JP4200676B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,光通信機器またはコンピュータに適用するのに好適なレンズ素子等の光学素子,およびその製造方法とその実装装置用部品保持部材への実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野において,レーザダイオードや光ファイバと結合されるマイクロレンズ等の光学素子が提案されている。例えば特開平11−194240号公報には,光ファイバから出射される光を平行光にするロッドレンズが記載されている。また,上記分野やCD等の光ディスク再生装置では,回折光学素子を用いたマイクロレンズや微小光学素子が用いられている。この種の光学素子の製造方法として,フォトリソ・エッチングプロセスを用いる方法が考案されている。この方法では,シリコン基板上にレンズ等の所望の形状をフォトリソグラフィ工程で形成した後,エッチングを行ってシリコンの不要な部分を除去して素子状の所望の光学素子を形成する。
【0003】
上記分野の光学部品は,通常,シリコン等の支持基板上に配置されて使用される。支持基板には,エッチングあるいは切削加工により形成された断面がV字形のV溝や,半導体レーザ配置用のテラス,V溝より大きな光学部品配置用の溝等が設けられている。支持基板に配置される部品はボンダと呼ばれる部品配置装置を用いて,支持基板上の所定位置に配置され,接着剤や半田等により固定される。ボンダにより配置される部品の大きさは一般に数百μm〜数mm程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常の光学部品の大きさは数百μmであるため,ボンダによる部品配置が可能である。しかしながら,上記のマイクロレンズや微小光学素子等の光学素子は単体のサイズが非常に小さい。例えばフォトリソ・エッチングプロセスを用いた光学素子では,100μm〜数百μm程度の大きさである。このサイズのため,フォトリソ・エッチングプロセスを用いた光学素子では,素子単体としてウエハから切り出して実装装置に配置する際の取り扱いや,ボンダへの供給が非常に困難となる。
【0005】
本発明は,このような問題に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,取り扱いが容易な光学素子,該光学素子の製造方法と実装方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,光学基板の表面に列状に形成された複数の光束変換部と,前記光束変換部の表面に対し略垂直な第1の平坦面を有し,且つ前記光束変換部の周辺の一部から前記光束変換部の成す列に沿って前記光束変換部を連結支持するように延設された取扱・支持部と,前記取扱・支持部から前記光束変換部の周辺の他部に沿う縁部を含んで張り出し,その先端に第2の平坦面を有する張出部と,を有する光学素子集合体を形成する工程と,前記光学素子集合体を,粘着面を有する粘着性保持部材の前記粘着面に前記第1の平坦面および前記第2の平坦面のいずれか一方が接するよう載置する工程と,前記粘着面に載置された前記光学素子集合体の前記取扱・支持部の所定位置を切断して,少なくとも1つの前記光束変換部を有する光学素子に分離する工程と,を具えることを特徴とする光学素子の製造方法が提供される。
【0007】
ここで光束変換部とは光束を変換する機能を有するものであり,例えば光束を収束,発散,反射,偏向等するものである。また,光束変換部は,配置条件により入射光束を平行光に変換するものも含む。光束変換部の具体例としては,レンズや,回折光学素子からなる素子等が挙げられる。
【0008】
光学基板は結晶基板により構成してもよく,例えばシリコン結晶基板を用いることができる。また,その他の結晶基板としては,GaAs,Inp,GaP,SiC,Ge等を材料とする基板が挙げられる。
【0009】
