JP2006190643A - 電極用チタン材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】(1) 白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸(フッ化水素:0.01〜3.0 質量%、塩酸:1.0 〜30質量%、硫酸:1.0 〜30質量%、リン酸:10〜50質量%、ギ酸:10〜40質量%、シュウ酸:10〜30質量%等)を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法、(2) 前記製造方法においてチタン合金を浸漬する溶液が酸化性の酸を含むもの、(3) 前記製造方法によって得られる電極用チタン材等。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極用チタン材およびその製造方法に関する技術分野に属するものであり、特には、燃料電池用のセパレータ等の電極用チタン材の製造方法に関する技術分野に属するものである。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだものを単一セルとして、セパレータ(あるいはバイポーラプレート)と呼ばれる電極を介して単一セルを複数個重ね合わせて構成される。このセパレータには接触抵抗が小さいことが要求され、アルミ合金、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金などの金属材料の適用が検討されている。しかし、これらの金属材料は使用環境において発錆や腐食生成物の表面堆積がおこって、接触抵抗が経時的に上昇して導電性が低下し電流損失を招いてしまうという問題がある。
このような接触抵抗の上昇を抑制して導電性を維持させようとする技術として、金属表面に導電性セラミックス膜を形成したもの(以降、従来技術Aともいう)や、金属表面に貴金属薄膜層を形成し、圧縮加工した後に、活性ガス雰囲気で防食処理したもの(以降、従来技術Bという)が提案されている(特開平11-162479 号公報、特開2003-105523 号公報)。
特開平11-162479 号公報 特開2003-105523 号公報
上記従来技術AやBによれば、セパレータの耐久性はある程度確保できるが、導電性維持の点ではまだ不十分である。この詳細を以下説明する。
従来技術A(金属表面に導電性セラミックス膜を形成したもの)の場合、セラミックスは脆いため、何らかの衝撃等によってセラミックス膜にクラックが生じやすい。セラミックス膜にクラックが生じると、そこから腐食性物質が侵入して基材(金属)が腐食し、このためセラミックス膜の剥離が起こり、ひいては接触抵抗が上昇して導電性が低下するという問題点がある。
従来技術B(金属表面に貴金属薄膜層を形成し、圧縮加工した後に、活性ガス雰囲気で防食処理したもの)の場合、局部的に貴金属薄膜層が剥離して導電性が低下するという問題点がある。即ち、セパレータは通常は凹凸が設けられているため、貴金属薄膜層を形成した後の圧縮加工に際し、貴金属薄膜層に均一に圧縮加工することは困難であり、このため貴金属薄膜層の残留応力が場所によって異なることが避けられない。このため、局部的に貴金属薄膜層が剥離し、ひいては接触抵抗が上昇して導電性が低下する。
本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は、上記のような接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材およびその製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、電極用チタン材およびその製造方法に係わり、特許請求の範囲の請求項1〜10記載の電極用チタン材の製造方法(第1〜10発明に係る電極用チタン材の製造方法)、請求項11〜16記載の電極用チタン材であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載の電極用チタン材の製造方法は、白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法である〔第1発明〕。
請求項2記載の電極用チタン材の製造方法は、前記チタン合金を浸漬する溶液が非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む請求項1記載の電極用チタン材の製造方法である〔第2発明〕。
請求項3記載の電極用チタン材の製造方法は、前記チタン合金を浸漬する溶液が酸化性の酸として硝酸:0.1 〜40質量%を含む請求項2記載の電極用チタン材の製造方法である〔第3発明〕。
請求項4記載の電極用チタン材の製造方法は、前記チタン合金を浸漬する溶液が非酸化性の酸としてフッ化水素:0.01〜3.0 質量%、塩酸:1.0 〜30質量%、硫酸:1.0 〜30質量%、リン酸:10〜50質量%、ギ酸:10〜40質量%、シュウ酸:10〜30質量%から選択される1種または2種以上を含む請求項1〜3のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法である〔第4発明〕。
請求項5記載の電極用チタン材の製造方法は、白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法である〔第5発明〕。
請求項6記載の電極用チタン材の製造方法は、白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬し、この後、非酸化性の酸に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法である〔第6発明〕。
請求項7記載の電極用チタン材の製造方法は、前記元素のチタン合金中での濃度:合計で0.01〜1.0 質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法である〔第7発明〕。
請求項8記載の電極用チタン材の製造方法は、前記チタン合金中でのPd濃度:0.001 〜1.0 質量%、Pt濃度:0.001 〜1.0 質量%、Au:濃度:0.001 〜1.0 質量%である請求項1〜7のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法である〔第8発明〕。
請求項9記載の電極用チタン材の製造方法は、前記チタン合金中でのAl濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Si濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe濃度:1.0 質量%未満(0%を含む)である請求項1〜8のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法である〔第9発明〕。
請求項10記載の電極用チタン材の製造方法は、前記溶液中にチタン合金を浸漬した後、350 〜600 ℃の温度で加熱する請求項1〜9のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法である〔第10発明〕。
