JP2002260681A - 固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002260681A
JP2002260681A JP2001055403A JP2001055403A JP2002260681A JP 2002260681 A JP2002260681 A JP 2002260681A JP 2001055403 A JP2001055403 A JP 2001055403A JP 2001055403 A JP2001055403 A JP 2001055403A JP 2002260681 A JP2002260681 A JP 2002260681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
metal
polymer electrolyte
electrolyte fuel
based alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001055403A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Yoshida
広明 吉田
Yoshitake Suzuki
良剛 鈴木
Shinobu Takagi
忍 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2001055403A priority Critical patent/JP2002260681A/ja
Priority to CA2373344A priority patent/CA2373344C/en
Priority to US10/084,434 priority patent/US6699593B2/en
Priority to EP02004655A priority patent/EP1237215A3/en
Publication of JP2002260681A publication Critical patent/JP2002260681A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触電気抵抗が低く、耐食性が改善され、か
つコストが低い固体高分子型燃料電池用金属セパレータ
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 Fe基合金等の金属板の表面上にAu等
の貴金属層を有し、これらが5%以上の圧下率で圧延加
工をされてクラッド化されたものであり、更に燃料ガス
又は酸化性ガスを通す流通路が設けられていることを特
徴とする固体高分子型燃料電池用金属セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池用金属セパレータ及びその製造方法、詳細には耐食
性、密着性、接触電気抵抗等が改善された固体高分子型
燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池用金属セパレータ
は、単位電池の電極と隣り合う単位電池の電極とが接触
して電気的に接続し、かつ反応ガスを分離する作用をす
るものであるので、導電性が高く、さらに反応ガスに対
してガス気密性が高いことが必要であり、また水素/酸
素を酸化還元する際の反応に対して高い耐食性を持つ必
要があるものである。
【0003】従来、固体高分子型燃料電池用金属セパレ
ータとして、黒鉛等のカーボン板を切削することによっ
て燃料ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状の溝を形
成して作製したものが知られている。しかし、この方法
で製造すると、カーボン板の材料コストと切削するため
のコストが嵩み、実用化するにはコストが高過ぎるとい
う問題があった。
【0004】さらに、固体高分子型燃料電池用金属セパ
レータとして、ステンレス鋼板にプレス加工により燃料
ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状の溝を形成し、
その後膨出先端側端面に金メッキを直接0.01〜0.
02μmメッキしたものが特開平10−228914号
公報に開示されている。また、SUS316板にプレス
加工により燃料ガス又は酸化性ガスを通す多数の凹凸状
の溝を形成し、この表面にニッケルストライクメッキ、
ニッケルメッキ及び金メッキをしたものが特開2000
−21418号公報に開示されている。
【0005】しかし、従来の製造方法のように溝を形成
した後メッキ等の表面処理をすると、基材とメッキ膜と
の間に隙間が発生し易く、かつ溝のエッジ部分にメッキ
膜が付き難く、耐食性に問題があった。また、メッキ膜
はポーラス構造であるため、基材との密着力が弱く、更
にメッキ膜が薄いとピンホールが存在するので耐食性が
低く、またメッキ膜がポーラス構造であり、かつピンホ
ールが存在するためにメッキ膜の厚さを薄くすることが
できないので、コストが高くなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、接触電気抵
抗が低く、耐食性が改善され、かつコストの低い固体高
分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法を提
供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、耐食性及び接触電気抵抗が改善さ
れ、かつコストの低い固体高分子型燃料電池用金属セパ
レータ及びその製造方法について鋭意研究したところ、
貴金属のメッキ等の皮膜で表面被覆をした基材を皮膜と
共に圧延すれば、クラッド材と同程度の密着力が得ら
