JP2004122231A - 複合プレス成形装置及び複合プレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上下方向のプレス加工を施すプレス機を利用して側面方向からのワークへの側面プレス加工を引き続き可能にして、加工工程、金型製作費及びプレス加工費を削減する。
【解決手段】プレス成形装置は、プレス機1の昇降側部位に固定される上型7と、プレス機1の固定側部位に固定される下型8を備えると共に、上型7と下型8との協働によりワークWをプレス加工する加工部がそれぞれ形成されてなる。下型8の側方位置のプレス機1の固定側部位には、下型8と協働してワークWの側面部を側面プレス加工する側面加工装置17が設けられている。側面加工装置17は、回動台18と、往復台19と、側面加工部と、往復駆動手段とを備えている。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複合プレス成形装置及び複合プレス成形方法に関し、特に、上型と下型とでプレス加工したワークの側面部を、更にプレス加工できるようにした複合プレス成形装置及び複合プレス成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から複数のプレス加工工程を、上型と下型の1セットの金型でプレス加工するものとして、特開2000−233239号公報(特許文献1)に開示されている。この公報に開示された複合加工プレス型は、傾斜部の穴抜き加工とフランジ部の外周縁のせん断及び曲げ加工を1ストロークで行うことができるようにしたものである。
【0003】
ワークは、そのワークの底部が上方に位置し、フランジ部が下方に位置するようにセットされる。複合加工プレス型は、ワークの内側面を支持する下型と、その下型に対向して配置され、下型に対して近接・離間移動可能に駆動される上型と、その上型に設けられ下型に対して近接移動された際に、下型と協働してワークの外側面を保持するパッドと、そのパッドの外方に配設され、刃具を有するパッドリングと、前記ワークの傾斜部に対応するように配置され、前記傾斜部の面に対して略直交する方向に進退可能に支持されたパンチと、そのパンチを進退駆動するパンチ駆動手段とを備えている。
上型と下型との間には、パッドと、パッドリングと、パンチと、パンチ駆動手段と、ワークの内側面を支持するダイと、前記パンチを作動させるカムと、ダイクッションとを介在している。そして、パンチは、上型が上昇・下降する方向と相違するワークの傾斜部に穴を打ち抜くために、パンチを加工面(傾斜部)に対して直角な方向に進退するパンチ駆動手段を金型に内設している。穴あけ加工をする箇所が金型の移動方向と相違する場合、パンチの動く方向が金型の移動方向と相違するため、カム機構または流体圧機構からなる前記パンチ駆動手段を金型内に設置して、移動方向を変換している。そのパンチ駆動手段のパンチは、上型に設けたパッドに設置され、そのパッドは下型のダイの上面と側面を覆うようにして設けられている。パッドは、外方面に長孔を穿設して、その長孔にピンを係合することで上型に取り付けられている。
【0004】
また、パネル材をワークとして、そのワークから、例えば自動車のドアパネル等をプレス成形する工程は、一般的に、所望の絞り深さで且つ所望の絞り半径を有する形状に絞り加工する絞り加工工程と、この絞り加工により成形されるワークから最終製品として不要な部分をスクラップとして切除する切除加工工程からなる。そして、例えば、自動車のドアインナパネルのように比較的深い絞り成形品にあっては、一般にこの絞り加工は、大まかな深さにまで絞り加工する1次絞り加工(単にドローイング加工とも言う)、最終製品の深さにまでさらに絞り加工する2次絞り加工(フォーミング加工とも言う)、それぞれの絞りコーナー部分の半径を所望の最終製品の絞り半径等にまで仕上げる絞り仕上げ加工(リスト加工とも言う)からなる。また、前記切除加工は、最終製品として不要な部分を切断除去する加工であり、一般に、ワーク周縁部分を切断除去する周縁切断加工(トリム加工とも言う)と、部分的な穴開けあるいは刻み加工(ピアス加工あるいはノッチ加工とも言う)からなる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−233239号公報(第3〜5頁、図1〜図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例示した公報に記載されている従来の複合加工プレス型においては、下型の上面と側面を覆うようにしてパッドが設置されており、そのパッドの上側外方面に前記ピン及び長孔があり、パッドの外方には刃具を有するパッドリングが配置されている。このため、それが邪魔になるなどの種々の問題により、1台のプレス機でパンチ加工できるのは、ワークの上面またはその上面に連続して形成された傾斜面に限られ、ワークの側面部をプレス加工することができないという問題点があった。
このため、1台のプレス機でプレス加工した場合、ワークの側面部は、単に絞り加工した程度の単純な形状のもの、またはワークの上面に連続する傾斜面に穴を開けたものしかできなかった。
そして、更にそのワークの垂直な側面にプレス加工を施す場合は、そのワークをさらに搬送して、別に金型設計した金型やパンチで構成された別のプレス機により側面プレス加工しなければならず、この側面プレス加工の為のプレス工程が増え、また、その金型製作費やプレス加工費がかかるという問題点があった。
また、自動車のドアインナパネルのように比較的深い絞り成形品にあっては、1台のプレス機により上型と下型とによる1回のプレス加工で所望の深さの製品を成形できない場合もある。その場合には、まず、1枚のパネルから1次絞り加工をある所定のプレス機により行い、その1次絞りの加工したワークを別のプレス機に搬送して、このプレス機により続くプレス加工の工程(例えば、2次絞り加工、仕上げ絞り加工、切除加工)を行う。しかし、この場合においても、そのワーク(自動車のドアインナパネル)の側面部に側面プレス加工を施す際には、そのワークをさらに第3の別のプレス機に搬送して、側面プレス加工しなければならず、やはり加工工程が増加し、複雑になり、費用コスト面でも問題があった。
【0007】
本発明は、これらの問題点を解決するために発明されたもので、ワーク側面を側面加工する際に、上型と下型とによる上下方向のプレス加工が施された後のワークを改めて別の側面加工用のプレス機に搬送し、そこで側面加工するというやり方でなく、この上下方向の加工を施すプレス機を利用して側面方向からのワークへのプレス加工を引き続き可能にして、もって加工工程、金型製作費及びプレス加工費を削減した複合プレス成形装置及び複合プレス成形方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の複合プレス成形装置は、昇降機により昇降されるプレス機の昇降側部位に固定される上型と、プレス機の固定側部位に固定される下型を備えると共に、前記上型、前記下型の各対応する部位には、前記上型と前記下型との協働によりワークをプレス加工する加工部がそれぞれ形成されてなるプレス成形装置であって、前記下型の側方位置の前記プレス機の固定側部位には、該下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工装置が設けられると共に、該側面加工装置は、前記プレス機の固定側部位に回動自在に設置される回動台と、該回動台の上に往復移動自在に載置される往復台と、該往復台の先端部に形成されて前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工部と、前記往復台を前記ワークから離間した待機位置から前記ワークの方向に移動させて前記加工部による前記ワークの側面プレス加工位置に移動させる往復駆動手段とを備え、該側面加工装置は、前記上型と前記下型とによるプレス加工の際には、前記上型の昇降に支障にならない回避位置に移動せしめられる一方、前記側面加工部と前記下型とによる側面プレス加工の際には、前記上型の上昇の後に側面プレス加工の加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複合プレス成形装置は、下型の側方位置に設けた側面加工装置によりワークの側面を側面加工することができる。これにより、複合プレス成形装置は、ワークを別のプレス機に搬送して行うワークの側面プレス加工が不要になることにより、上型と下型とによるプレス加工を施すプレス機をそのまま利用して、側面加工装置による側面プレス加工を行うことができるため、金型の数や金型製作費やプレス加工費を削減することができると共に、金型のメンテナンスを容易にすることができる。
