JP2004129209A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射電流を抑えることにより電圧定在波比を低く保つことのできる水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置を得る。
【解決手段】円錐形の底面側からこの円錐形に球面が接する形にこれらが幾何学的に組み合わされた形状の涙滴形素子12が、アンテナ装置10の本体部分を構成する。涙滴形素子12の円錐形部12Aの頂点と対向した部分に、円形の地板14がこの円錐形部12Aと直交する配置で位置している。同軸ケーブル18の内側導体20が、涙滴形素子12の円錐形部12Aの頂点に接合部材30及び同軸コネクタ24の内部導体26を介して接続され、同軸ケーブル18の外側導体22が、円形の地板14に同軸コネクタ24の外部導体28を介して接続される。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナ装置に係り、特に水平面内無指向性を有して広帯域にわたって入力インピーダンスの変化を少なくできるアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信やセンサの分野では、超広帯域(ウルトラワイドバンド)と呼ばれて例えば比帯域が25%以上の広帯域で使用される技術が注目を集めている。そして、このような技術に使用されるアンテナ装置としては、水平面内無指向性を有し且つ広帯域で使用が可能であることが、必要となる場合があった。
【0003】
これに対して、水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置としては、無限長の円錐からなる自己相似形状を持つことで、周波数により入力インピーダンスが変化しない仮想上の無限長バイコニカルアンテナ及び、この無限長バイコニカルアンテナを基本とした有限長バイコニカルアンテナが、従来より知られているだけでなく、無限長モノコーンアンテナや有限長モノコーンアンテナなどが知られている。但し、これらの内の実使用可能なものとしては、有限長の円錐形に形成されている有限長バイコニカルアンテナや図9に示す有限長モノコーンアンテナ110のみであった。
【0004】
しかし、円錐の長さが波長を無視できるくらい波長よりも長く、アンテナ本体に給電するための給電部が、波長を無視できるくらい波長よりも小さい場合のみ、近似的に定インピーダンスとなることが知られているのに対して、このような各アンテナ装置では、アンテナ本体112が有限長の円錐形になっている上、給電部114も有限の大きさを持っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、従来の有限長の円錐を用いた有限長バイコニカルアンテナや図9に示す有限長モノコーンアンテナ110では、円錐形に形成されたアンテナ本体112の底面112Aから発生していた反射電流を十分に抑えることができず、このような各アンテナ装置では、入力インピーダンスの変化を広帯域にわたって小さく抑えることが難しかった。
【0006】
この為、従来の水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置では、電圧定在波比(VSWR)が広帯域にわたって低くならず、効率的な放射又は受信ができない問題を有していた。
他方、上記の各アンテナ装置とは別にボルケーノスモーク(Volcano smoke )アンテナと呼ばれるものも知られているが、このアンテナ装置は形状が明瞭に定義されておらず、実使用できるものではなかった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、反射電流を抑えることにより電圧定在波比を低く保つことのできる水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のアンテナ装置は、円錐形の底面側からこの円錐形に球面が接する形にこれらが幾何学的に組み合わされた形状の涙滴形素子と、
涙滴形素子を構成する円錐形部分の頂点と対向して配置された地板と、
内側導体が涙滴形素子を構成する円錐形部分の頂点に接続されると共に、外側導体が地板に接続される同軸線路と、
を有することを特徴とする。
【0009】
請求項1に係るアンテナ装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係るアンテナ装置によれば、円錐形の底面側からこの円錐形に球面が接する形にこれらが幾何学的に組み合わされた形状に、涙滴形素子が形成されており、この涙滴形素子の円錐形部分の頂点と対向して地板が配置されている。また、同軸線路の内側導体が、この涙滴形素子を構成する円錐形部分の頂点に接続されており、この同軸線路の外側導体が、地板に接続されている。
