JP2010239707A - 電動機用ステータ又はロータとその製造方法 - Google Patents

電動機用ステータ又はロータとその製造方法 Download PDF

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一仁 平賀
Mitsuhiro Okamura
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Abstract

【課題】コイルをスロットに一体化し、コイルがスロット内で移動することを防ぐことができる電動機用ステータ又はロータとその製造方法とを提供する。
【解決手段】電動機用ステータ又はロータ11は、スロット12の壁面を被覆する第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層14と、スロット12内に充填された第2の樹脂材料からなる充填層15と、充填層15に埋設され、充填層15及び絶縁被覆層14を介してスロット12に一体化されたコイル13とを備える。電動機用ステータ又はロータ11は、第1の樹脂材料で被覆されたスロット12内にコイル13を収容する工程と、該スロット12内に第2の樹脂材料を充填する工程と、コイル13が収容されるとともに第2の樹脂材料が充填されたスロット12を熱処理して、絶縁被覆層14及び充填層15を介してコイル13をスロット12に一体化する工程とを備える方法により、有利に製造することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータとその製造方法とに関するものである。
スロット内にコイルを備える電動機用ステータは、一般的に、スロット内に樹脂製絶縁体、紙と樹脂材料とを複合化してなる絶縁紙等の絶縁部材が設けられ、該絶縁部材によりコイルとコアとの間が絶縁されている。また、スロット内にコイルを備える電動機用ステータにおいて、全体に絶縁ワニスが塗布されたコイルを備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
そこで、コイルがスロット内で移動して絶縁不良が生じることを防ぐために、スロット内に前記絶縁部材が設けられた電動機用ステータにおいて、コイルを絶縁ワニスで絶縁部材に一体化することが考えられる。
しかしながら、絶縁ワニスで絶縁部材に一体化されたコイルを備える電動機用ステータは、絶縁ワニスと絶縁部材とで材料が異なるために絶縁ワニスと絶縁部材との間の結合力が低く、コイルの絶縁部材への固着が不十分となるという不都合がある。また、絶縁部材とスロットとが別体であるので、コイルがスロット内で移動することを防ぐことができないという不都合もある。
さらに、絶縁部材とスロットとが別体であり、絶縁部材とスロットとの間に間隙があるために、コイルで発生したジュール熱が電動機用ステータへ放熱されにくいという不都合もある。
また、スロット内にコイルを備える電動機用ロータにおいても、前記電動機用ステータと同一の前記不都合がある。
特開2004−194398号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、コイルをスロットに一体化し、コイルがスロット内で移動することを防ぐことができるとともに、高い放熱性を備える電動機用ステータ又はロータとその製造方法とを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、第1発明の電動機用ステータ又はロータは、スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータにおいて、該スロットの壁面を被覆する第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層と、該絶縁被覆層で被覆されたスロット内に充填された第2の樹脂材料からなる充填層と、該充填層に埋設され、該充填層及び該絶縁被覆層を介して該スロットに一体化されたコイルとを備えることを特徴とする。
第1発明の電動機用ステータ又はロータは、スロットの壁面に絶縁被覆層が固着され、該絶縁被覆層で被覆されたスロット内に充填層が形成されている。このとき、前記絶縁被覆層と前記充填層とがいずれも樹脂材料からなり親和性に優れることにより、該絶縁被覆層と該充填層とが互いに強固に固着し一体化している。
そして、コイルは、前記充填層に埋設され、該充填層と該絶縁被覆層とを介してスロットに一体化されている。したがって、第1発明の電動機用ステータ又はロータによれば、コイルがスロット内で移動することを防ぐことができる。
また、第1発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、絶縁被覆層は、第1の樹脂材料からなり、スロットの壁面を被覆するとともに該壁面に密着している。また、コイルが埋設されている充填層は、第2の樹脂材料からなり、絶縁被覆層で被覆されたスロット内に充填されるとともに該絶縁被覆層に密着している。したがって、第1発明の電動機用ステータ又はロータによれば、良好な熱伝導性を得ることができ、高い放熱性を得ることができる。
また、第1発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、第1の樹脂材料は、熱可塑性樹脂であってもよいが、金属であるスロットとの接着性に優れていることから、熱硬化性樹脂であることが好ましい。また、第1の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、前記電動機用ステータ又はロータが高温下にあるときでも、前記絶縁被覆層の溶融や劣化が抑制され、該絶縁被覆層とスロットとの間の接着を維持することができる。
