JP2004115431A - 5−ビニル及び5−エチニルピリミジン誘導体及びそれを含有する除草剤 - Google Patents
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Abstract
【課 題】雑草に対する殺草効果が高く、一方で稲、小麦、大麦、トウモロコシ、綿、大豆等の作物に対する薬害が少なく、さらに、哺乳動物や魚介類に対する毒性が低い、残留性が低いなど環境汚染が少ない、持続性があるまたは製剤化しやすいなどの性質をさらに有するピリミジン系除草剤を提供することを目的とする。
【解決手段】下記式(I’’);
【化22】
(式中、R1aは、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基またはハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表し、R2は、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基を表わし、R3’は水素またはハロゲン原子を表し、R4’はハロゲン原子を表し、R5’’はC1−6アルコキシ基を表す。)
で示される化合物もしくはその塩、もしくは前記化合物もしくはその塩を含有することを特徴とする除草剤。
【選択図】 なし
【解決手段】下記式(I’’);
【化22】
(式中、R1aは、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基またはハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表し、R2は、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基を表わし、R3’は水素またはハロゲン原子を表し、R4’はハロゲン原子を表し、R5’’はC1−6アルコキシ基を表す。)
で示される化合物もしくはその塩、もしくは前記化合物もしくはその塩を含有することを特徴とする除草剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピリミジン誘導体およびそれを含有する除草剤に関する。本発明のピリミジン誘導体は水田雑草、畑地雑草に対して優れた除草作用を有し、しかも、稲、小麦、大麦、トウモロコシ、綿、大豆等の有用植物の栽培作物に対して薬害はないかまたは軽微であって、水田や畑地用の優れた選択的除草剤として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピリミジン系誘導体はいくつか報告されている。しかし、従来のピリミジン系除草剤は、雑草に対する殺草効果、作物に対する薬害、哺乳動物や魚介類に対する毒性、環境汚染の面等でまだ十分とは言えず、これらの点につき、さらに改良された選択的除草剤の開発が切望されている。
【0003】
【特許技術文献1】
特開2001−106675号公報(請求項1)
【特許技術文献2】
特開2002−205986号公報(請求項1)
【特許技術文献3】
国際公開第02/38550号パンフレット(請求項1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような事情に鑑み、本発明は優れた選択除草活性を示すピリミジン系除草剤を提供することを目的とする。より具体的には、雑草に対する殺草効果が高く、一方で稲、小麦、大麦、トウモロコシ、綿、大豆等の作物に対する薬害が少なく、さらに、哺乳動物や魚介類に対する毒性が低い、残留性が低いなど環境汚染が少ない、持続性があるまたは製剤化しやすいなどの性質をさらに有するピリミジン系除草剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、優れた除草活性を示し、しかも作物に薬害のない選択的除草剤の開発を目指し鋭意研究を重ねた結果、新規ピリミジン誘導体またはその塩の創製に成功し、先に特許出願(特許技術文献2および3)した。本発明者らは、前記発明に基づいてさらに種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I);
【化8】
[式中、R1pおよびR1qは、各々、(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)置換されていてもよいC1−6アルキル基、(4)C1−6アルコキシ基、(5)C2−6アルケニルオキシ基、(6)C2−6アルキニルオキシ基、(7)C1−6ハロアルコキシ基、(8)C2−6ハロアルケニルオキシ基、(9)C1−6アルキルチオ基、(10)C2−6アルケニルチオ基、(11)C2−6アルキニルチオ基、(12)C1−6ハロアルキルチオ基、(13)C2− 6ハロアルケニルチオ基、(14)置換されていてもよいアミノ基、(15)C2−7アルコキシカルボニル基、(16)C3−7アルケニルオキシカルボニル基、(17)C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基、(18)C3−7アルキニルオキシカルボニル基、(19)窒素上が置換されていてもよいカルバモイル基(置換基は、モノあるいはジ置換であってもよいC1−4アルキル基)、(20)チオカルバモイル基、(21)シアノ基または(22)ホルミル基を表わし、R1pとR1qは同一または異なっていてもよく、
R2は、置換されていてもよいC2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基を表わし、
【0007】
Arは一般式(1)
【化9】
{式中、R3は水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基またはC1−6ハロアルコキシ基を表わし、
R4は(1)ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ基、(4)カルバモイル基、(5)チオカルバモイル基、(6)ヒドロキシC1−4アルキル基、(7)C1−4ハロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、(9)C2−7アルコキシカルボニル基、(10)C3−7アルケニルオキシカルボニル基、(11)C3−7アルキニルオキシカルボニル基、(12)C1−6アルコキシ基、(13)C2−6アルケニルオキシ基、(14)C2−6アルキニルオキシ基、(15)置換されていてもよいC7−12アラルキルオキシ基を表わし、
【0008】
R5は水素原子;シアノ基;C1−6アルキル基;C3−6シクロアルキル基;水酸基;メルカプト基;C1−6アルコキシ基;C1−6アルコキシ−C1−4アルコキシ基;C3−6シクロアルキルオキシ基;C1−6ハロアルコキシ基;C2−6アルケニルオキシ基;C2−6ハロアルケニルオキシ基;C2−6アルキニルオキシ基;C6−10アリールオキシ基;C7−12アラルキルオキシ基;C1−6アルキルチオ基;C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基;C3−6シクロアルキルチオ基;C1−6ハロアルキルチオ基;C2−6アルケニルチオ基;C2−6ハロアルケニルチオ基;C2−6アルキニルチオ基;C6−10アリールチオ基;C7−12アラルキルチオ基;C1−6アルキルスルホニル基;C3−6シクロアルキルスルホニル基;C1−6ハロアルキルスルホニル基;C2−6アルケニルスルホニル基;C2−6ハロアルケニルスルホニル基;C2−6アルキニルスルホニル基;酸素原子、イオウ原子および窒素原子を1ないし2個含有していてもよい環状アミノ基;あるいは一般式(i)
【化10】
(式中、Yは酸素原子、イオウ原子または−N−R13を表わし、
R11は水素原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R12は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基、C7−12アラルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C2−6アルケニルオキシ−C1−4アルキル基、C2−6アルキニルオキシ−C1−4アルキル基、C3−6シクロアルコキシ−C1−4アルキル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C4−7シクロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C2−7ハロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基またはC8−13アラルキルオキシカルボニル−C1−4アルキル基を表わし、
R13は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−7アルカノイル基、C7−11アリールカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル基、C2−7ハロアルコキシカルボニル基またはC3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基を表わし、
R14は水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R15、R16はそれぞれ独立であって、水素原子;C1−6アルキル基;C2−6アルケニル基;C2−6アルキニル基;C3−6シクロアルキル基;C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基;C7−12アラルキル基;窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する5〜6員の複素環で置換されたC1−4アルキル基;C1−7アルカノイル基;C7−11アリールカルボニル基;C2−7ハロアルキルカルボニル基;C2−7アルコキシカルボニル基;C3−7アルケニルオキシカルボニル基;C3−7アルキニルオキシカルボニル基;C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基;C2−7ハロアルコキシカルボニル基;C1−6アルキルスルホニル基;C2−6アルケニルスルホニル基;C2−6ハロアルケニルスルホニル基;C2−6アルキニルスルホニル基;C3−6シクロアルキルスルホニル基;C1−6ハロアルキルスルホニル基;C6−10アリールスルホニル基;C7−12アラルキルスルホニル基;または、一般式(ii)
【化11】
(式中、R11、R12およびYは上記と同意義である。)で表わされる基を表わす。)
で表わされる基を表わし、
【0009】
R6は水素原子またはC1−6アルキル基、mは0または1を表わし、
R7は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−7アルカノイル基、C7−11アリールカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル基、C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基またはC3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基を表わし、
R8は水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6ハロアルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基、C2−6アルキニルチオ基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−6アルキルチオC1−4アルキル基またはC1−6アルキルスルホニル−C1−4アルキル基を表わし、
R9は水素原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R10はC1−6アルキル基を表わし、
Zは酸素原子またはイオウ原子を表わす。}
で表わされる基の1つである。]
で示されるピリミジン誘導体またはその塩、
【0010】
(2) 一般式(I’);
【化12】
(式中、R1p、R2およびArは前記(1)と同意義。R1aは、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基またはハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表わす。)
で示される前記(1)に記載のピリミジン誘導体またはその塩、
【0011】
(3) 一般式(I)において置換基Arが、式(Ar−1);
【化13】
(式中、R3、R4およびR5は前記(1)と同意義。)
で示される置換基である前記(1)または(2)のいずれか1項に記載のピリミジン誘導体またはその塩、
【0012】
(4) 式(Ar−1)で示される基が、式(Ar−1a);
【化14】
{式中、R3’は水素またはハロゲン原子を表し、