かかる構成によれば,第1または第2の平坦面のいずれか一方が保持部材との接触面となるように載置することにより,光学素子集合体の転倒を防止でき,安定した保持状態を確保できる。また,このような安定した状態では切断作業が容易となる。なお,前記第1の平坦面と前記第2の平坦面は略平行であるように構成してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下,図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を付すことにより,重複説明を省略する。図1は,本発明の実施の形態にかかるレンズ素子1の構成を示す斜視図である。レンズ素子1は,光学基板からなり,光学基板の片面に形成されたレンズ部2,レンズ部2と接続された取扱部4,縁部6,張出部9を有する。
【0017】
レンズ部2はここでは円形形状をしており,回折光学素子からなる。レンズ部2は,回折光学素子の1つであるCGH(Computer Generated Hologram)素子により形成してもよい。CGH素子は,所望の光学特性を示す光学素子の光路差関数から所望の光学特性を得るに必要なフォトマスクのパターンをコンピュータを用いて求め,そのマスクパターンを用いて光学基板の表面の所望箇所にエッチング処理を施すことにより,所望の光学特性を有する回折型光学素子を形成したものである。
【0018】
取扱部4は,レンズ部2,縁部6,張出部9と一体的に形成されている。具体的には,取扱部4は,図1に示す通り,その両端間の中間部でレンズ部2の外周の上部側を取り巻くように延設され,レンズ部2表面に略平行な面内でレンズ部2よりも広い幅を有し,全体として略直方体状の形状を有する。以下,レンズ素子1において,レンズ部2が形成されている側の面をレンズ形成面と呼ぶ。すなわち,レンズ形成面は取扱部4の一面も含む。取扱部4の上面はレンズ形成面に略垂直で平坦に形成されており,この面を上方平坦面7と呼ぶ。
【0019】
取扱部4の寸法としては,例えば,レンズ形成面における横方向の幅W1は250μm,レンズ形成面における縦方向の高さhは100μm,レンズ形成面からその対向面にわたるレンズ形成面に対して垂直な方向の厚さtは100μmとできる。よってこの場合,上方平坦面7の大きさは250μm×100μmとなる。以下,幅W1,高さh,厚さt各々の方向に平行な方向をそれぞれ幅W方向,高さh方向,厚さt方向と呼ぶ。取扱部4は単体のレンズ素子1の実装時等の取り扱いを容易にするために用いられる。
【0020】
縁部6はレンズ部2の下部側に位置し,その最下部は上方平坦面7と略平行な直線状の部分を有し,その他の部分はレンズ部2の円周形状に沿った円弧形状を有する。この縁部6の直線状の形状および円弧形状を呈する外形はレンズ形成面側からその対向面側まで延びており,張出部9を構成している。すなわち,張出部9は,取扱部4の中間位置から縁部6を含んで下方へ張り出しており,その先端に上方平坦面7と略平行で平坦な下方平坦面5を有する。上方平坦面7の中央部分と下方平坦面5は対向している。上方平坦面7,下方平坦面5は後述のように,レンズ素子1を保持部材上に安定して保持するために設けられている。下方平坦面5の幅W方向の長さW2は例えば50μmとでき,この場合,下方平坦面5の大きさは50μm×100μmとなる。
【0021】
張出部9のレンズ形成面側およびその対向面側の2つの端面は取扱部4の所定の対応する面とそれぞれ同一平面となる。そしてこの張出部9の一方の端面とそれに対応する取扱部4の所定の面とで成す平面にレンズ部2が形成されている。なお,上述の説明では,縁部6はレンズ部2を囲むように設けられているが,レンズ部2の外周が縁部6を構成するようになっていてもよい。
【0022】
張出部9の外形は,レンズ形成面側からその対向面側まで,厚さt方向にわたって,その直線部分の寸法および円弧状部の外径寸法がほぼ一様であるように形成する。ただし,必要に応じ,これらの寸法は,厚さt方向にわたり,勾配をもってわずかに異なる寸法とすることもできる。張出部9の円弧形状部分の外径寸法は,レンズ素子1を半導体基板上に実装する際にレンズ素子1と結合される光ファイバの外径寸法と一致するようにすると実装時に好都合であり,この部分の円弧の外径寸法を例えばφ125μmの光ファイバに適合するよう形成してもよい。
【0023】
レンズ素子1を形成する光学基板としては,結晶基板を用いることができる。特に,レンズ素子1を適用する光学系の光源の波長が1.3μmまたは1.5μmである場合には,シリコン結晶基板を用いることができる。
【0024】
レンズ素子1は,例えば半導体技術で用いられるフォトリソ・エッチング技術を用いて,シリコン基板にレンズ素子1に対応する形状のパターンをフォトマスクパターンとして用いてエッチングを行うことにより作製可能である。
