JP2004133149A - 微小光学素子の作製方法および微小光学素子および光ピックアップおよび光通信モジュール - Google Patents

微小光学素子の作製方法および微小光学素子および光ピックアップおよび光通信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数を大幅に増やすことができて、微小光学素子の価格を格段に下げることが可能な微小光学素子の作製方法を提供する。
【解決手段】光学反射面を有する微小光学素子を所定の厚さの基板材から切り出して作製する微小光学素子の作製方法において、前記基板材に対して異方性エッチングにより溝を形成して、異方性エッチングにより形成された溝の所定の面が微小光学素子の反射面となるようにし、その後、異方性エッチングにより形成された前記溝と同じ基板材の面にダイシングにより溝を形成してから、微小光学素子の最長辺または第二長辺が異方性エッチングの深さ方向となるように微小光学素子を切り出す。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小光学素子の作製方法および微小光学素子および光ピックアップおよび光通信モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信や光ディスク等の光応用技術が大きく進展し、これらに利用される光部品も大きな技術進歩を遂げている。特に、光機器の高機能化と共に、低価格化が急速に進んでおり、これに使用される光部品の小型化,一体化による低コスト化が重要な課題となっている。
【0003】
光部品の中でも、特に反射鏡に代表される反射光学素子は、反射角の波長に対する依存性が無いため、波長多重通信や多波長ピックアップ等の多波長光学系では特に重要な役割を果たしている。
【0004】
最近の小型化,一体化された光通信モジュールや光ピックアップモジュールでは、光ファイバーや半導体レーザに非常に近接させて上述の光学素子(反射光学素子)を配置しているため、反射面に必要とされる大きさは、100〜200μm程度と非常に小さな寸法になる。しかしながら、反射面がこれだけ小さくなっても、現実の問題としては、この光学素子をハンドリングしたり接着したりする必要があるため、微小光学素子といっても全体の大きさは数100μm〜1mm程度の大きさが必要となってしまう。
【0005】
次に、光学反射面を有する微小光学素子を作製する従来の方法を図1(a),(b)を用いて説明する。図1(a)は板状の微小光学素子601の一例を示す図である。
【0006】
図1(a)の微小光学素子601は、光学反射面として機能する反射面601aと、この微小光学素子601をハンドリングしたり接着したりする時に微小光学素子601を保持するための保持部601bとを有している。
【0007】
この微小光学素子601を作製するのに、従来では、図1(b)に示すように、反射面601aとして利用可能な表面を持つ板状の基板材600から、基板材600の表面が反射面601aになる配置で微小光学素子601を切り出している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の微小光学素子601の作製方法では、必要とされる反射面601aが小さくなっても、微小光学素子601の大きさ自体は、保持部601b等が必要なために小さくならず、所定の大きさの基板材600から取れる微小光学素子601の数を増やすことができなかった。基板材600から取れる微小光学素子601の取れ数を増やせなければ、微小光学素子601の一個あたりの価格も下げることができないので、微小光学素子601の価格を格段に下げることが難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数を大幅に増やすことができて、微小光学素子の価格を格段に下げることが可能な微小光学素子の作製方法および微小光学素子および光ピックアップおよび光通信モジュールを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、光学反射面を有する微小光学素子を所定の厚さの基板材から切り出して作製する微小光学素子の作製方法において、前記基板材に対して異方性エッチングにより溝を形成して、異方性エッチングにより形成された溝の所定の面が微小光学素子の反射面となるようにし、その後、異方性エッチングにより形成された前記溝と同じ基板材の面にダイシングにより溝を形成してから、微小光学素子の最長辺または第二長辺が異方性エッチングの深さ方向となるように微小光学素子を切り出すことを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の微小光学素子の作製方法において、前記基板材には単結晶Siが用いられ、微小光学素子の反射面がSiの<111>面であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の微小光学素子の作製方法において、前記基板材の異方性エッチングの溝形成開始表面がSiの<110>面であることを特徴としている。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の微小光学素子の作製方法において、基板材から微小光学素子を切り出す際に、切断する2方向のうちの一方の方向をハーフカットで切断して微小光学素子列を得ることを特徴としている。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の微小光学素子の作製方法において、ハーフカットする方向を微小光学素子の反射面が見込める方向とし、これにより得られた反射面が見込める微小光学素子列の状態で反射膜を成膜することを特徴としている。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、該微小光学素子の反射面には、前記反射膜として金属反射膜を成膜することを特徴としている。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、該微小光学素子の反射面には、前記反射膜として誘電体多層膜を成膜することを特徴としている。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の微小光学素子の作製方法において、該微小光学素子の反射面には、反射面に対して略垂直の方向から、誘電体多層膜を形成することを特徴としている。
【0018】
