JP2019004533A - 永久磁石固定体の製造方法 - Google Patents

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【課題】ベース部材の表面に配置された永久磁石が加熱処理に伴って不可逆的に減磁してしまうのを抑制する。【解決手段】電気エネルギーから機械エネルギーへ、又は、機械エネルギーから電気エネルギーへ変換するエネルギー変換機器に用いられる永久磁石固定体の製造方法は、永久磁石の外側を磁性体ケースで覆う被覆工程と、前記磁性体ケースの外側から加熱して熱処理する熱処理工程と、前記磁性体ケースを前記永久磁石から取り外す取外し工程と、前記熱処理がされる前に、又は、前記熱処理がされた後に、前記永久磁石をベース部材の表面に配置する磁石配置工程と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、ベース部材に永久磁石を固定した永久磁石固定体の製造方法に関する。
従来から、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電動機、及び、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機において、回転子に永久磁石を用いたものが広く知られている。以下では、電動機と発電機とをまとめてエネルギー変換機器と呼ぶことがある。例えば、特許文献1は、永久磁石が取り付けられたモータ回転子の製造方法を開示する。
特許文献1の回転子の製造方法は、例えば、永久磁石同期モータの回転子に適用できるものである。この製造方法においては、回転子本体の表面に、複数の永久磁石を周方向に配置し、更に当該永久磁石の外周面に、熱硬化性樹脂を含浸させた糸状の繊維束を巻回した後、加熱硬化させて回転子本体に永久磁石を固定する。この特許文献1では、繊維束の端部を回転子本体に接着固定した後に当該繊維束を高張力で巻回することにより、永久磁石を回転子本体に対して堅牢に取り付け、回転子の回転に伴う永久磁石の脱落を防止できる、としている。
特開平9−131027号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、熱硬化性樹脂を熱硬化させるために加熱した際に、熱の影響により永久磁石が不可逆減磁してしまい、電動機又は発電機の性能を低下させてしまうおそれがある点で、改善の余地があった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、ベース部材に取り付けた永久磁石が加熱処理に伴って不可逆減磁してしまうのを抑制することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、電気エネルギーから機械エネルギーへ、又は、機械エネルギーから電気エネルギーへ変換するエネルギー変換機器に用いられる永久磁石固定体を製造する、以下のような製造方法が提供される。即ち、この永久磁石固定体の製造方法は、被覆工程と、熱処理工程と、取外し工程と、磁石配置工程と、を含む。前記被覆工程では、永久磁石の外側を磁性体ケースで覆う。前記熱処理工程では、前記磁性体ケースの外側から加熱する熱処理を行う。前記取外し工程では、前記磁性体ケースを前記永久磁石から取り外す。前記磁石配置工程では、前記熱処理がされる前に、又は、前記熱処理がされた後に、前記永久磁石をベース部材の表面に配置する。
これにより、加熱時の永久磁石のパーミアンス係数を、磁性体ケース無しの場合よりも大きくすることができる。よって、永久磁石に外部から熱が加わる熱処理が行われる際に、熱の影響により永久磁石が不可逆減磁してしまうのを抑制することができ、エネルギー変換機器の磁気特性を良好に保つことができる。