れ、皮膜のポーラス構造が緻密化すると共にピンホール
が閉孔するために耐食性が改善されること、密着力が高
くなるので、その後塑性加工により燃料ガス又は酸化性
ガスを通す流通路を形成しても皮膜が剥離しないこと、
耐食性が改善されるために皮膜を薄くすることができる
のでコストが低くなること、表面に貴金属の皮膜からな
る貴金属層を設けているので、接触電気抵抗が低いこと
等の知見を得た。本発明は、これらの知見に基づいて発
明をされたものである。
【0008】すなわち、上記課題を解決するため、本発
明の固体高分子型燃料電池用金属セパレータにおいて
は、鉄基合金、Ni基合金、Ti、Ti基合金等の金属
板の表面上にAu,Ag,Pt,Pd、これらの金属の
合金等の貴金属層を有し、これらが5%以上の圧下率で
圧延加工をされてクラッド化されたものであり、更にプ
レス加工等で燃料ガス又は酸化性ガスを通す流通路が形
成されているものとしたことである。
【0009】また、上記課題を解決するため、本発明の
固体高分子型燃料電池用金属セパレータにおいては、鉄
基合金、Ni基合金、Ti、Ti基合金等の金属板の表
面上にAu,Ag,Pt,Pd、これらの金属の合金等
の貴金属層を有し、これらが5%以上の圧下率で圧延加
工をされてクラッド化され、更に圧延加工によって生じ
た金属板等の加工硬化が、皮膜が拡散消失せず、かつ基
材に適した条件での熱処理によって除去されたものであ
り、またプレス加工等で燃料ガス又は酸化性ガスを通す
流通路が設けられたものとしたことである。
【0010】上記課題を解決するため、本発明の固体高
分子型燃料電池用金属セパレータの製造方法において
は、鉄基合金、Ni基合金、Ti、Ti基合金等の金属
板の表面上にAu,Ag,Pt,Pd、これらの金属の
合金等の貴金属を被覆し、これらを5%以上の圧下率で
圧延加工をしてクラッド化し、更に燃料ガス又は酸化性
ガスを通す流通路を形成するプレス加工等の加工をする
ことである。
【0011】また、上記課題を解決するため、本発明の
固体高分子型燃料電池用金属セパレータの製造方法にお
いては、鉄基合金、Ni基合金、Ti、Ti基合金等の
金属板の表面上にAu,Ag,Pt,Pd、これらの金
属の合金等の貴金属を被覆し、これらを5%以上の圧下
率で圧延加工をしてクラッド化し、更に圧延加工によっ
て生じた金属板等の加工硬化を皮膜が拡散消失せず、か
つ基材に適した条件での熱処理によって除去し、その後
燃料ガス又は酸化性ガスを通す流通路を形成するプレス
加工等の加工をすることである。
【0012】
【作用】本発明の固体高分子型燃料電池用金属セパレー
タ及びその製造方法は、鉄基合金、Ni基合金、Ti、
Ti基合金等の金属板の表面上に設けたAu,Ag,P
t,Pd、これらの金属の合金等の皮膜を金属板と共に
圧延加工をしてクラッド化するため、クラッド材と同程
度の密着力が得られ、貴金属層のポーラス構造が緻密化
されると共にピンホールが閉孔されるので、耐食性が改
善される。さらに、耐食性が改善されているため、Au
等の上記貴金属層を薄くすることができるので、コスト
が低くなる。また、表面にAu等の上記貴金属層が設け
られているので、耐食性が優れていると共に接触電気抵
抗が低くなり、また加工硬化を除去する熱処理をしてい
るものは、加工性等が優れたものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の固体高分子型燃料
電池用金属セパレータ及びその製造方法を詳細に説明す
る。先ず、本発明の固体高分子型燃料電池用金属セパレ
ータについて説明する。本発明の固体高分子型燃料電池
用金属セパレータは、金属板の表面上に貴金属層を有
し、これらが5%以上の圧下率で圧延加工をされてクラ
ッド化され、更にプレス加工等で燃料ガス又は酸化性ガ
スを通す流通路が形成されているもの、又はクラット化
された後、更に圧延加工によって生じた加工硬化が熱処
理によって除去され、またプレス加工等で燃料ガス又は
酸化性ガスを通す流通路が設けられているものである
が、上記金属板は、Fe又はFe基合金板、Ni又はN
i基合金板、Ti又はTi基合金板、Cu又はCu基合
金板、Al又はAl基合金板等である。これらのうちF
e基合金板、Ni基合金板、Ti又はTi基合金板が耐
食性、強度等の点で好ましい。また鉄基合金の中ではS
US430等のフェライト系ステンレス鋼板又はSUS
304,SUS316等のオーステナイト系ステンレス
鋼板が耐食性に優れており、加工性及びコストから最も
好ましい。その厚さは通常0.05〜1.0mm程度で
ある。
【0014】上記金属板の表面上に設ける貴金属層は、
Au,Ag,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os等の
貴金属の単体金属又はこれらの合金、すなわち貴金属同
士の合金及び卑金属との合金を一層又は複数層重ねたも
の等からなり、通常表面と裏面の両面に設けられている
ものである。また、これらの貴金属のうち、Au、A
g、Pt、Pd及びこれらの金属の合金が耐食性、皮膜
の成形性、被圧延性、コスト等から好ましい。またこれ
らのうちでは、耐食性及び展延性に優れ、かつ電気伝導
度が高いことからAu及びPtが最も好ましい。
【0015】金属板の表面上に設けるAu,Pt,P
d、Ag、これらの金属の合金等の貴金属層の厚さは、
使用したことにより摩耗されないので、表面に均一に被
覆されていれば、測定できない程度に薄くてもよいが、
耐食性を考慮すると圧延加工した後0.001μm以上
あるのが好ましい。その上限は、特に限定されないが、
コスト等を考慮すると1.0μm以下が好ましい。
【0016】本発明の固体高分子型燃料電池用金属セパ
レータの燃料ガス又は酸化性ガスを通す流通路は、通常
