JPH09241509A - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents

室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物

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JPH09241509A
JPH09241509A JP4863996A JP4863996A JPH09241509A JP H09241509 A JPH09241509 A JP H09241509A JP 4863996 A JP4863996 A JP 4863996A JP 4863996 A JP4863996 A JP 4863996A JP H09241509 A JPH09241509 A JP H09241509A
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hydrocarbon group
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Kazuhisa Ono
和久 小野
Tsuneo Mogi
恒雄 茂木
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性および深部硬化性に優れ、接着性
に優れたゴム状弾性体を与え、金属を腐食しない室温硬
化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ケイ素官能性ポリジオルガノシロ
キサン;(B)アルコキシ基またはアルケニルオキシ基
含有架橋剤;(C)アルミニウム、チタンもしくはジル
コニウムのアルコキシド、その誘導体、それらの部分加
水分解縮合物またはキレート化合物;ならびに(D)イ
ミノ基含有有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする室
温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温硬化性ポリオ
ルガノシロキサン組成物に関し、さらに詳しくは、湿気
の存在しない密封条件下では安定であり、空気中の水分
と接触することにより、室温で硬化してゴム状弾性体を
生じ、その際に各種の被着体に対して優れた接着性を発
現する接着性ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
特に本発明は、保存安定性および接着性に優れた室温硬
化性ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】室温で硬化してゴム状弾性体を生成する
ポリオルガノシロキサン組成物の中で、空気中の水分と
接触することによって硬化反応が生起するタイプのもの
は、縮合反応型の室温硬化性液状シリコーンゴム(RT
Vシリコーンゴム)として知られており、接着性に優れ
ているため、電気・電子工業や自動車工業などにおける
弾性接着剤およびコーティング材など、また建築用シー
リング材などとして広く用いられている。とりわけ、ア
ルコールを放出して硬化するタイプのものは、不快臭が
なく、金属類を腐食しないので、電気・電子機器などの
接着・シール剤、コーティング剤;建築用シーリング材
などとして広く使用されている。
【0003】このタイプの室温硬化性ポリオルガノシロ
キサン組成物は、ベースポリマーであるポリジオルガノ
シロキサンの末端基、および架橋剤に、それぞれケイ素
原子に結合するアルコキシ基が存在し、保存中に微量の
水分によって該アルコキシ基が分解してアルコールを生
成し、その影響で保存安定性が著しく阻害される。その
ため、このタイプの室温硬化性ポリオルガノシロキサン
組成物は、系中にアルコール捕捉剤を配合するか、硬化
触媒として、生成したアルコールが存在しても保存安定
性が良好で、かつ硬化性に優れるチタンアルコキシド系
化合物を用いるものが知られている。
【0004】このうち、硬化触媒としてチタンアルコキ
シド系化合物を用いるものは、ガラス、金属、プラスチ
ックなどの各種被着体に対する接着性が十分ではない。
それを解決するために、各種の接着性向上剤を配合する
ことが提案されている。
【0005】各種のケイ素官能基や硬化触媒による室温
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に、接着性向上剤
としてアミノアルキル基含有アルコキシシランを配合す
ることが提案されている。しかし、この系に該シランを
配合すると、硬化性を損なうという問題がある。また、
エポキシ基含有アルコキシシランまたは(メタ)アクリ
ロキシアルキル基含有アルコキシシランを配合しても、
十分な接着性が得られない。さらに、特開平1−306
469号公報には、メルカプトアルキル基含有アルコキ
シシランを配合することが提案され、優れた接着性が得
られているが、銅系金属への腐食性を生ずるので、その
用途に制約がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決して、保存安定性に優れ、室温において
比較的短時間に硬化し、しかも接着性、特に耐水接着性
に優れたゴム状弾性体を与え、しかも金属を腐食しない
接着性、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ケイ素原子
に結合した特定のイミノ基含有基を有する有機ケイ素化
合物を、接着性向上剤としてポリオルガノシロキサン組
成物に配合することにより、その目的を達成しうること
を見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の室温硬化性ポリオルガ
ノシロキサン組成物は、 (A)一般式:
【化2】 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の1価の炭化水素基を表し;R2 は−O
SiR3 3-p(OR4)p を表し、R3 はたがいに同一でも
異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素
基を表し、R4 は非置換またはアルコキシ基置換の1価