R4’はハロゲン原子を表し、
R5’は、水酸基、メルカプト基、−OX1、−SX1または−OCH(X2)COOX1(式中、X1は、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基またはC7−12アラルキル基を表し、X2は、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基またはC2−6アルキニル基を表す。)を表す。}
で示される基である前記(3)に記載のピリミジン誘導体またはその塩、
【0013】
(5) 4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン、
(6) 前記(1)〜(5)に記載のピリミジン誘導体またはその塩を含有することを特徴とする除草剤、
に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
C1−6アルキル基としては、直鎖もしくは分枝状であってよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソへキシル等が挙げられる。
C1−6ハロアルキル基またはハロゲン原子で置換されているC1−6アルキル基としては、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、1−クロロエチル、トリフルオロメチル等が挙げられる。
窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する5−6員の複素環で置換されたC1−4アルキル基としては、例えば、4−ピリジルメチル、2−フリルメチル、2−チオフェンメチル等が挙げられる。
【0015】
C3−6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
C2−6アルケニル基としては、例えば、アリル、1−ブテン−3−イル、3−ブテン−1−イル等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニル基としては、2−クロロ−2−プロペン−1−イル等が挙げられる。
C2−6アルキニル基としては、例えば、プロパルギル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル等が挙げられる。
C6−10アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
C7−12アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
【0016】
C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基およびC2−6アルキニル基の置換基としては特に限定されず、当技術分野で使用されている置換基であってよい。具体的には、例えば、(i)ハロゲン原子、(ii)アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)(好ましくはC1−3)、(iii)ニトロ基、(iv)シアノ基、(v)ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノもしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルなどで置換されていてもよいシクロアルキル基(好ましくはC3−6)、(vi)ハロゲン化されていてもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数C1−6)、(vii)ハロゲン化されていてもよいアルキルチオ基(好ましくは炭素数C1−6)、(viii)置換されていてもよいアミノ基(モノ置換アミノ基もしくはジ置換アミノ基のいずれでもよく、置換基としてはC1−6アルキルが好ましい。)、(ix)水酸基、(x)カルボキシル基、(xi)スルホ基、(xii)メルカプト基などが挙げられる。
【0017】
なかでも、前記置換基としては、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C1−6アルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基、C2−6アルキニルチオ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6ハロアルケニルオキシ基、C1−6ハロアルキルチオ基、C2−6ハロアルケニルチオ基、水酸基、メルカプト基またはシアノ基から選択される置換基が好ましい。
また、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基およびC2−6アルキニル基の置換基数は置換可能な数の範囲内で、好ましくは1から6である。
【0018】
C1−6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ等が挙げられる。
C1−6ハロアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されているC1−6アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
C3−6シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピロルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ等が挙げられる。
C2−6アルケニルオキシ基としては、例えば、アリルオキシ、1−ブテン−3−イルオキシ、3−ブテン−1−イルオキシ等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニルオキシ基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルオキシ等が挙げられる。
C2−6アルキニルオキシ基としては、例えば、プロパルギルオキシ、2−ブチン−1−イルオキシ、3−ブチン−2−イルオキシ等が挙げられる。
C6−10アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
C7−12アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等が挙げられる。
【0019】
C7−12アラルキルオキシ基の置換基としては、特に限定されず、当技術分野で用いられる公知の置換基が挙げられる。具体的には、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C2−7アルコキシカルボニル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルコキシ基、C3−7アルケニルオキシカルボニルC1−4アルコキシ基またはC3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルコキシ基が好ましい置換基として挙げられる。置換基数は1ないし置換可能な最大数である。
【0020】
C1−6アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、sec−ブチルチオ、n−ペンチルチオ等が挙げられる。
C1−6ハロアルキルチオ基としては、例えば、トリフルオロメチルチオ等が挙げられる。
C3−6シクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ等が挙げられる。
C2−6アルケニルチオ基としては、例えば、アリルチオ、1−ブテン−3−イルチオ、3−ブテン−1−イルチオ等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニルチオ基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルチオ等が挙げられる。
C2−6アルキニルチオ基としては、例えば、プロパルギルチオ、2−ブチン−1−イルチオ、3−ブチン−2−イルチオ等が挙げられる。
C6−10アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
C7−12アラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ、フェネチルチオ等が挙げられる。
【0021】
C1−6アルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、sec−ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、イソへキシルスルホニル等が挙げられる。
C3−6シクロアルキルスルホニル基としては、例えば、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル等が挙げられる。C1−6ハロアルキルスルホニル基としては、例えば、クロロメチルスルホニル、トリフオロメチルスルホニル等が挙げられる。
C2−6アルケニルスルホニル基としては、例えば、アリルスルホニル、メタリルスルホニル等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニルスルホニル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルスルホニル等が挙げられる。
C2−6アルキニルスルホニル基としては、例えば、プロパルギルスルホニル等が挙げられる。
C6−10アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。
C7−12アラルキルスルホニル基としては、例えば、ベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル等が挙げられる。
【0022】
C1−7アルカノイル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル等が挙げられる。
C2−7アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル等が挙げられる。
C2−7ハロアルコキシカルボニル基(例えば、クロロメトキシカルボニル、ブロモメトキシカルボニル、(1−クロロ)エトキシカルボニル等が挙げられる。
C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
C3−7アルケニルオキシカルボニル基としては、例えば、アリルオキシカルボニル、1−ブテン−3−イルオキシカルボニル、3−ブテン−1−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
C7−11アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル、ナフタレンカルボニル等が挙げられる。
C3−7アルキニルオキシカルボニル基としては、例、プロパルギルオキシカルボニル、2−ブチン−1−イルオキシカルボニル、3−ブチン−2−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0023】
C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル等が挙げられる。
C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基としては、例えば、メトキシメチルチオ、エトキシメチルチオ、メトキシエチルチオ等が挙げられる。
C1−6アルコキシ−C1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、n−プロポキシメトキシ、i−プロポキシメトキシ、n−ブトキシメトキシ等が挙げられる。
C2−6アルケニルオキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、アリルオキシメチル、1−ブテン−3−イルオキシメチル、3−ブテン−1−イルオキシメチル等が挙げられる。
C2−6アルキニルオキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、プロパルギルオキシメチル、2−ブチン−1−イルオキシメチル、3−ブチン−1−イルオキシメチル等が挙げられる。
C3−6シクロアルコキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、シクロプロピルオキシメチル、シクロブチルオキシメチル等が挙げられる。
【0024】