また、この場合、プレス機の下型の側方に設けた側面加工装置は、上型の昇降に支障のない位置に移動せしめられように構成されることにより、上型と下型とによるプレス加工に何ら支障を及ぼさないため、この上型と下型とによるワークの上下方向のプレス加工と、その側面加工装置によるワークの側面プレス加工を1台のプレス機によってワークを移動させることなく効率良く行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項1記載の複合プレス成形装置において、前記側面加工装置の前記回動台の回動移動により、前記側面加工装置がそれぞれ、前記回避位置、加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、複合プレス成形装置は、プレス機の固定側部位に回動自在に設置される回動台の回動移動という簡便な方法により、前記側面加工装置の移動が達成されるので、側面加工装置の前記回避位置、加工可能位置への移動を、簡単且つ確実に達成することができると共に、側面加工装置の横方向の移動距離を短くして、プレス機全体の横方向の長さを短くすることができる。
【0012】
請求項3の記載の複合プレス成形装置は、前記請求項2記載の複合プレス成形装置において、前記回動台は、前記プレス機の固定側部位の上に軸受部を介して回動自在に設置されると共に、該回動台を回動駆動する駆動装置、並びに、前記プレス機の固定側部位上に設置され該回動台にその先端が当接して該回動台を前記軸受部と共に支持するストッパが設けられ、前記側面加工装置は、前記駆動装置により前記回動台が略倒立位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記回避位置を形成する一方、前記回動台が前記ストッパの上に載置される位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記加工可能位置を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、側面加工位置は、回動台を回動駆動する駆動装置、並びに回動台を前記側面加工位置に支持する軸受部とストッパとにより、回動台を側面加工装置の前記回避位置、加工可能位置へ、確実且つ安定的に、移動させ保持せしめることができるため、容易に側面プレス加工を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項2記載の複合プレス成形装置において、前記往復駆動手段は、前記上型の下面に設けた傾斜面を有するドライバーカム部と、前記往復台の上面に形成され、前記上型が前記プレス機により下降される際に前記ドライバーカム部の傾斜面に押されて摺動するスライドカムフォロア部と、前記往復台を前記回動台上において前記側面プレス加工位置から前記待機位置に復帰させるばね部材から成る復帰手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、側面プレス加工は、上型の下降移動を利用して行うことができることにより、側面プレス加工の駆動源を別途要することがないため、生産性が優れ、プレス機全体の大型化も防ぐことができる。
【0016】
請求項5に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項2記載の複合プレス成形装置において、プレス加工される前記ワークは、車両用のドアインナパネルであり、前記上型と前記下型とによるプレス加工により、前記ドアインナパネルの平面部に絞り加工、並びに切除加工を施す一方、前記側面加工装置と前記下型とによる側面プレス加工により、前記ドアインナパネルの側面部に切除加工を施すことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、複合プレス成形装置は、平面部と側面部を形成する車両用ドアインナパネルの成形において、各部位に形成要求される各種のプレス加工を同じプレス機により、ワークを下型上から移動させることなく効率的に施すことができるため、加工時間を削減して、コストの低減を図ることができる。
【0018】
請求項6に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項5記載の複合プレス成形装置において、前記側面加工装置は、前記ドアインナパネルの車両の前方側、後方側、上方側並びに下方側の少なくとも2方の側面部を加工するように、前記下型の周辺の少なくとも2箇所に並設されて成ることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、複合プレス成形装置は、車両用ドアインナパネルの側面部の加工を、下型の周辺の少なくとも2箇所に並設された側面加工装置により、ドアインナパネルの2方の側面を側面加工することができるため、効率的にプレス加工を行うことができる。
【0020】
請求項7に記載の複合プレス成形装置は、昇降機により昇降されるプレス機の昇降側部位に固定される上型と、前記プレス機の固定側部位に固定される下型を備えると共に、前記上型、前記下型の各対応する部位には、前記上型と前記下型との協働によりワークをプレス加工する加工部がそれぞれ形成されてなるプレス成形装置であって、前記下型の側方位置の前記プレス機の固定側部位には、前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工装置が設けられると共に、該側面加工装置は、前記プレス機の固定側部位に回動自在に設置される回動台と、前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工部と、該側面加工部を前記ワークから離間した待機位置から前記ワークの方向に移動させて前記加工部による前記ワークの側面プレス加工位置に移動させる油圧駆動手段とを備え、該側面加工装置は、前記上型と前記下型とによるプレス加工の際には、前記上型の昇降に支障にならない回避位置に移動せしめられる一方、前記側面加工部と前記下型とによる側面プレス加工の際には、前記上型の上昇の後に側面プレス加工の加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、複合プレス成形装置は、油圧式の駆動手段を利用しながら、前記請求項1と同様な作用効果を奏する。
【0022】
請求項8に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項7記載の複合プレス成形装置において、前記側面加工装置の前記回動台の回動移動により、前記側面加工装置がそれぞれ前記回避位置、加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、前記請求項2と同様な作用効果を奏する。
【0024】
請求項9に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、前記回動台は、前記プレス機の固定側部位の上に軸受部を介して回動自在に設置されると共に、該回動台を回動駆動する駆動装置、並びに、前記プレス機の固定側部位上に設置され該回動台にその先端が当接して該回動台を前記軸受部と共に支持するストッパが設けられ、前記駆動装置により前記回動台が略倒立位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記回避位置を形成する一方、前記回動台が前記ストッパの上に載置される位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記加工可能位置を形成することを特徴とする。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、前記請求項3と同様な作用効果を奏する。
【0026】
請求項10に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、前記油圧駆動手段は、油圧により駆動されるピストン駆動部と、先端に前記側面加工部が形成されるピストンと、前記ピストン駆動部に供給する油圧を制御する油圧制御部とを備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、複合プレス成形装置は、ピストン等の油圧駆動構成部品で構成することで、油圧駆動の利点(信頼性、制御性等)を活用して、側面プレス加工を行うことができる。
【0028】
請求項11に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、前記側面加工装置は、さらに、前記回動台の上に往復移動自在に載置されると共に、その先端に前記側面加工部が形成される往復台を備える一方、前記油圧駆動手段は、油圧により駆動されるピストン駆動部と、該ピストン駆動部に一端が接続され他端が前記往復台に接続されるピストンロッドと、前記ピストン駆動部に供給する油圧を制御する油圧制御部とを備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、請求項10と同様な作用効果を奏する。また、複合プレス成形装置は、回動台の上に往復移動自在に載置される往復台を利用することで、より安定した確実な側面プレス加工が可能となる。
