JP2004127748A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】事故や故障が生じて、水素元弁を閉じたとき、その下流に残留する水素を問題のないレベルまで減少させる。
【解決手段】燃料電池制御装置33は、Gセンサ27が所定値を超える加速度を検出したとき、又は水素センサが水素漏れを検出したときに、水素タンク3のシャット弁5を閉じると共に、燃料電池スタック9にしばらく発電を継続させてシャット弁5の下流の残留水素を問題のないレベルまで減少させる。この発電による余剰電力は、パワーマネージャ15を介して二次電池13へ充電したり、燃料電池の補機である空気コンプレッサ11,冷却水ポンプ29で消費させる。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池制御装置33は、Gセンサ27が所定値を超える加速度を検出したとき、又は水素センサが水素漏れを検出したときに、水素タンク3のシャット弁5を閉じると共に、燃料電池スタック9にしばらく発電を継続させてシャット弁5の下流の残留水素を問題のないレベルまで減少させる。この発電による余剰電力は、パワーマネージャ15を介して二次電池13へ充電したり、燃料電池の補機である空気コンプレッサ11,冷却水ポンプ29で消費させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特にシャット弁下流の配管や燃料電池スタック内部に残留する水素ガスを除去することができる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。
【0003】
この燃料電池を車両の駆動源として利用する燃料電池車両が近年注目されている。すなわち、水素貯蔵装置または水素ガス発生装置を車両に搭載し、そこから供給される水素ガスと、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動用モータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
【0004】
燃料電池システムにおいて、例えば、特許文献1に記載のような、高圧水素タンクから圧力調整した水素を燃料電池スタックに供給する燃料電池システムが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−231294号公報(第4ページ、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池システムの故障や事故、または燃料電池システムを搭載した車両の事故などの異常時に水素が漏れ出す虞がある場合、一般的に水素タンクのシャット弁を閉じて水素供給を停止し、水素ガス漏れを防止している。
【0007】
しかしながら、従来の燃料電池システムや燃料電池車両においては、緊急時に水素タンクのシャット弁を閉じたとしても、シャット弁の下流側では配管内及び燃料電池スタックに水素が残留するという問題点があった。このような残留水素は、なるべく大気に放出しないようにすることが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、水素と酸化剤との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックに水素を供給する水素供給手段と、燃料電池スタックに酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、前記水素供給手段から燃料電池スタックへの水素供給を停止するシャット弁と、前記シャット弁の下流側に残留した水素を除去する残留水素除去手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、水素供給を停止した後に、残留水素除去手段がシャット弁下流に残留した水素を除去するため、残留水素が燃料電池システムの外部に放出されても問題のないレベルまで減少させることができるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態を搭載した燃料電池車両の概略構成を説明する構成図である。図1において、燃料電池車両1は、燃料である水素ガスを貯蔵する水素タンク3と、水素タンク3を開閉するシャット弁5と、水素タンク3から供給する水素ガスの圧力を調整する調圧弁7と、調圧弁7で圧力調整された水素ガスが燃料極に供給される燃料電池スタック9と、空気を圧縮して燃料電池スタック9の空気極へ送るコンプレッサ11と、二次電池13と、燃料電池スタック9が発電する電力を二次電池13に充電したり、駆動モータ17の駆動用電力に変換するパワーマネージャ15と、パワーマネージャ15からの電力を車両の駆動力に変換する駆動モータ17と、駆動力を左右に分配する差動装置19と、駆動軸21を介して回転駆動される駆動輪23と、従動輪25と、車体に加えられる加速度を検出するGセンサ27と、燃料電池スタック9の冷却水を循環させる冷却水ポンプ29と、冷却水の熱を外部へ放出するラジエータ31と、燃料電池全体を制御する燃料電池制御装置33とを備えている。
【0011】
