JP2004134276A - 固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膜の密着性、耐食性、接触電気抵抗等を維持しつつ、硬い金属ベース材の場合には溝成形精度が確保できる素材の柔らかさを改善したコストの低い固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼等の金属ベース材の表面のAu等の貴金属の占める金属ベース材対比組成が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部へ続く貴金属の拡散層を有し、かつ金属ベース材の硬さがHV300以下等である固体高分子形燃料電池用素材。
【選択図】 図1
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼等の金属ベース材の表面のAu等の貴金属の占める金属ベース材対比組成が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部へ続く貴金属の拡散層を有し、かつ金属ベース材の硬さがHV300以下等である固体高分子形燃料電池用素材。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属セパレータ、集電部材等に用いる固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子形燃料電池用素材の一用途である金属セパレータは、単位電池の電極と隣り合う単位電池の電極とが接触して電気的に接続し、かつ反応ガスを分離する作用をするものであるので、導電性が高く、更に反応ガスに対してガス気密性が高いことが必要であり、また水素/酸素を酸化還元する際の反応に対して高い耐食性を有する必要があるものである。
【0003】
従来、固体高分子形燃料電池用金属セパレータとして、黒鉛等のカーボン板を切削加工することによって燃料ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状の溝を形成して作製したものが知られている。
しかし、この方法で製造すると、カーボン板の材料コストと切削加工コストが嵩み、実用化するにはコストが高過ぎるという問題があった。またカーボン板は、強度が低いために薄くすることができないため、コンパクトにすることができないという問題もあった。
【0004】
上記問題点を解決するものとして、SUS316板にプレス加工により燃料ガス又は酸化剤ガスを通す多数の凹凸状の溝を予め形成し、最後にこの表面にニッケルストライクメッキ処理、ニッケルメッキ処理及び金メッキ処理をする固体高分子形燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法が特開2000−21418号公報に開示されている。
しかし、このようにして製造した固体高分子形燃料電池用金属セパレータには、上記溝のエッジ部分では電解集中やメッキ液の流れが不均一になるため、平坦部に比べて異常メッキが発生し易く、更にメッキ膜が付き難いため剥離しやすく、またメッキ膜は非常にポーラス構造であるためピーンホールが多く存在し、これを改善するには高価な金を厚く付けなければならないという問題がある。
【0005】
そこで、本出願人は、鉄基合金、Ni基合金、Ti、Ti基合金、Cu、Cu基合金、Al、Al基合金等の金属材料の表面上に予めAu,Ag,Pt、Pd、Rh、Ru、これらの金属の合金等の貴金属層をメッキ等で設け、これらを5%以上の圧下率で圧延加工をしてクラッド化による緻密化処理し、非常に均一で薄い貴金属皮膜を形成し、その後プレス加工により燃料ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状の溝を形成した固体高分子形燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法を開発し、特願2001−55565号として特許出願をした。
この固体高分子形燃料電池用金属セパレータは、貴金属皮膜の密着性が優れているとともに、貴金属皮膜は金属ベース材の変形に容易に追従し、破断せずに溝のエッジ部分等にも貴金属皮膜が均一に付着しており、またメッキのポーラス構造が緻密化されると共にメッキのピンホールが閉孔されているので、上記従来のメッキしたものより耐食性が優れているという特徴を有するものの、圧下率が大きくなるに従い、材料の加工硬化も大きくなり、溝成形精度が悪くなるという唯一の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膜の密着性、耐食性、接触電気抵抗等を維持しつつ、硬い金属ベース材の場合には溝成形精度が確保できる素材の柔らかさを改善したコストの低い固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、耐食性、密着性及び接触電気抵抗を維持しつつ、溝成形精度が確保できる素材の柔らかさが得られ、かつコストの低い固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法について鋭意研究したところ、金属ベース材に貴金属のメッキ等の皮膜で被覆した後、その後加熱処理をすれば、耐食性、密着性及び接触電気抵抗がより改善され、かつ硬い金属ベース材の場合には硬さが下がること等の知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づいて発明をされたものである。