請求項11記載の電極用チタン材は、請求項1〜10のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材であって、チタン合金の表面に白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agの1種または2種以上の元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層が形成されたことを特徴とする電極用チタン材である〔第11発明〕。
請求項12記載の電極用チタン材は、前記層とチタン合金との間に厚さ:10〜40nmの酸化膜を有する請求項11記載の電極用チタン材である〔第12発明〕。
請求項13記載の電極用チタン材は、前記酸化膜がアナターゼ型結晶構造のチタン酸化物を含有してなる請求項12記載の電極用チタン材である〔第13発明〕。
請求項14記載の電極用チタン材は、燃料電池のセパレータとして用いられる請求項11〜13のいずれかに記載の電極用チタン材である〔第14発明〕。
請求項15記載の電極用チタン材は、前記チタン合金が、Pd:0.001 〜1.0 質量%、Pt:0.001 〜1.0 質量%、Au:0.001 〜1.0 質量%を含有する請求項14記載の電極用チタン材である〔第15発明〕。
請求項16記載の電極用チタン材は、前記チタン合金が、Al:2.0 質量%未満(0%を含む)、Si:2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe:1.0 質量%未満(0%を含む)を含有する請求項14または15記載の電極用チタン材である〔第16発明〕。
本発明によれば、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材を得ることができる。
白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Ag(以降、貴金属元素ともいう)の1種または2種以上を含有するチタン合金を非酸化性の酸を含む溶液中に浸漬すると、Tiを選択溶解させて貴金属元素の濃度の高い層(以降、貴金属元素の濃化層ともいう)をチタン合金の表面に形成することができる。この濃化層での貴金属元素の濃度は、チタン合金を浸漬する溶液の酸濃度や温度、浸漬時間等の浸漬条件等によって変化させることができ、高濃度にすることもでき、例えば100 原子%という高濃度にし得ることがわかった。
この濃化層での貴金属元素の濃度を合計で40〜100 原子%とした場合、初期の接触抵抗が低く、かつ、耐食性に優れて耐久性が高く、このため長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて導電性の低下が生じ難いということがわかった。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであり、本発明に係る電極用チタン材の製造方法は、白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素(貴金属元素)を含有するチタン合金を非酸化性の酸を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素(貴金属元素)の濃度:合計で40〜100 原子%の層(貴金属元素の濃化層)を形成させることを特徴とするものとした。
本発明に係る電極用チタン材の製造方法によれば、初期の接触抵抗が低く、かつ、耐食性に優れて耐久性が高く、長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて導電性の低下が生じ難い電極用チタン材、即ち、耐食性に優れて耐久性が高く、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難くて高導電性を維持し得る電極用チタン材を得ることができる。
ここで、貴金属元素の濃化層での貴金属元素の濃度を、合計で40〜100 原子%としたのは、40原子%未満とした場合には初期の接触抵抗が高くなり、また、使用時間の経過と共に接触抵抗が上昇して導電性が低下し、不充分なものとなるからである。なお、貴金属元素の濃化層での貴金属元素の濃度は、貴金属元素の濃化層中のTi量と貴金属元素量(合計量)との合計量に対する該貴金属元素量(合計量)の割合である。即ち、貴金属元素の濃化層中のTi量をA、貴金属元素量(合計量)をBとすると、貴金属元素の濃化層での貴金属元素の濃度(原子%)=100 ×B/(A+B)である。貴金属元素が2種含まれている場合、それぞれの量をB1、B2とすると、B=B1+B2であり、貴金属元素の濃化層での貴金属元素の濃度(原子%)=100 ×(B1+B2)/(A+B1+B2)である。貴金属元素が3種含まれている場合、それぞれの量をB1、B2、B3とすると、B=B1+B2+B3であり、貴金属元素の濃化層での貴金属元素の濃度(原子%)=100 ×(B1+B2+B3)/(A+B1+B2+B3)である。
前記チタン合金を非酸化性の酸を含む溶液中に浸漬すると、溶液中で貴金属元素が極微量溶解する。この溶液が非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む場合、溶液中で極微量溶解する貴金属元素を再析出させて、貴金属元素の表面濃化を促進するため、貴金属元素の濃度が充分に高い濃化層を形成しやすくなる〔第2発明〕。
なお、酸化性の酸とは、この酸を含む溶液にチタン材やステンレス鋼を浸漬した際に、これらの金属の表面に酸化皮膜を形成させるような特性を有する酸のことである。非酸化性の酸とは、この酸を含む溶液にチタン材やステンレス鋼を浸漬した際に、これらの金属の表面に酸化皮膜を形成させるような特性を有していない酸のことである。
非酸化性の酸を含む溶液は、水等の溶媒に非酸化性の酸を添加して混合したものでもよいし、水等の溶媒に溶解して非酸化性の酸となる塩(例えば塩化第2鉄)を水等の溶媒に添加して溶解したものでもよい。これらはいずれも非酸化性の酸を含む溶液として用いることができる。酸化性の酸を含む溶液は、水等の溶媒に酸化性の酸を添加して混合したものでもよいし、水等の溶媒に溶解して酸化性の酸となる塩を水等の溶媒に添加して溶解したものでもよい。これらはいずれも酸化性の酸を含む溶液として用いることができる。溶液は水溶液に限定されず、有機溶媒等に酸が溶解した非水溶液でもよい。
前記チタン合金を浸漬する溶液が酸化性の酸として硝酸:0.1 〜40質量%を含む場合、前述の貴金属元素の再析出がより確実に起こり、貴金属元素の表面濃化をより促進することができる〔第3発明〕。この硝酸の濃度が0.1 質量%未満の場合、上記の表面濃化の促進の効果が低下し、40質量%超の場合、Tiの不働態化が起こってTiの選択溶解が起こり難くなり、ひいては充分な貴金属元素の濃化層を形成し難くなるという傾向がある。このため、硝酸の濃度は0.1 〜40質量%とすることが望ましく、更に1〜30%とすることがより望ましい。貴金属元素濃化層の密着性も考慮すると、硝酸の濃度は1〜20質量%とすることが更に望ましい。
