JP2004140316A - 高温動作電気機器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導線や磁性材料を、乾燥後、固定、保持する能力を発揮し、かつ乾燥後、高温でも固定、結束する能力を維持できる液を塗布するか或いは前記液に浸漬し、次いで乾燥して一体化することで組み立てた高温動作電気機器。電気機器の製造に際しては、導線や磁性材料の電気絶縁を固定、結束する能力を発揮する液を塗布するか、これに浸漬後に乾燥させたもので行う。乾燥することにより銅線や磁性材料を高温で結束する能力を発揮する液として、純シリコンポリマーの1種以上を主成分とする液を用いる。乾燥温度が200℃以下であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温動作電気機器及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器として、電動機、アクチュエータ、発電機や変圧器、リアクトルなどの電磁機器、あるいは加熱器などがある。電磁機器には、一般に電流を流す導線と磁束を流す磁気回路で構成される。
導線には電流を多く流すことにより電磁機器の高出力化が図られる。しかし、導線に大電流を流すと、導線や周辺の材料を加熱し、導線や磁性材料の電気絶縁が破壊したり、機器の部材の固定に問題が生じる。
磁気回路にはコアや継鉄が使用される。コアの多くは電磁鋼板を積層したものが使用され、積層コアの結束には、かしめ、溶接、ボルト締めなどが多用される。かしめ、溶接では積層間の電気的短絡が生じ、交流励磁では短絡電流が発生し、機器性能の低下を引き起こすので、電磁鋼板の積層間結束にはモールドや接着が使用される場合がある。しかし、モールドや接着では高温では使用できない。
【0003】
加熱器においては、発熱部の固定と絶縁は、高温に耐えるセラミックスなどの部材で行われている。これらの固定は部分固定であり、組み立て工程に時間と労力を有し、部分固定のために騒音振動が問題となる場合がある。接着などで、全体的に固定ができ、かつ絶縁ができれば工程が簡単となり、自動化も可能となるが、現状では、高温に使用できる接着工程方法がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、高温で動作させることができる電気機器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、次の通りである。
(1)隣接する部材間に塗布し乾燥後、隣接する部材を相互に固定、保持する能力を発揮し、かつ200℃以上の高温でも固定、結束する能力を有する液として、R1 nSi(OR2)4−n(但し、n=0〜3、R1:炭素数1〜6の炭化水素基、R2:炭素数1〜6のアルキル基、R1、R2が複数の場合はそれぞれが異なるものでも良い。)で表される1種又は2種以上の有機珪素化合物の加水分解および部分脱水縮合反応によって生成される化合物からなる純シリコンポリマーを用い、同種あるいは異種の隣接する部材間の電気絶縁を確保しつつ、一体化された導線または導線および磁性材料を有することを特徴とする高温動作電気機器。
(2)隣接する部材間に塗布し乾燥後、隣接する部材を相互に固定、保持する能力を発揮し、かつ200℃以上の高温でも固定、結束する能力を有する液として、R1 nSi(OR2)4−n(但し、n=0〜3、R1:炭素数1〜6の炭化水素基、R2:炭素数1〜6のアルキル基、R1、R2が複数の場合はそれぞれが異なるものでも良い。)で表される1種又は2種以上の有機珪素化合物の加水分解および部分脱水縮合反応によって生成される化合物からなる純シリコンポリマーを用い、導線または導線と磁性材料に前記液を塗布するか或いは前記液に導線または導線と磁性材料を浸漬し、次いで乾燥して同種あるいは異種の隣接する部材間の電気絶縁を確保しつつ、導線または導線および磁性材料を一体化することを特徴とする高温動作電気機器の製造方法。
(3)R1 nSi(OR2)4−nで表される有機珪素化合物において、少なくともn=0、1の有機珪素化合物を質量部で80%以上含有し、且つ、n=0の有機珪素化合物;n=1の有機珪素化合物の組成比率が1:20〜4:1の範囲である純シリコンポリマーを用いること特徴とする上記(2)記載の高温動作電気機器の製造方法。
