JP2004132436A - スプリングクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】安定したクラッチ機能を長期にわたって維持することができる軸方向長さのコンパクトな耐久性に優れたスプリングクラッチを提供することである。
【解決手段】プーリ1の内側に組込まれたプーリハブ2を出力軸2aとその外側に嵌合されて回り止めされた合成樹脂製のスリーブ2bとで形成する。プーリ1の内周に形成された円筒状のクラッチ面3にクラッチばねの外周面を弾性接触し、そのクラッチばね13の一端のコイル部13aをスリーブ2bの一端面に形成されたうず巻き溝14内に挿入して抜け止めすることにより、クラッチばね13の巻数を減らしてスプリングクラッチの軸方向長さのコンパクト化を図る。プーリ1とプーリハブ2を回転自在に支持する軸受5間にスペーサ18を組込んでコイル部13aがうず巻き溝14から軸方向外方に抜け出るのを防止してクラッチ機能の安定化を図る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力側部材の一方向の回転を出力側部材に伝達すると共に、出力側部材の回転速度が入力側部材の回転速度を上回った場合に、入力側部材から出力側部材への回転伝達を遮断するスプリングクラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のエンジンにおいては、爆発行程時に駆動エネルギが発生するため、クランクシャフトは一回転中において角速度が変化する。そのようなクランクシャフトの回転をベルト伝動装置によってオルタネータ等の慣性力の大きなエンジン補機を駆動した場合、クランクシャフトの角速度の低下時に、エンジン補機の回転軸の回転速度が上回ると、その回転軸に取付けられたプーリとベルトとの間でスリップが生じる。
【0003】
また、エンジンを高速回転状態から急減速した場合、オルタネータ等のエンジン補機は慣性力によって高速回転を続けようとするため、上記と同様にプーリとベルトとの間でスリップが生じ、そのスリップ時に異音が発生し、あるいはベルトが摩耗して耐久性が低下する。
【0004】
そのような不都合を解消することができるクラッチプーリ装置を本件出願人は既に提案している(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−119509号(第5〜7頁、図2)
【0006】
上記公報に記載されたクラッチプーリ装置においては、図7に示すように、クランクシャフトの回転がベルトを介して伝達されるプーリ31の内側にエンジン補機の回転軸に取付けられるプーリハブ32を設け、上記プーリ31とプーリハブ32とを軸受33によって相対的に回転自在に支持している。
【0007】
また、プーリ31の内周に環状の内向き突出部34を設け、一方、プーリハブ32の外周には上記内向き突出部34と軸方向で対向する環状の外向き突出部35を形成し、この外向き突出部35と内向き突出部34の対向面に、上記両突出部34、35に跨がって軸方向に延びるスプリング収納空間36を設け、そのスプリング収納空間36内に組込まれたコイルスプリングから成るクラッチばね37の外径面をスプリング収納空間36の外周壁内面に形成されたクラッチ面38a、38bにそれぞれ弾性接触させるようにしている。
【0008】
上記クラッチプーリ装置においては、ベルトとの接触によって一方向に回転するプーリ31の回転時にクラッチばね37を拡径させてクラッチ面38a、38bに対する係合力を高め、そのクラッチばね37を介してプーリ31の回転をプーリハブ32に伝えるようにしている。
【0009】
また、プーリハブ32の回転速度がプーリ31の回転速度より上回った場合に、クラッチばね37を縮径させてクラッチ面38a、38bに対する係合力を弱め、クラッチばね37とクラッチ面38a、38bの接触部で滑りを生じさせて、プーリハブ32からプーリ31側への回転伝達を遮断し、プーリ31とベルトとの間で滑りが生じるのを防止するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示すクラッチプーリ装置においては、内向き突出部34に形成されたクラッチ面38aと外向き突出部35に形成されたクラッチ面38bのそれぞれにクラッチばね37の外周面を弾性接触させる必要があるため、巻数の多い軸方向長さの長いクラッチばね37を必要とし、クラッチプーリ装置の軸方向長さが長くなるという不都合があった。
