JP2001033604A - 光学部品及びポリイミド厚膜の製造方法 - Google Patents

光学部品及びポリイミド厚膜の製造方法

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JP2001033604A
JP2001033604A JP11306498A JP30649899A JP2001033604A JP 2001033604 A JP2001033604 A JP 2001033604A JP 11306498 A JP11306498 A JP 11306498A JP 30649899 A JP30649899 A JP 30649899A JP 2001033604 A JP2001033604 A JP 2001033604A
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light
thick film
substrate
optical component
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Noriaki Okada
訓明 岡田
Hiroyuki Yamamoto
裕之 山本
Shinya Yoshida
慎也 吉田
Yukio Kurata
幸夫 倉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ピックアップ、光通信等に用いる小型軽量
化、安価な光学部品を提供する。 【解決手段】 フォトダイオード4が形成されたシリコ
ン基板5上に、厚み50〜300μmの高分子材料を塗
布し、この高分子材料を加工して、光路変換ミラー2,
3、偏光分離プリズム1を形成する。基板面と平行方向
に光を進行させ、光路変換ミラー2,3、偏光分離プリ
ズム1で、反射、屈折により光路制御を行う。基板上に
微小な光学部品を配置することで、光学系の小型化が図
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ピックアップ、
光通信等に使用される光学部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯用電子機器が実用化されるに伴い、
さらに、小型、軽量、高性能の光デバイスの開発が望ま
れている。従来、光デバイスとして主要なものを例に挙
げると、第一に種々の光学部品を組み合わせたバルク型
の光デバイス、第二に通信用光デバイス等に利用され、
基板上に形成される光導波路型の光デバイスなどが代表
的なものである。
【0003】上記第一の種々の光学部品を組み合わせた
バルク型の光デバイスを特開平6−20297号公報に
記載の光ピックアップ装置を例に挙げて図15を用いて
説明する。光ピックアップ52は、上面が開放されたハ
ウジング51に、光ピックアップ52の光学系を構成す
る複数の光学系部材が固定されている。ハウジング51
外部の所定位置には、光源となる半導体レーザ53と、
レーザ光(光ビーム)を平行光にするコリメータレンズ
54とが配設されている。ハウジング51の内部には、
偏光プリズムの一種であるウォラストンプリズム55
と、上記の半導体レーザ53から出射されたレーザ光を
屈折させる複合プリズム56と、ミラー57とが搭載さ
れた取付基板59と、信号検出のためのスポットレンズ
58とが配設されている。尚、上記の各光学系部材は、
例えば、光学ガラスで形成されている。上記のウォラス
トンプリズム55、複合プリズム56およびミラー57
は、これら光学系部材と同一組成の光学ガラスで形成さ
れた取付基板59の上面の所定位置に、光学ガラス用の
接着剤で貼着されて固定している。そして、上記の各光
学系部材55〜57を取付基板59に固定する際は、取
り付け位置や角度を図示しない取り付け治具により調整
して、精度良く取り付けるようになっている。上記の取
付基板59の上面と下面とは平行な平面に形成されてい
る。また、スポットレンズ58はレンズホルダ58aに
収められてハウジング51の側面内側に固定されている
構成となっている。
【0004】上記第二の光導波路型光デバイスには、1
光損失が小さい、2製造が容易、3コア層とクラッド層
の屈折率差を制御できる、4耐熱性に優れている、5複
屈折率差が小さい等の厳しい条件が要求されている。
【0005】しかしながら、石英系光導波路の作製時に
は1000℃以上の高温の行程が必要であるため、光導
波路を形成する基板が限定され、また光部品を搭載した
後には形成できないなどの問題がある。
【0006】これに対してプラスチック光導波路は、低
い温度で導波路形成が可能であり、近年提案されてい
る。しかしプラスチック光導波路の場合、耐熱性に劣る
などの欠点がある。プラスチックの中で最も耐熱性に優
れている無色透明、低複屈折であるポリイミドを導波路
型の光部品材料の一例として特開平8−134211号
公報で提案されている。これらのポリイミド光導波路の
一般的な作製方法は、以下の通りである。ポリイミド前
駆体溶液をシリコン、ガリウム砒素などの半導体基板
や、石英、ガラスなどの光学用基板などに例えばスピン
コート法や印刷法で塗布し、加熱して溶媒を揮発、硬化
させることによりポリイミド薄膜を作製し、必要に応じ
てウエットエッチング、ドライエッチング、レーザアブ
レーションなどのプロセスを経てポリイミド導波路を得
ている。ここで示された工程は簡易に厚さ数μm程度の
ポリイミド薄膜を作製できるといった長所がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、第一
の光デバイスとして示したバルク型のレンズ、ミラー、
プリズム、回折格子等の光学部品は、研磨や成形といっ
た方法で作製されるため、そのサイズは通常mmオーダ
であり、それらを集めて構成された光デバイスは、小型
化に限界があった。
【0008】各光学部品のさらなる小型化は部品コスト
の上昇を招き、部品サイズが小さくなるにつれて、その
取り付け精度も厳しくなる。また、別個に作られた各光
学部品を配置して光デバイスを組み立てるといった作製
法であるので、光学部品の個数が増えると工数が増え、
高精度に位置合わせすることも困難となっていた。
【0009】一方、それらの課題を解決する方法とし
て、第二の従来技術のような光導波路型光デバイスの提
案がされている。光導波路は、コアサイズがわずか数μ
mのところに光を閉じ込めることによって、種々の光学
的な機能を実現するものであり、光学系の集積化、小型
化に有効な方法である。光導波路型の各光学部品はフォ
トリソグラフィ、エッチング等のプロセスで一度に複数
個作製することができ、その位置精度も高い。
【0010】しかし、光導波路型の光部品はコアサイズ
が数μmと小さいため、そのコアに光を結合させるため
には、光導波路と光導波路以外の光学部品とをミクロン
オーダーで位置合わせする技術が必要となり、その組み
立てコストを下げることが困難であった。このため、現
在の主な使用用途は単一モード光ファイバを用いた光通
信への適用に限られている。
【0011】また、光導波路型の光デバイスでは、コア