本発明によれば、ベース部材に取り付けた永久磁石が加熱処理に伴って不可逆的に減磁してしまうのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る永久磁石型同期電動機の回転子の製造方法の前半部を模式的に示す図。 図1の製造方法の後半部を模式的に示す図。 被覆工程において、製造途中の回転子の様子を示す図。(a)は回転子本体の軸方向に沿ってみたときの図。(b)は回転子本体の軸に対して垂直な方向からみたときの図。 回転子の製造方法を示すフローチャート。 常温及び高温での磁束密度−磁界曲線を示すとともに、永久磁石を磁性体ケースで覆った場合と覆わない場合とで、加熱に伴う動作点の移動を比較したグラフ。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2には、本実施形態に係る永久磁石型同期電動機の回転子10の製造方法が模式的に示されている。
本実施形態の製造方法で製造される回転子(永久磁石固定体)10は、電動機、具体的には永久磁石式同期電動機(PMSM)に備えられる、円柱状の部材である。この回転子10は、その外周に配置された永久磁石2を備える。
この回転子10は、図略の固定子と対をなして、電動機を構成する。この固定子は、主として、円筒状の固定子鉄心と、当該固定子鉄心の内側に嵌め込まれた固定子コイルと、により構成される。回転子10を固定子の軸心部(中空部)に挿入した状態とし、前記固定子コイルに交流電流を流すことで、回転子10の永久磁石2で形成される磁束と、固定子コイルを流れる電流と、の作用で、回転子10を周方向に回転させる力が生じ、この力によって回転子10が一方向に回転される。これにより、電気エネルギーが機械エネルギーに変換されて生じた回転動力(トルク)を、電動機の外部に取り出すことができる。
以下では、本実施形態に係る回転子10の製造方法について、図1から図5までを参照して、順を追って説明する。図4は、回転子10の製造方法を示すフローチャートである。
初めに、図1(a)に示すように、軸状の回転子本体1を作成する(図4のステップS101、回転子本体形成工程)。具体的には、例えば珪素鋼板のような電磁鋼板を軸方向に積層して、概ね円柱形状の回転子本体1が形成される。その後、回転子本体1の外周面について、表面を荒らす処理、あるいは洗浄処理が行われてもよい。これらの付加的な工程により、後述する接着剤による接着性を高めることができる。
続いて、図1(b)に示すように、回転子本体1の外周面に、例えばエポキシ系接着剤のような接着剤が塗布された後、事前に着磁が行われた複数の永久磁石2が配置され、接着される(図4のステップS102、磁石配置工程)。別の言い方をすれば、回転子本体1の周面に、着磁された永久磁石2が複数貼り付けられることにより配置される。
なお、永久磁石2としては、公知の様々な磁石を採用し得るが、とりわけ、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、又はアルニコ磁石を用いることが好ましい。これらの磁石を採用することにより、本実施形態の製造方法の過程で行われる熱処理の影響で永久磁石2が不可逆的に減磁してしまうのを抑制することができる。
続いて、図1(c)に示すように、回転子本体1に貼り付けた永久磁石2の外側に、熱硬化性樹脂4を含浸させた繊維束3が巻き付けられる(図4のステップS103、巻付工程)。繊維束3としては様々な素材からなるものを採用し得るが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等を成分に含むものとすることができる。また、熱硬化性樹脂4としては様々なものを採用し得るが、例えばエポキシ樹脂とすることができる。
前記巻付工程は、例えば公知のフィラメントワインディング法により行うことができる。簡単に説明すると、図1(c)に示すように、熱硬化性樹脂4を貯留した貯留槽11の内部に浸漬ローラ12を配置して、この浸漬ローラ12によって、フィラメントを束ねたものである繊維束3を案内することで、当該繊維束3に熱硬化性樹脂4を浸み込ませる。その後、繊維束3を、回転駆動される回転子本体1の外周面(永久磁石の表面)に適宜の手段で導くことで、当該回転子本体1の外周に巻き付ける。繊維束3の巻き方は任意でよいが、例えばヘリカル巻きとすることができる。
続いて、図2(d)に示すように、巻き付けた繊維束3(フィラメント層)の外側を磁性体ケース5で実質的に覆う(図4のステップS104、被覆工程)。本実施形態の磁性体ケース5は、強磁性体材料からなる円筒状の部材である。この強磁性体材料は、公知の様々なものを採用し得るが、例えば鉄、コバルト、ニッケル、又はガドリニウムを含むものとすることができる。磁性体ケース5に形成されている軸孔の内径は、繊維束3を巻き付けた後の回転子本体1の外径よりも、若干大きくなっている。従って、磁性体ケース5は、回転子本体1において永久磁石2が貼り付けられた部分の全体を覆うことができる。
