JP2006157991A - コイル、コイルカセット、モータと、コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コイルに発生する熱を効果的にティースに伝達する(逃がす)ことのできるコイル、コイルカセット、モータと、該コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法を提供する。
【解決手段】 導線2をワニス槽4に通し、導線2のまわりに付着したワニス3が未乾燥の状態で、該導線2をモータを構成するロータまたはステータのティースのまわりに巻き回すことによりコイルが成形される。コイルの成形に際しては、コイルボビン1まわりに導線2を巻き回すことによって成形されるコイルカセットとしてもよい。ワニス3内には、伝熱材料を含有させておくこともできる。
【選択図】 図2
【解決手段】 導線2をワニス槽4に通し、導線2のまわりに付着したワニス3が未乾燥の状態で、該導線2をモータを構成するロータまたはステータのティースのまわりに巻き回すことによりコイルが成形される。コイルの成形に際しては、コイルボビン1まわりに導線2を巻き回すことによって成形されるコイルカセットとしてもよい。ワニス3内には、伝熱材料を含有させておくこともできる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、コイル、コイルカセット、モータと、コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法に係り、特にコイルに発生する熱を効果的にティースに伝達することのできるコイル、コイルカセット、モータと、該コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法に関するものである。
モータの出力を向上させる方策の一つとして、起磁力を増加させる方法がある。この起磁力を増加させるためには、コイルへの電流を増加させたり、コイルを構成する導線の巻き線数を増加させる方法が一般的である。
ところで、起磁力を増加させることによってモータ出力が向上する一方で、コイルには起磁力の増加に伴ってジュール熱も多く発生してしまうといった弊害がある。このジュール熱の増加は、モータ効率の低下に繋がるため、コイルに発生するジュール熱をティース(鉄心)側へいかに伝達させるか(逃がすか)が、大きな課題であった。
上記するジュール熱は、起磁力の増加のほかに、コイルに渦電流が生じることによっても生じる。この渦電流は、ロータ側からステータまわりに形成されたコイルに入ってくる磁束密度の変化によって励起されるものであり、この渦電流によってコイルに発熱が生じる。
上記するような起磁力による発熱や渦電流による発熱が、コイルからティース側へ伝達され難い原因の一つとして、隣接導線間の空隙(空気層)の介在が挙げられる。この空隙の存在により、コイルで生じた熱はティース側へ伝達され難くなり、コイル内に熱が留まることとなる。
上記課題に対して、従来はコイルエンドに樹脂モールドを施したり、ワニスを含浸させるなどして、コイルから樹脂モールドまたはワニスを経てティースへ熱を伝達させる方法が試みられている。しかし、樹脂モールドやワニスはコイル間に充填され難く、依然としてコイル間の空隙が残ってしまい、十分な熱の伝達効果を得るに至っていないのが現状である。
ところで、特許文献1においては、エナメル巻線間の空隙をなくすことによって、絶縁信頼性の高い固定子巻線に関する発明が開示されている。この固定子巻線は、スロットの内壁面に沿って挿入されたスロット絶縁層と、スロット絶縁層の内側にエナメル皮膜で絶縁されたマグネットワイヤをコイル間絶縁層の上下にそれぞれ巻き回すことによってできる上下のコイルと、スロット開口部を塞ぐくさびから構成される。このスロット間絶縁層やコイル間絶縁層、くさびは予め硬化促進処理された膨張性フリース材を基材層として含んでおり、この硬化促進剤と反応した熱硬化性樹脂の硬化物によってボイドレス絶縁構造が形成される。
また、特許文献2には、コイル間の絶縁処理方法に関する発明が開示されている。この絶縁処理方法は、電磁用コイルに通電加熱しながらコイル表面に流動浸漬塗装法によって厚さ0.1〜10mmの粉体塗料塗膜を形成させ、無溶剤型含浸樹脂を真空含浸させ、コイルを回転させながら無溶剤型含浸樹脂の硬化させるものである。