前記チタン合金を浸漬する溶液が非酸化性の酸としてフッ化水素(HF):0.01〜3.0 質量%、塩酸(HCl):1.0 〜30質量%、硫酸(H2SO4):1.0 〜30質量%、リン酸(H3PO3):10〜50質量%、ギ酸(HCOOH):10〜40質量%、または、シュウ酸〔(COOH)2 〕:10〜30質量%を含む場合、より確実に貴金属元素の濃度が充分に高い濃化層を形成することができる〔第4発明〕。これらの酸の濃度がその範囲の最小値より低い場合、例えば塩酸濃度が1.0 質量%未満の場合、Tiの選択溶解速度が非常に遅くなり、実用的な処理時間の範囲で貴金属元素の濃度が充分に高い濃化層を形成させるのが困難になり、一方、これらの酸の濃度がその範囲の最大値より高い場合、例えば塩酸濃度が30質量%超の場合、Tiの選択溶解速度が非常に速いため、一旦貴金属元素の濃化層が生成されても瞬時に脱落し、結果として有効な濃化層は得られ難く、貴金属元素濃化層が得られたとしても密着性があまり良くなくなるという傾向がある。このため、非酸化性の酸の濃度は上記の範囲、例えば塩酸濃度は1.0 〜30質量%とすることが望ましい。更に、フッ化水素:0.05〜2.0 質量%、塩酸:2.0 〜25質量%、硫酸:2.0 〜25質量%、リン酸:15〜45質量%、ギ酸:15〜35質量%、シュウ酸:15〜25質量%とすることがより望ましい。フッ化水素は0.1 〜1.0 質量%であることがより好ましい。なお、これらの酸は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせて用いる場合、それぞれの濃度はTiの選択溶解速度が速くなり過ぎて一旦生成された貴金属元素の濃化層が脱落するということのないような濃度に設定すればよい。
チタン合金を溶液に浸漬する処理の際、この処理温度(溶液の温度)が低すぎると反応速度が遅いため、貴金属元素の濃化層を形成するのに長時間を要し、処理温度が高すぎると溶解反応が不均一になり、貴金属元素の濃化が十分でない部位が生じやすくなる。かかる点から、処理温度は10〜80℃とすることが望ましく、更に15〜60℃とすることが推奨される。
処理時間が短すぎると充分な貴金属元素の濃化層を形成し難くなり、耐久性や安定性も低下し、処理時間はある程度長くなると、貴金属元素が濃化した安定な表面層が形成されて反応が進みにくくなるため、効果は飽和する。チタン合金を浸漬する溶液の組成と処理温度によって若干異なるが、処理時間は概ね1〜60分とすることが推奨される。
貴金属元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os、Au、Ag)の1種以上を含有するチタン合金を、条件や種類の異なる複数の酸溶液(非酸化性の酸を含む)に次々に浸漬することによっても、貴金属元素の濃度:合計で40〜100 原子%の貴金属元素の濃化層を形成させることができ、従って、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材を得ることができる。例えば、上記チタン合金を非酸化性の酸溶液に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬することによって、上記貴金属元素の濃化層を形成させることができ、従って、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材を得ることができる。上記チタン合金を非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬した後、非酸化性の酸に浸漬することによっても、上記貴金属元素の濃化層を形成させることができる。また、上記チタン合金を非酸化性の酸溶液に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬し、この後、非酸化性の酸に浸漬することによって、上記貴金属元素の濃化層を形成させることができ、従って、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材を得ることができる。
そこで、本発明の第5発明に係る電極用チタン材の製造方法は、貴金属元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os、Au、Ag)の1種以上を含有するチタン合金を、非酸化性の酸に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とするものとした。また、本発明の第6発明に係る電極用チタン材の製造方法は、貴金属元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os、Au、Ag)の1種以上を含有するチタン合金を、非酸化性の酸に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬し、この後、非酸化性の酸に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とするものとした。
上記方法による場合、いずれの場合も貴金属元素の表面濃化を促進し、密着性の良い貴金属元素濃化層を形成することができ、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難い電極用チタン材を得ることができる。中でも、第6発明に係る電極用チタン材の製造方法による場合、貴金属元素の表面濃化を飛躍的に促進し、密着性に優れた貴金属元素濃化層を形成することができる。かかる点から、第6発明に係る電極用チタン材の製造方法を採用することが望ましい。
基材のチタン合金での貴金属元素量が0.01質量%未満の場合、溶液中浸漬により形成される濃化層での貴金属元素の濃度を充分高くすることが難しくなり、使用環境によっては表面酸化膜が成長して接触抵抗を増大させる場合がある。基材のチタン合金での貴金属元素量を0.01質量%以上にすると、濃化層での貴金属元素の濃度を充分高くすることが容易になるが、1.0 質量%を超えると、この効果は飽和する。かかる点から、基材のチタン合金での貴金属元素量は合計で0.01〜1.0 質量%とすることが推奨される〔第7発明〕。
Pdは酸溶液中における交換電流密度が小さいので、他の添加元素に比べて水素ガス発生量が少ない。従って、チタン合金の添加元素としてPdを用いた場合には、本発明に係る酸溶液中に浸漬して貴金属元素の濃化層を形成させるに際し、濃化層への水素ガスの巻き込みが少なく、このため、緻密で導電性が良好な貴金属元素の濃化層を得ることができる。チタン合金へのPd添加量が1.0 質量%を超えると、この効果は飽和する。チタン合金へのPd添加量が0.001 質量%未満の場合、溶液中浸漬により形成される濃化層での貴金属元素の濃度を充分高くすることが難しくなり、使用環境によっては表面酸化膜が成長して接触抵抗を増大させる場合がある。このような点から、基材チタン合金へのPd添加量は0.001 〜1.0 質量%とすることが推奨される。
PtもPdと同様に酸溶液中における交換電流密度が小さいので、チタン合金の添加元素としてPtを用いた場合、酸溶液中浸漬により貴金属元素の濃化層を形成させるに際し、濃化層への水素ガスの巻き込みが少なく、このため、緻密で導電性が良好な貴金属元素の濃化層を得ることができる。チタン合金へのPt添加量が1.0 質量%を超えると、この効果は飽和する。チタン合金へのPt添加量が0.001 質量%未満の場合、溶液中浸漬により形成される濃化層での貴金属元素の濃度を充分高くすることが難しくなり、使用環境によっては表面酸化膜が成長して接触抵抗を増大させる場合がある。かかる点から、基材チタン合金へのPt添加量は0.001 〜1.0 質量%とすることが推奨される。特に、PdとPtとが共存することによって、酸溶液中での交換電流密度は低下して、導電性が極めて良好な貴金属元素の濃化層を得ることが出来るため、PdとPtとを同時に合金元素としてチタンへ添加することが推奨される。