【0010】
つまり、本請求項によるアンテナ装置では、実質的にモノコーンアンテナを形成する円錐の底面側から導電性の球を内接する形で、この円錐の底面の替わりにこの球をはめ込んだような構造の涙滴形素子を採用した。従って、本請求項のアンテナ装置によれば、円錐形となっている従来のモノコーンアンテナの底面で反射していた反射電流が抑圧され、導電性を有した球形部分の表面を電流が通り、この球形部分で徐々に減衰していくことになる。この結果として、本請求項によれば、入力インピーダンスの変化を広帯域にわたって小さく抑えられるのに伴って、電圧定在波比を確実に抑えることができ、水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置が実現可能となる。
【0011】
請求項2に係るアンテナ装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係るアンテナ装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、地板の中央部に穴部が形成され、この地板に対して涙滴形素子の円錐形部分の回転対称軸が垂直にされた状態で、この円錐形部分の頂点が穴部を有する地板の中央部に対向して位置するという構成を有している。
【0012】
つまり、地板に対して涙滴形素子の円錐形部分の回転対称軸が垂直となる配置で地板が設置されたことで、より確実に請求項1の作用効果が得られるだけでなく、円錐形部分の頂点が穴部を有する地板の中央部に対向して位置したことで、この穴部を介して確実に、同軸線路の内側導体を、涙滴形素子に接続できるようになる。
【0013】
請求項3に係るアンテナ装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係るアンテナ装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、涙滴形素子と同軸線路の内側導体との間及び、地板と同軸線路の外側導体との間をそれぞれ接続し得る接合部材が、地板を挟んで涙滴形素子と対向して配置されるという構成を有している。
【0014】
つまり、接合部材が地板を挟んで涙滴形素子と対向して配置されることで、涙滴形素子及び地板が同軸線路側にそれぞれ容易に接続可能となるだけでなく、この接合部材によって強固に接合されることで、涙滴形素子と地板との間の位置関係が変化し難くなり、特性が安定化するようになる。
【0015】
請求項4に係るアンテナ装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係るアンテナ装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、涙滴形素子を構成する円錐形部分の半頂角が、45°以上で50°以下の角度とされるという構成を有している。つまり、この角度範囲内に半頂角の大きさをすることで、特性インピーダンスが50Ωの同軸線路で給電する場合に電圧定在波比が必要十分な値に低下されることになるので、円錐形部分の半頂角を上記の45°以上で50°以下の角度とした。
【0016】
請求項5に係るアンテナ装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係るアンテナ装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、比誘電率を1.1以下とした材料により作製される支持部材が、涙滴形素子を支える形で地板上に配置されるという構成を有している。
つまり、涙滴形素子を円錐の頂点だけで支えると涙滴形素子が不安定になることがあるので、支持部材により涙滴形素子を安定的に支持する構造にした。そしてこの際、アンテナ装置の特性に影響を与えないように、比誘電率1.1以下の材料で支持部材を作製した。
【0017】
請求項6に係るアンテナ装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係るアンテナ装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、地板からの涙滴形素子の高さが、利用可能な周波数帯域の下限周波数における波長の0.23倍以上の寸法とされるという構成を有している。
つまり、このアンテナ装置の利用可能範囲をVSWRが1.5以下となる周波数帯域とした場合、地板からの涙滴形素子の高さを、利用可能な周波数帯域の下限周波数における波長の0.23倍以上の寸法とすることが、適切と考えられるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアンテナ装置の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るアンテナ装置10を示す概略斜視図であり、図2は本実施の形態に係るアンテナ装置10を示す概略縦断面図である。また、図3は本実施の形態に係るアンテナ装置10の要部拡大縦断面図である。