2〜6mmピッチで幅が1〜3mm、深さが0.5〜
3.0mmのものであり、プレス加工、図1に示すよう
な2個のデザインロールを用いて圧延すること等で形成
することができる。なお、貴金属層を設ける方法、圧延
加工方法、熱処理方法については、下記の固体高分子型
燃料電池用金属セパレータの製造方法の説明において行
う。
【0017】次に、本発明の固体高分子型燃料電池用金
属セパレータの製造方法について説明する。本発明の固
体高分子型燃料電池用金属セパレータの製造方法の一つ
は、金属板の表面に貴金属を被覆し、これらを5%以上
の圧下率で圧延加工をしてクラッド化し、更に燃料ガス
又は酸化性ガスを通す流通路を形成する加工をすること
であり、また他の一つは上記圧延加工をしてクラッド化
した後、更にこの圧延加工によって生じた金属板等の加
工硬化を除去する熱処理をし、燃料ガス又は酸化性ガス
を通す流通路を形成する加工をすることであるが、上記
金属板、貴金属、貴金属層の厚さについては既に説明し
たのでここでは省略する。
【0018】上記金属板の表面に貴金属を被覆する方法
(貴金属層を設ける方法)は、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等のPVD処理、CVD処理
及び電気メッキ、無電解メッキ等のメッキ処理のうちの
何れでもよいが、電気メッキが容易でコストも低いので
好ましい。
【0019】上記圧延加工は、金属板の表面に被覆され
た貴金属の皮膜を密着し、かつ皮膜のポーラス構造を緻
密化すると共にピンホールを閉孔して耐食性を改善する
ために行うもので、普通の圧延ロールを用いて圧延する
ことによって行うことができる。これらの作用効果を得
るためには図2に示すように圧下率を5%以上、好まし
くは30%以上にすることである。圧下率を5%以上に
すれば、金属板のFeイオン等の溶出量が急激に低下
し、30%以上にすれば、溶出量が0.01mg/l未
満になるからである。さらに、上記燃料ガス又は酸化性
ガス、すなわち燃料ガス、酸化性ガス、燃料ガス及び酸
化性ガスを通す流通路を形成する加工は、流通路に対応
する形状にした金型を用いてプレス加工により行うこと
ことができるし、また図1に示すように2個の溝付きの
デザインロールを用い行うことができる。
【0020】また、上記熱処理は、上記圧延加工をした
ことにより生じた加工硬化を除去し、加工性等を改善す
るためのもので、その温度は下記温度に限定されるわけ
ではないが、図3に示すように金属板がFe又はFe基
合金及びNi又はNi基合金の場合には700℃以下、
図には示されていないがTi又はTi基合金の場合には
700℃以下、Cu又はCu基合金の場合には500℃
以下、Al又はAl基合の場合には300℃以下の熱処
理温度で軟化処理を行って加工硬化を除去することがで
き、また金属板の金属イオンの溶出もわずかである。
【0021】以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】実施例1 本発明の実施例及び比較例として、板厚0.3mmのS
US430板の両表面に下記表1に示す厚さの貴金属又
は合金の皮膜を電気メッキにて形成し、下記表1に示す
圧下率で皮膜と金属板とを一緒に圧延してクラッド化し
て貴金属層を有する供試材を作製した。これらの供試材
から硬さ試験片、接触電気抵抗試験片、密着力試験片及
び耐食性試験片を採取し、金属板の表面の硬さを測定
し、また下記方法で密着力試験、接触電気抵抗試験及び
耐食性試験を行った。その結果を下記表1に示す。ま
た、本発明例 No.1〜9及び比較例 No.1を用いて圧延
加工の圧下率と耐食性試験の結果の関係を図2に示す。
なお、表中のAg/Pd は、Ag70%とPd30%の合金のこ
とである。
【0022】(1)耐食性試験 0.1wt%の硫酸液(pH2)0.4リットルを還流し
ながら沸騰させた雰囲気中に、40×50mmの試験片
を168時間保持し、溶液中に溶出した金属イオンを原
子吸光光度法で分析し、溶液1リットル当たりの重量で
表した。 (2)密着力試験 上記耐食性試験を実施した直後の試験片を用い、この試
験片の表面を超純水で洗浄後にアセトン置換して乾燥
し、乾いた試験片の貴金属層面に幅18mm、長さ50
mmの粘着テープを張り付け、爪でよく擦って接着させ
た。図4に示すように粘着テープの一端を少し引き上
げ、該貴金属層面に対してほぼ平行になるようにして一
気に引き剥がした。判定は、該貴金属層が粘着テープに
少しでも付着していれば評価を×とし、全く付着してい
なければ評価を○とした。 (3)接触電気抵抗試験 17×17mmの測定試験片の両面をカーボンペーパー
で挟み、荷重24kgf/cm2 、印加電流90mAを
流した時の電圧を測定して、接触電気抵抗を測定した。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 本発明の実施例及び比較例として、板厚0.3mmの8
0Ni−20Cr板又は純Ti板の両表面に下記表2に
示す厚さの貴金属又は合金の皮膜を電気メッキにて形成
し、下記表2に示す圧下率で皮膜と金属板とを一緒に圧
延してクラッド化して貴金属層を有する供試材を作製し
た。これらの供試材から実施例1と同様に硬さ試験片、
接触電気抵抗試験片、密着力試験片及び耐食性試験片を
採取し、金属板の表面の硬さを測定し、また上記方法で
密着力試験、接触電気抵抗試験及び耐食性試験を行っ
た。その結果を下記表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例3 実施例1及び実施例2の本発明例6、10、14、15、19、
20のクラッド化して作製した貴金属層を有する供試材を
用いてプレス法により図5に示すような6mmピッチで