【0011】
また、クラッチばね37は、軸方向に並ぶクラッチ面38a、38bに跨がる配置であるため、トルク伝達時には、各クラッチ面38a、38bの対向端のエッジがクラッチばね37に当接してクラッチばね37にエッジロードが作用し、大きなトルクの伝達時に、そのエッジロードによってクラッチばね37が破損するおそれがあった。
【0012】
さらに、内向き突出部34と外向き突出部35に跨がってスプリング収納空間36を設け、そのスプリング収納空間36内にクラッチばね37を組込む複雑な構造であるため、組立て性が悪いという不都合があった。
【0013】
この発明の課題は、巻数の少ない軸方向長さの短いクラッチばねによって入力側部材の回転を出力側部材に伝達することができるようにした軸方向長さのコンパクトな簡単な構造の耐久性に優れたスプリングクラッチを提供することである。
【0014】
また、この発明の他の課題は、安定したクラッチ機能を長期にわたって発揮することができるようにしたスプリングクラッチを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、入力側部材の内周に円筒形のクラッチ面と、そのクラッチ面の一端部に、クラッチ面より小径の軸受嵌合面とを設け、前記軸受嵌合面に圧入された軸受を介して回転自在に支持された出力側部材を、出力軸と、その出力軸の外側に嵌合されて回り止めされ、外周面の両端部にフランジが形成されたスリーブとで形成し、前記入力側部材と出力軸の他端部間をシール部材で密封し、前記スリーブと入力側部材間に組込まれたクラッチばねの外周を前記クラッチ面に弾性接触し、そのクラッチばねの一端のコイル部を前記スリーブの一端面に形成されたうず巻き溝に挿入して抜け止めし、前記スリーブと前記軸受の対向端部間に、スリーブのフランジ外径よりやや小径の環状のスペーサを組込み、そのスペーサの軸受と対向する一側面の外周部を軸受外輪の側面に対して非接触として、その外周部と軸受外輪の側面間にラビリンスを形成した構成を採用したのである。
【0016】
上記のように、入力側部材の内周に形成された円筒形のクラッチ面に弾性接触するクラッチばねの一端部を出力側部材のスリーブに形成されたうず巻き溝内に挿入して抜け止めすることによって、巻数の少ない軸方向長さの短いクラッチばねを採用することができ、スプリングクラッチの軸方向長さのコンパクト化を図ることができる。
【0017】
また、入力側部材のクラッチ面にはクラッチばねと弾性接触する部分にエッジが存在しないため、入力側部材から出力側部材への回転トルクの伝達時に、クラッチばねの外周面にエッジロードが作用するという不都合の発生はなく、エッジロードによるクラッチばねの破損を防止することができる。
【0018】
さらに、スリーブと軸受の対向端部間に組込まれたスペーサは、スリーブの一端面に形成されたうず巻き溝のほぼ全体を覆うため、うず巻き溝に挿入されたクラッチばねの一端のコイル部が前記うず巻き溝からスリーブの軸方向外方に抜け出るのを防止することができ、安定したクラッチ機能を長期にわたって保持することができる。
【0019】
また、スペーサの一側面における外周部は軸受外輪の側面に対して非接触であるため、入力側部材のフリー回転時の回転抵抗が小さく、入力側部材を円滑にフリー回転させることができると共に、スペーサの一側面と軸受外輪の側面間にラビリンスを設けたことにより、クラッチ部で発生した摩耗粉、あるいは摩耗粉が混入したグリースが軸受内部に侵入するのを防止することができ、軸受寿命の低下を抑制することができる。
【0020】
ここで、スペーサの一側面における外周部を軸受外輪に対して非接触とする方法として、スペーサの一側面における外周部にテーパ面を形成する方法、スペーサの一側面に外周部が内周部より低くなる段差を形成する方法、スペーサを外径が異なる2枚の環状板により形成し、その小径側環状板が軸受側に位置するよう組込む方法を採用することができる。
【0021】