サイズの不均一や、コア界面の散乱による光損失も大き
なものとなるため、低損失で性能が一定の光デバイスを
大量に生産することは難しい。
【0012】さらに、光導波路型の光デバイスでは、コ
アとクラッドを等方性の材料で構成しても、導波路コア
形状の歪みやクラッドの屈折率のばらつきによって、容
易に複屈折が発生し、その結果、偏光間で伝搬時間に差
が生じ、信号の歪みが生じるため光伝送用デバイスとし
て使用することが難しいといった問題点があった。
【0013】そこで本発明は、上記のようなバルク型光
デバイスおよび導波路型光デバイスとは、全く異なった
技術思想をもって、上記課題を解決すべくなされたもの
であり、小型軽量化が容易なバルク型の光学部品を提供
することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、我々は高分子材料をバルク型の光学部品に適用
することで、大量生産が可能で、品質の安定した、安価
で小型軽量化が容易なバルク型の光学部品が得られるこ
とを見いだした。
【0015】すなわち、本発明の光学部品は、基板と、
該基板上に形成された少なくとも1種の光学厚膜を加工
することにより、基板面と平行でない面を複数備えるよ
う形成された少なくとも1つの光学素子と、を有するも
のである。
【0016】また、前記光学素子が、前記平行でない面
で、少なくとも反射,屈折,回折,透過のいずれか1つ
により、基板面と略平行方向に進行する光の生成あるい
は基板面と略平行方向に進行する光の光路制御を行うも
のである。
【0017】また、前記光学厚膜の厚みが50〜300
μmであるものである。
【0018】さらに、前記光学厚膜の少なくとも1つ
は、基板面法線方向に光学軸をもつ光学異方性材料から
なり、前記光学素子の少なくとも1つは、入射してきた
光を直交する2つの偏光に分離する素子からなるもので
ある。
【0019】また、前記光学素子の少なくとも1つは、
光学特性の異なる複数の光学厚膜間の界面で光分岐を行
う素子からなるものである。
【0020】さらに、前記光学素子の少なくとも1つ
は、複数の光学厚膜間に形成された光学薄膜で光分岐を
行う素子からなるものである。
【0021】また、前記光学素子の少なくとも1つは、
光の進行方向を、基板面法線方向から基板面平行方向に
あるいはその逆に変換するミラーであるものである。
【0022】また、前記光学素子及びそれ以外の部品
の、少なくとも1つを搭載するためのガイドを有するも
のである。
【0023】さらに、前記光学厚膜は、高分子材料から
なるものである。
【0024】また、本発明の光学部品は、基板と、該基
板上に形成された少なくとも1種の光学厚膜を加工する
ことにより、基板面と平行でない面を複数備えるよう形
成され、前記平行でない面で、少なくとも反射,屈折,
回折,透過のいずれか1つにより、基板面と略平行方向
に進行する光の生成あるいは基板面と略平行方向に進行
する光の光路制御を行う少なくとも1つの光学素子を有
し、該光学素子内及び該光学素子間において、基板面と
略平行方向に進行する光を、基板面と平行な面により反
射せずに進行せしめるものである。
【0025】また、本発明のポリイミド厚膜の製造方法
は、単層からなる厚さ50μm以上のポリイミド厚膜を
製造する方法において、ポリアミック酸と溶剤からなる
ワニスを塗布する工程と、1気圧以上の加圧下におい
て、前記ポリアミック酸の熱イミド化が進行しない温度
に前記ワニスを加熱することで、前記溶剤を蒸発除去
し、ポリアミック酸単層厚膜を形成する工程と、該ポリ
アミック酸単層厚膜を熱イミド化して前記ポリイミド厚
膜を形成する工程と、を含むものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光学部品について
説明する。
【0027】本発明の光学部品は、バルク型の光学部品
の特質、すなわち、光損失が小さい、複数の光学素子の
位置合わせが容易、光学的特性の解析が容易で設計が簡
単、といった特質を有していながら、更に、小型化をも
実現するものである。具体的には、基板上に形成した光
学厚膜(光学材料)を加工することで光学素子を形成す
ることでそれを実現する。
【0028】本光学部品としては、上述の光学材料の厚
さを50μm〜300μmとすることが望ましい。その
理由を以下に説明する。
【0029】光学材料の厚さを50μm以上とするの
は、光学材料の厚さが50μmよりも小さい場合、光学
素子の内部及び光学素子間を伝搬する光ビームが、導波
路型の光学部品のように、伝搬方向に平行な一対の面の
間で反射を繰り返しながら伝搬していくようになる虞れ
があるため、光損失が生じかねないからである。
【0030】図14に、シリコン基板上に形成した光学
材料(屈折率1.55)の内部に光ビームを伝搬させた
ときの、伝搬損失を示す。なお、この図ではシリコン基
板と光学材料との間にSiO2膜を介在させた例につい
ても記している。図14から、光学材料の厚みが大きい
ほど光損失が小さくなり、光学材料の厚みが50μm以
上であると、SiO2膜を介在させない場合にでも、損
失が0.1dB/mm程度であり、良好な特性が得られ
ることが分かる。
【0031】また、光学材料の厚さを50μm以上とす
るのには、各光学素子間の位置合わせを容易とするとい
う理由もある。
【0032】一方、光学材料の厚さを300μm以下と
する理由は、光学材料が厚くなることにより生じる膜内
応力のために基板に与えるダメージが、膜内応力が小さ
い光学材料であっても膜厚が300μm程度以下でない
と無視できなくなるからである。
【0033】(第一の実施の形態)図1は第一の実施例
の構成を示す斜視図であり、図2(a)はその正面図、
(b)はそのA−A断面図である。
【0034】光デバイス(光学部品)10は、シリコン
基板5上に形成されており、光路変換ミラー2,3と、
偏光分離プリズム1と、受光素子としてのフォトダイオ
ード4とを備えている。偏光分離プリズム1は、光路変
換ミラー2,3の間に配置され、光路変換ミラー3はフ
ォトダイオード4上に配置されている。
【0035】光デバイス10の基板面法線方向から入射
する光6は、第一の光路変換ミラー2で光路を曲げら
れ、基板面と平行に進行する光に変換され、偏光分離プ
リズム1に導かれる。偏光分離プリズム1は、基板に平
行な振動面をもつ光(TE光)7と、垂直な振動面をも
つ光(TM光)8とで、屈折率が異なるという複屈折性
を示す材料で構成されている。このプリズム1に、大き
な入射角で光を入射すると、各偏光で屈折角が異なるた
め、入射光6はプリズム内で2つの偏光に分かれる。分
離された各偏光7,8は、第二の光路変換ミラー3で光
路を曲げられ、それぞれフォトダイオード4a,4bに
導かれ、各偏光の強度に応じた電気信号が検出される。
【0036】この偏光分離プリズム1は、厚みが50〜
300μm(具体的には200μm)のポリイミドで構
成されている。一般にポリイミドは、塗布硬化後に面法
線方向に光学軸をもつ光学異方性を示すことが知られて
いる。例えば、日立化成(株)製のOPI−N2005
というフッ素化ポリイミドは、波長780nmでTE光
