、50〜150℃の範囲内であることが好ましく、60〜120℃の範囲内であることがより好ましく、特に80〜120℃の範囲内であることが好ましい。
上記処理温度が150℃を超えると、ラミネート処理時に、感光性ドライフィルムレジストに含まれる感光性反応基の架橋反応が生じ、感光性ドライフィルムレジストの硬化が進行する場合がある。一方、上記処理温度が50℃未満であると、感光性ドライフィルムレジストの流動性が低く、パターン回路を埋め込むことが困難となる。さらに、銅回路付きCCLの銅回路や該銅回路付きCCLのベースフィルムとの接着性が低下する場合がある。
上記の熱圧着処理によって、回路付きCCL上に感光性ドライフィルムレジストが積層され、さらに支持体フィルムが積層されたサンプルが得られる。次いで、この貼り合わせサンプルについてパターン露光及び現像を行う。パターン露光及び現像に際しては、上記貼り合わせサンプルの支持体フィルム上にフォトマスクパターンを配置し、該フォトマスクを介して露光処理を行う。その後、支持体フィルムを剥離して現像処理を行うことにより、フォトマスクパターンに応じた穴(ビア)が形成される。
なお、上記支持体フィルムは、露光処理後に剥離しているが、回路付きCCL上に支持体フィルム付き感光性ドライフィルムレジストが貼り合わせられた後に、すなわち、露光処理を行う前に剥離してもよい。感光性ドライフィルムレジストを保護する点からは、露光処理が完了した後に剥離することが好ましい。
ここで露光に用いる光源としては、300〜430nmの光を有効に放射する光源が好ましい。この理由は、感光性ドライフィルムレジストに含有される光反応開始剤が、通常450nm以下の光を吸収して機能するためである。
また、上記現像処理に用いる現像液としては、塩基性化合物が溶解した塩基性溶液を用いればよい。塩基性化合物を溶解させる溶媒としては、上記塩基性化合物を溶解することができる溶媒であれば特に限定されないが、環境問題等の観点から、水を使用することが特に好ましい。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アミン化合物等を挙げることができる。上記塩基性化合物は1種を用いてもよいし、2種以上の化合物を用いてもよい。
上記塩基性溶液に含有される塩基性化合物の濃度は、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましいが、感光性ドライフィルムレジストの耐アルカリ性の点から、0.1〜5重量%の範囲内とすることがより好ましい。
なお、現像処理の方法としては、特に限定されないが、塩基性溶液中に現像サンプルを入れて攪拌する方法や、現像液をスプレー状にして現像サンプルに噴射する方法等が挙げられる。
本発明においては、特に、液温40℃に調整した1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を現像液に用い、スプレー現像機を用いて行う現像処理を例示することができる。ここで、スプレー現像機とは、現像液をスプレー状にしてサンプルに噴射する装置であれば特に限定されない。
ここで、感光性ドライフィルムレジストのパターンが描けるまでの現像時間は、パターンが描ける時間であればよいが、180秒以下の時間で現像できることが好ましく、90秒以下の時間で現像できることがより好ましく、60秒以下の時間で現像できることが最も好ましい。現像時間が180秒を超えると生産性が劣る傾向がある。
ここで、現像時間の目安として、Bステージ(半硬化)状態の感光性ドライフィルムレジストの溶解時間を測定する方法がある。具体的には、感光性ドライフィルムレジストを銅箔光沢面に貼り合わせたサンプルを、未露光の状態で、1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液(液温40℃)を現像液として、スプレー圧0.85MPaで、スプレー現像処理を行うという方法である。このスプレー現像処理により、感光性ドライフィルムレジストが180秒以下の時間で溶解して除去されることが好ましい。感光性ドライフィルムレジストが溶解除去されるまでの時間が180秒を超えると、作業性が低下する傾向がある。
上記のように露光・現像処理が施された後、感光性ドライフィルムレジストに対して、加熱キュアを行うことにより、感光性ドライフィルムレジストが完全に硬化する。これにより、硬化した感光性ドライフィルムレジストは、プリント配線板の絶縁保護膜となる。
また、多層のプリント配線板を形成する場合には、プリント配線板の保護層を層間絶縁層とし、該層間絶縁層上に、さらにスパッタリングや鍍金、もしくは銅箔との貼り合わせ等を行った後、パターン回路を形成し、上記のように感光性ドライフィルムレジストをラミネートすればよい。これにより、多層のプリント配線板を作製することができる。
なお、本実施の形態では、感光性ドライフィルムレジストを、プリント配線板の絶縁保護材料または層間絶縁材料として用いる場合について説明したが、上記の用途以外に用いることも可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。感光性樹脂組成物の調製及び感光性ドライフィルムレジストの具体的な製造例、及びその物性の評価は次のようにして行った。
<感光性樹脂組成物の調製>
ジオキソランに(A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドを溶解させ、その固形分重量%(Sc)=30%として、可溶性ポリイミド溶液を調製した。この溶液に対して、(B)エポキシ(メタ)アクリレート、並びに必要に応じて(C)その他の成分を混合・攪拌し、最終的な固形分重量%(Sc)=50%となるように感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製した。ここで、固形分重量とは、有機溶媒以外の材料、すなわち(A)、(B)及び(C)成分の総重量を示し、有機溶媒以外の液体材料の重量は固形分として重量に含めるものとする。