上記スペーサを熱処理して硬度をHR C40程度とすることにより、クラッチばねのコイル部を抜け止めする際の衝撃によってスペーサが破損するのを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図6に基づいて説明する。図1乃至図3は、この発明に係るスプリングクラッチを採用したクラッチプーリ装置を示す。このクラッチプーリ装置は、入力側部材としてのプーリ1と、そのプーリ1の内側に組込まれた出力側部材としてのプーリハブ2とを有している。
【0023】
プーリ1の内周には、円筒形のクラッチ面3と、その一端部にクラッチ面3より小径の軸受嵌合面4が形成され、前記軸受嵌合面4に圧入された軸受5によって前記プーリハブ2が回転自在に支持されている。軸受5として、ここでは片シール軸受が採用されている。
【0024】
プーリハブ2は、金属から成る出力軸2aと、その外側に嵌合された合成樹脂製のスリーブ2bとから成り、前記出力軸2aとスリーブ2bの相互間には回り止め機構6が設けられている。
【0025】
回り止め機構6として、ここでは、出力軸2aの外周に軸方向に延びる複数の回り止め突条7を周方向に間隔をおいて形成し、各回り止め突条7をスリーブ2bの内周に設けられた軸方向に延びる回り止め溝8に圧入している。
【0026】
なお、図で詳細を省略したが、スリーブ2bの内周に形成された回り止め溝8の周方向で対向する側面は、回り止め溝8の幅寸法が開口端から閉塞端に至るに従って次第に狭くなるテーパ面8aとされている。一方、回り止め突条7の両側面も上記テーパ面8aに適合するテーパ面7aとされて、回り止め溝8に回り止め突条7を容易に圧入し得るようにしている。
【0027】
図1に示すように、出力軸2aは、その両端部がスリーブ2bの両端より外側に突出する長さとされ、その一端部が前記軸受5によって回転自在に支持されている。また、出力軸2aの他端部外周にはプーリ1の他端部内周に取付けたシール部材9の内周部が弾性接触している。
【0028】
スリーブ2bは外周面の両端部に一対のフランジ10を有し、その一対のフランジ10間における外周面に軸方向に延びる溝状のグリース溜り11が周方向に間隔をおいて形成されている。
【0029】
プーリ1のクラッチ面3とスリーブ2bの外周面間はグリース封入空間12とされ、そのグリース封入空間12内にコイルスプリングから成るクラッチばね13が組込まれている。
【0030】
クラッチばね13は角形の線材により形成され、そのクラッチばね13は自然状態において外径がクラッチ面3の内径より大径とされ、縮径された状態でグリース封入空間12内に組込まれて、外周面がクラッチ面3に弾性接触している。
【0031】
図1および図2に示すように、スリーブ2bの軸受5と対向する一端面には、フランジ10の外周面において開口するうず巻き溝14と、そのうず巻き溝14の端部にストッパ嵌合凹部15とが形成されている。
【0032】
クラッチばね13の一端のコイル部13aは、上記うず巻き溝14内に挿入され、そのコイル部13aの一端に形成されたフック13bが、ストッパ嵌合凹部15内に嵌合されたストッパ16の切欠部17内に挿入されてうず巻き溝14の周方向にコイル部13aが抜け出るのが防止されている。
【0033】
図4に示すように、スリーブ2bと軸受5の対向端部間には環状のスペーサ18が組込まれている。スペーサ18はスリーブ2bにおけるフランジ10の外径よりやや小径とされている。また、スペーサ18の軸受5と対向する一側面の外周部にはテーパ面19が形成されて軸受5の外輪5a側面に対して非接触とされ、そのテーパ面19と外輪5aの他面間にラビリンス20が形成されている。
【0034】
実施の形態で示すクラッチプーリ装置は上記の構造から成り、エンジン補機としてのオルタネータの駆動に際しては、そのオルタネータの回転軸にプーリハブ2を取付けて回り止めし、プーリ1の外周にかけられるベルトを介してクランクシャフトの回転をプーリ1に伝達する。
【0035】
上記のような使用状態において、クランクシャフトの回転がプーリ1に伝達されると、クラッチばね13は、クラッチ面3との接触により拡径して、クラッチ面3に対する圧接係合力が増大し、そのクラッチばね13を介してプーリ1の回転がプーリハブ2に伝達され、オルタネータの回転軸が回転される。
