JP2004129810A - 衛生材料用不織布 - Google Patents

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【課題】フィラメントウェブと、メルトブローウェブを積層してなる二層以上の積層体を部分的熱圧着された、柔軟で嵩高な使い捨て衛生材料用不織布を提供する。
【解決手段】(1)少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブを積層してなる二層以上の積層体を、表面に散在する非連続の部分的熱圧着部によって表裏一体化された不織布において、該部分的熱圧着パターンとは異なる、非結合凹凸変形を有し、(2)連続した凹部又は凸部が押し付けられた変形であるか、(3)断続して散在する凹部又は凸部が押し付けられた変形であり、(4)嵩高率で105%以上であり、(5)部分的熱圧着部の面積率が5〜40%であり、非結合性の凹又は凸部の面積率が5〜40%であることを特徴とする衛生材料用不織布。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛生材料用不織布に関するものであり、さらに詳しくは少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブとを積層してなる二層以上の積層体を部分的熱圧着してなる、柔軟で、嵩高な衛生材料用不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オムツや生理ナプキン等の衛生材料は、一般的に尿、排出物を透液するトップシート、吸収体および防水性を有するバックシート、さらに防水性を活かした立体ギャザーと呼ばれているモレ止め用カフ等で構成されている。これらの衛生材料に使用する素材としては、薄く、強力を持ち、かつ肌に直接接するためのソフトな触感を有する点及び生産性、価格等の面から不織布が多く用いられてきた。その中で、特にモレ止め用カフ、バックシート等には防水性を持った不織布としてフィラメントウェブとメルトブローを積層し、前者の持つ強力と後者の持つ微細なカバーリング性、防水性の両特性を活かした積層不織布が使用されている。
【0003】
この積層不織布は従来のフィラメントウェブには無いカバーリング性が優れることから、一段と低目付でその機能を持つことになる。しかし、フィラメントウェブがあるもののメルトブローウェブの紙的な形態が一段と強くなり、さらにメルトブローウェブの接着性も合わさって、紙的な触感で硬く、特に薄くなるに従って一段とペラペラした薄いものになると言う問題があった。
【0004】
嵩の改良方法としては、吸液性コア部に接して、上面シートと下面シートとからなる表面シートを積層し、この上面シートによって凹部の開孔導液管を形成する方法(特許文献1参照)、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド型複合繊維等の2成分繊維からなる不織布に熱エンボス加工を施して凹凸を賦形保持する方法(特許文献2参照)、芯鞘型複合繊維又はサイドバイサイド型複合繊維等の2成分繊維からなる不織布に熱エンボス加工を施して凹凸を賦形し、凹凸賦形の凸部頂点をフィルム状化する方法(特許文献3参照)等があるが、これらの方法は、孔をあけたり、賦形固定するもので、ソフト性の点では不十分なものであった。また、本発明者の出願した発明の特許公告公報(特許文献4参照)には、繊度0.5d〜5dのフィラメントウェブから構成され、部分結合部と非結合性凹凸変形とを有する不織布が開示されている。しかしながら、前記特許公告公報にはメルトブローウェブを用いることについての記載はなく、その接着効果についても開示されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−304203号公報
【特許文献2】
特開平11−286863号公報
【特許文献3】
特開平11−347062号公報
【特許文献4】
特公昭63−17944号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解消し、特に少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブを積層してなる二層以上の積層体を部分的熱圧着された、柔軟で嵩高な使い捨て衛生材料用不織布を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々の検討を加え、この積層不織布が繊維で構成されている点を基本に、繊維本来の触感を引き出すことにポイントがあると考え、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は次の構成を有する。