【0019】
これらの図に示すように、本実施の形態に係るアンテナ装置10の本体部分を、円錐形の底面側からこの円錐形に球面が接する形にこれらが幾何学的に組み合わされた形状の涙滴形素子12が、構成されている。そして、この涙滴形素子12を構成する円錐形部分である円錐形部12Aの半頂角Ψが、45°以上で50°以下の角度とされている。ここでこの半頂角Ψは、円錐の軸に対応する回転対称軸Lと円錐形部12Aの外周面との間の角度を意味する。
【0020】
この涙滴形素子12の円錐形部12Aの頂点と対向した部分には、円形の板材により形成された地板14が、この円錐形部12Aと直交する配置で位置しており、この円錐形部12Aの頂点と対向する地板14の中央部には、円形の穴部14Aが貫通して設けられている。この為、地板14に対して円錐形部12Aの回転対称軸Lが垂直にされた状態で、この円錐形部12Aの頂点が、この地板14の穴部14Aに対向した形とされている。尚、これら涙滴形素子12及び地板14は、それぞれ導電性を有するように例えばアルミニウム材等の金属材料により、それぞれ形成されている。
【0021】
さらに、本実施の形態に係るアンテナ装置10の具体的な大きさとして、図2に示す涙滴形素子12の直径D1を例えば63.5mmとし、地板14の上面から涙滴形素子12の上端までの回転対称軸Lに沿った高さHを例えば75mmとし、円錐形部12Aの半頂角Ψを例えば48°とすることが考えられ、また同じく円形の地板14の直径D2を例えば300mmとすることが考えられる。尚、本実施の形態のアンテナ装置10では、地板14の上面と涙滴形素子12の円錐形部12Aの頂点とが同一平面上に位置する関係に、涙滴形素子12が配置されている。
【0022】
図2及び図3において、この涙滴形素子12の円錐形部12Aの頂点となる先端には、外周に雄ねじを有した接合部材30を介して、同軸コネクタ24の内部導体26の上端部が繋がれており、この内部導体26の下端部には、同軸ケーブル18の内側導体20が接合されている。
【0023】
また、この同軸コネクタ24の外周側部分を外部導体28が形成していて、この外部導体28の上側部分を構成する上側外部導体28Aの外周に突出したフランジ部分の上面が、地板14の穴部14A周辺の下面に接合しており、この上側外部導体28Aと外部導体28の下側部分を構成する下側外部導体28Bとがねじ止めされて相互に連結されている。そして、この下側外部導体28Bには、同軸ケーブル18の外側導体22が接続されている。
【0024】
つまり、同軸線路である同軸ケーブル18の内側導体20が、涙滴形素子12を構成する円錐形部12Aの頂点に接合部材30及び同軸コネクタ24の内部導体26を介して接続されており、また、この同軸ケーブル18の外側導体22が、円形の地板14に同軸コネクタ24の外部導体28を介して接続されるようになっている。
【0025】
一方、図3に示す涙滴形素子12と同軸コネクタ24の内部導体26との間の接続する際には、先ず同軸コネクタ24の内部導体26の先端側に、雌ネジ加工された形のネジ穴を設けると共に、涙滴形素子12の円錐形部12Aの先端側にも、同様に回転対称軸Lに沿って雌ネジ加工された形のネジ穴を設ける。この後、外周に雄ネジ加工されている接合部材30をこれらネジ穴にそれぞれねじ込むことにより、涙滴形素子12と同軸コネクタ24とが相互に接続されることになる。
【0026】
さらに、涙滴形素子12を円錐形部12Aの頂点だけで支えた場合には、この涙滴形素子12が不安定になることがあるので、本実施の形態では、比誘電率1.1以下の材料で作製したリング状の支持部材16を地板14上に配置した。そして、図2に示すこの支持部材16の二段に形成された内周面16Aの上部側で涙滴形素子12の球形部12Bを支えると共に、この内周面16Aの下部側で円錐形部12Aを支えることにより、涙滴形素子12を安定的に支持する構造とした。
【0027】
このような支持部材16の材質として、比誘電率が1.1以下であるだけでなく加工性も良いので、例えば発泡樹脂のようなものが適しているが、他の合成樹脂材料や樹脂材料以外の他の材料を採用することもできる。
【0028】
次に、本実施の形態に係るアンテナ装置10の作用を詳細に説明する。
本実施の形態に係るアンテナ装置10によれば、円錐形の底面側からこの円錐形に球面が接する形でこれらが幾何学的に組み合わされた形状に、涙滴形素子12が形成されており、この涙滴形素子12の円錐形部12Aの頂点と対向して、中央部に穴部14Aを有した地板14が、配置されている。
【0029】