図3(a)には、製造途中の回転子を、回転子本体の軸方向に沿ってみた様子が示されている。この図3(a)に示すように、本実施形態の磁性体ケース5は径方向に適宜の厚みTを有している。この厚みTは、大き過ぎると、後の熱処理工程で外部からの熱が内部に十分に伝わらず、繊維束3に含浸される熱硬化性樹脂4の熱硬化が不十分になるおそれがある。一方で、厚みTが小さ過ぎると、永久磁石2のパーミアンス係数が十分に上がらず、不可逆的な減磁が生じてしまうおそれがある。磁性体ケースの厚みTは、熱硬化性樹脂4を必要な温度にまで昇温すること、及び、永久磁石2のパーミアンス係数を十分に大きくすること、の両方を実現できるように、後の熱処理温度等との関係で適切に定められる。
加えて、本実施形態の磁性体ケース5には、外部から熱を与えたときに、その熱が内部の熱硬化性樹脂4に確実に伝わるように、複数の貫通孔5aが形成されている(図3を参照)。図3(b)は、被覆工程において、製造途中の回転子10をその軸に対して垂直な方向からみたときの様子を示している。貫通孔5aは、磁性体ケース5の内外を貫通するように形成されている。
ここで、回転子本体1の外周面が磁性体ケース5によって覆われない領域が広くなり過ぎると、永久磁石2の磁束が外部に漏れる量が増えてしまう。従って、磁性体ケース5に形成される貫通孔5aのレイアウト、数、大きさ、形状等は、外部からの熱によって熱硬化性樹脂4を必要な温度まで昇温すること、及び、永久磁石2の磁束が外部に過剰に逃げないようにすること、の両方を実現できるように、適宜に設定される。
続いて、図2(e)に示すように、磁性体ケース5で覆った回転子本体1を、当該磁性体ケース5の外側から、ヒータ等を用いて加熱する(図4のステップS105、熱処理工程)。加熱温度は、熱硬化性樹脂4の熱硬化温度を考慮して適宜設定することができるが、例えば約150℃、或いは約180℃とすることができる。また、このときの加熱温度及び加熱時間は、熱硬化性樹脂4の十分な熱硬化と、永久磁石2の不可逆減磁の防止と、を両立するように適切に定められる。
前記熱処理工程を行うことで、磁性体ケース5の内部の繊維束3に含浸される熱硬化性樹脂4が熱硬化される。この際、回転子本体1に接着済みの永久磁石2は、磁性体ケース5に覆われた状態で加熱されるので、強い不可逆減磁は生じない。
より詳しく説明すると、熱処理工程において、永久磁石2の周囲は磁性体ケース5で取り囲まれているので、磁束が磁性体ケース5の内部(材料内)に流れ易くなる。これにより、加熱時の永久磁石2のパーミアンス係数は、磁性体ケース5で覆わない場合と比べて、相対的に大きくなる。このようにパーミアンス係数が大きい状態では、熱処理を行っても、永久磁石2の動作点が、磁束密度−磁界曲線の不可逆減磁領域に入りにくくなる。
図5のグラフには、温度が常温(20℃)のときの磁束密度−磁界曲線と、温度が高温(150℃)のときの磁束密度−磁界曲線と、が模式的に示されている。磁束密度−磁界曲線は折れ曲がった部分を有しており、この部分を境界として、可逆減磁領域と不可逆減磁領域とに分けられる。なお、図5において、磁束密度−磁界曲線における不可逆減磁領域にはハッチングが付されている。ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石等の磁石においては、高温になるほど、磁束密度−磁界曲線における不可逆減磁領域が広くなることが知られている。
また、図5のグラフには更に、磁性体ケース5有りのときの永久磁石2のパーミアンス直線と、磁性体ケース5無しのときのパーミアンス直線と、が表されている。一般的に、パーミアンス直線の傾きは、磁石自体の形状のほか、磁石の周囲を取り囲む物質の透磁率によって変化する。磁性体ケース5有りのときのパーミアンス直線は、磁性体ケース5無しのときのパーミアンス直線よりも、傾きが大きくなっている。