C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、sec−ブトキシカルボニルメチル、1−(メトキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、アリルオキシカルボニルメチル、1−ブテン−3−イルオキシカルボニルメチル、3−ブテン−1−イルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、プロパルギルオキシカルボニルメチル、2−ブチン−1−イルオキシカルボニルメチル、3−ブチン−2−イルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
C4−7シクロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、シクロプロピルオキシカルボニルメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル、1−(シクロプロピルオキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
C2−7ハロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、クロロメトキシカルボニルメチル、2−クロロエトキシカルボニルメチル、2−(クロロメトキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
C7−12アラルキルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニルメチル、2−(ベンジルオキシカルボニル)エチル、フェネチルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
【0025】
C2−6アルコキシカルボニル−C1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルメトキシ、エトキシカルボニルメトキシ、n−プロポキシカルボニルメトキシ、イソプロポキシカルボニルメトキシ、n−ブトキシカルボニルメトキシ、イソブトキシカルボニルメトキシ、sec−ブトキシカルボニルメトキシ、tert−ブトキシカルボニルメトキシ、n−ペンチルオキシカルボニルメトキシ、1−(メトキシカルボニル)エトキシ、1−(エトキシカルボニル)エトキシ等が挙げられる。
C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルコキシ基としては、例えば、アリルオキシカルボニルメトキシ、1−ブテン−3−イルオキシカルボニルメトキシ、3−ブテン−1−イルオキシカルボニルメトキシ等が挙げられる。
C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルコキシ基としては、例えば、プロパルギルオキシカルボニルメトキシ、2−ブチン−1−イルオキシカルボニルメトキシ、3−ブチン−2−イルオキシカルボニルメトキシ等が挙げられる。
【0026】
ヒドロキシC1−6アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル、1−(ヒドロキシ)エチル等が挙げられる。
C1−6アルキルチオ−C1−4アルキル基としては、例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチル等が挙げられる。
C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基としては、例えば、メトキシメチルチオ、エトキシメチルチオ、メトキシエチルチオ等が挙げられる。
C1−6アルキルスルホニル−C1−4アルキル基としては、例えば、メチルスルホニルメチル、エチルスルホニルメチル等が挙げられる。
【0027】
置換されていてもよいアミノ基は、モノあるいはジ置換であってよく、置換基としてはC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−7アルカノイル基などが挙げられる。また、前記置換されていてもよいアミノ基は、酸素原子、イオウ原子および窒素原子を1ないし2個含有していてもよい環状アミノ基であってもよい。前記環状アミノ基としては、例えば、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジノ等が挙げられる。
窒素上が置換されていてもよいカルバモイル基は、モノあるいはジ置換であってもよく、置換基としてはC1−4アルキル基などが挙げられる。
【0028】
窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する3〜6員の複素環基としては、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基、2−オキソオキセタニル基、テトラヒドロフリル基、2−オキソテトラヒドロフリル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、テトラヒドロピラニル基、2−オキソテトラヒドロピラニル基、ピリジル基、ピペリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,3,5−トリアジニル基、1,2,4−トリアジニル基などが挙げられる。
1〜2個の窒素原子及び0〜1個の酸素原子を含有する5〜6員の複素環基としては、例えば、1−ピロリジニル基、1−ピロリル基、2−イソオキサゾリジニル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピペリジル基、4−モルホリニル基、ペルヒドロ−1,2−オキサジン−2−イル基、1−ピペラジニル基等などが挙げられる。
【0029】
上記一般式(I)で表わされる化合物には、上記した各記号の中からそれぞれ任意に選択した基を組み合わせた化合物全てが包含される。
一般式(I)において、置換基R1pとしては水素原子が好ましい。
一般式(I)において、置換基R1qとしては、置換基R1a(R1aは、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基またはハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表わす。)が好ましい。
【0030】
一般式(I)において、置換基R2としては、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基が好ましい。
一般式(I)において、置換基Arとしては、下記式(Ar−1);
【化15】
(式中、R3、R4およびR5は上記と同意義。)
で示される置換基が好ましい。特に、置換基Arとしては、下記式(Ar−1a);
【化16】
(式中、R3’、R4’およびR5’は、上記と同意義。)
で示される置換基がより好ましい。
【0031】
上記式(Ar−1a)で示される置換基において、置換基R3’としては、ハロゲン原子がさらに好ましく、フッ素原子がとくに好ましい。置換基R4’としては、ハロゲン原子がさらに好ましく、塩素原子がとくに好ましい。置換基R5’としては、C1−6アルコキシ基がさらに好ましく、メトキシ基またはイソプロポキシ基がとくに好ましい。
【0032】
本発明の化合物は、分子中の置換分中のスルホ基、カルボキシル基等の酸性基が無機塩基、有機塩基等と農業化学的に許容されうる塩基付加塩を形成することができ、また、分子中の塩基性の窒素原子および置換基中のアミノ基等の塩基性基が無機酸、有機酸等と農業化学的に許容されうる酸付加塩を形成することができる。無機塩基塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニアなどとの塩、また、有機塩基塩としては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(以下、DBUと略称する)等との塩などが用いられる。化合物(I)の無機酸付加塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、よう化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸等との塩が、化合物(I)の有機酸付加塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、コハク酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等との塩が用いられる。
【0033】
本発明の化合物またはその塩は、安全性に優れた農薬、例えば、除草剤として使用することができる。特に、除草剤として有用であり、例えば、極めて低薬量で広範囲の雑草、例えば、タイヌビエ、タマガヤツリ、イヌホタルイ、コナギ、ウリカワ、マツバイ、ミズガヤツリ、クログワイ、ヘラオモダカ、オモダカ、タイワンヤマイ、アゼナ、キカシグサ、ヒルムシロ、チョウジタデ、ミゾハコベ等の水田雑草、メヒシバ、エノコログサ、アオビユ、イチビ、アカザ、イヌタデ、スベリヒユ、アメリカキンゴジガ、シロバナチョウセンアサガオ、マルバアサガオ、オナモミ、ヒメイヌビエ、オオクサキビ、セイバンモロコシ、ハマスゲ、カラスムギ、ブラックグラス、ウマノチャヒキ、コハコベ、カラシナ類、エビスグサ、カミツレ、ツユクサ等の畑地雑草に対して優れた殺草力を有するのみならず、稲,小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、綿等の作物に対して薬害はほとんどなく、高い安全性を示す。本発明の化合物またはその塩は、作物と各種雑草との間に優れた選択的除草効果を示し、哺乳動物や魚介類に対して低毒性で、環境を汚染することもなく、水田、畑、果樹園あるいは非農耕地用の除草剤として極めて安全に使用することができる。
【0034】
本発明の化合物またはその塩を農薬、特に、除草剤として使用するにあたっては、一般の農薬のとりうる形態、すなわち、化合物またはその塩の1種または2種以上を使用目的によって適当な液体担体に溶解するか分散させるか、または適当な固体担体と混合するか吸着させ、例えば乳剤、油剤、噴霧剤、水和剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤、粒剤、微粒剤、微粒剤F、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、ジャンボ粒剤、錠剤等の製剤として使用する。これらの製剤は必要に応じて、例えば乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、粘漿剤、安定剤等を添加してもよく、自体公知の方法で調製することができる。
【0035】
使用する液体担体(溶剤)としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エテレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ケロシン、燃料油、機械油等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、酸アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エステル類(例えば、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)などの溶媒が適当であり、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して使用する。固体担体(例えば希釈・増量剤等)としては、植物性粉末(例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉等)、鉱物性粉末(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土、クレイ等のクレイ類、滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ類等)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭等が適当であり、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して使用する。該液体担体または固体担体は、製剤全体に対して通常約1〜99質量%程度、好ましくは約1〜80質量%程度用いることができる。
【0036】
