JP5168501B2 - モータ - Google Patents

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Description

本発明は、コイルが挿入されるステータおよび/またはロータを備えるモータに関する。
電機モータにおいては、ステータおよび/またはロータの鉄心のスロット部に挿入された異相コイル間や、スロット部とコイルとの間が、絶縁機能を有する部材によって電気的に絶縁される。従来、応力緩和部を有する絶縁紙を用いて相間絶縁するようにした相間絶縁紙が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなステータにおいては、相間絶縁紙とは異なる絶縁紙を3次元的に折り曲げ形成してスロット部に挿入した後、コイルを挿入して、スロット部およびコイル間を絶縁するのが一般的である。また、スロット部にコーティングされた絶縁樹脂などの有機材と、絶縁紙とによってスロット部およびコイル間を絶縁するようにした車両用交流電動機のステータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−217707号公報 特開平1−278242号公報
ところで、特許文献1および特許文献2に記載のモータは、絶縁紙を3次元的に折り曲げてスロット部に挿入しているため、絶縁紙とステータコア(スロット部)との間に必然的に空気層が形成される。この熱伝達率の小さな空気層の存在により、コイルからステータコアへの熱伝達が阻害されて、コイルで発生した熱を十分にステータコアへ放熱することができず、モータ性能に悪影響を及ぼすおそれがあった。
また、特許文献2のモータのように、ステータコアにコーティングされた有機材によって絶縁するようにすれば、空気層がない状態で絶縁層をステータコアに密着形成可能である。しかし、有機材のコーティングによる絶縁層には、ピンホールが発生し易い傾向があり、有機材の厚さを厚くすることでこのピンホール発生を防止している。一般的な大型モータの場合、この有機材の厚さが問題となることはないが、小型、且つ高出力が要求される、例えば車載用モータにおいては、有機材の厚さによるコイルの占積率の低下は出力低下の要因であり改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄く且つ絶縁性の高い無機絶縁層を基材に密着形成して、コイルからの放熱性を向上させると共に、地絡を防止することができるモータを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、回転軸周りに回転可能なロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ11)と、前記ロータと対向配置されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12)と、を備えるモータ(例えば、後述の実施形態におけるモータ10)であって、前記ロータおよび前記ステータの少なくともいずれかの鉄心は、コイル(例えば、後述の実施形態におけるコイル26)が挿入されるスロット部(例えば、後述の実施形態におけるスロット部25)を備え、コイルが挿入される前記ステータおよび前記ロータの少なくともいずれかの鉄心の磁束の流れる表面に、厚さ10μm以下の無機絶縁層(例えば、後述の実施形態における無機絶縁層28)を備え、前記無機絶縁層の表面には、コイル滑り部材(例えば、後述の実施形態におけるコイル滑り部材29)が形成されており、前記コイル滑り部材は、前記鉄心の外周面または内周面に対して盛り上がった盛り上げ部(例えば、後述の実施形態における盛り上げ部29a)を備え、前記盛り上げ部は、前記スロットの周方向端部において前記コイルのわたり部分に対向して延びる前記鉄心の角部(例えば、後述の実施形態における角部27)を覆うように、前記鉄心の前記外周面または前記内周面に密着して形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記コイル滑り部材は、前記無機絶縁層の表面にフッ素樹脂をコーティングすることにより形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のモータにおいて、前記無機絶縁層は、前記鉄心のスロット部に線爆溶射によって形成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のモータにおいて、前記無機絶縁層は、前記鉄心のスロット部にプラズマ溶射によって形成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に記載のモータにおいて、前記無機絶縁層は、ケイ素系無機材料からなることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータにおいて、前記鉄心は、テープ状の磁性体を捲回巻きすることにより形成されることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のモータにおいて、前記鉄心は、前記コイルが挿入される際に前記コイルが接触する部分にコイル滑り部材を備えることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモータにおいて、前記盛り上げ部は、前記コイルが挿入される際に前記コイルを折り曲げた部分が接触する部分にも形成されることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のモータにおいて、車両に搭載される車載用モータであることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、厚さが薄く均一であり、且つ密着性が高い無機絶縁層を、鉄心の磁束が流れる表面に形成することができる。