幅が2mm、深さが1.0mmの溝を形成して32mm
×32mmの固体高分子型燃料電池用金属セパレータを
作製した。この固体高分子型燃料電池用金属セパレータ
を試験片として下記方法で接触電気抵抗試験及び耐食性
試験を行った。その結果を下記表3に示す。
【0027】(1)接触電気抵抗試験 上記32×32mmの固体高分子型燃料電池用金属セパ
レータの試験片(接触有効面積3.20cm2 )の両面
をカーボンペーパーで挟み、荷重24kgf/cm2
印加電流100mA(電流密度31mA/cm2 )を流
した時の電圧を測定して、接触電気抵抗を測定した。 (2)耐食性試験 上記32×32mmの固体高分子型燃料電池用金属セパ
レータの試験片2枚を同じ容器内に入れ、0.1wt%の
硫酸液(pH2)0.4リットルを還流しながら沸騰さ
せた雰囲気中で168時間保持し、溶液中に溶出した金
属イオンを原子吸光光度法で分析し、溶液1リットル当
たりの重量で表した。
【0028】
【表3】
【0029】実施例4 上記実施例1において作製した本発明例 No.6及び実施
例2において作製した本発明例14の供試材を下記表4に
示す熱処理温度に15分間加熱し、その後空冷して供試
材を作製した。これらから硬さ試験片及び耐食性試験片
を採取し、金属板の表面の硬さを測定し、また上記実施
例1の方法で耐食性試験を行った。その結果を下記表4
及び図3に示す。
【0030】
【表4】
【0031】表1の結果より、本発明例は、密着力試験
での貴金属層の剥離がなく、接触電気抵抗がいずれも
3.1mΩ/cm2 以下であり、また耐食性試験におけ
るFeの溶出量が0.10mg/l以下、Crの溶出量
が0.01mg/l以下であった。これに対して、貴金
属をメッキしない比較例 No.1は、接触電気抵抗が3
6.7mΩ/cm2 であり、また耐食性試験におけるF
eの溶出量が0.35mg/l、Crの溶出量が0.0
2mg/lであった。また、貴金属をメッキした後圧延
加工をしなかった比較例 No.2〜8のものは、いずれも
密着力試験において貴金属層の剥離が有り、耐食性試験
におけるFeの溶出量が0.10〜0.20mg/l、
Crの溶出量が0.01mg/lであった。
【0032】表2の結果より、本発明例は、密着力試験
での貴金属層の剥離がなく、接触電気抵抗がいずれも
3.1mΩ/cm2 以下であり、また耐食性試験におけ
るNi、Cr及びTiの溶出量が何れも0.01mg/
l未満であった。これに対して、貴金属をメッキしない
比較例 No.9(金属板は80Ni-20Cr)は、接触電気抵抗が
6.3mΩ/cm2 であり、また耐食性試験におけるN
iの溶出量が0.14mg/l、Crの溶出量が0.0
1mg/lであった。さらに、貴金属をメッキしない比
較例 No.17(金属板は純Ti) は、接触電気抵抗が14
1mΩ/cm2 であり、また耐食性試験におけるTiの
溶出量が0.01mg/l未満であった。また、貴金属
をメッキした後圧延加工をしなかった比較例 No.10〜
16及び18〜23のものは、いずれも密着力試験にお
いて貴金属層の剥離が有り、耐食性試験におけるNiの
溶出量が0.02〜0.10mg/l、Crの溶出量が
0.01mg/l以下、Tiの溶出量が0.01mg/
l未満であった。
【0033】表3の結果より、本発明例は、いずれも溝
形成後においても角部の貴金属層の剥離がなく、さらに
溝形成後における接触電気抵抗が変化することなく低い
ままであり、また耐食性試験におけるFe,Cr,Ni
及びTiの溶出量も変化することなく少ないままであ
り、固体高分子型燃料電池用金属セパレータとして良好
であった。
【0034】表4及び図2の結果より、金属板がSUS
430である場合には、700℃以上で熱処理をすれ
ば、硬さ159HV以下でほぼ一定になるが、800℃
以上で熱処理をすると、耐食性試験におけるFe及びC
rの溶出量が圧延加工及び熱処理をしなかった比較例2
のものより多くなる傾向があるので、700℃以下で熱
処理をするのが好ましいことが判る。また、金属板が8
0Ni−20Crの場合には、600℃以上で熱処理を
すれば、硬さ179HV以下でほぼ一定になるが、80
0℃以上で熱処理をすると、耐食性試験におけるNiの
溶出量が圧延加工及び熱処理をしなかっ比較例10のも
のより多くなる傾向があるので、700℃以下、好まし
くは600℃以下で熱処理をするのが好ましいことが判
る。
【0035】
【効果】本発明の固体高分子型燃料電池用金属セパレー
タは、上記構成にしたことにより、接触抵抗が低く、さ
らにクラッド材と同程度の密着力があり、かつ貴金属層
のポーラス構造が緻密化すると共にピンホールが閉孔す
るので、耐食性が改善され、また耐食性が改善されてい
るため、貴金属層を薄くすることができるので、コスト
が低いという優れた効果を奏する。また、本発明の本発
明の固体高分子型燃料電池用金属セパレータの製造方法
は、上記構成にしたことにより、上記のとおりの優れた
固体高分子型燃料電池用金属セパレータを製造すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体高分子型燃料電池用金属セパレー
タの燃料ガス又は酸化性ガスを通す流通路を形成するた
めの方法の一例を示す概念図である。
【図2】SUS430板にAuをメッキしたものの圧延
加工の圧下率とイオン溶出量との関係を示すグラフであ
る。
【図3】SUS430板及び80Ni−20Cr板にA
uをメッキしたものの熱処理温度とイオン溶出量との関
係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例で行った密着力試験の方法を説
明するための概念図である。
【図5】本発明の実施例において作製した固体高分子型