乳化剤、展着剤、浸透剤、分散剤等として使用される界面活性剤としては、必要に応じて石鹸類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(例えば、ノイゲンTM、イー エー142(E A142TM、TMは登録商標であることを示す。以下同様;第一工業製薬(株)製)、ポリオキシエチレンアリールエステル類(例えば、ノナールTM;東邦化学(株)製)、アルキル硫酸塩類(例えば、エマール10TM、エマール40TM;花王(株)製)、アルキルスルホン酸塩類(例えば、ネオゲンTM、ネオゲンTTM;第一工業製薬(株)製、ネオペレックスTM;花王(株)製)、ポリエチレングリコールエーテル類(例えば、ノニポール85TM、ノニポール100TM、ノニポール160TM;三洋化成(株)製)、多価アルコールエステル類(例えば、トゥイーン20TM、トゥイーン80TM;花王(株)製)等の非イオン系およびアニオン系界面活性剤が用いられる。該界面活性剤は、製剤全体に対して、通常約0.1〜約50質量%程度、好ましくは約0.1〜25質量%程度用いることができる。本発明の化合物またはその塩の除草剤中の含有割合は乳剤、水和剤等の場合は約1〜90質量%程度が適当であり、油剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤等としては約0.01〜10質量%程度が適当であり、微粒剤F、粒剤としては約0.05〜10質量%程度が適当であるが、使用目的によっては、これらの濃度を適宜変更してもよい。乳剤、水和剤等は使用に際して、水などで適宜希釈増量(例えば100〜100,000倍)して散布する。
【0037】
化合物(I)またはその塩を除草剤として用いる場合の使用量は、適用場面、適用時期、施用方法、対象雑草、栽培作物等により異なるが一般に有効成分(化合物(I)またはその塩)として水田1アール当たり約0.05gから50g程度、好ましくは約0.1gから5g程度、畑地1アール当たり約0.04gから10g程度、好ましくは約0.08gから5g程度である。化合物(I)またはその塩は、畑地雑草用としては、発芽前土壌処理あるいは茎葉兼土壌処理剤として使用するのが適用である。例えば、本発明の除草剤は2〜3週間後でも実質的に薬害が発現することなく安全に使用できる。
【0038】
本発明の化合物(I)またはその塩を含有する除草剤は、必要に応じて、1種または2種以上(好ましくは1〜3種)の他の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等と同時に施用することができる。また該1種または2種以上(好ましくは1〜3種)の他の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等を配合し、混合使用することもできる。
【0039】
他の除草剤(除草活性成分)としては、例えば、(1)スルホニル尿素系除草剤[クロルスルフロン(chlorsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron−methyl)、クロリムロンエチル(chlorimuron−ethyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、トリベニュロンエチル(tribenuron−methyl)、プロスルフロン(prosulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron−methyl)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron−methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron−methyl)、フルザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron−methy1)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethy1)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、スルホスルフロン(sulfosu1furon)、シノスルフロン(cinosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsu1furon−methy1)、ハロスルフロンメチル(ha1osulfuron−methy1)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、シクロスルファムロン(cyc1osulfamuron)等]、
【0040】
(2)ピラゾール系除草剤[ピラフルフェンエチル(pyraflufen−ethyl)、ピラゾレート(pyrazo1ate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)等]、(3)カーバメート系除草剤[ジアレート(di−allate)、ブチレート(butylate)、トリアレート(tri−allate)、フェンメディファム(phenmedipham)、クロロプロファム(chlorpropham)、アシュラム(asulam)、フェニソファム(phenisopham)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、エスプロカルブ(esprocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ジメピペレート(dimepiperate)、スエップ(swep)等]、(4)クロロアセトアニリド系除草剤[プロパクロール(propachlor)、メタザクロール(metazachlor)、アラクロール(alachlor)、アセトクロール(acetochlor)、メトラクロール(metolachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(theny1ch1or)、ジメテナミド(dimethenamid)等]、(5)ジフェニルエーテル系除草剤[アシフルオルフェン(acifluorfen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、フォメサフェン(fomesafen)、アクロニフェン(aclonifen)、クロメトキシニル(chlomethoxyni1)、ビフェノックス(bifenox)、CNP等]、
【0041】
(6)トリアジン系除草剤[シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、プロパジン(propazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametoryn)、シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトリン(prometryn)等]、(7)フェノキシ酸または安息香酸系除草剤[2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、クロピラリド(clopyralid)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ベナゾリン(benazolin)、ジクロホップメチル(diclofop−methyl)、フルアジホップブチル(fluazifop−butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop−methyl)、キザロホップエチル(quizalofop−ethyl)、シハロホップブチル(cyhalohop−butyl)、2,4−PA、MCP、MCPB、フェノチオール(phenothio1)等]、(8)酸アミド系または尿素系除草剤[イソキサベン(isoxaben)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジウロン(diuron)、リニュロン(linuron)、フルオメツロン(fluometuron)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、メチルダイムロン(methyl−daimuron)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、テブチウロン(tebuthiuron)、メタベンゾチアズウロン(methabenzthiazuron)、プロパニル(propanil)、メフェナセット(mefenacet)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、ブロモブチド(bromobutide)、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumy1uron)、エトベンザニド(etobenzanid)等]、
【0042】
(9)有機リン系除草剤[グリホサート(glyphosate)、ビアラホス(bialaphos)、アミプロホスメチル(amiprofos−methyl)、ベンスリド(bensu1ide)、ピペロホス(piperophos)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)等]、(10)ジニトロアニリン系除草剤[ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)、ジノセブ(dinoseb)、トリフルラリン(trifluralin)、プロジアミン(prodiamine)、ペンディメタリン(pendimethalin)等]、(11)シクロヘキサンジオン系除草剤[アロキシジム(alloxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、クロプロキシジム(cloproxydim)、クレソジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)等]、(12)イミダゾリン系除草剤[イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピル(imazapyr)、イマザメタピル(imazamethapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザモックス(imazamox)、イマザキン(imazaquin)等]、(13)ビピリジウム系除草剤[パラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)等]、
【0043】
(14)その他の系統の除草剤[ベンタゾン(bentazon)、トリジファン(tridiphane)、インダノファン(indanofan)、アミトロール(amitrole)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazon−ethyl)、スルフェントラゾン(surfentrazon)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole−ethyl)、フェントラザミド(fentrazamide)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、クロマゾン(clomazone)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、ピリデート(pyridate)、クロリダゾン(chloridazon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ブロマシル(bromacil)、ターバシル(terbacil)、メトリブジン(metribuzin)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、シンメチリン(cinmethylin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac−pentyl)、シニドンエチル(cinidon−ethyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルチアセットメチル(fluthiacet−methyl)、アザフェニジン(azafenidin)、べンフレセート(benfuresate)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargy1)、ペントキサゾン(pentoxazone)、カフェンストロール(cafenstrole)、ピリミノバックメチル(pyriminobac−methy1)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac−sodium)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、インダノファン (indanofan)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ジチオピル(dithiopyr)、ダラポン(da1apon)、クロルチアミド(chlorthiamid)等)等が挙げられる。
【0044】
植物生長調節剤(植物生長調節活性成分)としては、例えば、ヒメキサゾール(hymexazo1)、パクロブトラゾール(pac1obutrazo1)、ウニコナゾール−P(uniconazole−P)、イナベンフィド(inabenfide)、プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione−ca1cium)等が挙げられる。