Auも、PtやPdと同様に導電性が良好な貴金属元素の濃化層を得るのに効果的な添加元素である。特に、Auを添加した場合の濃化層は密着性が良好となるため、耐久性良好な導電性皮膜を得ることができる。このような密着性向上効果はAu添加量:0.001 質量%以上で発現されるが、Au添加量が1.0 質量%を超えるとこの効果は飽和する。かかる点から、基材チタン合金へのAu添加量は0.001 〜1.0 質量%とすることが推奨される。
以上の点から、基材のチタン合金中でのPd濃度:0.001 〜1.0 質量%、Pt濃度:0.001 〜1.0 質量%、Au:濃度:0.001 〜1.0 質量%とすることが推奨される〔第8発明〕。
基材のチタン合金には、引張強度などの機械特性を調整するために、貴金属元素以外にO、H、N、Fe、C、Al、Si等の元素を必要に応じて添加することが可能である。このうち、Alは添加量が2.0 質量%を超えると、酸化物として貴金属元素の濃化層に混入して接触抵抗を害する(増大させる)場合がある。従って、Al添加量は2.0 質量%以下とすることが推奨される。
SiもAlと同様に、添加量が2.0 質量%を超えると、酸化物として貴金属元素の濃化層に混入して接触抵抗を害する(増大させる)場合がある。従って、Si添加量は2.0 質量%以下とすることが推奨される。
FeもSiやAlと同様に、酸化物として貴金属元素の濃化層に混入して接触抵抗を害する(増大させる)場合があるが、このような悪影響が現れるのは添加量が1.0 質量%を超えた場合である。従って、Fe添加量は1.0 質量%以下とすることが推奨される。
以上の点から、基材のチタン合金中でのAl濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Si濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe濃度:1.0 質量%未満(0%を含む)とすることが推奨される〔第9発明〕。
基材のチタン合金の表面状態としては特に限定されるものではなく、通常の酸洗仕上げ材、光輝焼鈍材、研磨仕上げ材などが適用可能である。
溶液中にチタン合金を浸漬した後、350 〜600 ℃の温度で加熱すると、貴金属元素の濃化層とチタン合金との密着性を向上させることができる〔第10発明〕。この加熱の温度が350 ℃未満の場合、この密着性向上効果が低下し、600 ℃超の場合、基材のチタン合金の酸化皮膜成長が著しくなり、接触抵抗を増大させてしまう。この加熱を酸化雰囲気で行った場合、基材のチタン合金の酸化皮膜成長が著しくなり、接触抵抗を増大させる傾向が大きくなる。かかる点から、この加熱は真空雰囲気、不活性ガス(Ar、N2など)あるいは還元性雰囲気で行うことが望ましい。
本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材は、チタン合金の表面に貴金属元素の濃度:合計で40〜100 原子%の貴金属元素の濃化層が形成されている。この電極用チタン材は、初期の接触抵抗が低く、かつ、耐食性に優れて耐久性が高く、長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて導電性の低下が生じ難いものである〔第11発明〕。
本発明に係る電極用チタン材の製造方法によれば、チタン合金の表面に貴金属元素の濃度:合計で40〜100 原子%の貴金属元素の濃化層を形成させることができるが、それだけでなく、この貴金属元素の濃化層とチタン合金との間に酸化皮膜(酸化膜)を形成させることができる。従って、本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材は、チタン合金の表面に貴金属元素の濃度:合計で40〜100 原子%の貴金属元素の濃化層を有するが、それと共に、この濃化層とチタン合金との間に酸化膜を有するものとすることができる。なお、上記酸化膜の形成のメカニズムについては明らかではないが、貴金属元素の濃化層の作用によるものと考えられる。
上記貴金属元素の濃化層とチタン合金との間に形成させる酸化膜の厚さが10nm以上の場合、耐食性を向上することができる。しかし、この酸化膜の厚さが40nm超の場合、接触抵抗が高くなって不充分なものとなる。かかる点から、この酸化膜の厚さは10〜40nmになるようにすることが望ましい〔第12発明〕。この詳細を以下説明する。
上記貴金属元素の濃化層は、Tiの選択溶解により形成されたものであるので、微小な孔を有している場合がある。このため、使用環境において塩化物イオンなどの腐食性物質が侵入し、基材のチタン合金を腐食させる場合がある。基材のチタン合金が腐食すると、腐食生成物による体積膨張のために上記濃化層の剥離が起こったり、腐食生成物そのものの電気抵抗のため、接触抵抗が上昇して導電性が低下する。
このとき、上記貴金属元素の濃化層と基材のチタン合金との間に酸化膜が形成されていると、この酸化膜が環境の腐食性物質の拡散障壁となって基材のチタン合金を防食する作用がある。この酸化膜が薄いと腐食性物質が容易に拡散侵入するため、防食作用が不十分である。セパレータとしての使用環境を考慮すると、この酸化膜の厚さは10nm以上であることが望ましく、更に15nm以上であることが望ましい。防食の点からは、この酸化膜は厚いほどよいが、この酸化膜が厚くなりすぎると、その電気抵抗のため接触抵抗が上昇して導電性が低下する。この点から、この酸化膜の厚さは40nm以下であることが望ましく、更に30nm以下であることが推奨される。
上記貴金属元素の濃化層とチタン合金との間に形成させる酸化膜はアナターゼ型結晶構造のチタン酸化物を含有してなることが望ましい〔第13発明〕。アナターゼ型結晶構造のチタン酸化物は、チタン酸化物の中では電気伝導度が高い水準にあり、接触抵抗の上昇による導電性の低下を招きにくいからである。酸化膜による導電性の低下を特に小さくするためには、上記アナターゼ型結晶構造のチタン酸化物の含有量を50質量%以上とすることが望ましい。アナターゼ型の結晶構造が含まれていることや、その含有量については、電子線回折などで確認することができる。
本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材は、初期の接触抵抗が低く、かつ、耐食性に優れて耐久性が高く、長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて導電性の低下が生じ難いので、かかる特性が要求される電極に好適に用いることができ、特に、燃料電池のセパレータに好適に用いることができ、長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて高導電性を維持することができ、その耐久性を向上することができる〔第14発明〕。