(4)純シリコンポリマーとして熱硬化型の純シリコンポリマーを用いることを特徴とする上記(2)または(3)に記載の高温動作電気機器の製造方法。
(5)純シリコンポリマーへの添加剤として、一次粒子径7〜500nmのSiO2、Al2O3、及びTiO2のいずれか1種又は2種以上を0.1〜10質量部添加することを特徴とする上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の高温動作電気機器の製造方法。
(6)乾燥後の膜厚を3〜100μmとすることを特徴とする上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の高温動作電気機器の製造方法。
(7)乾燥温度を200℃以下とすることを特徴とする上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の高温動作電気機器の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における電気機器としては、電磁機器や加熱器があり、電磁機器としては、電動機、アクチュエータ、発電機や変圧器、リアクトルなどがあり、加熱器としては、誘導加熱、誘電加熱、赤外線などの光や電磁波を照射することによる加熱、直接通電による加熱を活用したものであり、用途、機種を問わない。
【0007】
電動機、アクチュエータ、発電機は、誘導機タイプ、同期機タイプ、直流機タイプ、リラクタンスタイプ、2つ以上のタイプを組み合わせたものがあり、大型からマイクロモータまで含まれる。また、変圧器は巻変圧器や積変圧器等をはじめ、各種コアを用いたものがあり、リアクトルはインバータ、コンバータやチョッパ、電圧電流の位相を調整し力率改善に用いる機器、高調波等を除くフィルタ、イグニションなどに用いるもので、巻タイプや積みタイプ、空隙があるものやないもの、可飽和タイプや飽和させないで使用するもの、カットコアを用いるものなどがあり、コアや継鉄を有するもの、有しないものどちらでも良く、また永久磁石を有するもの、有しないものでも良い。
【0008】
コアやヨークは、電磁鋼板、パーマロイ、鉄コバルト合金やアモルファス磁性材料コアなどの積層コア、ソフトフェライトコア、鋳造コア、粉末冶金コア、粉末のプラスティック成形コアなどがあり、コアやヨークの素材としては、電磁鋼板、厚板等の鉄あるいは鉄合金、ニッケルやパーマロイなどのニッケル合金、またコバルトやコバルト合金、更にソフトフェライト、アモルファス材、ナノクリスタル材などであり、用途としては電機子コア、界磁ヨーク、変圧器コア、リアクトルコア、電磁石コア、プリント基盤などである。特に、電磁鋼板を打ち抜きして積層したコアやヨークが多用される。コアには、回転機などのように、一体打ちぬきして積層したコア、分割コアを組み合わせて用いたコア、アキシャルギャップ型の回転機に使用されることがある巻コア、或いはクローポールコアなどのように塑性変形をさせたものもあり、変圧器やリアクトルなどのように、巻コア、積コア、焼結コア、粉末成型コアやプラスティック成形コアなど、またカットコア、EIコアなどがあり、本発明はすべてに適用できる。
【0009】
永久磁石は種類や形状を問わなく、電動機、アクチュエータや発電機の界磁用に用いるだけでなく、フライバック変圧器、リアクトルに使用されるバイアス磁束(磁界)用に用いられる場合もある。
電磁機器には、上記のように、電機子コア、永久磁石、界磁ヨークなど、複数の磁性部材が使用されるが、電機子コア、界磁ヨークなどでも、電磁鋼板の積層のように、複数の磁性材料片から構成される場合が多い。
【0010】
電磁機器には、磁束が外部に漏れないように、あるいは、外部の磁束が機器に進入し、外部や機器内部に悪い影響をしないように、磁気シールドや電磁波シールドする場合があり、本発明の磁性部材として、磁気シールド及び電磁波シールド用の磁性部材も含まれる。この場合、本発明が関係する電磁機器としては、磁束や電磁波を発生する機器、装置、設備であり、逆に、磁束や電磁波が影響する機器、装置、設備を含む。また、一般の磁気シールド材や電磁波シールド材にも適用できる。
【0011】