また、第1発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料とは異なる樹脂であってもよいが、第1の樹脂材料と同一樹脂であることが好ましい。第2の樹脂材料が第1の樹脂材料と同一樹脂である場合には、前記絶縁被覆層と前記充填層とがより強固に密着することとなり、コイルがスロット内で移動することを確実に防ぐことができる。
また、前記目的を達成するために、第2発明の電動機用ステータ又はロータは、スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータにおいて、該スロットの壁面を被覆する第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層と、該絶縁被覆層上に設けられた第2の樹脂材料からなる樹脂層と、該絶縁被覆層及び該樹脂層で被覆されたスロット内に充填された第3の樹脂材料からなる充填層と、該充填層と該樹脂層と該絶縁被覆層とを介して該スロットに一体化されたコイルとを備えることを特徴とする。
第2発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、スロットの壁面に絶縁被覆層が固着され、該絶縁被覆層上に樹脂層が形成されている。さらに、樹脂層で被覆されたスロット内に充填層が形成されている。このとき、前記絶縁被覆層と前記樹脂層と前記充填層とがいずれも樹脂材料からなり親和性に優れることにより、該絶縁被覆層と該樹脂層と該充填層とが互いに強固に固着し一体化している。
そして、コイルは、前記充填層に埋設され、該充填層と該樹脂層と該絶縁被覆層とを介してスロットに一体化されている。したがって、第2発明の電動機用ステータ又はロータによれば、コイルがスロット内で移動することを防ぐことができる。
また、第2発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、絶縁被覆層は、第1の樹脂材料からなり、スロットの壁面を被覆するとともに該壁面に密着している。絶縁被覆層上に設けられた樹脂層は、第2の樹脂材料からなり、該絶縁被覆層に密着している。また、コイルが埋設されている充填層は、第3の樹脂材料からなり、絶縁被覆層及び樹脂層で被覆されたスロット内に充填されるとともに該樹脂層に密着している。したがって、第2発明の電動機用ステータ又はロータによれば、良好な熱伝導性を得ることができ、高い放熱性を得ることができる。
また、第2発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、第1の樹脂材料は、熱可塑性樹脂であってもよいが、金属であるスロットとの接着性に優れていることから、熱硬化性樹脂であることが好ましい。また、第1の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、前記電動機用ステータ又はロータが高温下にあるときでも、前記絶縁被覆層の溶融や劣化が抑制され、該絶縁被覆層とスロットとの間の接着を維持することができる。
また、第2発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料は、第1の樹脂材料とは異なる樹脂であってもよいが、第1の樹脂材料と同一樹脂であることが好ましい。第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料が第1の樹脂材料と同一樹脂である場合には、前記絶縁被覆層と前記樹脂層と前記充填層とがより強固に密着することとなり、コイルがスロット内で移動することを確実に防ぐことができる。
また、前記第1,第2発明の電動機用ステータ又はロータにおいて、前記樹脂材料は、該樹脂材料よりも高い熱伝導性を備える添加物を含有することが好ましい。前記構成を備える第1発明の電動機用ステータ又はロータによれば、第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層と、第2の樹脂材料からなる充填層との熱伝導性を向上させることができ、より高い放熱性を得ることができる。
また、前記構成を備える第2発明の電動機用ステータ又はロータによれば、第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層と、第2の樹脂材料からなる樹脂層と、第3の樹脂材料とからなる充填層との熱伝導性を向上させることができ、より高い放熱性を得ることができる。
また、前記第1発明の電動機用ステータ又はロータは、該スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆する工程と、第1の樹脂材料で被覆されたスロット内に該コイルを収容する工程と、第1の樹脂材料で被覆されたスロット内に第2の樹脂材料を充填する工程と、該コイルが収容されるとともに第2の樹脂材料が充填されたスロットを熱処理して、該スロットの壁面を被覆する絶縁被覆層と、該絶縁被覆層の上に該コイルを埋設させる充填層とを形成すると共に、該絶縁被覆層及び該充填層を介して該コイルを該スロットに一体化する工程とを備える方法により、有利に製造することができる。
前記電動機用ステータ又はロータの製造方法において、スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆する工程を行った後に、まず、該スロット内にコイルを収容する工程を行い、次に、該スロット内に第2の樹脂材料を充填する工程を行うようにしてもよい。或いは、スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆する工程を行った後に、まず、該スロット内に第2の樹脂材料を充填する工程を行い、次に、該スロット内にコイルを収容する工程を行うようにしてもよい。
