JP2004140224A - 導電性クッション材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯電話等の情報機器筐体から漏洩する電磁波を有効に遮断し、且つ衝撃に比較的脆弱な電子部品を保護できる緩衝機能を具備した導電性クッション材料、及びその製造工程が簡便で容易に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料、及びその製造方法などを提供した。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料、及びその製造方法などを提供した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド効果が高く、柔軟性の高い導電性クッション材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、導電性細線からなる繊維集合体と、空洞を有しかつ導電性充填材を分散した弾性樹脂とを含有する導電性クッション材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩により、電気、電子、電波等を利用した数多くの電子機器が普及し、これに伴い、電子機器の急激な高周波化、デジタル化、高集積化が進んでいる。これらの中には、人間や他の機器等に有害な影響を与える電磁波を放射しているものがあるが、最近は、特に問題視されるようになり、その防止対策は、極めて重要となりつつある。
電磁波障害への対策は、種々あるが、防止対策として本命視されているのが電磁波シールド性能を有する電磁波シールド材として用いる導電性材料である。電磁波シールド材とは、電子機器や建物等をシールド材で被うことなどにより、外部からの電磁波を内部に進入させない、又は内部からの電磁波を遮断する材料である。
【0003】
一般に、電磁波シールド性能又は導電性能をプラスチックスやゴムなどの高分子材料(ポリマー)へ付与する技術をみると、以下の4手法が代表的なものであり、種々提案されている。
▲1▼導電性材料を、プラスチックス、ゴム、発泡体などのポリマー内部に混合、分散させる技術のもの(例えば、特許文献1参照。)。
▲2▼金属等の導体又は導電性材料を、ポリマーマトリックス内に埋設する技術のもの(例えば、特許文献2、3、4参照。)。
▲3▼金属等の化学メッキや蒸着により、ポリマー表面や内部に導通経路を形成する技術のもの(例えば、特許文献5参照。)。
▲4▼導電性の高い材料を、ポリマー表面に貼着又は積層する技術のもの(例えば、特許文献6参照。)。
【0004】
しかしながら、上記従来の提案されている技術には、種々の問題点がある。
例えば、上記▲1▼の導電性材料をポリマー内部に混合、分散させる技術では、導電性材料として、例えばカーボンブラックを用いる場合、高濃度の充填が必要であり、良好な導電性を示す程度の高濃度の充填率では、機械的物性が劣るようになる。一方、充填率を減じるには、銀等の高価な原料が必要となる。また、含浸法による製造方法は、工程が煩雑であるという難点がある。
また、上記▲2▼の導電性材料をポリマーマトリックス内に埋設する技術では、メッシュ、金属箔、エキスパンドメタル等を埋設したものは、それらの厚みに制約を受け、異方性を伴う、即ち等方性でなくなる場合があり、また、導電性三次元メッシュ状体を埋設したものでは、ポリマー中のメッシュ状体の密度により、導電性が変動する。さらに、良導電性とするには、高密度充填(埋設)が必要であり、結果としてクッション性を失うという難点がある。
さらに、上記▲3▼の金属等を化学メッキ又は蒸着する技術では、筐体等接触面部のメッキ層は、衝撃吸収等の緩衝作用を及ぼす際に、擦れにより脱落し易いために、長期に亘って安定した性能を発揮することが困難であるという難点がある。また、上記▲4▼の導電性の高い材料をポリマー表面に貼着(又は積層)する技術では、金属細線メッシュ等を張合わせる場合、導電層には、エラスティックな性質がないため、系全体のクッション性が悪くなる。また、筐体等接触部の密着性が悪くなり、電磁波が漏洩し易い恐れがあるという難点がある。
このように、提案されている従来の電磁波シールド性の導電性材料には、種々の問題点があるために、それらの問題点を解消した電磁波シールド性に優れ、導電性のクッション材料が強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−249890号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平10−237184号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開平11−68376号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開2001−85888号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献5】
特開2002−164684号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献6】
特開平6−85488号公報(特許請求の範囲等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の導電性材料などがもつ問題点を解消し、携帯電話等の情報機器筐体から漏洩する電磁波を有効に遮断し、且つ衝撃に比較的脆弱な電子部品を保護できる緩衝機能を具備した導電性クッション材料、及びその製造工程が簡便で容易に製造できる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、導電性カーボンブラックを含有したポリウレタンを溶剤で溶解した溶液を、導電性を有する金属細線シートに含浸させ、スチーム加湿された熱気中で成形して、導電性クッション材料を作製したところ、その導電性クッション材料は、電磁波シールド効果が高くて、さらに、その導電性クッション材料中に空洞(気泡)を多数有しているために、柔軟性で緩衝作用に優れることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料が提供される。また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記弾性樹脂(B)は、ポリウレタンであることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記繊維集合体(A)は、単位面積当りの重量が1〜0.005(Kg/m2)の範囲であることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
【0009】
本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記繊維集合体(A)は、金属細線であることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記導電性充填材(C)は、カーボンブラックであることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、カーボンブラックの配合量は、前記弾性樹脂(B)と該カーボンブラックの総量に対して、20〜40重量%であることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
【0010】
一方、本発明の第7の発明によれば、弾性樹脂(B)を溶剤で溶解し、その中に導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液を得る第1の工程、その弾性樹脂溶液を、導電性細線から構成される繊維集合体(A)に、含浸させる第2の工程、及び高温・高湿下で弾性樹脂溶液中の溶剤を取り除くとともに、弾性樹脂(B)に空洞を形成する第3の工程を含有することを特徴とする第1〜6のいずれかの発明の導電性クッション材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記第3の工程の後に、さらに、水又は熱水中に浸漬し、溶剤を除去する第4の工程を付加することを特徴とする導電性クッション材料の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第7又は8の発明において、さらに、厚み調整と表面の平滑性を向上するために、プレス又はホットプレスにより成形する第5の工程を付加することを特徴とする導電性クッション材料の製造方法が提供される。