【0025】
以下に,レンズ素子1の本発明の第1の実施の形態に係る製造方法及び実装方法について説明する。まず,光学基板としてのシリコン基板10を準備する。シリコン基板10のサイズは例えば直径を4インチとすることができる。シリコン基板10上に複数のレンズ部2を列状に所定の間隔をおいて形成した後,各レンズ部2の周囲に縁部6,張出部9,取扱・支持部4aを形成し,これらからなるバー状のレンズ素子集合体12を形成する。図2はこのようにしてシリコン基板10上に複数のレンズ素子集合体12が整列されて形成された状態を示す図であり,図2(a)は上面図,図2(b)は図2(a)のA−A’断面における断面図を示す。
【0026】
各レンズ部2の一部側には,上述のような直線状の形状および円弧形状を呈する縁部6および張出部9が形成されている。張出部9の先端にはレンズ部2表面に略垂直で平坦な下方平坦面5が形成されている。レンズ部2の外周の他部側には,略直方体状の取扱・支持部4aが形成されている。取扱・支持部4aは,略直方体形状を有し,レンズ部2の外周の他部側でレンズ部2と接続し,レンズ部2表面に略平行な面上でレンズ部2を越えてレンズ部2の列方向に沿って伸長し,1列中の全レンズ部2を接続して一体化するように形成されている。取扱・支持部4aは,レンズ部2表面に略垂直で平坦な上方平坦面7aを有する。
【0027】
レンズ部2の形成では,例えば半導体技術で用いられるフォトリソ・エッチング技術を用いて,シリコン基板10の表面にエッチング処理を施すことにより,所望の光学特性を示す多数のレンズ部2を一括的かつ高精度に形成することができる。さらに,各レンズ素子集合体12に対応する形状のパターンをフォトマスクパターンとして用いて,エッチングすることにより,各レンズ素子集合体12がシリコン基板10上に形成できる。このエッチングにより,上方平坦面7a,下方平坦面5が形成される。
【0028】
この状態のシリコン基板10をワックス等にて保持基板に固定した後,レンズ素子集合体12が形成されているのとは反対側の面を,各々のレンズ素子集合体12がシリコン基板10から分離されるまで研磨切削する。これにより,1枚のシリコン基板10から図3に示すように複数のバー状のレンズ素子集合体12を得る。
【0029】
図4はバー状のレンズ素子集合体12の構成を示す要部斜視図である。上述のように一方向に伸長した取扱・支持部4aは複数のレンズ部2,縁部6,張出部9と接続し,全体として複数のレンズ部2が棒状の取扱・支持部4aにより一体化され,バー状のレンズ素子集合体12を構成している。取扱・支持部4aの上面には平坦な形状を有する上方平坦面7aが形成されている。張出部9の下面には平坦な形状を有する下方平坦面5が形成されている。上方平坦面7aと下方平坦面5は略平行であり,対向する位置関係にある。上方平坦面7a,下方平坦面5は後述のように,レンズ素子集合体12を保持部材上に安定して載置するために設けられている。
【0030】
図4において,切断箇所14は,単体のレンズ素子1を形成する際にバー状のレンズ素子集合体12を切断する箇所を示す。切断箇所14で切断し,切り離すことにより,レンズ素子集合体12から図1に示す単体のレンズ素子1を形成できる。切断箇所14は,取扱・支持部4aにおける隣接するレンズ部2間に位置する。なお,レンズ素子集合体12における取扱・支持部4a,上方平坦面7aはそれぞれ,単体のレンズ素子1に分離した後は取扱部4,上方平坦面7と呼ぶ。
【0031】
図3に示すようなバー状のレンズ素子集合体12を形成後,図5に示すように粘着シート20上に複数のレンズ素子集合体12を下方平坦面5が粘着面に接する向きに配置し,粘着シート20により複数のレンズ素子集合体12を保持する。粘着シート20は,伸長性を有し,表面に粘着面を有するシート状の保持部材であり,粘着面上に載置された物体を安定して保持できる。粘着シートには例えば,UV粘着シートを用いることができる。UV粘着シートは,UV(Ultra Violet)光を照射することにより粘着面に接着されたものが剥離しやすくなる性質を有する。なお,図5では,3つのレンズ素子集合体12が載置された状態を示しているが,粘着シート20に載置可能なより多数の素子集合体12を載置してもよい。
【0032】