磁性体ケース5が無い状態で永久磁石2を20℃から150℃に加熱すると、その動作点は、緩やかな傾斜のパーミアンス直線(動作線)に沿って、a1からb1へ移動する。動作点b1は、高温での磁束密度−磁界曲線における不可逆減磁領域に位置しているので、温度が常温に戻ったとしても、動作点はa1に戻らない。
一方、磁性体ケース5が有る状態で永久磁石2を20℃から150℃に加熱すると、その動作点は、急な傾斜のパーミアンス直線(動作線)に沿って、a2からb2へ移動する。動作点b2は、高温での磁束密度−磁界曲線における可逆減磁領域に位置しているので、温度が常温に戻るのに伴って、動作点をa2に戻すことができる。このように、磁性体ケース5によって永久磁石2を覆うことで、減磁耐力を実質的に向上させることができる。
このように、本実施形態では、磁性体ケース5で覆った状態で前記熱処理工程を行うことで、パーミアンス係数、言い換えれば、動作線の傾きを大きくすることができる。この結果、永久磁石2が高温になっても、永久磁石2の動作点が不可逆減磁領域に至らないようにすることが可能となる。
なお、本願の出願人は、磁性体ケースによる減磁耐力の向上の効果を確認するために、要素試験を実施した。具体的には、磁性体材料からなるカバーで覆った状態の磁石と、当該カバーで覆わない状態の磁石と、を同じ高温環境下(230℃)に一定時間置き、温度が室温(約20℃)にまで冷めた後の磁石の磁束密度を比較した。その結果、カバーで覆わなかった方の磁石は減磁率が61.2%であったところ、カバーで覆った方の磁石は減磁率が0.4%であった。このことにより、本実施形態においても、磁性体ケース5で永久磁石2を覆うことにより、減磁耐力の大幅な向上が期待できることが分かる。
加えて本実施形態では、上述したように、磁性体ケース5の厚みTが薄くなり過ぎたり、貫通孔5aの数が多くなり過ぎたりしないように、また、熱処理工程での加熱時間が過剰に長くならないように配慮されている。従って、永久磁石2が過剰に高温になること自体が抑制され、不可逆減磁領域(図5でハッチングで示した領域)が狭い範囲に抑えられる。これによっても、永久磁石が不可逆減磁してしまうのを抑制することができる。
前記熱処理工程が終わった後、図2(f)に示すように、磁性体ケース5が繊維束の外側から取り外される(図4のS106、取外し工程)。こうして、外周に永久磁石2が強固に固定された回転子10を得ることができる。
以上のような一連の工程により製造された回転子10は、途中で熱処理(図2(e)を参照)を行ったにもかかわらず、永久磁石2は殆ど不可逆減磁していない。よって、製造の過程で回転子10の磁気特性が変化してしまうのを抑制することができる。その結果、この回転子10を組み付けて製造される電動機の磁気特性を良好に保つことができ、回転出力を安定して外部に取り出すことができる。
ここで、熱の影響で永久磁石が不可逆的に減磁してしまう問題だけに着目すると、永久磁石を着磁する前に回転子本体の外周面に取り付け、回転子本体の熱処理が終わった後に着磁作業を行えばよいとも考えられる。しかしながら、着磁を行う際の設備上の制約等で、事後的に着磁を行うことが困難な場合もある。また、保持力が非常に大きい永久磁石を用いる場合や、極異方性配向等の特殊な着磁が必要な場合にも、事後的に着磁を行うことは技術的に困難である。この点、本実施形態の製造方法では、予め着磁した永久磁石2を回転子本体1に取り付けて回転子10を製造するので、上述したような場合にも対応することができる。
また、本実施形態の製造方法では、繊維束3を巻き付けることにより永久磁石2が回転子本体1の外周に強固に固定されるので、この回転子10を組み付けた電動機が高速で駆動されても、遠心力等が掛かることにより永久磁石2が飛散してしまうのを確実に防止することができる。更に言えば、繊維束3を巻き付けて形成される比較的薄いフィラメント層によって永久磁石2が覆われる構成であるので、回転子10を組み付けた電動機において、永久磁石2の磁束を有効に活用でき、高いトルクを発生させることができる。このように、本実施形態では、フィラメント層が永久磁石2の磁束を妨げるおそれが少ないので、制御性、応答性のよい電動機を実現することができる。