【0011】
本発明は、上記した如く、導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料などに係るものであるが、その好ましい態様として、次のものが包含される。
【0012】
(1)第1の発明において、導電性は、電気抵抗値が50(Ω/3cm)以下、電磁波シールド性能は、100〜1000MHz間で45(db)以上、及び柔軟性は、タイプAデュロメーター硬度で30以下であることを特徴とする導電性クッション材料。
(2)第3の発明において、金属細線は、黄銅細線であることを特徴とする導電性クッション材料。
(3)第7の発明において、第3の工程の高温・高湿下とは、スチーム加湿された熱気雰囲気であることを特徴とする導電性クッション材料の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について項目毎に詳細に説明する。
本発明の導電性クッション材料は、導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする。
【0014】
1.繊維集合体(A)
本発明の導電性クッション材料において、繊維集合体(A)は、導電性細線から構成される。その導電性細線は、表面を導体で被覆、塗装した繊維や金属細線、カーボンファイバー等、電気を通すものであれば、適宜利用することができる。
これらのうちで金属細線は、抵抗が小さいので、良好な導電性を得ることができ、より好ましい。その金属細線としては、黄銅、銅、アルミニウム、ステンレス等の細線を挙げることができる。
また、導電性細線の直径は、100μm以下であることが導電性クッション材料のクッション性、及び電気抵抗値の観点から好ましい。
さらに、繊維集合体の単位面積当りの重量は、1(Kg/m2)〜0.005(Kg/m2)の範囲であることが好ましい。繊維集合体の重量が0.005(Kg/m2)未満であると、導電性効果や電磁波シールド効果が発揮せず、一方、1(Kg/m2)を超えると、弾性樹脂溶液を含浸しにくくなり、操作性が悪くなるため、好ましくない。
また、繊維集合体の厚さは、所望する導電性クッション材料の厚みにより種々変更すれば良いが、静置で0.2〜5mmの範囲が好ましい。
【0015】
2.弾性樹脂(B)
本発明において、弾性樹脂(B)としては、弾性を有する樹脂であれば適宜使用することができ、例えば、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、シリコン樹脂、未加硫ゴム材料などが挙げられる。
これらのうち、ポリウレタンが機械的物性に優れ、安価であり、さらに、ポリウレタンを構成する原料配合比を変更することにより、所望の物性、特に硬度を容易に変更できる等の利点があり、好ましい。また、ポリウレタンは、溶剤選択範囲が広いため、この点においても好ましい。その理由は、ポリウレタンを溶解できる溶剤群の中で、水も溶解しやすい溶剤が多いためである。
また、弾性樹脂として未加硫ゴム材料を用いる場合は、加硫剤及び加硫助剤などを添加した後、高温、高湿下で溶剤を取り除きながら、加硫反応をさせても良い。
【0016】
3.導電性充填材(C)
本発明の導電性クッション材料において、導電性充填材(C)は、前記の弾性樹脂(B)の導電性を向上させるために、添加される。その導電性充填材としては、金属粒子や炭素粒子等を適宜用いることができるが、導電性や価格の面から、カーボンブラック、その中でもアセチレンガスを原料としたアセチレンブラックが好ましい。
【0017】
4.導電性クッション材料とその製造方法
本発明の電磁波シールド性能に優れ、しかも緩衝機能を具備した導電性クッション材料は、下記の製造方法により得ることができる。このような導電性クッション材料の製造方法は、次の3(I〜III)、4(I〜IV)、又は5(I〜V)工程を含有することを特徴とし、中でも最大の特徴は、弾性樹脂を溶剤で溶解し、これに導電性充填材を混合して、弾性樹脂溶液を作製し、これを繊維集合体に含浸させた後、高温・高湿下で溶剤を除去することにより弾性樹脂を硬化するとともに空洞を作製することである。
(I)弾性樹脂(B)を溶剤で溶解し、その中に導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液を得る第1の工程。
(II)工程Iで得られた弾性樹脂溶液を、導電性細線から構成される繊維集合体(A)に、含浸させる第2の工程。
(III)工程IIで得られた弾性樹脂溶液含浸繊維集合体を、高温・高湿下で弾性樹脂溶液中の溶剤を除去することにより、弾性樹脂を硬化するとともに空洞を形成する第3の工程。
(IV)工程IIIで得られた導電性クッション材料を、さらに、水又は熱水中に浸漬し、溶剤を除去する第4の工程。
(V)工程III又はIVで得られた導電性クッション材料を、厚み調整と表面の平滑性を向上するために、プレス又はホットプレスにより成形する第5の工程。
【0018】
本発明の導電性クッション材料は、繊維集合体(A)がクッション材料中に埋設され、すなわち該クッション材料を構成する、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)中に埋設され、埋設された金属細線などの繊維集合体は、その端部の少なくとも一部がクッション材料の外表面、すなわち弾性樹脂(B)外表面に露出していることが望ましい(図1参照)。
また、本発明の導電性クッション材料は、クッション性を付与するために弾性樹脂が、空洞を多数有している。その弾性樹脂中に含まれる空洞のうち、目視可能な空洞の形状や大きさは、略球状又は楕円球状であって、空洞の短径が概ね0.3〜1mm程度である。
この空洞は、発泡剤を入れることなどにより形成できるが、よりクッション性を与えるために、上記の製造方法、すなわち、弾性樹脂を溶剤に溶解し、これに導電性充填材を均一に混ぜて、弾性樹脂溶液を作製し、これを繊維集合体に含浸させた後、高温・高湿下、すなわち例えばスチーム加湿された熱気中で、溶剤を除去することにより弾性樹脂を硬化するとともに空洞を作製する方法が好ましい。また、高温・高湿下である程度、弾性樹脂を硬化させた後に、水又は熱水中に浸漬し、さらに溶剤を除去することが好ましい。
【0019】
本発明の導電性クッション材料の製造方法に用いられる溶剤は、弾性樹脂を溶解し、且つ水に溶解するものであれば、特に制限なく適宜利用することができる。
例えば、弾性樹脂としてウレタンを利用する場合は、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを好適に使用することができる。また、弾性樹脂としてシリコン樹脂を用いる場合は、テトラヒドロフラン(THF)などが、さらに、未加硫ゴム材料を用いる場合は、アセトンや、メチルエチルケトン(MEK)などが挙げられる。
【0020】
また、本発明の導電性クッション材料の製造方法に係る、工程Iで得られた導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液は、例えば、導電性充填材としてカーボンブラックを、また、弾性樹脂としてポリウレタンを用いた場合には、そのカーボンブラックとポリウレタンを溶解した溶液濃度は、導電性を有した繊維集合体の態様にもよるが、適度に含浸しやすい原液濃度として調製すれば良い。その原液濃度が低すぎると、凝固後に繊維集合体の露出が激しくなり、カーボンブラックを含有したポリウレタンが極端に薄い層を発生し、好ましくない。一方、その原液濃度が高すぎると、導電性を有した繊維集合体に対して、含浸しにくくなり、導電性を有した繊維集合体の未塗布層が発現するため、好ましくない。好ましい原液(カーボンブラックとポリウレタンを溶解した溶液)濃度の範囲は、7〜12重量%の範囲である。
【0021】
また、導電性充填材としてのカーボンブラックの配合量は、所望する導電性クッション材料の導電性能に合せて配合すれば良く、特に規定されるものではない。しかし、カーボンブラック配合濃度が低すぎると、導電性能が低下するため、好ましくない。一方、高すぎると、カーボンブラックの分散が困難になることや、原液粘度を激しく上昇させることから、期待した性能を得られないばかりか、操作性や導電性クッション材料の外観品位を損ねる恐れがある。好ましくは、前記弾性樹脂(B)と該カーボンブラックの総量に対して、20〜40重量%、さらに好ましくは25〜40重量%を配合すると、好適な性能・品位を有した導電性クッション材料を得ることができる。