【0008】
(1)少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブとを積層してなる二層以上の積層体を、表面に散在する非連続の部分的熱圧着部によって表裏一体化された衛生材料用不織布において、該不織布が該部分的熱圧着のパターンとは異なる、非結合凹凸変形を有することを特徴とする衛生材料用不織布。
(2)前記非結合凹凸変形が、連続した凹部あるいは凸部が押し付けられて形成された変形である事を特徴とする上記(1)に記載の衛生材料用不織布。
(3)前記非結合凹凸変形が、断続して散在する凹部あるいは凸部が押し付けられて形成された変形である事を特徴とする上記(1)に記載の衛生材料用不織布。
(4)前記非結合凹凸変形の見かけ厚みが、嵩高率で105%以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の衛生材料用不織布。
(5)前記部分的熱圧着部の面積率が5〜40%であり、前記非結合性の凹又は凸部の面積率が5〜40%であることを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の衛生材料用不織布。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の衛生材料用不織布は、少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブを積層してなる二層以上の積層体を、表面に散在する非連続の部分的熱圧着部によって表裏一体化された不織布において、該熱圧着パターンとは異なる、非結合凹凸変形を付与されたものである。
【0010】
本発明において、不織布に使用する繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、あるいはその共重合等のポリオレフィン系繊維が繊維自体の持つ撥水性、低保水性、防水性の点で好ましい、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、あるいはその共重合等のポリエステル系繊維が腰、サラサラ感の点で、ナイロン6、66、610、12あるいはその共重合等のポリアミド系繊維がしっとりした柔軟性などの点で好ましい。また、必要に応じて、これらの複合繊維、混合繊維、さらにはその他特殊機能を持つ繊維との混合も有効である。また、必要に応じて、フィラメントウェブ同士が層間で異なる素材でも有効であり、また、フィラメントウェブとメルトブローウェブとが異なる素材であってもよい。なお、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の水との親和性を有する素材は防水、撥水性の点から、必要に応じてシリコン系、フッ素系、あるいはワックス系等の防水剤、撥水剤による処理あるいは添加による改良を行うことが必要である。
【0011】
また、不織布は、使用時の体の動き等に対応できる強力が必要であり、生産性の点からも、少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブとを積層してなる二層以上の積層体とし、これを連続的に接合することにより形成される不織布が好ましい。単にフィラメントウェブとメルトブローウェブとを積層したものでも良いが、表面強度の弱いメルトブローウェブを補うため、通常、フィラメントウェブ層の間にメルトブローウェブ層を積層したものが用いられ、さらに各層を複層にしたものが有用である。
【0012】
フィラメントウェブは、0.5〜5dtexで、繊維長が長いために実用上の強度を有し、通気性に優れ、かつ湿式法または乾式法による場合と異なり、油剤処理等を行うことなく繊維がそのままシート化されているので繊維特有の撥水性等の性質が活かされる。メルトブローウェブは1〜6μmの細い繊維で形成されており、カバーリング性に優れ、例えば、ポリプロピレン素材では、更に撥水、防水効果に寄与する。メルトブローウェブは細い繊維のため、結晶配向性が低いのでフィラメントウェブよりも接合し易い。しかし、反面、単体で用いた場合には接合しても強力は弱く、紙様の感触で硬いものになる。このため、フィラメントウェブとメルトブローウェブとを積層することで、それぞれの欠点を補い、実用上の強力、カバーリング性、撥水性、防水性の優れたものとなる。