図1において、水素タンク3、シャット弁5及び調圧弁7が燃料電池スタック9に水素を供給する水素供給手段を構成している。また、コンプレッサ11は、燃料電池スタック9に酸化剤としての空気を供給する酸化剤供給手段である。
【0012】
燃料電池制御装置33は、特に限定されないが、本実施形態では、CPU、プログラムメモリ、ワークメモリ及びI/Oインタフェースを備えたマイクロプロセッサで実現されている。
【0013】
燃料電池制御装置33は、通常運転時には、調圧弁7,コンプレッサ11、冷却水ポンプ29等を制御して、燃料電池スタック9に供給する水素ガス圧力及び流量、燃料電池スタック9に供給する空気圧力及び流量、燃料電池スタック9の温度を制御する。
【0014】
燃料電池制御装置33には、Gセンサ27及び図示しない水素センサが接続されている。そして、事故時や燃料電池システム故障時には、燃料電池制御装置33は、シャット弁5を閉じて水素タンク3からの新たな水素の供給を停止するとともに、しばらく燃料電池スタック9に発電を継続させて、この余剰電力を二次電池13へ充電することにより、シャット弁5下流の水素ガス配管や燃料電池スタック9内部に残留する水素を消費させて除去する残留水素除去手段として動作する。
【0015】
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図2のフローチャートは、所定時間(例えば、10〔ms〕)毎に、燃料電池制御装置33のCPUに呼び出されて、実行されるものとする。
【0016】
動作説明の前に、本制御動作で使用するGセンサフラグGS、システム故障フラグMFと、タイマTについて説明する。Gセンサ27、または図示しない左右方向の加速度センサが検出した車体に対する加速度が所定値(車両が衝突した場合に発生する加速度で,設計要件で適宜決定される)以上の場合、事故と判定して、GセンサフラグGSが”1”(真)にセットされるようになっている。
【0017】
また、燃料電池制御装置が暖機状態や通常の運転状態において、あり得ない燃料電池状態や制御上の矛盾を検出したり、水素センサが所定濃度(設計要件で適宜決定される)以上の水素ガスを検出した場合、システム故障フラグMFが”1”(真)にセットされるようになっている。
【0018】
尚、Gセンサフラグ及びシステム故障フラグMFの初期値は、事故や故障が無いことを示す”0”(偽)である。タイマTは、緊急時残留水素除去動作の経過時間を計測するソフトタイマであり、初期値は0とする。
【0019】
図2のフローチャートにおいて、まず、ステップS10において、GセンサフラグGSが1か否かを判定する。GS=1ならば、S14へ分岐する。GS≠1(GS=0)ならば、S12へ進み、システム故障フラグMFが1か否かを判定する。MF=1ならばS14へ進み、MF≠1(MF=0)ならば、GS、MFともにセットされていないので、緊急時残留水素除去は不要であるので、本ルーチンを終了し、メインルーチンへリターンする。
【0020】
S14では、GSまたはMFの何れかがセットされた緊急時であるので、水素タンク3のシャット弁5を閉じる。次いで、S16で、燃料電池スタック9の発電電力で二次電池13の充電を開始する。S18では、タイマTの値を1だけ増加させ、S20でタイマTが所定時間#TSHを超えているか否かを判断する。
【0021】
S20の判定で、Tが#TSHを超えていなければ、残留水素を消費するために燃料電池スタック9の発電状態及びこの発電電力による二次電池13の充電状態を継続して、リターンする。
【0022】
S20の判定で、Tが#TSHを超えていれば、S22へ進み、GセンサフラグGS、システム故障フラグMF、及びタイマTをリセットする。そして、S24で発電緊急停止フラグESDをセットして、リターンする。パワーマネージャ15は、ESDフラグがセットされると、二次電池13への充電を停止すると共に、燃料電池補機を停止させる。
【0023】
ここで、所定時間#TSHは、予めシャット弁5の下流の配管及び燃料電池スタック9の水素ガス通路容積に応じて設定された作動時間であり、残留水素を放出しても問題のないレベルまで消費して除去するための時間である。
【0024】
尚、調圧弁7の下流に水素ガス圧力を検出する水素圧力センサを設けて、GセンサフラグGSまたはシステム故障フラグMFがセットされた時点の水素ガス圧力に応じて、#TSHに代わる残留水素消費時間を設定してもよい。
【0025】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、燃料電池スタックの運転をしばらく継続し、発生した余剰電力で二次電池を充電するようにしたので、残留水素を放出しても問題ないレベルまで減少させることができるという効果がある。
【0026】
〔第2実施形態〕
第2実施形態のシステム構成は、図1に示した第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。本実施形態では、GセンサフラグGSやシステム故障フラグMFがセットされたときに、燃料電池スタック9をごく短時間作動継続させて、この時発生した余剰電力を、空気コンプレッサ11や冷却水ポンプ29などの燃料電池補機で消費させる。