【0022】
さらに、具体的な導電性クッション材料の製造方法の一例(概要)を説明する。繊維集合体(A)として黄銅細線シートを、弾性樹脂(B)としてポリウレタンを、導電性充填材(C)として、カーボンブラックを用いている。尚、本発明の導電性クッション材料の製造方法は、これに限定されない。
(1)ポリウレタン溶液の調製(第1の工程の前半部I)
ニーダーを用いて、エーテル系ポリウレタンペレットのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液(濃度15重量%)を調製する。溶解が終了した後、DMFを追加し10(重量%)ポリマー溶液を調製する。
【0023】
(2)導電性カーボンブラック分散液の調製(第1の工程の前半部II)
導電性カーボンブラックの10(重量%)DMF溶液を調製する。その分散処理は、ホモジナイザーで行う。
【0024】
(3)導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液の調製(第1の工程)
上記ポリウレタン溶液と、導電性カーボンブラック分散液を計量、混合することにより、導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液を調製する。その混合比は、例えば、ポリウレタン溶液70重量部に対して、導電性カーボンブラック分散液30重量部である。尚、混合撹拌後、自然脱泡を実施するために1時間放置し、次の工程へ進む。
【0025】
(4)導電性クッション材料の作製(第2、第3及び第4の工程)
黄銅細線シートを必要に応じて、塩化メチレンで脱脂、洗浄した。乾燥後の黄銅細線シートをバットへ移し、上記の導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液を投入し、細線シート内に当該ポリマー溶液を含浸させる(第2の工程)。続いて、本容器を、スチーム加湿された熱気中(90℃×50RH%)内に格納する。脱溶媒と固化が進行したら、容器を取り出し、水を加えて脱溶媒を促進させる。水中に約12時間程度の浸漬を経た後、内容物の風乾と乾燥を行い、導電性クッション材料を得る(第3と第4の工程)。
【0026】
このようにして製造された導電性クッション材料を、断面模式図として図1に示す。導電性細線からなる繊維集合体は、導電性微粒子(例えばカーボンブラック)分散ポリウレタンマトリックスに埋設されており、また、その繊維集合体の少なくとも一部は表面に露出されており、加えて、高温・高湿下、すなわちスチーム加湿された熱気中で成形を行うことにより、気泡、すなわち空洞が発生する。気泡(空洞)の存在は、ポリウレタンの弾力性と相乗効果的にクッション性に寄与する。
【0027】
本発明の導電性クッション材料は、その硬度がタイプAデュロメーター硬度で20〜30程度である。また、その導電性能は、電気抵抗値が50(Ω/3cm)以下であり、電磁波シールド性能は、100〜1000MHz間で概ね45(db)の性能である。
【0028】
また、本発明の導電性クッション材料は、導電性繊維集合体がクッション材料中、即ちクッション材料を構成する弾性樹脂中、に埋設されることにより、繊維集合体の機械特性を併せ持つことができ、FRP(U)[繊維強化型樹脂(ウレタン)]と同様の特性が発揮され、機械物性が向上する。一方、繊維集合体を用いること無く、弾性樹脂中に導電性添加物を練り込んだ場合、十分な導電性を発現するためには、練込割合を高める必要が有り、逆に弾性樹脂の性能が損なわれる。
さらに、弾性樹脂内に導電性繊維集合体が3次元的に配置された構造を有することにより、表面、厚み方向、縦横幅方向に対して安定した導通性を有しているすなわち、導電性能が等方性である。一方、例えば、金属箔等の2次元的導電材料を埋設した場合、最終成形品の厚みと金属箔の厚みや積層数にもよるが、厚み方向に対して十分な導電性を確保できない。また、当該方法では、弾性性能を失うばかりか、製造が困難となる。
【0029】
上記の性能を有しているために、本発明の導電性クッション材料は、携帯電話等の情報機器筐体から漏洩する電磁波を有効に遮断し、且つ衝撃に比較的脆弱な電子部品を保護できる緩衝機能を具備したものであり、例えば、携帯電話液晶保護緩衝材として好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げて、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1〜17、比較例1〜3]
実施例1〜17、比較例1〜3の導電性クッション材料の作製方法と性能評価方法を以下に示す。尚、繊維集合体(A)として黄銅細線シートを、弾性樹脂(B)としてポリウレタンを、導電性充填材(C)として、カーボンブラックを用いている。
【0032】
1.導電性クッション材料の作製
(1)ポリウレタン溶液の調製
日清紡績(株)製エーテル系ポリウレタンペレット(商品名:モビロンP−24TS)を350(g)に対して、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1983(g)をジャケット付ニーダーに仕込み、50℃下2時間の溶解を行った。尚、ポリマー溶液中のポリマー濃度は、約15(重量%)である。更に、DMF2667(g)を加えて、50℃下2時間の溶解を行い、7(重量%)のポリマー溶液を得た。以下、ポリマー溶液中のポリマー濃度を変更する場合は、上記手法を用いて、約15(重量%)のポリマー溶液を調製した後、最終のポリマー溶液濃度下において、その総量が5000(g)となるように、希釈を行いポリマー溶液を得た。
【0033】
(2)導電性カーボンブラック分散液の調製
導電性カーボンブラック[電気化学工業(株)製。商品名:デンカブラックHS−100]を50(g)に対して、DMFを664.3(g)加えた後、ホモジナイザーで、15(分)間分散処理を行い、濃度7(重量%)のカーボンブラック溶液を調製した。尚、カーボンブラック溶液の濃度は、複合体調製に用いるポリマー溶液濃度に併せて使用した。
【0034】
(3)導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液の調製
500(ml)セパラブルフラスコに、7(重量%)ポリマー溶液140(g)に対し、カーボンブラック溶液60(g)を添加し、室温下15(分)攪拌を行った。攪拌終了後約60(分)静置し、カーボンブラック含有ポリマー溶液に巻込んだ気泡を自然脱泡した。
【0035】
(4)導電性クッション材料の作製
黄銅線集合体(以下、黄銅シートと称する。)は、必要に応じて塩化メチレンで脱脂或いは洗浄し、クッション材料の調製に用いた。黄銅シートは、シートを構成する黄銅線の直径(以下、線径と称する。)が約50(μm)で、1平方メートル当りの黄銅シート重量(以下、目付量と称する。)が約400(g/m2)品を用いた。黄銅シートは、約50(mm)角に切取り、ポリプロピレン製トレー(サイズ300mm×210mm×37mm)中へ置いた。次いで、トレー中にカーボンブラック含有ポリマー溶液100(g)を計量投入し、細線シートをピンセットで揺すりながらシート由来の気泡を除去した。
その後、約60(℃)の温水3(l)を張ったステンレストレー(サイズ600mm×300mm×120mm)中に、黄銅シート及びカーボンブラック含有ポリマー溶液の入ったポリプロピレントレーを浮かべ、全体を90(℃)、相対湿度50(RH%)の雰囲気で、約60(分)加湿、加熱することにより、脱溶媒、固化した。固化した導電性クッション材料は、水中に約12(h)以上浸漬後、風乾した。このようにして導電性クッション材料を調製した。
【0036】
2.性能評価
(1)外観と空洞の有無
導電性クッション材料の外観は、目視にて評価し判定した。その評価基準は、次のとおりである。また、導電性クッション材料中の空洞の有無も、目視にて判断した。
◎:黄銅細線は露出し、カーボンブラックを含有したポリウレタン部が概ね平坦面であるもの。
○:黄銅細線は露出し、カーボンブラックを含有したポリウレタン部に若干の凹みを有する他は、概ね平坦な面であるもの。
△:黄銅細線は露出し、カーボンブラックを含有したポリウレタン部にやや凹みが目立つ他は、概ね平坦な面であるもの。
×:黄銅細線部にカーボンブラックを含有したポリウレタン部が無い(未塗布部)部分を有するもの。