以上に説明したように、本実施形態の方法により製造される回転子10は、電気エネルギーから機械エネルギーへ変換するエネルギー変換機器(電動機、永久磁石型同期電動機)に用いられる。この回転子10の製造方法は、磁石配置工程と、被覆工程と、熱処理工程と、取外し工程と、を含む。磁石配置工程では、回転子本体1の表面に永久磁石2を配置する。被覆工程では、永久磁石2の外側を磁性体ケース5で覆う。熱処理工程では、磁性体ケース5の外側から加熱する熱処理を行う。取外し工程では、磁性体ケース5を回転子本体1から取り外す。
これにより、加熱時の永久磁石2のパーミアンス係数を、磁性体ケース無しの場合よりも大きくすることができる(図5を参照)。よって、回転子本体1の外側から加熱して熱処理した際に、熱の影響により永久磁石2が不可逆的に減磁してしまうのを抑制することができ、回転子10を組み付けて構成される電動機の磁気特性を良好に保つことができる。
また、本実施形態における回転子10の製造方法は、回転子本体1の表面に配置された永久磁石2の外側に、熱硬化性樹脂4を含浸させた繊維束3を巻き付ける巻付工程を更に含む。被覆工程では、巻き付けた繊維束3の外側を磁性体ケース5で覆う。熱処理工程では、磁性体ケース5の外側から加熱することで熱硬化性樹脂4を熱硬化させる。
これにより、熱の影響により永久磁石2が不可逆的に減磁してしまうのを抑制しつつ、繊維束3に含侵した熱硬化性樹脂4を熱硬化させることができる。
また、本実施形態の永久磁石式電動機の回転子10の製造方法においては、磁性体ケース5は強磁性体材料からなる。
これにより、加熱時の永久磁石2のパーミアンス係数を一層大きくすることができ、当該永久磁石2の動作点が不可逆減磁領域に入ってしまうおそれを低減することができる。
また、本実施形態の永久磁石式電動機の回転子10の製造方法においては、磁性体ケース5には、当該磁性体ケース5の内外を貫通する貫通孔5aが形成される(図3(b)を参照)。
これにより、磁性体ケース5の外側から加熱した際に、熱硬化させるために必要な温度にまで熱硬化性樹脂4を確実に昇温することができる一方で、永久磁石2が不可逆減磁してしまうことは抑制できる。
また、本実施形態の永久磁石式電動機の回転子10の製造方法においては、熱硬化性樹脂4を熱硬化させるために必要な温度に応じて、磁性体ケース5の厚みTを異ならせる。
これにより、磁性体ケース5の外側から加熱した際に、熱硬化させるために必要な温度にまで熱硬化性樹脂4を確実に昇温することができる一方で、永久磁石2が不可逆減磁してしまうことは抑制できる。
また、本実施形態の永久磁石式電動機の回転子10の製造方法においては、熱硬化性樹脂4を熱硬化させるために必要な温度に応じて、磁性体ケース5の外側から前記加熱する時間を異ならせる。
これにより、熱硬化性樹脂4を確実に熱硬化させることができる一方で、永久磁石2が不可逆減磁してしまうことは抑制できる。
更に、本実施形態の永久磁石式電動機の回転子10の製造方法においては、永久磁石2は、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、又はアルニコ磁石である。
これにより、熱処理工程において高温で加熱されても、永久磁石2が不可逆減磁しにくくなる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態で示した製造方法は、電動機に限らず、発電機の回転子を製造する場合にも適用することができる。また、この製造方法は、出力軸が回転する電動機の回転子に限らず、リニア電動機の可動子を製造する場合にも適用することができる。
上記の実施形態において、永久磁石2が固定される回転子本体1(ベース部材)は軸状に構成されているが、例えばリニア電動機等においては、ベース部材は軸状に構成されなくてもよい。
熱硬化性樹脂4を含浸した繊維束3を永久磁石2の外側に巻き付けて樹脂を熱硬化させる方法以外の方法で、永久磁石2を回転子本体1等のベース部材に固定することも可能である。例えば、単に熱硬化型の接着剤によって、永久磁石2を回転子本体1に接着することで、固定を実現することができる。このとき、熱処理工程は、当該接着剤を熱硬化させるために行われる。また、例えば円筒状の永久磁石を加熱することにより熱膨張させ、この状態で軸孔に軸を差し込んだ状態で冷却する焼嵌めによって、永久磁石を、軸状のベース部材に固定することができる。この場合、永久磁石を膨張させるために行われる熱処理工程の後に、当該永久磁石をベース部材の表面に配置する磁石配置工程が行われることになる。このように、磁石配置工程は、熱処理の前に行われてもよいし、熱処理の後に行われてもよい。