【0027】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図3のフローチャートは、所定時間(例えば、10〔ms〕)毎に、燃料電池制御装置33のCPUに呼び出されて、実行されるものとする。
【0028】
図3のフローチャートにおいて、まず、ステップS10において、GセンサフラグGSが1か否かを判定する。GS=1ならば、S14へ分岐する。GS≠1(GS=0)ならば、S12へ進み、システム故障フラグMFが1か否かを判定する。MF=1ならばS14へ進み、MF≠1(MF=0)ならば、GS、MFともにセットされていないので、緊急時残留水素除去は不要であるので、本ルーチンを終了し、メインルーチンへリターンする。
【0029】
S14では、GSまたはMFの何れかがセットされた緊急時であるので、水素タンク3のシャット弁5を閉じる。次いで、S32で、燃料電池スタック9の発電電力で駆動される燃料電池補機である空気コンプレッサ11または冷却水ポンプ29の駆動を継続する。S18では、タイマTの値を1だけ増加させ、S34でタイマTが所定時間#TSH2を超えているか否かを判断する。
【0030】
S34の判定で、Tが#TSH2を超えていなければ、残留水素を消費するために燃料電池スタック9の発電状態及びこの発電電力による空気コンプレッサ11の駆動状態を継続して、リターンする。
【0031】
S34の判定で、Tが#TSH2を超えていれば、S22へ進み、GセンサフラグGS、システム故障フラグMF、及びタイマTをリセットする。そして、S24で発電緊急停止フラグESDをセットして、リターンする。パワーマネージャ15は、ESDフラグがセットされると、空気コンプレッサ11,冷却水ポンプ29などの燃料電池補機を停止させる。
【0032】
ここで、所定時間#TSH2は、予めシャット弁5の下流の配管及び燃料電池スタック9の水素ガス通路容積に応じて設定された作動時間であり、残留水素を放出しても問題のないレベルまで消費して除去するための時間である。
【0033】
尚、調圧弁7の下流に水素ガス圧力を検出する水素圧力センサを設けて、GセンサフラグGSまたはシステム故障フラグMFがセットされた時点の水素ガス圧力に応じて、#TSH2に代わる残留水素消費時間を設定してもよい。
【0034】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、燃料電池スタックの運転をしばらく継続し、発生した余剰電力は、空気コンプレッサや冷却水ポンプなどの燃料電池補機を駆動して消費するようにしたので、残留水素を放出しても問題ないレベルまで減少させることができるという効果がある。
【0035】
〔第3実施形態〕
図4は、本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態を搭載した燃料電池車両の概略構成を説明する構成図である。図1に示した第1実施形態との相違は、調圧弁7と燃料電池スタック9との接続配管にシャット弁35を介して緊急用ボンベとしての真空ボンベ37を備えていることである。その他の構成要素は、第1実施形態と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0036】
緊急用ボンベとしての真空ボンベ37は、水素タンク5のシャット弁5の下流に連通可能な緊急水素除去用のボンベである。残留水素は低圧で量も少ない為、真空ボンベ37は、小容量のボンベでも充分である。
【0037】
そして、事故や故障等の緊急時には、燃料電池制御装置33が水素タンク3のシャット弁5を閉じると共に、シャット弁35を所定時間開いて、シャット弁5の下流の残留水素を真空ボンベ37に吸収させて除去する。
【0038】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図5のフローチャートは、所定時間(例えば、10〔ms〕)毎に、燃料電池制御装置33のCPUに呼び出されて、実行されるものとする。
【0039】
図5のフローチャートにおいて、まず、ステップS10において、GセンサフラグGSが1か否かを判定する。GS=1ならば、S14へ分岐する。GS≠1(GS=0)ならば、S12へ進み、システム故障フラグMFが1か否かを判定する。MF=1ならばS14へ進み、MF≠1(MF=0)ならば、GS、MFともにセットされていないので、緊急時残留水素除去は不要であるので、本ルーチンを終了し、メインルーチンへリターンする。
【0040】
S14では、GSまたはMFの何れかがセットされた緊急時であるので、水素タンク3のシャット弁5を閉じる。次いで、S42で、真空ボンベ37のシャット弁35を開き、水素タンク3のシャット弁5の下流に残留する水素の吸収を開始させる。S18では、タイマTの値を1だけ増加させ、S44でタイマTが所定時間#TSH3を超えているか否かを判断する。
【0041】
S44の判定で、Tが#TSH3を超えていなければ、残留水素を真空ボンベ37へ吸収するためにシャット弁35の開状態を継続して、リターンする。
【0042】