【0036】
オルタネータの回転軸の回転時、ベルトの移動速度が低下し、オルタネータの回転軸を駆動するプーリハブ2の回転速度がプーリ1の回転速度を上回ると、クラッチばね13が縮径してクラッチ面3に対する圧接係合力が弱くなり、クラッチばね13とクラッチ面3の接触部において滑りが生じ、プーリハブ2の回転がプーリ1に伝達されず、プーリ1はフリー回転する。
【0037】
このため、プーリ1とベルトの接触部において滑りが防止される。
【0038】
ここで、プーリ1からプーリハブ2に回転が伝達されてプーリ1とプーリハブ2とが回転するとき、グリース封入空間12およびグリース溜り11に充填されたグリースは遠心力により外径方向に移動してクラッチばね13とクラッチ面3の接触部を潤滑する。
【0039】
実施の形態で示すように、クラッチばね13の一端のコイル部13aをスリーブ2bに形成されたうず巻き溝14内に挿入して抜け止めすることにより、プーリ1からクラッチばね13に伝達される回転をプーリハブ2に確実に伝達することができると共に、クラッチばね13はクラッチ面3にのみ弾性接触させるだけでよいため、クラッチばね13として巻数の少ないクラッチばね13を採用することができる。このため、クラッチプーリ装置の軸方向長さのコンパクト化を図ることができる。
【0040】
また、クラッチばね13が弾性接触するクラッチ面3は円筒状であってエッジが存在しないため、プーリ1からプーリハブ2への回転伝達時に、クラッチばね13の外周面にエッジロードが作用するという不都合の発生はなく、エッジロードによるクラッチばね13の破損を防止することができる。
【0041】
さらに、スリーブ2bと軸受5の対向端部間に、スリーブ2bのフランジ10の外径よりやや小径のスペーサ18を組込むことによって、そのスペーサ18によりスリーブ2bの一端面に形成されたうず巻き溝14のほぼ全体が覆われることになり、クラッチばね13の一端のコイル部13aがうず巻き溝14からスリーブ2bの軸方向外方に抜け出るのを防止することができる。このため、安定したクラッチ機能を長期にわたって維持することができる。
【0042】
ここで、クラッチばね13は、普通、HR C50以上の硬度を有し、そのクラッチばね13のコイル部13aの抜け出しを防止するスペーサ18が未熱処理品であると、コイル部13aが比較的大きな荷重で抜け出そうとした際にスペーサ18が割れるおそれがある。
【0043】
そのような問題点の発生を未然に防止するため、スペーサ18を熱処理して硬度をHR C40以上としている。
【0044】
ここで、コイル部13aの抜け出しを防止するスペーサ18は、テーパ面19の形成によって軸受5の外輪5a側面に対して非接触とされているため、スペーサ18がプーリ1のフリー回転を阻害することはなく、プーリ1を円滑にフリー回転させることができる。
【0045】
また、テーパ面19と軸受外輪5aの側面間にはラビリンス20が形成されているため、クラッチ部で発生した摩耗粉や、その摩耗粉が混入したグリースが軸受5の内部に侵入するのを防止することができ、軸受5の寿命低下を抑制することができる。
【0046】
軸受5として両シール軸受を採用すると、軸受寿命の低下をより効果的に抑制することができる。
【0047】
図5および図6は、スペーサ18の他の例を示す。図5に示すスペーサ18においては、軸受5と対向する一側面に外周部を薄肉厚とする軸方向の段部21を形成して、スペーサ18を軸受外輪5aに対して非接触とし、一側面外周部の低段面22と軸受外輪5aの側面間にラビリンス20を形成して軸受5の内部に摩耗粉あるいは摩耗粉の混入したグリースが侵入するのを防止するようにしている。この例におけるスペーサ18においても、熱処理を施して硬度をHR C40程度としている。
【0048】
図6に示すスペーサ18においては、そのスペーサ18を外径が異なる2枚の環状板18a、18bで形成し、小径側の環状板18aが軸受側に配置される組込みとして、軸受5の外輪5aに対して非接触とし、大径側の環状板18bにおける一側面の外周部と軸受外輪5a間にラビリンス20を形成して摩耗粉および摩耗粉が混入したグリースが軸受5の内部に侵入するのを防止している。
【0049】