の屈折率が1.62、TM光の屈折率が1.51であ
り、その屈折率差は0.11と非常に大きい。この大き
な屈折率差を利用することにより、効果的に偏光分離を
行うことができる。例えば、頂角60度の偏光分離プリ
ズム1に50度の入射角で光を入射すれば、2面の屈折
によって、プリズム出射後には分離角10度で偏光が分
かれる。このとき、消光比も−20dB以上と極めて良
い。
【0037】基板上に、偏光分離プリズム1と共に配置
された光路変換ミラー2は、ポリイミド厚膜の45度傾
斜面2aに反射膜2bを形成して作製されている。光路
変換ミラー3も同様にして形成されている。これらの光
学部品は、50〜300μm厚のポリイミド膜の成膜
後、レーザアブレーションや反応性イオンエッチング等
の方法により作製される。
【0038】この偏光分離プリズム1では、入射角が5
0度と大きいため、入射面で大きな反射損失が発生す
る。この損失を防ぐためには、偏光分離プリズム1の入
射面と出射面に反射防止膜を設けるとよい。また、図3
に示すように、偏光分離プリズム1と、光路変換ミラー
3を一体化させてもよい。1つの面の透過だけで偏光分
離を行うため、分離角を大きくすることはできないが、
通過する面の数が2つ減るため、反射損失を減らすこと
ができる。なお、図3(a)は光学部品の斜視図を、
(b)は上面図を、(c)は(b)のX−X断面図であ
る。
【0039】次に、第一の実施の形態における光デバイ
スの作製法を図4を参照しながら説明する。図4は、光
デバイスの各製造工程における各断面図である。
【0040】まず、図4(a)に示すように、シリコン
基板5上に半導体プロセスによって、信号検出用フォト
ダイオード4、及びその信号検出回路(図示しない)を
形成する。そして、その上に、光透過性プラスチック層
11を形成する。この光透過性プラスチック層11の材
料としては、ポリイミド等を用いることができ、光透過
性プラスチック層11の膜厚は、例えば200μm程度
に設定される。光透過性プラスチック層11は、ポリイ
ミドをスピンコート法、アプリケート法で塗布し、その
後、焼成して固めることで形成できる。また、フィルム
状のポリイミドをシリコン基板5上に接着剤等を介して
貼付ることで形成しても良い。
【0041】次に、図4(b)に示すように、エッチン
グにより、偏光分離プリズム1、光路変換ミラー部2
a、3a以外の光透過性プラスチック層11を除去す
る。エッチングの方法としては、反応性イオンエッチン
グや、レーザアブレーションエッチング等の方法を挙げ
ることができる。特に、レーザアブレーションエッチン
グは、高分子材料の加工にむいており、加工速度が速
く、フォトリソグラフィの工程が不要、加工精度が高い
といった利点を有している。斜度45度の斜面はレーザ
アブレーションエッチングで形成するとよい。
【0042】続いて、図4(c)に示すように、スパッ
タ、真空蒸着といった方法で、反射膜12を成膜する。
反射膜には、金、アルミ等の金属や、誘電体多層膜を用
いるとよい。
【0043】最後に、図4(d)に示すように、光路変
換ミラー部2、3以外の反射膜12を、フォトリソグラ
フィ、エッチングを行って除去し、光路変換ミラー部
2、3のみに反射膜2b、3bが残るようにして、光デ
バイス10が完成する。
【0044】ここで、図4(a)のポリイミドの形成方
法の一例について説明する。図5はアプリケート法を説
明する図である。アプリケート法では、図5(a)に示
すように、基板5上にポリイミドワニス11を置き、ロ
ーラ13によって引き伸ばす。これにより、図5(b)
に示されるように、基板5上に一定厚みのポリイミド膜
が形成される。ポリイミド膜の厚みは、ローラ13と基
板5の間隔gを調整することにより決めることができ、
スピンコート法では困難な100μmを超える厚い膜も
容易に形成できる。特に応力が小さく、粘度の高い樹脂
は、100μmを超える厚膜の形成に適している。な
お、図4(a)のポリイミド(プラスチック層11)の
他の形成方法については第六の実施の形態において説明
する。
【0045】また、上記プロセス内で述べた斜度45度
の斜面形成のためのレーザアブレーションエッチングに
ついて図6を用いて説明する。
【0046】透過領域が矩形形状となっているレーザア
ブレーションマスク15を透過したエキシマレーザビー
ム14をレンズ16で縮小して加工物17に照射する。
そして、ビーム14を照射させたまま、加工物17をX
方向について矢印の方向に移動させると、加工物17の
右の方からエッチングが進む。エッチングされた領域を
点線で示している。加工物17を移動させた状態で、レ
ーザビーム14の照射を停止すると、照射領域の右と左
でレーザビームのトータル照射量が異なるため、エッチ
ング量に差が生じ、斜面が形成される。エキシマレーザ
ビーム強度と加工物の移動速度を調整することにより、
任意の斜度の斜面を形成することができる。 以上説明
した本実施の形態の光デバイスでは、従来のバルク型の
光デバイスに比して小型軽量化を実現できるとともに、
光損失を低減でき、また、複数の光学素子の位置合わせ
を容易にすることができる。
【0047】特に、本実施の形態(及び後述する第二の
実施の形態)における偏光分離プリズム1は、以下に示
すように従来に比して大きな利点を有するものである。
【0048】従来、偏光分離機能を果たす光学素子とし
ては、一軸異方性の光学結晶を貼りあわせて作製したウ
ォラストンプリズムを用いて行っていた。ウォラストン
プリズムのサイズは小さいものでも2〜3mm角であ
り、光学結晶を用いるため価格も高い。通常の光磁気デ
ィスク用の光ピックアップでは、光磁気信号検出のため
の偏光分離にウォラストンプリズムを使用しており、こ
れが光ピックアップ全体の小型化、低コスト化を妨げる
要因の一つとなっていた。
【0049】一方、光導波路技術を用いた同機能のデバ
イスも提案されているが、この場合、厚さ1μmの光導
波路に光を結合させなければいけないので、光導波路素
子と光導波路素子以外の光学部品とをサブミクロンオー
ダで位置合わせする技術が必要であり、製造コストを下
げることが困難であった。また光導波路では、光導波路
コア材の吸収やコア界面の散乱による導波路損失、光導
波路厚のばらつきによる特性変動をどう抑制するかとい
うことも大きな課題である。
【0050】本実施の形態で示した偏光分離プリズム1
は、上述のウォラストンプリズムのサイズが数mmであ
るのに対し、厚みが50〜300μm、1辺の長さが数
百μmと大幅に小型化している。さらに一連のプロセス
で、光検出器、ミラー、プリズム等の光学部品を基板上
に集積化できるため、光学系の小型化とともに、光学部
品の組立て工数の低減、生産コストの低減を図ることが
できる。光学部品の位置精度も、フォトリソグラフィの
マスク位置精度、レーザアブレーション加工装置の加工
精度に依存するので、ミクロンオーダーと極めて高精度
にでき、光デバイスの高機能化を図ることができる。
【0051】さらに、光導波路型の偏光分離素子では1
μmの薄膜に光を入射させなければいけなかったのに対
し、本発明では光学厚膜の厚みが50〜300μmと厚
