JP4582380B2 - 光変調素子とそれを用いた光学装置、および光変調素子の製造方法 - Google Patents

光変調素子とそれを用いた光学装置、および光変調素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MOEMS(Micro Optical Electro-Mechanical System )技術により作製される光学素子に係り、特に、光を干渉・回折し、変調する光変調素子とそれを用いた光学装置、および光変調素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトリソグラフィ、エッチングおよび蒸着等に代表される半導体加工技術は主に半導体集積回路の作製に用いられ高度化してきたが、近年、この技術を回路の加工ではなく立体的構造物の加工に応用することによって、マイクロマシンが作製されるようになってきている。マイクロマシンは大きさが10-3m〜10-6mの微小な可動部品であり、このようにシリコンウエハ上に構築されるマイクロマシンはMEMS( Micro Electro-Mechanical System )と呼ばれる。MEMSは、従来の金属などの機構部品に比べて格段に小さく駆動力も少なくて済むうえ、製造プロセス上、個体間ばらつきが少なく、リフロー実装など電子部品同様の取り扱いが可能である等々の優れた特徴を有している。そのため、MEMSは、その誕生当初より各種デバイスへの応用が期待される分野となっている。例えば、加速度センサやジャイロメータ、圧力センサ等のMEMSセンサは、その微少な構造は勿論のこと、加速度、傾斜および圧力等の微少な物理量が計測可能な素子として注目されており、自動車用、工業用、航空・防衛用あるいは医療用として、既に市場への参入が始まっている。
【0003】
このようなMEMSのもう一つの大きな応用分野は、ディスプレイや光通信、光記憶装置、光プリンタなどの光学システム用デバイスである(MOEMS)。MOEMSは、その高速応答性により、こうした高周波動作が要求される分野で注目されており、補償光学系などに用いられるマイクロレンズやマイクロミラーの他、光ファイバ通信用の光スイッチ、回折格子などが実用化されつつある。
【0004】
そのうち、図19のような回折格子は、光変調素子としてレーザディスプレイ等に用いられるものである(例えば、米国特許5311360号公報、D.M.Bloom; Projection Displays III Symposium, SPIE proc.,vol.30B,Feb 1997 あるいはD.M.Bloom. "The Grating Light Valve: revolutionizing display technology". [online]. Silicon Light Machines. Retrieved from the Internet: <URL:http://www.siliconlight.com/frames/press/PWest.html> 等を参照) 。この素子は、メンブレン(Membrane)と呼ばれるリボン220が基板211との間にエアギャップ214を介して互いに平行に並べられて構成されている。これらリボン220は、通常、窒化ケイ素(Si3 4 )からなり、その上に設けられた金属層216が反射面216aを構成している。反射面216aは同一平面上に形成されているため、この状態では、素子に入射された光はこれら反射面216aで反射され、戻り光は入射光と同一位相で同一の光路をとる。また、リボン220は例えば一列おきに可動または固定とされ、上部電極となる金属層216と下部電極213との間に電圧を印加すると、静電力により可動リボン220が基板211に引き付けられて、反射面216a全体は規則的な凹凸面、すなわち回折面を形成する(図参照)。この回折面に光を入射すると、入射角と異なる角度に回折光が生じる。
【0005】
従って、戻り光を遮断し、回折光を検出するようにすれば、高いコントラストで反射光を変調させることができる。また、軽小なリボン220は高速でスイッチング動作を行うことができるため、この素子の応答性は20ナノ秒程度と液晶表示素子のおよそ105 倍以上にも達し、低消費電力である以外に様々な利点が提供される。すなわち、一般の電子部品に対してもそのまま整合させることができること、ディスプレイ用途では高解像度、グレースケールのディジタル制御、および色の再現性などである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような素子では、従来より金属層216にはアルミニウム(Al)が用いられている。これは、Alに▲1▼比較的容易に成膜できる、▲2▼反射率の可視域における波長分散が小さい、▲3▼表面に自然酸化膜(Al2 3 )が形成され、これが保護膜となるなどの利点があるためである。しかしながら、金属であるためにその吸収係数は比較的大きく、可視域では約0.08、波長830nm付近の赤外域では0.20と大きな光吸収を示す。よって、素子に照射される光の利用効率が低下するという問題があった。
【0007】
また、このような光変調素子では、反射面216aでの光反射を高効率に行なうことが望ましい。そのため、従来の製造過程では、リボンの表面に損傷を与えないような工程が選択されてきた。このように、その表面状態を保つために特定の膜を保護することは一般的にしばしば行なわれる手法であるが、これによって素工程の選択範囲が限定されることがあり、また、プロセスの運用マージンが狭められる場合も多い。また、Alの金属層216に対してフッ酸系の薬品が使用できないなどの制約があり、プロセスは最適化されているとは言い難かった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、高い光効率と信頼性を有する光変調素子とそれを用いた光学装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、高い歩留まりで光変調素子を製造することができる光変調素子の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光変調素子は、上面の一部分を反射面とする金属層を備えた複数の回折部が並列して構成され、反射面上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層が形成されており、第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層が金属層のうちの反射面上に選択的に形成されていると共に、他方の誘電体層が金属層の全面に形成されているものである。また、本発明による光学装置は、本発明の光変調素子を含んで構成されている。
【0011】