これによって、コイルの熱を効率よく基材(例えば、ステータコア)に放熱してモータ性能を良好に維持することができる。また、従来、コイルと鉄心との間を絶縁していた絶縁紙が不要となり、部品点数を削減してコストを抑制することができる。また、従来の絶縁材である有機材より硬度が高く、表面に微細な凹凸を有する無機絶縁層の上にコイルを挿入しても、無機絶縁層の表面に形成されたコイル滑り部材によってコイルの損傷が防止され、地絡の発生を防止することができる。また、コイル挿入時や、その後のコイル成形時に、ステータコアやロータの角部との接触によるコイルの損傷を防止して、地絡発生を確実に防止することができる。
請求項2の発明によれば、コイル滑り部材によってコイルとの摩擦抵抗を低減することができ、コイルの挿入性が向上してコイルの占積率を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、無機絶縁層が、線爆溶射によって形成されるので、皮膜厚さの管理が容易であり、厚さが均一の無機絶縁層を容易に形成することができる。また、基材に対する密着力が高く、且つ耐熱性が高い無機絶縁層が得られ、コイルの熱を効率よく基材に放熱することができる。
請求項4の発明によれば、無機絶縁層が、プラズマ溶射によって形成されるので、エネルギ密度が極めて高いプラズマジェットにより10000℃以上の高温度が得られ、高融点のセラミックなど、ほとんどの材料を溶射して絶縁層を形成することができる。また、プラズマジェットの発生条件を変えることにより、任意の温度が得られるので、溶射する材料の選択自由度が大きく、基材(ステータコア、ロータ)と溶射皮膜(絶縁層)との密着度を高めることができる。
請求項5の発明によれば、電気機器の絶縁材料として長い実績と信頼性のあるケイ素系無機材料により、信頼性の高い無機絶縁層を形成することができる。
請求項6の発明によれば、鋼板の表面に燐酸塩などの塩基からなる耐食性皮膜が形成された電磁鋼板を用いてステータやロータを形成することにより、スロット部などの加工によって耐食性皮膜が削除された端面にのみ無機材料を溶射するだけで、高い絶縁性を容易に確保することができる。
請求項7の発明によれば、積層された電磁鋼板の端面のエッジによるコイルの損傷を防止することができ、コイルの挿入性が向上してコイルの占積率を向上させることができる。
請求項8の発明によれば、コイル挿入時に折り曲げられるコイルが、ステータコアやロータとの接触により損傷するのを確実に防止して、地絡発生を確実に防止することができる。
請求項9の発明によれば、薄い無機絶縁層によって絶縁することにより、コイル占積率を向上させて小型化、高出力化することができ、車載用モータに適用するのに有効である。
本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 図1に示すステータコアの斜視図である。 図2におけるA部拡大図である。 図2におけるB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る図2と同様の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るロータの分解斜視図である。 図6におけるC−C線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
(第1実施形態)
図1に示すように、アキシャルギャップ型モータ10は、回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸Oの軸方向の両側からロータ11を挟み込むようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相のコイル(固定子巻線)26を有する一対のステータ12,12と、を備える。モータ10は、例えば車両搭載用の車載用モータとして使用される。
各ステータ12は、略円環板状のヨーク部21、およびロータ11に対向するヨーク部21の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から軸方向に沿ってロータ11に向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース部22,…,22を有するステータコア23と、隣り合うティース部22,22の周方向壁面と該壁面間のヨーク部21の側面によって画成される、略U字状のスロット部25に挿入される、例えば、U相、V相、およびW相の複数相からなるコイル26と、を備える。