また、請求項9記載の発明は、請求項4または請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、得られた微小光学素子列を可撓性を有する所定の部材に貼付け、所定の部材を撓ませることで微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割することを特徴としている。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の微小光学素子の作製方法において、前記可撓性を有する所定の部材は、粘着テープであることを特徴としている。
【0020】
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載の微小光学素子の作製方法において、微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割することによって、微小光学素子の外周部に突起を有する構造を作製することを特徴としている。
【0021】
また、請求項12記載の発明は、請求項4または請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、得られた微小光学素子列の微小光学素子間の接続部分をダイシングにより切断することで、個別の微小光学素子に分割することを特徴としている。
【0022】
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子である。
【0023】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の微小光学素子において、該微小光学素子の反射面には、金属反射膜が形成されていることを特徴としている。
【0024】
また、請求項15記載の発明は、請求項13記載の微小光学素子において、該微小光学素子の反射面には、誘電体多層膜が形成されていることを特徴としている。
【0025】
また、請求項16記載の発明は、請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、外周部に突起を有していることを特徴としている。
【0026】
また、請求項17記載の発明は、請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、素子表面とは平行でない反射面を有していることを特徴としている。
【0027】
また、請求項18記載の発明は、請求項17記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、同一平面上に無い複数の反射面を有していることを特徴としている。
【0028】
また、請求項19記載の発明は、請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の微小光学素子を用いることを特徴とする光ピックアップである。
【0029】
また、請求項20記載の発明は、請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の微小光学素子を用いることを特徴とする光通信モジュールである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0031】
光学部品で使用される反射面は、通常、1/10波長程度の面精度が必要とされる。これだけの面精度を実現するためには、従来は研磨により基板表面を平坦化する方法しかなかった。しかしながら、このような光学部品に利用される高精度研磨加工は、基板表面にしか行なうことができないため、基板材から微小光学素子を切り出すには、図1(a),(b)に示したように、微小光学素子の反射面が基板材の表面になるような配置でしか切り出せず、微小光学素子の切り出し工程に配置上の制約があった。
【0032】
これに対し、近年では、マイクロマシン技術と呼ばれる微細加工技術の進歩により、異方性エッチングで形成した面でも1/10波長程度の面精度が実現できるようになってきた。このエッチングによる反射面を微小光学素子の反射面に利用すれば、従来のように基板材の表面を微小光学素子の反射面にしなければならないという配置上の制約をなくすことが可能となる。
【0033】
すなわち、従来と同様の所定の大きさの基板材から板状の微小光学素子を切り出す場合、微小光学素子の最長辺が基板材の厚さ方向になるように切り出せば、最も多くの数の微小光学素子を切り出すことが可能となる。ここで、微小光学素子の最長辺とは、直方体状の微小光学素子における最も長い辺のことである。以下、同様に、直方体状の微小光学素子における二番目に長い辺を第二長辺、最も短い辺を最短辺と呼ぶものとする。板状の微小光学素子では、最長辺,第二長辺に比べて最短辺が非常に小さくなる。
【0034】
このように、微小光学素子の最長辺が基板材の厚さ方向になるように切り出すときには、基板材の厚みは、微小光学素子の最長辺の長さ以上必要となるが、微小光学素子の最長辺の長さは高々数100μm〜1mm程度であるため、基板材の価格は差程上昇しない。一方、基板材から切り出せる微小光学素子の取れ数は、従来の数倍となるため、一個あたりの価格を著しく低下させることが可能となる。なお、微小光学素子の第二長辺を基板材の厚さ方向になるようにしても良く、この場合にも、相応の効果を得ることができる。
【0035】
このように、本発明の微小光学素子の作製方法は、基本的には、微小光学素子の最長辺または第二長辺が基板材の厚さ方向になるように切り出すことを特徴としている。
【0036】
ただし異方性エッチングとして、ウエットエッチングを利用する場合には、反射面の形状が結晶の構造等に依存した形にしかできないため、微小光学素子の設計自由度が低くなってしまう。ここで、ウエットエッチングの後にドライエッチングを組み合わせることができれば、設計自由度を高くすることができるが、マスク作製の困難さやカリウム汚染といった作製工程の問題から、ウエットエッチングの後にドライエッチングを行うのは現実的には非常に難しい。しかし、ウエットエッチング後に同じ面にダイシングで溝を形成すれば、結晶の構造等に制約を受けずに加工が可能であるので、微小光学素子の設計自由度を高くすることができることを、本願の発明者は見出した。
【0037】