図6に示す例では、大径側の環状板18bによってクラッチばね13のコイル部13aを抜け止めするため、その大径側の環状板18bを硬質の材料で形成したり、熱処理により硬度を高めるようにしており、小径側の環状板18aは幅押えの役割しか必要ないので、軽合金やポリアミド、耐熱樹脂などで形成している。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、入力側部材の内周に円筒状のクラッチ面を設け、そのクラッチ面に外周面を弾性接触させたクラッチばねの一端部を出力側部材のスリーブに係止させたことによって、クラッチばねの巻数を減少することができ、スプリングクラッチの軸方向の長さのコンパクト化を図ることができる。
【0051】
また、クラッチばねが弾性接触するクラッチ面は円筒状であってエッジが存在しないため、入力側部材から出力側部材への回転トルクの伝達時にクラッチばねの外周面にエッジロードが負荷されることなく、エッジロードによるクラッチばねの破損を防止することができる。
【0052】
さらに、スリーブと軸受の対向端部間にスペーサを組込んで、スリーブの一端面に形成されたうず巻き溝のほぼ全体を覆うようにしたので、うず巻き溝に挿入されたクラッチばねのコイル部がうず巻き溝からスリーブの軸方向外方に抜け出すのをほぼ完全に防止することができ、安定したクラッチ機能を長期にわたって維持することができる。
【0053】
また、スペーサの一側面外周部と軸受の外輪側面間にラビリンスを形成したことによって、クラッチ部で発生した摩耗粉やその摩耗粉が混入したグリースが軸受内部に侵入するのを防止することができ、軸受寿命の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスプリングクラッチの実施の形態を示す縦断正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1のスペーサの組込み部分を拡大して示す断面図
【図5】スペーサの他の例を示す断面図
【図6】スペーサのさらに他の例を示す断面図
【図7】従来のクラッチプーリ装置を示す断面図
【符号の説明】
1 プーリ(入力側部材)
2 プーリハブ(出力側部材)
2a 出力軸
2b スリーブ
3 クラッチ面
4 軸受嵌合面
5 軸受
5a 外輪
9 シール部材
10 フランジ
13 クラッチばね
13a コイル部
14 うず巻き溝
18 スペーサ
18a、18b 環状板
19 テーパ面
20 ラビリンス
21 段部
22 低段面

Claims (5)

  1. 入力側部材の内周に円筒形のクラッチ面と、そのクラッチ面の一端部に、クラッチ面より小径の軸受嵌合面とを設け、前記軸受嵌合面に圧入された軸受を介して回転自在に支持された出力側部材を、出力軸と、その出力軸の外側に嵌合されて回り止めされ、外周面の両端部にフランジが形成されたスリーブとで形成し、前記入力側部材と出力軸の他端部間をシール部材で密封し、前記スリーブと入力側部材間に組込まれたクラッチばねの外周を前記クラッチ面に弾性接触し、そのクラッチばねの一端のコイル部を前記スリーブの一端面に形成されたうず巻き溝に挿入して抜け止めし、前記スリーブと前記軸受の対向端部間に、スリーブのフランジ外径よりやや小径の環状のスペーサを組込み、そのスペーサの軸受と対向する一側面の外周部を軸受外輪の側面に対して非接触として、その外周部と軸受外輪の側面間にラビリンスを形成したスプリングクラッチ。
  2. 前記スペーサの一側面における外周部にテーパ面を形成して軸受の外輪側面に対して非接触とした請求項1に記載のスプリングクラッチ。
  3. 前記スペーサの一側面に、外周部が内周部より低くなる段差を形成して、スペーサの一側面における外周部を軸受の外輪側面に対して非接触とした請求項1に記載のスプリングクラッチ。
  4. 前記スペーサを外径寸法が異なる2枚の環状板により形成し、小径側の環状板を軸受側に配置してスペーサの一側面を軸受の外輪側面に対して非接触とした請求項1に記載のスプリングクラッチ。
  5. 前記スペーサを熱処理して硬度をHR C40程度とした請求項1乃至4のいずれかに記載のスプリングクラッチ。
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