図5に示す状態で,図4に示す切断箇所14にダイヤモンドカッター等により傷を付け,レンズ素子集合体12に微小な力を加えて切断箇所14で取扱・支持部4aを破断する。破断により,図1に示すような単体のレンズ素子21が形成される。その後,粘着シート20を伸長し,図6に示すように各レンズ素子1間に間隔を持たせた状態にする。必要に応じて各レンズ素子1について検査を行った後,各レンズ素子1を図7に示すような実装装置用部品保持部材である保持トレイ22に下方平坦面5が接触面となるように載置して保持する。保持トレイ22の内部は,仕切24によりレンズ素子1が入る大きさの小空間に区分けされている。保持トレイ22は例えば,シリコーン樹脂を用いたチップトレイであってもよい。レンズ素子1は保持トレイ22に配置された状態で,実装装置に投入され,実装される。
【0033】
図8に支持基板30上にレンズ素子1を実装した例を示す。支持基板30上には断面がV字形のV溝32が形成されており,V溝32の側壁に,張出部9の円弧形状の部分が当接するようにレンズ素子1が載置されて,レンズ素子1が支持基板30に固定されている。また,V溝32には光ファイバ34が載置されて固定されている。光ファイバ34とレンズ素子1は,相互の光軸36が一致するように配置されて光学的に結合されている。
【0034】
本実施の形態では,レンズ素子集合体12の上面と下面にそれぞれ平坦な上方平坦面7aと下方平坦面5を形成した。これより,下方平坦面5を接触面として粘着シート20上にレンズ素子集合体12を安定した状態で保持できる。また,レンズ素子集合体12の破断作業も容易となる。さらに,破断後,単体のレンズ素子1となった状態においても,下方平坦面5が接触面となるよう保持トレイ22上に載置することにより,レンズ素子1の転倒を防止でき,安定した保持状態を確保できる。
【0035】
レンズ素子1の本発明の第2の実施の形態に係る製造方法及び実装方法について説明する。本実施の形態では,レンズ素子集合体12,レンズ素子1を粘着シート20に載置する向きが第1の実施の形態と上下逆になる。図3,図4に示すレンズ素子集合体12を製造する工程までは,第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。レンズ素子集合体12がシリコン基板10から分離されて形成された後について説明する。
【0036】
本実施の形態では,図9に示すように粘着シート20上に複数のレンズ素子集合体12を上方平坦面7が粘着面に接する向きに配置し,粘着シート20により複数のレンズ素子集合体12を保持する。なお,この場合も,粘着シート20に載置可能なより多数の素子集合体12を載置してもよい。
【0037】
図9に示す状態で,図4に示す切断箇所14にダイヤモンドカッター等により傷を付け,レンズ素子集合体12に微小な力を加えて切断箇所14で取扱・支持部4aを破断する。破断により,図1に示すような単体のレンズ素子1が形成される。その後,レンズ素子1間の間隔が所定距離になるように伸長する力を調節して粘着シート20を伸長する。所定距離とは例えば,保持トレイ22の区分けされた空間の周期の距離と,伸長された粘着シート20上のレンズ素子1の配列周期の距離がほぼ同じになるようにする。この時の状態の一部を図10に示す。一例としては,レンズ素子1間の間隔が1mmとなるように粘着シート20を伸長する。
【0038】
次に,粘着シート20からレンズ素子1を剥離し,保持トレイ22に移動させる。本実施の形態においては,粘着シート20と接触している面は上方平坦面7であり,この点が下方平坦面5が接触している第1の実施の形態と異なる。上方平坦面7は下方平坦面5より大面積であるため,レンズ素子1と粘着シート20との接着力は第1の実施の形態の場合よりも強い。よって,ここでは,保持トレイ22の保持部表面に剥離強度の弱い接着剤を塗布し,接着剤塗布面と下方平坦面5が接触するよう,保持トレイ22を粘着シート20上に配列されたレンズ素子1に押しつけて,粘着シート20の裏面からレンズ素子1押し出し,粘着シート20から保持トレイ22へレンズ素子1を移動させる。その結果図7に示すように,レンズ素子1は保持トレイ22の接着剤塗布面に下方平坦面5が接触面となるように保持される。その後,レンズ素子1は保持トレイ22に配置された状態で,実装装置に投入され,実装される。
【0039】