電気機器には導線が用いられる。電磁機器の導線は電機子電流を流したり、界磁磁束を発生させる電流を流したりするものであり、固定子側に設けられるもの、回転子や可動子に設けられるものでも良い。誘導機などのように誘導電流を流す二次導体、ボイスコイルモータに用いるショートリングなども導線に含まれる。加熱器の導線は発熱体などである。また、電気機器に使用するリード線や配線も本発明における導線に含まれる。
【0012】
本発明の高温駆動電気機器は高温で使用され、高温環境で使用されるものや、導線や磁性材料から発生する熱により温度が高くなるものである。このため、導線や磁性材料の電気絶縁や結束保持は高温でも耐えられるものである必要がある。従来の導線に施される絶縁皮膜や接着剤の耐熱温度は、通常、JISにおけるH種の180℃が最高であった。本発明において、高温とは、200℃以上、900℃以下の温度範囲を意味するものである。900℃より温度が高くなると、導線自身が機械的に問題が出てくる。本発明によれば、このような温度でも、動作させることができる電気機器を提供することが可能となる。
【0013】
本発明では、乾燥することにより、導線や磁性材料を固定、結束する能力と、高温で導線や磁性材料の電気絶縁や固定結束が維持できる能力を発揮する液(以後、結束液と呼ぶ。)を塗布するか、或いは結束液に浸すことにより、導体や磁性材料の外側に結束液を付着させたり、導体と導体の間、磁性材料と磁性材料の間、あるいは導体と磁性材料の間、更には、導体、磁性材料と他の部材との間の接触部に結束液を含ませる。その後、結束液を常温以上で乾燥させ、導体、磁性材料の間、あるいはこれらと他の部材の間を結束する。乾燥条件は、本発明の場合、常温〜120℃程度の乾燥で十分であるが、被膜の効果を十分に行わせるためには80〜200℃で30秒以上乾燥させることにより極めて迅速な乾燥硬化処理が可能となる。
【0014】
本発明は、結束液を乾燥させて形成される膜が導体、磁性材料や他の部材などの外面を覆い、この膜で相互に結束するものであり、あるいは、結束液が導体、磁性材料等の隣接間、層間に侵入し、乾燥させた層で、接着結束するものである。(以後、結束液の乾燥後にできる膜あるいは層を結束膜と記す。)従って、結束力は結束膜の種類と厚さで決まるので、必要に応じて結束液の種類、膜厚を決定すれば良い。また、導体、磁性材料の形状や表面や端面の状態により、結束力は変わるので、導体や磁性材料の形状や表面や端面の状態の考慮も必要である。
【0015】
結束液としては、液組成として、純シリコンポリマーの1種または2種以上を主成分とする液をもちいる。純シリコンポリマーとは、有機珪素化合物R1 nSi(OR2)4−n(但し、n=0〜3、R1:炭素数1〜6の炭化水素基、R2:炭素数1〜6のアルキル基、R1、R2が複数の場合はそれぞれが異なるものでも良い。)で表される1種又は2種以上の加水分解と部分脱水縮合反応によって生成する化合物である.これらは、公知のアルコキシシランを無溶媒或いは有機溶媒中で加水分解し、重合して製造される。この際、用いるシランの種類を変えることにより、種々の性能を有する塗膜が得られる。
【0016】
一般に、純シリコンポリマーとしては、熱硬化型と水分硬化型と呼ばれるタイプのものがある。本発明では前者の熱硬化型を用いるのが好ましい条件である。熱硬化型とは、前述の如く、有機珪素化合物とメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低沸点を有するアルコールと水からなる溶剤により構成されている。このため、硬化工程においては、120℃以下程度の低温に乾燥することにより極めて短時間で溶剤成分の揮発放出が可能で数分〜数十分程度の乾燥でSi−O結合の緻密な膜の形成が可能である。後者の水分硬化型の場合には、空気中の水分の吸収により加水分解反応を行わせ、添加触媒の効果によって硬化・造膜を行わせるものである。このため、被膜の硬化の進行に数日間を要する場合がある。また、この場合には、雰囲気からの水分の供給が行われない限り、造膜、硬化が達成されない。本発明の用途のように、積層板、特に、大きい表面積の素材に適用する場合には、端部の硬化が進んで、内部への水分供給が困難になるような現象が生じて、数週間後にも内部被膜の硬化が達成できない場合もあり、硬化所要時間の安定が得られない問題がある。