【0037】
(2)硬度
JIS K7215の「プラスチックのデュロメーター硬さ試験方法」により、導電性クッション材料の硬度を測定した。
合格基準の目安として、低硬度であり、熱プレス無のクッション材料のタイプAデュロメーター硬度は、20〜30程度である。
◎:A型硬度で30以下のもの。
○:A型硬度で30超〜40以下のもの。
△:A型硬度で40超〜50以下のもの。
×:A型硬度で50超のもの。
【0038】
(3)導電性(電気抵抗値)
導電性クッション材料のオープン面(調製時に容器に接していない面:以下表面と呼ぶ)及び、容器接触面(バットに接している面:以下裏面と呼ぶ)を各々、デジタルマルチメータ[(株)カスタム製CDM−11HD型]で電気抵抗を測定した。測定に用いたクッション材料は、50(mm)角に切り落としたサンプルで、外周より10(mm)内側部の周囲10(mm)毎にマークを付けた物を用いた。テストリードを任意のマーク近傍へ押し当て、他方のテストリードは、対面(このときの測定間隔は、30mmとなる)に押し当て、抵抗値を読み取った。次いで、順次別のマーク部近傍とその対面部で行い、1サンプルに付き合計8点の測定を実施し、平均値で評価した。また、サンプルは、裏表両面を測定し、各々別々に記した。
合格基準の目安として、表面電気抵抗が低いことであり、両面ともに電気抵抗値は、50(Ω/3cm)以下である。最も優れた低いもので1〜3(Ω/3cm)である。
◎:電気抵抗値が10(Ω/3cm)以下のもの。
○:電気抵抗値が10超〜50(Ω/3cm)以下のもの。
△:電気抵抗値が50超〜1000(Ω/3cm)以下のもの。
×:電気抵抗値が1000(Ω/3cm)超のもの。
【0039】
(4)電磁波シールド性能
先ず、電磁シールド測定試験器を、中に何も無い状態にセットし、基準レベル(E0)を測定した。次に、150(mm)角に切取ったシールド材を、電磁シールド測定試験器にセットし、受信レベル(E1)を測定した(KEC法)。
シールド効果(S)は、以下の式により算出した。
シールド効果(S)=(E0)−(E1):単位(db)
測定は、周波数0.15〜1000(MHz)間で行った。電磁シールド測定器は、ANRITSU(アンリツ社)製MA8602型を、また、スペクトラムアナライザーは、ADVANTEST(アドバンテスト社)製TR4173型を使用し、測定に供した。
合格基準の目安として、電磁波シールド性能は、100〜1000(MHz)間で概ね45(db)の性能を有するものとした。
◎:シールド効果が45(db)以上のもの。
○:シールド効果が15〜45(db)未満のもの。
△:シールド効果が5〜15(db)未満のもの。
×:シールド効果が5(db)未満のもの。
【0040】
実施例1は上記のとおりであるが、実施例13では、原材料の種類、配合量は表3に従い、また、調製方法については実施例1と同様に調製し、さらに、熱プレスによる加工を実施した。
その熱プレスによる加工方法は、導電性クッション材料を、アイロンにより熱プレスを実施した。アイロンの加熱面設定温度は、210(℃)であり、50(mm)角の導電性クッション材料に対して水平に約30秒間押しつけた。
【0041】
また、比較例1は、真空加熱による導電性クッション材料を調製したものであるが、原材料の種類、配合量は表3に従った。その調製方法は、ポリマー溶液の調製、カーボンブラック溶液の調製、カーボンブラック含有ポリマー溶液の調製迄は、実施例1と同様の方法で調製した。そして、その後の導電性クッション材料の調製は、次の方法で実施した。
黄銅シートは、必要に応じて塩化メチレンで脱脂或いは洗浄し、クッション材料の調製に用いた。黄銅シートは、シートを構成する黄銅線の直径が約50(μm)で、1平方メートル当りの黄銅シート重量が約100(g/m2)品を用いた。黄銅シートは、約50(mm)角に切取り、ポリプロピレン製トレー(サイズ300mm×210mm×37mm)中へ置いた。次いで、トレー中にカーボンブラック含有ポリマー溶液100(g)を計量投入し、黄銅シートをピンセットで揺すりながらシート由来の気泡を除去した。その後、上記調製物の入ったポリプロピレン製トレーを真空乾燥機中に入れ、50(℃)76(cmHg)の真空下18時間放置し、溶剤であるDMFを揮発させることにより調製した。
【0042】
さらに、他の実施例、比較例では、原材料の種類、配合量は表1〜3に従い、また、調製方法については実施例1と同様に調製したものである。
得られた導電性クッション材料の物性等を測定評価した。導電性クッション材料の組成と物性評価結果を表1〜3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
上記の表1〜3の結果から明らかなように、実施例1〜17で得られた導電性クッション材料は、硬度、導電性、電磁波シールド性能に優れ、外観も良好である。
一方、スチーム加湿でなく、真空加熱で成形し、調製した比較例1の導電性クッション材料は、空洞がなく、その結果、硬度が高く柔軟性(クッション性)に欠けるものとなった。また、黄銅細線シートのみの比較例2では、黄銅細線がバラケて使用不能であった。さらに、原液塗布量が多い比較例3では、黄銅細線が全てクッション材中に埋没し、電気抵抗値が合格基準に達しなかった。その理由としては、明確となっていないが、推察すると以下の様に考えられる。良導電性の黄銅繊維が完全に埋没することは、導電性クッション材料表面の導電性充填材(カーボンブラック)を含有した弾性樹脂層が厚くなることを意味し、言い換えれば、電気抵抗測定時の導通経路中において、やや電気抵抗が高い経路が長くなると推定される。よって、導電性充填材を含有した弾性樹脂層の電気抵抗(即ち、カーボンブラックの含有量に支配)と、最も近接した金属細線迄の経路長(即ち、金属細線へのカーボンブラックを含有した弾性樹脂の被覆厚さ)に支配されていると考えられる。即ち、導電性充填材を含有した弾性樹脂層の電気抵抗が低く、且つ、金属細線への被覆厚さが短くなれば、導電性クッション材料としての電気抵抗値が低くなり、好ましい傾向となる。比較例3では、これらの用件を満たさないため、合格基準に達しなかったと考えられる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の導電性クッション材料は、導電性繊維集合体がクッション材料中(即ち弾性樹脂中)に3次元的に配置され(但し、繊維集合体の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出)、埋設されることにより、繊維集合体の機械特性を併せ持つことができ、機械物性に優れ、しかも、導電性や電磁波シールド性能に優れる。また、表面、厚み方向、縦横幅方向に対して、安定した導通性(すなわち、導電性能が等方性)を有しているものである。さらに、衝撃、摩擦等の外力により導電性を失う恐れが少ない。
また、本発明に係る導電性付与方法は、工業的に汎用性の高い材料(繊維集合体とカーボンブラック)を組合せることにより、使用目的に十分足り得る導電性を発現するものである。また、本発明の導電性クッション材料の製造方法は、市販のコーティング機などを用いて、キャリア上で導電性繊維集合体上から導電性充填材を含有した弾性樹脂溶液を塗布し、続いてキャリア上の導電性クッション材料前駆体を、高温高湿状態と水洗工程を通過せしめることにより、連続的に安価に生産でき、容易かつ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性クッション材料を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 導電性充填材(微粒子)を分散した弾性樹脂
2 空洞
3 繊維集合体(導電性細線)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド効果が高く、柔軟性の高い導電性クッション材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、導電性細線からなる繊維集合体と、空洞を有しかつ導電性充填材を分散した弾性樹脂とを含有する導電性クッション材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩により、電気、電子、電波等を利用した数多くの電子機器が普及し、これに伴い、電子機器の急激な高周波化、デジタル化、高集積化が進んでいる。これらの中には、人間や他の機器等に有害な影響を与える電磁波を放射しているものがあるが、最近は、特に問題視されるようになり、その防止対策は、極めて重要となりつつある。