【0008】
すなわち、上記課題を解決するため、本発明の固体高分子形燃料電池用素材においては、鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金Cu、Cu基合金、Al、Al基合金等の金属ベース材の表面(最表面のこと。)にAu,Ag,Pt、Pd等の貴金属及びこれらの合金のうちの1種又は2種以上の貴金属の占める金属ベース材対比組成が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く、例えば深さが10nm以上の貴金属の拡散層を有し、更にこの拡散層は好ましくは貴金属の組成比が50%以上となる層を有し、また好ましくは金属ベース材の硬さをHV300以下とすることである。
なお、本発明でいう組成比は、オージェ分析で得られた各種元素のピーク信号強度全体を100%にしたときの各種元素の相対比%である。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法においては、鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金等の金属ベース材の表面上にAu,Ag,Pt、Pd等の貴金属及びこれらの合金のうちの1種又は2種以上の貴金属皮膜をメッキ、スクリーン印刷、PVD処理、CVD処理等で形成し、短時間等の加熱処理をして既に柔らかくなっている金属ベース材の場合には貴金属皮膜の大部分又は一部を金属ベース材に拡散させ、また硬い金属ベース材の場合には拡散させるとともに、金属ベース材又は金属ベース材及び貴金属皮膜の硬さをさげることである。
【0010】
【作用】
本発明の固体高分子形燃料電池用素材は、鉄基合金等の金属ベース材の表面のAu等の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有しているので、耐食性、接触電気抵抗等が改善され、かつ貴金属皮膜が剥離することがなく、さらにコストの低いものとなり、また硬い金属ベース材を柔らかくすることによって、溝成形加工をしやすく、かつ金属セパレータとして使用するのに最適な硬さになる。
【0011】
本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法は、金属ベース材の表面上にAu等の貴金属皮膜を形成した後、短時間等の加熱処理して既に柔らかくなっている金属ベース材の場合には貴金属皮膜の大部分若しくは一部を金属ベース材に拡散させ、また硬い金属ベース材の場合には拡散させるとともに硬さを下げているので、耐食性、接触電気抵抗等を維持しつつ、貴金属皮膜が剥離することがなく、金属ベース材を溝成形加工しやすく、溝成形精度が確保でき、更にコストも低いものを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法を詳細に説明する。
先ず、本発明の固体高分子形燃料電池用素材について説明する。
本発明の固体高分子形燃料電池用素材は、金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有するものであるが、金属ベース材は、Fe又は鉄基合金、Ni又はNi基合金、Ti又はTi基合金、Cu又はCu基合金、Al又はAl基合金等である。これらのうちでは、鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金が耐食性、強度等の点で好ましい。また、鉄基合金の中では特にステンレス鋼が適しており、SUS316L、304L、316、304、XM7等のオーステナイ系ステンレス鋼、430等のフェライト系ステンレス鋼が耐食性に優れており、加工性及びコストから最も好ましい。また、その形状は通常板材である。
【0013】
上記金属ベース材の表面上及び内部に存在する貴金属は、Au,Ag,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os等の貴金属の単体金属又はこれらの合金、すなわち貴金属同士の合金及び卑金属との合金である。
これらの貴金属の中では、Au,Ag,Pt、Pd及びこれらの金属の合金が耐食性、皮膜の成形性、コスト等から好ましいが、特にAu及びPtが耐食性、皮膜の成形性、拡散速度、コスト等の点で好ましい。
【0014】