の脂肪族炭化水素基を表し、pは1〜3の数であり;n
は該(A)成分の25℃における粘度を20〜1,00
0,000cPにする数である)で示される、実質的に直
鎖状のケイ素官能性ポリジオルガノシロキサン100重
量部; (B)一般式: R5 4-qSi(OR6)q (式中、R5 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の1価の炭化水素化を表し;R6 は非置
換またはアルコキシ基置換の1価の脂肪族炭化水素基を
表し;qは平均2を越え、4以下の数である)で示され
るケイ素官能性シラン化合物またはその部分加水分解縮
合物0.5〜15重量部; (C)アルミニウム、チタンもしくはジルコニウムのア
ルコキシド、その誘導体、それらの部分加水分解縮合物
およびキレート化合物の1種または2種以上0.01〜
10重量部;ならびに (D)ケイ素原子に直接結合したアミノヒドロカルビル
基またはN−アミノアルキル置換アミノヒドロカルビル
基を有する有機ケイ素化合物と、有機カルボニル化合物
とを反応させて得られるイミノ基含有有機ケイ素化合物
0.01〜15重量部を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】(A)成分は、本発明の組成物に
おけるベースポリマーである。(C)成分の触媒作用に
より、空気中の水分によって分子末端のケイ素官能基が
加水分解され、(B)成分との反応、および場合によっ
ては(A)成分どうしの反応により網状シロキサン構造
を形成し、ゴム状弾性体となる。(A)成分は、前述の
一般式で示される実質的に直鎖状のケイ素官能性ポリジ
オルガノシロキサンであり、若干の分岐が存在していて
もよい。その末端基R2 は、ケイ素官能性基OR4 を少
なくとも1個有するケイ素官能性シロキシ単位である。
すなわち、該(A)成分は、分子の両末端に、上記のケ
イ素官能性基OR4 をそれぞれ少なくとも1個有する。
【0010】R1 は、たがいに同一でも異なっていても
よい置換または非置換の1価の炭化水素基である。R1
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのようなア
ルキル基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェ
ニル、トリル、キシリルのようなアリール基;および2
−フェニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラ
ルキル基が例示され;さらにこれらの炭化水素基の水素
原子の一部が他の原子または基で置換されたもの、すな
わちクロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−
トリフルオロプロピルのようなハロゲン化アルキル基;
3−シアノプロピルのようなシアノアルキル基などの置
換炭化水素基が例示される。これらのうち、合成が容易
で、(A)成分が分子量の割に低い粘度を有し、硬化前
の組成物に良好な押出し性を与えることと、硬化後の組
成物に良好な物理的性質を与えることから、全有機基の
85%以上がメチル基であることが好ましく、実質的に
すべての有機基がメチル基であることが特に好ましい。
一方、特に耐熱性、耐放射線性、耐寒性または透明性を
付与する場合は、R1 の一部として必要量のフェニル基
を;耐油性、耐溶剤性を付与する場合は、R1 の一部と
して3,3,3−トリフルオロプロピル基や3−シアノ
プロピル基を;また塗装適性を有する表面を付与する場
合は、R1 の一部として長鎖アルキル基やアラルキル基
を、それぞれメチル基と併用するなど、目的に応じて任
意に選択できる。
【0011】末端基R2 のケイ素原子に結合するR3
は、たがいに同一でも異なっていてもよく、またR1
同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の
炭化水素基であり、R1 と同様なものが例示される。合
成が容易で、OR4 の反応性が優れていることから、メ
チル基またはビニル基が好ましい。
【0012】R4 は、末端基R2 に少なくとも1個存在
するケイ素官能性基OR4 の一部を構成し、酸素原子を
介してケイ素原子に結合する有機基である。R4 として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチルのようなアルキ
ル基;2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−
ブトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシ
ブチルのようなアルコキシ置換アルキル基;およびイソ
プロペニルのようなアルケニル基が例示され、たがいに
同一でも異なっていてもよい。合成の容易さ、硬化前の
組成物の物性、保存中の安定性、硬化性、経済性および
広範囲の用途に用いられることから、メチル、エチル、
2−メトキシエチルおよびイソプロペニルが好ましく、
メチル基が最も好ましい。
【0013】末端基R2 におけるケイ素官能基OR4
数pは、1〜3である。そのうち、反応性が優れている
ことから、pが3であることが最も好ましい。
【0014】このような(A)成分は、たとえば、オク
タメチルシクロテトラシロキサンのような環状ジオルガ
ノシロキサン低量体を、水の存在下に酸性触媒またはア
ルカリ性触媒によって開環重合または開環共重合させる
ことによって得られた、両末端にそれぞれ1個の水酸基
を有するポリジオルガノシロキサンに、2個以上のOR
4 を有するシランを縮合させることによって、合成でき
る。この場合、該シランのOR4 はこの縮合反応によっ
て1個が消費されるので、反応によって得られたポリジ
オルガノシロキサンの末端基R2 におけるOR4 の数p
は、用いられた加水分解性基含有シランが有していたO
4 の数よりも1個少ない。
【0015】また、硬化前の組成物に適度の押出し性を
付与するとともに、硬化後のゴム状弾性体に優れた機械
的性質を与えるために、(A)成分のnは、該(A)の
25℃における粘度が20〜1,000,000cPにな
るように選択される。該粘度が20cP未満では硬化後の