前述のように、PdやPtは酸溶液中における交換電流密度が小さいので、他の添加元素に比べて水素ガス発生量が少なく、従って、チタン合金の添加元素としてPdやPtを用いた場合には、本発明に係る酸溶液中に浸漬して貴金属元素の濃化層を形成させるに際し、濃化層への水素ガスの巻き込みが少なく、このため、緻密で導電性が良好な貴金属元素の濃化層を得ることができる。Pd添加量:1.0 質量%超の場合や、Pt:1.0 質量%超の場合、この効果は飽和する。Pd添加量:0.001 質量%未満の場合や、Pt:0.001 質量%未満の場合、溶液中浸漬により形成される濃化層での貴金属元素の濃度を充分高くすることが難しくなり、使用環境によっては表面酸化膜が成長して接触抵抗を増大させる場合がある。かかる点から、基材チタン合金へのPd添加量:0.001 〜1.0 質量%とすることや、基材チタン合金へのPt添加量:0.001 〜1.0 質量%とすることが推奨される。特に、PdとPtとが共存することによって、酸溶液中での交換電流密度は低下して、導電性が極めて良好な貴金属元素の濃化層を得ることが出来るため、PdとPtとを同時に合金元素としてチタンへ添加することが推奨される。
また、Auも、PtやPdと同様に導電性が良好な貴金属元素の濃化層を得るのに効果的な添加元素である。特に、Auを添加した場合の濃化層は密着性が良好となるため、耐久性良好な導電性皮膜を得ることができる。このような密着性向上効果はAu添加量:0.001 質量%以上で発現されるが、Au添加量が1.0 質量%を超えるとこの効果は飽和する。かかる点から、基材チタン合金へのAu添加量は0.001 〜1.0 質量%とすることが推奨される。
以上の点から、本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材を燃料電池のセパレータに用いる場合、この基材のチタン合金が、Pd:0.001 〜1.0 質量%、Pt:0.001 〜1.0 質量%、Au:0.001 〜1.0 質量%を含有していることが推奨される〔第15発明〕。
前述のように、基材のチタン合金には、引張強度などの機械特性を調整するために、貴金属元素以外にO、H、N、Fe、C、Al、Si等の元素を必要に応じて添加することが可能であるが、Al添加量:2.0 質量%超の場合や、Si添加量:2.0 質量%超の場合、酸化物として貴金属元素の濃化層に混入して接触抵抗を害する(増大させる)場合があるので、Al添加量:2.0 質量%以下とすることや、Si添加量:2.0 質量%以下とすることが推奨される。また、Fe添加量:1.0 質量%超の場合、酸化物として貴金属元素の濃化層に混入して接触抵抗を害する(増大させる)場合があるので、Fe添加量:1.0 質量%以下とすることが推奨される。
以上の点から、本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材を燃料電池のセパレータに用いる場合、この基材のチタン合金でのAl含有量は2.0 質量%未満(0%を含む)、Si含有量は2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe含有量は1.0 質量%未満(0%を含む)であることが推奨される〔第16発明〕。
なお、チタン合金に貴金属元素をメッキしたものは、初期の接触抵抗が低く、かつ、耐食性に優れて耐久性が高く、接触抵抗の上昇による導電性の低下が生じ難いかもしれないが、本発明に係る電極用チタン材の製造方法の場合に比較すると、簡単でなく、製造コストが高くて経済性に劣る。即ち、本発明に係る電極用チタン材の製造方法の場合は、メッキをするものではなく、チタン合金を酸含有溶液中に浸漬するという簡単な方法によるものであるので、メッキをする場合に比較して、明らかに、簡単であると共に、製造コストが低くて経済性に優れている。
また、電極として使用後のものをスクラツプ(チタン合金の溶解原料)として利用するに際し、チタン合金に貴金属元素をメッキしたものの場合には、貴金属元素のメッキ層を基材のチタン合金から分離してから、チタン合金の溶解原料として再利用する必要があるが、本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材の場合は、貴金属元素の濃化層を除去することなく、そのままチタン合金の溶解原料として再利用することができる。従って、本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材の場合の方が、チタン合金に貴金属元素をメッキしたものの場合よりも、簡単であると共にコストが低くて経済性に優れており、このような点においてリサイクル性に優れている。
本発明に係る電極用チタン材の製造方法は、貴金属元素を含有するチタン合金をスケール除去等の目的で酸含有溶液により単に酸洗するというものではなく、貴金属元素を含有するチタン合金を酸含有溶液によりTiを選択的に溶解させてチタン合金の表面に貴金属元素濃度:40〜100 原子%という貴金属元素の濃化層を形成させるというものである。スケール除去等の目的での酸洗をそのまま適用したのでは、上記のような貴金属元素の濃化層を密着性よく形成させることは難しい。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1〕
30×30×1mmのチタン合金板をSiC#400 まで乾式研磨した後、アセトンで洗浄し、しかる後、酸を含む水溶液中に浸漬した。このとき、用いたチタン合金板、水溶液、浸漬処理温度(水溶液の温度)および浸漬時間を表1〜4に示す。
上記浸漬の後、オージェ電子分光分析法(AES)により、チタン合金板の表層(貴金属元素の濃化層)の貴金属元素の濃度を測定した。また、次のようにして接触抵抗の測定を行った。即ち、チタン合金板の相手材を厚さ0.1mm の金板とし、油圧プレスにより面圧2.5 N/mm2 (接触面:20mm×20mm)を負荷した状態で、4線式抵抗計を用いて接触抵抗の測定を行った。また、JIS H8504 のテープ試験方法に準じてセロハン粘着テープにより、貴金属元素の濃化層と基材のチタン合金との密着性の評価を行った。
なお、貴金属元素濃化層の貴金属元素濃度は上記のようにオージェ電子分光分析法(AES)により、測定することが可能である。測定条件としては、分析領域は10μm×10μm程度が推奨され、スパッタリング速度は1〜10nm/min(SiO2換算)が推奨される。Tiおよび貴金属元素の濃度をAES で深さ方向に沿って測定した場合には、図1のような濃度プロファイルが得られる。通常、金属の最表面では、油分などの汚染物が付着しているため、C(炭素)などが多く観測される。このため、最表面のTiおよび貴金属元素は相対的に低濃度となり、正確な分析値が得られない場合が多い。そこで、濃度プロファイルにおいて、貴金属元素濃度がピークを示す深さにおける貴金属元素およびTiの濃度を読み取り、これらの比、すなわち100 ×B1/(A+B1)を濃化層での貴金属元素濃度と定義した。なお、貴金属元素濃度がピークを示さない場合には、最表面における貴金属元素とTiの濃度の比を貴金属元素濃度とした。分析領域としては5mm×5mmの領域の任意の5個所を測定し、その平均値を貴金属元素濃度とした。
上記浸漬後のチタン合金板について腐食試験を行った。この腐食試験は、80℃、pH2の硫酸水溶液中での浸漬試験であり、浸漬時間は3000時間である。
上記腐食試験の後のチタン合金板について接触抵抗の測定を行った。この測定は、前記浸漬後のチタン合金板の接触抵抗の測定の場合と同様の方法により行った。このようにして測定された腐食試験前後の接触抵抗から耐久性を評価した。
上記チタン合金板の表層の貴金属元素濃度の測定結果、貴金属元素の濃化層と基材のチタン合金との密着性の測定結果、腐食試験前の接触抵抗の測定結果および腐食試験後の接触抵抗の測定結果を表1〜4に示す。