【0045】
殺菌剤(殺菌活性成分)としては、例えば、(1)ポリハロアルキルチオ系殺菌剤[キャプタン(captan)等]、(2)有機リン系殺菌剤[IBP、EDDP、トルクロフォスメチル(tolc1ofos−methy1)等]、(3)ベンズイミダゾール系殺菌剤[べノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、チオファネートメチル(thiophanate−methy1)等]、(4)カルボキシアミド系殺菌剤[メプロニル(meproni1)、フルトラニル(f1uto1anil)、チフルザミド(thifluzamid)、フラメトピル(furametpyr)、テクロフタラム(tec1oftha1am)、ペンシクロン(Pencycuron)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(dic1ocymet)等]、(5)アシルアラニン系殺菌剤[メタラキシル(metalaxy1)等]、(6)アゾール系殺菌剤[トリフルミゾール(triflumizo1e)、イプコナゾール(ipconazo1e)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プログロラズ(proch1oraz)等]、(7)メトキシアクリル酸系殺菌剤[アゾキシストロビン(azoxystrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)等]、(8)抗生物質系殺菌剤[バリダマイシンA(validamycin A)、ブラストサイジンS(blasticidin S)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(po1yoxin)等]、(9)その他の殺菌剤[フサライド(fthalide)、プロベナゾール(probenazo1e)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroqui1n)、フェリムゾン(ferimzone)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar S−methy1)、ジクロメジン(dic1omezine)、オキソリニック酸(oxo1inic acid)、フェナジンオキシド(phenazine oxide)、TPN、イプロジオン(iprodione)等]等があげられる。
【0046】
殺虫剤(殺虫活性成分)としては、例えば、(1)有機リン系殺虫剤[フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methy1)、ダイアジノン(diazinon)、キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathion)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、バミドチオン(vamidothion)、マラチオン(malathion)、フェントエート(phenthoate)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、モノクロトホス(monocrotophos)、テトラクロルビンホス(tetrach1orvinphos)、クロルフェンビンホス(ch1orfenvinphos)、プロパホス(propaphos)、アセフェート(acephate)、トリクロルホン(trichlorphon)、EPN、ピラクロホス(pyraclofos)等]、(2)カルバメート系殺虫剤[カルバリル(carbary1)、メトルカルブ(metolcarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、BPMC、プロポキスル(propoxur)、XMC、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)等]、(3)合成ピレスロイド系殺虫剤[シクロプロトリン(cycloprothrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)等]、(4)ネライストキシン系殺虫剤[カルタップ(cartap)、ベンスルタップ(bensu1tap)、チオシクラム(thiocyclam)等]、
【0047】
(5)ネオニコチノイド系殺虫剤[イミダクロプリド(imidac1oprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、3−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−1,3−チアゾリジン−2−イリデンシアナミド(3−(6−chloro−3−pyridylmethyl)−1,3−thiazo1idin−2−y1idenecyanamide)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等]、(6)その他の殺虫剤[ブプロフェジン(buprofezin)、テブフェノジド(tebufenozide)、フィプロニル(fiproni1)等]等があげられる。殺ダニ剤(殺ダニ活性成分)としては、例えば、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、エトキサゾール(etoxazole)、ピリミジフェン(pyrimidifen)等が挙げられる。
【0048】
殺線虫剤(殺線虫活性成分)としては、例えば、フォスチアゼート(fosthiazate)等が挙げられる。このような他の農薬活性成分(例えば、除草活性成分、植物生長調節活性成分、殺菌活性成分、殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、殺線虫活性成分など)は製剤全体に対して通常約0.1〜20質量%程度、好ましくは約0.1〜10質量%程度用いることができる。
【0049】
本発明の化合物(I)またはその塩を含有する除草剤には、更に共力剤(例えば、ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)等)、誘引剤(例えば、オイゲノール(eugenol)等)、忌避剤(例えば、クレオソート(creosote)等)、色素(例えば、食用青色1号等)、肥料(例えば、尿素等)等を適宜混合してもよい。
【0050】
本発明化合物(I)またはその塩は新規化合物であるが、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従い製造することができる。本発明化合物(I)またはその塩は以下に示す製造方法1から製造方法5より製造することができるが、必ずしもこれら製造方法に限定されるものではない。
【0051】
製造方法1
【化17】
(式中、R1p、R1q、R2およびArは上記と同意義。Xはハロゲン原子を表わす。)
【0052】
アリールボロン酸(III)は、公知の方法(例えば、Org. Synth., 39, 3 (1959), J. Org. Chem., 56(12), 3763 (1991) 等)あるいはそれに準ずる方法により製造できる。本反応において、化合物(III)は化合物(II)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約0.9から1.5倍モル用いる。本反応は反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のリン酸アミド類、スルホラン等のスルホン類または水等が使用される。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して使用してもよい。
【0053】
本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DBO)等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化金属等が用いられ、塩基の量は化合物(II)に対して、約0.7から10.0当量、好ましくは約0.9から4.0当量である。
【0054】
本反応は触媒の存在下に行ってよい。触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(1,4−ジフェニルホスフィノ)ブタンパラジウム、ジクロロビス(1,3−ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケルが用いられ、触媒の量は化合物(II)に対して、約0.01から0.3当量、好ましくは約0.02から0.1当量である。
反応温度は用いる溶媒、塩基等により異なるが一般に約20℃から180℃、好ましくは約50℃から110℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から20時間、好ましくは約1時間から8時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0055】
製造方法2
【化18】
(式中、R1p、R1q、R3、R4およびX1は上記と同意義。Phはフェニル基を、Meはメチル基を表わす。)
【0056】
化合物(Ib)は、製造方法1に従って製造できる。本反応は、公知の方法(例えば、J. Org. Chem., 53(5), 1003 (1988) 等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、化合物(IV)は化合物(Ib)に対して通常約0.8から3倍モル、好ましくは約1.1から1.5倍モル用いる。本反応は反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類等が使用される。
【0057】
本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化金属;n−ブチルリチウム;カリウムt−ブトキシド;ナトリウムメトキシド;ナトリウムアミド等が用いられ、塩基の量は化合物(Ib)に対して、約0.8から3.0当量、好ましくは約1.1から1.5当量である。
反応温度は用いる溶媒、塩基等により異なるが一般に約−70℃から100℃、好ましくは約−30℃から60℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約10分から5時間、好ましくは約30分から2時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0058】
製造方法3
【化19】
(式中、R1p、R1q、R3、R4、XおよびX1は上記と同意義。n−Buはn−ブチル基を表わす。)
【0059】
化合物(Id)は、製造方法1に従って製造できる。本反応は、公知の方法(例えば、J. Am. Chem. Soc., 109, 5478 (1987), Chem. Pham. Bull., 37(10), 2814 (1989) 等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、化合物(V)は化合物(Id)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約1.5から5.0倍モル用いる。本反応は反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類等が使用される。反応温度は用いる溶媒、塩基等により異なるが一般に約10℃から150℃、好ましくは約30℃から110℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から50時間、好ましくは1時間から5時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0060】
製造方法4
【化20】
(式中、R1p、R1qおよびXは上記と同意義。TMSはトリメチルシリル基を、Baseは塩基を表わす。)
【0061】
本反応は、公知の方法(例えば、Chem. Pham. Bull., 34(7), 2719 (1986) 等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、化合物(VII)は化合物(VI)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約1.5から5.0倍モル用いる。本反応は、反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類等が使用され、あるいは溶媒を使用しなくてもよい。また、場合により封管反応を行ってもよい。本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジエチルアミン等の有機塩基で、塩基の量は大過剰用いられる。本反応は、好ましくはヨウ化第一銅の存在下、触媒量(0.01モル%から5モル%)のパラジウム、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを用いて行われ、反応温度は一般に約10℃から150℃、好ましくは約30℃から110℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から50時間、好ましくは1時間から15時間で完結する。