S44の判定で、Tが#TSH3を超えていれば、S22へ進み、GセンサフラグGS、システム故障フラグMF、及びタイマTをリセットする。次いで、S24で発電緊急停止フラグESDをセットし、S46で、真空ボンベ37のシャット弁35を閉じて、リターンする。
【0043】
ここで、所定時間#TSH3は、予めシャット弁5の下流の配管及び燃料電池スタック9の水素ガス通路容積に応じて設定された作動時間であり、残留水素を放出しても問題のないレベルまで真空ボンベ37に水素を吸収させて除去するための時間である。
【0044】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、緊急用ボンベである真空ボンベに導いて蓄えるため、放出することがあっても問題ないレベルまで残留水素を減少させることができるという効果がある。
【0045】
〔第4実施形態〕
図6は、本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態を搭載した燃料電池車両の概略構成を説明する構成図である。図4に示した第3実施形態との相違は、調圧弁7と燃料電池スタック9との接続配管にシャット弁35を介して緊急用ボンベとしての水素吸着材ボンベ39を備えていることである。その他の構成要素は、第3実施形態と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0046】
緊急用ボンベとしての水素吸着材ボンベ39は、水素タンク5のシャット弁5の下流に連通可能な緊急水素除去用のボンベである。残留水素は低圧で量も少ない。その上、水素吸着材ボンベ39は、内蔵する水素吸着材が水素を吸着するため、第3実施形態の真空ボンベより更に小容量のボンベでも充分である。
【0047】
水素吸着材ボンベ39が内蔵する水素吸着材としては、水素吸蔵合金や炭素系水素吸蔵材であるカーボンナノチューブ等が利用できる。水素吸蔵合金には、ランタン・ニッケルに代表される希土類系、チタン・鉄系、マグネシウム・ニッケル系、カルシウム・ニッケル系がある。水素吸着材ボンベ39に使用する際には、水素吸着速度が速くなるように、水素吸蔵合金の粒径を小さく(表面積を大きく)して使用するのが好ましい。
【0048】
さらに、水素吸着材ボンベ39に水素吸着材を充填した後、水素吸着材ボンベ39を減圧又は、真空引きを行って、シャット弁35を開いたときに、抵抗無く残留水素が水素吸着材ボンベ39へ流入できるようにするのが好ましい。
【0049】
そして、事故や故障等の緊急時には、燃料電池制御装置33が水素タンク3のシャット弁5を閉じると共に、シャット弁35を所定時間開いて、シャット弁5の下流の残留水素を水素吸着材ボンベ39に吸収させて除去する。
【0050】
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図5に示した第3実施形態のフローチャートと異なる点だけを説明する。図5のS42に代えて、S52で水素吸着材ボンベ39のシャット弁35を開く点と、S54の判定時間#TSH4が異なる点と、S56で水素吸着材ボンベ39のシャット弁35を閉じる点が異なる。これ以外は、第3実施形態と同様である。
【0051】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、緊急用ボンベである水素吸着材ボンベに導いて、水素吸着材に水素を吸着させるため、放出することがあっても問題ないレベルまで残留水素を減少させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1、第2実施形態を搭載した燃料電池車両の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】第1実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【図3】第2実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態を搭載した燃料電池車両の構成を説明するシステム構成図である。
【図5】第3実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態を搭載した燃料電池車両の構成を説明するシステム構成図である。
【図7】第4実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池車両
3…水素タンク
5…シャット弁
7…調圧弁
9…燃料電池スタック
11…空気コンプレッサ
13…二次電池
15…パワーマネージャ
17…駆動モータ
19…差動装置
21…駆動軸
23…駆動輪
25…従動輪
27…Gセンサ
29…冷却水ポンプ
31…ラジエータ
33…燃料電池制御装置
35…シャット弁
37…真空ボンベ
39…水素吸着剤ボンベ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特にシャット弁下流の配管や燃料電池スタック内部に残留する水素ガスを除去することができる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。
【0003】