電磁波障害への対策は、種々あるが、防止対策として本命視されているのが電磁波シールド性能を有する電磁波シールド材として用いる導電性材料である。電磁波シールド材とは、電子機器や建物等をシールド材で被うことなどにより、外部からの電磁波を内部に進入させない、又は内部からの電磁波を遮断する材料である。
【0003】
一般に、電磁波シールド性能又は導電性能をプラスチックスやゴムなどの高分子材料(ポリマー)へ付与する技術をみると、以下の4手法が代表的なものであり、種々提案されている。
▲1▼導電性材料を、プラスチックス、ゴム、発泡体などのポリマー内部に混合、分散させる技術のもの(例えば、特許文献1参照。)。
▲2▼金属等の導体又は導電性材料を、ポリマーマトリックス内に埋設する技術のもの(例えば、特許文献2、3、4参照。)。
▲3▼金属等の化学メッキや蒸着により、ポリマー表面や内部に導通経路を形成する技術のもの(例えば、特許文献5参照。)。
▲4▼導電性の高い材料を、ポリマー表面に貼着又は積層する技術のもの(例えば、特許文献6参照。)。
【0004】
しかしながら、上記従来の提案されている技術には、種々の問題点がある。
例えば、上記▲1▼の導電性材料をポリマー内部に混合、分散させる技術では、導電性材料として、例えばカーボンブラックを用いる場合、高濃度の充填が必要であり、良好な導電性を示す程度の高濃度の充填率では、機械的物性が劣るようになる。一方、充填率を減じるには、銀等の高価な原料が必要となる。また、含浸法による製造方法は、工程が煩雑であるという難点がある。
また、上記▲2▼の導電性材料をポリマーマトリックス内に埋設する技術では、メッシュ、金属箔、エキスパンドメタル等を埋設したものは、それらの厚みに制約を受け、異方性を伴う、即ち等方性でなくなる場合があり、また、導電性三次元メッシュ状体を埋設したものでは、ポリマー中のメッシュ状体の密度により、導電性が変動する。さらに、良導電性とするには、高密度充填(埋設)が必要であり、結果としてクッション性を失うという難点がある。
さらに、上記▲3▼の金属等を化学メッキ又は蒸着する技術では、筐体等接触面部のメッキ層は、衝撃吸収等の緩衝作用を及ぼす際に、擦れにより脱落し易いために、長期に亘って安定した性能を発揮することが困難であるという難点がある。また、上記▲4▼の導電性の高い材料をポリマー表面に貼着(又は積層)する技術では、金属細線メッシュ等を張合わせる場合、導電層には、エラスティックな性質がないため、系全体のクッション性が悪くなる。また、筐体等接触部の密着性が悪くなり、電磁波が漏洩し易い恐れがあるという難点がある。
このように、提案されている従来の電磁波シールド性の導電性材料には、種々の問題点があるために、それらの問題点を解消した電磁波シールド性に優れ、導電性のクッション材料が強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−249890号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平10−237184号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開平11−68376号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開2001−85888号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献5】
特開2002−164684号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献6】
特開平6−85488号公報(特許請求の範囲等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の導電性材料などがもつ問題点を解消し、携帯電話等の情報機器筐体から漏洩する電磁波を有効に遮断し、且つ衝撃に比較的脆弱な電子部品を保護できる緩衝機能を具備した導電性クッション材料、及びその製造工程が簡便で容易に製造できる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、導電性カーボンブラックを含有したポリウレタンを溶剤で溶解した溶液を、導電性を有する金属細線シートに含浸させ、スチーム加湿された熱気中で成形して、導電性クッション材料を作製したところ、その導電性クッション材料は、電磁波シールド効果が高くて、さらに、その導電性クッション材料中に空洞(気泡)を多数有しているために、柔軟性で緩衝作用に優れることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料が提供される。また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記弾性樹脂(B)は、ポリウレタンであることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記繊維集合体(A)は、単位面積当りの重量が1〜0.005(Kg/m2)の範囲であることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
【0009】
本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記繊維集合体(A)は、金属細線であることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記導電性充填材(C)は、カーボンブラックであることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、カーボンブラックの配合量は、前記弾性樹脂(B)と該カーボンブラックの総量に対して、20〜40重量%であることを特徴とする導電性クッション材料が提供される。
【0010】
一方、本発明の第7の発明によれば、弾性樹脂(B)を溶剤で溶解し、その中に導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液を得る第1の工程、その弾性樹脂溶液を、導電性細線から構成される繊維集合体(A)に、含浸させる第2の工程、及び高温・高湿下で弾性樹脂溶液中の溶剤を取り除くとともに、弾性樹脂(B)に空洞を形成する第3の工程を含有することを特徴とする第1〜6のいずれかの発明の導電性クッション材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記第3の工程の後に、さらに、水又は熱水中に浸漬し、溶剤を除去する第4の工程を付加することを特徴とする導電性クッション材料の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第7又は8の発明において、さらに、厚み調整と表面の平滑性を向上するために、プレス又はホットプレスにより成形する第5の工程を付加することを特徴とする導電性クッション材料の製造方法が提供される。
【0011】
本発明は、上記した如く、導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料などに係るものであるが、その好ましい態様として、次のものが包含される。
【0012】
(1)第1の発明において、導電性は、電気抵抗値が50(Ω/3cm)以下、電磁波シールド性能は、100〜1000MHz間で45(db)以上、及び柔軟性は、タイプAデュロメーター硬度で30以下であることを特徴とする導電性クッション材料。
(2)第3の発明において、金属細線は、黄銅細線であることを特徴とする導電性クッション材料。
(3)第7の発明において、第3の工程の高温・高湿下とは、スチーム加湿された熱気雰囲気であることを特徴とする導電性クッション材料の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について項目毎に詳細に説明する。
本発明の導電性クッション材料は、導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする。
【0014】
1.繊維集合体(A)
本発明の導電性クッション材料において、繊維集合体(A)は、導電性細線から構成される。その導電性細線は、表面を導体で被覆、塗装した繊維や金属細線、カーボンファイバー等、電気を通すものであれば、適宜利用することができる。