ステータコア23は、テープ状の磁性体(例えば、電磁鋼板)の一方の側面に、スロット部25となる複数の凹部、およびティース部22となる複数の凸部を連続的に形成した後、捲回巻きすることで形成可能である。電磁鋼板には、表面に燐酸塩などの塩基からなる耐食性皮膜が形成されている。
ステータ12は、主極が6個(U,V,W,U,V,W)とされた6N型であって、それぞれのスロット部25には、ヨーク部21側から順に、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルが挿入されている。また、各相のコイル間には、それぞれ不図示の相間絶縁紙が挿入されて、各コイルのコイルエンドが相間絶縁されている。
図2から図4に示すように、ステータコア23のスロット部25の表面には、ケイ素系無機材料の溶射によって、厚さ10μm以下の無機絶縁層28が形成されている。ケイ素系無機材料としては、例えば、ケイ酸塩鉱物の雲母や、シリコンなどを用いることができる。ケイ素系無機材料は、従来から電気機器の絶縁部に使用されているマイカテープなどに含有される材料であり、絶縁材料として高い実績と信頼性を備える材料である。尚、以下の説明において、無機絶縁層28の厚さは10μm以下と説明するが、0μmは含まないものとする。
従来用いられている有機材皮膜はピンホール発生防止のために厚くせざるを得ないのに対して、無機絶縁層28は粒子径が小さいため、ピンホールを隠すために多数の層を積層形成しても厚くならない。これにより無機絶縁層28の厚さを10μm以下に薄くできる。
ケイ素系無機材料の溶射には、例えば、線爆溶射や、プラズマ溶射が利用可能である。線爆溶射は、無機絶縁材料を線状に形成し、大気中、または不活性ガス中で衝撃大電流を流して放電爆発させることにより、大電流で瞬時に溶融された溶射材料(無機絶縁材料)が微粒子状となって飛散し、基材に衝突して溶射皮膜を形成するものである。線爆溶射は、溶融粒子の衝突速度が高く、また温度も高いので、基材に対する密着力が良好であり、均一な皮膜が形成される。
線爆溶射は、それぞれのスロット部25で順次行うことができ、また、専用治具を用いて総てのスロット部25を同時に線爆溶射することもできる。
また、プラズマ溶射は、アルゴンガスやヘリウムガスなどのガス中で直流大電流のアーク放電を行わせ、高温高速のプラズマジェットを溶射ガン中に発生させる。このプラズマジェット中に粉末状の溶射材料を投入して溶融と加速を行って皮膜を形成する溶射法であり、エネルギ密度の極めて高いプラズマジェットにより10,000℃を越える高温が得られ、セラミックスを含むほとんどの高融点材料を溶射することができる。また、発生条件によりプラズマジェットの温度を任意に設定することができるので、溶射材料の選択自由度が大きく、ステータコア23と無機絶縁層28との密着性を高めることができる。
線爆溶射やプラズマ溶射は、溶射皮膜の厚さ管理が容易であるため、薄く、且つ厚さが均一な無機絶縁層28を容易に形成することができる。このような溶射によって形成される無機絶縁層28は、高い耐熱性を有すると共に、ステータコア23との密着性が高い。また、無機絶縁層28の厚さが10μm以下と薄いので、コイル26からの熱が効率よくステータコア23に伝達され、モータ性能が熱によって影響されることがない。また、無機絶縁層28の厚さが10μm以下と薄いことにより、コイル26の占積率が向上可能であるため高出力が得られる。尚、スロット部25に溶射される溶射材料としては、ケイ素系無機材料の他にも、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)なども用いることができる。
スロット部25に溶射された無機絶縁層28の表面には、コイル滑り部材29が形成されている。コイル滑り部材29は、無機絶縁層28の表面にフッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標))をコーティングすることにより形成される。また、スロット部25の周方向両側においてコイル26のわたり部分に向かって延びる縁部、すなわち角部27には、盛り上げ部29aが角部27を覆うように形成されている。また、スロット部25の周方向両側においてティース部22のロータ対向面に向かって延びる縁部には、盛り上げ部29bが形成されている。
捲回巻によって製作されるステータコア23は、前述したように、スロット部25となる凹部が予め電磁鋼板にプレス形成された後、捲回巻されるため、スロット部25の積層方向表面は耐食性皮膜が除去されており、凹凸が多い。また、無機絶縁層28を形成するケイ素系無機材料は高硬度であるため、無機絶縁層28の表面には高硬度の微小凹凸が形成される。これに対し、フッ素樹脂は摩擦抵抗が小さく、滑り性および耐熱性に優れるため、無機絶縁層28上にフッ素樹脂によるコイル滑り部材29が形成されることにより、コイル26を損傷するおそれがなく、コイル26を容易にスロット部25に挿入することができる。また、滑り性がよいことは、コイル26の占積率向上にも寄与する。