いため、光を入射させることが容易であり、他の光学部
品との位置合わせも簡単である。光損失もほぼ材料の吸
収のみで決定されるので、透明な材料を選択することに
より無視できる値まで低減することができる。
【0052】(第二の実施の形態)図7は、第二の実施
形態の構成を示す図である。図7(a)は斜視図,
(b)は上面図、(c)は(b)のC−C断面図であ
る。
【0053】この第二の実施の形態の光デバイス10
は、2種の光学厚膜(第一の光透過性プラスチック24
a,第二の光透過性プラスチック24b)を有してお
り、偏光分離素子21が全反射を利用して偏光を分離し
ている点が、上記第一の実施の形態と異なっている。上
記の点以外の他の構成については第一の実施の形態と同
様であり、第一の実施の形態に付記した部材番号と同一
の部材番号を付記して、それらの説明を省く。
【0054】本光デバイス10は、光路変換ミラー2,
22,23及び偏光分離素子21は第二の光透過性プラ
スチック24bで形成されており(第一の実施の形態と
同様の手法で製造できる)、それらを覆う形で第一光透
過性プラスチック24aが形成されている。
【0055】第一光透過性プラスチック24aは等方性
の材料からなり、第二光透過性プラスチック24bは第
一の実施の形態で説明した光学異方性の材料からなって
いる。また、第二光透過性プラスチック層24bの低い
方の屈折率と、第一光透過性プラスチック層24aの屈
折率は略一致している。この場合、一方の偏光はその界
面において反射光が生じなくなり、またもう一方の偏光
をある角度以上でその界面に入射させると透過光が生じ
なくなる。
【0056】偏光分離素子21はこの原理を応用したも
のである。すなわち、第二の透過性プラスチックからな
る偏光分離素子21は光路変換ミラー2からの光路に対
して傾いた壁面21aを形成し、その壁面21aに隣接
して第一の透過性プラスチックを配すことで、壁面21
aにおいて、一方の偏光は反射光が生じなくし、他方の
偏光は透過光を生じなくすることができる。すなわち、
偏光を分離することができる。例えば、第一光透過性プ
ラスチック24bの材料として屈折率1.51の等方性
材料を選び、第二光透過性プラスチック24bの材料と
して、TE光の屈折率が1.62、TM光の屈折率が
1.51の異方性材料を選び、その界面21aに入射角
70度で光を入射すると、TE光7は全反射され、TM
光8は透過する。それぞれの偏光は、光路変換ミラー2
2、23に導かれ、ミラーにより光路を曲げられ、フォ
トダイオード4a,4bに導かれる。
【0057】第一の実施の形態では、双方の偏光とも屈
折角が大きかったので、大きな収差が発生し、スポット
径が大きくなるという問題があった。しかし、第二の実
施の形態では、一方の偏光が反射であり、もう一方の偏
光もほとんど屈折せず透過するので、ほぼ無収差であ
り、スポット径の小さな光がフォトダイオードに導かれ
る。また、一方の偏光が全反射であり、もう一方の偏光
も屈折率差がないため、界面25での反射損失もゼロと
することができる。
【0058】なお、第二の実施の形態は、図8に示すよ
うに、基板面法線方向に偏光分離を行うような形態をと
ってもよい。
【0059】図8(a)は正面図、図8(b)はD−D
断面図である。第二光透過性プラスチック24bを基板
面法線方向に光学軸をもつ異方性材料で形成して、断面
が三角形状になるようにし、第一光透過性プラスチック
24aは等方性材料を用い、第一光透過性プラスチック
層を覆うように形成する。第二光透過性プラスチック2
4bのTE光屈折率を1.62、TM光屈折率を1.5
1、第一光透過性プラスチック24bの屈折率を1.5
1として、その2つの層の界面26,25の傾斜角度を
45度、20度とする。
【0060】このとき、TE光7は第一界面26で屈折
され、第二界面25で全反射されて、フォトダイオード
4aに導かれる。一方、TM光8は第一、第二界面2
6、25を透過し、光路変換ミラー3bで反射されて、
フォトダイオード4bに導かれる。直線状に光路変換ミ
ラー2、3、偏光分離プリズムを配置できるので、光学
系の配置面積を縮小することができる。
【0061】(第三の実施の形態)図9は第三の実施の
形態の構成を示す図である。
【0062】この光デバイスでは、光路変換ミラー2と
偏光分離プリズム1の間に、基板面内方向に発散効果を
有するシリンドリカル凹レンズ27が挿入されている点
が上記第一の実施の形態と異なっており、上記の点以外
の他の構成については第一の実施の形態と同様である。
このシリンドリカル凹レンズ27は、基板面内方向にお
いて開口数の大きな入射光を開口数の小さな光に変換す
る役割を果たしている。
【0063】本光デバイスの光学厚膜の厚みは50〜3
00μmであるため、光デバイスへの入射光の光束の幅
もその値以下にしなくてはならない。そのため、集束光
を焦点付近で光デバイスに結合させる必要性が生じる。
【0064】しかし、開口数の大きな集束光は光デバイ
ス入射後に大きく広がり、また開口数が大きくなるほど
偏光分離プリズム1入射時に発生する収差も大きくなる
ため、フォトダイオード4面上でのスポットが大きくな
ってしまう。フォトダイオードサイズの拡大は、高速応
答性の劣化につながるため、フォトダイオードサイズは
小さくすることが望ましい。また、光の広がり角が、偏
光分離の分離角よりも小さいと、偏光分離の消光比も劣
化してしまう。
【0065】開口数の小さい光であれば、光デバイスへ
の入射後も広がりを小さく抑えることができて、フォト
ダイオード4面上でのスポットサイズを小さくすること
ができる。また偏光分離の消光比も高くすることができ
る。
【0066】シリンドリカル凹レンズ27によって、基
板面内方向で開口数の小さな光が偏光分離プリズム1に
導かれるため、フォトダイオード上でのスポットの拡大
を防ぐことができる。また広がり角を抑えられるため、
小さな偏光分離角でも偏光分離が実現できる。
【0067】シリンドリカル凹レンズ27は、リソグラ
フィの際に凹レンズ形状のマスクパターンを転写し、エ
ッチングを行うことで作製できる。同様の方法で、1次
元の回折型レンズも作製することができる。
【0068】(第四の実施の形態)図10は第四の実施
例の構成を示す図である。
【0069】この光デバイスでは、光路変換ミラー28
が曲面で構成されており、光路変換機能とともにレンズ
効果も有している点が上記第一の実施の形態と異なって
いる。上記の点以外の他の構成については第一の実施の
形態と同様である。
【0070】この光路変換ミラー28の面は凸面で、こ
の面は基板面内方向だけではなく、基板面法線方向にも
レンズ効果を有するような形状になっている。この光路
変換ミラー28は、基板面内方向に加えて、基板面法線
方向においても、開口数の大きな入射光を開口数の小さ
な光に変換する。このことにより、第三の実施例と比較
して、フォトダイオード4面上でのスポットサイズをさ
らに小さくすることができる。
【0071】この凸面ミラーの製造方法を図11を参照
して説明する。マスク15を、例えば弓形の形状にし
て、X方向に加工物(ポリイミドワニス11)を左から