ゴム弾性体の伸びが十分でなく、一方、1,000,0
00cPを越えると均一な組成物が得にくく、押出し作業
性も低下する。特に好ましい粘度は、硬化前および硬化
後の組成物に要求される性質を調和させることから、5
00〜200,000cPの範囲である。
【0016】本発明に用いられる(B)成分は、架橋剤
であって、実質的に直鎖状である(A)成分を架橋させ
て、網状シロキサン構造を与える。(B)成分は、一般
式: R5 4-qSi(OR6)q (式中、R5 、R6 およびqは前述のとおり)で示され
る。
【0017】R5 としては、(A)成分のケイ素原子に
直接結合した有機基R1 と同様な基を例示することがで
き、R1 と同一なものを用いても、異なるものを用いて
もよく、入手のしやすさと、優れた架橋反応速度が得ら
れることから、メチル基またはビニル基が好ましい。ま
た、R6 としては、(A)成分の末端基R2 に存在する
4 として挙げられたのと同様のものが例示され、R4
と同一なものを用いても、異なるものを用いてもよい。
【0018】このような架橋剤の例としては、テトラメ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシ
シランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなアル
コキシ基含有化合物;テトラキス(2−エトキシエトキ
シ)シラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シ
ラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
メチルトリス(2−エトキシエトキシ)シランおよびそ
れらの部分加水分解縮合物のような置換アルコキシ基含
有化合物;ならびにメチルトリイソプロペノキシシラ
ン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリ
イソプロペノキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシ
シラン、メチルビニルジイソプロペノキシシランおよび
それらの部分加水分解縮合物のようなエノキシ基含有化
合物が例示される。これらのうち、qが2であるシラン
は、qが3または4であるシランと併用されるか、3個
以上のOR4 基を有する(A)成分と共に用いられる。
硬化により、低モジュラスのゴム状弾性体を得るために
は、q=2のものを併用することが望ましい。
【0019】これらのうち、合成が容易で、組成物の保
存安定性を損なうことなく、しかも大きな架橋反応速
度、したがって大きな硬化速度を与えることから、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルト
リス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリス
(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロ
ペノキシ)シラン、およびそれらの部分加水分解縮合物
を用いることが好ましい。
【0020】(B)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して、通常、0.5〜15重量部であり、好
ましくは1〜10重量部である。0.5重量部未満では
架橋が十分に行われず、硬度の低い硬化物しか得られな
いばかりでなく、架橋剤を配合した組成物が増粘して、
保存安定性が悪い。一方、15重量部を越えて配合する
と、保存中にその一部が系より分離し、硬化が遅くな
り、得られたゴム状弾性体の物性が低下する。
【0021】本発明に用いられる(C)成分は、(A)
成分自体に架橋手段として含有されるOR4 どうし、お
よび/または(A)成分のOR4 と架橋剤のOR6
を、水分の存在下に反応させて架橋構造を形成させ、ゴ
ム状弾性体を得るための硬化触媒である。
【0022】(C)成分としては、アルミニウムトリエ
トキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アル
ミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n
−ブトキシド、アルミニウムトリイソブトキシド、アル
ミニウムトリ−sec −ブトキシド、アルミニウムトリ−
tert−ブトキシド、アルミニウムトリス(ヘキシルオキ
シド)、アルミニウムトリス(オクチルオキシド)、ア
ルミニウムトリス(2−エチルヘキシルオキシド)、ア
ルミニウムトリス(2−メトキシエトキシド)、アルミ
ニウムトリス(2−エトキシエトキシド)のような置換
または非置換のアルミニウムアルコキシド類およびそれ
らの部分加水分解縮合物;ジイソプロポキシ(アセチル
アセトナト)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ(アセチ
ルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセト
ナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセチ
ルアセタト)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ(エチル
アセトアセタト)アルミニウム、n−ブトキシビス(エ
チルアセトアセタト)アルミニウムのようなアルミニウ
ムキレート化合物;チタンテトラエトキシド、チタンテ
トラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシ
ド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−se
c −ブトキシド、チタンテトラキス(2−エチルヘキシ
ルオキシド)のような置換または非置換のチタンアルコ
キシド類およびそれらの部分加水分解縮合物;チタント
リイソプロポキシプロピレングリコラート、チタントリ
イソプロポキシオクチレングリコラート、チタンジ−n
−ブトキシビスヘキシレングリコラート、チタンジ−n
−ブトキシビスオクチレングリコラート、チタンビス