特許文献1のボイドレスエナメル巻線の絶縁方式固定子巻線によれば、絶縁信頼性の高い固定子巻線を得ることができる。また、特許文献2のコイル間の絶縁処理方法によれば、高性能の絶縁コイルが得られる。しかし、特許文献1の発明においては、コイルの構成が複雑である上、コイル成形に要するコストの高騰が否めない。また、特許文献2の発明においては、流動浸漬塗装法による粉体塗料塗膜形成工程や、無溶剤型含浸樹脂の真空含浸工程など、コイルの製造工程が多岐にわたり、結果的にはコイル成形に要するコストの高騰に繋がる。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、コイルを成形する導線間の空隙の除去を、極めて簡易に、しかも低コストで実現できるコイル、コイルカセット、モータと、コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法を提供することを目的とする。また、コイルを成形する導線間の空隙を確実に除去することができ、したがって導線に生じる発熱をティースに効果的に伝達させることでモータ効率の向上を図ることのできるコイル、コイルカセット、モータと、コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく本発明によるコイルは、モータのロータまたはステータのティースに、導線が巻き回されることによって形成されるコイルであって、前記導線は、そのまわりにワニスを付着せしめられ、ワニスが未乾燥の状態で該導線がティースのまわりに巻き回され、導線がティースのまわりに巻き回された後にワニスが乾燥することによって形成されることを特徴とする。
ここで、ワニスの材料となる樹脂および溶剤は、特に限定されるものではないが、従来一般に使用されているワニスを本発明においても使用できる。後述する発明者等の解析によれば、導線間にワニスが充填されていない場合に比べて、ワニスが充填されている場合には、コイルに発生する熱の低減効果が得られることが分かっている。
例えば、銅線のまわりがエナメル皮膜で覆われた導線を液状のワニス槽に通し、ワニス槽を通った導線を自然乾燥もしくは熱風等を吹き付ける強制乾燥などにより該ワニスを半乾燥状態とする。ワニスが半乾燥の状態で、この導線をティースのまわりに巻き回す。導線が所定の巻線回数だけ巻き回された段階で、ワニスを自然乾燥もしくは熱風等を吹き付けて強制的に乾燥させることによりワニスを完全に乾燥させる。ワニスが半乾燥状態で導線が巻き回されるため、巻き回された隣接導線間の空隙にはワニスが密実に充填されることとなり、したがって導線間に空隙のない、いわゆるボイドレスコイルを形成することができる。
隣接する導線間の空隙を除去することにより、導線に生じる熱(ジュール熱)を効果的にティース(鉄芯)に伝達することが可能となり、モータ効率の低減を防止することができる。
また、本発明によるコイルの好ましい実施形態は、前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする。
ここで、伝熱材料としては、例えば、アルミナ(AL2O3)や窒化珪素(Si3N4)、窒化アルミ(AIN)などのフィラーを使用することができるが、中でも熱伝導率の高い窒化アルミのフィラーを使用するのが好ましい。
ワニスに伝熱材料が含有されていることで、導線に生じる熱をより効果的にティースに伝達させることが可能となる。
ワニスに伝熱材料が含有されていることで、導線に生じる熱をより効果的にティースに伝達させることが可能となる。
また、本発明によるコイルカセットは、モータのロータまたはステータのティースに装着されるコイルカセットであって、前記コイルカセットは、磁性材料からなるコイルボビンと、該コイルボビンに導線が巻き回されることによって形成されるコイルと、からなり、前記導線は、そのまわりにワニスを付着せしめられ、ワニスが未乾燥の状態で該導線がコイルボビンのまわりに巻き回され、導線がコイルボビンのまわりに巻き回された後にワニスが乾燥することによってコイルが形成されていることを特徴とする。
ここで、コイルボビンの成形材料である磁性材料としては、鉄粉などを使用できる。鉄粉などの磁性粉末を樹脂に混入させることで成形される圧粉磁心を、適宜のコイルボビン形状に型成形すればよい。