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
上記の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を、乾燥後の厚み(感光性ドライフィルムレジストの厚み)が20〜25μmになるように支持体フィルムに塗布した。支持体フィルムとしては、PETフィルム(東レ(株)製ルミラー、厚み25μm)を用いた。その後、支持体フィルム上の塗布層を100℃×2分間の条件で乾燥することによって、ジオキソランを除去した。これにより、感光性ドライフィルムレジスト/PETフィルム(支持体フィルム)からなる2層構造シートを得た。なお、感光性ドライフィルムレジスト層はBステージ状態にある。
続いて、上記2層構造シートにおける感光性ドライフィルムレジスト層の上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、GF−1、厚み40μm)をロール温度20℃、ニップ厚75000Pa・mの条件でロールラミネートして、保護フィルム/感光性ドライフィルムレジスト/PETフィルムの三層を有する三層構造シートを得た。
<感光性ドライフィルムレジストの物性の評価>
上記のようにして調製された感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液及び製造された感光性ドライフィルムレジストについて、次に示す各項目の物性について評価を行った。具体的には現像性、耐熱性、及び耐折性についての評価を行った。
<現像性>
まず、電解銅箔(三井金属(株)製、厚み35μm)を10重量%硫酸水溶液で1分間ソフトエッチング(銅箔表面の防錆剤を除去する工程である)し、水洗い後、エタノール、アセトンで表面を洗ってから乾燥させた。感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離後、前記電解銅箔(ソフトエッチング後)の光沢面に、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。この積層体のPETフィルムの上に、100×100μm角及び200×200μm角の微細な四角を描いたマスクパターンをのせ、波長405nmの光を300mJ/cm2だけ露光した。このサンプルのPETフィルムを剥離した後、スプレー現像機(サンハヤト(株)製エッチングマシーンES−655D)を用いて、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液(液温40℃)、スプレー圧0.85MPa、現像時間30秒間〜180秒間の条件で現像した。現像によって形成したパターンは、次いで蒸留水により洗浄して、現像液を除去し、乾燥させた。光学顕微鏡で観察して少なくとも200μm×200μm角の四角が現像できていれば合格とした。
<耐熱性(半田耐熱性)>
銅箔(三井金属(株)製の電解銅箔、厚み35μm)を5cm角にカットし10重量%硫酸水溶液で1分間ソフトエッチングし、水洗い後、エタノール、アセトンで表面を洗ってから乾燥させた。次に4cm角にカットした感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離し、上記電解銅箔(ソフトエッチング後)の光沢面に重ねて、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。この貼り合わせサンプルの感光性ドライフィルムレジスト面に波長405nmの光を1000mJ/cm2露光した後、180℃で2時間キュアして硬化させた。このサンプルを1)常態(20℃/相対湿度40%の環境で24時間)、2)吸湿(40℃/相対湿度85%の環境で48時間)調湿した後に、270℃以上の溶融半田に30秒間ディップし、銅箔と感光性ドライフィルムレジストの界面に膨れの発生若しくは剥離が生じていないかを観察した。溶融半田の温度を徐々に上げていき、10℃毎に30秒間ずつディップして何℃まで異常が発生しないか調べた。異常の発生しなかった最高温度を30秒ディップ可能温度とした。30秒ディップ可能温度が260℃以上であれば合格とした。
<耐折性>
銅箔付きポリイミドフィルム(新日鐵化学(株)製、商品名エスパネックス、ポリイミドフィルムの厚み25μm、銅箔の厚み18μm)の銅箔面、レジストフィルム(旭化成(株)製、サンフォート)を用いて、ライン/スペース=250μm/350μmの櫛型パターンを形成して、回路付きCCLを得た。保護フィルムを剥離した感光性ドライフィルムレジストを、この回路付きCCLの櫛型パターン部分の上を被覆するように重ねて、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。この貼り合わせサンプルの感光性ドライフィルムレジスト面に波長405nmの光を1000mJ/cm2露光した後、PETフィルムを剥離し、180℃で2時間キュアして硬化させた。
このサンプルを感光性ドライフィルムレジスト面が外側になるように180度折り曲げ、折り曲げ先端に5kgの分銅を10秒のせる。折り曲げたサンプルを広げ、折れ線の入った部分に5kgの分銅を10秒のせる。折り曲げた部分を100倍の顕微鏡で観察し、ドライフィルムレジストに異常が無ければ合格、クラック等の異常があれば不合格とした。
<使用原料>