また、前記第2発明の電動機用ステータ又はロータは、該スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆した後、熱処理して絶縁被覆層を形成する工程と、該絶縁被覆層を第2の樹脂材料で被覆する工程と、該絶縁被覆層及び第2の樹脂材料で被覆されたスロット内に該コイルを収容する工程と、該絶縁被覆層及び第2の樹脂材料で被覆されたスロット内に第3の樹脂材料を充填する工程と、該コイルが収容されるとともに第3の樹脂材料が充填されたスロットを熱処理して、該絶縁被覆層を被覆する樹脂層と、該樹脂層の上に該コイルを埋設させる充填層とを形成すると共に、該絶縁被覆層と該樹脂層と該充填層とを介して該コイルを該スロットに一体化する工程とを備える方法により、有利に製造することができる。
前記電動機用ステータ又はロータの製造方法において、スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆した後、熱処理して絶縁被覆層を形成する工程を行うことにより、該絶縁被覆層を該スロットの壁面に確実に固着することができる。
また、前記電動機用ステータ又はロータの製造方法において、絶縁被覆層を第2の樹脂材料で被覆する工程を行った後に、まず、該スロット内にコイルを収容する工程を行い、次に、該スロット内に第3の樹脂材料を充填する工程を行うようにしてもよい。或いは、絶縁被覆層を第2の樹脂材料で被覆する工程を行った後に、まず、該スロット内に第3の樹脂材料を充填する工程を行い、次に、該スロット内にコイルを収容する工程を行うようにしてもよい。
また、前記いずれかの電動機用ステータ又はロータの製造方法において、前記熱処理は、前記コイルを前記スロットの壁面に押圧した状態で行うことが好ましい。このようにすることにより、コイルをスロットへより強固に固着することができる。
電動機用ステータ全体を示す説明的断面図。 第1実施形態の電動機用ステータの要部を拡大して示す説明的断面図。 図2に示す電動機用ステータの初期状態を示す説明的断面図。 図2に示す電動機用ステータの製造方法の第1工程を示す工程図。 図2に示す電動機用ステータの製造方法の第2工程を示す工程図。 図2に示す電動機用ステータの製造方法の第3工程を示す工程図。 第2実施形態の電動機用ステータの要部を拡大して示す説明的断面図。 図7に示す電動機用ステータの初期状態を示す説明的断面図。 図7に示す電動機用ステータの製造方法の第1工程を示す工程図。 図7に示す電動機用ステータの製造方法の第2工程を示す工程図。 図7に示す電動機用ステータの製造方法の第3工程を示す工程図。 図7に示す電動機用ステータの製造方法の第4工程を示す工程図。 図7に示す電動機用ステータの製造方法の第5工程を示す工程図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。まず、図1を参照して電動機用ステータ1について説明する。電動機用ステータ1は、積層電磁鋼板からなる環状体であって、内周面に雫形状の凹部からなるスロット2を複数備えるとともに、スロット2内に図示しないコイルを備えている。前記コイルは、絶縁被膜で被覆された導線からなり、スロット2に収容されている。
電動機用ステータ1の内周側には、電動機用ステータ1の内周面から所定の間隔を存して、環状のロータ3が配置される。また、電動機用ステータ1の内周面とロータ3の外周面との間には、環状の永久磁石4が配置される。
尚、電動機用ステータ1は、環状体の内周面にスロット2を備えるとしているが、内周面に代えて、外周面にスロット2を備えていてもよい。その場合には、環状のロータ3は、電動機用ステータ1の外周側に、電動機用ステータ1の外周面から所定の間隔を存して配置され、環状の永久磁石4は、電動機用ステータ1の外周面とロータ3の内周面との間に配置される。
次に、図2を参照して、第1実施形態の電動機用ステータ11について説明する。図2は、電動機用ステータ11において図1示の電動機用ステータ1のA部に対応する部分の拡大図である。第1実施形態の電動機用ステータ11は、スロット2に代えてスロット12を備え、図示しないコイルに代えてコイル13を備える以外は、図1に示す電動機用ステータ1と同一の構成を備えている。
図2に示す電動機用ステータ11において、スロット12は、壁面が第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層14により被覆されている。絶縁被覆層14で被覆されたスロット12内には、第2の樹脂材料が充填されてなる充填層15が形成されている。充填層15には、コイル13が埋設されている。
コイル13は、充填層15に埋設されるとともに、該充填層15と絶縁被覆層14とを介してスロット12に一体化されている。このとき、絶縁被覆層14と充填層15とがいずれも樹脂材料からなり親和性に優れることにより、絶縁被覆層14と充填層15とが互いに強固に固着し一体化している。
したがって、第1実施形態の電動機用ステータ11によれば、コイル13がスロット12内で移動することを防ぐことができる。
また、電動機用ステータ11において、絶縁被覆層14は、第1の樹脂材料からなり、スロット12の壁面を被覆するとともに該壁面に密着している。また、コイル13が埋設されている充填層15は、第2の樹脂材料からなり、絶縁被覆層14で被覆されたスロット12内に充填されるとともに該絶縁被覆層14に密着している。