前記、本発明の熱硬化型においては、溶剤の沸点以上に加熱すれば、簡単に溶剤の分解放出が行われることから工業化に対して、極めて大きなメリットがあり、有利である。
【0017】
純シリコンポリマーとして、アルコキシシランの部分加水分解物を製造する場合には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、モノメチルトリイソプロポキシシラン、モノメチルトリブトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モノエチルトリプロポキシシラン、モノエチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランの一種または2種以上を用いる。
【0018】
また、結束膜に高い絶縁抵抗や耐電圧を得ようとする場合には、前記シリコンポリマーに、充填剤として、純シリコンポリマーのSiO2分100質量部当り、無機酸化物粉体粒子又はコロイド状溶液、有機樹脂粉体粒子又はこれらのエマルジョン溶液の1種または2種以上を固形分として0.1〜50質量部添加する。この充填剤を添加する複合効果として鉄心端面や鋼板表面への付着力が改善される。添加する無機粉体粒子或いはコロイド状物質として、一次粒子径7〜5000nmのSiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2及び/又はこれらの複合物質の中から選ばれる1種または2種以上を0.1〜50質量部添加配合する。しかしながら、使用条件によっては溶液の安定性に影響するため、一次粒子径は0.5μm以下のものを使用するのがより好ましい条件である。
【0019】
本発明では、耐熱性の優れる結束膜を得ようとする場合、有機珪素化合物がR1 nSi(OR2)4−nの一般式において少なくともn=0、1のものを質量部で80%以上含有し、且つ、n=0の場合;n=1の場合の組成比率が1:20〜4:1の範囲にすると、よりすぐれた結束膜の性能が得られる。特に、n=0の成分比率が高まるほど被膜の硬さが増し強固な被膜となる。また、得られる結束膜に割れが生じ難く、高温使用時における使用に有利である。また、一般的には、乾燥が速く、乾燥作業性が改善される。しかしながら、n=0成分が極度に多くなりすぎると、被膜の乾燥過程での割れの問題から、厚膜が得られなくなる問題がある。即ち、n=0の場合/n=1の場合の比率が0.05(1:20)未満の場合には耐熱性が劣るため制限される。一方、比率が4(4:1)超となると耐熱性は向上するが、被膜の割れの問題や、厚膜化が困難になることから制限される。
【0020】
電気絶縁性を高めるためには、添加剤として一次粒子径7〜500nmのSiO2、Al2O3、TiO2及びこれらの中からの中から選ばれる1種又は2種以上を0.1〜10質量部添加配合であると良い。
【0021】
結束液を塗布する方法あるいは結束液に浸す方法は、一般的に行われている表面皮膜塗布や塗料塗布の方法などで良く、スプレー塗布、浸漬のほか刷毛塗りなどの方法を適用できる。塗布量などのムラ抑制も一般的に行なえる方法を用いれば良い。また、導体や磁性材料などの接触部の接着力を高めるためには、接触部に一旦、空隙を持たせ、結束液を接触部に含ませた状態で、所定の接触状態にすれば、乾燥後の結束力も増大できる。
【0022】
乾燥後の結束膜厚の制御は、結束液の溶剤の種類、溶剤の濃度、粘度を変化させる方法を用いれば容易であり、塗布乾燥工程を複数回すればその回数だけ膜厚を厚く出来る。浸漬法においては、引き抜き速度、スプレ−法の場合には、ノズル形状、噴射速度等を前記溶液条件と組み合わせて制御することにより所定の膜厚に塗布する。また、圧縮空気などを吹き付けることにより、液溜りの抑制、膜厚の調整もできる。
【0023】
本発明で形成される結束膜は、電気絶縁が求められる場合には、電気絶縁膜として兼ねあわせても良く、また防錆膜として兼ねあわせても良い。本発明による乾燥膜は主成分がSi−O構造を有するSiO2であり緻密な膜を形成するため、極めて優れた絶縁と防錆機能を発揮する。
【0024】
【実施例】
[実施例1]