【0030】
請求項12に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、プレス加工される前記ワークは車両用のドアインナパネルであり、前記上型と前記下型とによるプレス加工により、前記ドアインナパネルの平面部に絞り加工、並びに切除加工を施す一方、前記側面加工装置と前記下型とによる側面プレス加工により、前記ドアインナパネルの側面部に切除加工を施すことを特徴とする。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、前記請求項5と同様な作用効果を奏する。
【0032】
請求項13に記載の複合プレス成形装置は、前記請求項12記載の複合プレス成形装置において、前記側面加工装置は、前記ドアインナパネルの車両の前方側、後方側、上方側並びに下方側の少なくとも2方の側面部を加工するように、前記下型の周辺の少なくとも2箇所に並設されて成ることを特徴とする。
【0033】
請求項13に記載の発明によれば、前記請求項6と同様な作用効果を奏する。
【0034】
請求項14に記載の複合プレス成形方法は、昇降機により昇降されるプレス機の昇降側部位に固定される上型と、前記プレス機の固定側部位に固定される下型と、該下型の側方位置の前記プレス機の固定側部位に固定される側面加工装置によりワークを所定の形状に成形するためのプレス成形方法であって、前記上型を下降させて前記下型と協働して、前記ワークに対しプレス加工を行う上下面プレス加工工程と、該上下面プレス加工工程に続き、前記上型を上昇させた後に、前記側面加工装置を駆動、変位させて、前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面プレス加工工程とを含むと共に、該側面プレス加工工程は、前記側面加工装置を、前記上下面プレス加工工程時における前記上型と干渉しない後退した位置から、前記上型が上昇した後の前記下型の上方の空間位置に移動せしめて、該側面加工装置を前記下型の側方個所に位置決めする位置決め行程と、前記上下面プレス加工後の前記下型に載置されている前記ワークの側面部に側面プレス加工を施す加工工程とを含むことを特徴とする。
【0035】
請求項14に記載の発明によれば、複合プレス成形方法は、このような工程でプレス成形することで、ワークの側面加工を行うことができ、別のプレス機によるワークの側面部の加工工程と運搬行程が不要で、加工工程を削減して生産効率を向上させ、金型製作費やプレス加工費も削減することができる。
また、この場合、プレス機の下型側方に設けた側面加工装置は、上型の昇降に支障のない位置に移動せしめられるので、上型と下型とによるプレス加工に何ら支障を及ぼすものではない。このため、複合プレス成形方法は、上下方向のプレス加工と側面方向の側面プレス加工を、ワークを下型にセットした状態で連続的に加工することができると共に、加工工程及び製造時間を削減することができる。
【0036】
請求項15に記載の複合プレス成形方法は、前記請求項14記載の複合プレス成形方法において、プレス加工される前記ワークは車両用のドアインナパネルであり、前記上下面プレス加工工程は、前記ドアインナパネルの平面部に絞り加工、並びに切除加工を行う工程を含む一方、前記側面プレス加工工程は、前記ドアインナパネルの側面部に切除加工を行う工程を含むことを特徴とする。
【0037】
請求項15に記載の発明によれば、複合プレス成形方法は、平面部と側面部を形成する車両用のドアインナパネルの成形において、各部位に形成要求される各種のプレス加工を同じプレス機により効率的に施すことができるため、ワークの側面を加工するための工程を削減すると共に、金型製作費やプレス加工費を低減することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
<第1実施の形態>
以下、本発明の第1実施の形態を図1から図6に基づき自動車のドアインナパネルのプレス成形を例にして説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態の複合プレス成形装置であるプレス機でプレス加工したワークの図で、(a)はドローイング加工/フォーミング加工(1次、2次絞り加工)したワークの斜視図、(b)はリスト加工(絞り仕上げ加工)及び平面ピアス加工(穴開け加工)、トリム加工/スリット加工(周縁切断加工)したときの斜視図、(c)は側面ピアス/ノッチ/バーリング/等の加工(穴開け、刻み等の加工)したときのワークの斜視図である。図2は、本発明の第1実施の形態の複合プレス成形装置を示す概略図で、(a)はプレス機の正面図、(b)は(a)に示すF−F線方向から見たときのワークと側面加工装置の配置関係を示す平面図である。
なお、ドローイング加工(1次絞り加工)、フォーミング加工(2次絞り加工)、リスト加工(絞り仕上げ加工)は、プレス加工の内の所謂、絞り加工の一形態であり、また、トリム加工(周縁切断加工)、ピアス加工(穴開け加工)、ノッチ加工(刻み加工)等は、プレス加工の内の所謂、切除加工の一形態であるものとする。
【0039】
図2に示すように、ワークWは、上型7が下降すると、上型7と下型8とに瞬間挟持され、プレス加工されることで、所望形状に塑性変形が施され、図1(a)、(b)及び(c)に示すドアインナパネル3の形状に順次成形されている。ワークWは、例えば、ドアインナパネル3の材料として適した絞り加工用の0.6〜1.2mm程度の冷間圧延鋼板(SPC系)である。このワークWは、上型7と下型8とによるプレス加工により、ドアインナパネル3の平面部3hに絞り加工、並びに切除加工を施す一方、側面加工装置17と下型8とによる側面プレス加工により、ドアインナパネル3の側面部3gに切除加工を施される。
ドアインナパネル3は、中央部にはドアトリムを設置するための略四角形の大きなトリム設置穴3a、そのトリム設置穴3aの周囲の平面部3hにはドアトリムやドアに内設するウインドレギュレータやドアロックアクチュエータやハーネスを固定する樹脂クリップやリベットやねじ等を設置するための平面ピアス穴3b,3b…、側面部3gにはドアに内設するドアロック装置やガラスランチャンネルリテーナやヒンジ等を固定する樹脂クリップやリベットやねじ等を設置するためのカムピアス穴3c,3c…、外周部には不要な部分3fを切り落として成形される外周トリム3dを有する。
【0040】
図3は、本発明の第1実施の形態を示す図面で、複合プレス成形装置にあるワークを図1(a)に示すワークのA−A線に沿って断面したときの状態を示す複合プレス成形装置の要部拡大半断面図である。図5は、本発明の第1実施の形態を示す図面で、駆動装置で側面加工装置を水平にさせたときの状態を示す複合プレス成形装置の要部半断面図である。
【0041】
プレス機1は、例えば、図2(a)、(b)に示すように、上型7を固定したラム4dを上昇・下降させる昇降機6と、その昇降機6に取り付けた前記ラム4dと、そのラム4dに固定した前記上型7と、その上型7に下型8を協働してワークWをドローイング加工、フォーミング加工及びリスト加工の複数種の加工をする成型パンチ9と、本体4のテーブル4aに載置した下型8と、前記成型パンチ9に対向して前記下型8に配設した成型ダイ12と、その成型ダイ12に載置したワークWの左右下の3方向に配置した側面加工装置17,17…(図2(b)参照)とを有している(ドアインナパネル3の車両の前方側、後方側、並びに下方側の3方の側面部3gをプレス加工する位置に配置)。本体4は、プレス機1の骨格を構成するもので、土台のベット4eを備え、後述する各部材を配設している。なお、本体4のフレーム構造は、特に限定しない。
テーブル4aは、特許請求の範囲における「固定側部位」に相当する。
【0042】
昇降機6は、プレス機1の上部中央の本体4のアッパーベース4gに配設された油圧シリンダ6aからなる油圧駆動機構であり、図示しない油圧ポンプにより圧油が油送され、ピストンロッド6bが伸縮自在に作動する。ピストンロッド6bの先端には、ラム4dに連結され、ピストンロッド6bの伸縮により、ラム4dがガイドポスト4fに案内されて上昇、下降される。
なお、昇降機6は、油圧シリンダに特に限定するものではなく、その他の方法であっても構わない。
ラム4dは、特許請求の範囲における「昇降側部位」に相当する。
【0043】
図4は、本発明の第1実施の形態を示す図面で、上型を上昇させたときの状態を示す複合プレス成形装置の要部拡大半断面図である。
図4に示すように、上型7には、下型8と協働してワークWをドローイング加工、フォーミング加工及びリスト加工する成型パンチ9と、トリム加工する上型側トリム・スリット刃13a,13a…と、平面ピアス加工をする平面ピアスパンチ11,11…とが設けられている。
上型7の下面には、ワークWをリストダイ8bに押圧するリストパンチ7bが一体に形成され、前記各パンチ以外に、トリム加工を行う大ピアスパンチ10と、前記上型側トリム・スリット刃13aを有する切刃13と、前記平面ピアスパンチ11を有するパッド28とを並設してボルト5a,5b…で上型7に固定し、昇降機6によりラム4dと共に上型7が昇降する。なお、上型7を固定して下型8を昇降機6により昇降させてもよい。