そこで、本発明の微小光学素子の作製方法は、光学反射面を有する板状の微小光学素子を所定の厚さの基板材から切り出して作製するときに、基板材に対して異方性エッチングにより溝を形成して、異方性エッチングにより形成された溝の所定の面が微小光学素子の反射面となるようにし、その後、異方性エッチングにより形成された前記溝と同じ基板材の面にダイシングにより溝を形成してから、微小光学素子の最長辺または第二長辺が異方性エッチングの深さ方向となるように微小光学素子を切り出すことを特徴としている。
【0038】
これにより、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数を大幅に増やすことが可能となり、微小光学素子の価格を格段に低下させることができる。
【0039】
また、基板材に異方性エッチングを行なう場合、例えば、単結晶Siの<111>面は、KOH等のアルカリ系エッチング液を用いてエッチングを行った時に、他の面方位よりも極端にエッチング速度が遅くなるので、選択的に<111>面の結晶面を得ることが可能である。単結晶Siの<111>面は、非常に平坦性が高く、反射面に利用するには特に適している。
【0040】
そのため、上述した本発明の微小光学素子の作製方法において、基板材には単結晶Siを用い、微小光学素子の反射面をSiの<111>面とするのが好ましい。これにより、異方性エッチングによって高い面精度の反射面を容易に得ることができて、高性能な微小光学素子が得られ、しかも加工費を抑えたままで、所定の大きさの基板材から切り出せる微小光学素子の数を大幅に増やすことが可能となり、微小光学素子の価格を格段に低下させることができる。
【0041】
また、板状の微小光学素子をできるだけ多く切り出すためには、微小光学素子の厚さは薄い方が良い。そのためには、微小光学素子の反射面が基板材表面(異方性エッチングの溝形成開始表面(エッチング開始面))と垂直な位置関係になることが好ましい。例えば、単結晶Siの<110>面を基板材表面(異方性エッチングの溝形成開始表面(エッチング開始面))にとると、<111>面は基板材表面に対して垂直となり、上記の配置を実現できる。そこで、上述したように微小光学素子の反射面を単結晶Siの<111>面とする場合には、基板材表面(異方性エッチングの溝形成開始表面(エッチング開始面))を単結晶Siの<110>面とするのが良い。これにより、微小光学素子の反射面となる単結晶Siの<111>面が基板材表面(異方性エッチングの溝形成開始表面(エッチング開始面))に対して垂直となり、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数をより大幅に増やすことが可能となり、微小光学素子の価格を格段に低下させることができる。
【0042】
ところで、本発明の微小光学素子の作製方法により基板材から微小光学素子を切り出す場合、ダイシングにより板状の小片からなる微小光学素子に切断,分割するが、微小光学素子が非常に小さいため、次のような問題が生じてしまうこともある。
【0043】
すなわち、通常、ダイシングにて基板材を切断する場合、基板材をダイシングテープと呼ばれる粘着性のテープに貼り付けて固定し、細かく切断を行う。ここで、上述した本発明の作製方法で作製される微小光学素子は、最長辺または第二長辺が基板材の厚さ方向になっているため、基板材を固定するダイシングテープへの粘着面積は、最短辺×(第二長辺または最長辺)となり非常に小さくなる。このため、切断中の摩擦力等によりダイシングテープから個別に微小光学素子が引き剥がされてしまい、切断後の微小光学素子がバラバラになってしまうという問題が起こりうる。本願の発明者の実験によると、特に微小光学素子の最短辺が0.5mm以下になると、この問題が顕著となる。なお、この問題はもちろんダイシングテープの粘着力を高くできれば、原理的には解決できるものであるが、現実の問題としてそのような強力な粘着力を持つダイシングテープは市販されておらず、入手が困難である。従って、ダイシングテープの粘着力を現状よりも上げられない以上、微小光学素子のダイシングテープへの粘着面積を増やさなければならない。
【0044】
これを実現するためには、切断時に複数の微小光学素子が一体となっており、切断後に個々の微小光学素子に容易に分離できる構造であれば良い。このような弱い結合状態を得るためには、切断時(ダイシング時)に基板材の底面まで完全には切断せず、基板材の底面付近を厚さ方向に残して切断するいわゆるハーフカットを行なえば良い。ここでいうハーフカットとは、基板材の厚さに対しておよそ50〜90%程度の深さで切断することをいう。ハーフカットにより残された基板材の接続部分は、わずかな力で容易に破壊することができるので、切断後(ダイシング後)の個別の微小光学素子への分離も容易である。
【0045】
そこで、本発明の微小光学素子の作製方法においては、基板材から微小光学素子を切り出す際に、切断する2方向のうちの一方の方向をハーフカットで切断して微小光学素子列を得るようにしている。
【0046】
これにより、ダイシング時に微小光学素子がバラバラになることもなく、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数を大幅に増やすことが可能となる。
【0047】
なお、このとき、切断後には複数の微小光学素子が一体となった微小光学素子列が得られるが、ハーフカットを行なう方向により、2種類の場合が考えられる。
【0048】
すなわち、図2(a)に示すように、ダイシング時に反射面が見込める方向をフルカットにし、もう一方をハーフカットにすれば、微小光学素子が反射面を向けて縦一列に並んでつながった状態での微小光学素子列が切り出される。しかし、この場合には、各微小光学素子は最短辺方向につながっており、ハーフカットで残された部分の面積も大きいので、個別の微小光学素子への分割を行ないにくい。また、各微小光学素子の反射面は、隣接する微小光学素子の影に隠れてしまい、反射面に対して垂直の方向から反射面上に成膜を行なったり、反射面を観察したりすることができない。
【0049】
これに対し、図2(b)に示すように、ダイシング時に反射面が見込める方向をハーフカットにし、もう一方をフルカットにすれば、微小光学素子が反射面を向けて横一列に並んでつながった状態の微小光学素子列として切り出すことができる。この場合には、各微小光学素子は第二長辺方向につながっており、ハーフカットで残された部分の面積が小さいので、個別の微小光学素子への分割を行ないやすい。また、微小光学素子の反射面が直接見える状態で並んでいるので、反射面に対して垂直の方向から反射面上に成膜を行なったり、反射面を観察したりすることが可能となる。