コイルボビンの形状は、筒体とその両端部にリング状のフランジを備えた形状に成形するのが好ましく、このフランジにより、例えばロータ側からコイルに磁束が浸入してくることを防止することができる。特に、本発明においては、フランジが磁性材料から成形されているため、磁束はこのフランジを介してティースへ流れ易くなり、コイルに渦電流が生じ難くすることができる。また、コイルボビンのうち、導線が巻き回される部分の隅角部を曲線状に成形することにより、導線を巻き回す際に導線まわりのエナメル膜が隅角部で損傷する可能性を格段に低減させることもできる。
このコイルボビンのまわりに、既述するような半乾燥状態のワニスが付着された導線を巻き回すことによってコイルカセットが成形される。ティースに導線を直接巻き回す方法に比べて、コイルカセットを成形することにより、コイルを成形し易くすることができ、結果的にはコイル成形に要する製作時間の短縮に繋がる。
また、本発明によるコイルカセットの好ましい実施形態は、前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする。
コイルカセットを構成する導線間のワニスにおいても、窒化アルミ(AIN)などの伝熱材料が含有されていることで、コイルからコイルカセットを経てティースへ伝達される熱の伝達効率の向上を図ることができる。
また、本発明によるコイルカセットの好ましい実施形態は、前記コイルボビンのうち、導線が巻き回される部分には、非磁性体からなる被膜層が備えてあることを特徴とする。
コイルボビンが例えば圧粉磁心から成形される場合であっても、その構成材料である鉄粉は樹脂被膜にてコーティングされているため、かかるコイルボビンはティースとコイルの間の絶縁効果を有している。本発明では、この絶縁性をさらに高める目的で、非磁性体(適宜の樹脂材料)をコイルボビンの表面に粉体塗装することによって絶縁被膜を成形するものである。導線に生じる熱をティースへ伝達し易くしながら、コイルとティースとの絶縁性能に優れたコイルカセットを得ることが可能となる。
また、本発明によるモータは、前記コイルを備えたことを特徴とする。
コイルボビンが例えば圧粉磁心から成形される場合であっても、その構成材料である鉄粉は樹脂被膜にてコーティングされているため、かかるコイルボビンはティースとコイルの間の絶縁効果を有している。本発明では、この絶縁性をさらに高める目的で、非磁性体(適宜の樹脂材料)をコイルボビンの表面に粉体塗装することによって絶縁被膜を成形するものである。導線に生じる熱をティースへ伝達し易くしながら、コイルとティースとの絶縁性能に優れたコイルカセットを得ることが可能となる。
また、本発明によるモータは、前記コイルを備えたことを特徴とする。
本発明のモータは、ロータまたはステータに設けられたティースのまわりに上記するコイルが形成されている実施形態であれば、特に限定されるものではない。
また、本発明によるモータは、前記コイルカセットを備えたことを特徴とする。
上記するコイルカセットを装着するモータにおいても、モータの種類は特に限定されるものではない。
また、本発明によるモータは、前記コイルカセットを備えたことを特徴とする。
上記するコイルカセットを装着するモータにおいても、モータの種類は特に限定されるものではない。
また、本発明によるコイルの製造方法は、導線をワニス槽に通し、導線まわりに付着したワニスが未乾燥の状態で、該導線をモータを構成するロータまたはステータのティースのまわりに巻き回すことによってコイルが形成されることを特徴とする。
また、本発明によるコイルの製造方法の好ましい実施形態は、前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする。
また、本発明によるコイルの製造方法の好ましい実施形態は、前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする。
また、本発明によるコイルカセットの製造方法は、導線をワニス槽に通し、導線まわりに付着したワニスが未乾燥の状態で該導線をコイルボビンに巻き回すことによってコイルカセットが形成されることを特徴とする。
さらに、本発明によるコイルカセットの製造方法の好ましい実施形態は、前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする。
さらに、本発明によるコイルカセットの製造方法の好ましい実施形態は、前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする。