また、コイル26をスロット部25に挿入する際には、コイル26が、スロット部25とティース部22との角部27等に接触し、コイル26の絶縁性を低下させる可能性がある。しかし、コイル26が接触する縁部には、盛り上げ部29a,29bが形成されているので、コイル26の挿入時や、その後の成形時のコイル26の損傷が防止される。これによって、地絡の発生が防止される。
尚、コイル26の占積率を向上させるためには、スロット部25の凹凸が平滑となるまでフッ素樹脂を厚くコーティングするのではなく、凹凸の形状に沿わせてフッ素樹脂をコーティングするのが好ましい。尚、ステータコア23は、捲回巻きによる以外にも、鉄粉などの金属粉末のプレス成形や、焼結によって形成してもよい。
尚、第1実施形態の変形例として、スロット部25の底部からヨーク部21の外周面及び内周面に向かって延びる縁部には、盛り上げ部29cが形成されてもよい(図5参照)。コイル26をスロット部25に挿入する際には、コイル占積率を向上させるため、既に挿入されたコイルをスロット部に押し付けてステータコアの外周面及び内周面において折り曲げながら、新たなコイルを挿入する。本変形例においては、コイル挿入時に折り曲げられたコイルが接触する部分に盛り上げ部29cが形成されているので、コイル26の挿入時や、その後の成形時のコイル26の損傷を確実に防止することができる。
尚、前述した第1実施形態及び変形例において、スロット部25の周方向両側においてティース部22のロータ対向面に向かって延びる縁部に設けられた盛り上げ部29bは、ロータ11とステータ12との間のエアギャップを確保するためには形成されなくてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るモータのロータ11について、図6および図7を参照して説明する。
尚、第2実施形態のモータは、コイルが挿入されるロータのスロット部に厚さ10μm以下の無機絶縁層が形成されている点で、第1実施形態のモータと異なる。その他の部分については、第1実施形態のモータと同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図6および図7に示すように、第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータのロータ11は、複数の磁極部40と、ロータフレーム33と、を備える。それぞれの磁極部40は、ボビン44のスロット部45にコイル46が巻回された略扇形状のボビン部41と、このボビン部41を厚さ方向の両側から挟み込む1対の磁性部材42とで構成されている。
ロータフレーム33は、ステンレス鋼やアルミニウムなどの非磁性材によって形成されており、周方向に所定間隔をおいて配置されて径方向に延びる複数の径方向リブ34,…,34と、径方向リブ34,…,34によって接続される内周側筒状部35及び外周側筒状部36と、を備える。
複数の磁極部40は、径方向の両側から内周側筒状部35と外周側筒状部36とにより挟み込まれると共に、ボビン部41が2つの径方向リブ34によって周方向の両側から挟み込まれて、ロータフレーム33に収容される。
ボビン44は磁性体からなり、例えば電磁鋼板を径方向又は軸方向に積層させることにより略扇形に形成される。ボビン44には、全周にわたってスロット部45が形成されている。スロット部45の表面には、第1実施形態のステータコア23のスロット部25と同様に、ケイ素系無機材料が線爆溶射やプラズマ溶射によって溶射されて、厚さ10μm以下の無機絶縁層48が形成されている。スロット部45に溶射された無機絶縁層48の表面にはコイル滑り部材49が設けられている。このコイル滑り部材49は、例えば無機絶縁層48の表面にフッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標))をコーティングすることにより形成される。また、スロット部45の角部47には、盛上げ部49aが形成されている。
その他の構成、および作用は、第1実施形態のアキシャルギャップ型モータ10と同様であるので、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係るモータ10によれば、コイル46が挿入される、ロータ11の磁束が流れる表面に、厚さ10μm以下の無機絶縁層48を形成したので、厚さが均一に薄く、且つ密着性が高い絶縁層48を、磁束が流れる表面に形成することができる。これによって、コイル46の熱を効率よく放熱してモータ性能を維持することができる。また、無機材を用いた無機絶縁層48とすることにより、ピンホールがなく薄い絶縁層48の形成が可能となる。更に、従来、コイル46とロータ11との間を絶縁していた絶縁紙が不要となり、部品点数を削減してコストを抑制することができる。
また、無機絶縁層48が、ロータ11のスロット部45に線爆溶射によって形成されるので、皮膜厚さの管理が容易であり、厚さが均一な無機絶縁層48を形成することができる。また、基材に対する密着力が高く、且つ耐熱性が高い無機絶縁層48が得られ、コイル46の熱を効率よく放熱することができる。
更に、無機絶縁層48が、ロータ11のスロット部45にプラズマ溶射によって形成されるので、エネルギ密度が極めて高いプラズマジェットにより10000℃以上の高温度が得られ、高融点のセラミックなど、ほとんどの材料を溶射して絶縁層を形成することができる。また、プラズマジェットの発生条件を変えることにより、任意の温度が得られるので、溶射する材料を自由に選択することが可能となり、ボビン44と無機絶縁層48との密着度を高めることができる。