本発明を用いて、4極モータのブラシレスDCモータを製作した。使用した結束液はモノメチルトリメトキシシランとテトラメトキシシランを3:1の質量部割合から得た部分縮合物(濃度20%)を乾燥させて結束膜を形成させるものである。ステータは、12個の分割コア(図1に示されるコア片1を積層したもの)1Aからなる電機子である。組み立てた円形コアの外径は120mmである。分割コア1Aは電磁鋼板を打ちぬき加工し、積層したものを積層上下面の電磁鋼板中央部を図2のバー4a、4bで押さえ積層体を固定し、ロータとの空隙側に相当する歯部2の端面を除いた打ちぬき加工端面部のみに結束液を塗布し、その後、固定したまま室温で乾燥し、結束膜を形成させる。結束液を塗布する方法は、刷けで加工端部のみを十分に塗る方法を用いたが、この場合、積層コアの加工端部における打ちぬき加工のダレで出来る隙間5′(図3)に、乾燥後の平均膜厚として10μmとなるように、結束液を刷毛に含ませて塗った。
【0025】
その後、結束膜を有した分割コア1Bに、直に巻線6を図4のように結束液を乾燥させながら巻き、さらに、図5のように、結束液に空隙側部を除いた部分を浸漬し乾燥した。これにより、巻線の固定、コアの結束強度や剛性を高めた。次に、分割コアを組み立て、コアのコアバック部の積層上下面に当て板9a、9bをあて、同時にケース10に圧入する。当て板を当てる場合、コアと接触する面に結束液を塗布し、コアに当て板をあてる。当て板を当てた分割コア組み立て品を図6のように、外周部に結束液を塗布しケースに圧入する。その後、完全に乾燥する。
【0026】
本発明の方法を用いると、導体間、電磁鋼板の積層間、導体と分割コア間、分割コア間、コアとケースの間の電気絶縁や固定結束は常温からモータに使用する永久磁石が耐える状態の温度或いは500℃以上まで可能である。従って、従来の耐熱巻線温度200℃より高いので、巻線に流す電流を多く流すことが可能であり、高出力化できる。また、モータ全体の剛性が高くなり、騒音振動対策の一つに出来る。本発明による結束を用いると、カシメや溶接などで問題となる短絡電流を抑制でき、損失低減、制御性向上が図れる。また、導線及びコアからの発熱を本発明の結束膜を通しての抜熱性が高くできるので、この点からのも、モータの高出力化、低銅損化(温度上昇による抵抗アップ抑制)に効果がある。
【0027】
[実施例2]
実施例1で作った電機子と本発明を適用したIPMロータで4極のIPM(埋め込み磁石型)モータを製作した。このモータは低速でトルク制御される。使用した結束液はモノメチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランを1:3として得た部分縮合物のSiO2として100質量部当たり充填剤として粒子径10nmのAl2O3 2gからなる溶液を浸漬処理して、乾燥後の平均膜厚を5μmとして乾燥させて結束膜を形成させた。
【0028】
着磁したSmCoの焼結磁石を結束液に浸漬し乾燥させ、図7に示されるように、その磁石12をIPMロータコア11に挿入した。磁石を挿入したロータコアも結束液に浸漬し、圧縮ガスを吹きつけ余分の結束液を取り除いた後、回転軸13に圧入した。これを乾燥し、部分縮合物の結束膜14を形成させた。IPMロータへの本発明の適用は、常温からSmCo磁石が耐える状態の温度(約500℃)までにおいて、磁石の固定と共に、磁石表面の絶縁処理の役目を兼ねており、更に磁石とコアとの熱伝達性と絶縁性も向上し、磁石温度上昇の抑制、磁石、コア間の短絡電流の抑制もできる。ロータと回転軸の隙間を結束膜で充填することになり、ロータの温度上昇を抑制する役割も持っている。SmCo磁石はFeNdB磁石より高温で使用できるが、SmCoの焼結磁石の温度上昇も抑制でき、磁石の減磁も抑えることができる。
【0029】
[実施例3]
本発明を用いて、2極誘導モータを製作した。使用した結束液はジフェニルジエトキシシラン、ジメチルモノメチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン1:5:4として得た部分縮合物であり、乾燥させて、結束膜を形成させるものである。ステータコアは外周から2mmのところに円周方向に等間隔に3個、仮固定用のカシメを入れ積層固定した一体打ちぬきコアで、コアのスロット全体に結束液をスプレーで吹き付け、乾燥させ、結束膜を形成させた。この際、75℃×5分の温風乾燥を挟んで2回の被膜塗布処理を行って平均膜厚を7μmとした。次いで、電機子巻線は結束液を付着し巻線表面を乾燥させて、乾燥させた巻線をインサータでステータコアのスロットに挿入し、その後、電機子全体を結束液に浸漬させ、ロータとの空隙側から、100℃の熱風を吹き付け、歯先に余分に付着している液を吹き飛ばし、空隙面の膜厚を0.1mm以下になるようにした。100℃の熱風は乾燥を速める効果をももたせた。最終的に、300℃で乾燥させ、最終の結束膜を形成させた。