この燃料電池を車両の駆動源として利用する燃料電池車両が近年注目されている。すなわち、水素貯蔵装置または水素ガス発生装置を車両に搭載し、そこから供給される水素ガスと、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動用モータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
【0004】
燃料電池システムにおいて、例えば、特許文献1に記載のような、高圧水素タンクから圧力調整した水素を燃料電池スタックに供給する燃料電池システムが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−231294号公報(第4ページ、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池システムの故障や事故、または燃料電池システムを搭載した車両の事故などの異常時に水素が漏れ出す虞がある場合、一般的に水素タンクのシャット弁を閉じて水素供給を停止し、水素ガス漏れを防止している。
【0007】
しかしながら、従来の燃料電池システムや燃料電池車両においては、緊急時に水素タンクのシャット弁を閉じたとしても、シャット弁の下流側では配管内及び燃料電池スタックに水素が残留するという問題点があった。このような残留水素は、なるべく大気に放出しないようにすることが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、水素と酸化剤との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックに水素を供給する水素供給手段と、燃料電池スタックに酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、前記水素供給手段から燃料電池スタックへの水素供給を停止するシャット弁と、前記シャット弁の下流側に残留した水素を除去する残留水素除去手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、水素供給を停止した後に、残留水素除去手段がシャット弁下流に残留した水素を除去するため、残留水素が燃料電池システムの外部に放出されても問題のないレベルまで減少させることができるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態を搭載した燃料電池車両の概略構成を説明する構成図である。図1において、燃料電池車両1は、燃料である水素ガスを貯蔵する水素タンク3と、水素タンク3を開閉するシャット弁5と、水素タンク3から供給する水素ガスの圧力を調整する調圧弁7と、調圧弁7で圧力調整された水素ガスが燃料極に供給される燃料電池スタック9と、空気を圧縮して燃料電池スタック9の空気極へ送るコンプレッサ11と、二次電池13と、燃料電池スタック9が発電する電力を二次電池13に充電したり、駆動モータ17の駆動用電力に変換するパワーマネージャ15と、パワーマネージャ15からの電力を車両の駆動力に変換する駆動モータ17と、駆動力を左右に分配する差動装置19と、駆動軸21を介して回転駆動される駆動輪23と、従動輪25と、車体に加えられる加速度を検出するGセンサ27と、燃料電池スタック9の冷却水を循環させる冷却水ポンプ29と、冷却水の熱を外部へ放出するラジエータ31と、燃料電池全体を制御する燃料電池制御装置33とを備えている。
【0011】
図1において、水素タンク3、シャット弁5及び調圧弁7が燃料電池スタック9に水素を供給する水素供給手段を構成している。また、コンプレッサ11は、燃料電池スタック9に酸化剤としての空気を供給する酸化剤供給手段である。
【0012】
燃料電池制御装置33は、特に限定されないが、本実施形態では、CPU、プログラムメモリ、ワークメモリ及びI/Oインタフェースを備えたマイクロプロセッサで実現されている。
【0013】
燃料電池制御装置33は、通常運転時には、調圧弁7,コンプレッサ11、冷却水ポンプ29等を制御して、燃料電池スタック9に供給する水素ガス圧力及び流量、燃料電池スタック9に供給する空気圧力及び流量、燃料電池スタック9の温度を制御する。
【0014】
燃料電池制御装置33には、Gセンサ27及び図示しない水素センサが接続されている。そして、事故時や燃料電池システム故障時には、燃料電池制御装置33は、シャット弁5を閉じて水素タンク3からの新たな水素の供給を停止するとともに、しばらく燃料電池スタック9に発電を継続させて、この余剰電力を二次電池13へ充電することにより、シャット弁5下流の水素ガス配管や燃料電池スタック9内部に残留する水素を消費させて除去する残留水素除去手段として動作する。
【0015】
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図2のフローチャートは、所定時間(例えば、10〔ms〕)毎に、燃料電池制御装置33のCPUに呼び出されて、実行されるものとする。
【0016】
動作説明の前に、本制御動作で使用するGセンサフラグGS、システム故障フラグMFと、タイマTについて説明する。Gセンサ27、または図示しない左右方向の加速度センサが検出した車体に対する加速度が所定値(車両が衝突した場合に発生する加速度で,設計要件で適宜決定される)以上の場合、事故と判定して、GセンサフラグGSが”1”(真)にセットされるようになっている。