本発明による光変調素子の製造方法は、上面の一部分を反射面とする金属層を備えた複数の回折部が並列して構成された光変調素子の製造方法であって、回折部本体を形成した後に、その上に金属層を設けることにより反射面を形成し、更にその上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層を形成すると共に、この誘電体層を形成する際に、第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層を金属層のうちの反射面上に選択的に形成し、他方の誘電体層を金属層の全面に形成するようにしたものである。
【0012】
本発明による光変調素子では、反射面上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層が形成されているので、反射面における光の反射効率が高まると同時に、反射面が誘電体層により保護される。また、第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層が金属層のうちの反射面上に選択的に形成されていると共に、他方の誘電体層が金属層の全面に形成されていることにより、回折部の反射率が増大しつつ、その質量および応力の増加が簡易な方法で積極的に抑えられる。
【0013】
また、本発明による光学装置では、本発明の光変調素子を含んで構成されているので、光源の利用効率が向上する。また、素子の反射面における光吸収が防止され、装置の発熱が減少する。
【0014】
本発明による光変調素子の製造方法では、回折部本体の上に形成した金属層の反射面上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層を形成するので、金属層が誘電体層により保護される。また、この誘電体層を形成する際に、第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層が金属層のうちの反射面上に選択的に形成されると共に、他方の誘電体層が金属層の全面に形成されることにより、回折部の反射率が増大しつつ、その質量および応力の増加が簡易な方法で積極的に抑えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係る光変調素子の外観構成を表しており、図2はX−X線に沿った断面構造を表している。この光変調素子10は、入射光の角度,強度および位相を変調することが可能であり、反射面16aを備えたリボン状の回折部20が複数(図1では6本)、その長手方向に平行に配列され構成されている。
【0017】
このような回折部20は基板11の上に形成されている。基板11は、例えばケイ素(Si)からなり、その上には、二酸化ケイ素(SiO2 )等からなる絶縁層12、タングステン(W)等の金属からなる下部電極13が順に設けられている。
【0018】
回折部20自体は、構造体15の上に反射層16,第1の誘電体層17および第2の誘電体層18が形成されたものであり、構造体15が回折部20の骨格をなしている。構造体15は、長手方向の応力によってその両端部で基板11の上に支持され、これら端部間の平坦部分と基板11との間に空隙14が設けられている。平坦部分には反射面16aが形成され、構造体15つまりは回折部20は、この部分が基板11に垂直な方向に変位するように変形可能となっている(状態I→状態II)。なお、空隙14は、ここでは基板11に垂直方向に入射光の波長の1/4、例えば130nm程度の間隙であり、回折部20の変位する距離に対応している。
【0019】
更に、構造体15の上には反射層16が設けられており、反射層16は、構造体15の平坦部分にあたる層上面を反射面16aとする他、ここでは下部電極13に対向する上部電極として機能する。反射層16および下部電極13の間に電位差が発生すると、静電力によって回折部20は基板11側へ引き付けられ、例えば状態Iから状態IIのように変形する。なお、個々の回折部20が備える反射面16aは、全て同一平面上に設けられており、所定の周期間隔で選ばれたものだけを基板11側に変位させることにより回折面が形成される。構造体15としては、例えば窒化ケイ素(Si3 4 )が用いられ、反射層16は、例えば、アルミニウム(Al)を始めとする銀(Ag),金(Au),チタン(Ti)のいずれか1種、あるいはその合金を含む層などによって構成される。
【0020】
本実施の形態では、反射層16の上面に更に、第1の誘電体層17および第2の誘電体層18が設けられている。これら誘電体層17,18は、反射面16aの損傷を特に製造過程において防止するために保護膜として付設されると同時に、反射面16aにおける反射率を増加させるための反射膜として機能するものである。従って、ここで設けられる誘電体層には、以下のような条件を満たすことが求められる。
(i) 軽量、層の総厚みができるだけ薄いこと。
(ii) 製造過程において反射面16aを保護することが十分可能であること。
(iii) 反射面16aの反射率を十分に向上させること。
【0021】
(i) は、素子10において設計通りの光学的応答性を得るために必要な条件である。回折部20に生じる張力は、その機械的動作に強く影響する。例えばSi3 4 からなる構造体にAlの反射層を設けると、構造体自体には大きな引張応力がかかるのに対し、反射層に比較的小さい圧縮応力が生じるために全体の応力が変化することが知られており、のみならず、反射層についてはその長手方向の実効的質量もまた全体の機械的特性に影響することがわかっている(A.P.Payne et al.,Micromachining and Microfabrication: MEMS Reliability for Critical and Space Application,SPIE Proceedinds,vol.3880,Sept.,1999; R.W.Corrigan et al.,International Display Workshop,Kobe,Japan,Dec.1998, LAD5-1,pp.757-760 )。従って、反射層よりも厚い誘電体層が成膜されると、回折部20に無視できない質量増加や引張応力の変化が生じ、その結果、回折部20の機械的特性が変化することが予期される。このような影響を極力排除するために膜厚は薄くなければならない。また、条件(ii)については、膜厚をとくに厚くする必要はない。
【0022】
しかしながら、条件(iii) を達成するために最も簡単な方法は、誘電体を多層化するものである。従って、条件(i) ,(ii)と条件(iii) はトレードオフの関係にあり、これら全てを満足するように誘電体層を設けるには、各層の膜厚、材質、層数について最適化する必要がある。第1の誘電体層17および第2の誘電体層18は、以下のようにしてそれらが規定されている。
【0023】
(誘電体層の構成)
前述のように、金属の反射率を増加させる方法として、金属表面に誘電体の低屈折率であるものと高屈折率であるものを組としたλ/4膜(厚みが、反射率を増強させたい光の波長λの1/4である膜)を積み重ね、多層膜を形成する手法がある(J D.Rancourt, 小倉訳“光学薄膜ユーザーズハンドブック”日刊工業新聞社 1991 など)。これを反射層16に適用した場合には、以下の式1に示したモデルが与えられる。