右へ移動させてレーザアブレーション加工を行う(図6
と同様の部分については説明を省略する)。このように
すれば、Y方向について凸面となる傾斜面が形成され
る。さらに、加工物の移動速度も一定ではなく、速度を
徐々に上げることにより、X方向についても凸面となる
傾斜面を形成することができる。マスクの形状、加工物
の移動速度を最適化することにより、所望の形状の凸面
ミラーが得られる。
【0072】(第五の実施の形態)図12は第五の実施
の形態の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)
はE−E断面図である。
【0073】光デバイスは、発光素子としての半導体レ
ーザ31と、受光素子としてのフォトダイオード32
と、光ファイバ35から出射された光をフォトダイオー
ド32に導くビームスプリッタ33と、半導体レーザ3
1からの光を光ファイバ35端面に集光し、光ファイバ
35から出射された光をフォトダイオード32に集光す
るボールレンズ34と、光ファイバ35とを備えてい
る。光ファイバ35の両端面にそれぞれ光デバイス50
が結合されている。
【0074】半導体レーザ31から出射された光は、ビ
ームスプリッタ33を透過し、ボールレンズ34により
光ファイバ35端面に集光されて光ファイバ35コア内
に導かれ、光ファイバ35内を伝搬し、光ファイバ35
のもう一方の端面に配置された光デバイスに導かれる。
【0075】一方、光ファイバ35から出射された光
は、ボールレンズ34により集束光に変換され、ビーム
スプリッタ33により反射されて、フォトダイオード3
2に導かれ、電気信号に変換される。このビームスプリ
ッタ33は、光透過性プラスチック38、40の2層構
造で構成され、間に波長選択膜、偏光選択膜などの機能
光学膜39を挟むことができる。
【0076】本光デバイス50は、シリコン基板41上
に形成される。シリコン基板41は、異方性エッチング
により45°の斜面を形成することができ、そのことを
利用して、ボールレンズ34、光ファイバ35を位置決
めするためのガイドを形成することができる。フォトダ
イオード32、ビームスプリッタ33、ボールレンズガ
イド42、光ファイバ用ガイド43を、フォトリソグラ
フィの精度(±数μm)で基板上に形成することができ
る。これは、通常のバルク型光学部品の位置合わせ精度
(±数十μm)と比較するとはるかに高精度である。ガ
イドに従ってボールレンズ34、光ファイバ35を配置
し固定すれば、高度な位置調整技術を必要としないで、
短時間で光デバイスができ上がるので、光デバイスの生
産コストを大きく下げることができる。
【0077】また、各光学部品が微小であるため、バル
ク光学部品で構成された光デバイスと比較するとサイズ
も遥かに小さなものとなる。バルクのビームスプリッタ
のサイズは小さいものでも2〜3mm角であるため、バ
ルク光学部品で構成された同機能の光デバイスは1cm
程度のサイズになるのに対し、本発明の光デバイスのサ
イズは1〜2mm程度のサイズにまで小さくすることが
できる。
【0078】一方、光導波路技術を用いた同機能の光デ
バイスも提案されている。しかし、この種のデバイスは
主に単一モード光ファイバを結合するためのデバイスで
あり、プラスチックファイバ、マルチモード石英ファイ
バ等、コア径の大きな光ファイバとの接続は、光導波路
と光ファイバのコア径の大きな違いから困難であった。
また、上述したような導波路損失、特性変動等の課題も
存在する。さらに導波路では、等方性の材料を用いて
も、導波路コア形状の歪みやクラッドの屈折率ばらつき
によって複屈折が発生し、その結果信号歪みが生じると
いう課題もあった。本発明の光学部品は、バルク光学部
品と同様に扱えるため、等方性材料で構成することによ
り、直交する偏光の伝搬速度を同じにすることができ、
信号歪みを抑えることができる。
【0079】次に、第五の実施の形態における光デバイ
スの作製法を図13を参照しながら説明する。図13
は、光デバイスの各製造工程における各断面図である。
【0080】まず、図13(a)に示すように、シリコ
ン基板41上に半導体製造用プロセスによって、信号検
出用フォトダイオード32、レーザ出力モニタ用フォト
ダイオード37、およびそれらの信号検出回路(図示し
ない)を形成する。またシリコン異方性エッチングを利
用して、光ファイバ、ボールレンズ固定するためのガイ
ド42となるV溝を形成する。
【0081】次に、図13(b)に示すように、その上
に、光透過性のプラスチック層46を形成する。このプ
ラスチック層46の材料としては、例えば、ポリイミド
等を用いることができ、プラスチック層46の膜厚は、
例えば200μm程度に設定される。ポリイミドはスピ
ンコート法、アプリケート法で塗布できる。なお、ポリ
イミドからなるプラスチック層46の形成方法の具体例
については第六の実施の形態において説明する。
【0082】次に、図13(c)に示すように、エッチ
ングを行って、ビームスプリッタ40、光路変換ミラー
36以外のプラスチック層46を除去する。エッチング
の方法としては、反応性イオンエッチングや、レーザア
ブレーションエッチングを挙げることができる。斜度4
5度の斜面はレーザアブレーションエッチングで形成す
る。エキシマレーザの照射時間を部分部分で変えること
によって、エッチング量を制御し、斜面を形成する。
【0083】さらに、ビームスプリッタ40の斜面に波
長選択膜あるいは偏光選択膜39を形成する。スパッ
タ、真空蒸着等の方法で光学膜を成膜し、その後、フォ
トリソグラフィ、エッチングを行って、不要な領域の光
学膜を除去し、斜面のみに光学膜39が残るようにす
る。
【0084】次に、図13(d)に示すように、再び光
透過性のプラスチック層44を形成する。この光透過性
のプラスチック層44の材料としては、例えば、ポリイ
ミド等を用いることができる。
【0085】次に、図13(e)に示すように、エッチ
ングを行って、ビームスプリッタ38以外の光透過性プ
ラスチック層を除去する。
【0086】最後に、図13(f)に示すように、半導
体レーザの固定位置に対し半導体レーザ31をダイボン
ドし、ボールレンズガイド42にボールレンズを、光フ
ァイバーガイド43に光ファイバを固定して、光デバイ
ス50が完成する。
【0087】(第六の実施の形態)ここでは、上述した
図4のプラスチック層11や図13のプラスチック層4
4,46に用いられる厚膜のポリイミドの形成方法の一
例を説明する。
【0088】ポリイミド厚膜を基板上に形成する手段と
しては、特許第2607669号公報に示された方法が
知られている。この方法では、表面の活性化された支持
基板へのポリアミック酸ワニスの塗布と、このポリアミ
ック酸のイミド化の進行しない温度条件による溶剤の加
熱除去とを複数回繰り返し行い、所望の膜厚のポリアミ
ック酸塗膜を形成した後、これに熱処理を施してポリア
ミック酸をイミド化してポリイミド樹脂被覆層を形成す
るものである。
【0089】図16は特許第2607669号公報に記
載の形成方法のプロセスフロー図である。以下、この図
に基づいて具体的に説明する。
【0090】まず40〜60℃に加熱された希硫酸に1