本実施の形態では,レンズ素子集合体12の上面と下面にそれぞれ平坦な上方平坦面7aと下方平坦面5を形成した。これより,上方平坦面7aを接触面として粘着シート20上にレンズ素子集合体12を安定した状態で保持できる。また,レンズ素子集合体12の破断作業も容易となる。さらに,上方平坦面7と下方平坦面5の2つの平坦面を有する構成により,粘着シート20上に上方平坦面7が保持された状態で,下方平坦面5に接着剤が塗布された保持トレイ22を押しつけ,粘着シート20から保持トレイ22に多数の光学素子1を一括して容易に移し替えることができる。そして,下方平坦面5が接触面となるよう保持トレイ22上に載置されているので,レンズ素子1の転倒を防止でき,安定した保持状態を確保できる。
【0040】
レンズ素子1の本発明の第3の実施の形態に係る製造方法及び実装方法について説明する。前述の実施の形態は,実装装置にダイボンダを用いる場合を想定したものであったが,本実施の形態では,実装装置にフリップチップボンダを用いる場合を想定している。フリップチップボンダでは,チップの向きがダイボンダと異なり,チップは裏返された状態で実装される。また,フリップチップボンダの特性上,本実施の形態ではレンズ素子1の各部の寸法を,W1は500μm,hは100μm,tは500μm,W2は50μmとしている。これより,本実施の形態では,上方平坦面7の大きさは500μm×500μm,下方平坦面5の大きさは50μm×500μmとなる。これらの点以外は,図3,図4に示すレンズ素子集合体12を製造する工程までは,第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。レンズ素子集合体12がシリコン基板10から分離されて形成された後について説明する。
【0041】
図5に示すように粘着シート20上に複数のレンズ素子集合体12を下方平坦面5が粘着面に接する向きに配置し,粘着シート20により複数のレンズ素子集合体12を保持する。なお,この場合も,粘着シート20に載置可能なより多数の素子集合体12を載置してもよい。
【0042】
図5に示す状態で,図4に示す切断箇所14にダイヤモンドカッター等により傷を付け,レンズ素子集合体12に微小な力を加えて切断箇所14で取扱・支持部4aを破断する。破断により,図1に示すような単体のレンズ素子1が形成される。その後,レンズ素子1間の間隔が所定距離になるように伸長する力を調節して粘着シート20を伸長する。所定距離とは例えば,保持トレイ22の区分けされた空間の周期の距離と,伸長された粘着シート20上のレンズ素子1の配列周期の距離がほぼ同じになるようにする。この時の状態の一部を図11に示す。一例としては,レンズ素子1間の間隔が1mmとなるように粘着シート20を伸長する。
【0043】
次に,粘着シート20からレンズ素子1を剥離し,保持トレイ22に移動させる。保持トレイ22の保持部表面に剥離強度の弱い接着剤を塗布し,接着剤塗布面と上方平坦面7が接触するよう,保持トレイ22を粘着シート20上に配列されたレンズ素子1に押しつけて,粘着シート20の裏面からレンズ素子1押し出し,粘着シート20から保持トレイ22へレンズ素子1を移動させる。その結果図12に示すように,レンズ素子1は保持トレイ22の接着剤塗布面に上方平坦面7が接触面となるように保持される。その後,レンズ素子1は保持トレイ22に配置された状態で,実装装置に投入され,実装される。
【0044】
本実施の形態では,レンズ素子集合体12の上面と下面にそれぞれ平坦な上方平坦面7aと下方平坦面5を形成した。これより,下方平坦面5を接触面として粘着シート20上にレンズ素子集合体12を安定した状態で保持できる。また,レンズ素子集合体12の破断作業も容易となる。さらに,上方平坦面7と下方平坦面5の2つの平坦面を有する構成により,粘着シート20上に下方平坦面5が保持された状態で,上方平坦面7に接着剤が塗布された保持トレイ22を押しつけ,粘着シート20から保持トレイ22に多数の光学素子1を一括して容易に移し替えることができる。そして,上方平坦面7が接触面となるよう保持トレイ22上に載置されているので,レンズ素子1の転倒を防止でき,安定した保持状態を確保でき,フリップチップボンダによる実装も可能となる。
【0045】