【0044】
成型パンチ9は、リストパンチ7bと、大ピアスパンチ10と、パッド28と、平面ピアスパンチ11と、切刃13とから構成され、それら部材は、例えば、ねずみ鋳鉄(FC)材等で形成されている。成型パンチ9は、上型7に下型8を協働してワークWをドローイング加工、フォーミング加工及びリスト加工する複数の加工を一度に行うことができる。
成型パンチ9は、特許請求の範囲における上型側の「加工部」に相当する。
【0045】
上型側トリム・スリット刃13aは、切刃13の内側下端に形成され、下型8の形成した下型側トリム・スリット刃8eとで、ドアインナパネル3(図1(b)参照)の不要な部分3fを切断する周縁切断加工(トリム加工)を行う。
切刃13は、上型7のリストパンチ7bとの外側に、複数のボルト5b,5b…で固定されている。この切刃13は、ロッキング装置付きクッションピン16a(以下、単にクッションピンという。)で付勢されたブランクホルダ16(以下、単にホルダという。)とでワークWを挟持する機能と、ドアインナパネル3の周辺の不要な部分3fを上型側トリム・スリット刃13aで切断する機能を有する。ボルト5bは、上型7の上面に形成した上型アウタ7a側から螺着されている。
【0046】
平面ピアスパンチ11は、昇降機6により上型7と共に下降して、その平面ピアスパンチ11を支持しているパッド28が戻しスプリング28aを圧縮することで、複数の平面ピアスパンチ11がパッド28の下面から突出するようになっている。その平面ピアスパンチ11は、ワークWを押圧して平面ピアスダイ8aの打ち抜き穴8fまで入り込むことでワークWを打ち抜き、複数の平面ピアス穴3bを穿設するピアス加工(穴開け加工)を行う。平面ピアスパンチ11によって穴抜きされた不要なワークWの切屑は、平面ピアスダイ8aの通路8iから下型8の下方に排出される。なお、平面ピアスパンチ11,11…の数や大きさ等は、ドアインナパネル3の穿設する平面ピアス穴3b,3b…に合わせて適宜に選択すればよい。
【0047】
パッド28は、上型7のリストパンチ7bと大ピアスパンチ10との間に上下動自在に設け、パッド28の中央部には平面ピアスダイ8aに対応する複数の平面ピアスパンチ11,11…を列設している。パッド28は、戻しスプリング28aを介して上型7に固定されて共に下降し、平面ピアスダイ8aとでワークWを押さえてピアス加工時のシワの発生を防止する。
【0048】
戻しスプリング28aは、例えば、ウレタンゴムから成り、所定圧以上の荷重が負荷されたときに圧縮して、各平面ピアスパンチ11,11…が上型7に押されてパッド28の下面から突出するように設定してある。なお、戻しスプリング28aは、ウレタンゴムの代わりに、ガススプリングを採用してもよい。
【0049】
リストパンチ7bは、上型7と共に下降して下型8のリストダイ8bとで、ドアインナパネル3(図1(b)参照)の平面ピアス穴3b,3b…を穿設する平面部3hの周辺を所定の深さまで絞り且つコーナー各部の絞り半径を所望の絞り半径に仕上げて、ドローイング加工/フォーミング加工とドアインナパネル3のフランジ3i面を精度良く成型するリスト加工(仕上げ絞り加工)を行ってドアインナパネル3の面形状の大半を成形する成形加工を行う。
【0050】
大ピアスパンチ10は、ボルト5a,5a…で上型7の下面に固定して、下型8に設けた大ピアスダイ14とでワークWを打ち抜いて、ドアインナパネル3にドアトリムを設置するためのトリム設置穴3aを形成する穴開け加工(ピアス加工)を行う。大ピアスパンチ10は、昇降機6により上型7と共に下降して、大ピアスダイ14上のワークWをガススプリング等でなる戻しスプリング14aに抗して押圧して、平面ピアスダイ8aに嵌合し、大ピアスパンチ10の外縁のカッタ部10aでワークWを打ち抜いてトリム設置穴3aを形成する。
【0051】
下型8には、成型パンチ9に対応する成型ダイ12と、その成型ダイ12に設けた下型側トリム・スリット刃8e、及び平面ピアスダイ8aと、前記ワークWを保持するホルダ16とを設けられている。
【0052】
成型ダイ12は、大ピアスパンチ10の対向位置に設けた大ピアスダイ14と、パッド28の対向位置に設けた平面ピアスダイ8aと、リストパンチ7bの対向位置に設けたリストダイ8bと、側面加工装置17のパッド21の対向位置に設けた側面ピアスダイ8c,8dと、切刃13の対向位置に設けたホルダ16とを有している。成型ダイ12は、その下型8の上面全体で構成している。下型8は、平面ピアスダイ8a、リストダイ8b、側面ピアスダイ8c,8d、及び下型側トリム・スリット刃8eを一体に形成している。
成型ダイ12は、特許請求の範囲における下型側の「加工部」に相当する。
また、特許請求の範囲における加工部とは、図4に示すように、上型7に設けられた成型パンチ9と、下型8に設けられた成型ダイ12とから構成されると共に、成型パンチ9と成型ダイ12との協働によってワークWのプレス加工を行う部位である。
【0053】
大ピアスダイ14は、戻しスプリング14aを介して上方向に付勢された状態で下型8に設けられている。戻しスプリング14aは、例えば、ウレタンゴム、スプリング、またはガススプリング等の弾性部材である。
【0054】
ホルダ16は、上型7の切刃13とでワークWの外周部を保持する保持機構を構成する。保持機構の一部を構成するホルダ16は、下方にクッションピン16aを介在して、所定圧以上の荷重が負荷されると下降するように昇降可能に設けられている。
【0055】
図6は、本発明の第1実施の形態を示す図面で、複合プレス成形装置で側面プレス加工したときの状態を示す要部拡大半断面図である。
図6に示すように、側面加工装置17,17…は、ワークWの側面部3gを側面方向からピアシング、エンホシング及びバーリング等(切除加工)の側面プレス加工する装置である。側面加工装置17,17…は、プレス機1の昇降側部位ではなくプレス機1の固定側部位であって、かつドアインナパネル3の前方側、後方側及び下方側の側面部3gをプレス加工するように下型8の周辺の近接した3箇所に固定、設置されている(図2(b)参照)。その側面加工装置17は、テーブル4aに回動自在に載置した回動台18と、その回動台18に摺動自在に設けられ往復台19を往復移動させるための往復駆動手段と、回動台18に往復移動自在に設けられた往復台19と、複数のカムピアス穴3c,3c…(図1(c)参照)の穴あけ加工をする複数の側面ピアスパンチ24,24…,25,25…と、パッド21とで構成されている。
側面加工装置17の回動台18は、例えば、ドアインナパネル3の外周トリム3dを形成する下型側トリム・スリット刃8eより外側の位置のテーブル4a上(プレス機1の固定側部位)に、軸受部4cを介して回動自在に設置されている。そのテーブル4a上には、側面加工装置17の下面中央部に設けた軸部18aを回動自在に保持する軸受部4cと、側面加工装置17が所望角度に支持するストッパ4bとを突出している。側面加工装置17は、その装置17の外側端部に、油圧等で作動する駆動装置30のシリンダロッド30aを回動自在に連結して、そのシリンダロッド30aを伸縮自在に動作させ軸部18aを中心として矢印Bの加工可能位置の方向及び矢印Cの回避位置の方向に約90度回動する。
【0056】
回動台18は、略中央部に設けた往復駆動手段と、その往復駆動手段の一部を構成して往復台19を矢印Eの待機位置の方向に自動復帰させるための復帰手段と、回動中心となる軸部18aと、一端部に設けたシリンダロッド用連結部18bと、回動台18のスライド面18c上に摺動自在に載置した往復台19とを有している。回動台18は、その回動台18の下端の当接部17aが当接して、回動台18を軸受部4cとストッパ4bとによって支持されている。回動台18は、駆動装置30によりその回動台18が略倒立位置に回動されることで、側面加工装置17の回避位置を形成する。回動台18は、ストッパ4bの上に載置される位置に回動することで、側面加工装置17の加工可能位置を形成する。
【0057】
往復駆動手段は、往復台19を側面ピアスダイ8c,8d側に進退させるもので、駆動源としての昇降機6(図2(a)参照)と、その昇降機6で昇降する上型7の下面に設けたドライバーカム部29と、そのドライバーカム部29の傾斜面29aに押されて摺動するスライドカムフォロア部19aと、そのスライドカムフォロア部19aと一体の往復台19と、その往復台19を元の待機位置に自動復帰させる復帰手段とから構成されている。
【0058】
スライドカムフォロア部19aは、往復台19の上面に形成した45度程度の傾斜面19dを有しており、上型7がプレス機1により下降される際に、上型7の下面に固定したドライバーカム部29の傾斜面29aが下降して当接し、傾斜面29aに押圧されながら往復台19を矢印Dの側面プレス加工位置の方向にスライドさせる。つまり、スライドカムフォロア部19aは、昇降機6(図2(a)参照)による上下方向の力を左右方向に変換している。