(オクチレングリコラート)のようなチタングリコラー
ト類;チタン酸トリエタノールアミンのようなチタンア
ルコキシド誘導体;ジイソプロポキシビス(アセチルア
セトナト)チタン、1,3−プロパンジオキシビス(ア
セチルアセトナト)チタン、ビス(アセチルアセトナ
ト)チタニル、テトラキス(アセチルアセトナト)チタ
ン、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセタト)チ
タン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセタト)
チタン、1,3−プロパンジオキシビス(エチルアセト
アセタト)チタンのようなチタンキレート化合物;ジル
コニウムテトラブトキシドのようなジルコニウムアルコ
キシドおよびその部分加水分解縮合物;テトラキス(ア
セチルアセトナト)ジルコニウム、ジブトキシビス(エ
チルアセトアセタト)ジルコニウムのようなジルコニウ
ムキレート化合物が例示され、保存安定性および硬化性
が優れ、銅系金属に対する腐食がないことから、チタン
テトラ−n−ブトキシドおよびジイソプロポキシビス
(アセチルアセトアセタト)チタンが好ましい。
【0023】(C)成分の配合量は、(A)成分100
重量部あたり0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部の範囲である。0.01重量部未満では、硬
化触媒として十分に作用せず、硬化に長い時間がかかる
ばかりでなく、特に空気との接触面から遠いゴム層の深
部における硬化が不十分となり、逆に10重量部を越え
る場合には、その配合量に見合う効果がなく、無意味で
あるばかりか、経済的に不利益であり、また保存安定性
が悪くなるからである。
【0024】(D)成分のイミノ基含有有機ケイ素化合
物は、本発明の組成物に優れた保存安定性、深部硬化性
および接着性を付与し、硬化後の組成物に透明性の優れ
た外観と接着性、特にその耐水性を与える、本発明にお
いて最も特徴的な成分である。(D)成分は、ケイ素原
子に直接結合したアミノヒドロカルビル基またはN−ア
ミノアルキル置換アミノヒドロカルビル基を有する有機
ケイ素化合物と、有機カルボニル化合物とを反応させて
得ることができる。
【0025】有機ケイ素化合物としては、上記の基を有
するアルコキシシラン、エノキシシラン、ケトキシマト
シランのようなシラン類;ならびにシロキサンオリゴマ
ーおよび高分子ポリシロキサンのようなシロキサン類が
例示されるが、これらに限定されるものではない。上記
のアミノ基含有基は、好ましくは、一般式−Q1 〔NH
2a NH2 (式中、Q1 は、該Q1 に隣接するケイ
素原子と窒素原子の間に3個以上の炭素原子を有し、脂
肪族不飽和結合を含まぬ2価の炭化水素基を表し;Q2
は2個以上の炭素原子を有するアルキレン基を表し;a
は0または1の数である)で示される。Q1 としては
1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,3−ブチ
レン、1,6−ヘキシレンなどのアルキレン基;および
p−フェニレンエチル−2−エンなどのアリーレンアル
キレン基が例示され、合成が容易なことから1,3−プ
ロピレン基が好ましい。Q2 としてはエチレン、1,3
−プロピレン、1,4−ブチレンなどのアルキレン基が
例示される。このようなアミノ基含有基としては、3−
アミノプロピル、4−アミノブチル、3−アミノブチル
のようなアミノアルキル基;N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルのようなN−アミノアルキル置換
アミノアルキル基;および2−(4−アミノフェニル)
エチルのようなアミノアラルキル基が例示され、合成が
容易で、それより得られる(D)成分が組成物に優れた
接着性を付与することから、3−アミノプロピルおよび
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルが好ま
しい。
【0026】このようなアミノ基含有有機ケイ素化合物
としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリプロポキシシラン、3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキ
シシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、4−
アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルジメチルメトキシシラン、2−(4−アミノフ
ェニル)エチルトリメトキシシランのようなアルコキシ
シラン類;3−アミノプロピルトリス(プロペニルオキ
シ)シラン、N−(アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリス(プロペニルオキシ)シランのようなエノキシ
シラン類;3−アミノプロピルトリス(メチルエチルケ
トキシマト)シラン、N−(アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリス(メチルエチルケトキシマト)シラン
のようなケトキシマトシラン類;3−アミノプロピル
(メチルエチルケトキシマト)ジメトキシシラン、3−
アミノプロピル(メチルエチルケトキシマト)ジエトキ
シシラン、3−アミノプロピルビス(メチルエチルケト
キシマト)メトキシシラン、3−アミノプロピルビス
(メチルエチルケトキシマト)エトキシシラン、N−
(アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチルエチル
ケトキシマト)ジメトキシシランのようなケイ素官能性
混成シラン類;ならびに1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
1,3−ビス〔N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチル
シロキサン、α,ω−ビス〔N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピル〕ポリジメチルシロキサンのよう