本発明を用いると、500℃まで使用でき、この温度まで積層コアの結束、短絡電流抑制、歯先振動の低減による低騒音化、高抜熱性による高出力化、低銅損化(温度上昇による抵抗アップ抑制)が期待できる。
【0030】
[実施例4]
実施例3で作った電機子コアと本発明を適用したアルミダイキャストロータで誘導モータを製作した。ロータは打ちぬき加工したコアを結束液に浸漬し、乾燥させ、結束した後、アルミダイキャストする。使用した結束液はモノメチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランとジメチルジメトキシシランを5:3:2とした混合液で、乾燥させて結束膜を形成させるものである。
乾燥させてできる結束膜はアルミダイキャストにも耐えるものであり、二次導体であるアルミとコアの短絡が抑制できる。従って、誘導モータの高出力性能の安定化が実現できる。
【0031】
[実施例5]
巻線の表面に結束液を塗布乾燥させ、その巻線が施された巻トランスコアを更に結束液に浸漬し、乾燥させた。使用した結束液はジフェニルトリエトキシシランとモノエチルトリエトキシシランを1:9として得た部分縮合物を用い、80℃×15分の温風乾燥を挟む3回の重ね塗り処理をし、乾燥させて結束膜を形成させるものである。
本発明をトランスコアに適用することにより、200℃でも動作させることができ、コアの剛性が向上し、騒音が3dB低下した。
【0032】
[実施例6]
本発明を適用し、空隙付きコアを製作し、昇圧チョッパ用リアクトルに使用した。図8に示すように、巻コア21を成形しその状態で結束液ジフェニルジエトキシシランとテトラメトキシシランを1.5:8.5として得た部分縮合物に浸漬し乾燥させ、成形形状を維持したままコア積層を結束した。その後、空隙部22を加工するため、空隙加工近傍を押さえ、切断した。一方、その切断した巻コアに挿入する巻線を前もって、結束液を表面に付着乾燥させた巻線を巻加工、成形したのち、再度、結束液に浸漬し乾燥させた。その後、この成形したコアを切断コアに挿入して、2つの切断したコアを切断部を対向させ、空隙を設け、その空隙を維持するために、非磁性の絶縁物23を挿入し、巻線24を施した。その状態で、再度、結束液に入れ結束膜25を形成させ乾燥した。
この結束膜は500℃までは少なくとも耐えるものであるので、このリアクトルはリアクトル以外の部品が耐熱温度になるまで十分に動作させることができ、コア自体が高剛性であり、騒音振動の原因となる空隙も一体の構造物に成っているので、騒音を低減できた。
【0033】
[実施例7]
方向性電磁鋼板を打ちぬき、螺旋加工して、一枚の8極モータ用円形電機子コアをつくる。この螺旋コアを回し積み積層したものを結束液モノメチルトリメトキシシランとテトラメトキシシランの1:1として得た部分縮合物溶液に浸漬し、乾燥後の膜厚として15μmになるように浸漬し、乾燥固定して、電機子コアをつくり、その後、800℃で歪み取り焼鈍を行った。引き続き、結束液を巻線表面に付着させ、室温で乾燥させた巻線をこの電機子コアに施して、電機子を製作した。この方向性電磁鋼板の螺旋コアは歯部が方向性電磁鋼板の圧延方向になり、歯部の磁気特性が極めて優れているので、モータ鉄損が低減できる。螺旋加工では、表面皮膜の剥離が生じるが、本発明の処理で、皮膜剥離部の表面皮膜も形成され、問題が回避できる。また、結束液を浸漬し、乾燥固定したこの電機子コアは800℃の歪み取り焼鈍をすることができるので、螺旋加工による歪みを除去でき、方向性電磁鋼板素材特性を活用することができる。
【0034】
[実施例8]
本発明を用いて、500℃の簡易小型加熱炉を製作した。