ポリイミドの原料としては、以下の市販品を使用した。(2,2'−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト)−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物(和歌山精化(株)製、以下ESDAと示す。)、[ビス(4−アミノ−3−カルボキシ)フェニル]メタン(和歌山精化(株)製、以下MBAAと示す。)、シリコンジアミン(信越化学(株)製、製品名KF−8010)、2,2'−ジアミノビスフェノールA(群栄化学(株)製、製品名DAM−1)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン(以下、BAPS−Mと示す。)を用いた。
また、ポリイミドの重量平均分子量は、東ソー社製HLC8220GPCを使用して、サイズ排除クロマトグラフィーにより、ポリエチレンオキシド換算で算出した。
(合成例1:カルボキシル基を有する可溶性ポリイミドの合成)
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコにESDA17.3g (0.030モル)、ジメチルホルムアミド(以下、DMFとも言う。)を30g入れて、攪拌機で攪拌して溶解させた。次に、MBAA5.15g (0.018モル)をDMF9gに溶解して、上記ESDAのDMF溶液に加え、激しく攪拌した。溶液が均一になったらさらに、上記溶液にシリコンジアミンKF−8010を7.47g(0.009モル)を加え、激しく攪拌した。溶液が均一になったら最後に、BAPS−Mを1.29g(0.003モル)加えて1時間激しく攪拌した。このようにして得たポリアミド酸溶液をフッ素系樹脂でコートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、660Paの圧力で2時間減圧乾燥し、26.40gのカルボキシル基を有するポリイミドを得た。このポリイミドの酸当量は835、重量平均分子量は37000であった。
(合成例2:カルボキシル基を有する可溶性ポリイミドへのメタクリル基の導入)
合成例1で合成したカルボキシル基を有するポリイミド20.0g(0.020モル)をDMF40gに溶解し、メタクリル酸グリシジル1.71g(0.120モル)、トリエチルアミン0.1g (0.001モル)、重合禁止剤として、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を0.02g加え、80℃で5時間攪拌を行った。この溶液をメタノール500mlに投入し、析出した樹脂分をミキサーで粉砕後、メタノールで洗浄、乾燥して、21.2gのメタクリル基を有するポリイミドを得た。このポリイミドの酸当量は1811、重量平均分子量は38000であった。
(合成例3:水酸基を有する可溶性ポリイミドの合成)
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコにジアミンDAM−1を69.7g (0.27モル)、DMFを100g入れ、DAM−1のDMF溶液を調製した。次に上記DMF溶液に、シリコンジアミンKF−8010を24.9g (0.03モル)添加し、激しく攪拌した。溶液が均一になった後、さらに、ESDA173g (0.30モル)をDMF300gに溶解させた溶液を加えて約1時間激しく攪拌した。このようにして得たポリアミド酸溶液をフッ素系樹脂でコートしたバットにとり真空オーブンで200℃、660Paの圧力で2時間減圧乾燥し、241.0gの水酸基を有するポリイミドを得た。このポリイミドの酸当量は475、重量平均分子量は26000であった。
(合成例4:水酸基を有する可溶性ポリイミドへのメタクリル基の導入)
合成例3で合成した水酸基を有するポリイミド100gを、DMF200gに溶解させ、メタクリル酸グリシジル15.1g(0.11モル)、トリエチルアミン1.0g (0.01モル)、重合禁止剤として、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を0.1g加え、80℃で5時間攪拌を行った。この溶液をメタノール1000mlに投入し、析出した樹脂分をミキサーで粉砕後、メタノールで洗浄、乾燥して、113.4gのメタクリル基を有するポリイミドを得た。このポリイミドの酸当量は1132、重量平均分子量は30000であった。
下記に示す実施例および比較例について、内容を表1にまとめた。以下に詳細を記す。
Figure 2005316131
(実施例1)
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
合成例1で合成したポリイミド15gをジオキソラン35gに溶解させ、固形分重量%(Sc)=30%の有機溶媒溶液を作製した。
以下に示す成分を混合して感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを作製した。
(A)可溶性ポリイミド
・合成例1で合成したポリイミド(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B)エポキシ(メタ)アクリレート
・変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度45%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3708)・・・・・50重量部
(C)その他の成分
光反応開始剤として、
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・2重量部
エポキシ樹脂として、
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、製品名エピコート828)・・・・・10重量部
硬化剤として、