したがって、電動機用ステータ11によれば、良好な熱伝導性を得ることができ、高い放熱性を得ることができる。
絶縁被覆層14を構成する第1の樹脂材料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。しかし、金属であるスロット12との接着性に優れていることから、第1の樹脂材料は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂であることが好ましい。また、第1の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、電動機用ステータ11が高温下にあるときでも、絶縁被覆層14の溶融や劣化が抑制され、該絶縁被覆層14とスロット12との間の接着を維持することができる。
また、第1の樹脂材料だけでなく、第2の樹脂材料もまた、前記熱硬化性樹脂であることが好ましい。第2の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、電動機用ステータ11が高温下にあるときでも、充填層15の溶融や劣化が抑制され、該充填層15とコイル13との間の接着を維持することができる。
また、電動機用ステータ11において、第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料とは異なる樹脂であってもよいが、第1の樹脂材料と同一樹脂であることが好ましい。第2の樹脂材料が第1の樹脂材料と同一樹脂である場合には、絶縁被覆層14と充填層15とがより強固に密着することとなり、コイル13がスロット12内で移動することを確実に防ぐことができる。
また、絶縁被覆層14を構成する第1の樹脂材料と、充填層15を構成する第2の樹脂材料とは、該樹脂材料よりも高い熱伝導性を備える添加物を含有することが好ましい。前記構成を備える電動機用ステータ11によれば、絶縁被覆層14及び充填層15の熱伝導性を向上させることができ、より高い放熱性を得ることができる。前記添加物としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、タルク、マイカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
図2に示す第1実施形態の電動機用ステータ11は、次のようにして製造することができる。まず、図3に示すステータコア11aのスロット12の壁面を、図4に示すように、第1の樹脂材料で被覆し、10〜1000μmの範囲の厚さを有する樹脂塗膜14aを形成する。第1の樹脂材料は、例えばエポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂よりも高い熱伝導性を備える添加物としての窒化ケイ素を、80質量%以下の範囲で含有している。
次に、図5に示すように、樹脂塗膜14aが形成されたスロット12内に、前記絶縁被膜で被覆された導線からなるコイル13を挿入し収容する。
次に、図6に示すように、樹脂塗膜14aが形成されるとともにコイル13が収容されたスロット12内に、第2の樹脂材料15aを充填する。これにより、コイル13は第2の樹脂材料15aに埋没される。第2の樹脂材料15aは、例えばエポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂よりも高い熱伝導性を備える添加物としての窒化ケイ素を、80質量%以下の範囲で含有している。
次に、コイル13をスロット12の壁面に押圧した状態で、第2の樹脂材料15aが充填されたスロット12を50〜200℃の範囲の温度で10〜120分間熱処理する。前記熱処理により、樹脂塗膜14aから溶融した第1の樹脂材料が硬化し、スロット12の壁面を被覆する絶縁被覆層14が形成される。また、前記熱処理により、コイル13が埋設された第2の樹脂材料15aが硬化し、充填層15が形成される。
このとき、絶縁被覆層14と充填層15とがいずれも樹脂材料からなり親和性に優れることにより、絶縁被覆層14と充填層15とが互いに強固に固着し一体化される。
この結果、図2に示すように、スロット12内に絶縁被覆層14と充填層15とが形成されるとともに、該充填層15に埋設されたコイル13が、該充填層15及び絶縁被覆層14を介してスロット12に一体化されて固着された電動機用ステータ11を製造することができる。
前記熱処理は、コイル13をスロット12の壁面に押圧した状態で行わなくてもよいが、コイル13をスロット12の壁面に押圧した状態で行うことにより、コイル13をスロット12へより強固に固着することができる。
また、本実施形態の製造方法では、スロット12の壁面に樹脂塗膜14aを形成した後、まず、スロット12内にコイル13を収容し、次に、第2の樹脂材料15aを充填するようにしているが、スロット12の壁面に樹脂塗膜14aを形成した後、まず、スロット12内に第2の樹脂材料15aを充填し、次に、コイル13を収容するようにしてもよい。
次に、図7を参照して、第2実施形態の電動機用ステータ21について説明する。図7は、電動機用ステータ21において図1示の電動機用ステータ1のA部に対応する部分の拡大図である。第2実施形態の電動機用ステータ21は、スロット2に代えてスロット22を備え、図示しないコイルに代えてコイル23を備える以外は、図1に示す電動機用ステータ1と同一の構成を備えている。