結束液として、モノメチルトリメトキシシランとテトラメトキシシランの1:1として得た部分縮合物溶液を用い、その結束液をヒータ線表面に付着させ、室温で乾燥させたヒータ線を加熱炉の内壁表面に配置し、内壁部材ごと、再度、結束液に浸漬し乾燥させ、ヒータ付き内壁部材を製作した。このヒータ付き内壁部材を用いて、加熱炉を製作した。ヒータ線は炉内にむき出しであるが、ヒータ線の表面が結束液による乾燥膜が生成されており、電気絶縁の効果が高温まで維持できる。この加熱炉は構造がシンプルであり、小型加熱炉に適している。
【0035】
[実施例9]
本発明を用いて、HDD用ボイスコイルモータのボビンレスの可動コイルを製作した。結束液として、モノメチルトリメトキシシランとテトラメトキシシランの1:1として得た部分縮合物溶液を用い、その結束液を平角アルミ導線表面に付着させ、室温で乾燥させた平角アルミ導線をモータコイルに巻き成型し、その後、その成型コイル自体ごと、再度、結束液に浸漬し乾燥させ、可動コイルを製作した。本実施例で用いた結束液による固定、絶縁はアルミ融点までも問題なく、ボイスコイルモータ可動コイルで問題となる機械振動、強度でも有利である。
【0036】
【発明の効果】
本発明による高温動作電気機器は、巻線の耐熱温度が高くでき、巻線や磁性材料からなるコア、ヨークの固定結束も高温まで問題ないので、巻線に流す電流を大きくでき、機器の高出力化できる。また、この高温動作電気機器は高温になる箇所で使用できる。
【0037】
電動機、アクチュエータ、発電機、トランス、リアクトルなどのコアに用いられる電磁鋼板の積層コアを本発明を適用してつくると、従来、使用されているかしめ、溶接を使用しないので、交流励磁での短絡電流の問題が発生しない。更に、本発明による結束は、室温レベルでの乾燥でも行われているので、結束のために、応力歪が入り難い。このように、本発明の方法で、電磁鋼板の積層コアを結束されると、機器性能劣化が抑制できる。
【0038】
本発明は、結束液をスプレーするか、結束液に浸し乾燥させるものであり、磁性部材の外面全体をも覆うものである。従って、従来の打ちぬき積層し、加工端面が外面に出ている磁性部材と比べ、耐錆性が高くなる。また、導線や磁性材料が他の部材と電気的にも絶縁されるので、電動機などでの磁性部材あるいは接する他の部材との電気的な問題がなくなる。
【0039】
更に、導線や磁性材料の接着、結束の面積が、結束液を乾燥させた後の膜により、従来の溶接やカシメ、ボルト締めに比較してより大きくなる。従って、熱伝達性が、従来の溶接やカシメ、ボルト締めによる結束の場合より優れている。また、導線からなるコイルや磁性材料からなる磁性部材の剛性も高くなるので、電動機や変圧器などの騒音振動の問題や他の機械的な問題の回避につながる場合がある。
【0040】
結束液を乾燥させた後の膜が高硬度であれば、磁性部材の機械的な保護にも効果的である。電磁鋼板の打ちぬき積層コアでは、打ちぬきによるカエリが問題となるが、カエリを覆う厚さに膜厚を制御すれば、カエリによる諸問題も回避できる。例えば、コアに本発明を適用すれば、導線を巻いても、カエリによる巻線の絶縁皮膜を傷つけることがなくなり、コアに通常行われている絶縁処理は不要になる。本方法による結束は、磁性部材を全面あるいは部分的に覆い被せるものでもあり、シール性も保持できる。
【0041】
本発明で提案している結束液は、通常のワニス処理でもちいる樹脂の様に有害成分を含まないので、環境上も問題がなく、また、高温度でも結束に問題ないので、通常の接着で生じる高温での問題点もなく、電磁鋼板の磁気変異点まで使用できる。
【0042】
モータ磁石などの結束も、磁石ヨークなどとの接着部に、結束液を付けることが出来ればある程度の結束力が保たれる。最近では埋め込み磁石型の電動機や発電機が多用されるようになると、本発明の方法、例えば、界磁子(磁石埋め込み状態)を結束液に浸漬したり、磁石に結束液をスプレー塗布し、磁石を界磁子に挿入すれば、簡単に結束できる。アウトガスが問題となる場合に、本発明を適用すれば比較的問題が少ない。
【0043】
本発明の磁性部材などの結束方法は工程が、結束液の浸漬やスプレーの工程と乾燥工程で良く、しかも、乾燥は比較的短時間に行なえ、コスト的にも有利である。従来の結束方法には、接着剤を用いたり、接着皮膜付き電磁鋼板を用いる方法があるが、本方法を採用する事により工程が簡単になる場合が多い。
【0044】