〜2分浸漬し酸化物を除去して表面を活性化された金属
基板、あるいは、表面の活性な金属薄膜層を形成された
セラミックス基板(図16(イ))上に、ポリイミド樹
脂の前駆体であるポリアミック酸を有機溶剤に溶解させ
たポリアミック酸ワニスを塗布する(図6(ロ))。こ
のときの塗布厚さは、ポリイミドに変換した後の厚さが
15μm以下(好ましくは10μm以下)になるように
設定する。
【0091】続いてポリアミック酸ワニスの塗布膜を形
成した支持体を、例えば乾燥炉内に配置し、例えば50
〜100℃程度のイミド化の起こらない温度に加熱して
溶剤を除去する(図6(ハ))。溶剤の除去が不十分で
あると、2層目以降のポリアミック酸ワニスを平滑に塗
布することが困難となり、またイミド化の際に発泡現象
を引き起こしてポリイミド樹脂内のボイドの原因とな
る。
【0092】そして、溶剤の除去を行ったポリアミック
酸の塗膜上に、上記(ロ)工程で使用したポリアミック
酸ワニスを再度塗布し(図6(ニ))、上記(ハ)工程
と同様な条件によってポリアミック酸の2層塗膜中の溶
剤を加熱除去する(図6(ホ))。膜厚が不足する場合
は、ポリアミック酸ワニスの塗布工程と溶剤の除去工程
とを繰り返して行い、所望の膜厚とすることができる。
【0093】最後に、溶剤の除去が完了したポリアミッ
ク酸の2層塗膜に対して、イミド化の進行する温度、例
えば120〜480℃程度の条件で熱処理を施し、ポリ
アミック酸の脱水環化反応を進行させてイミド化してポ
リイミドを形成する(図6(ヘ))。このイミド化は、
窒素雰囲気のような不活性雰囲気中で行うことが望まし
い。
【0094】以上のような工程を経ることにより、気泡
による内部欠陥が少なく、表面の平滑性に優れたポリイ
ミドを、基板上に形成することができる。そして、所望
の厚さのポリイミド厚膜をポリアミック酸ワニスの多層
塗布により形成することが可能である。
【0095】しかしながら、この方法では、光学的用途
を考えた場合、膜内部の気泡とは別に、白濁現象が発生
し、光透過率の低下を引き起こすことがある。また、得
られたポリイミド厚膜にはポリアミック酸の積層界面に
相当する部分で屈折率分布の不連続(光学的界面)が生
じ、光学部品を形成して光を入射すると、出射光が分裂
してしまうという現象が生じることもある。さらに、ポ
リアミック酸の熱処理工程によって、ポリイミド厚膜に
は数十MPa程度の引っ張り応力が発生するため、得ら
れたポリイミド厚膜付き基板が基板側を凸面にして反っ
てしまう惧れもある。
【0096】次に、上記問題を解決するポリイミド厚膜
の形成方法について説明する。
【0097】図17は、その製造方法を説明する工程図
である。図17(A)に示すように、予め、基板71と
の密着性を向上させるために、表面処理剤の塗布・乾燥
を施す。表面処理剤は、用いるポリイミドによって異な
るが、具体的には、例えば日立化成(株)製のOPIカ
プラーを4000rpmでスピンコートした後200℃
で20分ベークすればよい。
【0098】次に、図17(B)に示すように、表面処
理の施された基板71に、ポリイミドの前駆体であるポ
リアミック酸と溶剤からなるポリアミック酸ワニス72
を塗布する。具体的には、例えば日立化成(株)製フッ
素化ポリイミドワニスOPI−N2005を流延塗布す
る。塗布の方法は、スピンコートやキャスティングなど
でもよい。ポリアミック酸ワニス72の塗布厚さは、流
延法とスピンコートの場合は粘度、キャスティングの場
合は塗布量によって制御できるが、最終的に得られるポ
リイミド厚膜74(図17(D)参照)が所望の厚さに
なるように決定する。ポリアミック酸ワニス72の塗布
直後は、まだ溶剤を含んでいるため、塗布厚さの確認
は、実際には続く図17(C)に示す工程の後で行うこ
とにする。具体例を示すと、粘度約20Pa・s、樹脂
分濃度25%のポリアミック酸ワニス72を用いた場
合、それを約1.5mmの厚さで塗布することによっ
て、図17(C)に示す工程後の厚みは約350μmと
なる。
【0099】ポリアミック酸ワニス72の塗布後、ポリ
アミック酸ワニス72に含まれる溶剤を乾燥し、ポリア
ミック酸厚膜73を形成する(図17(C)参照)。溶
剤乾燥は、後述するように、図18または図19に示す
ような乾燥装置を用いて行うとよい。上述のポリアミッ
ク酸ワニス72の場合は、溶剤としてN,N−ジメチル
アセトアミド(1気圧での沸点166℃、32mmHg
での沸点83℃)が含まれているため、50mmHg以
上の圧力条件で60℃以下の加熱を行えばよいが、ここ
では350mmHgの圧力条件で50℃の加熱を5時間
行った。溶剤乾燥工程の終点は、厚膜の硬さや、膜厚減
少がなくなることなどから判断できるが、最終的には、
続く熱イミド化工程で膜に白濁が発生しないことを確認
し、乾燥条件を決定することが好ましい。
【0100】最後に、ポリアミック酸厚膜73の形成さ
れた基板71を加熱することにより、ポリアミック酸厚
膜73をイミド化してポリイミド厚膜74を形成する
(図1(D)参照)。具体的には、上述のポリアミック
酸厚膜73の場合、空気中において段階的に加熱温度を
上昇していき、最終的には350℃20分の処理を行う
ことで、気泡や白濁のないポリイミド厚膜74が得られ
る。得られたポリイミド厚膜の厚さは約200μmであ
った。
【0101】このポリイミド厚膜74の光透過率(表面
反射は含まず)は、波長650nmの光に対しては61
%、波長780nmの光に対しては87%となり、光学
的に十分使用できるレベルの光透過性を有する(短波長
での透過率が低いのは、π電子の遷移に起因する光吸収
によるものと考えられ、気泡や白濁による散乱損失では
ない)。
【0102】次に、上述の図17(C)の工程において
使用する乾燥装置について、図18、図19を用いて説
明する。
【0103】図18の装置は、気密容器86、トラップ
87、ホットプレート88及び排気用ポンプ(図示せ
ず)から構成されている。気密容器86には、ガス導入
部89およびガス排気部90が設けられ、ガス導入部8
9には流量調整弁91、ガス排気部90には排気量調整
弁92がそれぞれ設けられている。トラップ97は、断
熱容器94中の冷媒95に冷却管93が浸されて構成さ
れており、排出ガス中の溶剤蒸気を液体または固体とし
てトラップする働きがある。冷媒95としては液体窒素
やシャーベット状のエタノールなどが利用できる。ホッ
トプレート88には測温プローブ96とヒーター97が
内蔵されており、ホットプレート88上面を任意の温度
に保つことができる(なお、このホットプレート88上
に基板71が載ることになる)。流量調整弁91は、気
密容器86に設置されている圧力計99と電気的に接続
された自動圧力調整器98によって制御され、気密容器
86内を任意の圧力に保つことができるようになってい
る。排気量調整弁92は気密容器86の排気量を調節す
るためのものである。ガス導入部89からは空気、アル
ゴン、窒素などのガスが導入され、一方でガス排気部9
0からは排気を行うので、気密容器86内をガスの流れ
がある減圧状態に保つことができる。これらのガスは、
単独でも混合ガスであってもよい。