【0013】
ウェブの接合は必要に応じて接着剤を用いて接合する、低融点繊維や複合繊維により接合する、またはバインダーをウェブ形成中に散布して溶融接合する、または水流等で繊維を交絡する等の方法も可能であるが、不織布の強度および柔軟性、繊維自体の触感を持たせるには部分熱圧着により接合するのが好ましい。
【0014】
部分熱圧着における熱圧着面積率は、強度保持、柔軟性の点から、5〜40%が好ましい。部分熱圧着は超音波法により、または加熱エンボスロール間にウェブを通すことにより行うことができ、これにより、表裏一体化され、例えばピンポイント状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状等の浮沈模様が不織布全面に散点する。当然、熱圧着部は圧着され、フィルム的であるが、その周辺の繊維、特にフィラメントウェブは使用される繊維特有の触感を残すことになる。
【0015】
しかし、フィラメントウェブ層を接合する条件ではメルトブローウェブ層は極細で、その繊維形成時等の特性から、熱により紙様の触感になって、不織布全体としては紙様の硬さを持つものになる。また、この部分熱圧着による不織布は繊維の構成、エンボスの形状、配置によって、その厚みは変わるが、メルトブローウェブ層の接着効果で、厚みは薄くなり、嵩のないものである。
【0016】
嵩の改良方法としては、従来の技術の項で示したような、孔をあけたり、賦形固定する方法があるが、これらは、本発明のように、少なくとも一層のフィラメントウェブと少なくとも一層のメルトブローウェブとを積層してなる二層以上の積層体を、表面に散在する非連続の部分的熱圧着部によって表裏一体化した不織布を、非結合性の凹凸変形によって嵩あるいはソフト性を得ようとするものではなく、また、メルトブローウェブ層の接着効果に対応するものではない。
【0017】
本発明のポイントは、少なくとも一層のフィラメントウェブと少なくとも一層のメルトブローウェブとを積層してなる二層以上の積層体を、表面に散在する非連続の部分的熱圧着部によって表裏一体化した不織布に対して、更にエンボス加工等により非結合凹凸変形を与える処理(以下「柔軟化処理」ともいう。)を施すことによって、点在する熱圧着部の繊維は部分的に結合して表裏一体化されているが、その他の部分の非結合性凹凸部の繊維は、繊維自体のソフトな触感を有するようにした点にある。
メルトブローウェブ層においては、多少の接着効果があっても、熱圧着部とは異なり、仮止めされた状態と考えられ、複合繊維が接合のための熱処理で融着し合って硬く、ザラつくものとは全く異なる。
【0018】
さらに、自由度を持った繊維に非結合性でかつ凹凸変形力を与えることによって、部分的な変形(伸び)を加えられた繊維層にすることで、充分な嵩高性が得られる。このことは荷重をかけた際、元の繊維層とは異なり、圧縮されにくい特性を持つことになる。すなわち、折れ曲がり易い線くせが付き、ソフトさ、嵩(厚み)が出ることになる。図1に、実施例と比較例について、荷重に対する不織布の厚み変化曲線を示してある。本発明においては、荷重を加えていっても、圧縮されにくい特性を有している。
【0019】
本発明の不織布に付与される凹凸変形は、部分結合されている結合部のパターンと部分的に一致しない任意形状の凹又は凸変形であり、凹あるいは凸部の形状、大きさ、深さは結合パターンとの関連で柔軟性効果に重要である。例えば、直線、曲線、角、丸、梨地状、その他の連続的あるいは非連続のものが考えられるが、柔軟性効果の点から、凹あるいは凸部の深さは0.2〜5mmで深いものほど効果が大となる。
【0020】
また、非連続のものの加圧面の大きさは0.1〜5mmで、また凹あるいは凸部のピッチは0.5〜5mmが好ましい。凸部が点在するエンボス柄を押し付けて高密度域で非連続に散在する凹部を形成することになる。また、凸部の連続するエンボス柄の押し付けによって、高密度域の凹部が連続した状態で、非押付部の繊維層が盛り上がった状態になる。連続柄による変形のピッチはその柄によるが、1〜5mmが好ましく、凹部の大きさは幅が0.02〜3mmの線あるいは点線状であるのが好ましい。
【0021】
押付部の面積率は柔軟性、繊維触感を得る上で、5〜40%が好ましく、5〜25%がより好ましい。実用面を考慮すると、見かけ厚みは当然、大きいほうが柔軟になるが、変形のピッチ、凹部の大きさはあまり大きくしない方が緻密な効果が得られ、非結合性変形を付与する前後の嵩高率で100%以上が好ましく、105%以上であればより好ましく、特に好ましくは130%以上である。