燃料電池用金属セパレータの斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 627 C22F 1/00 627 630 630K 691 691B 694 694A (72)発明者 高木 忍 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB00 BB01 BB02 BB04 CC03 EE02 EE08 HH03 HH05 HH06 HH08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面上に貴金属層を有し、これ
    らが5%以上の圧下率で圧延加工をされてクラッド化さ
    れたものであり、更に燃料ガス又は酸化性ガスを通す流
    通路が形成されていることを特徴とする固体高分子型燃
    料電池用金属セパレータ。
  2. 【請求項2】 金属板の表面上に貴金属層を有し、これ
    らが5%以上の圧下率で圧延加工をされてクラッド化さ
    れ、更に圧延加工によって生じた加工硬化が熱処理によ
    って除去されたものであり、また燃料ガス又は酸化性ガ
    スを通す流通路が形成されていることを特徴とする固体
    高分子型燃料電池用金属セパレータ。
  3. 【請求項3】 上記金属板が鉄基合金、Ni基合金、T
    i又はTi基合金であることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の固体高分子型燃料電池用金属セパレー
    タ。
  4. 【請求項4】 上記貴金属がAu,Ag,Pt,Pd及
    びこれらの金属の合金のうちの1種又は2種以上である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    項記載の固体高分子型燃料電池用金属セパレータ。
  5. 【請求項5】 金属板の表面上に貴金属を被覆し、これ
    らを5%以上の圧下率で圧延加工をしてクラッド化し、
    更に燃料ガス又は酸化性ガスを通す流通路を形成する加
    工をすることを特徴とする固体高分子型燃料電池用金属
    セパレータの製造方法。
  6. 【請求項6】 金属板の表面上に貴金属を被覆し、これ
    らを5%以上の圧下率で圧延加工をしてクラッド化し、
    更にこの圧延加工によって生じた加工硬化を除去する熱
    処理をし、また燃料ガス又は酸化性ガスを通す流通路を
    形成する加工をすることを特徴とする固体高分子型燃料
    電池用金属セパレータの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記金属板が鉄基合金、Ni基合金、T
    i又はTi基合金であることを特徴とする請求項5又は
    請求項6記載の固体高分子型燃料電池用金属セパレータ
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記貴金属がAu,Ag,Pt,Pd及
    びこれらの金属の合金のうちの1種又は2種以上である
    ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1
    項記載の固体高分子型燃料電池用金属セパレータの製造
    方法。
JP2001055403A 2001-02-28 2001-02-28 固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法 Pending JP2002260681A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001055403A JP2002260681A (ja) 2001-02-28 2001-02-28 固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
CA2373344A CA2373344C (en) 2001-02-28 2002-02-26 Corrosion-resistant metallic member, metallic separator for fuel cell comprising the same, and process for production thereof
US10/084,434 US6699593B2 (en) 2001-02-28 2002-02-28 Corrosion-resistant metallic member, metallic separator for fuel cell comprising the same, and process for production thereof
EP02004655A EP1237215A3 (en) 2001-02-28 2002-02-28 Corrosion-resistant metallic member, metallic separator for fuel cell comprising the same, and process for production thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001055403A JP2002260681A (ja) 2001-02-28 2001-02-28 固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002260681A true JP2002260681A (ja) 2002-09-13

Family