上記金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上にするのは、貴金属が100%存在しなくても、組成比で7%以上であれば接触電気抵抗は低く保持され、また耐食性も貴金属が剥離や拡散で全く無くならない限り、少しでも存在すればその効果が得られるからである。
さらに、金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有するものとしているのは、このような拡散層があれば、通常の方法で固体高分子形燃料電池のセパレータ等に成形加工しても、またこのセパレータ等を通常の状態で使用しても貴金属皮膜が剥離することがないからである。この拡散層の深さは、常温で自然に拡散される深さ以上の深さまであれば効果があるが、貴金属層と金属ベース材との旧界面から10nm以上まで貴金属の組成比が1%以上の拡散層があるのが好ましい。
【0015】
また、上記拡散層には貴金属の組成比が50%以上となる層が存在するのが好ましい。50%以上の層が存在していると耐食性がより優れたものとなるからである。
この拡散層の一つの形態は、図1〜3に示すような表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、深さが1μmまでの間に貴金属の組成比が最高、好ましくは50%以上になる貴金属層を有することである。
【0016】
また、上記金属ベース材の硬さをHV300以下にするのが好ましい。セパレータの溝成形加工等において成形精度を確保するためである。HV300より硬いと成形精度が低下するからである。
【0017】
次に、本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法について説明する。
本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法は、金属ベース材の表面上に貴金属皮膜を形成した後、短時間等の加熱処理をして既に柔らかくなっている金属ベース材の場合には貴金属皮膜を金属ベース材に拡散させ、また硬い金属ベース材の場合には貴金属皮膜を金属ベース材に拡散させるとともに硬さを下げることであるが、金属ベース材及び貴金属皮膜の貴金属は、上記固体高分子形燃料電池用素材の説明の欄において説明したとおりのものである。
貴金属皮膜を形成する方法は、電解メッキ、化学メッキ等のメッキ、スクリーン印刷、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD処理及びCVD処理等である。貴金属皮膜の厚さは、厚くなると経済的でなく、薄過ぎると加熱処理後の耐食性、接触電気抵抗が不十分になるので、これに限定されるわけではないが、1〜200nmの範囲が好ましい。
【0018】
貴金属皮膜を形成した後の加熱処理は、貴金属皮膜が剥離することがなく、耐食性、接触電気抵抗等を保持しつつ、硬い金属ベース材の硬さを溝成形加工しやすく、かつ溝等の成形精度が確保できる最適な硬さにするために行うものであって、加熱処理後の金属ベース材の最表面の貴金属の占める組成比が7%以上になり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層ができるとともに、金属ベース材の硬さが低く、好ましくはHV300以下になるように実施することである。
【0019】
この加熱処理の温度は、低過ぎると拡散及び硬い金属ベース材の硬さを下げるのに時間がかかり過ぎるし、高過ぎると金属ベース材が溶解し、また溶解しない場合でも高過ぎると拡散が早過ぎて制御が困難になるので、800〜1200℃の範囲が好ましい。また、加熱処理の時間は、貴金属の種類、温度、金属ベース材の種類によって異なるため簡単に表現できないので、一例を上げて説明すると、Au皮膜をステンレス鋼の表面に設けたものを1000℃で加熱処理する場合は1〜100秒程度である。
【0020】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
本発明の実施例及び比較例として、表1に示す板厚の金属ベース材(SUS316L、304l、316、430、304、XM7(C:0.08%以下、Si:1.00 %以下,Mn:2.00 %以下,Ni: 8.50〜10.50 %, Cr:17.00〜19.00 %,Cu:3.00〜4.00%)及びTi)の板(SUS板は1000℃で固溶化処理をしたもの)で圧延によりHV320〜410に加工硬化したものの表面に下記表1に示す皮膜の形成手段によって下記表1に示す材質および膜厚の貴金属皮膜を形成した。その後Arガス中で下記表1に示す温度及び時間の加熱処理をし、5×5mmの深さ方向組成変化を測定するオージェ分析用試験片、50×40mmに打ち抜いて耐食試験用試験片及びφ16mmの接触抵抗測定用試験片を作製した。