【0022】
凹あるいは凸変形を付与する方法は、例えば表面に凹、凸あるいは凹凸模様を有し、両方が丁度嵌合するようになったロール間、一方の表面に凹、凸模様を持つロールとペーパーロール、ゴムロール、樹脂ロール等の可撓性ロール間で押し付けたり、あるいは板間で処理するのが一般的であるが、特殊な方法として狭小な隙間のロール間で布を一定割合で強制的にオーバーフィードさせ、小ジワ状の型付けをする方法もある。
【0023】
凹、凸型付の条件で特に注意する点は処理時の温度と布にかかる圧力である。特に、本発明ではメルトブロー層を有するため、単なるフィラメントウェブだけの不織布に比べ、変形効果を受け易い。このため、ソフト性にはメルトブロー層の接着効果を抑えるため、加工温度は、フィラメントウェブの単体に比べ、低目に設定することが好ましく、繊維素材に応じて適宜に設定できる。例えば、ポリプロピレンを素材とする場合においては、60℃以下の温度に設定するのが好ましく、50℃以下がより好ましく、必要に応じて積極的に冷却することも有効である。
【0024】
一方、繊維の結合やセットが生じない範囲で温度を上げて可塑化し型付けし易くしたり、形態の安定性をつける処理をしても良い。処理時の圧力は温度によっても異なるが、変形が充分行われる圧力に設定することは当然である。なお、この変形付与を行うことで圧縮された部分の繊維断面の変形が起こるが、より柔軟さを出すため、さらに高圧の処理をすることも有効である。もちろん、圧縮部での繊維の仮固定や熱圧着が起こらないよう十分注意する必要がある。
【0025】
本発明の好ましい態様として、片面が押し付けられた凸部の高密度域であり、反対面が高密度で凹部を形成していることが好ましい。すなわち、例えば、片面には連続した凹部(高密度域)を形成する場合、他面ではこの高密度域が凸部となるよう、他域より突き出た状態にすることが好ましい。
【0026】
このことは不織布全体の見かけ厚みをウェブの厚み以上にする重要な意味を持つ。このように高密度〜低密度域が接合されずに形成されることから、布全体として、厚く、また曲げ力で容易に曲がり易くなることから、ソフトなものとなり、薄く、平面的で紙様のものとは全く異なる触感を持つものとなる。この処理効果をより強くするために、多段で処理することもできる。
【0027】
本発明の不織布は必要に応じて、制電剤、柔軟剤、親水化剤、滑剤等の各種の処理剤を付与して用いることも有効である。
【0028】
得られた本発明の不織布を衛生材料に用いるに際しては、衛生材料として狙いとする特性レベルによって、付与しておく性能、また用い方を選択することは当然であるが、本発明不織布の表裏の触感の違いも考慮する必要がある。すなわち、押し付けられた高密度域は接合されていないものの、他に比べ固められることから、例えば、この面を直接肌に触れない側に配置したり、凸部の活用などを考慮して配置することも好ましい態様である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに説明する。
先ず、測定法、評価方法について説明する。
【0030】
(1)繊度
不織布を構成する繊維の直径を、顕微鏡(キーエンス社高倍率マイクロスコープVH−8000)で測定し、丸断面繊維として繊維ポリマーの密度から算出した繊度(dtex:フィラメント10000m長の重さ)で示した。なお、メルトブローウェブの繊度は繊維直径で示した。
【0031】
(2)不織布の目付
10cm角の不織布を数枚採取し、その重量を1m当たりの重量で示す。
【0032】
(3)不織布の厚み
中山電気産業(株)製、圧縮弾性試験機E−2型を用い、測定面積4cmにて1.3、10、37.5、50、100g/cmの各荷重下で測定した。
【0033】
(4)不織布の嵩高率
本発明の非結合性の高密度域を付与する前後の不織布の厚み(10g/cm荷重下)の変化率を嵩高率とした。
【0034】
(5)不織布の強力および5%伸長時応力
幅3cm、長さ20cmの試験片を、島津製作所(株)製テンシロンを用いて、つかみ幅100mm、試験速度300m/分で引張試験を行い、縦方向、横方向の強力および5%伸長時応力を測定した。
【0035】
(6)不織布の曲げ柔軟度
柔軟性を示す指標として、次の方法で測定した曲げ柔軟度をもって表す。