具体的には、この地板14に対して、涙滴形素子12の円錐形部12Aの回転対称軸Lが垂直にされた状態で、この円錐形部12Aの頂点が穴部14Aを有する地板14の中央部に対向して位置しており、比誘電率を1.1以下とした材料により作製される支持部材16が、涙滴形素子12を支える形で、この地板14上に配置されている。さらに、同軸ケーブル18の内側導体20が、この涙滴形素子12を構成する円錐形部12Aの頂点に接続されており、この同軸ケーブル18の外側導体22が、地板14に接続されている。
【0030】
従って、例えば同軸ケーブル18の外側導体22より同軸コネクタ24の外部導体28に給電された電流は、この外部導体28内を介して地板14に伝わるようになる。この一方、同軸ケーブル18の内側導体20より同軸コネクタ24の内部導体26に給電された電流は、この内部導体26及び接合部材30内を介して涙滴形素子12の円錐形部12Aに伝わるようになる。
【0031】
この際、本実施の形態によるアンテナ装置10では、モノコーンアンテナを形成する円錐の底面に導電性の球を内接する形で、この円錐の底面の替わりに球をはめ込むような構造の涙滴形素子12を採用している為、涙滴形素子12の円錐形部12Aに伝わった電流は以下のようになる。つまり、円錐形となっている従来のモノコーンアンテナの底面で反射していた反射電流が、本実施の形態のアンテナ装置10の涙滴形素子12では底面が無いので発生せず、ほとんどの電流は導電性を有した球形部12Bの表面を伝わって、この球形部12Bで徐々に減衰していくことになる。
【0032】
この結果として、本実施の形態によれば、円錐の底面での反射電流が抑圧されるので、入力インピーダンスの変化を広帯域にわたって小さく抑えられるのに伴って、給電に用いられる同軸線路である同軸ケーブル18上の電圧定在波比を確実に抑えることができるので、水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置10が実現可能となる。
【0033】
また、地板14の中央部に穴部14Aが形成され、この地板14に対して涙滴形素子12の円錐形部12Aの回転対称軸Lが垂直となる配置で地板14が設置されたことで、より確実に上記の作用効果が得られるだけでなく、円錐形部12Aの頂点が穴部14Aを有する地板14の中央部に対向して位置したことで、この穴部14Aを介して確実に、同軸ケーブル18の内側導体20を、涙滴形素子12に接続できるようになる。
【0034】
さらに、上記の涙滴形素子12を円錐の頂点だけで支えた場合には、涙滴形素子12が不安定になることがあるので、本実施の形態では、支持部材16により涙滴形素子12を安定的に支持する構造にした。そしてこの際、アンテナ装置10の特性に影響を与えないように、比誘電率1.1以下の材料で支持部材16を作製するようにした。
【0035】
他方、本実施の形態では、涙滴形素子12と同軸ケーブル18の内側導体20との間及び、地板14と同軸ケーブル18の外側導体22との間をそれぞれ接続し得る同軸コネクタ24及び接合部材30が、地板14を挟んで涙滴形素子12と対向して配置されている。
【0036】
つまり、同軸コネクタ24及び接合部材30が地板14を挟んで涙滴形素子12と対向して配置されることで、涙滴形素子12及び地板14が同軸ケーブル18側にそれぞれ容易に接続可能となるだけでなく、これら同軸コネクタ24及び接合部材30によって強固に接合されることで、涙滴形素子12と地板14との間の位置関係が変化し難くなり、特性が安定化するようになる。
【0037】
次に、本発明に係るアンテナ装置の変形例について、図4に基づき説明する。尚、上記実施の形態と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
この図4は、本変形例に係るアンテナ装置を示す概略斜視図である。この図4に示すように、本変形例に係るアンテナ装置10は上記実施の形態とほぼ同一の構造となっているが、本変形例では支持部材16が無い。つまり、涙滴形素子12を円錐の頂点だけで支えても不安定にならなければ、支持部材16を用いる必要がないので、図4に示す構造にできる。そして、本変形例では支持部材16が無いのに伴い、製造コストの低減が可能ともなる。
【0038】
次に、上記構成からなる本実施の形態のアンテナ装置10の半頂角Ψと特性インピーダンスが50Ωの同軸線路である同軸ケーブル18で給電する場合の最大VSWRとの関係を、図5のグラフに示す計算結果に基づき、説明する。
つまり、この最大VSWRである最大の電圧定在波比の最適な値は1.2以下と考えられる。これに対して、図5のグラフより涙滴形素子12の円錐形部12Aの半頂角Ψが、45°以上で50°以下の角度範囲内の大きさであれば、最大VSWRが1.2以下となるので、電圧定在波比が必要十分な値に低下されることになる。以上より、円錐形部12Aの半頂角Ψを上記の45°以上で50°以下の角度としたことが理解できる。尚ここで、最大VSWRを計算した周波数の範囲は2ギガヘルツから10ギガヘルツである。