これらの試験片を用いて下記方法によって深さ方向組成変化、耐食試験、剥離試験及び接触抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0021】
深さ方向組成変化の測定は、上記試験片を用いて60μm2 面積内のオージェ分析を行い、図1〜3に示すようなグラフを作成し、最表面の貴金属の組成比、表面から深さ1μmまでの間に貴金属の組成比が最も高いところの深さとその組成比を求めた。
【0022】
耐食試験は、0.1wt%の硫酸液(pH2)0.4リットルを還流しながら沸騰させた溶液中に、40×50mmの試験片を168時間浸漬保持し、溶液中に溶出した金属イオンを原子吸光光度法で分析し、溶液0.4リットル当たりに溶出した金属イオンの総重量0.1mg未満を腐食なしとし、それ以上を腐食有りとした。
【0023】
剥離試験は、上記耐食性試験を実施した直後の試験片を用い、この試験片の表面を超純水で洗浄後にアセトン置換して乾燥し、乾いた試験片の貴金属層面に幅18mm、長さ50mmの粘着テープを張り付け、爪でよく擦って接着させた後、金属ベース材の表面に対してほぼ平行になるようにして一気に引き剥がした。判定は、該貴金属層が粘着テープに少しでも付着していれば評価を有りとし、全く付着していないものをなしとした。
【0024】
接触電気抵抗測定は、測定用の一方の金電極の上にカーボンペーパーを置き、その上に試験片、カーボンペーパーおよび測定用のもう一方の金電極を置き、その上に25kgf/cm2 の荷重をかけ、印加電流90mAを流した時の電圧を測定して、接触電気抵抗(mΩ・cm2 )を測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
表1の結果によると、本発明の実施例は、いずれも金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有しており、耐食試験ではいずれも腐食がなく、貴金属皮膜の剥離試験ではいずれも皮膜の剥離がなく、接触電気抵抗が6.8〜8.6mΩ・cm2 であった。また、熱処理後の硬さも、固体高分子形燃料電池用素材として必要な硬さのHV300以下であるHV145〜288であった。
これに対して、加熱処理をしない比較例1、4および7は、耐食試験ではいずれも腐食がなく、また接触電気抵抗も本発明の実施例より低い6.4、6.6および6.3mΩ・cm2 であっが、剥離試験ではいずれも皮膜が剥離した。
【0027】
また、加熱時間が長過ぎて金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が本発明(7%以上)より低くなってしまった比較例2、5および8は、剥離試験ではいずれも皮膜の剥離がなかったが、耐食試験ではいずれも腐食があり、接触電気抵抗も本発明の実施例より高い金属ベース材と同等の102〜134mΩ・cm2 であった。
また、貴金属皮膜を形成せず、当然ながら加熱処理をしない比較例3、6および9は、耐食試験ではいずれも腐食があり、接触電気抵抗も本発明の実施例より高い125〜133mΩ・cm2 であった。
【0028】
【効果】
本発明の固体高分子形燃料電池用素材は、上記構成にしたことにより、貴金属皮膜の密着性が高く、耐食性及び接触電気抵抗を維持しつつ、硬い金属ベース材においても溝形成及び金属セパレータ等に必要な素材の柔らかさが改善され、更にコストの低いものとなるという優れた効果を奏する。
また、本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法は、上記構成にしたことにより、上記のとおりの固体高分子形燃料電池用素材を製造することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属ベース材の表面に貴金属皮膜を形成した後加熱処理(1000℃×5sec)をしたものをAuger分析法によって深さ方向組成比変化を測定した結果を示すグラフである。
【図2】金属ベース材の表面に貴金属皮膜を形成した後加熱処理(1000℃×10sec)をしたものをAuger分析法によって深さ方向組成比変化を測定した結果を示すグラフである。
【図3】金属ベース材の表面に貴金属皮膜を形成した後加熱処理(1000℃×60sec)をしたものをAuger分析法によって深さ方向組成比変化を測定した結果を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属セパレータ、集電部材等に用いる固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子形燃料電池用素材の一用途である金属セパレータは、単位電池の電極と隣り合う単位電池の電極とが接触して電気的に接続し、かつ反応ガスを分離する作用をするものであるので、導電性が高く、更に反応ガスに対してガス気密性が高いことが必要であり、また水素/酸素を酸化還元する際の反応に対して高い耐食性を有する必要があるものである。
【0003】