【0017】
また、燃料電池制御装置が暖機状態や通常の運転状態において、あり得ない燃料電池状態や制御上の矛盾を検出したり、水素センサが所定濃度(設計要件で適宜決定される)以上の水素ガスを検出した場合、システム故障フラグMFが”1”(真)にセットされるようになっている。
【0018】
尚、Gセンサフラグ及びシステム故障フラグMFの初期値は、事故や故障が無いことを示す”0”(偽)である。タイマTは、緊急時残留水素除去動作の経過時間を計測するソフトタイマであり、初期値は0とする。
【0019】
図2のフローチャートにおいて、まず、ステップS10において、GセンサフラグGSが1か否かを判定する。GS=1ならば、S14へ分岐する。GS≠1(GS=0)ならば、S12へ進み、システム故障フラグMFが1か否かを判定する。MF=1ならばS14へ進み、MF≠1(MF=0)ならば、GS、MFともにセットされていないので、緊急時残留水素除去は不要であるので、本ルーチンを終了し、メインルーチンへリターンする。
【0020】
S14では、GSまたはMFの何れかがセットされた緊急時であるので、水素タンク3のシャット弁5を閉じる。次いで、S16で、燃料電池スタック9の発電電力で二次電池13の充電を開始する。S18では、タイマTの値を1だけ増加させ、S20でタイマTが所定時間#TSHを超えているか否かを判断する。
【0021】
S20の判定で、Tが#TSHを超えていなければ、残留水素を消費するために燃料電池スタック9の発電状態及びこの発電電力による二次電池13の充電状態を継続して、リターンする。
【0022】
S20の判定で、Tが#TSHを超えていれば、S22へ進み、GセンサフラグGS、システム故障フラグMF、及びタイマTをリセットする。そして、S24で発電緊急停止フラグESDをセットして、リターンする。パワーマネージャ15は、ESDフラグがセットされると、二次電池13への充電を停止すると共に、燃料電池補機を停止させる。
【0023】
ここで、所定時間#TSHは、予めシャット弁5の下流の配管及び燃料電池スタック9の水素ガス通路容積に応じて設定された作動時間であり、残留水素を放出しても問題のないレベルまで消費して除去するための時間である。
【0024】
尚、調圧弁7の下流に水素ガス圧力を検出する水素圧力センサを設けて、GセンサフラグGSまたはシステム故障フラグMFがセットされた時点の水素ガス圧力に応じて、#TSHに代わる残留水素消費時間を設定してもよい。
【0025】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、燃料電池スタックの運転をしばらく継続し、発生した余剰電力で二次電池を充電するようにしたので、残留水素を放出しても問題ないレベルまで減少させることができるという効果がある。
【0026】
〔第2実施形態〕
第2実施形態のシステム構成は、図1に示した第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。本実施形態では、GセンサフラグGSやシステム故障フラグMFがセットされたときに、燃料電池スタック9をごく短時間作動継続させて、この時発生した余剰電力を、空気コンプレッサ11や冷却水ポンプ29などの燃料電池補機で消費させる。
【0027】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図3のフローチャートは、所定時間(例えば、10〔ms〕)毎に、燃料電池制御装置33のCPUに呼び出されて、実行されるものとする。
【0028】
図3のフローチャートにおいて、まず、ステップS10において、GセンサフラグGSが1か否かを判定する。GS=1ならば、S14へ分岐する。GS≠1(GS=0)ならば、S12へ進み、システム故障フラグMFが1か否かを判定する。MF=1ならばS14へ進み、MF≠1(MF=0)ならば、GS、MFともにセットされていないので、緊急時残留水素除去は不要であるので、本ルーチンを終了し、メインルーチンへリターンする。
【0029】
S14では、GSまたはMFの何れかがセットされた緊急時であるので、水素タンク3のシャット弁5を閉じる。次いで、S32で、燃料電池スタック9の発電電力で駆動される燃料電池補機である空気コンプレッサ11または冷却水ポンプ29の駆動を継続する。S18では、タイマTの値を1だけ増加させ、S34でタイマTが所定時間#TSH2を超えているか否かを判断する。
【0030】
S34の判定で、Tが#TSH2を超えていなければ、残留水素を消費するために燃料電池スタック9の発電状態及びこの発電電力による空気コンプレッサ11の駆動状態を継続して、リターンする。
【0031】
S34の判定で、Tが#TSH2を超えていれば、S22へ進み、GセンサフラグGS、システム故障フラグMF、及びタイマTをリセットする。そして、S24で発電緊急停止フラグESDをセットして、リターンする。パワーマネージャ15は、ESDフラグがセットされると、空気コンプレッサ11,冷却水ポンプ29などの燃料電池補機を停止させる。