また、熱処理は、上記のように、樹脂の熱硬化、接着剤の熱硬化、焼嵌めのために行われることに限らず、熱を加える種々の処理、例えば、濡れた磁石を乾燥させるために行うこともできる。
上記の実施形態で示した各部材の材質や、各工程の条件(例えば、加熱温度、加熱時間等)は、例示に過ぎず、適宜変更することが可能である。
上記の回転子又は可動子の製造方法には、ここに開示した以外の他の工程が更に含まれていてもよい。具体的には、例えば、回転子又は可動子を加熱処理した後に、これを強制的に冷却する工程が含まれるものとしてもよい。
1 回転子本体(ベース部材)
2 永久磁石
3 繊維束
4 熱硬化性樹脂
5 磁性体ケース
5a 貫通孔
10 回転子(永久磁石固定体)

Claims (9)

  1. 電気エネルギーから機械エネルギーへ、又は、機械エネルギーから電気エネルギーへ変換するエネルギー変換機器に用いられる永久磁石固定体の製造方法であって、
    永久磁石の外側を磁性体ケースで覆う被覆工程と、
    前記磁性体ケースの外側から加熱する熱処理を行う熱処理工程と、
    前記磁性体ケースを前記永久磁石から取り外す取外し工程と、
    前記熱処理がされる前に、又は、前記熱処理がされた後に、前記永久磁石をベース部材の表面に配置する磁石配置工程と、
    を含むことを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記磁石配置工程によってベース部材の表面に配置された前記永久磁石の外側に、熱硬化性樹脂を含浸させたフィラメントを巻き付ける巻付工程を更に含み、
    前記被覆工程では、前記巻き付けた前記フィラメントの外側を前記磁性体ケースで覆い、
    前記熱処理工程では、前記磁性体ケースの外側から加熱することで前記熱硬化性樹脂を熱硬化させることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記磁性体ケースは、強磁性体材料からなることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  4. 請求項2に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記磁性体ケースには、当該磁性体ケースの内外を貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  5. 請求項2に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂を熱硬化させるために必要な温度に応じて、前記磁性体ケースの厚みを異ならせることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  6. 請求項2に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂を熱硬化させるために必要な温度に応じて、前記磁性体ケースの外側から前記加熱する時間を異ならせることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記永久磁石は、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、又はアルニコ磁石であることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記永久磁石固定体は、永久磁石式同期電動機の回転子であることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
  9. 請求項1から7までの何れか一項に記載の永久磁石固定体の製造方法であって、
    前記永久磁石固定体は、リニア電動機の可動子であることを特徴とする永久磁石固定体の製造方法。
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