【0039】
次に、本実施の形態のアンテナ装置10及び、図9に示す従来の有限長モノコーンアンテナ110における電波の周波数とVSWRとの関係を、図6のグラフに示す実際に計測した結果の測定値及び計算値に基づき、説明する。
尚、図6のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸は電圧定在波比を意味するVSWRである。また、各特性曲線の内のAで表したものが有限長モノコーンアンテナ110の測定値であり、Bで表したものが本実施の形態のアンテナ装置10の測定値であり、Cで表したものが有限長モノコーンアンテナ110の計算値であり、Dで表したものが本実施の形態のアンテナ装置10の計算値である。そして、この図6のグラフより測定値及び計算値の何れも、従来の有限長モノコーンアンテナ110より、本実施の形態のアンテナ装置10のVSWRの値が全体として低いことが、理解できる。
【0040】
さらに、上記実施の形態に係るアンテナ装置10の従来例となる有限長モノコーンアンテナは、円錐の長さにより利用可能な周波数帯域の下限周波数が変化することが、知られている。
【0041】
そこで、図2に示す涙滴形素子12の円錐形部12Aの回転対称軸Lに沿った地板14の上面からの高さHを変化させた場合における、本実施の形態のアンテナ装置10の利用可能な周波数帯域の下限周波数の変化を、数値計算によって調査した。この数値計算に際して、前述のようにアンテナ装置10の地板14は、直径D2が300mmの円形であり、涙滴形素子12の半頂角Ψを48°の角度とした形で、これらの条件を一定とした。
【0042】
つまり、上記実施の形態に係るアンテナ装置10では、涙滴形素子12の高さHを75mmとしたが、この4分の1の高さである18.75mmから4倍の高さである300mmまで、この高さHを変化させて、18.75mm、37.5mm、75mm、150mm、300mmの5点それぞれについて、有限積分法(Finite−Integration法(T.Barts,et al.,“Maxwell’s grid equations, ”Frequenz,vol.44,no.1,pp.9−16,1990)) により入力インピーダンスの数値計算を行い、VSWRをそれぞれ求めた。
【0043】
この際、このアンテナ装置10の利用可能範囲をVSWRが1.5以下となる周波数帯域とし、この場合に於ける利用可能な周波数帯域の下限周波数をこの数値計算の結果に基づいて求めた。そして、図7のグラフにこの数値計算の結果による各点を示すと共に、グラフ上の各点を実線で繋いだ。
【0044】
この図7に示すグラフより、涙滴形素子12の高さHと利用可能な周波数帯域の下限周波数との関係は、反比例の関係にあることが理解できるが、これは有限長モノコーンアンテナと同様に、涙滴形素子12の高さHがこの下限周波数の波長λL と比例関係にある為と、考えられる。また、この計算結果の各点の表示と合わせて、涙滴形素子12の高さHと利用可能な周波数帯域の下限周波数の波長λL との関係が、H=0.23λL である場合の特性曲線も、図7のグラフに破線で同時に示す。
【0045】
尚、この図7のグラフにおいて、この高さHを300mmとした時の下限周波数が、この高さHを150mmとした時の下限周波数よりも高くなっているが、これは涙滴形素子12の大きさが地板14に比べて相対的に大きくなったことが、原因と考えられる。そして計算によって、地板14を大きくすることでこの現象を回避できることが、確認されている。
【0046】
以上の結果から、地板14の半径となる150mmよりも高さHが低くなり、地板14の大きさによる影響が生じないと思われる18.75mm、37.5mm、75mmの3点を含む高さHの範囲において、この下限周波数の波長λL と涙滴形素子12の高さHとの関係が、図7に破線で示したH=0.23λL の曲線に沿うことがわかった。つまり、地板14からの涙滴形素子12の高さHを、利用可能な周波数帯域の下限周波数における波長λL の0.23倍以上の寸法とすることが、適切であることが確認された。
【0047】
次に、より小型化されたアンテナ装置10の例を以下に説明する。
本例では、図2に示す地板14からの涙滴形素子12の高さHを25mm、涙滴形素子12の直径D1を21.32mm、涙滴形素子12の半頂角Ψを48°とし、円形の地板14の直径D2を100mmとした。そして、この例における、アンテナ装置10のVSWRの実測値及び計算値を図8のグラフに示す。
【0048】
この図8のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸は電圧定在波比を意味するVSWRである。また、各特性曲線の内のAで表したものが本例のアンテナ装置10の実測値であり、Bで表したものが本例のアンテナ装置10の計算値である。