【0050】
そして、この状態の微小光学素子列を、反射面をそろえて並べ、反射面に反射膜を成膜すれば、上述したような基板材表面(例えば、Siの<110>面)に対して垂直な反射面(例えば、Siの<111>面)にも反射膜を成膜することができる。
【0051】
従って、上記のハーフカットにより微小光学素子列を得る際に、図2(b)に示すように、ハーフカットする方向は微小光学素子の反射面が見込める方向とし、これにより得られた反射面が見込める微小光学素子列の状態で反射膜を成膜するのが良い。これにより、基板材の表面に対して垂直な反射面をもつ微小光学素子にも反射膜を均一性良く成膜することができる。
【0052】
また、図2(b)のようにハーフカットされた微小光学素子列を個別の微小光学素子に分割する場合、微小光学素子間の接続部分にわずかな応力をかければ容易に分割することができる。ここで、この微小光学素子を大量に生産する場合には、この分割工程を一括して行なうことができればより生産性を向上させることができる。そのためには、微小光学素子列を粘着テープに貼り付けて固定し、これを屈曲させるなどして接続部分に応力をかければ良い。好ましくは、分離後に微小光学素子を粘着テープから容易に剥離できるように、上記の粘着テープには、紫外線硬化テープや熱発泡性の剥離テープなどを用いると良い。
【0053】
換言すれば、得られた微小光学素子列を可撓性を有する所定の部材(例えば、粘着テープ等)に貼付け、所定の部材を撓ませる(屈曲させる)ことで、微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割するようにすると良い。これにより、微小光学素子列を個別の微小光学素子に一括して容易に低コストで分割することができる。また、この場合、微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割することによって、微小光学素子の外周部に突起を有する構造を作製することができる。
【0054】
なお、上述した本発明の実施形態では、個別の微小光学素子への微小光学素子列の分割を破断により行っているが、用途によってはこの際に生じるわずかな欠けを嫌う場合もある。
【0055】
この場合には、ダイシングにより、微小光学素子列の接続部分を素子列方向に機械的に切断すればよい。換言すれば、微小光学素子列の微小光学素子間の接続部分をダイシングにより切断することで、個別の微小光学素子に分割することもできる。この際、微小光学素子列を平行で等間隔に固定すれば、ダイシングによる切断が容易になる。
【0056】
このように、得られた微小光学素子列の微小光学素子間の接続部分をダイシングにより切断することによっても、個別の微小光学素子に分割することができ、ダイシングにより切断する場合には、微小光学素子の欠けを確実に防ぐことができる。
【0057】
また、上述した本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子は、従来に比べて所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数が大幅に増加可能なため、非常に低コストのものとなる。
【0058】
また、本発明の作製方法によって作製される微小光学素子は、基板材から切り出される前には、反射面が基板材表面に対して所定の角度をもって形成されている。例えば、基板材表面(上記例では、Siの<110>面)に対して反射面(上記例では、Siの<111>面)が垂直となって形成されている。このような反射面に対して反射膜を形成する場合、基板の反射形成面(即ち、反射面)に対して斜め方向から反射膜を成膜することが考えられる。このとき、反射形成面が反射膜の成膜方向に対して斜めになることにより、反射膜の成膜厚さに不均一な分布が生じ、これによって反射率に影響が出ることが懸念される。しかしながら、Au、Al等の金属で反射膜を形成すれば、反射率に膜厚依存性がないため、反射形成面が反射膜の成膜方向に対して斜めになって反射膜の膜厚に不均一な分布が生じても、均一な反射率を得ることができる。
【0059】
このように、本発明の微小光学素子の作製方法により作製される微小光学素子において、該微小光学素子の反射面にAu,Al等の金属反射膜を形成するときには、反射形成面(反射面)が反射膜の成膜方向に対して斜めになる場合にも、均一な反射率の反射面を形成することができる(すなわち、製造工程での歩留りを落とすことなく、反射膜が形成可能となる)。
【0060】
ここで、Au、Al等の金属反射膜の反射率は、90〜95%程度であるが、用途によっては、反射膜として98%以上の反射率が必要になる場合もある。このような場合には、反射膜として誘電体多層膜が使用されるが、反射膜として誘電体多層膜を使用するときには、前述のように基板反射形成面(反射面)に対して斜め方向から反射膜を成膜すると、成膜厚さに不均一な分布が生じ、これによって反射率にも不均一な分布が生じてしまう。従って、誘電体多層膜の成膜は、基板反射形成面(反射面)に対して、略垂直方向から行う必要がある。この場合に、基板材表面に対して反射面が垂直となっていなくても、反射面に対して成膜することが可能である。具体的には、基板材表面に対してθの角度を持つ基板反射形成面(反射面)に対しては、基板反射形成面(反射面)において1/cosθ倍の厚さ(高さ)で誘電体多層膜を成膜すれば、得られる微小光学素子において反射面に所定の厚さで均一に誘電体多層膜を成膜することが可能となる。
【0061】
このようにして、微小光学素子の反射面に誘電体多層膜を形成することによって、金属膜では実現できないほど反射率の高い反射面を形成することができる。
【0062】
また、上述した本発明の微小光学素子の作製方法において、ハーフカットされた微小光学素子列を個別の微小光学素子に分割した際に、微小光学素子の一部(外周部)には突起が形成されるが、この突起があることにより、微小光学素子の実装時の接着面積(実装面積)が増加し、接着強度を高めることができる。このように、上述した本発明の作製方法により作製された微小光学素子においては、外周部に突起を有していることにより、実装時の接着強度が高い微小光学素子を提供することができる。
【0063】