電動機などのコアは、加工歪などを除去する歪取り焼鈍や、素材自身の磁性向上を目的とする磁性焼鈍などにより磁気特性の向上が図られるが、本発明を適用したコアでは、焼鈍可能であり、焼鈍によるコア性能向上が実現できる。また、コアを曲げ成形状態で浸漬し乾燥すると、任意の形状のコアも製作可能である。
【0045】
本発明の電気機器の製造方法では、結束液を必要とするが、装置としては塗布装置と乾燥装置があれば実機可能であり、乾燥も比較的短時間で行なえる。従って、低設備費で、所用時間も短くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割コア片を示す図。
【図2】積層分割コアを押さえて固定している状態図。
【図3】結束膜が形成されている積層分割コアの部分詳細図。
【図4】結束膜の上に巻き線を施した積層分割コアの斜視図。
【図5】巻線を施した積層分割コアを結束液に浸漬している状態図。
【図6】積層分割コアをケースに結束している状態図。
【図7】IPMロータの断面図(a)と平面図(b)。
【図8】結束膜を形成させたリアクトルの断面図。
【符号の説明】
1:分割コア片 1A:分割コア
1B:結束されたコア 2:歯部
3:継鉄部
4a、4b、7a、7b:押さえバー
5、5A、14、25:結束膜
5′:加工のダレで出来る隙間 6、24:巻線
8:結束液 9a、9b:当て板
10:モータケース 11:IPMロータ
12:永久磁石 13:回転軸
21:リアクトルコア 22:空隙
23:絶縁物
Claims (7)
- 隣接する部材間に塗布し乾燥後、隣接する部材を相互に固定、保持する能力を発揮し、かつ200℃以上の高温でも固定、結束する能力を有する液として、R1 nSi(OR2)4−n(但し、n=0〜3、R1:炭素数1〜6の炭化水素基、R2:炭素数1〜6のアルキル基、R1、R2が複数の場合はそれぞれが異なるものでも良い。)で表される1種又は2種以上の有機珪素化合物の加水分解および部分脱水縮合反応によって生成される化合物からなる純シリコンポリマーを用い、同種あるいは異種の隣接する部材間の電気絶縁を確保しつつ、一体化された導線または導線および磁性材料を有することを特徴とする高温動作電気機器。
- 隣接する部材間に塗布し乾燥後、隣接する部材を相互に固定、保持する能力を発揮し、かつ200℃以上の高温でも固定、結束する能力を有する液として、R1 nSi(OR2)4−n(但し、n=0〜3、R1:炭素数1〜6の炭化水素基、R2:炭素数1〜6のアルキル基、R1、R2が複数の場合はそれぞれが異なるものでも良い。)で表される1種又は2種以上の有機珪素化合物の加水分解および部分脱水縮合反応によって生成される化合物からなる純シリコンポリマーを用い、導線または導線と磁性材料に前記液を塗布するか或いは前記液に導線または導線と磁性材料を浸漬し、次いで乾燥して同種あるいは異種の隣接する部材間の電気絶縁を確保しつつ、導線または導線および磁性材料を一体化することを特徴とする高温動作電気機器の製造方法。
- R1 nSi(OR2)4−nで表される有機珪素化合物において、少なくともn=0、1の有機珪素化合物を質量部で80%以上含有し、且つ、n=0の有機珪素化合物;n=1の有機珪素化合物の組成比率が1:20〜4:1の範囲である純シリコンポリマーを用いること特徴とする請求項2記載の高温動作電気機器の製造方法。
- 純シリコンポリマーとして熱硬化型の純シリコンポリマーを用いることを特徴とする請求項2または3に記載の高温動作電気機器の製造方法。
- 純シリコンポリマーへの添加剤として、一次粒子径7〜500nmのSiO2、Al2O3、及びTiO2のいずれか1種又は2種以上を0.1〜10質量部添加することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の高温動作電気機器の製造方法。
- 乾燥後の膜厚を3〜100μmとすることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の高温動作電気機器の製造方法。
- 乾燥温度を200℃以下とすることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の高温動作電気機器の製造方法。
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