以上の説明から理解できるように、本発明のコイル、コイルカセット、モータと、コイルの製造方法およびコイルカセットの製造方法によれば、極めて簡易に、しかも比較的低コストで導線間の空隙を除去することができる。したがって、コイルに生じる発熱をティースに効果的に伝達させることができ、モータ効率の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、コイルボビンの実施形態を示した斜視図であり、図2は、コイルカセットの製造方法を説明した模式図であり、図3は、導線間に空隙がある場合と空隙がワニスで満たされている場合を示した模式図である。図4は、ワニスの温度と粘性度との関係を説明したグラフを、図5は、圧粉磁心からなるコイルボビンをステータに装着した場合と樹脂からなるコイルボビンをステータに装着した場合のそれぞれのステータのバックヨークにおける温度上昇量の比較、および、樹脂からなるコイルボビンをステータに装着した場合において、導線間にワニスが充填されていない場合と充填されている場合、さらには伝熱材料が含有されたワニスが充填されている場合のそれぞれのステータのバックヨークの温度上昇量を比較したグラフをそれぞれ示している。なお、図示する実施形態は、コイルカセットの製造方法に関するものであるが、モータのティースに直接コイルを形成するコイルの製造方法であってもよいことは勿論のことである。
本発明のコイルカセットを構成するコイルボビン1の実施形態を図1に示している。コイルボビン1は、ティースが嵌装される開口13を有する筒体12と、該筒体12の両端に固着されたフランジ11,11とから構成される。筒体12の隅角部12aは、面取りされており、例えば図示するように滑らかな曲面に成形されているのが好ましい。筒体12の表面には適宜の樹脂材料からなる絶縁被膜14が設けられている。
コイルボビン1は、例えば、鉄粉が樹脂内に含有されている圧粉磁心を型内にて一体成形することにより成形される。また、筒体12の表面に設けられる絶縁被膜14は、樹脂を粉体塗装することにより形成できる。
図2は、図1に示すコイルボビン1を使用して、コイルボビン1の筒体12まわりに導線を巻き回すことにより、コイルカセットを成形するコイルカセットの製造方法を示している。
例えば、導線ボビン5に巻き回されている導線2(エナメル被膜にて被覆された導線)を液状のワニス3が収容されたワニス槽4内に通した後、ワニス3が表面に付着した導線2にファン6などで熱風aを当てて適度に乾燥させ(半乾燥状態にする)、その後にコイルボビン1に導線2を巻き回すことができる。導線2の巻き回し(Y方向)は、コイルボビン1をモータ7にて回転させる(X方向)ことによっておこなうことができる。
なお、ワニス3内には伝熱材料を混入させておくのが好ましく、この場合の伝熱材料としては、例えばアルミナ(AL2O3)や窒化珪素(Si3N4)、窒化アルミ(AIN)などのフィラーを使用することができる。
図3は、上図がコイルボビンに巻き回された隣接導線2,2,2間に空隙bが存在する場合を示しており、下図は、この空隙内にワニス3が満たされている場合を模式的に示している。ワニス3が半乾燥の状態で導線2が巻き回されることにより、ワニス3は導線2が巻き回された後も硬化するまでは自在に流動することができるため、かかる空隙間を十分に満たした状態で硬化することとなる。
なお、図4は、ワニスの温度と粘性度との関係を説明している。図中のX線はワニスの粘性度の変化を、Y線はワニスの温度の変化をそれぞれ示している。ワニスは通常、温度が高くなるにつれて徐々に硬化し、硬化に伴って粘性が発現してくる。したがって、熱風ファン等で強制乾燥させる場合には、使用されるワニスの温度と発現する粘性度の関係を確認した上で、比較的粘性度の低い状態(の温度条件)で(図4においては、Δtの間)、ワニスをコイルボビンまわりに巻き回すように調整しておくことが好ましい。
次に、図5に基づいて、発明者等による解析結果を説明する。
図5は、圧粉磁心からなるコイルボビンをステータに装着した場合と樹脂からなるコイルボビンをステータに装着した場合のそれぞれのステータのバックヨークにおける温度上昇量の比較、および、樹脂からなるコイルボビンをステータに装着した場合において、導線間にワニスが充填されていない場合と充填されている場合、さらには伝熱材料が含有されたワニスが充填されている場合のそれぞれのステータのバックヨークの温度上昇量を比較したグラフを示している。