また、本発明の微小光学素子の作製方法によれば、基板材表面を微小光学素子の反射面にしなければならないという配置上の制約をなくすことが可能になるばかりでなく、板状の微小光学素子の素子表面に対して任意の角度を持つ反射面を形成することができる。なお、ここでいう素子表面とは、板状の微小光学素子の外周部を取り巻く面のことをいう。すなわち、本発明の微小光学素子の作製方法により作製される微小光学素子では、微小光学素子の素子表面とは平行でない反射面を有する構成をとりうる。このように、従来の加工法では極めて困難であった板状の微小光学素子の素子表面に対して、傾斜した反射面を持つ微小光学素子を容易に得ることもできる。
【0064】
さらに、本発明の微小光学素子の作製方法によれば、基板材表面を微小光学素子の反射面にしなければならないという配置上の制約を無くすことが可能になるばかりでなく、板状の微小光学素子の素子表面に対して任意の角度を持つ複数の反射面を形成することができる。すなわち、従来の加工法では、研磨という工程上、1面のみしか反射面が形成できなかったが、エッチング加工によれば、従来極めて困難であった近接した複数の反射面を形成することも可能となる。すなわち、本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子では、同一平面上に無い複数の反射面を有している構成をとりうる。このように、本発明では、従来の加工法では極めて困難であった板状の微小光学素子の素子表面に対して、傾斜した複数の反射面を持つ微小光学素子を実現することもできる。
【0065】
また、上述した本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子を用いて、例えば図3に示すような光ピックアップを構成することができる。なお、図3において、符号701,702は、それぞれ、ステム,サブマウントであり、符号LD1,LD2は、それぞれ、半導体レーザであり、符号X1,X2は、それぞれ、半導体レーザLD1,LD2から出射されるレーザ光の光軸を表わし、また、符号703は本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子である。上述した本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子は、低コストのものであるので、これにより、光ピックアップの低コスト化が可能となる。
【0066】
また、上述した本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子を用いて、例えば図4に示すような光通信モジュールを構成することもできる。図4の例の光通信モジュール801は、光送信モジュールとして構成され、駆動制御回路805と、レーザ装置(例えば多波長レーザ装置)804とを備えており、本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子は、レーザ装置804内に組み込まれて用いられている。なお、図4において、符号803は光ファイバケーブルである。上述した本発明の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子は低コストのものであるので、これにより、光通信モジュールの低コスト化も可能となる。
【0067】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0068】
(実施例1)
図5(a)乃至(e),図6(f)乃至(h)は、本発明の実施例1の微小光学素子の作製工程を説明するための図である。図5(a)には、微小光学素子の材料となる基板材200が示されている。この基板材200には、材質として単結晶Siが用いられ、基板材表面200aは面方位が<110>面となっている。また、この例では、基板材200の面200bは、<111>面となっている。また、この実施例1では、基板材200の厚さ方向が微小光学素子の最長辺となるようにしている。
【0069】
図5(a)に示すような基板材200を用意した後、次に、図5(b)に示すように、この基板材200に対して<111>面に合わせてスリット状にKOHにて異方性ウエットエッチングを行い、基板材表面200aに対して垂直な溝200cを形成する。この溝200cの内側面(以下、溝側面と称す)は、Siの<111>面(Siの異方性エッチングがし易い面)となっており、非常に平坦な面となっている。なお、この実施例1では、この<111>面を微小光学素子の反射面とするようにしている。
【0070】
次に、図5(c)に示すように、溝200cと同じ面に、溝200cと垂直な方向に、溝200dをダイシングにより形成する。ここで、溝200dは、ダイシングで形成されるので、基板材200の結晶方位等には依存せず、任意の角度で加工することができる。
【0071】
そして、反射面202b(図5(d)を参照)となるべき溝側面に、斜め上方から(図の手前上方から奥側下方に向けて)、金属膜(アルミニウム(Al))を蒸着し、反射膜を形成する。
【0072】
次に、図5(d)に示すように、基板材200を2つの方向P,Qにダイシングにより切断する。ここで、切断する2方向のうちの一方の方向Pをハーフカットにし、もう一方の方向Qをフルカットにしている。すなわち、実施例1では、図中の横方向Qをフルカットとし、反射面が見込める方向である縦方向Pをハーフカットにしている。
【0073】
このとき、微小光学素子の最長辺が異方性エッチングの深さとなるように基板材200を切り出す。図5(e)には、ダイシングにより切断された微小光学素子列201が示されている。このように、反射面が見込める方向をハーフカットにし、他方の方向をフルカットすることにより、図5(e)に示すような複数の微小光学素子202が素子下部でつながった形状の微小光学素子列201を得ることができる。
【0074】
次に、この微小光学素子列201を個別の微小光学素子202に分離する。図6(f)〜(h)には、この工程が示されている。この分離工程では、まず、図6(f)に示すように、粘着テープ203に、図5(e)で得られた微小光学素子列201を整列させて貼り付ける。そして、これを図6(g)に示すように屈曲させることにより、ハーフカットで切り残した接続部分202aを破断する。これによって、図6(h)に示すような微小光学素子202を得ることができる。なお、このとき、図6(h)に示すように、得られた微小光学素子202には、側面下部に突起202cが形成される。
【0075】
(実施例2)