なシロキサン類が例示され、(D)成分を大量に用いて
も該(D)成分が硬化前に組成物より分離したり、組成
物を硬化させて得られるゴム状弾性体より分離してにじ
み出す現象がないことから、アルコキシ基のようなケイ
素官能性を有するシラン類が好ましく、接着性と硬化性
がともに優れていることから、3個のケイ素官能性基、
特にメトキシ基またはエトキシ基を有するシランが好ま
しい。
【0027】アミノ基含有有機ケイ素化合物と反応させ
る有機カルボニル化合物としては、一般式:
【化3】 (式中、R7 およびR8 はそれぞれ独立して、水素原
子、またはカルボニル基もしくはエステル結合を含んで
いてもよい1価の炭化水素基を表し;Q3 は4個以上の
炭素原子を有する2価の炭化水素基を表す)で示され、
分子中に1個または2個以上のカルボニル基が存在する
鎖状および環状のケトン化合物およびアルデヒド化合物
が包含される。R7 とR8 はたがいに同一でも異なって
いてもよく、水素原子のほか;メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシルのような直鎖状または
分岐状のアルキル基;ベンジルのようなアラルキル基;
フェニルのようなアリール基;メチルカルボニル、メチ
ルカルボニルメチル、メチルカルボニエチルのようなカ
ルボニル含有炭化水素基;メトキシカルボニルメチル、
エトキシカルボニルメチルのようなエステル結合含有炭
化水素基が例示される。Q3 としては、カルボニル炭素
原子とともにシクロペンチル、シクロヘキシル、フェニ
ルのような1価の環状炭化水素基を形成する2価の炭化
水素基が例示される。
【0028】このような有機カルボニル化合物として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケ
トン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、
ジブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン、アセトフェノンのような通常のモノケトン化合物;
アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルのようなケトカル
ボン酸エステル;およびジアセチル、アセチルアセト
ン、アセトニルアセトンのようなジケトン化合物などの
ケトン類;ならびにホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドのような
アルデヒド類が例示される。
【0029】本発明の組成物が空気中の水分によって硬
化する際、または硬化後に、(D)成分が加水分解して
有機カルボニル化合物を脱離するのに伴って、常温ない
し比較的低い温度の加熱によって該有機カルボニル化合
物が揮発するためには、常温において高い蒸気圧を有す
る化合物であることが好ましい。ただし、アルデヒド類
などを水溶液として反応させる際には、アミノ基含有有
機ケイ素化合物として、ケイ素官能性基を含まぬシロキ
サン類を選択することが好ましい。
【0030】(D)成分は、前記のように、アミノ基含
有有機ケイ素化合物と有機カルボニル化合物とを反応さ
せることによって合成される。反応は、反応式:
【化4】 で示される可逆的な脱水縮合反応であり、生成する水を
系外に留去することにより、平衡は右に移動し、(D)
成分が得られる。
【0031】原料のアミノ基含有有機ケイ素化合物と有
機カルボニル化合物の使用量は、等量もしくは有機カル
ボニル化合物を過剰に用いるのが好ましい。その使用量
の比は、1:1〜100が好ましく、1:1.05〜2
0がより好ましい。反応温度は、使用するアミノ基含有
有機ケイ素化合物と有機カルボニル化合物の種類により
異なるが、通常は常温〜200℃、好ましくは50〜1
50℃である。反応時間は1〜600分、好ましくは5
〜300分である。反応の際に、トルエンなどの溶媒、
および/または塩酸のような酸などの触媒を、必要に応
じて添加してもよい。圧力は常圧近傍でよいが、必要に
応じて若干の加圧もしくは減圧にすることも差し支えな
い。(D)成分の製造の際に、反応の平衡を移行させる
ために、生成した水を系外に除くことがきわめて有効で
あって、水との間に共沸混合物を形成する溶媒、たとえ
ばシクロヘキサン、トルエン、キシレンなどを共沸用添
加剤として、共沸蒸留によって脱水する方法が推奨でき
る。さらに、シリカゲル、モレキュラーシーブなどの脱
水剤を使用して、反応を進行させることも可能である。
【0032】このようにして得られた(D)成分は、代
表的には、分子中にケイ素子に結合した少なくとも1個
の、一般式: −Q1 〔NHQ2a N=CR78 または−Q1 〔N
HQ2a N=CQ3 (式中、Q1 、Q2 、Q3 、R7 、R8 およびaは前述
のとおり)で示されるイミノ基含有基を有する。(D)
成分がこのようなイミノ基含有基を2個以上有する場
合、該イミノ基含有基は同一のケイ素原子に結合してい
ても、別個のケイ素原子に結合していてもよいが、合成
が容易なことから、別個のケイ素原子に結合しているこ
とが好ましい。また、有機カルボニル化合物に2個以上
のカルボニル基が存在し、2個以上のカルボニル基がそ
れぞれアミノ基含有有機ケイ素化合物と反応するとき
は、さらに複雑な構造の化合物が得られ、これらも
(D)成分として用いることができる。
【0033】(D)成分の配合量は、(A)成分100
重量部あたり0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜
10重量部である。0.1重量部未満では、接着性およ
び耐水性の向上に十分な効果が得られず、15重量部を
越えて使用してもそれに見合う効果がなく、経済的に不
利であるばかりでなく、保存中に組成物から(C)成分
が分離する傾向がある。
【0034】本発明の組成物は、(A)、(B)、
(C)および(D)成分を含むことを特徴とする室温硬
化性ポリオルガノシロキサン組成物であるが、さらに、
接着性の耐水性を改善するために、必要に応じて(E)
成分として、オキシラン環含有有機ケイ素化合物を配合
してもよい。
【0035】オキシラン環含有有機ケイ素化合物として