測定方法は、試料片の測定方向の一方の端部1cmを残して、試料片に直角方向で全幅に渡りスケールで押え、試料片の他端部を折り目をつけず、ループを形成させた状態で、スケールで押えた端部上にのせる。スケールで押えた側の端部を手で押えたまま、試料片の上をスケールを滑らせながらループ内に移動させる。試料の反発力でループが伸びた点を終点とし、この点からループ側端部までの長さを臨界長(mm)とし、表裏の平均値で表す。短いものほど柔軟であることを示す。
【0036】
(7)不織布の柔軟化率
本発明の非結合性の高密度域を付与する前後のタテ方向の柔軟度の変化率(堀後/処理前)を柔軟化率とした。この柔軟化率は、数値が小さいほど柔軟効果が大きいことを示す。
【0037】
(8)耐水圧
不織布の緻密さ、防水性を示す尺度として耐水圧をもって示す。
試料片(20cm角)を採取し、JIS−L−1092に準じて測定した。
【0038】
【実施例1、実施例2】
ポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=40)を原料とし、丸断面のノズルから溶融押出した長繊維を紡口の近傍にて側方から冷却しながら、エアーサッカー等の牽引引取装置で引き取った。牽引引取装置を出た糸条は、帯電装置を通過させて開繊させた後、移動する金網コンベアー上にフィラメントウェブ(2.8dtex(実施例1)及び1.2dtex(実施例2)、各々6.5g/m)として捕集した。
【0039】
このウェブ上に、ポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=700)を原料とし、吐出ノズル両近傍のスリットから高圧高温風を吹きつけるメルトブロー方式のウェブ(繊径1.8μm、1g/m)2枚を積層した。さらにこの上に、前記と同様にして作成したフィラメントウェブを積層捕集して、積層ウェブ(15g/m)とした。このウェブを加熱したエンボスロール間に通し、部分熱圧着して楕円ポイント状の散点模様(斜め絣柄、圧着面積率15%)を有する不織布を得た。
【0040】
この不織布を1辺0.9mm、線幅0.1mmの連続線状のハニカム形状柄(亀甲凹柄)(押付面積率12.5%、深さ0.7mm)のエンボスロール(40℃)と表面硬度50度(JIS−A硬度)のゴムロールの間に通し、線圧100kg/cmで柄を押し付けた。亀甲柄周辺が押し付けられ高密度域を持ち、中央部が盛り上がった柔軟な不織布が得られた。不織布の性能評価結果を表1及び表2に示す。フィラメントウェブの繊度を1.2dtex(実施例2)とした不織布は表面繊維の滑らかな感触も加わり一段とソフトな不織布である。
【0041】
これらの不織布をレッグカフとして製作した使い捨てオムツは、従来の柔軟化処理をしていない不織布で構成されたものより、ソフトで、厚み感がある良好なものであった。また、この不織布に微孔PEフィルムをラミネートしてバックシートとした使い捨てオムツは従来の柔軟化処理をしていない積層不織布では得られなかった触感のソフトなもので十分実用に耐える強さ、表面強度を持つものであった。
【0042】
【実施例3、実施例4】
非結合性凹凸変形を得るために、押し付けるエンボス柄を実施例1とは逆の非連続で散在する亀甲凸柄(1辺0.45mm、押付面積率25%、深さ0.6mm)とした以外は実施例1と同様にして、目付15g/ m(実施例3)及び17g/m(実施例4)の本発明不織布を得た。不織布の性能評価結果を表1及び表2に示す。
【0043】
この不織布をレッグカフとした使い捨てオムツを製作した。実施例1と同様、従来の柔軟化処理をしていない不織布で構成されたものより、ソフトさに優れ、厚み感も良好であった。また、この不織布の表裏を逆にして微孔PEフィルムをラミネートしてバックシートとしたものは高密度域が点状に盛り上がったもので、表面の滑らかさにさらさら感が加わった触感のものであった。
【0044】
【実施例5】
非結合性凹凸変形を得るために、押し付けるエンボス柄を非連続で散在する格子凸柄(1辺0.3mm×0.7mm、押付面積率22%、深さ0.6mm)とし、この柄と嵌合する格子凹柄を持つロールと組み合わせた間に通した以外は実施例1と同様にして、目付15g/mの本発明不織布を得た。不織布の性能評価結果を表1及び表2に示す。
【0045】
この不織布を微孔PEフィルムをラミネートしてバックシートとした使い捨てオムツを製作した。実施例1と同様、従来の不織布に比べ、ソフトさに優れ、厚み感も良好であった。
【0046】
【実施例6】