・4,4'−ジアミノジフェニルメタン(DDM)・・・・・1重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ310℃であり合格。
耐折性:合格
(実施例2)
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
合成例2で合成したポリイミド15gをジオキソラン35gに溶解させ、固形分重量%(Sc)=30%の有機溶媒溶液を作製した。
以下に示す成分を混合して感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを作製した。
(A)可溶性ポリイミド
・合成例2で合成したポリイミド(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B)エポキシ(メタ)アクリレート
・変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度45%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3708)・・・・・50重量部
・ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度5%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3700)・・・・・10重量部
(C)その他の成分
光反応開始剤として、
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製イルガキュア819)・・・・・2重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ300℃であり合格。
耐折性:合格
(実施例3)
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
合成例3で合成したポリイミド15gをジオキソラン35gに溶解させ、固形分重量%(Sc)=30%の有機溶媒溶液を作製した。
以下に示す成分を混合して感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを作製した。
(A)可溶性ポリイミド
・合成例3で合成したポリイミド(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B)エポキシ(メタ)アクリレート
・変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度47%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3703)・・・・・60重量部
・脂肪族系エポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度11%、BASF製、製品名LR8765)・・・・・10重量部
・ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(硬化膜の引張破断伸度5%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3700)・・・・・5重量部
(C)その他の成分
光反応開始剤として、
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製イルガキュア819)・・・・・2重量部
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、製品名エピコート828)・・・・・20重量部
硬化剤として、
・4,4'−ジアミノジフェニルメタン(DDM)・・・・・2重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ300℃であり合格。
耐折性:合格
(実施例4)
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
合成例4で合成したポリイミド15gをジオキソラン35gに溶解させ、固形分重量%(Sc)=30%の有機溶媒溶液を作製した。
以下に示す成分を混合して感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを作製した。
(A)可溶性ポリイミド
・合成例4で合成したポリイミド(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B)エポキシ(メタ)アクリレート
・変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度45%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3708)・・・・・60重量部
・ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(単独硬化膜の引張破断伸度5%、ダイセル・ユーシービー製、製品名Ebecryl3700)・・・・・5重量部
(C)その他の成分
(メタ)アクリル系化合物として、
・イミドアクリレート(東亞合成製、製品名アロニックスTO−1429)・・・・・10重量部
光反応開始剤として、
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製イルガキュア819)・・・・・2重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ290℃であり合格。
耐折性:合格
(比較例1)
<ベースポリマーの合成>