【0104】ここで重要なことは、減圧状態で密封せ
ず、空気、アルゴン、窒素等のガスを供給しつつ、常に
発生した溶剤蒸気を排出し続ける点にある。これは、ポ
リアミック酸ワニス72に含まれる溶剤が沸騰しない状
態を保ち、蒸発による乾燥を継続させる必要があるから
である。もし溶剤が沸騰してしまうと、ポリアミック酸
ワニス72内部で発泡が生じ、得られるポリアミック酸
厚膜73の表面平坦性が失われてしまう。
【0105】溶剤が蒸発すると、温度が下がって蒸発速
度が遅くなる。また、蒸発量の上限は温度に依存する飽
和蒸気圧で決まる。そこで、溶剤が沸騰しない温度範囲
でやや基板を加熱することが好ましい。このときの加熱
温度は、ポリアミック酸のイミド化が始まる温度を超え
てはいけない。イミド化の起こる温度以上に加熱する
と、ポリアミック酸ワニス72の表面に皮膜が発生し、
溶剤の蒸発が妨げられる。溶剤の除去が不十分なポリア
ミック酸厚膜73を熱イミド化すると、100〜150
℃あたりの昇温過程で、膜の白濁が起こってしまい、光
学的には使用できない。また、白濁を起こしたポリイミ
ド厚膜74は非常に脆く、更に加熱を続けると、膜の収
縮による応力でクラックが発生する。
【0106】上述のポリアミック酸ワニス72には、溶
剤としてN,N−ジメチルアセトアミドが含まれてい
る。N,N−ジメチルアセトアミドの沸点は1気圧で1
66℃、32mmHgで83℃であるため、ここでは3
50mmHgの圧力条件で50℃の加熱を行った。この
条件であれば、ポリアミック酸厚膜の表面に皮膜は形成
されず、熱イミド化に際しても白濁は生じなかった。
【0107】ポリアミック酸ワニス72に含まれる溶剤
の蒸発を促進するためには、上述の方法のように必ずし
も減圧する必要はなく、沸騰を防ぐためにはむしろ1気
圧以上に加圧する方が好ましい場合がある。これは、エ
ーテル類に代表されるような沸点の低い溶剤の場合にふ
さわしい方法である。
【0108】図19は、溶剤の加圧乾燥を行う場合の装
置の構成を示す図である。図18と同じはたらきをする
部分は、同じ符号で表している。この装置は、気密容器
86、トラップ87、ホットプレート88から構成され
ている。気密容器86には、ガス導入部89およびガス
排気部90が設けられ、ガス排気部90には流量調整弁
91が設けられている。トラップ87は、図18で示し
たものと同様で、排出ガス中の溶剤蒸気を液体または固
体としてトラップする働きがある。ホットプレート88
には測温プローブ96とヒーター97が内蔵されてお
り、プレート上面を任意の温度に保つことができる。流
量調整弁91は、気密容器86に設置されている圧力計
99と電気的に接続された自動圧力調整器98によって
制御され、気密容器86内を任意の圧力に保つことがで
きるようになっている。ガス導入部89からは空気、ア
ルゴン、窒素などのガスが加圧状態で導入され、一方で
ガス排気部90を経て自然排気される。ガス導入部89
から導入されるガスにより、気密容器86内はガスの流
れのある加圧状態(1気圧以上)となる。そのため、1
気圧での沸点以上の温度にホットプレートで加熱して
も、ポリアミック酸ワニスに含まれる溶剤が沸騰するこ
とはなく、得られるポリアミック酸厚膜の表面平坦性が
保たれる。ただし、既に述べたように、加熱温度はポリ
アミック酸のイミドが始まる温度を超えてはいけない。
【0109】図20を用いて、ポリイミド厚膜の形成方
法の他の例について説明する。図17で示した工程で
は、基板71上に直接ポリイミド厚膜74を形成してい
るが、応力によりポリイミド厚膜付き基板が反ってしま
うことが問題となる場合がある。そこで、ここでは、ポ
リアミック酸厚膜73を一旦剥離し、熱イミド化処理を
施してポリイミド厚膜フィルムに変換したものを基板に
接着する。
【0110】図20(A)に示す支持基板76は、後の
剥離工程を考慮して、特に膜の密着性を向上するための
表面処理は行わない。むしろ剥離を容易にするため、場
合によってはフッ素系あるいはシリコーン系の離型剤処
理を施してもよい。
【0111】次に、図20(B)に示すように、支持基
板76にポリアミック酸ワニス72を塗布する。塗布の
方法は、図17の場合と同じく、スピンコートやキャス
ティングなどでもよい。
【0112】続いて、図20(C)に示すように、ポリ
アミック酸ワニス72に含まれる溶剤を乾燥し、ポリア
ミック酸厚膜73を形成する。溶剤乾燥は、図18また
は図19に示したような乾燥装置を用いて行うとよい。
【0113】そして、図20(D)に示すように、支持
基板76からポリアミック酸厚膜73を剥離し、ポリア
ミック酸厚膜フィルム75を形成する。
【0114】この後、図20(E)に示すように、ポリ
アミック酸厚膜フィルム75を加熱することでイミド化
してポリイミド厚膜フィルム77を形成する。
【0115】最後に、図20(F)に示すように、接着
剤78を用いて基板71にポリイミド厚膜フィルム22
を接着することで、ポリイミド厚膜付き基板が作製され
る。用いる接着剤としては、言うまでもなく、ポリイミ
ド厚膜フィルム77と基板71とを侵すことなく、かつ
接着強度が大きいものがよい。加えて、ポリイミドの優
れた性質を活かすために、耐熱性、耐薬品性に優れたも
のがふさわしい。ポリイミド光学厚膜を加工して作製し
た光学部品においては、透過光はポリイミド厚膜フィル
ム77内部のみを通過するので、特に接着剤に光学的特
性の制約はなく、着色していてもよい。具体例を挙げる
と、住友スリーエム(株)製耐熱接着シート1580
や、(株)スリーボンド製加熱反応型フィルム状接着剤
1650を用い、150℃で数時間の圧着処理を施し接
着を行うことが可能である。
【0116】この方法によれば、イミド化の完了したポ
リイミド厚膜フィルム77を基板71に貼り合わせるた
め、ポリイミド厚膜付き基板に大きな反りが発生するの
を防止することができる。
【0117】
【発明の効果】本発明の光学部品によれば、バルク型の
光学部品に比して、大幅に小型化軽量化を実現できる。
また、一度に大量に光学部品を形成することができ、生
産性を向上できる。さらに、集積化が可能であり、これ
により複数の光学素子間の組み立て工程を省略できる。
【0118】また、光学部品の設計に際して、バルク型
の光学部品と同様に幾何光学として取り扱うことがで
き、波動光学的な取り扱いが必要な導波路型の光学部品
に比して有利である。
【0119】さらに、導波路型の光学部品よりは厚みが
十倍以上大きい光学厚膜を利用するため、位置合わせが
容易である。また、導波路型の光学部品では、コア層と
クラッド層を必要とするが、本発明の光学部品ではクラ
ッド層は不要であり、その成膜工程を省くことも可能と
なる。さらに、導波路型では基板面に平行な面で反射を
繰り返しながら光が進行するため、伝搬損失が大きく、
それを抑制するために膜厚や膜表面状態の厳密制御が必
要であるが、本発明の光学部品では損失要因を主に材料
の光吸収のみとすることができる。
【0120】また、本発明のポリイミド厚膜の製造方法
によれば、乾燥工程時での溶剤の沸騰を防ぐことができ
るため、白濁がなく、表面の平坦なポリイミド厚膜を製