は、オキシラン環で置換され、分子鎖中にエーテル酸素
原子が存在していてもよい1価の炭化水素基がケイ素原
子に結合しているオキシラン環含有有機ケイ素化合物が
挙げられる。該ケイ素化合物としては、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシランのようなグリシドキシ基含有アルコ
キシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランのような脂環式エポキシ基含
有アルコキシシラン;ならびに1,3−ビス(3−グリ
シドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサンおよび1,3−ビス〔2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチル〕−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサンのようなオキシラン環含有シロキサ
ンが例示され、組成物の各成分との相溶性がよく、硬化
後の組成物からの(E)成分の分離がなく、硬化後の組
成物の透明性を損なわず、物性も低下しないことから、
オキシラン環を有するアルコキシシランを用いることが
好ましく、オキシラン環の反応性から、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシランのようなグリシドキシ基含
有アルコキシシランがさらに好ましい。
【0036】(E)成分の配合量は、(A)成分100
重量部あたり0.01〜15重量部が好ましく、相溶
性、保存安定性および硬化して得られるゴム状弾性体の
物性を考慮して、0.05〜10重量部がさらに好まし
い。0.01重量部未満では接着性の十分な耐水性が得
られず、15重量部を越えると組成物中の相溶性が低下
するばかりでなく、保存中に組成物の粘度が増大して作
業性の低下を招く。
【0037】本発明の組成物に、硬化前に適度の流動性
を与え、硬化して得られるゴム状弾性体に、たとえばシ
ーリング材、接着剤、現場成形ガスケットなどとして用
いる場合に要求される高い機械的強度を付与するため
に、無機質充填剤を添加することが好ましい。このよう
な無機質充填剤としては、煙霧質シリカ、焼成シリカ、
沈殿シリカ、煙霧質酸化チタン、およびこれらの表面を
オルガノクロロシラン類、ポリオルガノシロキサン類、
ヘキサメチルジシラザンなどで疎水化したもののような
補強性充填剤;ならびにけいそう土、粉砕シリカ、アル
ミノケイ酸、炭酸カルシウム、有機酸表面処理炭酸カル
シウム、マグネシア、アルミナのような非補強性充填剤
が例示され、硬化して得られるゴム状弾性体に必要な物
性に応じて選択される。たとえば、透明性が要求される
場合には、煙霧質シリカを用いることが好ましく、建築
用シーリング材として、特に低いモジュラスを有するこ
とが要求される場合には、これらのうち非補強性充填剤
を用いることが好ましい。上記の補強性充填剤の添加量
が少なすぎると、機械的特性向上の効果がほとんど現わ
れず、逆に多すぎる場合には、モジュラスが大きくな
り、破断の際の伸びが小さくなる。したがって、これら
の充填剤の添加量は、(A)100重量部に対して1〜
200重量部の範囲が好ましく、5〜100重量部がよ
り好ましい。
【0038】さらに、本発明の組成物には、目的に応じ
て、顔料、チクソトロピー性付与剤、押出し作業性を改
良するための粘度調整剤、紫外線防止剤、防カビ剤、耐
熱向上剤、前述の(D)成分および(E)成分以外の接
着向上剤、難燃化剤、表面樹脂化防止剤など、各種の添
加剤を加えてもよい。
【0039】本発明の組成物は、すべての構成成分、お
よび必要に応じて配合される各種の添加剤を、湿気を遮
断した状態で混合することによって調製できる。得られ
た組成物は、単一の非透湿性密閉容器中にそのまま保存
し、使用時に該容器より押出しなどの方法によって放出
し、空気中の水分にさらすことによって硬化させる、い
わゆる1包装型室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成
物として用いることができる。
【0040】また、本発明の組成物において、(A)、
(B)、(C)および(D)成分の組合せのうち少なく
とも一種を別の容器に保存しておき、使用直前に混合し
て押出すことにより、硬化させる、いわゆる2包装型室
温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物として用いるこ
ともできる。このような包装形態においては、たとえば
(A)成分を一方の容器に、(B)、(C)および
(D)成分を他方の容器に保存してもよく;(A)成分
と(B)成分を一方の容器に、(C)成分と(D)成分
を他方の容器に保存してもよく;あるいは(A)、
(B)および(D)成分を一方の容器に、(C)成分を
他方の容器に保存してもよい。また、充填剤その他の必
要に応じて配合される成分は、任意に、その一方または
両方の容器の成分に混合してもよいが、(E)成分がケ
イ素官能性基を有する場合、保存形態を決定するうえ
で、それらは架橋剤と同様の注意が必要である。
【0041】
【発明の効果】本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキ
サン組成物は、密封条件下で保存安定性に優れ、各種被
着体に対する接着性が優れるうえに、金属を腐食しない
という特徴を有する。さらに、(E)成分を配合するこ
とによって、接着性の耐水性を改善することができる。
【0042】したがって、本発明の組成物は、電気・電
子部品の封止材、弾性接着・シール材、防湿コーティン
グ剤などとして有用なほか;繊維製品、ガラス、金属、
プラスチックなどのコーティング剤や接着剤;建築用シ
ーリング材として好適に用いられる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例および比較例によって、本発
明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に
よって限定されるものではない。なお、実施例中、部は
すべて重量部を表し、粘度などの物性値はすべて25℃
における値である。