【0059】
往復台19は、スライドカムフォロア部19aと、復帰手段のばね受け部19bと、複数の側面ピアスパンチ24,25と、その側面ピアスパンチ24,24…,25,25…を支持したパッド21と、そのパッド21が所定以上の圧力を受けた時に後退させると共にパッド21を加圧するスプリング22とを有して構成されている。なお、スプリング22は、パッド21を進退可能に案内支持するロッド部材23の周りに配置されている。往復台19は、回動台18のスライド面18c上に摺動面19cを配置して往復移動自在に設置され、上面に一体に設けたスライドカムフォロア部19aにドライバーカム部29が当接することで、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…と共に前進する。
【0060】
復帰手段は、往復台19をシリンダロッド30aとの連結部18b側方向に復帰させるもので、例えば、コイルばね等のばね部材26である。復帰手段は、回動台18に固定したガイド27にばね部材26を挿通して、そのばね部材26の一端は回動台18のばね受け部18dに付勢させ、他端には往復台19のばね受け部19bに付勢することで、矢印Dの側面プレス加工位置の方向に移動した往復台19を元の矢印Eの待機位置の方向に自動復帰させるものである。なお、復帰手段は、このほかの方法であってもよい。
【0061】
側面ピアスパンチ24,25は、下型8の側面に設置した側面ピアスダイ8c,8dの打ち抜き穴8g,8h(図4参照)に打ち込むことで、ワークWの側面部3gに複数のカムピアス穴3c,3c…(図1(c)参照)を形成する。側面ピアスパンチ24,24…,25,25…によって穴抜きされた不要なワークWの切屑は、リストダイ8bの打ち抜き穴8g,8g…,8h,8h…から通路8j,8j…,8k,8k…を通って下型8の下方に排出される。この側面ピアスパンチ24,24…,25,25…の数や大きさ等は、ドアインナパネル3(図1(c)参照)に穿設するカムピアス穴3c,3c…に合わせて適宜に選択すればよい。
なお、側面ピアスパンチ24,25及び側面ピアスダイ8c,8dは、特許請求の範囲における「側面加工部」に相当する。
【0062】
パッド21は、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…、並びに、周りにスプリング22を配置したロッド部材23に対し、図示のように進退自在に設置されている。パッド21は、側面ピアスパンチ24,25、ロッド部材23に対してスプリング22に抗して後退することで、そのパッド21の先端面から複数の側面ピアスパンチ24,24…,25,25…を突出させて側面ピアスパンチ24,24…,25,25…がワークWの側面部3gの穴開け加工(ピアス加工)及び刻み加工(ノッチ加工)を行えるようにする。パッド21は、ワークWを側面ピアスパンチ24,24…,25,25…と側面ピアスダイ8c,8dに押し付ける機能と、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…を側面ピアスダイ8c,8dとワークWから容易に分離させる機能を持つ。図3、図4及び図5に示すように、パッド21には、ワークWの側面部3gを押える側部押え面21aと、ワークWの上面を押える上部押え面21bが形成されていて、ワークWを下型8に正確に位置決めできるようになっている。
【0063】
次に、このプレス機1を用いて、ワークWを複合プレス成形する方法について説明する。
第1工程では、図3に示すように、昇降機6で上型7と下型8を相対移動させて近接し、下型8に載置したワークWに、上型7にある切刃13、リストパンチ7b、大ピアスパンチ10が圧接してドローイング加工/フォーミング加工を行う。
【0064】
第1工程においてリストパンチ7bは、下降して下型8側に近接することで、まず、リストパンチ7bの第1曲刃7cと平面ピアスダイ8aとでワークWを曲げ、リストパンチ7bとリストダイ8bとでワークWの側面部3gを深絞りする絞り加工(ドローイング加工/フォーミング加工)を行い、第2曲刃7dとリストダイ8bとでドアインナパネル3のフランジ3i部分を形成する曲げ加工を行い、ワークWを図1(a)に示す形状にプレス加工する。
【0065】
第2工程では、更に上型7を昇降機6で下型8側に下降してワークWを押圧して、ワークWを所定の深さまで絞り仕上げると共に、所望の絞り半径にまで仕上げるリスト加工を行う。
【0066】
第2工程中では、更に昇降機6で上型7と下型8との距離を短縮して、ワークWの外周トリム加工と、外周スリット加工と、平面ピアス加工とを行う。切刃13は、クッションピン16aに抗してワークW及びホルダ16を押し下げ、上型側トリム・スリット刃13aでドアインナパネル3(図1(b)参照)の不要な部分3fをスクラップとして切除する切断加工(トリム加工)を行う。
第2工程中、平面ピアスパンチ11は、上型7が下降することで、その平面ピアスパンチ11を支持しているパッド28が戻しスプリング28aを圧縮させることで、パッド28の下面から突出して、ワークWを打ち抜いて平面ピアス穴3bを穿設する平面ピアス加工を行う。
第2工程中、大ピアスパンチ10は、上型7が下降することで共に下型8側に下降して、戻しスプリング14aに抗してワークWと大ピアスダイ14を下降させ、カッタ部10aがワークWのトリム設置穴3aを切り抜きするピアス加工を行い、ワークWを図1(b)に示す形状に加工する。
このように、上型7を下降させて下型8と協働してワークWに対してプレス加工を行う第1〜第2工程で構成する上下面プレス加工工程が終了することができる。このように、第1実施の形態の場合は、1組の上型7と下型8とからなる金型で、1回で複数のプレス加工の工程を一度に行うことができる。
【0067】
そして、図4に示すように、昇降機6で上型7を上昇させると、戻しスプリング14aは、大ピアスパンチ14で切り抜かれたスクラップを押し上げてスクラップを作業者またはロボット等の自動機で取り出しが容易な状態に保持する。一方クッションピン16aは、一時ロッキング機能有効とさせるためホルダ16は最下点で維持され側面加工装置17の挿入準備をしている。
ホルダ16は、側面加工装置17が矢印C方向に約90度回動して元の回避位置に復帰した時点で、ロッキングが解除されてホルダ16は最上点に上昇する。
【0068】
続いて、側面加工装置17,17…を駆動、変位させて下型8と協働して行う第3工程(位置決め行程)及び第4工程(側面プレス加工工程)からなる側面プレス加工を行う。
第3工程(位置決め行程)では、側面加工装置17,17…を下型8の側方個所に位置決めする。すなわち、まず図4に示すように、側面加工装置17,17…を上型7の昇降に支障にならない矢印C方向の回避位置に移動させた後に、昇降機6で上型7を上昇させて、下型8と上型7との間に側面加工装置17,17…を挿入できるように上型7を下型8から引き離す。
【0069】
次に、図5に示すように、駆動装置30でシリンダロッド30aを押し出して、側面加工装置17を、軸部18aを中心に矢印B方向の側面プレス加工の加工可能位置側に約90度回動させる。回動した側面加工装置17は、当接部17aがストッパ4bに当接することにより静止し、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…側が若干下がった略水平な状態になる。そして、パッド21は、ワークWの側面部3gに当接した位置に配置されてワークWに対して位置決めされる。これにより、側面加工装置17は、下型8に載置されたワークWの側面部3gに当接し、ワークWの側面部3gを側面ピアスパンチ24,24…,25,25…でカムピアス穴3c,3c…を加工できるように位置決めされる。すなわち、側面加工装置17は、上型7の昇降に支障のない矢印C方向の回避位置(図4参照)から、上型7の上昇後に矢印B方向の側面プレス加工の加工可能位置(図5参照)に移動せしめられる。
【0070】
次に、第4工程(側面プレス加工工程)では、下型8に載置されているワークW(図1(c)参照)の側面部3gにカムピアス穴3c,3c…を形成するピアス加工及びノッチ加工(切除加工)の側面プレス加工を施す。
第4工程では、まず、昇降機6(図2(a)参照)を作動させて上型7を垂直に下降させると、図6に示すように、ドライバーカム部29が下降し、スライドカムフォロア部19aの傾斜面19dに押し当たると、側面加工装置17の往復台19は、押圧され、摺動面19cがスライド面18c上を摺動し、往復台19が回動台18上を矢印Dの略水平な方向に移動する。パッド21及び側面ピアスパンチ24,24…,25,25…は、この往復台19と共に矢印Dの側面プレス加工位置の方向に移動して、まず、パッド21のみがワークWを押圧して下型8の側面とで挟持する。
【0071】