(Metal substrate) L'H (LH)^n Air …(式1)
式1は光学薄膜設計でよく用いられる記号で記述されたものであり、ここで、(Metal substrate) が反射層16に対応している。以下、式の右項は順に反射層16の上に積層される膜を表しており、L'とL が低屈折率膜、H が高屈折率膜、(LH)^n は(LH)の組が周期的にn層積層されていることを示している。なお、L'は、吸収のある反射層16との界面における位相シフトを考慮し、L よりも若干薄く設定される。
【0024】
このモデルから適切な誘電体層の構成を導き出すには、まず、反射層16と誘電体層の総体における反射率を所定の条件下で比較して、条件(iii) の検討を行なえばよい。本発明の発明者らが今回明らかにした結果によれば、反射層16の上に積層される最初の誘電体層L'H によって反射層16における光の吸収がおおむね半減し、この吸収は、更に(LH)の組を積み重ねるにつれて漸次減少することが判明している。つまり、1組の誘電体層(LH)が、最も効率的に反射率を増強することができる。更に、条件(i) ,(ii)を考慮した結果、1組の誘電体層(LH)を設けるようにすると、膜厚を薄くしながら最も反射効率を向上できると考えられる。このような理由により、ここでは、低屈折率層として第1の誘電体層17が、高屈折率層として第2の誘電体層18の2層が設けられる。
【0025】
(誘電体層の材料)
また、第1の誘電体層17,第2の誘電体層18は、その材料を所望の特性あるいは製造方法等の観点から適宜選択することができる。これら誘電体層17,18は多層反射膜であるから、第1の誘電体層17としては、できるだけ屈折率が低いものがよく、例えばフッ化マグネシウム(MgF2 ),酸化ケイ素(SiO2 )および酸化アルミニウム(Al2 3 )の少なくとも1種を含むことが好ましい。一方の第2の誘電体層18には、できるだけ屈折率が高いものがよく、例えば、窒化ケイ素(Si3 4 ),窒化アルミニウム(AlN),酸化チタン(TiO2 )および酸化タンタル(Ta2 5 )の少なくとも1種を含むような比較的屈折率が高い材料が選ばれ、その屈折率は第1の誘電体層17に比べて高くなっている。
【0026】
一般的な光学薄膜では、低屈折率材料にはMgF2 (屈折率1.37)、高屈折率材料にはTiO2 /Ta2 5 (屈折率2.3)を用いることが多い。特にMgF2 は短波長域まで透明であるという利点があり、両者はそれぞれ上記のその他の材料に比べてより低屈折率、またはより高屈折率であるから、これらを用いれば反射率を効果的に高めることが可能である。但し、現時点における半導体集積技術との整合性を考えると、これらの選択は困難である。なお、SiO2 ,Si3 4 は通常の半導体集積回路に絶縁膜として用いられることから、プロセス整合性がよい。こうしたプロセス整合性の観点からは、低屈折率材料としてはAl2 3 (屈折率1.6)またはSiO2 (屈折率1.4)、高屈折率材料としてはSi3 4 (屈折率2.1)を用いることが望ましい。
【0027】
(誘電体層の膜厚)
このようにして、第1の誘電体層17および第2の誘電体層18の組を(SiO2 /Si3 4 )の2層構造としたのち、所望の波長帯域で所定の反射率が得られるように逆算してそれぞれの膜厚を決定する。例えば光の3原色R(642nm),G(532nm),B(457nm)全てに対して〜0.95程度以上の反射率を有するという条件で求めたこれらの厚みは、第1の誘電体層17(SiO2 )が65nm〜95nm、第2の誘電体層18(Si3 4 )が50nm〜80nmであり、それぞれ75nm〜85nm,64nm〜80nmとするとより高い反射率が得られ好ましい。
【0028】
なお、ここでは、第2の誘電体層18のみならず構造体15もまたSi3 4 で構成されるが、このような場合には、回折部20の応力を当初の設計通りとするために両者の総厚を考慮する必要がある。構造体15は、通常700℃以上の高温で成膜され、1GPa程の大きな残留応力を持つのに対し、第2の誘電体層18は、反射層16の上に低温で成膜されなければならず、その厚みあたりの応力は構造体15よりも小さくなる。そこで、ここでは第2の誘電体層18の応力を構造体15の応力の半分と見積もり、構造体15の厚みを基本設計における値から第2の誘電体層18の厚みの半分を減じた値に修正するものとする。このように、構造体15の厚みは通常の基本設計では例えば92nmであるが、50nm〜70nmとすることが好ましい。
【0029】
また、構造体15の最上部にあたる層、ここでは第2の誘電体層18については、後述するように、その形成時にエッチング等の影響により膜厚が減少することを考慮して、その分だけ予め厚みを余分に取っておく。
【0030】
【実施例】
ここでは、上記実施の形態に係る光変調素子10に対して誘電体層の設計を行なった実施例について説明する。
【0031】
以下の回折部20の反射率の計算には、市販されている光学薄膜設計ソフトウエア(Film Star Ver.1.42,FTG Software 社製, 米国)を用いた。本実施例では、入射光を斜入射ランダム偏光として計算を行った。また、表面粗さによる散乱は無視することにし、各材料の屈折率nおよび消衰係数kには、SiO2 ,Si3 4 については、"Properties of Silicon, EMIS dataviews no.4",IEEE,1988を参照し、非晶質Si、Al2 3 およびAlについてはEdward D.Palik,"Handbook of Optical Constants of Solids",Academic Press,1985の値を用いて計算した。なお、回折部20の反射率は、400nm〜700nmの波長域に対して分光特性を求めることにした。
【0032】
以上の条件で、まず、従来の標準的構造をもつ回折部について反射率を検討した。その構造は、Si3 4 の構造体(92nm)の上に、Al反射層(50nm)、Al2 3 自然酸化膜(1nm)が設けられているものとした。自然酸化膜は、大気暴露などの酸化性雰囲気でAl反射層を形成する際に、その表面に自然に形成されるものである。Al反射層を保護するためには、Al2 3 自然酸化膜を積極的に増加させる方法が一般的である。そこで、Al2 3 膜がない場合とAl2 3 膜の厚みを1nm,10nm,50nmと増加させた場合について反射率の分散を計算した。その結果を図3に示す。これにより、Al2 3 膜が設けられた回折部の反射率は、対象となる全波長域において低下し、その膜厚の増大に従って反射率が低下することがわかる。従って、Al2 3 膜は保護膜にはなるが、反射率を低減させる。但し、Al反射層の形成に伴って自ずと形成される通常の自然酸化膜(膜厚1nm)については、図のように反射率に与える影響は非常に小さい。この結果に基づき、以後の回折部の設計にあたっては、自然酸化膜を考慮しないことにした。