これらのうちで金属細線は、抵抗が小さいので、良好な導電性を得ることができ、より好ましい。その金属細線としては、黄銅、銅、アルミニウム、ステンレス等の細線を挙げることができる。
また、導電性細線の直径は、100μm以下であることが導電性クッション材料のクッション性、及び電気抵抗値の観点から好ましい。
さらに、繊維集合体の単位面積当りの重量は、1(Kg/m2)〜0.005(Kg/m2)の範囲であることが好ましい。繊維集合体の重量が0.005(Kg/m2)未満であると、導電性効果や電磁波シールド効果が発揮せず、一方、1(Kg/m2)を超えると、弾性樹脂溶液を含浸しにくくなり、操作性が悪くなるため、好ましくない。
また、繊維集合体の厚さは、所望する導電性クッション材料の厚みにより種々変更すれば良いが、静置で0.2〜5mmの範囲が好ましい。
【0015】
2.弾性樹脂(B)
本発明において、弾性樹脂(B)としては、弾性を有する樹脂であれば適宜使用することができ、例えば、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、シリコン樹脂、未加硫ゴム材料などが挙げられる。
これらのうち、ポリウレタンが機械的物性に優れ、安価であり、さらに、ポリウレタンを構成する原料配合比を変更することにより、所望の物性、特に硬度を容易に変更できる等の利点があり、好ましい。また、ポリウレタンは、溶剤選択範囲が広いため、この点においても好ましい。その理由は、ポリウレタンを溶解できる溶剤群の中で、水も溶解しやすい溶剤が多いためである。
また、弾性樹脂として未加硫ゴム材料を用いる場合は、加硫剤及び加硫助剤などを添加した後、高温、高湿下で溶剤を取り除きながら、加硫反応をさせても良い。
【0016】
3.導電性充填材(C)
本発明の導電性クッション材料において、導電性充填材(C)は、前記の弾性樹脂(B)の導電性を向上させるために、添加される。その導電性充填材としては、金属粒子や炭素粒子等を適宜用いることができるが、導電性や価格の面から、カーボンブラック、その中でもアセチレンガスを原料としたアセチレンブラックが好ましい。
【0017】
4.導電性クッション材料とその製造方法
本発明の電磁波シールド性能に優れ、しかも緩衝機能を具備した導電性クッション材料は、下記の製造方法により得ることができる。このような導電性クッション材料の製造方法は、次の3(I〜III)、4(I〜IV)、又は5(I〜V)工程を含有することを特徴とし、中でも最大の特徴は、弾性樹脂を溶剤で溶解し、これに導電性充填材を混合して、弾性樹脂溶液を作製し、これを繊維集合体に含浸させた後、高温・高湿下で溶剤を除去することにより弾性樹脂を硬化するとともに空洞を作製することである。
(I)弾性樹脂(B)を溶剤で溶解し、その中に導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液を得る第1の工程。
(II)工程Iで得られた弾性樹脂溶液を、導電性細線から構成される繊維集合体(A)に、含浸させる第2の工程。
(III)工程IIで得られた弾性樹脂溶液含浸繊維集合体を、高温・高湿下で弾性樹脂溶液中の溶剤を除去することにより、弾性樹脂を硬化するとともに空洞を形成する第3の工程。
(IV)工程IIIで得られた導電性クッション材料を、さらに、水又は熱水中に浸漬し、溶剤を除去する第4の工程。
(V)工程III又はIVで得られた導電性クッション材料を、厚み調整と表面の平滑性を向上するために、プレス又はホットプレスにより成形する第5の工程。
【0018】
本発明の導電性クッション材料は、繊維集合体(A)がクッション材料中に埋設され、すなわち該クッション材料を構成する、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)中に埋設され、埋設された金属細線などの繊維集合体は、その端部の少なくとも一部がクッション材料の外表面、すなわち弾性樹脂(B)外表面に露出していることが望ましい(図1参照)。
また、本発明の導電性クッション材料は、クッション性を付与するために弾性樹脂が、空洞を多数有している。その弾性樹脂中に含まれる空洞のうち、目視可能な空洞の形状や大きさは、略球状又は楕円球状であって、空洞の短径が概ね0.3〜1mm程度である。
この空洞は、発泡剤を入れることなどにより形成できるが、よりクッション性を与えるために、上記の製造方法、すなわち、弾性樹脂を溶剤に溶解し、これに導電性充填材を均一に混ぜて、弾性樹脂溶液を作製し、これを繊維集合体に含浸させた後、高温・高湿下、すなわち例えばスチーム加湿された熱気中で、溶剤を除去することにより弾性樹脂を硬化するとともに空洞を作製する方法が好ましい。また、高温・高湿下である程度、弾性樹脂を硬化させた後に、水又は熱水中に浸漬し、さらに溶剤を除去することが好ましい。
【0019】
本発明の導電性クッション材料の製造方法に用いられる溶剤は、弾性樹脂を溶解し、且つ水に溶解するものであれば、特に制限なく適宜利用することができる。
例えば、弾性樹脂としてウレタンを利用する場合は、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを好適に使用することができる。また、弾性樹脂としてシリコン樹脂を用いる場合は、テトラヒドロフラン(THF)などが、さらに、未加硫ゴム材料を用いる場合は、アセトンや、メチルエチルケトン(MEK)などが挙げられる。
【0020】
また、本発明の導電性クッション材料の製造方法に係る、工程Iで得られた導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液は、例えば、導電性充填材としてカーボンブラックを、また、弾性樹脂としてポリウレタンを用いた場合には、そのカーボンブラックとポリウレタンを溶解した溶液濃度は、導電性を有した繊維集合体の態様にもよるが、適度に含浸しやすい原液濃度として調製すれば良い。その原液濃度が低すぎると、凝固後に繊維集合体の露出が激しくなり、カーボンブラックを含有したポリウレタンが極端に薄い層を発生し、好ましくない。一方、その原液濃度が高すぎると、導電性を有した繊維集合体に対して、含浸しにくくなり、導電性を有した繊維集合体の未塗布層が発現するため、好ましくない。好ましい原液(カーボンブラックとポリウレタンを溶解した溶液)濃度の範囲は、7〜12重量%の範囲である。
【0021】
また、導電性充填材としてのカーボンブラックの配合量は、所望する導電性クッション材料の導電性能に合せて配合すれば良く、特に規定されるものではない。しかし、カーボンブラック配合濃度が低すぎると、導電性能が低下するため、好ましくない。一方、高すぎると、カーボンブラックの分散が困難になることや、原液粘度を激しく上昇させることから、期待した性能を得られないばかりか、操作性や導電性クッション材料の外観品位を損ねる恐れがある。好ましくは、前記弾性樹脂(B)と該カーボンブラックの総量に対して、20〜40重量%、さらに好ましくは25〜40重量%を配合すると、好適な性能・品位を有した導電性クッション材料を得ることができる。
【0022】
さらに、具体的な導電性クッション材料の製造方法の一例(概要)を説明する。繊維集合体(A)として黄銅細線シートを、弾性樹脂(B)としてポリウレタンを、導電性充填材(C)として、カーボンブラックを用いている。尚、本発明の導電性クッション材料の製造方法は、これに限定されない。
(1)ポリウレタン溶液の調製(第1の工程の前半部I)
ニーダーを用いて、エーテル系ポリウレタンペレットのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液(濃度15重量%)を調製する。溶解が終了した後、DMFを追加し10(重量%)ポリマー溶液を調製する。
【0023】
(2)導電性カーボンブラック分散液の調製(第1の工程の前半部II)
導電性カーボンブラックの10(重量%)DMF溶液を調製する。その分散処理は、ホモジナイザーで行う。
【0024】
(3)導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液の調製(第1の工程)
上記ポリウレタン溶液と、導電性カーボンブラック分散液を計量、混合することにより、導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液を調製する。その混合比は、例えば、ポリウレタン溶液70重量部に対して、導電性カーボンブラック分散液30重量部である。尚、混合撹拌後、自然脱泡を実施するために1時間放置し、次の工程へ進む。