更に昇降機6によりドライバーカム部29が下降して往復台19が矢印Dの側面プレス加工位置の方向に移動すると、パッド21は、スプリング22を圧縮させ、側面ピアスパンチ24,25がそのパッド21から突出して側面ピアスダイ8c,8dの側面にあるワークWを打ち抜いてピアス・ノッチ加工をする。このとき、パッド21は、スプリング22を圧縮してそのまま位置にあり、ワークWを押えて移動しないように保持している。側面ピアスパンチ24,24…,25,25…はワークWを打ち抜き穴8g,8g…,8h,8h…(図4参照)まで打ち抜いてカムピアス穴3c,3c…(図1(c)参照)を穿設する。側面ピアスパンチ24,24…により打ち抜かれたワークWの切屑は、側面ピアスダイ8cに設けられた通路8j,8j…から下型8の下に落下する。また、側面ピアスパンチ25,25…により打ち抜かれたワークWの切屑は、側面ピアスダイ8dに設けられた通路8k,8k…から下型8の下方に落下する。
【0072】
そして、往復台19は、昇降機6によりドライバーカム部29を上昇させると、スライドカムフォロア部19aからドライバーカム部29が離れたことで、復帰手段のばね部材26にばね受け部19bが付勢されることにより元の待機位置に後退する。往復台19が元の矢印Eの待機位置の方向に移動することで、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…がワークWから離れ、スプリング22に付勢されてパッド21が移動して、ロッド部材23の頭部に当設する位置で止まり(図面参照)、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…の先端部がパッド21内に没入する元の状態に自動復帰する。
【0073】
この第4工程のとき、側面加工装置17は、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…でワークWを側面方向から押圧して打ち抜いても、その側面加工装置17をドライバーカム部29と、ストッパ4bと、軸部18aと、シリンダロッド30aとの連結部18bとの4箇所で支えているので、側面ピアスパンチ24,24…,25,25…の反力で側面加工装置17がガタ付くことなく、ワークWの加工面を高精度に仕上げることができる。このようにして、ワークWの側面プレス加工が終了して図1(c)に示すドアインナパネル3が完成する。
【0074】
<第2実施の形態>
次に、側面加工装置の第2実施の形態を説明する。
図7は、本発明の第2実施の形態を示す図面で、作動機構を備えた側面加工装置の概略図である。
なお、前述した第1実施の形態と同一のものは、同一符号を付し、その説明を省略する。本発明の第2実施の形態を示す図面で、作動機構を備えた側面加工装置の概略図である。第2実施の形態の側面加工装置31は、油圧装置等から構成される油圧駆動手段を直接回動台34に設置して側面ピアスパンチ32,33を進退させるものである。
【0075】
側面加工装置31は、下型8と協働してワークWの側面部3gを側面プレス加工する装置である。この側面加工装置31は、本体4のテーブル4a(固定部位)回動自在に設置した回動台34と、その回動台34に設け側面ピアスパンチ32,32…,33,33…を往復移動させるための油圧駆動手段と、カムピアス穴3c,3c…の穴あけ加工をする側面ピアスパンチ32,32…,33,33…と、側面ピアスパンチ32,32…,33,33…に設置したパッド36とを有している。
【0076】
回動台34は、この回動台34の下面中央部に設けた軸部34aを本体4のテーブル(固定側部位)4a上に設置された軸受部4cに軸支し、この回動台34の端部に設けたシリンダロッド用連結部34bが駆動装置30のシリンダロッド30aの伸縮によって上昇・下降することによって、回動台34が軸部34aを中心に矢印B,C方向に回動するように設置されている。そのテーブル4a上には、前記軸部34aが軸支される前記軸受部4cと、回動台34が所望角度以上に回動することを阻止するストッパ4bとが設置されている。この回動台34は、側面プレス加工するための側面ピアスパンチ32,33と、この側面ピアスパンチ32,33を駆動させるためのピストン駆動部(往復駆動手段)40,41と、回動台34を回動自在に設置させるための軸部34aと、回動台34を回動させるためのシリンダロッド用連結部34bとを備えている。回動台34は、シリンダロッド30aが上下方向に伸縮すると、軸部34aを中心として矢印B(加工可能位置),C(回避位置)方向に回動駆動する。回動台34は、下面中央部の軸部34aを軸受部4cに軸支し、一端部をシリンダロッド用連結部34bに連結して支持されると共に、その回動台34を矢印Bの加工可能位置に回動したときには、更に先端部がストッパ4bによって保持されて回動台34が安定した状態になる。
前記側面加工装置31は、駆動装置30のシリンダロッド30aが上方向に伸びて、回動台34がストッパ4bの上に載置される矢印B方向の加工可能位置に回動することで、パッド36及び側面ピアスパンチ32,33がワークWの側面部3gの方向を向き、側面加工装置31でワークWを側面プレス加工できる状態になる。
側面加工装置31は、上型7と下型8とによるプレス加工の際に、上型7の昇降に支障にならないように、回動台34を略倒立した状態にする。側面加工装置31は、駆動装置30のシリンダロッド30aが下方向に縮み、回動台34が矢印C方向の略倒立位置に回動されることで、上型7と下型8とでプレス加工できる側面加工装置31の回避位置の状態になる。
【0077】
油圧駆動手段は、側面ピアスパンチ32,33(側面加工部)をワークWから離間した矢印E方向の待機位置からワークWの矢印D方向に移動させて、ワークWの側面プレス加工位置である下型8に設置された側面ピアスダイ8c,8d(加工部)に移動させるもので、油圧の流体圧装置からなる。油圧駆動手段は、例えば、油圧駆動源Pと、その油圧駆動源Pの油圧をコントロールすると共に、ピストン駆動部40,41に供給する油圧を制御する油圧制御部39と、油圧制御部39からの油圧で側面ピアスパンチ32,33を移動させるピストン駆動部40,41と、側面ピアスパンチ(側面加工部)32,33の基端側に形成したピストン42,43とを有している。
【0078】
油圧駆動源Pは、側面加工装置31外に設置され、高圧にした油を油圧ホース44を介して油圧制御部39に送る。油圧制御部39では、その油の入・切を行い、油圧ホース46を介して高圧油をピストン駆動部40,41のシリンダa内に送ることにより、側面ピアスパンチ32,33が矢印Dの側面プレス加工位置の方向に押し出される。油圧制御部39は、これとは逆に低圧油を油圧ホース47,45からピストン駆動部40,41のシリンダb内へ送り出すことで、側面ピアスパンチ32,33を矢印E方向の待機位置に復帰させる。
このように、側面ピアスパンチ32,33自体が進退する往復運動を行うことで、ワークWの側面部3gの穴開け加工(ピアス加工)及び刻み加工(ノッチ加工)を行うことができる。第2実施の形態においては、パッド36は回動台34に対し固定され、回動台34とは一定の距離を保つ構成とされている(図示のように、側面ピアスパンチ32の周囲を覆う形に配設される筒状部材を介して連結される)が、もちろん、前述した実施の形態と同一構造を採用するようにしても良い。
【0079】
以上のように、側面加工装置31は、プレス加工するとき、油圧駆動源Pの油圧を油圧制御部39で制御して側面ピアスパンチ32,32…,33,33…をワークWに向けて押し出して、下型8の側面に設置した側面ピアスダイ8c,8dの打ち抜き穴8g,8hに打ち込むことで、ワークWの側面部3gに複数のカムピアス穴3c,3c…(図1(c)参照)が形成される打ち抜き加工する。
なお、側面ピアスパンチ32,32…,33,33…及び側面ピアスダイ8c,8dは、特許請求の範囲における「側面加工部」に相当する。
【0080】
<第3実施の形態>
次に、側面加工装置の第3実施の形態を説明する。
図8は、本発明の第3実施の形態を示す図面で、作動機構を備えた側面加工装置の要部の概略図である。
図8に示すように、第3実施の形態の側面加工装置49は、前述した第1実施の形態と同様に、回動台50の上に往復移動自在に載置される往復台51を備える一方、前述の第2実施の形態と同様に、油圧により駆動する油圧駆動手段によって側面プレス加工する側面加工部を駆動移動させるものである。
【0081】
側面加工装置49によってプレス加工されるワークW(図1参照)は、第1及び第2実施の形態と同様に、車両用のドアインナパネル3(図1参照)であり、上型7(図2(a)参照)と下型8(図2(a)参照)とによるプレス加工により、ドアインナパネル3の平面部3h(図1参照)に絞り加工、並びに切除加工を施す一方、前記側面加工装置49と下型8とによる側面プレス加工により、ドアインナパネル3の側面部3g(図1参照)に切除加工を施す。側面加工装置49は、ドアインナパネル3の車両の前方側、後方側、並びに下方側の少なくとも3方の側面部3gを加工するように、下型8の周辺の少なくとも3箇所に並設されて成る。