【0033】
ところで、Al2 3 は低屈折率の誘電体材料でもある。そこで、Al2 3 に換え、誘電体材料SiO2 ,Si3 4 の単層膜をAl反射層の上に10nmの厚みで設け、屈折率を変化させた場合について反射率の分散を計算した。その結果を図4に示す。これらの場合にも、回折部の反射率は対象となる全波長域において低下する。この結果から、反射層の上に誘電体層を設ける場合にも、単層膜では逆に反射率を低下させることがわかった。
【0034】
そこで次に、式1に基づき、反射層16の上に設ける誘電体多層膜の最適化を検討した。
(Metal substrate) L'H (LH)^n Air …(式1)
低屈折率層と高屈折率層の組(LH)は(SiO2 /Si3 4 )とし、その厚みは可視波長域のほぼ中央にある550nmの1/4とした。この条件で、(LH), (LH)^2 ,(LH)^3 , (LH)^7 と組数を変化させて誘電体層をAl反射層15の上に設けた場合について反射率の分散を計算した。その結果を図5に示す。反射層のみの反射率は、図のように400nm〜700nmの帯域でおよそ0.905〜0.925の間にあるが、その上に誘電体多層膜を設けると、550nmを中心波長として反射率は増大する。例えば、(LH)^7 の場合には、500nm〜600nmの帯域での反射率は0.999である。このように、(LH)の組数が増えるにつれて反射率は増大するが、同時に高反射率である帯域幅は狭くなってゆく。従って、誘電体多層膜を付加することにより、反射率分散が所望の波長帯域で閾値を超えるように回折部20を適宜設計することが可能なことがわかる。
【0035】
但し、高反射率に設計する場合には、単一の素子10で可視光全域をカバーすることは難しくなる。そのため、例えばレーザディスプレイ等の用途においては、反射率を高く設定することに限界が生じる。また、高い反射率は、その分散の帯域幅のみならず質量増大による素子10のスイッチング特性低下と引き換えに得られる。また、図5からは、(LH), (LH)^2 ,(LH)^3 の反射率を比較することにより、1組目の(LH)では0.04、2組目の(LH)では0.02、3組目の(LH)では0.01と、(LH)の組数が増えるに従って1組あたりの光吸収(すなわち反射率増強効果)が減少していることがわかる。これらのことから、誘電体層を少ない組数で効果的に設けるには、(LH)1組が適切であることが示唆される。
【0036】
次に、(LH)を(Al2 3 /Si3 4 )とし、550nmの1/4の厚みで1組だけAl反射層15の上に設けた場合について反射率の分散を計算した。その結果を、先に求めた反射層15のみの場合と、同一条件の(SiO2 /Si3 4 )の場合と共に図6に示す。図より明らかなように、低屈折率層はSiO2 であるほうがAl2 3 であるよりも屈折率が高く、しかも帯域も広い。これはSi3 4 に対し、SiO2 のほうがAl2 3 より屈折率差が大きく分散の差が小さいことによる。従って、低屈折率材料としては、SiO2 のほうがAl2 3 に比べ、より好ましいことがわかる。
【0037】
次に、Al反射層15の上に設ける(LH)を(SiO2 /Si3 4 )1組とし、R(642nm),G(532nm),B(457nm)の3波長に対して反射率が〜0.95以上という条件で(LH)の厚みの最適化を行なった。その結果、SiO2 層は80.7nm、Si3 4 層は67.4nmのときに、波長457nmでは反射率0.949、波長532nmでは反射率0.959、波長642nmでは反射率0.946という値が得られた。図7に、この(LH)の膜厚が最適化された場合と、膜厚が中心波長550nmの1/4(QWT)であり、その他は同一条件の場合における反射率の分散を示す。このように、最適化された(LH)は、QWT膜よりも高反射率となる帯域が短い波長側にあり、457nm〜642nmの帯域で平均するとQWT膜よりも高い反射率を保つことがわかる。従って、このように厚みを設計することにより、単一の素子10でRGB3色に対応することが可能となる。
【0038】
更に、最適化された(LH)を用いた回折部20の構成について考察した。上記実施の形態に説明したように、構造体15の厚みは、(LH)に発生する応力を厚みに換算し、それを差し引いたものとすることが好ましい。本実施例についても同様に考えると、構造体15の厚みは標準的構造の92nmからSi3 4 層の厚み67.4nmの2分の1を差し引いた値、すなわち58.3nmとなる。従って、この場合の回折部20は、構造体15(Si3 4 ;58.3nm)、反射層16(Al;50nm)、自然酸化膜(Al2 3 ;1nm)、第1の誘電体層17(SiO2 ;80.7nm)、第2の誘電体層18(Si3 4 ;67.4nm)と最適化される。
【0039】
また、Al反射層15の上に設ける(LH)を(SiO2 /Si3 4 )1組とし、R(642nm),G(532nm),B(457nm)のそれぞれに対する反射率について(LH)の厚みの最適化を行なった。その結果、各波長毎に得られたSiO2 層とSi3 4 層の最適膜厚を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004582380
【0041】
この波長毎の膜厚で誘電体層17,18を設けた回折部20について、それぞれ波長分散を求めた。その結果を図8に示す。このように、RGBの3波長各々について個別に誘電体膜厚を設計すれば、波長毎に素子10を設けることができ、その回折部20の反射率もより高く設定することができる。なお、最適膜厚は屈折率変動による変動幅等を考慮すると、以下のような規定範囲が得られる結果となった。すなわち、B(457nm)に対しては、SiO2 層,Si3 4 層の各厚みは50nm〜77nm,38nm〜60nmが好ましく、61nm〜67nm,46nm〜51nmがより好ましい。G(532nm)に対しては、SiO2 層,Si3 4 層の各厚みは65nm〜98nm,50nm〜80nmが好ましく、78nm〜86nm,61nm〜69nmがより好ましい。また、R(642nm)に対しては、SiO2 層,Si3 4 層の各厚みは78nm〜120nm,64nm〜96nmが好ましく、92nm〜102nm,75nm〜84nmがより好ましい。
【0042】