造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の光学部品を示す斜
視図である。
【図2】図1の光学部品の正面図,断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の他の形態を示す構成図で
ある。
【図4】第一の実施の形態の光学部品の製造方法を説明
する工程図である。
【図5】アプリケート法を説明する図である。
【図6】レーザアブレーションによる45度斜面形成を
説明する図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の光学部品を示す構
成図である。
【図8】本発明の第二の実施の他の形態を示す構成図で
ある。
【図9】本発明の第三の実施の形態の光学部品を示す構
成図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態の光学部品を示す
構成図である。
【図11】レーザアブレーションによる曲面形成を説明
する図である。
【図12】本発明の第五の実施の形態の光学部品を示す
構成図である。
【図13】第五の実施の形態の光学部品の製造方法を示
す工程図である。
【図14】光学厚膜の厚みと伝搬損失の関係を示す図で
ある。
【図15】従来の光デバイスを示す断面図である。
【図16】ポリイミド厚膜の製造方法の一例を示す図で
ある。
【図17】ポリイミド厚膜の製造方法の他の例を示す図
である。
【図18】ポリイミド厚膜の製造工程にて用いる乾燥装
置の一例を示す図である。
【図19】ポリイミド厚膜の製造工程にて用いる乾燥装
置の一例を示す図である。
【図20】ポリイミド厚膜の製造方法のさらに他の例を
示す図である。
【符号の説明】
1 偏光分離プリズム 2、3 光路変換ミラー 4 フォトダイオード 5 シリコン基板 15 レーザアブレーション用マスク 16 集光レンズ 27 シリンドリカル凹レンズ 28 凸面ミラー 31 半導体レーザ 32、37 フォトダイオード 33 ビームスプリッタ 34 ボールレンズ 35 光ファイバ 36 光路変換ミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/135 G11B 7/135 Z H01S 5/022 H01S 5/022 (72)発明者 吉田 慎也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 倉田 幸夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 BA12 CA32 CA38 2H042 AA02 AA03 AA04 AA05 AA30 AA31 CA07 DC02 DC04 5D119 AA02 AA04 AA38 BA01 EC14 JA12 JA36 JA57 5F073 AB27 AB29 BA02 BA05 BA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に形成された少なくと
    も1種の光学厚膜を加工することにより、基板面と平行
    でない面を複数備えるよう形成された少なくとも1つの
    光学素子と、を有することを特徴とする光学部品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学部品において、 前記光学素子は、前記平行でない面で、少なくとも反
    射,屈折,回折,透過のいずれか1つにより、基板面と
    略平行方向に進行する光の生成あるいは基板面と略平行
    方向に進行する光の光路制御を行うことを特徴とする光
    学部品。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光学部
    品において、 前記光学厚膜の厚みが50〜300μmであることを特
    徴とする光学部品。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の光学部品において、 前記光学厚膜の少なくとも1つは、基板面法線方向に光
    学軸をもつ光学異方性材料からなり、 前記光学素子の少なくとも1つは、入射してきた光を直
    交する2つの偏光に分離する素子からなることを特徴と
    する光学部品。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の光学部品において、 前記光学素子の少なくとも1つは、光学特性の異なる複
    数の光学厚膜間の界面で光分岐を行う素子からなること
    を特徴とする光学部品。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の光学部品において、 前記光学素子の少なくとも1つは、複数の光学厚膜間に
    形成された光学薄膜で光分岐を行う素子からなることを
    特徴とする光学部品。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の光学部品において、 前記光学素子の少なくとも1つは、光の進行方向を、基
    板面法線方向から基板面平行方向にあるいはその逆に変
    換するミラーであることを特徴とする光学部品。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の光学部品において、 前記光学素子及びそれ以外の部品の、少なくとも1つを
    搭載するためのガイドを有することを特徴とする光学部
    品。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の光学部品において、 前記光学厚膜は、高分子材料からなることを特徴とする
    光学部品。
  10. 【請求項10】 基板と、 該基板上に形成された少なくとも1種の光学厚膜を加工
    することにより、基板面と平行でない面を複数備えるよ
    う形成され、前記平行でない面で、少なくとも反射,屈
    折,回折,透過のいずれか1つにより、基板面と略平行
    方向に進行する光の生成あるいは基板面と略平行方向に
    進行する光の光路制御を行う少なくとも1つの光学素子
    を有し、 該光学素子内及び該光学素子間において、基板面と略平
    行方向に進行する光を、基板面と平行な面により反射せ
    ずに進行せしめることを特徴とする光学部品。
  11. 【請求項11】 単層からなる厚さ50μm以上のポリ
    イミド厚膜を製造する方法において、 ポリアミック酸と溶剤からなるワニスを塗布する工程
    と、 1気圧以上の加圧下において、前記ポリアミック酸の熱
    イミド化が進行しない温度に前記ワニスを加熱すること
    で、前記溶剤を蒸発除去し、ポリアミック酸単層厚膜を
    形成する工程と、 該ポリアミック酸単層厚膜を熱イミド化して前記ポリイ
    ミド厚膜を形成する工程と、を含むものである。
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