表1〜4において、密着性については、密着性が極めて不良のものを×印、不良(×印の場合よりは良好)のものを△印、良好(充分)のものを○印、極めて良好(○印の場合より良好)のものを◎印で示した。接触抵抗については、接触抵抗が100 mΩ・cm2 以上のもの(極めて不良)を×印、100 mΩ・cm2 未満50mΩ・cm2 以上のもの(不良)を△印、50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上のもの(良好)を□印、30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上のもの(更に良好:□印の場合より良好)を○印、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上のもの(更に良好:○印の場合より良好)を◎印、15mΩ・cm2 未満のもの(極めて良好:◎印の場合より良好)を◎◎印で示した。
表1に示すNo.1は、水溶液中への浸漬処理をしなかったチタン合金板、即ち、チタン合金板をSiC#400 まで乾式研磨した後、アセトンで洗浄したものであって、比較例に係るものである。表1からわかるように、このチタン合金板は腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 以上(△)と高く、更に腐食試験により接触抵抗は100 mΩ・cm2 以上(×)に増大しており、セパレータとして用いるには電気抵抗の点で問題がある。
これに対して、表1〜2に示すNo.2〜35は、本発明の実施例の方法によって得られたチタン材であり、いずれも腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満(□、○、◎または◎◎)であり、また、腐食試験後の接触抵抗も50mΩ・cm2 未満(□、○、◎または◎◎)であり、優れた電気抵抗特性を示している。これはセパレータとして用いる場合に必要な電気抵抗特性を満足するものである。また、本発明の実施例の方法によって得られたチタン材はいずれも極めて良好な密着性を有する表面層が形成されており、実用時に剥離して所定の性能が得られないという問題はないことがうかがえる。
No.2〜35の中、基材のチタン合金として貴金属元素の量(合計濃度):0.01質量%未満のチタン合金を用いた場合(No.2、No.3、No.5等)は、腐食試験前および腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)、30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)のレベルである。
貴金属元素の量(合計濃度):0.01質量%以上0.1 質量%未満のチタン合金を用いた場合(No.12 、No.13 、No.14 )は、腐食試験前の接触抵抗は15mΩ・cm2 未満(◎◎)または20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)と極めて良好であるが、腐食試験後の接触抵抗は30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)または20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)のレベルであり、腐食試験により若干接触抵抗が大きくなっている。
貴金属元素の量(合計濃度):0.1 質量%以上1.0 質量%以下のチタン合金を用いた場合(No.4、No.6、No.7等)は、腐食試験前の接触抵抗が15mΩ・cm2 未満(◎◎)と極めて良好であるだけでなく、腐食試験後の接触抵抗も15mΩ・cm2 未満(◎◎)と極めて優れた接触抵抗特性を示している。
表3は、チタン合金を浸漬する溶液としてフッ化水素および硝酸を含む水溶液を用い、フッ化水素の濃度と硝酸の濃度の影響を調べたものである。表3からわかるように、硝酸の濃度が0の場合(硝酸を含まない場合)(No.4-1)、貴金属元素の濃化層での貴金属元素の濃度は本発明での規定濃度(40〜100 原子%)を満たすが、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。硝酸の濃度が0.1 質量%未満の場合(No.4-2)は、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は上記の硝酸を含まない場合よりも高いものの、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。
これに対し、硝酸の濃度が0.1 〜40質量%の範囲内の濃度の場合は、腐食試験前の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)または20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、また、腐食試験後の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、または、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、接触抵抗特性に優れている。
硝酸の濃度が40質量%超の場合(No.4-8)、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は本発明での規定濃度を満たすが、上記の場合より低く、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。
フッ化水素の濃度が0.01質量%未満の場合(No.4-9)は、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は本発明での規定濃度を満たすものの、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。
これに対し、フッ化水素の濃度が0.01〜3.0 質量%の範囲内の濃度の場合は、腐食試験前の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、または、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、また、腐食試験後の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、または、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、接触抵抗特性に優れている。
フッ化水素の濃度が3.0 質量%超の場合(No.4-17)、本発明での規定濃度を満たす貴金属元素濃化層が形成されたものの、その厚みが薄くなったり、あるいは、その一部がはがれたりし、このため、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であった。
表4は、チタン合金を浸漬する溶液として塩酸および硝酸を含む水溶液を用い、塩酸の濃度と硝酸の濃度の影響を調べたものである。表4からわかるように、硝酸を含まない場合)、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は本発明での規定濃度を満たすが、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。硝酸の濃度が0.1 質量%未満の場合は、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は上記の硝酸を含まない場合よりも高いものの、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。