具体的には、図8に示すように、側面加工装置49は、前述の第1実施の形態と同様に、プレス機1の固定側部位であるテーブル4aに設置した回動台50と、その回動台50の上に往復移動可能自在となるように、その往復移動可能となる構成の支持部50aを介して載置される往復台51と、その往復台51の先端部に形成され、ワークWの側面部3gを側面プレス加工する側面加工部とで、第1実施の形態のそれぞれと同じ機能、構成を備える側面ピアスパンチ58,58・・・,59,59・・・、パッド70、スプリング60、ロッド部材61を有している。
なお、側面ピアスパンチ58,58・・・,59,59・・・、パッド70、ロッド部材61及び側面ピアスダイ8c,8d(図4参照)は、特許請求の範囲における「側面加工部」に相当する。
【0082】
さらに、側面加工装置49は、図8に示すように、側面プレス加工を行うべく往復台51を往復移動させる油圧駆動手段を備えており、この油圧駆動手段は、具体的には、供給される油圧によって、往復台51にその先端が連結されるピストンロッド57を駆動移動させるピストン駆動部56と、このピストン駆動部56に一端が接続され他端が往復台51に接続されるピストンロッド57と、このピストン駆動部56に油圧ホース54、55を介して、駆動油圧を供給する油圧源を兼ねる油圧制御部53とを有している。
【0083】
具体的な説明は省略するが、第3実施の形態においても、油圧駆動手段により、ワークWの側面プレス加工部を備える往復台51を適宜、駆動変位せしめることで、ワークWの側面プレス加工を行うことができる。一方で、側面プレス加工を行なわない場合は、油圧駆動手段により、往復台51をワークWから離間した矢印Eの待機位置に後退させ、さらには回動台50を矢印C方向に回動させることで、上型7と下型8とによるプレス加工に支障にならない回避位置に移動させられる。
【0084】
なお、本発明は、第1〜第3実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
前記第1実施の形態においては、上型と下型とによるプレス加工は、1枚の平板状の鋼板から順次、1次絞り加工(ドローイング加工)、2次絞り加工(フォーミング加工)、絞り仕上げ加工(リスト加工)を、一度に行うものを前提として説明したが、これに限られることはなく、1度のプレス加工が難しければ(特に、絞り深さが比較的大きい製品のプレス加工の場合)、予め別なプレス機にて、前半部分のプレス加工、例えば、大まかな粗絞り加工(例えば、1次絞り加工)を行っておき、その加工を施したワークWを第1実施の形態で説明したプレス機1に搬入・セットし、それ以降のプレス加工(例えば、2次絞り加工、仕上げ絞り加工、並びに切除加工)を第1実施の形態で説明のプレス機1における上型7と下型8とによって行うようにしても良い。この場合であっても、この上型7と下型8とによる上下方向からのプレス加工に続く側面プレス加工を、この同じプレス機1にて行うことができることによる本発明の作用効果を奏するものである。
【0085】
なお、本発明における側面加工装置17,31,49は、ワークWの垂直な側面部3gのプレス加工のみに限定するものではなく、例えば、回動台18,34,50を支持する本体4の軸受部4c及びストッパ4bの位置を上下方向に移動することで、回動台18,34,50の傾きを変えて、ワークWの傾斜した側面のプレス加工も容易に行うことができる。
側面加工装置17,31,49は、ドアインナパネル3の周辺の3箇所に並設して3方の側面部3gを加工するものに限定されるものではなく、ドアの形状等によって、ドアインナパネル3の車両の前方側、後方側、上方側並びに下方側の少なくとも2方の側面部3gを加工するように、下型8の周辺の少なくとも2箇所に適宜に並設されものであればよい。
【0086】
また、本発明における往復駆動手段は、往復台19を往復移動できるものであればよく、特にその駆動機構は限定しない。例えば、往復駆動手段は、往復台19を油圧または空気等の流体圧装置等によって移動させるようにしてもよい。
但し、本第1の実施の形態のように、プレス機1によるラム4d、上型7の下方移動を利用する構成とすれば、側面プレス加工用に駆動源を別途必要としない点で、極めて優れるものである。
【0087】
また、図2(b)に示すように、側面加工装置17,17…,は、ドアインナパネル3の車両の前方側、後方側、並びに下方側の3方の側面部3gをプレス加工すべく、この位置に対応する下型8の周辺個所の3箇所に並設されて成るものを説明したが、例えば、プレスドアと呼ばれている自動車のドア構造においては、ドアの上方部分のドアサッシュ部にも側面プレス加工(ピアス加工等)が要求される場合があり、そのようなドアインナパネルをプレス加工する場合は、前記3箇所に追加して、さらにその加工位置に対応する部分にも並設しても良い(下型8の周囲4箇所、あるいは5箇所に)。
【0088】
また、図5に示す駆動装置30の動力源は油圧に限定されるものではなく空気圧や水圧等の流体圧によるものでも、モータによる歯車減速機構によるものでもよく、その動力源は特に限定しない。
【0089】
また、本発明の加工の対象製品は、自動車のドアインナパネルに限らず、自動車部品で同様な絞り加工を伴うプレス成形品のトランクリッド、ボンネット等の加工にも適用できるものであり、また、自動車以外の製品の加工に適用できるのはもちろんである。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ワークの側面プレス加工の為に別のプレス機に搬送することなく、上下面方向の加工を施すプレス機を利用して側面方向からのワークへのプレス加工も可能にすることができ、もって加工工程、金型製作費及びプレス加工費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す図面で、(a)はドローイング加工/フォーミング加工したときのワークの斜視図、(b)は平面ピアス加工及びトリム加工/スリット加工及びリスト加工したときのワークの斜視図で、(c)は側面ピアス/ノッチ/バーリング/等の加工したときのワークの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施の形態の複合プレス成形装置を示す概略図で、(a)はプレス機の構成を示す正面図、(b)は(a)に示すF−F線方向から見たときのワークと側面加工装置の配置関係を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施の形態を示す図面で、複合プレス成形装置にあるワークを図1(a)に示すワークのA−A線に沿って断面したときの状態を示す複合プレス成形装置の要部拡大半断面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態を示す図面で、上型を上昇させたときの状態を示す複合プレス成形装置の要部拡大半断面図である。
【図5】本発明の第1実施の形態を示す図面で、駆動装置で側面加工装置を水平にさせたときの状態を示す複合プレス成形装置の要部半断面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態を示す図面で、側面加工装置で加工したときの状態を示す要部拡大半断面図である。
【図7】本発明の第2実施の形態を示す図面で、作動機構を備えた側面加工装置の概略図である。
【図8】本発明の第3実施の形態を示す図面で、作動機構を備えた側面加工装置の要部の概略図である。
【符号の説明】
1 プレス機
3 ドアインナパネル
3g 側面部
3h 平面部
4a テーブル
4b ストッパ
4c 軸受部
4d ラム
6 昇降機
7 上型
7b リストパンチ
7e スリット刃
8 下型
8a 平面ピアスダイ
8e,13a トリム・スリット刃
9 成型パンチ
10 大ピアスパンチ
10a カッタ部
11 平面ピアスパンチ
12 成型ダイ
13 切刃
14 大ピアスダイ
16 ホルダ
17,31,49 側面加工装置
18,34,50 回動台
19,51 往復台
24,25,32,33,58,59 側面ピアスパンチ
22,60 スプリング
26 ばね部材
30 駆動装置
40,41,56 ピストン駆動部
44,45,46,47,54,55 油圧ホース
50a 支持部
39,53 油圧制御部
57 ピストンロッド
61 ロッド部材
W ワーク

Claims (15)

  1. 昇降機により昇降されるプレス機の昇降側部位に固定される上型と、プレス機の固定側部位に固定される下型を備えると共に、前記上型、前記下型の各対応する部位には、前記上型と前記下型との協働によりワークをプレス加工する加工部がそれぞれ形成されてなるプレス成形装置であって、
    前記下型の側方位置の前記プレス機の固定側部位には、該下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工装置が設けられると共に、