【0032】
ここで、所定時間#TSH2は、予めシャット弁5の下流の配管及び燃料電池スタック9の水素ガス通路容積に応じて設定された作動時間であり、残留水素を放出しても問題のないレベルまで消費して除去するための時間である。
【0033】
尚、調圧弁7の下流に水素ガス圧力を検出する水素圧力センサを設けて、GセンサフラグGSまたはシステム故障フラグMFがセットされた時点の水素ガス圧力に応じて、#TSH2に代わる残留水素消費時間を設定してもよい。
【0034】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、燃料電池スタックの運転をしばらく継続し、発生した余剰電力は、空気コンプレッサや冷却水ポンプなどの燃料電池補機を駆動して消費するようにしたので、残留水素を放出しても問題ないレベルまで減少させることができるという効果がある。
【0035】
〔第3実施形態〕
図4は、本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態を搭載した燃料電池車両の概略構成を説明する構成図である。図1に示した第1実施形態との相違は、調圧弁7と燃料電池スタック9との接続配管にシャット弁35を介して緊急用ボンベとしての真空ボンベ37を備えていることである。その他の構成要素は、第1実施形態と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0036】
緊急用ボンベとしての真空ボンベ37は、水素タンク5のシャット弁5の下流に連通可能な緊急水素除去用のボンベである。残留水素は低圧で量も少ない為、真空ボンベ37は、小容量のボンベでも充分である。
【0037】
そして、事故や故障等の緊急時には、燃料電池制御装置33が水素タンク3のシャット弁5を閉じると共に、シャット弁35を所定時間開いて、シャット弁5の下流の残留水素を真空ボンベ37に吸収させて除去する。
【0038】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図5のフローチャートは、所定時間(例えば、10〔ms〕)毎に、燃料電池制御装置33のCPUに呼び出されて、実行されるものとする。
【0039】
図5のフローチャートにおいて、まず、ステップS10において、GセンサフラグGSが1か否かを判定する。GS=1ならば、S14へ分岐する。GS≠1(GS=0)ならば、S12へ進み、システム故障フラグMFが1か否かを判定する。MF=1ならばS14へ進み、MF≠1(MF=0)ならば、GS、MFともにセットされていないので、緊急時残留水素除去は不要であるので、本ルーチンを終了し、メインルーチンへリターンする。
【0040】
S14では、GSまたはMFの何れかがセットされた緊急時であるので、水素タンク3のシャット弁5を閉じる。次いで、S42で、真空ボンベ37のシャット弁35を開き、水素タンク3のシャット弁5の下流に残留する水素の吸収を開始させる。S18では、タイマTの値を1だけ増加させ、S44でタイマTが所定時間#TSH3を超えているか否かを判断する。
【0041】
S44の判定で、Tが#TSH3を超えていなければ、残留水素を真空ボンベ37へ吸収するためにシャット弁35の開状態を継続して、リターンする。
【0042】
S44の判定で、Tが#TSH3を超えていれば、S22へ進み、GセンサフラグGS、システム故障フラグMF、及びタイマTをリセットする。次いで、S24で発電緊急停止フラグESDをセットし、S46で、真空ボンベ37のシャット弁35を閉じて、リターンする。
【0043】
ここで、所定時間#TSH3は、予めシャット弁5の下流の配管及び燃料電池スタック9の水素ガス通路容積に応じて設定された作動時間であり、残留水素を放出しても問題のないレベルまで真空ボンベ37に水素を吸収させて除去するための時間である。
【0044】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、緊急用ボンベである真空ボンベに導いて蓄えるため、放出することがあっても問題ないレベルまで残留水素を減少させることができるという効果がある。
【0045】
〔第4実施形態〕
図6は、本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態を搭載した燃料電池車両の概略構成を説明する構成図である。図4に示した第3実施形態との相違は、調圧弁7と燃料電池スタック9との接続配管にシャット弁35を介して緊急用ボンベとしての水素吸着材ボンベ39を備えていることである。その他の構成要素は、第3実施形態と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0046】
緊急用ボンベとしての水素吸着材ボンベ39は、水素タンク5のシャット弁5の下流に連通可能な緊急水素除去用のボンベである。残留水素は低圧で量も少ない。その上、水素吸着材ボンベ39は、内蔵する水素吸着材が水素を吸着するため、第3実施形態の真空ボンベより更に小容量のボンベでも充分である。
【0047】