【0062】
化合物(IX)の製造は、化合物(VIII)を塩基の存在下で脱トリメチルシリル化することにより行われる。溶媒は、反応に影響を与えないものが用いられ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のリン酸アミド類、スルホラン等のスルホン類等が使用される。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して使用してもよい。
【0063】
本反応は塩基の存在下に行うことが好ましい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;フッ化カリウム等が用いられ、場合により18−クラウン−6の存在下で反応を行ってもよい。塩基の量は化合物(VIII)に対して、約0.8から10.0当量、好ましくは約1.0から2.5当量である。反応温度は用いる溶媒、塩基により異なるが一般に約10℃から110℃、好ましくは約20℃から50℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から10時間、好ましくは1時間から5時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0064】
製造方法5
【化21】
(式中、R1p、R1q、R3、R4、X1、Ph、Baseおよびn−Buは上記と同意義。)
【0065】
化合物(Ib)は、製造方法1に従って製造できる。本反応は、公知の方法(例えば、Tetrahedron Letter, 36, 3769 (1972)等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、トリフェニルホスフィンと四臭化炭素から調整した Wittig試薬を化合物(Ib)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約0.9から1.5倍モル用いる。本反応においては、亜鉛粉末を化合物(Ib)に対して通常約1.5から10.0倍モル、好ましくは約2.5から5.0倍モル用いる。本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等の有機塩基の存在下で反応させる。塩基の量は化合物(Ib)に対して、約0.8から5.0当量、好ましくは約1.0から3.0当量である。溶媒は反応に影響を与えないものを用い、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等が使用される。反応温度は一般に約10℃から110℃、好ましくは約10℃から60℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、約10分から10時間、好ましくは約30分から5時間で反応は完結する。
【0066】
化合物(XI)の製造は、反応に影響を与えない溶媒中で行い、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等が使用される。本反応は塩基の存在下に行うことが好ましい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DBO)等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化金属等が用いられる。塩基の量は化合物(X)に対して、約0.8から4.0当量、好ましくは約1.0から2.0当量である。反応温度は一般に約−10℃から110℃、好ましくは約10℃から80℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、約10分から24時間、好ましくは約1時間から10時間で反応は完結する。
【0067】
化合物(XII)の製造は、反応に影響を与えない溶媒中で行い、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等が使用される。本反応で使用する脱ハロゲン化剤としてn−ブチルリチウムを、化合物(XI)に対して約0.8から4.0当量、好ましくは約1.0から2.0当量用いる。反応温度は一般に約−100℃から20℃、好ましくは約80℃から0℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約10分から5時間、好ましくは約30分から2時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0068】
【実施例】
次に参考例および実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定解釈されるべきものではない。
参考例および実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出溶媒は、TLC(Thin Layer Chromatograph 薄層クロマトグラフィー)観察で使用した溶媒と同様の溶媒を用いた。TLC観察は、メルク(Merck)社製のシリカゲル60F254、TLCプレートを、検出法としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルはメルク社製のシリカゲル60(0.063〜0.200mm)を用いた。溶出溶媒として混合溶媒を用いる場合は、括弧内に各溶媒の容量混合比を示した。NMRスペクトラムは1Hあるいは19F−NMRを示し、内部基準としてテトラメチルシランおよびフルオロトリクロロメタンを用いて、ブルカーAV400(400MHz)型スペクトロメーターで測定し、全δ値を ppm で示した。IRスペクトラムはパーキンエルマーパラゴン100型FT−IRスペクトルメーターで測定し、吸収帯位置を波数(cm−1)で示した。なお、下記参考例、実施例および表で用いる略語は、次のような意義を有する。Me:メチル基、Et:エチル基、n−Pr:ノルマルプロピル基、i−Pr:イソプロピル基、tert−Bu:ターシャリーブチル基、Ph:フェニル基、s:シングレット、br:ブロード(幅広い)、d:ダブレット、t:トリプレット、q:クワルテット、m:マルチプレット、dd:ダブルダブテット、septet:セプテット、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、CDCl3:重クロロホルム、DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド、%:質量%、m.p.:融点、dec.:分解、また室温とあるのは約15〜25℃を意味する。
【0069】
実施例1
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−1)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.2g(1.16mmol)、炭酸水素ナトリウム0.3g(3.57mmol)、 ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.03g(0.04mmol)を1,2−ジメトキシエタン(10ml)と水(2ml)の混合液に加え、70℃で加温した。そして、混合液に4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.26g(1.27mmol)を少量ずつ加え同温度で2時間攪拌した。冷却後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.21g)を得た。
m.p.:161−163℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.94(3H, s), 4.18(3H, s), 7.12(1H, d, J=6.1Hz), 7.20(1H,d, J=9.2Hz), 8.84(1H, s), 10.35(1H, s)
IR(Nujol) : 1696 cm−1
【0070】
(2)メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド0.82g(2.3mmol)をTHF(10ml)に加え、これに水素化ナトリウム(60% in oil)0.80g(2.0mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。そして、実施例1の(1)で調整したホルミル体0.25g(0.8mmol)を加え室温で3時間攪拌した。反応液を希塩酸で希釈し、酢酸エチルで2回抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン (0.14g)を得た。
m.p.:139−141℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.91(3H, s), 4.11(3H, s), 5.44(1H, d, J=11.8Hz), 5.88(1H, d, J=17.7Hz), 6.35−6.45(1H, m), 6.99(1H, d, J=6.1Hz), 7.20(1H, d, J=16.0Hz), 8.71(1H, s)
IR(Nujol) : 1609, 1540, 1463, 1366, 1062 cm−1
【0071】
実施例2
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−2)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.23g(1.33mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニルボロン酸0.34g(1.46mmol)、炭酸水素ナトリウム0.37g(4.4mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.06g(0.09mmol)を1,2−ジメトキシエタン(6ml)と水(1ml)に加え、70℃で30分攪拌した。冷却後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.25g)の結晶を得た。
m.p.:139−141℃
1H−NMR(CDCl3) δ1.39(6H, d, J=6.1Hz), 4.17(3H, s), 4.50−4.60(1H, m), 7.13(1H, d, J=6.3Hz), 7.18(1H, d, J=9.3Hz), 8.93(1H, s), 10.23(1H, s)
【0072】
(2)メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド0.83g(2.32mmol)をTHF(10ml)に加え、これに水素化ナトリウム(60% in oil)0.13g(3.25mmol)を添加し、室温で30分攪拌した。そして、実施例2の(1)で調整したホルミル体0.25g(0.77mmol)を加え室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮後、残留物に酢酸エチルを加え、水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン (0.2g)を得た。
m.p.:60−61℃
1H−NMR(CDCl3) δ1.37(6H, d, J=6.1Hz), 4.11(3H, s), 4.45−4.55(1H, m), 5.44(1H, d, J=11.9Hz), 5.87(1H, d, J=17.1Hz), 6.35−6.50(1H, m), 7.00(1H, d,J=6.3Hz), 7.19(1H, d, J=9.3Hz), 8.70(1H, s)
IR(Nujol) : 1536, 1359, 1304, 1190 cm−1
【0073】
実施例3
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−3)
(1)4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルピリミジン6.0g(36.6mmol)と酢酸ナトリウム16g(195mmol)を酢酸(50ml)に加え、そして、室温で臭素7.0g(43.8mmol)を滴下し同温度で48時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取、乾燥して、5−ブロモ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルピリミジン(6.0g)を得た。
m.p.:〜210℃