【0025】
(4)導電性クッション材料の作製(第2、第3及び第4の工程)
黄銅細線シートを必要に応じて、塩化メチレンで脱脂、洗浄した。乾燥後の黄銅細線シートをバットへ移し、上記の導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液を投入し、細線シート内に当該ポリマー溶液を含浸させる(第2の工程)。続いて、本容器を、スチーム加湿された熱気中(90℃×50RH%)内に格納する。脱溶媒と固化が進行したら、容器を取り出し、水を加えて脱溶媒を促進させる。水中に約12時間程度の浸漬を経た後、内容物の風乾と乾燥を行い、導電性クッション材料を得る(第3と第4の工程)。
【0026】
このようにして製造された導電性クッション材料を、断面模式図として図1に示す。導電性細線からなる繊維集合体は、導電性微粒子(例えばカーボンブラック)分散ポリウレタンマトリックスに埋設されており、また、その繊維集合体の少なくとも一部は表面に露出されており、加えて、高温・高湿下、すなわちスチーム加湿された熱気中で成形を行うことにより、気泡、すなわち空洞が発生する。気泡(空洞)の存在は、ポリウレタンの弾力性と相乗効果的にクッション性に寄与する。
【0027】
本発明の導電性クッション材料は、その硬度がタイプAデュロメーター硬度で20〜30程度である。また、その導電性能は、電気抵抗値が50(Ω/3cm)以下であり、電磁波シールド性能は、100〜1000MHz間で概ね45(db)の性能である。
【0028】
また、本発明の導電性クッション材料は、導電性繊維集合体がクッション材料中、即ちクッション材料を構成する弾性樹脂中、に埋設されることにより、繊維集合体の機械特性を併せ持つことができ、FRP(U)[繊維強化型樹脂(ウレタン)]と同様の特性が発揮され、機械物性が向上する。一方、繊維集合体を用いること無く、弾性樹脂中に導電性添加物を練り込んだ場合、十分な導電性を発現するためには、練込割合を高める必要が有り、逆に弾性樹脂の性能が損なわれる。
さらに、弾性樹脂内に導電性繊維集合体が3次元的に配置された構造を有することにより、表面、厚み方向、縦横幅方向に対して安定した導通性を有しているすなわち、導電性能が等方性である。一方、例えば、金属箔等の2次元的導電材料を埋設した場合、最終成形品の厚みと金属箔の厚みや積層数にもよるが、厚み方向に対して十分な導電性を確保できない。また、当該方法では、弾性性能を失うばかりか、製造が困難となる。
【0029】
上記の性能を有しているために、本発明の導電性クッション材料は、携帯電話等の情報機器筐体から漏洩する電磁波を有効に遮断し、且つ衝撃に比較的脆弱な電子部品を保護できる緩衝機能を具備したものであり、例えば、携帯電話液晶保護緩衝材として好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げて、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1〜17、比較例1〜3]
実施例1〜17、比較例1〜3の導電性クッション材料の作製方法と性能評価方法を以下に示す。尚、繊維集合体(A)として黄銅細線シートを、弾性樹脂(B)としてポリウレタンを、導電性充填材(C)として、カーボンブラックを用いている。
【0032】
1.導電性クッション材料の作製
(1)ポリウレタン溶液の調製
日清紡績(株)製エーテル系ポリウレタンペレット(商品名:モビロンP−24TS)を350(g)に対して、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1983(g)をジャケット付ニーダーに仕込み、50℃下2時間の溶解を行った。尚、ポリマー溶液中のポリマー濃度は、約15(重量%)である。更に、DMF2667(g)を加えて、50℃下2時間の溶解を行い、7(重量%)のポリマー溶液を得た。以下、ポリマー溶液中のポリマー濃度を変更する場合は、上記手法を用いて、約15(重量%)のポリマー溶液を調製した後、最終のポリマー溶液濃度下において、その総量が5000(g)となるように、希釈を行いポリマー溶液を得た。
【0033】
(2)導電性カーボンブラック分散液の調製
導電性カーボンブラック[電気化学工業(株)製。商品名:デンカブラックHS−100]を50(g)に対して、DMFを664.3(g)加えた後、ホモジナイザーで、15(分)間分散処理を行い、濃度7(重量%)のカーボンブラック溶液を調製した。尚、カーボンブラック溶液の濃度は、複合体調製に用いるポリマー溶液濃度に併せて使用した。
【0034】
(3)導電性カーボンブラック含有ポリウレタン溶液の調製
500(ml)セパラブルフラスコに、7(重量%)ポリマー溶液140(g)に対し、カーボンブラック溶液60(g)を添加し、室温下15(分)攪拌を行った。攪拌終了後約60(分)静置し、カーボンブラック含有ポリマー溶液に巻込んだ気泡を自然脱泡した。
【0035】
(4)導電性クッション材料の作製
黄銅線集合体(以下、黄銅シートと称する。)は、必要に応じて塩化メチレンで脱脂或いは洗浄し、クッション材料の調製に用いた。黄銅シートは、シートを構成する黄銅線の直径(以下、線径と称する。)が約50(μm)で、1平方メートル当りの黄銅シート重量(以下、目付量と称する。)が約400(g/m2)品を用いた。黄銅シートは、約50(mm)角に切取り、ポリプロピレン製トレー(サイズ300mm×210mm×37mm)中へ置いた。次いで、トレー中にカーボンブラック含有ポリマー溶液100(g)を計量投入し、細線シートをピンセットで揺すりながらシート由来の気泡を除去した。
その後、約60(℃)の温水3(l)を張ったステンレストレー(サイズ600mm×300mm×120mm)中に、黄銅シート及びカーボンブラック含有ポリマー溶液の入ったポリプロピレントレーを浮かべ、全体を90(℃)、相対湿度50(RH%)の雰囲気で、約60(分)加湿、加熱することにより、脱溶媒、固化した。固化した導電性クッション材料は、水中に約12(h)以上浸漬後、風乾した。このようにして導電性クッション材料を調製した。
【0036】
2.性能評価
(1)外観と空洞の有無
導電性クッション材料の外観は、目視にて評価し判定した。その評価基準は、次のとおりである。また、導電性クッション材料中の空洞の有無も、目視にて判断した。
◎:黄銅細線は露出し、カーボンブラックを含有したポリウレタン部が概ね平坦面であるもの。
○:黄銅細線は露出し、カーボンブラックを含有したポリウレタン部に若干の凹みを有する他は、概ね平坦な面であるもの。
△:黄銅細線は露出し、カーボンブラックを含有したポリウレタン部にやや凹みが目立つ他は、概ね平坦な面であるもの。
×:黄銅細線部にカーボンブラックを含有したポリウレタン部が無い(未塗布部)部分を有するもの。
【0037】
(2)硬度
JIS K7215の「プラスチックのデュロメーター硬さ試験方法」により、導電性クッション材料の硬度を測定した。
合格基準の目安として、低硬度であり、熱プレス無のクッション材料のタイプAデュロメーター硬度は、20〜30程度である。
◎:A型硬度で30以下のもの。
○:A型硬度で30超〜40以下のもの。
△:A型硬度で40超〜50以下のもの。
×:A型硬度で50超のもの。
【0038】
(3)導電性(電気抵抗値)
導電性クッション材料のオープン面(調製時に容器に接していない面:以下表面と呼ぶ)及び、容器接触面(バットに接している面:以下裏面と呼ぶ)を各々、デジタルマルチメータ[(株)カスタム製CDM−11HD型]で電気抵抗を測定した。測定に用いたクッション材料は、50(mm)角に切り落としたサンプルで、外周より10(mm)内側部の周囲10(mm)毎にマークを付けた物を用いた。テストリードを任意のマーク近傍へ押し当て、他方のテストリードは、対面(このときの測定間隔は、30mmとなる)に押し当て、抵抗値を読み取った。次いで、順次別のマーク部近傍とその対面部で行い、1サンプルに付き合計8点の測定を実施し、平均値で評価した。また、サンプルは、裏表両面を測定し、各々別々に記した。
合格基準の目安として、表面電気抵抗が低いことであり、両面ともに電気抵抗値は、50(Ω/3cm)以下である。最も優れた低いもので1〜3(Ω/3cm)である。
◎:電気抵抗値が10(Ω/3cm)以下のもの。
○:電気抵抗値が10超〜50(Ω/3cm)以下のもの。