図7に示す電動機用ステータ21において、スロット22は、壁面が第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層24により被覆されている。絶縁被覆層24の上には、第2の樹脂材料からなる樹脂層25が設けられている。絶縁被覆層24及び樹脂層25で被覆されたスロット22内には、第3の樹脂材料が充填されてなる充填層26が形成されている。充填層26には、コイル23が埋設されている。
コイル23は、充填層26に埋設されるとともに、該充填層26と樹脂層25と絶縁被覆層24とを介してスロット22に一体化されている。このとき、絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とがいずれも樹脂材料からなり親和性に優れることにより、絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とが互いに強固に固着し一体化している。
したがって、第2実施形態の電動機用ステータ21によれば、コイル23がスロット22内で移動することを防ぐことができる。
また、電動機用ステータ21において、絶縁被覆層24は、第1の樹脂材料からなり、スロット22の壁面を被覆するとともに該壁面に密着している。樹脂層25は、第2の樹脂材料からなり、絶縁被覆層25を被覆するとともに、該絶縁被覆層25に密着している。また、コイルが埋設されている充填層26は、第3の樹脂材料からなり、絶縁被覆層24及び樹脂層25で被覆されたスロット22内に充填されるとともに該樹脂層25に密着している。
したがって、電動機用ステータ21によれば、良好な熱伝導性を得ることができ、高い放熱性を得ることができる。
絶縁被覆層24を構成する第1の樹脂材料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。しかし、金属であるスロット22との接着性に優れていることから、第1の樹脂材料は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂であることが好ましい。また、第1の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、電動機用ステータ21が高温下にあるときでも、絶縁被覆層24の溶融や劣化が抑制され、該絶縁被覆層24とスロット22との間の接着を維持することができる。
さらに、第1の樹脂材料だけでなく、第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料もまた、前記熱硬化性樹脂であることが好ましい。第2の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、電動機用ステータ21が高温下にあるときでも、樹脂層25の溶融や劣化が抑制され、該樹脂層25と絶縁被覆層24との間の接着及び該樹脂層25と充填層26との間の接着を維持することができる。また、第3の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた場合には、電動機用ステータ21が高温下にあるときでも、充填層26の溶融や劣化が抑制され、該充填層26とコイル23との間の接着を維持することができる。
また、電動機用ステータ21において、第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料は、第1の樹脂材料とは異なる樹脂であってもよいが、第1の樹脂材料と同一樹脂であることが好ましい。第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料が第1の樹脂材料と同一樹脂である場合には、絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とがより強固に密着することとなり、コイル23がスロット22内で移動することを確実に防ぐことができる。
また、絶縁被覆層24を構成する第1の樹脂材料と、樹脂層25を構成する第2の樹脂材料と、充填層26を構成する第3の樹脂材料とは、該樹脂材料よりも高い熱伝導性を備える添加物を含有することが好ましい。前記構成を備える電動機用ステータ21によれば、絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26との熱伝導性を向上させることができ、より高い放熱性を得ることができる。前記添加物としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、タルク、マイカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
図7に示す第2実施形態の電動機用ステータ21は、次のようにして製造することができる。まず、図8に示すステータコア21aのスロット22の壁面を、図9に示すように、第1の樹脂材料で被覆し、10〜500μmの範囲の厚さを有する第1の樹脂塗膜24aを形成する。第1の樹脂材料は、例えばフェノール樹脂であり、フェノール樹脂よりも高い熱伝導性を備える添加物としての酸化アルミニウムを、80質量%以下の範囲で含有している。
次に、図9に示す第1の樹脂塗膜24aが形成されたスロット22を、50〜220℃の範囲の温度で10〜120分間熱処理する。前記熱処理により、第1の樹脂塗膜24aが硬化して、図10に示すように、スロット22の壁面を被覆する絶縁被覆層24が形成され、該絶縁被覆層24がスロット22の壁面に確実に固着される。
次に、図11に示すように、スロット22の壁面を被覆する絶縁被覆層24を、第2の樹脂材料で被覆し、10〜500μmの範囲の厚さを有する第2の樹脂塗膜25aを形成する。第2の樹脂材料は、例えばフェノール樹脂であり、フェノール樹脂よりも高い熱伝導性を備える添加物としての酸化アルミニウムを、80質量%以下の範囲で含有している。