図7(a),(b),図8(c),(d)は、本発明の実施例2の微小光学素子の作製工程を説明するための図である。図7(a)には、微小光学素子列201が示されており、その作製方法は実施例1の図5(a)〜(e)に示した方法とほぼ同じなので、ここでは説明を省略する。ただし、実施例1との違いは、微小光学素子列201の作製時点で、実施例1では反射面202bにAlを蒸着していたが、実施例2の図7(a)の微小光学素子列201では、微小光学素子列201の作製時点で、反射面202bにはまだ何も成膜されていないことにある。
【0076】
このように、図7(a)に示すような微小光学素子列201を作製した後、次に、この微小光学素子列201を、反射面202bが上となるように、図7(b)に示すように、成膜用台座(図示せず)上に整列して並べ、反射面202b上に誘電体多層膜を、反射面202bに対して略垂直な方向から(図の上方から)成膜する。
【0077】
次に、図8(c)に示すように、微小光学素子列201をこの状態のままで粘着テープ203に貼り付け、ダイシングにより接続部分202aを切断する。このときの切断方向は、図中の点線Sで示すように、微小光学素子列201の整列方向とする。この場合、微小光学素子列201を平行,等間隔に並べておけば、ダイシング加工も容易となる。以上の工程により、図8(d)に示すような微小光学素子202を得ることができる。
【0078】
この実施例2の作製方法を用いれば、図6(h)に見られたような微小光学素子202の側面下部の突起202cが欠けたりする事態が生じるのを確実に防ぐことができる。
【0079】
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3の微小光学素子を示す図である。この実施例3の微小光学素子302も、図5(a)〜(e),図6(f)〜(h)に示した実施例1の工程と同様な工程で作製することができる。ただし、実施例3では、微小光学素子列を切出す工程(図5(d)に対応する工程)において、微小光学素子列を切り出す方向(フルカットを行なう方向)が、Si<111>面に対して所定の角度(図9の例では30度)をもって切り出されており、ダイシングにより形成される素子表面302aとエッチングにより形成される反射面302bとが、所定の角度(図9の例では30度)をなす配置となっている。
【0080】
ダイシング後の工程は、また、実施例1に示した工程(図6(f)〜(h)の工程)と同じ工程となり、各微小光学素子列を一括して個別の微小光学素子302に分割する。このように作製された微小光学素子302において、素子表面302aを実装面として使えば、実装面302aに対して傾き(この例では30度)を持った反射面302bを近接して二つもつ微小光学素子302を容易に提供できる。
【0081】
(実施例4)
図10は、本発明の実施例4の微小光学素子を示す図である。この実施例4の微小光学素子402も、図5(a)〜(e),図6(f)〜(h)に示した実施例1の工程と同様な工程で作製することができる。ただし、実施例4では、図5(b)に対応する工程におけるエッチングを行なう際に、一つの微小光学素子402に同一平面上に無い二つの反射面402b,402cが形成されるようなエッチングマスクを形成している。これにより、実施例4の微小光学素子402は、素子表面402aと平行でない二つの反射面402b,402cを持っている。
【0082】
エッチング後の工程は、実施例1に示した工程(図5(c)〜(e),図6(f)〜(h)の工程)と同じ工程となり、ダイシング後、各微小光学素子列は一括して個別の微小光学素子402に分割される。実施例4の微小光学素子402のように、近接した同一平面上に無い複数の反射面402b,402cを形成できるのは、反射面402b,402cをエッチングで作製する本発明の最大の特徴である。
【0083】
(実施例5)
図11は、本発明の実施例5の微小光学素子を示す図である。この実施例5の微小光学素子502も、図5(a)〜(e),図6(f)〜(h)に示した実施例1の工程と同様な工程で作製することができる。ただし、実施例5では、基板材500の材質に単結晶Siを用い、且つ基板材表面500aの面方位を<100>面としている。これにより、エッチング後に得られる<111>面(反射面)502bは、基板材表面500aに対して54.7度の角度を持つ傾斜面となる。
【0084】
また、実施例5では、基板材500の厚さ方向を微小光学素子502の第二長辺となるようにしており、手前に見える面502bが<111>面の方向となるようにしている。基板材500の面方位以外は、実施例1に示した工程(図5(b)〜(e),図6(f)〜(h)の工程)と同じ工程により作製し、各微小光学素子列をエッチング及びダイシング後、一括して個別の微小光学素子502に分割する。これにより、素子表面502aに対して所定の傾き(この例では35.3度)を持った反射面502bを二つもつ微小光学素子502を容易に得ることができる。
【0085】
(実施例6)
図12は、本発明の実施例6の微小光学素子を示す図である。この実施例6の微小光学素子602も、図5(a)〜(e),図6(f)〜(h)に示した実施例1の工程と同様な工程で作製することができる。ただし、実施例6では、図5(b)に対応する工程におけるエッチングを行なう際に、一つの微小光学素子602に同一平面上に無い4つの反射面602bが形成されるようなエッチングマスクを形成している。これにより、実施例6の微小光学素子602は、素子表面602aと平行でない4つの反射面602bを持っている。また、エッチング後のダイシングによる溝の形成工程(図5(c)の工程)では、素子表面602aと平行になる方向に溝を形成している。これ以降の工程は、実施例1に示した工程(図5(d)〜(e),図6(f)〜(h)の工程)と同じ工程となり、ダイシング後、各微小光学素子列は一括して個別の微小光学素子602に分割される。図中の602cの段差はエッチング後のダイシングによる溝に起因しており、これにより反射面部分の厚さを微小光学素子の最短辺の厚さより薄くすることができる。通常、微小光学素子の最短辺の厚さを100μm以下にしてしまうと、極端に強度が弱くなり、素子分割やその後の工程が非常に困難になってしまう。しかし、本発明を利用すれば、実施例6の微小光学素子602のように、反射面の部分だけ薄くすることができ、微小光学素子としての強度を確保しながら、必要な部分のみ厚さを薄くすることができる。