【0049】
つまり、3GHzからこの測定系の上限の20GHzまでの周波数範囲において実測値及び計算値のVSWRが共に1.5よりもさらに低く、VSWR<1.3をそれぞれ実現したことが、この図8のグラフから理解できる。そして、この例のアンテナ装置10であっても、地板14からの涙滴形素子12の高さHを、波長λL の0.23倍以上の寸法とすることが、適切と考えられる。
【0050】
尚、本実施の形態では、同軸コネクタ24を用いて涙滴形素子12及び地板14と同軸ケーブル18との間を接続しているが、このアンテナ装置は自己相似形状に近似していて、給電部となるコネクタは短い波長に対しても無視できるぐらい小さいほうが望ましい。これに伴い、本実施の形態で用いられる同軸コネクタの種類としては、例えばNコネクタ、SMAコネクタ、Kコネクタ及びVコネクタ等が考えられる。
【0051】
さらに、上記実施の形態に係る涙滴形素子は、導電性を有するようにアルミニウム材等の金属材料により形成されているが、涙滴形素子は中空の構造としても良く、また樹脂材料の表面に導電性を有する材料を蒸着等によって付着して導電性を有するようにした構造とされていても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の上記構成によれば、従来の水平面内無指向性で広帯域のアンテナ装置よりも反射電流を抑えることにより、電圧定在波比を低く保つことで、広帯域にわたり電圧定在波比を確実に抑えられるアンテナ装置を提供できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置の概略縦断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置の要部拡大縦断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態の変形例に係るアンテナ装置の概略斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置の半頂角と最大VSWRとの関係の計算結果を表したグラフを示す図である。
【図6】本実施の形態のアンテナ装置及び従来の有限長モノコーンアンテナにおける周波数とVSWRとの関係を表したグラフを示す図である。
【図7】涙滴形素子の高さと利用可能な周波数帯域の下限周波数との関係を表したグラフを示す図である。
【図8】本実施の形態に係るアンテナ装置の別例におけるVSWRの実測値及び計算値を表したグラフを示す図である。
【図9】従来の有限長モノコーンアンテナの概略斜視図である。
【符号の説明】
10   アンテナ装置
12   涙滴形素子
12A  円錐形部
14   地板
14A  穴部
16   支持部材
18   同軸ケーブル(同軸線路)
20   内側導体
22   外側導体
24   同軸コネクタ
30   接合部材

Claims (6)

  1. 円錐形の底面側からこの円錐形に球面が接する形にこれらが幾何学的に組み合わされた形状の涙滴形素子と、
    涙滴形素子を構成する円錐形部分の頂点と対向して配置された地板と、
    内側導体が涙滴形素子を構成する円錐形部分の頂点に接続されると共に、外側導体が地板に接続される同軸線路と、
    を有することを特徴とするアンテナ装置。
  2. 地板の中央部に穴部が形成され、この地板に対して涙滴形素子の円錐形部分の回転対称軸が垂直にされた状態で、この円錐形部分の頂点が穴部を有する地板の中央部に対向して位置することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 涙滴形素子と同軸線路の内側導体との間及び、地板と同軸線路の外側導体との間をそれぞれ接続し得る接合部材が、地板を挟んで涙滴形素子と対向して配置されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 涙滴形素子を構成する円錐形部分の半頂角が、45°以上で50°以下の角度とされることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  5. 比誘電率を1.1以下とした材料により作製される支持部材が、涙滴形素子を支える形で地板上に配置されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  6. 地板からの涙滴形素子の高さが、利用可能な周波数帯域の下限周波数における波長の0.23倍以上の寸法とされることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
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