ID=18915597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001055403A Pending JP2002260681A (ja) 2001-02-28 2001-02-28 固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002260681A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003028134A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Separateur de pile a combustible et preparation correspondante
WO2003028133A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Separateur de pile a combustible
JP2003234109A (ja) * 2002-02-08 2003-08-22 Daido Steel Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
JP2005100933A (ja) * 2003-08-19 2005-04-14 Daido Steel Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ、燃料電池用金属セパレータの製造方法及び燃料電池
JP2005317479A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Daido Steel Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法、燃料電池用金属素材及び燃料電池
JP2006049072A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Mitsubishi Materials Corp 燃料電池用セパレータおよび固体酸化物形燃料電池
JP2006278172A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nikko Kinzoku Kk 燃料電池のセパレータ用材料
WO2006126613A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Hitachi Cable, Ltd. 燃料電池用セパレータ及びその製造方法
JP2010024508A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Toyota Motor Corp 金属めっき処理方法
JP2010045038A (ja) * 2006-09-29 2010-02-25 Kobe Steel Ltd 燃料電池用セパレータおよび燃料電池

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60118396A (ja) * 1983-12-01 1985-06-25 Mitsubishi Metal Corp Au又はAu合金と加工硬化性の高いステンレス鋼とのクラツド薄板材の製造法
JPH03161180A (ja) * 1989-11-15 1991-07-11 Furukawa Electric Co Ltd:The 複合材の製造方法
JPH10228914A (ja) * 1997-02-13 1998-08-25 Aisin Takaoka Ltd 燃料電池用セパレータ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60118396A (ja) * 1983-12-01 1985-06-25 Mitsubishi Metal Corp Au又はAu合金と加工硬化性の高いステンレス鋼とのクラツド薄板材の製造法
JPH03161180A (ja) * 1989-11-15 1991-07-11 Furukawa Electric Co Ltd:The 複合材の製造方法
JPH10228914A (ja) * 1997-02-13 1998-08-25 Aisin Takaoka Ltd 燃料電池用セパレータ

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166386B2 (en) 2001-09-19 2007-01-23 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Separator for fuel cell and method for preparation thereof
WO2003028133A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Separateur de pile a combustible
US7014938B2 (en) 2001-09-19 2006-03-21 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Separator for fuel cell
WO2003028134A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Separateur de pile a combustible et preparation correspondante
JP2003234109A (ja) * 2002-02-08 2003-08-22 Daido Steel Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