1H−NMR(CDCl3) δ8.39(1H, s), 13.62(1H, s)
【0074】
(2)実施例3の(1)で調整した化合物2.1g(8.6mmol)に塩化チオニル2.1g(17.6mmol)を滴下、そして、DMF(2滴)を加え70℃で2時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶かし水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン) により単離精製を行い、5−ブロモ−4−クロロ−6−トリフルオロメチルピリミジン(1.7g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ9.02(1H, s)
19H−NMR(CDCl3) δ−68.2
IR(liquid) : 1539, 1520, 1155, 784, 703 cm−1
【0075】
(3)実施例3の(2)で調整した化合物1.7g(6.5mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸1.6g(7.8mmol)、炭酸水素ナトリウム2.0g(23.8mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.3g(0.4mmol)を1,2−ジメトキシエタン(30ml)と水(4ml)に加え、2時間加熱還流させた。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、5−ブロモ−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチルピリミジン(0.75g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 6.96(1H, d, J=5.9Hz), 7.29(1H, d, J=8.8Hz),9.29(1H, s)
【0076】
(4)実施例3の(3)で調整した5−ブロモピリミジン0.13g(0.34mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム15mg(0.01mmol)をキシレン(5ml)に溶解し、これに、トリブチルビニルスズ0.21g(0.66mmol)を添加し、100℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(0.04g)を得た。
m.p.:85−86℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.94(1H, s), 5.15(1H, d, J=17.8Hz), 5.46(1H, d, J=11.6Hz), 6.70−7.90(1H, m), 7.08(1H, d, J=6.0Hz), 7.19(1H, d, J=8.9Hz), 9.29(1H, s)
IR(Nujol) : 1610, 1550, 1422, 1316 cm−1
【0077】
実施例4
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−4)
(1)4−ヒドロキシ−6−ジフルオロメチルピリミジン3.0g(20.5mmol)と酢酸ナトリウム8.2g(100mmol)を酢酸(30ml)に加え、そして、室温で臭素3.6g(20mmol)を滴下し同温度で72時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取、乾燥して5−ブロモ−4−ヒドロキシ−6−ジフルオロメチルピリミジン(3.4g)を得た。
m.p.:219−222℃
1H−NMR(CDCl3) δ7.02(1H, t, J=53.0Hz), 8.33(1H, s), 13.40(1H, s)
【0078】
(2)実施例4の(1)で調整した化合物3.0g(13.3mmol)をトルエン(10ml)に加え、これに、オキシ塩化リン(5ml)とDMF(2滴)を加え2時間加熱還流させた。冷却後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶かし水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1) により単離精製を行い、5−ブロモ−4−クロロ−6−ジフルオロメチルピリミジン(2.6g)を得た。
m.p.:57−59℃
1H−NMR(CDCl3) δ6.84(1H, t, J=53.2Hz), 9.00(1H, s)
【0079】
(3)実施例4の(2)で調整した化合物2.6g(10.7mmol)をよう化水素酸(57%)15mlに加え、室温で18時間撹拌した。冷却後、反応液に少量の亜硫酸水素ナトリウムを加え脱色させ酢酸エチルで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を留去して、5−ブロモ−4−ヨード−6−ジフルオロメチルピリミジン(2.8g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ6.78(1H, t, J=53.3Hz), 8.87(1H, s)
【0080】
(4)実施例4の(3)で調整した化合物1.0g(3.0mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.7g(3.4mmol)、炭酸水素ナトリウム0.8g(9.5mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.1g(0.14mmol)を1,2−ジメトキシエタン(10ml)と水(1ml)に加え、4時間加熱還流させた。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)により単離精製を行い、5−ブロモ−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチルピリミジン(0.57g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 6.94(1H, t, J=53.4Hz), 6.97(1H, d, J=6.0Hz), 7.29(1H, d, J=8.9Hz), 9.29(1H, s)
【0081】
(5)実施例4の(4)で調整した5−ブロモピリミジン0.25g(0.68mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム30mg(0.03mmol)をキシレン(10ml)に溶解し、これに、トリブチルビニルスズ0.33g(1.04mmol)を添加し、110℃で5時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(0.11g)を得た。
m.p.:112−113℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(1H, s), 5.31(1H, d, J=17.9Hz), 5.56(1H, d, J=11.4Hz), 6.76(1H, t, J=53.7Hz), 6.70−6.85(1H, m), 7.04(1H, d, J=6.0Hz), 7.21(1H, d, J=8.9Hz), 9.28(1H, s)
IR(Nujol) : 1621, 1520, 1404, 1143 cm−1
【0082】
実施例5
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(D−1)
(1)4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン2.2g(20mmol)、ヨウ素5.2g(20mmol)と水酸化ナトリウム0.8g(20mmol)を水(60ml)に溶解し、90℃で3.5時間撹拌した。冷却後、亜硫酸ナトリウムでヨウ素を分解し、析出晶をろ取、水洗、乾燥して、4−ヒドロキシ−6−メチル−5−ヨードピリミジン(3.5g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ2.45(3H, s), 8.04(1H, s), 12.75(1H, br s)
【0083】
(2)実施例5の(1)で調整した化合物3.5g(14.8mmol)をトルエン(20ml)に加え、そして、オキシ塩化リン(20ml)を加え1時間加熱還流させた。冷却後、反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により単離精製を行い、4−クロロ−6−メチル−5−ヨードピリミジン (1.6g)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ2.80(3H, s), 8.71(1H, s)
【0084】
(3)実施例5の(2)で調整した5−ヨードピリミジン1.0g(3.9mmol)、トリメチルシリルアセチレン0.46g(4.7mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.07g(0.1mmol)およびよう化第一銅0.03g(0.16mmol)をトリエチルアミン(5ml)に加え、封管中、80℃で12時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮し、残留物に酢酸エチルを加え希塩酸で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、4−クロロ−6−メチル−5−トリメチルシリルエチニルピリミジン (0.6g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ0.30(9H, s), 2.68(3H, s), 8.74(1H, s)
【0085】
(4)実施例5の(3)で調整した5−トリメチルシリルエチニルピリミジン0.5g(2.2mmol)、フッ化カリウム0.3g(5.2mmol)および18−クラウン−6 0.05g(0.2mmol)をDME(10ml)に溶解し、45℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮し、残留物に酢酸エチルを加え、水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)により単離精製を行い、4−クロロ−6−メチル−5−エチニルピリミジン (0.25g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ2.70(3H, s), 3.82(1H, s), 8.74(1H, s)
【0086】
(5)実施例5の(4)で調整した化合物0.25g(1.64mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニルボロン酸0.43g(1.84mmol)、炭酸水素ナトリウム0.42g(5.0mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.055g(0.08mmol)を1,2−ジメトキシエタン(8ml)と水(1ml)に加え、80℃で3時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(0.14g)の結晶を得た。
m.p.: 62−64℃
1H−NMR(CDCl3) δ1.38(6H, d, J=6.1Hz), 2.76(3H, s), 3.54(1H, s), 4.45−4.60(1H, m), 7.12(1H, d, J=6.5Hz), 7.25(1H, d, J=9.1Hz), 9.09(1H, s)
IR(Nujol) : 3265 cm−1
【0087】
実施例6
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(D−2)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.6g(3.5mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.72g(3.5mmol)、炭酸水素ナトリウム0.9g(10.7mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.15g(0.2mmol)を1,2−ジメトキシエタン(15ml)と水(3ml)に加え、1時間加熱還流させた。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、1,2−ジメトキシエタンを留去し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.5g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3,94(3H, s), 4.18(3H, s), 7.12(1H. d. J=6.1Hz), 7.20(1H,d, J=9.2Hz), 8.94(1H, s), 10.30(1H. s)