また、無機絶縁層48が、ケイ素系無機材料からなるので、電気機器の絶縁材料として長い実績と信頼性のあるケイ酸塩鉱物である雲母や、シリコンなどを用いることができる。また、これによって信頼性の高い無機絶縁層48が形成される。
更に、ロータ11は、コイル46との接触部にコイル滑り部材49が形成されているので、高硬度であり表面に微細な凹凸を有する無機絶縁層48の上にコイル46を挿入しても、接触によるコイル損傷がコイル滑り部材49によって防止される。これによって、地絡の発生を防止することができる。
前述したように、ボビン44は電磁鋼板を積層させて形成されるので、スロット部45に凹凸が多い。また、無機絶縁層48を形成するケイ素系無機材料は高硬度であるため、無機絶縁層48の表面には高硬度の微小凹凸が形成される。これに対し、フッ素樹脂は摩擦抵抗が小さく、滑り性および耐熱性に優れるため、無機絶縁層48上にフッ素樹脂によるコイル滑り部材49が形成されることにより、コイル46の損傷を防止すると共に、コイル46との摩擦抵抗を低減することができ、コイル46を容易にスロット部45に挿入することができる。また、滑り性がよいことは、コイル46の占積率向上にも寄与する。
また、スロット部45の角部47には、コイル滑り部材49が盛り上げられた盛上げ部49aが形成されているので、コイル挿入時や、その後のコイル成形時に、角部47との接触によってコイル46に与える損傷を防止し、地絡発生を確実に防止することができる。
更に、モータ10が、車両に搭載される車載用モータであるので、厚さ10μm以下の無機絶縁層48で絶縁することにより、コイル46の占積率を向上させて小型化、高出力化することができ、車載用モータに適用するのに有効である。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記説明においては、アキシャルギャップ型モータについて説明したが、アキシャルギャップ型モータに限定されず、かご型モータなどのラジアルギャップ型モータにも同様に適用することができる。ラジアルギャップ型モータのステータの鉄心は、例えば電磁鋼板を軸方向に積層させることにより形成されるので、本発明を有効に適用することができる。
10 アキシャルギャップ型モータ
11 ロータ
12 ステータ
25,45 スロット部
26,46 コイル
27,47 角部
28,48 無機絶縁層
29,49 コイル滑り部材
29a,29b,29c,49a 盛り上げ部
O 回転軸

Claims (9)

  1. 回転軸周りに回転可能なロータと、前記ロータと対向配置されるステータと、を備えるモータであって、
    前記ロータおよび前記ステータの少なくともいずれかの鉄心は、コイルが挿入されるスロット部を備え、
    コイルが挿入される前記ステータおよび前記ロータの少なくともいずれかの鉄心の磁束の流れる表面に、厚さ10μm以下の無機絶縁層を備え
    前記無機絶縁層の表面には、コイル滑り部材が形成されており、
    前記コイル滑り部材は、前記鉄心の外周面または内周面に対して盛り上がった盛り上げ部を備え、
    前記盛り上げ部は、前記スロットの周方向端部において前記コイルのわたり部分に対向して延びる前記鉄心の角部を覆うように、前記鉄心の前記外周面または前記内周面に密着して形成されていることを特徴とするモータ。
  2. 前記コイル滑り部材は、前記無機絶縁層の表面にフッ素樹脂をコーティングすることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記無機絶縁層は、前記スロット部に線爆溶射によって形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ。
  4. 前記無機絶縁層は、前記スロット部にプラズマ溶射によって形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ。
  5. 前記無機絶縁層は、ケイ素系無機材料からなることを特徴とする請求項または請求項に記載のモータ。
  6. 前記鉄心は、テープ状の磁性体を捲回巻きすることにより形成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のモータ。
  7. 前記コイル滑り部材は、前記コイルが挿入される際に前記コイルが接触する部分にも形成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のモータ。
  8. 前記盛り上げ部は、前記コイルが挿入される際に前記コイルを折り曲げた部分が接触する部分にも形成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモータ。
  9. 車両に搭載される車載用モータであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のモータ。
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