これに対し、硝酸の濃度が0.1 〜40質量%の範囲内の濃度の場合は、腐食試験前の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)または20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、また、腐食試験後の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、または、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、接触抵抗特性に優れている。
硝酸の濃度が40質量%超の場合、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は本発明での規定濃度を満たすが、上記の場合より低く、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。
塩酸の濃度が1.0 質量%未満の場合は、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度は本発明での規定濃度を満たすものの、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)である。
これに対し、塩酸の濃度が1.0 〜30質量%の範囲内の濃度の場合は、腐食試験前の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、また、腐食試験後の接触抵抗が30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、接触抵抗特性に優れている。
塩酸の濃度が30質量%超の場合、本発明での規定濃度を満たす貴金属元素濃化層が形成されたものの、その厚みが薄くなったり、あるいは、その一部がはがれたりし、このため腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であり、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)であった。
このように、チタン合金を浸漬する溶液としてフッ化水素および硝酸を含む水溶液を用いた場合も、塩酸および硝酸を含む水溶液を用いた場合も、それぞれの濃度が第3発明、第4発明に係る濃度の範囲(濃度a〜b)内の濃度の場合は、腐食試験前の接触抵抗も腐食試験後の接触抵抗も低く、接触抵抗特性に優れている。濃度a未満の場合や濃度b超の場合は腐食試験前の接触抵抗も腐食試験後の接触抵抗も良好ではあるものの、上記濃度の範囲(濃度a〜b)内の濃度の場合よりは接触抵抗が大きい。
上記フッ化水素や塩酸に代えて硫酸やリン酸、ギ酸、シュウ酸を用いた場合も、上記と同様の傾向を示す。即ち、それぞれの濃度が第3発明、第4発明に係る濃度の範囲(濃度a〜b)内の濃度の場合は、腐食試験前の接触抵抗も腐食試験後の接触抵抗も低く、接触抵抗特性に優れている。濃度a未満の場合や濃度b超の場合は腐食試験前の接触抵抗も腐食試験後の接触抵抗も良好ではあるものの、上記濃度の範囲(濃度a〜b)内の濃度の場合よりは接触抵抗が大きい。
表3〜4からわかるように、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度(合計濃度)が40原子%未満の場合(No.4-18 、No.7-15 )、腐食試験前の接触抵抗が100 mΩ・cm2 未満50mΩ・cm2 以上(△)であり、腐食試験後の接触抵抗が100 mΩ・cm2 以上(×)、または、100 mΩ・cm2 未満50mΩ・cm2 以上(△)である。
これに対し、貴金属元素濃化層での貴金属元素の濃度(合計濃度)が40〜100 原子%の範囲内の濃度の場合、腐食試験前の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)または30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、また、腐食試験後の接触抵抗が50mΩ・cm2 未満30mΩ・cm2 以上(□)、30mΩ・cm2 未満20mΩ・cm2 以上(○)、20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)、あるいは、15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、接触抵抗特性に優れている。
表5に、貴金属元素濃化層とチタン合金との間に形成された酸化膜の厚さの影響を調べた結果を示す。なお、酸化膜の厚さは透過電子顕微鏡(TEM )で観察した断面写真の任意の5視野の平均値である。この酸化膜の厚さの測定の際の観察倍率は15万倍であり、膜膜方向(縦)約700 nm、膜膜と垂直な方向(横)の約900 nmの領域に写った膜の5個所を測定して平均して酸化膜厚さを測定した。表5からわかるように、貴金属元素濃化層とチタン合金との間に形成された酸化膜の厚さが10〜40nmの範囲内の厚さの場合、10nm未満の場合よりも耐食性に優れて耐久性に優れているため、腐食試験による接触抵抗の増加の程度が小さい。即ち、腐食試験前の接触抵抗が同一のレベルでも、腐食試験後の接触抵抗は上記酸化膜厚さが10nm以上の場合は10nm未満の場合よりも低くて優れている。上記酸化膜厚さが40nm超の場合、貴金属元素濃度が充分に高い貴金属元素濃化層を形成したとしても、腐食試験前の時点において接触抵抗がやや大きい傾向にあり、あまり好ましくない。上記酸化膜厚さが60nm超の場合、腐食試験前の時点において、既に接触抵抗が大きくて不充分である。
〔2〕
表6に示す種々の組成のチタン合金を、35%HNO3+ 0.5%HF水溶液(35℃)に10分間浸漬した。この浸漬後のチタン合金について、前記〔1〕の場合と同様の方法により、貴金属元素濃化層の貴金属元素濃度の測定、接触抵抗の測定、貴金属元素濃化層と基材のチタン合金との密着性の測定を行った。また、上記浸漬後のチタン合金板について腐食試験を行い、この腐食試験後のチタン合金板について接触抵抗の測定を行った。
上記測定の結果を表6に示す。No.42 の場合は、基材のチタン合金はPd、Pt、Auが同時添加されたものであり、溶液浸漬後腐食試験前の接触抵抗は15mΩ・cm2 未満(◎◎)であって Ti-0.14Pd(No.4-7)の場合よりも向上したが、Pt添加量が0.001 質量%より少ない(請求項8や請求項15に記載の量の範囲内にない)ため、腐食試験後の接触抵抗は20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)であってNo.4-7とほぼ同じであり、耐久性向上は認められなかった。これに対して、No.43 の場合は、Pt添加量が0.001 質量%以上であって高く、腐食試験後の接触抵抗が15mΩ・cm2 未満(◎◎)であって腐食試験前の低接触抵抗を維持している。これは、PdとPtとを同時添加することにより貴金属元素の濃化層が緻密なものとなったためと推察される。