【0044】合成例1:N−(1,3−ジメチルブチリ
デン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパナミ
ンの合成 窒素導入管、温度計、還流冷却器および撹拌機を備えた
反応容器に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン2
21部とメチルイソブチルケトン200gとを仕込み、
撹拌しながら加熱して、メチルイソブチルケトンの還流
状態で温度を105〜115℃に8時間保った後、さら
に加熱と撹拌を続けながらメチルイソブチルケトンを留
去した。留出物中の水分を測定して、脱水縮合が90%
以上進行したことを確認し、さらに残存したメチルイソ
ブチルケトンを留去して、N−(1,3−ジメチルブチ
リデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパナ
ミン279部を得た。収率は理論量に対して92%であ
った。
【0045】合成例2:N−(1−メチルプロピリデ
ン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパナミン
の合成 合成例1で用いたのと同様の装置に、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン179部とメチルエチルケトン1
44部を仕込み、合成例1に準じてメチルエチルケトン
の還流と留去を行うことにより脱水縮合を行い、N−
(1−メチルプロピリデン)−3−(トリメトキシシリ
ル)−1−プロパナミンを得た。
【0046】接着性および耐水性−実施例1、2、比較
例1 粘度15,000cPのα,ω−ビス(トリメトキシシリ
ル)ポリジメチルシロキサン100部と、BET法によ
る比表面積が110m2/gで、ヘキサメチルジシラザンで
表面処理された煙霧質シリカ12部とを、室温で30分
混合した後、さらに180℃に加熱しながら減圧にし、
40Torrで均一になるまで混合して、混合物を得た。こ
れに、メチルトリメトキシシラン5部、ジイソプロポキ
シビス(エチルアセトアセタト)チタン1.5部、およ
び合成例1で得られたN−(1,3−ジメチルブチリデ
ン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパナミン
1.0部を、湿気を遮断した状態で配合し、均一になる
まで混合して、実施例1の室温硬化性ポリオルガノシロ
キサン組成物を調製した。これを空気中の湿気を遮断す
るようにアルミニウム製チューブに密封して保存した。
【0047】さらに3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン1.0部を配合したほかは実施例1と同様に
して、実施例2の組成物を調製し、保存した。また、N
−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキ
シシリル)−1−プロパナミンを配合しないほかは実施
例1と同様にして、比較例1の組成物を調製し、保存し
た。
【0048】これらの組成物の接着性を、タブ接着性試
験法によって測定した。すなわち、それぞれ幅25mm、
長さ80mm、厚さ2mmのアルミニウム、銅、ガラス、エ
ポキシ樹脂またはポリカーボネートを被着体として用
い、それぞれの被着体に、各組成物をチューブより、幅
15mm、長さ40mm、厚さ5mmのビード状に押し出し、
温度20℃、相対湿度55%の条件下に168時間放置
して硬化させ、試料とした。この試料を引張接着試験に
かけ、硬化した組成物を被着体から剥離させて、剥離面
を観察し、硬化物層で破断した割合を凝集破壊率とし
た。
【0049】同様の方法で作成した試料を、50℃の温
水中に72時間浸漬した後、上記と同様に接着性を測定
することにより、接着性の耐水性を評価した。
【0050】これらの試料の組成、および凝集破壊率の
初期値と温水浸漬後の値を、まとめて表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】物理特性および保存安定性−実施例1、比
較例2 α,ω−ビス(トリメトキシシリル)ポリジメチルシロ
キサンの代わりに、粘度15,000cPのα,ω−ジヒ
ドロキシポリジメチルシロキサンを用いたほかは実施例
1と同様にして、比較例2の組成物を調製し、保存し
た。前述の実施例1の組成物と、比較例2の組成物につ
いて、物理特性と保存安定性の比較を行った。すなわ
ち、それぞれの組成物をチューブからシート成形用金型
に押し出し、温度20℃、相対湿度55%の条件下で1
68時間放置して硬化させ、厚さ2.5mmのシートを作
製した。このシートから得た試料の物理特性を、JIS
K6301に従って測定した。
【0053】別に、アルミニウムチューブに保存した組
成物を、50℃の加熱オーブン中に4週間放置すること
により、加熱エージングを行った。この組成物を室温に
戻して、上記と同様に押し出して硬化させて、同様の試
料を得、同様の測定を行うことにより、保存安定性を評
価した。
【0054】これらの結果を表2に示す。比較例2の試
料は、加熱エージングの後では十分に硬化せず、物理特
性が得られなかった。
【0055】
【表2】
【0056】銅の腐食性−実施例1、2、比較例3 さきに調製して、密封保存した実施例1および実施例2
の組成物を用い、下記の方法1および2によって、比較
例3の組成物との間で銅の腐食性の比較を行った。ただ
し、比較例3の組成物は、N−(1,3−ジメチルブチ
リデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパナ
ミンの代わりに3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン1.0部を配合したほかは実施例1と同様にして調
製し、保存したものである。
【0057】方法1:それぞれ脱イオン水10gを入れ
た500mlガラス瓶に組成物15gを加え、その上方
に、表面をサンドペーパーで磨き、活性面を露出させた
厚さ1mmの銅板を吊して、密栓放置した。これを温度4
0℃に168時間放置して、銅板表面の状態を観察し
た。なお、比較のために、組成物を入れないブランクサ