    該側面加工装置は、前記プレス機の固定側部位に回動自在に設置される回動台と、該回動台の上に往復移動自在に載置される往復台と、該往復台の先端部に形成されて前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工部と、前記往復台を前記ワークから離間した待機位置から前記ワークの方向に移動させて前記加工部による前記ワークの側面プレス加工位置に移動させる往復駆動手段とを備え、
    該側面加工装置は、前記上型と前記下型とによるプレス加工の際には、前記上型の昇降に支障にならない回避位置に移動せしめられる一方、前記側面加工部と前記下型とによる側面プレス加工の際には、前記上型の上昇の後に側面プレス加工の加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする複合プレス成形装置。
  2. 前記請求項1記載の複合プレス成形装置において、
    前記側面加工装置の前記回動台の回動移動により、前記側面加工装置がそれぞれ、前記回避位置、加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする複合プレス成形装置。
  3. 前記請求項2記載の複合プレス成形装置において、
    前記回動台は、前記プレス機の固定側部位の上に軸受部を介して回動自在に設置されると共に、該回動台を回動駆動する駆動装置、並びに、前記プレス機の固定側部位上に設置され該回動台にその先端が当接して該回動台を前記軸受部と共に支持するストッパが設けられ、
    前記側面加工装置は、前記駆動装置により前記回動台が略倒立位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記回避位置を形成する一方、前記回動台が前記ストッパの上に載置される位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記加工可能位置を形成することを特徴とする複合プレス成形装置。
  4. 前記請求項2記載の複合プレス成形装置において、
    前記往復駆動手段は、前記上型の下面に設けた傾斜面を有するドライバーカム部と、
    前記往復台の上面に形成され、前記上型が前記プレス機により下降される際に前記ドライバーカム部の傾斜面に押されて摺動するスライドカムフォロア部と、前記往復台を前記回動台上において前記側面プレス加工位置から前記待機位置に復帰させるばね部材から成る復帰手段と、
    を備えていることを特徴とする複合プレス成形装置。
  5. 前記請求項2記載の複合プレス成形装置において、
    プレス加工される前記ワークは、車両用のドアインナパネルであり、
    前記上型と前記下型とによるプレス加工により、前記ドアインナパネルの平面部に絞り加工、並びに切除加工を施す一方、前記側面加工装置と前記下型とによる側面プレス加工により、前記ドアインナパネルの側面部に切除加工を施すことを特徴とする複合プレス成形装置。
  6. 前記請求項5記載の複合プレス成形装置において、
    前記側面加工装置は、前記ドアインナパネルの車両の前方側、後方側、上方側並びに下方側の少なくとも2方の側面部を加工するように、前記下型の周辺の少なくとも2箇所に並設されて成ることを特徴とする複合プレス成形装置。
  7. 昇降機により昇降されるプレス機の昇降側部位に固定される上型と、前記プレス機の固定側部位に固定される下型を備えると共に、前記上型、前記下型の各対応する部位には、前記上型と前記下型との協働によりワークをプレス加工する加工部がそれぞれ形成されてなるプレス成形装置であって、
    前記下型の側方位置の前記プレス機の固定側部位には、前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工装置が設けられると共に、
    該側面加工装置は、前記プレス機の固定側部位に回動自在に設置される回動台と、前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面加工部と、該側面加工部を前記ワークから離間した待機位置から前記ワークの方向に移動させて前記加工部による前記ワークの側面プレス加工位置に移動させる油圧駆動手段とを備え、
    該側面加工装置は、前記上型と前記下型とによるプレス加工の際には、前記上型の昇降に支障にならない回避位置に移動せしめられる一方、前記側面加工部と前記下型とによる側面プレス加工の際には、前記上型の上昇の後に側面プレス加工の加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする複合成形装置。
  8. 前記請求項7記載の複合プレス成形装置において、
    前記側面加工装置の前記回動台の回動移動により、前記側面加工装置がそれぞれ、前記回避位置、加工可能位置に移動せしめられることを特徴とする複合プレス成形装置。
  9. 前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、
    前記回動台は、前記プレス機の固定側部位の上に軸受部を介して回動自在に設置されると共に、該回動台を回動駆動する駆動装置、並びに、前記プレス機の固定側部位上に設置され該回動台にその先端が当接して該回動台を前記軸受部と共に支持するストッパが設けられ、
    前記駆動装置により前記回動台が略倒立位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記回避位置を形成する一方、前記回動台が前記ストッパの上に載置される位置に回動せしめられることで前記側面加工装置の前記加工可能位置を形成することを特徴とする複合プレス成形装置。
  10. 前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、
    前記油圧駆動手段は、油圧により駆動されるピストン駆動部と、先端に前記側面加工部が形成されるピストンと、前記ピストン駆動部に供給する油圧を制御する油圧制御部と、を備えたことを特徴とする複合プレス成形装置。
  11. 前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、
    前記側面加工装置は、さらに、前記回動台の上に往復移動自在に載置されると共に、その先端に前記側面加工部が形成される往復台を備える一方、
    前記油圧駆動手段は、油圧により駆動されるピストン駆動部と、該ピストン駆動部に一端が接続され他端が前記往復台に接続されるピストンロッドと、前記ピストン駆動部に供給する油圧を制御する油圧制御部と、を備えたことを特徴とする複合プレス成形装置。
  12. 前記請求項8記載の複合プレス成形装置において、
    プレス加工される前記ワークは車両用のドアインナパネルであり、
    前記上型と前記下型とによるプレス加工により、前記ドアインナパネルの平面部に絞り加工、並びに切除加工を施す一方、前記側面加工装置と前記下型とによる側面プレス加工により、前記ドアインナパネルの側面部に切除加工を施すことを特徴とする複合プレス成形装置。
  13. 前記請求項12記載の複合プレス成形装置において、
    前記側面加工装置は、前記ドアインナパネルの車両の前方側、後方側、上方側並びに下方側の少なくとも2方の側面部を加工するように、前記下型の周辺の少なくとも2箇所に並設されて成ることを特徴とする複合プレス成形装置。
  14. 昇降機により昇降されるプレス機の昇降側部位に固定される上型と、前記プレス機の固定側部位に固定される下型と、該下型の側方位置の前記プレス機の固定側部位に固定される側面加工装置によりワークを所定の形状に成形するためのプレス成形方法であって、
    前記上型を下降させて前記下型と協働して、前記ワークに対しプレス加工を行う上下面プレス加工工程と、
    該上下面プレス加工工程に続き、前記上型を上昇させた後に、前記側面加工装置を駆動、変位させて、前記下型と協働して前記ワークの側面部を側面プレス加工する側面プレス加工工程とを含むと共に、
    該側面プレス加工工程は、前記側面加工装置を、前記上下面プレス加工工程時における前記上型と干渉しない後退した位置から、前記上型が上昇した後の前記下型の上方の空間位置に移動せしめて、該側面加工装置を前記下型の側方個所に位置決めする位置決め行程と、前記上下面プレス加工後の前記下型に載置されている前記ワークの側面部に側面プレス加工を施す加工工程とを含むことを特徴とする複合プレス成形方法。
  15. 前記請求項14記載の複合プレス成形方法において、
    プレス加工される前記ワークは車両用のドアインナパネルであり、
    前記上下面プレス加工工程は、前記ドアインナパネルの平面部に絞り加工、並びに切除加工を行う工程を含む一方、
    前記側面プレス加工工程は、前記ドアインナパネルの側面部に切除加工を行う工程を含むことを特徴とする複合プレス成形方法。
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