従来、固体高分子形燃料電池用金属セパレータとして、黒鉛等のカーボン板を切削加工することによって燃料ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状の溝を形成して作製したものが知られている。
しかし、この方法で製造すると、カーボン板の材料コストと切削加工コストが嵩み、実用化するにはコストが高過ぎるという問題があった。またカーボン板は、強度が低いために薄くすることができないため、コンパクトにすることができないという問題もあった。
【0004】
上記問題点を解決するものとして、SUS316板にプレス加工により燃料ガス又は酸化剤ガスを通す多数の凹凸状の溝を予め形成し、最後にこの表面にニッケルストライクメッキ処理、ニッケルメッキ処理及び金メッキ処理をする固体高分子形燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法が特開2000−21418号公報に開示されている。
しかし、このようにして製造した固体高分子形燃料電池用金属セパレータには、上記溝のエッジ部分では電解集中やメッキ液の流れが不均一になるため、平坦部に比べて異常メッキが発生し易く、更にメッキ膜が付き難いため剥離しやすく、またメッキ膜は非常にポーラス構造であるためピーンホールが多く存在し、これを改善するには高価な金を厚く付けなければならないという問題がある。
【0005】
そこで、本出願人は、鉄基合金、Ni基合金、Ti、Ti基合金、Cu、Cu基合金、Al、Al基合金等の金属材料の表面上に予めAu,Ag,Pt、Pd、Rh、Ru、これらの金属の合金等の貴金属層をメッキ等で設け、これらを5%以上の圧下率で圧延加工をしてクラッド化による緻密化処理し、非常に均一で薄い貴金属皮膜を形成し、その後プレス加工により燃料ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状の溝を形成した固体高分子形燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法を開発し、特願2001−55565号として特許出願をした。
この固体高分子形燃料電池用金属セパレータは、貴金属皮膜の密着性が優れているとともに、貴金属皮膜は金属ベース材の変形に容易に追従し、破断せずに溝のエッジ部分等にも貴金属皮膜が均一に付着しており、またメッキのポーラス構造が緻密化されると共にメッキのピンホールが閉孔されているので、上記従来のメッキしたものより耐食性が優れているという特徴を有するものの、圧下率が大きくなるに従い、材料の加工硬化も大きくなり、溝成形精度が悪くなるという唯一の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膜の密着性、耐食性、接触電気抵抗等を維持しつつ、硬い金属ベース材の場合には溝成形精度が確保できる素材の柔らかさを改善したコストの低い固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、耐食性、密着性及び接触電気抵抗を維持しつつ、溝成形精度が確保できる素材の柔らかさが得られ、かつコストの低い固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法について鋭意研究したところ、金属ベース材に貴金属のメッキ等の皮膜で被覆した後、その後加熱処理をすれば、耐食性、密着性及び接触電気抵抗がより改善され、かつ硬い金属ベース材の場合には硬さが下がること等の知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づいて発明をされたものである。
【0008】
すなわち、上記課題を解決するため、本発明の固体高分子形燃料電池用素材においては、鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金Cu、Cu基合金、Al、Al基合金等の金属ベース材の表面(最表面のこと。)にAu,Ag,Pt、Pd等の貴金属及びこれらの合金のうちの1種又は2種以上の貴金属の占める金属ベース材対比組成が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く、例えば深さが10nm以上の貴金属の拡散層を有し、更にこの拡散層は好ましくは貴金属の組成比が50%以上となる層を有し、また好ましくは金属ベース材の硬さをHV300以下とすることである。
なお、本発明でいう組成比は、オージェ分析で得られた各種元素のピーク信号強度全体を100%にしたときの各種元素の相対比%である。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法においては、鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金等の金属ベース材の表面上にAu,Ag,Pt、Pd等の貴金属及びこれらの合金のうちの1種又は2種以上の貴金属皮膜をメッキ、スクリーン印刷、PVD処理、CVD処理等で形成し、短時間等の加熱処理をして既に柔らかくなっている金属ベース材の場合には貴金属皮膜の大部分又は一部を金属ベース材に拡散させ、また硬い金属ベース材の場合には拡散させるとともに、金属ベース材又は金属ベース材及び貴金属皮膜の硬さをさげることである。