次に、図12に示すように、前記絶縁被膜で被覆された導線をステータコア21aに巻き回すことにより、絶縁被覆層24及び第2の樹脂塗膜25aが形成されたスロット22内にコイル23を挿入し収容する。
次に、図13に示すように、絶縁被覆層24及び第2の樹脂塗膜25aが形成されるとともにコイル23が収容されたスロット22内に、第3の樹脂材料26aを充填する。これにより、コイル23は第3の樹脂材料26aに埋没される。第3の樹脂材料26aは、例えばフェノール樹脂であり、フェノール樹脂よりも高い熱伝導性を備える添加物としての酸化アルミニウムを、80質量%以下の範囲で含有している。
次に、コイル23をスロット22の壁面に押圧した状態で、第3の樹脂材料26aが充填されたスロット22を50〜250℃の範囲の温度で10〜120分間熱処理する。前記熱処理により、第2の樹脂塗膜25aから溶融した第2の樹脂材料が硬化し、絶縁被覆層24の上に樹脂層25が形成される。また、前記熱処理により、コイル13が埋設された第3の樹脂材料26aが硬化し、充填層26が形成される。
このとき、絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とがいずれも樹脂材料からなり親和性に優れることにより、絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とが互いに強固に固着し一体化される。
この結果、図7に示すように、スロット22内に絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とが形成されるとともに、該充填層26に埋設されたコイル23が、該充填層26と該樹脂層25と該絶縁被覆層24を介してスロット22に一体化されて固着された電動機用ステータ21を製造することができる。
前記熱処理は、コイル23をスロット22の壁面に押圧した状態で行わなくてもよいが、コイル23をスロット22の壁面に押圧した状態で行うことにより、コイル23をスロット22へより強固に固着することができる。
また、本実施形態の製造方法では、スロット22の壁面を被覆する絶縁被覆層24の上に第2の樹脂塗膜25aを形成した後、まず、スロット22内にコイル23を収容し、次に、第3の樹脂材料を充填するようにしているが、スロット22の壁面を被覆する絶縁被覆層24の上に第2の樹脂塗膜25aを形成した後、まず、スロット22内に第3の樹脂材料を充填し、次に、コイル23を収容するようにしてもよい。
尚、本実施形態の製造方法では、第1の樹脂塗膜24aが形成されたスロット22を熱処理して、第1の樹脂塗膜24aを硬化させるようにしているが、第1の樹脂塗膜24aは予め熱処理して半硬化の状態にされていてもよい。
また、本実施形態では、スロット12,22内にコイル13,23を備える電動機用ステータ11,21及びその製造方法について説明しているが、スロット内にコイルを備える電動機用ロータ及びその製造方法についても同一の方法が適用可能である。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
本実施例では、まず、積層電磁鋼板製の環状体からなるステータコア11aのスロット12の壁面を、第1の樹脂材料としての熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂で被覆し、500μmの厚さを有する樹脂塗膜14aを形成した。
次に、樹脂塗膜14aが形成されたスロット12内に、絶縁被膜で被覆され0.5mmの直径を有する導線からなるコイル13を挿入し収容した。
次に、樹脂塗膜14aが形成されるとともにコイル13が収容されたスロット12内に第2の樹脂材料15aを充填し、コイル13を第2の樹脂材料15aに埋没させた。第2の樹脂材料15aとして、第1樹脂材料と同一のエポキシ樹脂を用いた。
次に、第2の樹脂材料15aが充填されたスロット12を、180℃の温度で1時間熱処理した。前記熱処理により、樹脂塗膜14aから溶融した第1の樹脂材料が硬化し、スロット12の壁面を被覆する絶縁被覆層14が形成された。また、前記熱処理により、コイル13が埋設された第2の樹脂材料15aが硬化し、充填層15が形成された。
以上により、スロット12内に絶縁被覆層14と充填層15とが形成されるとともに、該充填層15に埋設されたコイル13が、該充填層15及び絶縁被覆層14を介してスロット12に一体化されて固着された電動機用ステータ11を得た。
次に、本実施例で得られた電動機用ステータ11に対して、次のようにして振動耐久試験を行った。前記振動耐久試験は、振動数が133Hz、振動加速度が90m/s、振動時間が上下方向4時間、左右方向2時間、前後方向2時間の条件で行われた。
次に、電動機用ステータ11に対して、目視によりクラックの有無を観察した。本実施例の電動機用ステータ11において、クラックは観察されなかった。
次に、本実施例で得られた電動機用ステータ11に対して、コイル13に10Aの電流を1時間印加することにより、コイル13からジュール熱を発生させた。電動機用ステータ11の表面温度を測定することにより、放熱性試験を行った。本実施例の電動機用ステータ11の表面温度は105℃であった。
本実施例では、まず、積層電磁鋼板製の環状体からなるステータコア21aのスロット22の壁面を、第1の樹脂材料としての熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂で被覆し、500μmの厚さを有する第1の樹脂塗膜24aを形成した。