JP2005100933A (ja) * 2003-08-19 2005-04-14 Daido Steel Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ、燃料電池用金属セパレータの製造方法及び燃料電池
JP2005317479A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Daido Steel Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法、燃料電池用金属素材及び燃料電池
JP4517764B2 (ja) * 2004-08-04 2010-08-04 三菱マテリアル株式会社 燃料電池用セパレータおよび固体酸化物形燃料電池
JP2006049072A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Mitsubishi Materials Corp 燃料電池用セパレータおよび固体酸化物形燃料電池
JP2006278172A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nikko Kinzoku Kk 燃料電池のセパレータ用材料
WO2006126613A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Hitachi Cable, Ltd. 燃料電池用セパレータ及びその製造方法
JPWO2006126613A1 (ja) * 2005-05-25 2008-12-25 日立電線株式会社 燃料電池用セパレータ及びその製造方法
JP4702365B2 (ja) * 2005-05-25 2011-06-15 日立電線株式会社 燃料電池用セパレータ及びその製造方法
JP2010045038A (ja) * 2006-09-29 2010-02-25 Kobe Steel Ltd 燃料電池用セパレータおよび燃料電池
JP2010024508A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Toyota Motor Corp 金属めっき処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6699593B2 (en) Corrosion-resistant metallic member, metallic separator for fuel cell comprising the same, and process for production thereof
JP5152537B2 (ja) 固体高分子型燃料電池材料とその製造方法、ならびにそれを用いた燃料電池用金属部材及び燃料電池
US20060003174A1 (en) Titanium material and method for manufacturing the same
JP5325235B2 (ja) 燃料電池用セパレータ材料、それを用いた燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、及び燃料電池セパレータ用材料の製造方法
TWI322201B (ja)
JP4859189B2 (ja) 貴金属めっきを施したチタン又はチタン合金材料
JP2002367434A (ja) 耐食性金属部材およびこれを用いた燃料電池用金属セパレータ
JP2002260681A (ja) 固体高分子型燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
JP5590008B2 (ja) 燃料電池用集電板及びその製造方法
TW201232892A (en) Separator for fuel cell and method for manufacturing the same
WO2018147087A1 (ja) 燃料電池のセパレータ用鋼板の基材ステンレス鋼板およびその製造方法
JP2004134276A (ja) 固体高分子形燃料電池用素材及びその製造方法
JP2002254180A (ja) 高耐食性材料及びその製造方法
JP2009259595A (ja) 電気接点層付金属材およびその製造方法
JP3991701B2 (ja) 燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
JP2008251296A (ja) 燃料電池用セパレータ材料及び燃料電池用セパレータ
JP2006278172A (ja) 燃料電池のセパレータ用材料
JP5291368B2 (ja) 燃料電池用セパレータ材料、それを用いた燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、及び燃料電池用セパレータ材の製造方法
JP4040008B2 (ja) 燃料電池用金属製セパレータおよびその製造方法
JP2008251297A (ja) 燃料電池用セパレータ材料及び燃料電池用セパレータ
JP2011246778A (ja) 表面処理ステンレス鋼材料及びその製造方法
JP4847179B2 (ja) 貴金属めっきを施したチタン又はチタン合金材料
EP3181728B1 (en) Metal material and current-carrying component using said metal material
JP2008088455A (ja) 貴金属めっきを施したチタン又はチタン合金材料
JP4585760B2 (ja) 固体高分子型燃料電池セパレータの貴金属薄膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100420