更にまた、上記の実施の形態では光変調素子10を可視光域について最適化したが、ここでは、800nm以上の赤外域について最適化する。反射層16に用いられるAlは、赤外域での吸収が0.20と大きい。そこで、中心波長を830nmとする以外は第1の実施の形態と同様にして、誘電体層17,18の厚みを最適化した。なお、誘電体層の層数は、(LH), (LH)^2 の2通りとした。その結果、得られたSiO2 層,Si3 4 層の各厚みは、(LH)については129.04nm,103.91nmであった。(LH)^2 については、1層目が136.34nm,105.53nmであり、2層目が115.09nm,103.80nmとなった。このときの反射率分散を図9に示す。図には、比較のため反射層16についての反射率分散も示したが、誘電体層17,18を設けることにより反射率はかなり大きく向上することがわかる。このように、反射層16の吸収が大きい近赤外域では、誘電体層17,18の反射率増強効果がより顕著である。近赤外域の高出力半導体レーザは、既に容易に手に入れることができるので、このような光変調素子を空間変調器として用いることによって微細加工システム、例えばレーザプリンタ等の微細描画装置への応用が可能となる。その場合に、本実施例のように誘電体層をAlなどからなる光の反射面に設けると、反射層16の光吸収による発熱も抑制することができる。
【0043】
以上の実施例により、回折部20に設けられる誘電体層を、反射率分散および応力の観点から所望の条件に対して最適化できることが判明した。また更に、このようにしてレーザディスプレイなどに好適に用いられる光変調素子10を設計すれば、簡易な構成で、容易に、素子の特性を損なわずに光の利用効率を高めることが可能であることがわかる。
【0044】
次に、このような光変調素子10の製造方法について説明する。
【0045】
本実施の形態では、基板11の上に構造体15、反射層16を形成したのちに誘電体層17,18を形成するが、反射層16の形成までの工程は特に限定されるものではなく、従来どおりの方法を用いることができる。そのような工程の一例を説明すると、例えば、図10に示したようにケイ素(Si)からなる基板11を用意し、その上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiO2 からなる厚み500nmの絶縁層12、タングステン(W)からなる厚み100nmの下部電極13を順に形成する。次いで、下部電極13を所定の電極形状にパターニングする。更に、図11に示したように、下部電極13の上に犠牲層14aを形成し、これをエッチングにより空隙14の形状にパターニングする。なお、犠牲層14aの厚みは、例えば130nm程度であり、ここでは目的の波長の1/4とする。この犠牲層14aの上に、図12に示したように、例えばSi3 4 からなる厚み50nm〜70nmの構造体15、およびアルミニウム(Al)からなる厚み50nmの反射層16を順に形成する。
【0046】
次に、図13に示したように、反射層16の上に更に第1の誘電体層17および第2の誘電体層18を順に形成する。第1の誘電体層17は、例えばSiO2 を用いて65nm〜95nmの厚みに成膜し、第2の誘電体層18は、例えばSi3 4 を用いて50nm〜80nmの厚みに成膜する。その成膜には、例えばプラズマCVD法が用いられる。ここではAl層上に成膜することから、半導体製造工程において一般的に用いられているプラズマCVD法を例として挙げたが、これに限定されず、減圧CVD法あるいは常圧CVD法、蒸着法、塗布形成などにより成膜するようにしても構わない。なお、プラズマCVD法は、減圧CVD法に比べ、形成される薄膜の厚みの制御性や均一性の点で劣るとされている。しかしながら、例えば±5%の膜厚分布が生じると仮定して本発明者が算出した反射率の変動は、素子の中心波長に近いG(532nm)において0.001以下、B(457nm)で0.009以下、R(642nm)で0.005以下であり、実用上問題ないことが判明しており、その膜厚のばらつきは十分に許容範囲内であると考えられる。
【0047】
第1の誘電体層17(SiO2 )の形成は、例えば原料ガスとしてシラン(SiH4 )を90ml/分、N2 Oを2000ml/分、N2 を3000ml/分導入し、マイクロ波を2kW印加して行う。また、第2の誘電体層18(Si3 4 )の形成には、N2 Oに代えてアンモニア(NH3 )を500ml/分導入すればよい。なお、反射層16を形成した後、連続して直ちにこれらの誘電体層17,18を形成するようにすると、各種洗浄処理から反射層16を保護することができ、好ましい。
【0048】
次に、構造体15,反射層16および誘電体層17,18をエッチングにより所定形状にパターニングし、複数の回折部20を形成する(パターン形成)。例えば、リボン形状とした場合の寸法は、長さ20μm,幅5μmとすることができる。なお、誘電体層17,18(SiO2 /Si3 4 )のエッチングには、例えばCF4 ,C4 8 のようなフッ化炭素系のガスを用いることができる。
【0049】
このエッチング時にはマスクとして図示しないレジスト膜が設けられるが、その除去の際に、第2の誘電体層18も一緒に若干除去される。しかし、第2の誘電体層18は元々、ここでの減少分を見込んだ厚みで形成されているため、この工程を経た後に設計上の厚み寸法となる。また、誘電体層17,18が設けられているために、反射層16の表面はこれらに保護され、一連のエッチング工程の影響を直接受けることが防止され、成膜時の状態が保たれる。従って、本実施の形態の製造方法によれば、これまでは反射面16aに損傷を与える可能性があるために行うことができなかった回折部20の洗浄を、特別な制限なく導入することが可能となる。更に言えば、例えばスクラッチ等が問題となり取り入れることができなかったブラシ洗浄等を工程に組み込むことも可能になると考えられ、作製される素子10の性能向上を期待することができる。
【0050】
こののち、犠牲層14aをエッチング除去し、図1に示した素子10が完成される。なお、素子10を実際に使用するにあたっては、各電極12,16に対し駆動回路(図示せず)を接続するほか、回折部20の周囲を乾燥窒素で満たされた透明ガラス板等によりシールドして酸化や破損を防止する。
【0051】
なお、ここでは、犠牲層14aの上に構造体15,反射層16および誘電体層17,18を形成した後に回折部20の形状にパターニングするようにしたが、構造体15および反射層16を先にパターニングし、回折部20の形状に加工してから誘電体層17,18を形成するようにしてもよい。
【0052】
次に、本実施の形態による光変調素子10の動作について図14,15を参照して説明する。まず、図14に示したように、いずれの下部電極12と反射層16の間にも電圧を印加しない場合には、全ての回折部20の反射面16aは同一平面上に並び、フラットミラーを形成する(状態I)。この状態では、反射面16aに対し垂直に入射された光は、反射面16aで入射方向に反射される。一方、図15に示したように、ここでは1つおきの回折部20について下部電極12と反射層16の間に電圧を印加すると、静電力によって基板11側へ引き付けられて回折部20が一つおきに変位し、反射面16a全体は回折面を形成する(状態II)。このとき隣接する反射面16aの高さの差dは、入射光の波長をλとするとλ/4となる。この状態で回折面に光を入射すると、隣接する反射面16aにおける反射光の光路差はλ/2となり、反射の代わりに入射角と異なる角度θに回折光が生じる。この角度θは、回折部20の幅と入射波長λによって回折の次数ごとに一意的に決まった値をとる。その際、ここでは反射面16aの上に誘電体層17,18を設けるようにしたので、回折部20における波長λに対する反射率が向上し、反射光および回折光の強度が高まる。