なお,上述の説明では,レンズ素子として1つのレンズ部を有するものを例にとり説明したが,これに限定するものではない。例えば,図4における切断箇所14の位置を隣接するレンズ部2間全ての位置ではなく,適宜設定することにより,2つあるいはそれ以上のレンズ部を有するレンズ素子を形成することは容易である。複数のレンズ部を有するレンズ素子についても,上述のものと同様に本発明は適用可能である。
【0046】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0047】
レンズ部,縁部,取扱・支持部,取扱部,張出部等の形状は上記例に限定されず,様々な形状が考えられる。例えば,レンズ部は,円形に限らず所望の形状で形成可能であり,また,屈折型のレンズ部としてもよい。また,上記例では,光束変換部をレンズ部,また光学部材における素子の例としてレンズ素子を例にとり説明したが,これに限定するものではない。例えば,光束変換部を光偏向部等とし,光学部材を光偏向素子等とした場合にも本発明は適用可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上,詳細に説明したように本発明によれば,取り扱いが容易な光学素子,該光学素子の製造方法と実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の構成を示す斜視図である。
【図2】 基板上に形成されるレンズ素子集合体の構成を示し,図2(a)は上面図であり,図2(b)は図2(a)のA−A’面における断面図である。
【図3】 形成されたレンズ素子集合体の上面図である。
【図4】 レンズ素子集合体の構成を示す要部斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の製造工程を説明するための斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の製造工程を説明するための斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の実装工程を説明するための斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子を用いた光モジュールの構成を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の製造工程を説明するための斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の実装工程を説明するための斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の実装工程を説明するための斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態にかかるレンズ素子の実装工程を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 レンズ素子
2 レンズ部
4 取扱部
4a 取扱・支持部
5 下方平坦面
6 縁部
7,7a 上方平坦面
9 張出部
10 シリコン基板
12 レンズ素子集合体
14 切断箇所
20 粘着シート
22 保持トレイ
24 仕切
30 支持基板
32 V溝
34 光ファイバ
36 光軸
Claims (2)
- 光学基板の表面に列状に形成された複数の光束変換部と,前記光束変換部の表面に対し略垂直な第1の平坦面を有し,且つ前記光束変換部の周辺の一部から前記光束変換部の成す列に沿って前記光束変換部を連結支持するように延設された取扱・支持部と,前記取扱・支持部から前記光束変換部の周辺の他部に沿う縁部を含んで張り出し,その先端に第2の平坦面を有する張出部と,を有する光学素子集合体を形成する工程と,前記光学素子集合体を,粘着面を有する粘着性保持部材の前記粘着面に前記第1の平坦面および前記第2の平坦面のいずれか一方が接するよう載置する工程と,前記粘着面に載置された前記光学素子集合体の前記取扱・支持部の所定位置を切断して,少なくとも1つの前記光束変換部を有する光学素子に分離する工程と,を具えることを特徴とする光学素子の製造方法。
- 前記第1の平坦面と前記第2の平坦面は略平行であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
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