非結合性凹凸変形を得るために、押し付けるエンボス柄を連続した斜線凸柄(線幅0.2mm、間隔0.5mm、押付面積率29%、深さ0.6mm)とし、表面硬度60度(JIS−A硬度)、厚み15mmのゴムロールと組み合わせた間に通した以外は実施例1と同様にして、目付17g/mの本発明不織布を得た。不織布の性能評価結果を表1及び表2に示す。
この不織布は斜めの折り曲げくせを持ち、柔軟化処理前の不織布に比べ、ソフトさに優れ、厚み感も良好な不織布であった。
【0047】
【実施例7】
原料ポリマーのポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=40)をポリプロピレンランダムコポリマー(PE3%、MFR=35)としたフィラメントウェブ(1.8dtex、6.5g/m)を用いた以外は実施例1と同様にして、目付15g/mの本発明不織布を得た。不織布の性能評価結果を表1及び表2に示す。
この不織布は表面触感がポリエチレン様のヌメリ感を持ち、柔軟化処理前の不織布に比べ、一層ソフトさに優れ、厚み感も良好な不織布であった。
【0048】
【実施例8】
実施例1において、片面のフィラメントウェブ層を外側に1.2dtex(3.3g/m)、内側に2.8dtex(3.3g/m)のウェブとした以外は実施例1と同様にして、目付15g/mの本発明の不織布を得た。得られた不織布は表面層が滑らかさを持った厚み感のある不織布であった。
【0049】
【実施例9、実施例10】
フィラメントウェブ用の原料ポリマーをポリエチレンテレフタレート(粘度ηsp/C=0.75)及びナイロン6(相対粘度ηrel=2.7)とし、メルトブロー用ポリマーをそれぞれのポリエチレンテレフタレート(粘度ηsp/C=0.42)及びナイロン6(相対粘度ηrel=2.3)として、フィラメントウェブ(2.0dtex、8.3g/m)、メルトブローウェブ(繊径それぞれPET=2.4μm、3.4g/m、N6=1.6μm、3.4g/m)とし、織目エンボス柄(0.5角、圧着面積率15%)で部分熱圧着した以外は実施例1と同様にして、目付20g/mの本発明不織布を得た。不織布の性能評価結果を表1及び表2に示す。
この不織布はそれぞれ柔軟化処理前の不織布に比べ、ソフトさに優れ、厚み感も良好な不織布であり、特にポリエステル不織布はその効果が顕著に見られた。
【0050】
【比較例1〜7】
実施例1、2、4、7、8、9及び10に対応する柔軟化処理前の不織布をそれぞれの比較例1、2、3、4、5、6、および7とした。
【0051】
【表1】
Figure 2004129810
【0052】
【表2】
Figure 2004129810
【0053】
表1及び表2に示した結果から、実施例のものは、嵩高率、引張強力、伸長時応力、柔軟性において比較例のものに比して優れていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の非結合性凹凸を有する不織布は、嵩だか性に優れ、柔軟で強度も優れており、衛生材料用不織布として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布にかけた荷重と不織布の厚みとの関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも一層のフィラメントウェブと、少なくとも一層のメルトブローウェブとを積層してなる二層以上の積層体を、表面に散在する非連続の部分的熱圧着部によって表裏一体化された衛生材料用不織布において、該不織布が該部分的熱圧着のパターンとは異なる、非結合凹凸変形を有することを特徴とする衛生材料用不織布。
  2. 前記非結合凹凸変形が、連続した凹部あるいは凸部が押し付けられて形成された変形である事を特徴とする請求項1に記載の衛生材料用不織布。
  3. 前記非結合凹凸変形が、断続して散在する凹部あるいは凸部が押し付けられて形成された変形である事を特徴とする請求項1に記載の衛生材料用不織布。
  4. 前記非結合凹凸変形の見かけ厚みが、嵩高率で105%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衛生材料用不織布。
  5. 前記部分的熱圧着部の面積率が5〜40%であり、前記非結合性の凹又は凸部の面積率が5〜40%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の衛生材料用不織布。
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