【0053】
この素子10に対し、例えば、1次の回折光に対して開口数を設定した光学系を用いて、状態IIのときに生じる1次光のみを取り出すようにすると、状態Iにおける反射光は光学系に捕捉されない。このように、ある次数の回折光を選んで検出するようにすると、高いコントラストで光強度が変調される。また、誘電体層17,18は、回折部20全体の応力が所定値となるように考慮して付設されているので、素子10のスイッチング速度の低下が起こることがない。
【0054】
このように、本実施の形態では、反射面16aの上に低屈折率の第1の誘電体層17と高屈折率の第2の誘電体層18とを、それぞれ反射率と層内の応力とを考慮して設定された所定の厚みと材質で設けるようにしたので、素子10の機械的動作を妨げることなく、簡易な構成で光源からの入射光の利用効率を効果的に高めることができる。また、誘電体層17,18が反射層16の光吸収を抑制するので、高出力レーザを入射させることが可能となり、その際のヒーロック発生も低減できる。更に、これら誘電体層17,18は、反射面16aの保護膜として機能するので、素子10の劣化が防止されると共に、その製造時に反射層16の表面が各種洗浄処理およびエッチング工程の影響により損傷することが防止され、歩留まりの向上および製造プロセスの運用マージン拡大が可能となる。
【0055】
更に、本実施の形態では、構造体15と第2の誘電体層18を共にSi3 4 で構成し、それらの応力の総計が所望の値となるように構造体15の厚みを規定するようにしたので、回折部20にかかる応力、ひいては素子10の機械的特性を設計通りとすることができ、そのスイッチング速度を所望の値とすることができる。
【0056】
更にまた、第2の誘電体層18は、形成後の工程において表面付近がエッチングにより削られ厚みが変化することを予め考慮して厚めに形成されるようにしたので、完成された素子10におけるその厚みを、当初の設計通りとすることができる。
【0057】
〔変形例〕
図16,17は、上記実施の形態の変形例を表している。これらは、第1の誘電体層17b、第2の誘電体層18bがそれぞれの反射面16a上の領域にのみ設けられていることを除けば、上記実施の形態と同様の構成をしている。先に条件(i) ,(ii)について述べたように、誘電体層は反射層16の保護膜としては多層化する必要はなく、構造体15の全面に多数の層を形成する場合には、回折部20全体の応力を考慮しなければならず、条件によっては質量増加により回折部20の共振特性を大きく変化させる虞がある。これに対して、これら変形例では、誘電体層17,18のうち一方が反射面16a上にのみ設けられ、反射面16a上でのみ2層が揃うようになっている。従って、これらによれば、回折部20の反射率を増大させると共に、その質量および応力の増加を簡易な方法で積極的に抑えることができる。
【0058】
〔光学装置〕
図18は、本発明の光変調素子を用いた光学装置の一例として、上記の光変調素子10を用いて構成されたレーザディスプレイの構成を表している。このレーザディスプレイ100は、例えば、大型スクリーン用プロジェクタ、特にディジタル画像のプロジェクタとして用いられたり、コンピュータ画像投影機として用いられるものである。
【0059】
レーザディスプレイ100は、赤(R),緑(G),青(B)各色の光源としてレーザ101R,101G,101Bと、各光源に対して設けられた光変調素子10R,10G,10B、各色用の照明光学系103R,103G,103B、ミラー102、色合成フィルタ104、空間フィルタ105、ディフュ−ザ106、ガルバノスキャナ107、投影光学系108およびスクリーン109を備えている。なお、レーザ101R,101G,101Bには、例えば、R(642nm,光出力約3W)、G(532nm,光出力約2W)、B(457nm,光出力約1.5W)がそれぞれ用いられ、色合成フィルタ104は、例えばダイクロイックミラーで構成される。
【0060】
このレーザディスプレイ100では、レーザ101R,101G,101Bから射出されたRGB各色のレーザ光は、それぞれ照明光学系103R,103G,103Bにより光変調素子10R,10G,10Bに入射される。ここで、各レーザ光は色分解された画像信号であり、光変調素子10R,10G,10Bに同期入力されるようになっている。更に、各レーザ光は光変調素子10R,10G,10Bに回折されることにより空間変調され、これら3色の回折光が色合成フィルタ104によって合成されると、空間フィルタ105によって信号成分のみが取り出される。次いで、このRGBの画像信号は、ディフュ−ザ106によってレーザスペックルが低減され、画像信号と同期するガルバノスキャナ107により空間に展開され、投影光学系108によってスクリーン109上にフルカラーの画像として投影される。
【0061】
このようなレーザディスプレイ100では、RGB全て同一構造の光変調素子10を用いると、射出される画像信号の光束は約310ルーメンとなり、従来の光変調素子を用いた本実施の形態と同一構成のディスプレイにおける信号の光束が約300ルーメンであることから、光源の利用効率が向上する。また、RGBそれぞれの波長に対して最適化された光変調素子10を用いると、信号の光束は約320ルーメンと更に向上する。
【0062】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、誘電体層の設計にあたっての条件を具体的に説明したが、これらは設計条件の一例であって、これらの条件やそこから得られる膜厚や反射率によって本発明を限定するものではない。加えて、一般に薄膜の光学定数は成膜条件によって容易に変化することはよく知られており、上記実施の形態や実施例で述べた膜厚や反射率等がこれらの値に一意に決められるわけではない。むしろ、設計条件は、光変調素子10が応用される装置に要求される条件に応じて適宜選択されるべきものである。例えば、上記実施の形態および実施例では、誘電体層(LH)を1組設けるようにしたが、単一波長を扱う場合には更に(LH)の組を増設して回折部20の高反射率化を図るようにしてもよい。但し、その場合に、(LH)の増加に対して回折部20の質量増加を伴うときには、その機械的電気的特性の劣化に配慮する必要がある。
【0063】
また、上記実施の形態および実施例では、誘電体層の設計手順を具体的に説明したが、設計方法はこれに限らず、個々の場合について適宜変形可能である。例えば、誘電体層の厚みを優先的に決めて、応力から逆算して構造体の厚みを決定してもよい。また、素子のスイッチング速度がさほど重要でなければ、誘電体層に発生する応力を考慮しなくとも構わない。