図5は、圧粉磁心からなるコイルボビンをステータに装着した場合と樹脂からなるコイルボビンをステータに装着した場合のそれぞれのステータのバックヨークにおける温度上昇量の比較、および、樹脂からなるコイルボビンをステータに装着した場合において、導線間にワニスが充填されていない場合と充填されている場合、さらには伝熱材料が含有されたワニスが充填されている場合のそれぞれのステータのバックヨークの温度上昇量を比較したグラフを示している。
図5において、ケース0は、樹脂からなるコイルボビンのまわりにワニスが充填されていないコイルが形成されてなるモータである。またケース1は、圧粉磁心からなるコイルボビンのまわりに伝熱材料(例えば、窒化アルミのフィラー)が含有されたワニスが充填されているコイルが形成されてなるモータである。またケース2は、樹脂からなるコイルボビンのまわりに窒化アルミのフィラーが含有されたワニスが充填されているコイルが形成されてなるモータである。さらにケース3は、樹脂からなるコイルボビンのまわりにワニスが充填されているコイルが形成されてなるモータである。
図5によれば、各ケースのステータのバックヨークの温度上昇量が大きい程、コイルに生じる熱の伝達が促進されていること(すなわち、コイルに生じる熱の逃げが促進されていること)となる。
まず、ケース0とケース3を比較すると、ワニスが導線間に十分に充填されていることにより、50秒後におけるコイルの温度は8℃程度低減できることが判明した。また、ケース3とケース2を比較すると、ワニスに窒化アルミのフィラーが含有されることでさらに4℃程度、コイル温度の低減が見込まれる。さらに、ケース2とケース1を比較すると、圧粉磁心からなるコイルボビンが従来の樹脂からなるコイルボビンに比べて、さらに18℃程度、コイル温度の低減が見込まれる。したがって、ケース0とケース3を比較すると、30℃程度のコイル温度の低減が見込まれることになる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…コイルボビン、2…導線、3…ワニス、4…ワニス槽、5…導線ボビン、11…フランジ、12…筒体、12a…隅角部、13…開口、14…絶縁被膜
Claims (11)
- モータのロータまたはステータのティースに、導線が巻き回されることによって形成されるコイルであって、
前記導線は、そのまわりにワニスを付着せしめられ、ワニスが未乾燥の状態で該導線がティースのまわりに巻き回され、導線がティースのまわりに巻き回された後にワニスが乾燥することによって形成されることを特徴とするコイル。 - 前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
- モータのロータまたはステータのティースに装着されるコイルカセットであって、
前記コイルカセットは、磁性材料からなるコイルボビンと、該コイルボビンに導線が巻き回されることによって形成されるコイルと、からなり、前記導線は、そのまわりにワニスを付着せしめられ、ワニスが未乾燥の状態で該導線がコイルボビンのまわりに巻き回され、導線がコイルボビンのまわりに巻き回された後にワニスが乾燥することによってコイルが形成されていることを特徴とするコイルカセット。 - 前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする請求項3に記載のコイルカセット。
- 前記コイルボビンのうち、導線が巻き回される部分には、非磁性体からなる被膜層が備えてあることを特徴とする請求項3または4に記載のコイルカセット。
- 請求項1または2に記載のコイルを備えたことを特徴とするモータ。
- 請求項3〜5のいずれかに記載のコイルカセットを備えたことを特徴とするモータ。
- 導線をワニス槽に通し、導線まわりに付着したワニスが未乾燥の状態で、該導線をモータを構成するロータまたはステータのティースのまわりに巻き回すことによってコイルが形成されることを特徴とするコイルの製造方法。
- 前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする請求項8に記載のコイルの製造方法。
- 導線をワニス槽に通し、導線まわりに付着したワニスが未乾燥の状態で該導線をコイルボビンに巻き回すことによってコイルカセットが形成されることを特徴とするコイルカセットの製造方法。
- 前記ワニスに、伝熱材料が含有されていることを特徴とする請求項10に記載のコイルカセットの製造方法。
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