【0086】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、上述した実施例に記載の形状,その他の要素との組合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0087】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項12記載の発明によれば、光学反射面を有する微小光学素子を所定の厚さの基板材から切り出して作製する微小光学素子の作製方法において、前記基板材に対して異方性エッチングにより溝を形成して、異方性エッチングにより形成された溝の所定の面が微小光学素子の反射面となるようにし、その後、異方性エッチングにより形成された前記溝と同じ基板材の面にダイシングにより溝を形成してから、微小光学素子の最長辺または第二長辺が異方性エッチングの深さ方向となるように微小光学素子を切り出すので、反射面形成にウエットエッチングを用いても微小光学素子の設計自由度を低下させることなく、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数を大幅に増やすことが可能となり、微小光学素子の価格を格段に低下させることができる。
【0088】
特に、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の微小光学素子の作製方法において、前記基板材には単結晶Siが用いられ、微小光学素子の反射面がSiの<111>面であるので、異方性エッチングによって高い面精度の反射面を容易に得ることができる。
【0089】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の微小光学素子の作製方法において、前記基板材の異方性エッチングの溝形成開始表面がSiの<110>面であるので、Siの<111>面が基板材の表面に対して垂直となり、微小光学素子の厚さを薄くでき、これによって、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数をより大幅に増やすことが可能となる。
【0090】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の微小光学素子の作製方法において、基板材から微小光学素子を切り出す際に、切断する2方向のうちの一方の方向をハーフカットで切断して微小光学素子列を得るので、ダイシング時に微小光学素子がバラバラになることなく、所定の大きさの基板材から取れる微小光学素子の数を大幅に増やすことができる。
【0091】
また、請求項5乃至請求項8記載の発明によれば、請求項4記載の微小光学素子の作製方法において、ハーフカットする方向を微小光学素子の反射面が見込める方向とし、これにより得られた反射面が見込める微小光学素子列の状態で反射膜を成膜するので、基板材表面に対して垂直な反射面をもつ微小光学素子にも反射膜を均一性良く成膜することができる。
【0092】
また、請求項9乃至請求項11記載の発明によれば、請求項4または請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、得られた微小光学素子列を可撓性を有する所定の部材に貼付け、所定の部材を撓ませることで微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割するので、微小光学素子列を個別の微小光学素子に容易に分割することができる。
【0093】
また、請求項12記載の発明によれば、請求項4または請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、得られた微小光学素子列の微小光学素子間の接続部分をダイシングにより切断することで、個別の微小光学素子に分割するので、微小光学素子の欠けを防ぐことができる。
【0094】
また、請求項13乃至請求項18記載の発明によれば、請求項1乃至請求項12記載のいずれか一項に記載の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子であるので、非常に低価格な微小光学素子を提供できる。
【0095】
特に、請求項15記載の発明によれば、請求項8記載の微小光学素子において、該微小光学素子の反射面には、誘電体多層膜が形成されているので、金属膜では実現できないほど反射率の高い反射面を形成することができる。
【0096】
また、請求項16記載の発明によれば、請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、外周部に突起を有しているので、実装時の接着強度が高い微小光学素子を提供することができる。
【0097】
また、請求項17記載の発明によれば、請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、素子表面とは平行でない反射面を有しているので、従来の加工法では極めて困難であった板状の微小光学素子の素子表面に対して傾斜した反射面を持つ微小光学素子を提供することができる。
【0098】
また、請求項18記載の発明によれば、従来の加工法では極めて困難であった板状の微小光学素子の素子表面に対して傾斜した複数の反射面を持つ微小光学素子を提供することができる。
【0099】
また、請求項19記載の発明によれば、請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の微小光学素子を用いた光ピックアップであるので、光ピックアップの低コスト化が可能となる。
【0100】
また、請求項20記載の発明によれば、請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の微小光学素子を用いた光通信モジュールであるので、光通信モジュールの低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の微小光学素子の作製方法を説明するための図である。
【図2】基板材から微小光学素子を切り出す仕方を説明するための図である。
【図3】本発明に係る光ピックアップの一例を示す図である。
【図4】本発明に係る光通信モジュールの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例1の微小光学素子の作製工程を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例1の微小光学素子の作製工程を説明するための図である。
【図7】本発明の実施例2の微小光学素子の作製工程を説明するための図である。
【図8】本発明の実施例2の微小光学素子の作製工程を説明するための図である。