【0010】
【作用】
本発明の固体高分子形燃料電池用素材は、鉄基合金等の金属ベース材の表面のAu等の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有しているので、耐食性、接触電気抵抗等が改善され、かつ貴金属皮膜が剥離することがなく、さらにコストの低いものとなり、また硬い金属ベース材を柔らかくすることによって、溝成形加工をしやすく、かつ金属セパレータとして使用するのに最適な硬さになる。
【0011】
本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法は、金属ベース材の表面上にAu等の貴金属皮膜を形成した後、短時間等の加熱処理して既に柔らかくなっている金属ベース材の場合には貴金属皮膜の大部分若しくは一部を金属ベース材に拡散させ、また硬い金属ベース材の場合には拡散させるとともに硬さを下げているので、耐食性、接触電気抵抗等を維持しつつ、貴金属皮膜が剥離することがなく、金属ベース材を溝成形加工しやすく、溝成形精度が確保でき、更にコストも低いものを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法を詳細に説明する。
先ず、本発明の固体高分子形燃料電池用素材について説明する。
本発明の固体高分子形燃料電池用素材は、金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有するものであるが、金属ベース材は、Fe又は鉄基合金、Ni又はNi基合金、Ti又はTi基合金、Cu又はCu基合金、Al又はAl基合金等である。これらのうちでは、鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金が耐食性、強度等の点で好ましい。また、鉄基合金の中では特にステンレス鋼が適しており、SUS316L、304L、316、304、XM7等のオーステナイ系ステンレス鋼、430等のフェライト系ステンレス鋼が耐食性に優れており、加工性及びコストから最も好ましい。また、その形状は通常板材である。
【0013】
上記金属ベース材の表面上及び内部に存在する貴金属は、Au,Ag,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os等の貴金属の単体金属又はこれらの合金、すなわち貴金属同士の合金及び卑金属との合金である。
これらの貴金属の中では、Au,Ag,Pt、Pd及びこれらの金属の合金が耐食性、皮膜の成形性、コスト等から好ましいが、特にAu及びPtが耐食性、皮膜の成形性、拡散速度、コスト等の点で好ましい。
【0014】
上記金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上にするのは、貴金属が100%存在しなくても、組成比で7%以上であれば接触電気抵抗は低く保持され、また耐食性も貴金属が剥離や拡散で全く無くならない限り、少しでも存在すればその効果が得られるからである。
さらに、金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有するものとしているのは、このような拡散層があれば、通常の方法で固体高分子形燃料電池のセパレータ等に成形加工しても、またこのセパレータ等を通常の状態で使用しても貴金属皮膜が剥離することがないからである。この拡散層の深さは、常温で自然に拡散される深さ以上の深さまであれば効果があるが、貴金属層と金属ベース材との旧界面から10nm以上まで貴金属の組成比が1%以上の拡散層があるのが好ましい。
【0015】
また、上記拡散層には貴金属の組成比が50%以上となる層が存在するのが好ましい。50%以上の層が存在していると耐食性がより優れたものとなるからである。
この拡散層の一つの形態は、図1〜3に示すような表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、深さが1μmまでの間に貴金属の組成比が最高、好ましくは50%以上になる貴金属層を有することである。
【0016】
また、上記金属ベース材の硬さをHV300以下にするのが好ましい。セパレータの溝成形加工等において成形精度を確保するためである。HV300より硬いと成形精度が低下するからである。
【0017】
次に、本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法について説明する。