上記(A)成分のカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミドの代わりに使用する感光性樹脂組成物の中で含有重量の最も大きいポリマー成分をベースポリマーと称する。
(ポリイミド樹脂の合成)
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコにESDA173g (0.30mol)、DMF300gを入れ、ESDAのDMF溶液を調製した。次に上記DMF溶液に、BAPS−M86.5g (0.20mol)をDMF100gに溶解した溶液を添加し、激しく攪拌した。溶液が均一になった後、シリコンジアミンKF−8010を83.5g (0.10mol)加え、1時間激しく攪拌した。
このようにして得たポリアミド酸溶液をフッ素系樹脂でコートしたバットにとり真空オーブンで200℃、660Paの圧力で2時間減圧乾燥し、315gのポリイミドを得た。このポリイミドは、イミド樹脂中にカルボキシル基若しくは水酸基を有さず、感光性基も導入されていない。
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
上記で合成したポリイミド15gをジオキソラン35gに溶解させ、固形分重量%(Sc)= 30%の有機溶媒溶液を作製した。
実施例1の(A)成分の代わりに上記で合成したポリイミドをベースポリマーとして用いること以外は、全く同様の条件で感光性ドライフィルムレジストを作製した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できておらず不合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ320℃であり合格。
耐折性:合格
このように、カルボキシル基及び/又は水酸基を有さないポリイミドをベースポリマーとして用いると、耐熱性や耐折性は良好であったが、現像性が悪かった。
(比較例2)
<ベースポリマーの合成>
原料として、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、及びメタクリル酸のモノマーを用いた。これらのモノマー成分を、公知の方法を用いて共重合し、カルボキシル基含有共重合体を得た。この時の各モノマー成分の重合比は、メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/メタクリル酸=60/10/10/20(重量基準)とした。
<感光性ドライフィルムレジストの作製>
実施例2の(A)成分の代わりに上記で合成したアクリル系共重合体をベースポリマーとして用いること以外は、実施例2と全く同様の条件で感光性ドライフィルムレジストを作製した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ250℃、240℃であり、不合格。
耐折性:合格
このように、芳香環を有さない構造のモノマーから合成されるアクリル系共重合体をベースポリマーとして用いると、現像性は良好であるが、耐熱性が劣る結果となった。
(比較例3)
実施例2の(B)成分の代わりにウレタンアクリレート(日本化薬製、製品名CN−9178)を用いること以外は、実施例2と全く同様の条件で感光性ドライフィルムレジストを作製した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ260、240℃であり、不合格。
耐折性:合格
このように、ウレタンアクリレートを用いると、現像性、耐折性は良好であるが、耐熱性が低下する結果となった。
(比較例4)
実施例2の(B)成分の代わりにウレタンアクリレート(日本化薬製、製品名CN−9178)を用いること以外は、実施例2と全く同様の条件で感光性ドライフィルムレジストを作製した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できており合格。
耐熱性:常態、吸湿ともに、30秒ディップ可能温度はそれぞれ260、240℃であり、不合格。
耐折性:合格
このように、ウレタンアクリレートを用いると、現像性、耐折性は良好であるが、耐熱性が低下する結果となった。

Claims (6)

  1. (A)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド、並びに(B)エポキシ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 上記(A)成分である可溶性ポリイミドが、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の炭素間二重結合を有することを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 上記(B)成分であるエポキシ(メタ)アクリレートの単独硬化膜の引張破断伸度が10%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3に記載の感光性樹脂組成物を用いて作製される感光性ドライフィルムレジスト。
  5. 水系現像液として、40℃、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を、現像手段としてスプレー現像機を用いた場合に、スプレー圧0.85MPaの条件下での溶解時間が180秒以下であることを特徴とする、請求項4記載の感光性ドライフィルムレジスト。
  6. 請求項4又は5記載の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として用いることを特徴とする、プリント配線板。
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