ンプルに同様の銅板を吊して、同様の条件に密栓放置し
た。
【0058】方法2:表面をサンドペーパーで磨き、活
性面を露出させた厚さ2mmの銅板の表面に、組成物10
gを内径6.2mmのノズルから押し出してビード状に塗
布し、温度50℃に72時間放置して、銅板表面の状態
を観察した。この場合も、組成物を塗布しないブランク
サンプルを用いて、比較に供した。
【0059】これらの実験の結果、放置後の銅板表面の
状態は、表3のとおりであった。
【0060】
【表3】
【0061】接着性の比較−実施例3〜6、比較例4、
5 各種の組成物を調製して、同様にアルミニウムチューブ
に密封して保存した。
【0062】(1)N−(1,3−ジメチルブチリデ
ン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパナミン
の代わりに、合成例2で得られたN−(1−メチルプロ
ピリデン)−3−(トリメトキシシシル)−1−プロパ
ナミン1.0部を用いたほかは実施例1と同様にして、
実施例3の組成物を得た。
【0063】(2)粘度15,000cPのα,ω−ビス
(トリメトキシシリル)ポリジメチルシロキサン100
部と、平均粒子径2.2μm の炭酸カルシウム100部
とを、室温で30分混合した後、さらに180℃に加熱
しながら減圧にし、40Torrで均一になるまで混合し
て、混合物を得た。これに、メチルトリメトキシシラン
5部およびジイソプロポキシビス(エチルアセトアセタ
ト)チタン1.5部を、湿気を遮断した状態で配合し、
均一になるまで混合して、比較例4の組成物を得た。同
様に、これにさらにN−(1,3−ジメチルブチリデ
ン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパナミン
1.0部を配合した実施例4の組成物、およびN−(1
−メチルプロピリデン)−3−(トリメトキシシリル)
−1−プロパナミン1.0部を配合した実施例5の組成
物を得た。
【0064】(3)粘度13,000cPのα,ω−ビス
(メチルジメトキシシリル)ポリジメチルシロキサン1
00部と、BET法による比表面積が200m2/gの煙霧
質シリカ11部とを、室温で30分混合した後、さらに
40Torrで均一になるまで混合して、混合物を得た。こ
れに、ビニルトリメトキシシラン4部およびチタンテト
ラ−n−ブトキシド1.5部を、湿気を遮断した状態で
配合し、均一になるまで混合して、比較例5の組成物を
得た。同様に、これにさらにN−(1,3−ジメチルブ
チリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパ
ナミン1.0部を配合した実施例6の組成物を得た。
【0065】これらの組成物を、実施例1で得られた組
成物と同様に密封保存した後、実施例1で行ったのと同
様に各種被着体の表面に押し出して硬化させ、得られた
試料の引張接着試験を行った。その結果は、表4に示す
とおりであった。
【0066】
【表4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: 【化1】 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
    換または非置換の1価の炭化水素基を表し;R2 は−O
    SiR3 3-p(OR4)p を表し、R3 はたがいに同一でも
    異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素
    基を表し、R4 は非置換またはアルコキシ基置換の1価
    の脂肪族炭化水素基を表し、pは1〜3の数であり;n
    は該(A)成分の25℃における粘度を20〜1,00
    0,000cPにする数である)で示される、実質的に直
    鎖状のケイ素官能性ポリジオルガノシロキサン100重
    量部; (B)一般式: R5 4-qSi(OR6)q (式中、R5 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
    換または非置換の1価の炭化水素化を表し;R6 は非置
    換またはアルコキシ基置換の1価の脂肪族炭化水素基を
    表し;qは平均2を越え、4以下の数である)で示され
    るケイ素官能性シラン化合物またはその部分加水分解縮
    合物0.5〜15重量部; (C)アルミニウム、チタンもしくはジルコニウムのア
    ルコキシド、その誘導体、それらの部分加水分解縮合物
    およびキレート化合物の1種または2種以上0.01〜
    10重量部;ならびに (D)ケイ素原子に直接結合したアミノヒドロカルビル
    基またはN−アミノアルキル置換アミノヒドロカルビル
    基を有する有機ケイ素化合物と、有機カルボニル化合物
    とを反応させて得られるイミノ基含有有機ケイ素化合物
    0.01〜15重量部を含むことを特徴とする室温硬化
    性ポリオルガノシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 (C)が、分子中にケイ素原子に結合し
    た少なくとも1個の、一般式: −Q1 〔NHQ2a N=CR78 または−Q1 〔N
    HQ2a N=CQ3 (式中、Q1 は、該Q1 に隣接するケイ素原子と窒素原
    子の間に3個以上の炭素原子を有し、脂肪族不飽和結合
    を含まぬ2価の炭化水素基を表し;Q2 は2個以上の炭
    素原子を有するアルキレン基を表し;R7 およびR8
    それぞれ独立して、水素原子、またはカルボニル基もし
    くはエステル結合を含んでいてもよい1価の炭化水素基
    を表し;Q3 は4個以上の炭素原子を有する2価の炭化
    水素基を表し;aは0または1の数である)で示される
    イミノ基含有基を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、(E)オキシラン環含有有機ケ
    イ素化合物を0.01〜15重量部含有する、請求項1
    または2記載の組成物。
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