本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法は、金属ベース材の表面上に貴金属皮膜を形成した後、短時間等の加熱処理をして既に柔らかくなっている金属ベース材の場合には貴金属皮膜を金属ベース材に拡散させ、また硬い金属ベース材の場合には貴金属皮膜を金属ベース材に拡散させるとともに硬さを下げることであるが、金属ベース材及び貴金属皮膜の貴金属は、上記固体高分子形燃料電池用素材の説明の欄において説明したとおりのものである。
貴金属皮膜を形成する方法は、電解メッキ、化学メッキ等のメッキ、スクリーン印刷、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD処理及びCVD処理等である。貴金属皮膜の厚さは、厚くなると経済的でなく、薄過ぎると加熱処理後の耐食性、接触電気抵抗が不十分になるので、これに限定されるわけではないが、1〜200nmの範囲が好ましい。
【0018】
貴金属皮膜を形成した後の加熱処理は、貴金属皮膜が剥離することがなく、耐食性、接触電気抵抗等を保持しつつ、硬い金属ベース材の硬さを溝成形加工しやすく、かつ溝等の成形精度が確保できる最適な硬さにするために行うものであって、加熱処理後の金属ベース材の最表面の貴金属の占める組成比が7%以上になり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層ができるとともに、金属ベース材の硬さが低く、好ましくはHV300以下になるように実施することである。
【0019】
この加熱処理の温度は、低過ぎると拡散及び硬い金属ベース材の硬さを下げるのに時間がかかり過ぎるし、高過ぎると金属ベース材が溶解し、また溶解しない場合でも高過ぎると拡散が早過ぎて制御が困難になるので、800〜1200℃の範囲が好ましい。また、加熱処理の時間は、貴金属の種類、温度、金属ベース材の種類によって異なるため簡単に表現できないので、一例を上げて説明すると、Au皮膜をステンレス鋼の表面に設けたものを1000℃で加熱処理する場合は1〜100秒程度である。
【0020】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
本発明の実施例及び比較例として、表1に示す板厚の金属ベース材(SUS316L、304l、316、430、304、XM7(C:0.08%以下、Si:1.00 %以下,Mn:2.00 %以下,Ni: 8.50〜10.50 %, Cr:17.00〜19.00 %,Cu:3.00〜4.00%)及びTi)の板(SUS板は1000℃で固溶化処理をしたもの)で圧延によりHV320〜410に加工硬化したものの表面に下記表1に示す皮膜の形成手段によって下記表1に示す材質および膜厚の貴金属皮膜を形成した。その後Arガス中で下記表1に示す温度及び時間の加熱処理をし、5×5mmの深さ方向組成変化を測定するオージェ分析用試験片、50×40mmに打ち抜いて耐食試験用試験片及びφ16mmの接触抵抗測定用試験片を作製した。
これらの試験片を用いて下記方法によって深さ方向組成変化、耐食試験、剥離試験及び接触抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0021】
深さ方向組成変化の測定は、上記試験片を用いて60μm2 面積内のオージェ分析を行い、図1〜3に示すようなグラフを作成し、最表面の貴金属の組成比、表面から深さ1μmまでの間に貴金属の組成比が最も高いところの深さとその組成比を求めた。
【0022】
耐食試験は、0.1wt%の硫酸液(pH2)0.4リットルを還流しながら沸騰させた溶液中に、40×50mmの試験片を168時間浸漬保持し、溶液中に溶出した金属イオンを原子吸光光度法で分析し、溶液0.4リットル当たりに溶出した金属イオンの総重量0.1mg未満を腐食なしとし、それ以上を腐食有りとした。
【0023】
剥離試験は、上記耐食性試験を実施した直後の試験片を用い、この試験片の表面を超純水で洗浄後にアセトン置換して乾燥し、乾いた試験片の貴金属層面に幅18mm、長さ50mmの粘着テープを張り付け、爪でよく擦って接着させた後、金属ベース材の表面に対してほぼ平行になるようにして一気に引き剥がした。判定は、該貴金属層が粘着テープに少しでも付着していれば評価を有りとし、全く付着していないものをなしとした。
【0024】
接触電気抵抗測定は、測定用の一方の金電極の上にカーボンペーパーを置き、その上に試験片、カーボンペーパーおよび測定用のもう一方の金電極を置き、その上に25kgf/cm2 の荷重をかけ、印加電流90mAを流した時の電圧を測定して、接触電気抵抗(mΩ・cm2 )を測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
表1の結果によると、本発明の実施例は、いずれも金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有しており、耐食試験ではいずれも腐食がなく、貴金属皮膜の剥離試験ではいずれも皮膜の剥離がなく、接触電気抵抗が6.8〜8.6mΩ・cm2 であった。また、熱処理後の硬さも、固体高分子形燃料電池用素材として必要な硬さのHV300以下であるHV145〜288であった。