Auを0.001 質量%以上添加したもの(例えば、No.42 、No.44 など)では密着性が極めて良好(◎)となっており、Au添加による密着性向上効果が認められる。
また、Al、Si、Feの含有量が請求項9や請求項16に記載の量の範囲内であれば、腐食試験によって接触抵抗を増大させることもなく、耐久性良好な導電性皮膜が得られることがわかる。
以上のように、基材のチタン合金としては、Pd:0.001 〜1.0 質量%、Pt:0.001 〜1.0 質量%、Au:0.001 〜1.0 質量%を含有する(チタン合金中でのPd濃度:0.001 〜1.0 質量%、Pt濃度:0.001 〜1.0 質量%、Au:濃度:0.001 〜1.0 質量%である)と共に、チタン合金中でのAl濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Si濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe濃度:1.0 質量%未満(0%を含む)であるものが推奨される。
〔3〕
チタン合金としてTi-0.14Pd を用いて、表7に示す浸漬処理を施して、本発明例に係る電極用チタン材を作製した。なお、表7において、第1処理は非酸化性の酸に浸漬する処理、第2処理は非酸化性の酸および酸化性酸を含む酸に浸漬する処理、第3処理は非酸化性の酸に浸漬する処理を示すものである。これらの処理が全て行われるものは、第1処理の後、第2処理、この後、第3処理が行われる。
上記作製されたチタン材の表面層(貴金属元素濃化層)の貴金属元素濃度、貴金属元素濃化層と基材のチタン合金との密着性および接触抵抗の測定結果、および、上記チタン材の腐食試験後のものについての接触抵抗の測定結果を表8に示す。
表7〜8から、浸漬処理の組み合わせによりチタン材の特性が向上することが明らかである。例えば、No.48 の場合は、第1処理と第2処理をこの順に施したものであり、腐食試験前の接触抵抗が15mΩ・cm2 未満(◎◎)であり、第2処理のみを施したもの(No.4-3)の場合〔腐食試験前の接触抵抗:20mΩ・cm2 未満15mΩ・cm2 以上(◎)〕に比べて低下しており、導電性が向上している。No.50 の場合は、第1処理、第2処理、第3処理をこの順に施したものであり、腐食試験前の接触抵抗および腐食試験後の接触抵抗の両方が第2処理のみを施したもの(No.4-3)の場合よりも低下しており、導電性の向上が認められる。
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本発明に係る電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材は、初期の接触抵抗が低く、かつ、耐食性に優れて耐久性が高く、長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて導電性の低下が生じ難いので、かかる特性が要求される電極に好適に用いることができ、特に、燃料電池のセパレータに好適に用いることができ、長期間にわたり接触抵抗が上昇し難くて高導電性を維持することができ、その耐久性を向上することができて有用である。
オージェ電子分光分析法(AES)で測定したTiおよび貴金属元素の深さ方向の濃度プロファイルを示す模式図である。

Claims (16)

  1. 白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法。
  2. 前記チタン合金を浸漬する溶液が非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む請求項1記載の電極用チタン材の製造方法。
  3. 前記チタン合金を浸漬する溶液が酸化性の酸として硝酸:0.1 〜40質量%を含む請求項2記載の電極用チタン材の製造方法。
  4. 前記チタン合金を浸漬する溶液が非酸化性の酸としてフッ化水素:0.01〜3.0 質量%、塩酸:1.0 〜30質量%、硫酸:1.0 〜30質量%、リン酸:10〜50質量%、ギ酸:10〜40質量%、シュウ酸:10〜30質量%から選択される1種または2種以上を含む請求項1〜3のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法。
  5. 白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法。
  6. 白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agから選択される1種または2種以上の元素を含有するチタン合金を、非酸化性の酸に浸漬した後、非酸化性の酸を含むと共に酸化性の酸を含む溶液中に浸漬し、この後、非酸化性の酸に浸漬して、このチタン合金の表面に前記元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層を形成させることを特徴とする電極用チタン材の製造方法。
  7. 前記元素のチタン合金中での濃度:合計で0.01〜1.0 質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法。
  8. 前記チタン合金中でのPd濃度:0.001 〜1.0 質量%、Pt濃度:0.001 〜1.0 質量%、Au:濃度:0.001 〜1.0 質量%である請求項1〜7のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法。
  9. 前記チタン合金中でのAl濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Si濃度:2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe濃度:1.0 質量%未満(0%を含む)である請求項1〜8のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法。
  10. 前記溶液中にチタン合金を浸漬した後、350 〜600 ℃の温度で加熱する請求項1〜9のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電極用チタン材の製造方法によって得られる電極用チタン材であって、チタン合金の表面に白金族系元素(Pd、Pt、Ir、Ru、Rh、Os)、Au、Agの1種または2種以上の元素の濃度:合計で40〜100 原子%の層が形成されたことを特徴とする電極用チタン材。
  12. 前記層とチタン合金との間に厚さ:10〜40nmの酸化膜を有する請求項11記載の電極用チタン材。
  13. 前記酸化膜がアナターゼ型結晶構造のチタン酸化物を含有してなる請求項12記載の電極用チタン材。
  14. 燃料電池のセパレータとして用いられる請求項11〜13のいずれかに記載の電極用チタン材。
  15. 前記チタン合金が、Pd:0.001 〜1.0 質量%、Pt:0.001 〜1.0 質量%、Au:0.001 〜1.0 質量%を含有する請求項14記載の電極用チタン材。
  16. 前記チタン合金が、Al:2.0 質量%未満(0%を含む)、Si:2.0 質量%未満(0%を含む)、Fe:1.0 質量%未満(0%を含む)を含有する請求項14または15記載の電極用チタン材。
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