△:電気抵抗値が50超〜1000(Ω/3cm)以下のもの。
×:電気抵抗値が1000(Ω/3cm)超のもの。
【0039】
(4)電磁波シールド性能
先ず、電磁シールド測定試験器を、中に何も無い状態にセットし、基準レベル(E0)を測定した。次に、150(mm)角に切取ったシールド材を、電磁シールド測定試験器にセットし、受信レベル(E1)を測定した(KEC法)。
シールド効果(S)は、以下の式により算出した。
シールド効果(S)=(E0)−(E1):単位(db)
測定は、周波数0.15〜1000(MHz)間で行った。電磁シールド測定器は、ANRITSU(アンリツ社)製MA8602型を、また、スペクトラムアナライザーは、ADVANTEST(アドバンテスト社)製TR4173型を使用し、測定に供した。
合格基準の目安として、電磁波シールド性能は、100〜1000(MHz)間で概ね45(db)の性能を有するものとした。
◎:シールド効果が45(db)以上のもの。
○:シールド効果が15〜45(db)未満のもの。
△:シールド効果が5〜15(db)未満のもの。
×:シールド効果が5(db)未満のもの。
【0040】
実施例1は上記のとおりであるが、実施例13では、原材料の種類、配合量は表3に従い、また、調製方法については実施例1と同様に調製し、さらに、熱プレスによる加工を実施した。
その熱プレスによる加工方法は、導電性クッション材料を、アイロンにより熱プレスを実施した。アイロンの加熱面設定温度は、210(℃)であり、50(mm)角の導電性クッション材料に対して水平に約30秒間押しつけた。
【0041】
また、比較例1は、真空加熱による導電性クッション材料を調製したものであるが、原材料の種類、配合量は表3に従った。その調製方法は、ポリマー溶液の調製、カーボンブラック溶液の調製、カーボンブラック含有ポリマー溶液の調製迄は、実施例1と同様の方法で調製した。そして、その後の導電性クッション材料の調製は、次の方法で実施した。
黄銅シートは、必要に応じて塩化メチレンで脱脂或いは洗浄し、クッション材料の調製に用いた。黄銅シートは、シートを構成する黄銅線の直径が約50(μm)で、1平方メートル当りの黄銅シート重量が約100(g/m2)品を用いた。黄銅シートは、約50(mm)角に切取り、ポリプロピレン製トレー(サイズ300mm×210mm×37mm)中へ置いた。次いで、トレー中にカーボンブラック含有ポリマー溶液100(g)を計量投入し、黄銅シートをピンセットで揺すりながらシート由来の気泡を除去した。その後、上記調製物の入ったポリプロピレン製トレーを真空乾燥機中に入れ、50(℃)76(cmHg)の真空下18時間放置し、溶剤であるDMFを揮発させることにより調製した。
【0042】
さらに、他の実施例、比較例では、原材料の種類、配合量は表1〜3に従い、また、調製方法については実施例1と同様に調製したものである。
得られた導電性クッション材料の物性等を測定評価した。導電性クッション材料の組成と物性評価結果を表1〜3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
上記の表1〜3の結果から明らかなように、実施例1〜17で得られた導電性クッション材料は、硬度、導電性、電磁波シールド性能に優れ、外観も良好である。
一方、スチーム加湿でなく、真空加熱で成形し、調製した比較例1の導電性クッション材料は、空洞がなく、その結果、硬度が高く柔軟性(クッション性)に欠けるものとなった。また、黄銅細線シートのみの比較例2では、黄銅細線がバラケて使用不能であった。さらに、原液塗布量が多い比較例3では、黄銅細線が全てクッション材中に埋没し、電気抵抗値が合格基準に達しなかった。その理由としては、明確となっていないが、推察すると以下の様に考えられる。良導電性の黄銅繊維が完全に埋没することは、導電性クッション材料表面の導電性充填材(カーボンブラック)を含有した弾性樹脂層が厚くなることを意味し、言い換えれば、電気抵抗測定時の導通経路中において、やや電気抵抗が高い経路が長くなると推定される。よって、導電性充填材を含有した弾性樹脂層の電気抵抗(即ち、カーボンブラックの含有量に支配)と、最も近接した金属細線迄の経路長(即ち、金属細線へのカーボンブラックを含有した弾性樹脂の被覆厚さ)に支配されていると考えられる。即ち、導電性充填材を含有した弾性樹脂層の電気抵抗が低く、且つ、金属細線への被覆厚さが短くなれば、導電性クッション材料としての電気抵抗値が低くなり、好ましい傾向となる。比較例3では、これらの用件を満たさないため、合格基準に達しなかったと考えられる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の導電性クッション材料は、導電性繊維集合体がクッション材料中(即ち弾性樹脂中)に3次元的に配置され(但し、繊維集合体の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出)、埋設されることにより、繊維集合体の機械特性を併せ持つことができ、機械物性に優れ、しかも、導電性や電磁波シールド性能に優れる。また、表面、厚み方向、縦横幅方向に対して、安定した導通性(すなわち、導電性能が等方性)を有しているものである。さらに、衝撃、摩擦等の外力により導電性を失う恐れが少ない。
また、本発明に係る導電性付与方法は、工業的に汎用性の高い材料(繊維集合体とカーボンブラック)を組合せることにより、使用目的に十分足り得る導電性を発現するものである。また、本発明の導電性クッション材料の製造方法は、市販のコーティング機などを用いて、キャリア上で導電性繊維集合体上から導電性充填材を含有した弾性樹脂溶液を塗布し、続いてキャリア上の導電性クッション材料前駆体を、高温高湿状態と水洗工程を通過せしめることにより、連続的に安価に生産でき、容易かつ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性クッション材料を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 導電性充填材(微粒子)を分散した弾性樹脂
2 空洞
3 繊維集合体(導電性細線)
Claims (9)
- 導電性細線からなる繊維集合体(A)と、導電性充填材(C)を含有する弾性樹脂(B)とから構成される導電性クッション材料であって、繊維集合体(A)の端部の少なくとも一部は、クッション材料の外表面から露出するが、その他の部分は、クッション材料中に埋設し、
しかも、弾性樹脂(B)は、導電性充填材(C)を均一に混入しながら、その内部に多数の空洞を有することを特徴とする導電性クッション材料。 - 前記弾性樹脂(B)は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の導電性クッション材料。
- 前記繊維集合体(A)は、単位面積当りの重量が1〜0.005(Kg/m2)の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性クッション材料。
- 前記繊維集合体(A)は、金属細線であることを特徴とする請求項3に記載の導電性クッション材料。
- 前記導電性充填材(C)は、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性クッション材料。
- カーボンブラックの配合量は、前記弾性樹脂(B)と該カーボンブラックの総量に対して、20〜40重量%であることを特徴とする請求項5に記載の導電性クッション材料。
- 弾性樹脂(B)を溶剤で溶解し、その中に導電性充填材(C)を混入させた弾性樹脂溶液を得る第1の工程、その弾性樹脂溶液を、導電性細線から構成される繊維集合体(A)に、含浸させる第2の工程、及び高温・高湿下で弾性樹脂溶液中の溶剤を取り除くとともに、弾性樹脂(B)に空洞を形成する第3の工程を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性クッション材料の製造方法。
- 前記第3の工程の後に、さらに、水又は熱水中に浸漬し、溶剤を除去する第4の工程を付加することを特徴とする請求項7に記載の導電性クッション材料の製造方法。
- さらに、厚み調整と表面の平滑性を向上するために、プレス又はホットプレスにより成形する第5の工程を付加することを特徴とする請求項7又は8に記載の導電性クッション材料の製造方法。
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