水素吸着材ボンベ39が内蔵する水素吸着材としては、水素吸蔵合金や炭素系水素吸蔵材であるカーボンナノチューブ等が利用できる。水素吸蔵合金には、ランタン・ニッケルに代表される希土類系、チタン・鉄系、マグネシウム・ニッケル系、カルシウム・ニッケル系がある。水素吸着材ボンベ39に使用する際には、水素吸着速度が速くなるように、水素吸蔵合金の粒径を小さく(表面積を大きく)して使用するのが好ましい。
【0048】
さらに、水素吸着材ボンベ39に水素吸着材を充填した後、水素吸着材ボンベ39を減圧又は、真空引きを行って、シャット弁35を開いたときに、抵抗無く残留水素が水素吸着材ボンベ39へ流入できるようにするのが好ましい。
【0049】
そして、事故や故障等の緊急時には、燃料電池制御装置33が水素タンク3のシャット弁5を閉じると共に、シャット弁35を所定時間開いて、シャット弁5の下流の残留水素を水素吸着材ボンベ39に吸収させて除去する。
【0050】
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態における燃料電池制御装置の緊急時残留水素除去動作を説明する。図5に示した第3実施形態のフローチャートと異なる点だけを説明する。図5のS42に代えて、S52で水素吸着材ボンベ39のシャット弁35を開く点と、S54の判定時間#TSH4が異なる点と、S56で水素吸着材ボンベ39のシャット弁35を閉じる点が異なる。これ以外は、第3実施形態と同様である。
【0051】
以上説明した本実施形態によれば、シャット弁下流の残留水素を除去する残留水素除去手段として、緊急用ボンベである水素吸着材ボンベに導いて、水素吸着材に水素を吸着させるため、放出することがあっても問題ないレベルまで残留水素を減少させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1、第2実施形態を搭載した燃料電池車両の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】第1実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【図3】第2実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態を搭載した燃料電池車両の構成を説明するシステム構成図である。
【図5】第3実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態を搭載した燃料電池車両の構成を説明するシステム構成図である。
【図7】第4実施形態における緊急時残留水素除去動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池車両
3…水素タンク
5…シャット弁
7…調圧弁
9…燃料電池スタック
11…空気コンプレッサ
13…二次電池
15…パワーマネージャ
17…駆動モータ
19…差動装置
21…駆動軸
23…駆動輪
25…従動輪
27…Gセンサ
29…冷却水ポンプ
31…ラジエータ
33…燃料電池制御装置
35…シャット弁
37…真空ボンベ
39…水素吸着剤ボンベ
Claims (7)
- 水素と酸化剤との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、
燃料電池スタックに水素を供給する水素供給手段と、
燃料電池スタックに酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
前記水素供給手段から燃料電池スタックへの水素供給を停止するシャット弁と、
前記シャット弁の下流側に残留した水素を除去する残留水素除去手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記残留水素除去手段は、前記シャット弁の動作により水素供給が停止された後もしばらくの間は燃料電池スタックの発電を継続させる燃料電池制御装置であり、この発電継続により前記シャット弁の下流側の残留水素を消費して除去することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池制御装置は、前記発電継続時に、燃料電池スタックの発電電力を二次電池に充電することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池制御装置は、前記発電継続時に、燃料電池スタックの出力電圧で駆動される燃料電池補機を一時的に継続運転することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
- 前記残留水素除去手段は、前記シャット弁下流側に連通可能な緊急用ボンベを備え、該緊急用ボンベに前記残留水素を導いて処理することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記緊急用ボンベは、真空ボンベであることを特徴とする請求項5記載の燃料電池システム。
- 前記緊急用ボンベは、水素吸着材を内蔵する水素吸着材ボンベであることを特徴とする請求項5記載の燃料電池システム。
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