次に、第1の樹脂塗膜24aが形成されたスロット22を、180℃の温度で1時間熱処理した。前記熱処理により、第1の樹脂塗膜24aが硬化し、スロット22の壁面を被覆する絶縁被覆層24が形成され、該絶縁被覆層24がスロット22の壁面に確実に固着された。
次に、スロット22の壁面を被覆する絶縁被覆層24を、第2の樹脂材料として第1樹脂材料と同一のエポキシ樹脂で被覆し、200μmの厚さを有する第2の樹脂塗膜25aを形成した。
次に、絶縁被覆層24及び第2の樹脂塗膜25aが形成されたスロット22内に、絶縁被膜で被覆され0.5mmの直径を有する導線からなるコイル23を挿入し収容した。
次に、絶縁被覆層24及び第2の樹脂塗膜25aが形成されるとともにコイル23が収容されたスロット22内に第3の樹脂材料26aを充填し、コイル23を第3の樹脂材料26aに埋没させた。第3の樹脂材料26aとして、第1樹脂材料と同一のエポキシ樹脂を用いた。
次に、第3の樹脂材料26aが充填されたスロット22を、180℃の温度で1時間熱処理した。前記熱処理により、第2の樹脂塗膜25aから溶融した第2の樹脂材料が硬化し、絶縁被覆層24の上に樹脂層25が形成された。また、前記熱処理により、コイル23が埋設された第3の樹脂材料26aが硬化し、充填層26が形成された。
以上により、スロット22内に絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とが形成されるとともに、該充填層26に埋設されたコイル23が、該充填層26と該樹脂層25と該絶縁被覆層24を介してスロット22に一体化されて固着された電動機用ステータ21を得た。
次に、本実施例で得られた電動機用ステータ21に対して、実施例1と全く同一にして、振動耐久試験を行った。本実施例の電動機用ステータ21において、クラックは観察されなかった。
次に、本実施例で得られた電動機用ステータ21に対して、実施例1と全く同一にして、放熱性試験を行った。本実施例の電動機用ステータ21の表面温度は110℃であった。
本実施例では、実施例2と全く同一にして、積層電磁鋼板製の環状体からなるステータコア21aのスロット22の壁面に、絶縁被覆層24と第2の樹脂塗膜25aとを形成した。
次に、絶縁被覆層24及び第2の樹脂塗膜25aが形成されたスロット22を、120℃の温度で10分間熱処理した。前記熱処理により、第2の樹脂塗膜25aが半硬化状態になり、より安定化された。
次に、絶縁被覆層24及び半硬化状態の第2の樹脂塗膜25aが形成されたスロット22内に、絶縁被膜で被覆され0.5mmの直径を有する導線からなるコイル23を挿入し収容した。
次に、実施例2と全く同一にして、コイル23が収容されたスロット22内に第3の樹脂材料26aを充填し、コイル23を第3の樹脂材料26aに埋没させた。
次に、第3の樹脂材料26aが充填されたスロット22を、実施例2と全く同一にして熱処理した。以上により、スロット22内に絶縁被覆層24と樹脂層25と充填層26とが形成されるとともに、該充填層26に埋設されたコイル23が、該充填層26と該樹脂層25と該絶縁被覆層24を介してスロット22に一体化されて固着された電動機用ステータ21を得た。
次に、本実施例で得られた電動機用ステータ21に対して、実施例1と全く同一にして、振動耐久試験を行った。本実施例の電動機用ステータ21において、クラックは観察されなかった。
次に、本実施例で得られた電動機用ステータ21に対して、実施例1と全く同一にして、放熱性試験を行った。本実施例の電動機用ステータ21の表面温度は110℃であった。
〔比較例〕
本比較例では、まず、積層電磁鋼板製の環状体からなる電動機用ステータのスロットの壁面に、紙と樹脂材料とを複合化してなる絶縁紙を挿入した。
次に、絶縁紙が挿入されたスロット内に、絶縁被膜で被覆され0.5mmの直径を有する導線からなるコイルを挿入し収容した。
次に、コイルが収容されたスロット内に、絶縁ワニスとしての不飽和ポリエステルワニスを滴下しながら150℃の温度で1時間加熱した後、さらに、該絶縁ワニスを滴下し、180℃の温度で1時間加熱した。前記加熱により、絶縁ワニスが硬化し、絶縁ワニスでコイルが絶縁紙に一体化された電動機用ステータを得た。
次に、本比較例で得られた電動機用ステータに対して、実施例1と全く同一にして、振動耐久試験を行った。本比較例の電動機用ステータでは、絶縁紙と絶縁ワニスとの間にクラックが観察された。
次に、本比較例で得られた電動機用ステータに対して、実施例1と全く同一にして、放熱性試験を行った。本比較例の電動機用ステータの表面温度は130℃であった。
前記振動耐久試験の結果から、実施例1の電動機用ステータ11及び実施例2,3の電動機用ステータ21は、コイル13,23がスロット12,22内で移動することを防ぐことができることが明らかである。一方、比較例の電動機用ステータは、コイルがスロット内で移動することを防ぐことができないことが明らかである。
また、前記放熱性試験の結果から、実施例1の電動機用ステータ11及び実施例2,3の電動機用ステータ21は、比較例の電動機用ステータと比較して、高い放熱性を備えることが明らかである。
11…電動機用ステータ又はロータ、 12…スロット、 13…コイル、 14…絶縁被覆層、 15…充填層、 21…電動機用ステータ又はロータ、 22…スロット、 23…コイル、 24…絶縁被覆層、 25…樹脂層、 26…充填層。

Claims (15)

  1. スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータにおいて、
    該スロットの壁面を被覆する第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層と、