【図9】本発明の実施例3の微小光学素子を示す図である。
【図10】本発明の実施例4の微小光学素子を示す図である。
【図11】本発明の実施例5の微小光学素子を示す図である。
【図12】本発明の実施例6の微小光学素子を示す図である。
【符号の説明】
200     基板材
200a    基板材表面
200c    溝
201     微小光学素子列
202     微小光学素子
202a    接続部
202b    反射面
202c    突起
203     粘着テープ
302     微小光学素子
302a    素子表面
302b    反射面
402     微小光学素子
402a    素子表面
402b    反射面
500     基板材
502     微小光学素子
502a    素子表面
502b    反射面
600     基板材
601     微小光学素子
601a    反射面
601b    保持部

Claims (20)

  1. 光学反射面を有する微小光学素子を所定の厚さの基板材から切り出して作製する微小光学素子の作製方法において、前記基板材に対して異方性エッチングにより溝を形成して、異方性エッチングにより形成された溝の所定の面が微小光学素子の反射面となるようにし、その後、異方性エッチングにより形成された前記溝と同じ基板材の面にダイシングにより溝を形成してから、微小光学素子の最長辺または第二長辺が異方性エッチングの深さ方向となるように微小光学素子を切り出すことを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  2. 請求項1記載の微小光学素子の作製方法において、前記基板材には単結晶Siが用いられ、微小光学素子の反射面がSiの<111>面であることを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  3. 請求項2記載の微小光学素子の作製方法において、前記基板材の異方性エッチングの溝形成開始表面がSiの<110>面であることを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の微小光学素子の作製方法において、基板材から微小光学素子を切り出す際に、切断する2方向のうちの一方の方向をハーフカットで切断して微小光学素子列を得ることを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  5. 請求項4記載の微小光学素子の作製方法において、ハーフカットする方向を微小光学素子の反射面が見込める方向とし、これにより得られた反射面が見込める微小光学素子列の状態で反射膜を成膜することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  6. 請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、該微小光学素子の反射面には、前記反射膜として金属反射膜を成膜することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  7. 請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、該微小光学素子の反射面には、前記反射膜として誘電体多層膜を成膜することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  8. 請求項7記載の微小光学素子の作製方法において、該微小光学素子の反射面には、反射面に対して略垂直の方向から、誘電体多層膜を形成することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  9. 請求項4または請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、得られた微小光学素子列を可撓性を有する所定の部材に貼付け、所定の部材を撓ませることで微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  10. 請求項9記載の微小光学素子の作製方法において、前記可撓性を有する所定の部材は、粘着テープであることを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  11. 請求項9記載の微小光学素子の作製方法において、微小光学素子列から個別の微小光学素子を分割することによって、微小光学素子の外周部に突起を有する構造を作製することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  12. 請求項4または請求項5記載の微小光学素子の作製方法において、得られた微小光学素子列の微小光学素子間の接続部分をダイシングにより切断することで、個別の微小光学素子に分割することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の微小光学素子の作製方法により作製された微小光学素子。
  14. 請求項13記載の微小光学素子において、該微小光学素子の反射面には、金属反射膜が形成されていることを特徴とする微小光学素子。
  15. 請求項13記載の微小光学素子において、該微小光学素子の反射面には、誘電体多層膜が形成されていることを特徴とする微小光学素子。
  16. 請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、外周部に突起を有していることを特徴とする微小光学素子。
  17. 請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、素子表面とは平行でない反射面を有していることを特徴とする微小光学素子。
  18. 請求項17記載の微小光学素子において、該微小光学素子は、同一平面上に無い複数の反射面を有していることを特徴とする微小光学素子。
  19. 請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の微小光学素子を用いることを特徴とする光ピックアップ。
  20. 請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の微小光学素子を用いることを特徴とする光通信モジュール。
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