【0064】
更に、上記実施の形態では、RGB各色に対応した光変調素子10R,10G,10Bを用いてレーザディスプレイを構成するようにしたが、本発明の光変調素子はこれ以外の構成を有する各種のディスプレイについても適用可能である。例えば、光源を白色光とする一方で、RGBそれぞれの波長の光のみを反射して(それ以外の光は回折する)各色を表示するように回折部20の幅が異なる光変調素子10R,10G,10Bが1画素を構成するようにしてもよい。また、単一の光源からの白色光を、RGBの画素データからなる画像情報に同期したカラーホイールでを通して光変調素子10に入射させるようにすることもできる。更に、例えば、単一の光変調素子10を用いて、RGBのLED(発光ダイオード)からの光を回折し、画素毎の色の情報を再生するように構成すれば、簡単なハンディタイプのカラーディスプレイとなる。
【0065】
加えて、本発明の光変調素子は、上記実施の形態のようなレーザディスプレイ等のプロジェクタ類だけでなく、光通信におけるWDM(Wavelength Devision Multiplexing;波長多重)伝送用の各種デバイス、MUX(Multirlexer;パラレル−シリアル変換器/多重化装置) ,DEMUX(Demultirlexer;パラレル−シリアル変換器/分配化装置) あるいはOADM(Optical Add/Drop Multiplexer),OXC(Optical Cross Connect)等の光スイッチとして用いることもできる。更に、例えばディジタル画像等を直画できる微細描画装置,半導体露光装置や、プリンタエンジンなど、その他の光学装置にも適用することができる。
【0066】
また、上記実施の形態では、光変調素子10R,10G,10Bを用いて空間変調を行うレーザディスプレイについて説明したが、本発明の光変調素子は位相、光強度などの干渉・回折により変調可能な情報のスイッチングを行うことができ、これらを利用した光学装置に応用することが可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項1のいずれか1項に記載の光変調素子によれば、反射面上に、第1の誘電体層とこの第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層が形成されているようにしたので、反射面における反射率が増大し、簡易な構成で効果的に光の利用効率を向上させることができる。同時に、反射面における光吸収とそれに伴う発熱が抑制され、素子としての信頼性を向上させることができ、反射面が誘電体層で保護されるために、その製造を容易なものとすることができる。
また、第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層が金属層のうちの反射面上に選択的に形成されていると共に、他方の誘電体層が金属層の全面に形成されているようにしたので、回折部の反射率を増大させつつ、その質量および応力の増加を簡易な方法で積極的に抑えることができる。
【0068】
また、請求項1ないし請求項1のいずれか1項に記載の光学装置によれば、本発明の光変調素子を含んで構成されているようにしたので、光源の利用効率が向上する。また、素子の反射面における光吸収が防止され、装置の発熱やヒーロックの発生が抑えられて寿命や信頼性を向上させることができる。
【0069】
また、請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の光変調素子の製造方法によれば、回折部本体を形成した後に、その上に金属層を設けることにより反射面を形成し、更にその上に、第1の誘電体層とこの第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層を形成するようにしたので、金属層が誘電体層により保護され、素工程の選択自由度やプロセスの運用マージンを拡げることができ、より容易に、より高い歩留まりで光変調素子を製造することができる。
また、誘電体層を形成する際に、第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層を金属層のうちの反射面上に選択的に形成すると共に、他方の誘電体層を金属層の全面に形成するようにしたので、回折部の反射率を増大させつつ、その質量および応力の増加を簡易な方法で積極的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光変調素子の概略構成を表す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る光変調素子の断面図である。
【図3】本発明の実施例におけるAl2 3 膜を付設した回折部の反射率分光特性であり、その膜厚依存性を表す図である。
【図4】本発明の実施例における誘電体単層膜を付設した回折部の反射率分光特性であり、その誘電体材料依存性を表す図である。
【図5】本発明の実施例における誘電体多層膜を付設した回折部の反射率分光特性であり、その誘電体層数依存性を表す図である。
【図6】本発明の実施例における誘電体多層膜を付設した回折部の反射率分光特性であり、その低屈折率層の材料依存性を表す図である。
【図7】本発明の実施例における可視光域で高反射率となるように膜厚が設定された誘電体多層膜を付設した回折部の反射率分光特性であり、一般的なQWT膜が付設された場合の反射率分光特性とを比較した図である。
【図8】本発明の実施例におけるRGBのそれぞれに対し高反射率となるように膜厚が設定された誘電体多層膜を付設した3種の回折部の反射率分光特性である。
【図9】本発明の実施例における赤外域で高反射率となるように膜厚が設定された誘電体多層膜を付設した回折部の反射率分光特性であり、その誘電体層数依存性を表す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る光変調素子の製造方法を説明するための工程を表す図である。
【図11】図10に続く工程図である。
【図12】図11に続く工程図である。
【図13】図12に続く工程図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る光変調素子の動作を説明するための図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る光変調素子の動作を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態の変形例に係る光変調素子の回折部の構成を表す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態のもう一つの変形例に係る光変調素子の回折部の構成を表す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態に係るレーザディスプレイの概略構成を表す図である。
【図19】従来の光変調素子の概略構成を表す図である。