    該絶縁被覆層で被覆されたスロット内に充填された第2の樹脂材料からなる充填層と、
    該充填層に埋設され、該充填層及び該絶縁被覆層を介して該スロットに一体化されたコイルとを備えることを特徴とする電動機用ステータ又はロータ。
  2. 第1の樹脂材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の電動機用ステータ又はロータ。
  3. 第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料と同一樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動機用ステータ又はロータ。
  4. スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータにおいて、
    該スロットの壁面を被覆する第1の樹脂材料からなる絶縁被覆層と、
    該絶縁被覆層上に設けられた第2の樹脂材料からなる樹脂層と、
    該絶縁被覆層及び該樹脂層で被覆されたスロット内に充填された第3の樹脂材料からなる充填層と、
    該充填層と該樹脂層と該絶縁被覆層とを介して該スロットに一体化されたコイルとを備えることを特徴とする電動機用ステータ又はロータ。
  5. 第1の樹脂材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項4記載の電動機用ステータ又はロータ。
  6. 第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料は、第1の樹脂材料と同一樹脂であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の電動機用ステータ又はロータ。
  7. 前記樹脂材料は、該樹脂材料よりも高い熱伝導性を備える添加物を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電動機用ステータ又はロータ。
  8. スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータの製造方法において、
    該スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆する工程と、
    第1の樹脂材料で被覆されたスロット内に該コイルを収容する工程と、
    第1の樹脂材料で被覆されたスロット内に第2の樹脂材料を充填する工程と、
    該コイルが収容されるとともに第2の樹脂材料が充填されたスロットを熱処理して、該スロットの壁面を被覆する絶縁被覆層と、該絶縁被覆層の上に該コイルを埋設させる充填層とを形成すると共に、該絶縁被覆層及び該充填層を介して該コイルを該スロットに一体化する工程とを備えることを特徴とする電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  9. 第1の樹脂材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項8記載の電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  10. 第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料と同一樹脂であることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  11. スロット内にコイルを備える電動機用ステータ又はロータの製造方法において、
    該スロットの壁面を第1の樹脂材料で被覆した後、熱処理して絶縁被覆層を形成する工程と、
    該絶縁被覆層を第2の樹脂材料で被覆する工程と、
    該絶縁被覆層及び第2の樹脂材料で被覆されたスロット内に該コイルを収容する工程と、
    該絶縁被覆層及び第2の樹脂材料で被覆されたスロット内に第3の樹脂材料を充填する工程と、
    該コイルが収容されるとともに第3の樹脂材料が充填されたスロットを熱処理して、該絶縁被覆層を被覆する樹脂層と、該樹脂層の上に該コイルを埋設させる充填層とを形成すると共に、該絶縁被覆層と該樹脂層と該充填層とを介して該コイルを該スロットに一体化する工程とを備えることを特徴とする電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  12. 第1の樹脂材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項11記載の電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  13. 第2の樹脂材料及び第3の樹脂材料は、第1の樹脂材料と同一樹脂であることを特徴とする請求項11又は請求項12記載の電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  14. 前記樹脂材料は、該樹脂材料よりも高い熱伝導性を備える添加物を含有することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の電動機用ステータ又はロータの製造方法。
  15. 前記熱処理は、前記コイルを前記スロットの壁面に押圧した状態で行うことを特徴とする請求項8乃至請求項14のいずれか1項に記載の電動機用ステータ又はロータの製造方法。
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