これに対して、加熱処理をしない比較例1、4および7は、耐食試験ではいずれも腐食がなく、また接触電気抵抗も本発明の実施例より低い6.4、6.6および6.3mΩ・cm2 であっが、剥離試験ではいずれも皮膜が剥離した。
【0027】
また、加熱時間が長過ぎて金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が本発明(7%以上)より低くなってしまった比較例2、5および8は、剥離試験ではいずれも皮膜の剥離がなかったが、耐食試験ではいずれも腐食があり、接触電気抵抗も本発明の実施例より高い金属ベース材と同等の102〜134mΩ・cm2 であった。
また、貴金属皮膜を形成せず、当然ながら加熱処理をしない比較例3、6および9は、耐食試験ではいずれも腐食があり、接触電気抵抗も本発明の実施例より高い125〜133mΩ・cm2 であった。
【0028】
【効果】
本発明の固体高分子形燃料電池用素材は、上記構成にしたことにより、貴金属皮膜の密着性が高く、耐食性及び接触電気抵抗を維持しつつ、硬い金属ベース材においても溝形成及び金属セパレータ等に必要な素材の柔らかさが改善され、更にコストの低いものとなるという優れた効果を奏する。
また、本発明の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法は、上記構成にしたことにより、上記のとおりの固体高分子形燃料電池用素材を製造することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属ベース材の表面に貴金属皮膜を形成した後加熱処理(1000℃×5sec)をしたものをAuger分析法によって深さ方向組成比変化を測定した結果を示すグラフである。
【図2】金属ベース材の表面に貴金属皮膜を形成した後加熱処理(1000℃×10sec)をしたものをAuger分析法によって深さ方向組成比変化を測定した結果を示すグラフである。
【図3】金属ベース材の表面に貴金属皮膜を形成した後加熱処理(1000℃×60sec)をしたものをAuger分析法によって深さ方向組成比変化を測定した結果を示すグラフである。
Claims (11)
- 金属ベース材の表面の貴金属の占める組成比が7%以上であり、かつ金属ベース材の表面から内部に続く貴金属の拡散層を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用素材。
- 上記拡散層はその深さが界面より1μmの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子形燃料電池用素材。
- 上記拡散層は貴金属の組成比が50%以上となる層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の固体高分子形燃料電池用素材。
- 上記金属ベース材は硬さがHV300以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の固体高分子形燃料電池用素材。
- 上記金属ベース材が鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の固体高分子形燃料電池用素材。
- 上記貴金属がAu,Ag,Pt、Pd及びこれらの金属の合金のうちの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の固体高分子形燃料電池用素材。
- 金属ベース材の表面上に貴金属皮膜を形成した後、加熱処理して貴金属皮膜を金属ベース材に拡散させることを特徴とする固体高分子形燃料電池用素材の製造方法。
- 金属ベース材の表面上に貴金属皮膜を形成した後、加熱処理して貴金属皮膜を金属ベース材に拡散させるとともに硬さを下げることを特徴とする固体高分子形燃料電池用素材の製造方法。
- 上記金属ベース材が鉄基合金、Ni基合金、Ti又はTi基合金であることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法。
- 上記貴金属皮膜がAu,Ag,Pt,Pd及びこれらの金属の合金のうちの1種又は2種以上の皮膜であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法。
- 上記貴金属皮膜がメッキ、スクリーン印刷、PVD処理およびCVD処理から選ばれた少なくとも1つの手段によって形成されたものであることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項記載の固体高分子形燃料電池用素材の製造方法。
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