【符号の説明】
10,10R,10G,10B…光変調素子、11…基板、12…絶縁層、13…下部電極、14…空隙、14a…犠牲層、15…構造体、16…反射層、16a…反射面、17…第1の誘電体層、18…第2の誘電体層、20…回折部、100…レーザディスプレイ、101R,101G,101B…レーザ、102…ミラー、103R,103G,103B…照明光学系、104…色合成フィルタ、105…空間フィルタ、106…ディフュ−ザ、107…ガルバノスキャナ、108…投影光学系、109…スクリーン

Claims (26)

  1. 上面の一部分を反射面とする金属層を備えた複数の回折部が並列して構成され、
    前記反射面上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層が形成されており、
    前記第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層は、前記金属層のうちの前記反射面上に選択的に形成されていると共に、他方の誘電体層は、前記金属層の全面に形成されている
    光変調素子。
  2. 前記一方の誘電体層は、前記反射面の少なくとも一部を覆うように設けられてい
    求項1に記載の光変調素子。
  3. 前記誘電体層は、総体としての反射率が所望の値となるように層数が設定されてい
    求項1に記載の光変調素子。
  4. 前記誘電体層の各々は、総体としての反射率が所望の値となるように屈折率および厚みの少なくとも一方が設定されてい
    求項1に記載の光変調素子。
  5. 前記誘電体層の各々は、総体としての応力が所望の値となるように厚みが設定されてい
    求項1に記載の光変調素子。
  6. 前記誘電体層は、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層の組が周期的に積層されたものであ
    求項に記載の光変調素子。
  7. 前記第1の誘電体層は、フッ化マグネシウム(MgF2 ),酸化ケイ素(SiO2 )および酸化アルミニウム(Al2 3 )の少なくとも1種を含
    求項に記載の光変調素子。
  8. 前記第2の誘電体層は、窒化ケイ素(Si3 4 ),窒化アルミニウム(AlN),酸化チタン(TiO2 )および酸化タンタル(Ta2 5 )の少なくとも1種を含
    求項に記載の光変調素子。
  9. 前記金属層は、銀(Ag),金(Au),アルミニウム(Al)およびチタン(Ti)のいずれか1種あるいはその合金を含
    求項1に記載の光変調素子。
  10. 前記回折部は静電力により駆動され
    求項1に記載の光変調素子。
  11. 上面の一部分を反射面とする金属層を備えた複数の回折部が並列して構成され光変調素子を含み、
    前記光変調素子では
    前記反射面上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層が形成されており、
    前記第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層は、前記金属層のうちの前記反射面上に選択的に形成されていると共に、他方の誘電体層は、前記金属層の全面に形成されている
    光学装置。
  12. 表示装置として用いられ
    求項1に記載の光学装置。
  13. 光通信装置として用いられ
    求項1に記載の光学装置。
  14. 描画装置として用いられ
    求項1に記載の光学装置。
  15. 半導体露光装置として用いられ
    求項1に記載の光学装置。
  16. 上面の一部分を反射面とする金属層を備えた複数の回折部が並列して構成され光変調素子の製造方法であって、
    前記回折部本体を形成した後に、その上に前記金属層を設けることにより前記反射面を形成し、更にその上に、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層に比して高い屈折率を有する第2の誘電体層とからなる誘電体層を形成すると共に、
    前記誘電体層を形成する際に、前記第1および第2の誘電体層のうち、一方の誘電体層を前記金属層のうちの前記反射面上に選択的に形成し、他方の誘電体層を前記金属層の全面に形成する
    光変調素子の製造方法。
  17. 前記金属層を前記回折部本体の全面に形成する工程と、
    前記誘電体層を前記金属層の上に形成する工程と、
    前記金属層および前記誘電体層を所定形状にパターン形成する工程と
    を含む請求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  18. 前記金属層を前記回折部本体の全面に形成し、所定形状にパターン形成する工程と、
    パターン化された前記金属層を覆うように前記誘電体層を形成する工程と
    を含む請求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  19. 前記誘電体層を総体としての反射率が所望の値となる層数で形成す
    求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  20. 前記誘電体層の各々に対し、総体としての反射率が所望の値となるように材料を選定す
    求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  21. 前記誘電体層の各々を、パターン形成後の厚みが総体としての反射率を所望の値とするように形成す
    求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  22. 前記誘電体層の各々を、パターン形成後の厚みが総体としての応力を所望の値とするように形成す
    求項1に記載の光変調素子の製造方法。
  23. 前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層の組を周期的に積層す
    求項16に記載の光変調素子の製造方法。
  24. 前記第1の誘電体層を、フッ化マグネシウム(MgF2 ),酸化ケイ素(SiO2 )および酸化アルミニウム(Al2 3 )の少なくとも1種を用いて形成す
    求項16に記載の光変調素子の製造方法。
  25. 前記第2の誘電体層を、窒化ケイ素(Si3 4 ),窒化アルミニウム(AlN),酸化チタン(TiO2 )および酸化タンタル(Ta25 )の少なくとも1種を用いて形成す
    求項16に記載の光変調素子の製造方法。
  26. 前記金属層を、銀(Ag),金(Au),アルミニウム(Al)およびチタン(Ti)のいずれか1種あるいはその合金を用いて形成す
    求項1に記載の光変調素子の製造方法。
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