IR(Nujol) : 1696 cm−1
【0088】
(2)亜鉛粉末0.36g(5.5mmol)、トリフェニルホスフィン1.5g(5.7mmol)と四臭化炭素1.8g(5.4mmol)をジクロロメタン(30ml)に加え、室温で12時間撹拌した。そして、実施例6の(1)で調整した化合物0.55g(1.9mmol)とピリジン0.44g(5.6mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。希塩酸で中和し、有機層を分離、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、5−(2,2−ジブロモビニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.72g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 4.08(3H, s), 7.10(1H, d, J=6.0Hz), 7.22(1H,d, J=9.3Hz), 7.27(1H, s), 8.84(1H, s)
【0089】
(3)実施例6の(2)で調整した化合物0.72g(1.6mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、DBU 0.27g(1.8mmol)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、5−ブロモエチニル−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.44g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 4.12(3H, s), 7.12(1H, d, J=6.2Hz), 7.26(1H,d, J=8.5Hz), 8.78(1H, s)
【0090】
(4)実施例6の(3)で調整した化合物0.45g(1.2mmol)をTHF(25ml)に溶解し、−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液、0.85ml,1.3mmol)を滴下し、同温度で1時間撹拌した。そして、希塩酸で中和し、室温に戻し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物にヘキサンを加え析出晶をろ取、乾燥して、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(0.32g)を得た。
m.p.:151−153℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.46(1H, s), 3.92(3H, s), 4.14(3H. s), 7.11(1H, d, J=6.0Hz), 7.25(1H, d, J=8.8Hz), 8.80(1H, s)
IR(Nujol) : 3258 cm−1
【0091】
実施例7
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(D−3)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.6g(3.5mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニルボロン酸0.82g(3.5mmol)、炭酸水素ナトリウム0.9g(10.7mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.15g(0.2mmol)を1,2−ジメトキシエタン(15ml)と水(3ml)に加え、60℃で1.5時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、1,2−ジメトキシエタンを留去し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.85g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.38(6H, d, J=6.1Hz), 4.17(3H, s), 4.55(1H, m), 7.13(1H,d, J=6.3Hz), 7.18(1H, d, J=9.3Hz), 8.93(1H, s), 10.23(1H, s)
【0092】
(2)亜鉛粉末0.34g(5.2mmol)、トリフェニルホスフィン1.4g(5.2mmol)と四臭化炭素1.7g(5.2mmol)をジクロロメタン(30ml)に加え、室温で12時間撹拌した。そして、実施例7の(1)で調整した化合物0.85g(2.6mmol)とピリジン0.21g(2.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。希塩酸で中和し、有機層を分離、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、5−(2,2−ジブロモビニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.8g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.39(6H, d, J=5.9Hz), 4.08(3H, s), 4.55(1H, m), 7.11(1H,d, J=6.5Hz), 7.21(1H, d, J=9.4Hz), 7.28(1H, s), 8.83(1H, s)
【0093】
(3)実施例7の(2)で調整した化合物0.8g(1.7mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、DBU 0.38g(2.5mmol)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物を酢酸エチルに溶かし、水洗、乾燥して、5−ブロモエチニル−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.55g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.39(6H, d, J=5.9Hz), 4.11(3H, s), 4.53(1H, m), 7.14(1H,d, J=6.4Hz), 7.25(1H, d, J=8.5Hz), 8.77(1H, s)
【0094】
(4)実施例7の(3)で調整した化合物0.55g(1.4mmol)をTHF(10ml)に溶解し、−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液、1.0ml, 1.6mmol)を滴下し、同温度で30分撹拌した。そして、希塩酸で中和し、室温に戻し、THFを留去、酢酸エチルで抽出、乾燥後、シリカゲル層にてろ過して、溶媒を留去して、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(0.3g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.38(6H, d, J=6.1Hz), 3.46(1H, s), 4.13(3H, s), 4.52(1H,m), 7.13(1H, d, J=6.3Hz), 7.23(1H, d, J=9.2Hz), 8.80(1H, s)
【0095】
実施例8
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(D−4)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.8g(4.6mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸0.87g(5.5mmol)、炭酸水素ナトリウム1.2g(14.3mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.19g(0.3mmol)を1,2−ジメトキシエタン(20ml)と水(4ml)に加え、1時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、1,2−ジメトキシエタンを留去し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン(0.80g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ4.18(3H, s), 6.70−6.80(1H, m), 6.95−7.10(1H, m), 7.50−7.70(1H, s), 8.93(1H, s), 10.26(1H, s)
【0096】
(2)亜鉛粉末0.52g(8.0mmol)、トリフェニルホスフィン2.1g(8.0mmol)と四臭化炭素2.6g(8.0mmol)をジクロロメタン(40ml)に加え、室温で6時間撹拌した。そして、実施例8の(1)で調整した化合物0.5g(2mmol)とピリジン0.31g(3.9mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により単離精製を行い、5−(2,2−ジブロモビニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.5g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ4.08(3H, s), 6.80−6.90(1H, m), 7.00−7.10(1H, m), 7.27(1H, d, J=2.6Hz), 7.50−7.60(1H, m), 8.83(1H, s)
【0097】
(3)実施例8の(2)で調整した化合物0.3g(0.74mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、DBU 0.15g(1.0mmol)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取し、ヘキサンで洗浄して、5−ブロモエチニル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.16g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ4.11(3H, s), 6.90−7.05(2H,m), 7.50−7.60(1H,m), 8.77(1H, s)
【0098】
(4)実施例8の(3)で調整した化合物0.16g(0.5mmol)をTHF(10ml)に溶解し、−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液、0.5ml, 0.8mmol)を滴下し、同温度で1時間撹拌した。そして、希塩酸で中和し、室温に戻し、THFを留去、析出晶をろ取、乾燥して、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(0.08g)の結晶を得た。
m.p.:108−110℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.44(1H, s), 4.14(3H, s), 6.90−7.10(2H,m), 7.50−7.60(1H,m), 8.79(1H, s)
【0099】
実施例9
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(D−5)
実施例5の(4)で調整した化合物0.14g(0.92mmol)、炭酸水素ナトリウム0.24g(2.86mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.03g(0.04mmol)を1,2−ジメトキシエタン(5ml)と水(1ml)に加え、80℃で4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.22g(1.08mmol)を加え同温度で4時間、さらに、40℃で12時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(0.8g)を得た。
m.p.:143−145℃
1H−NMR(CDCl3) δ2.76(3H, s), 3.54(1H, s), 3.93(3H, s), 7.10(1H, d, J=6.1Hz), 7.25(1H, d, J=8.9Hz), 9.09(1H, s)
IR(Nujol) : 3265 cm−1
【0100】
下記表に実施例1から実施例9で得られた化合物を示す。
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
製剤例1 水和剤
化合物番号D−2 10質量%
トゥイーンZO登録商標 20質量%
ホワイトカーボン 40質量%
クレイ 30質量%
を混合粉砕してなる水和剤(水に適宜希釈して使用)
【0103】
製剤例2 水和剤
化合物番号D−3 80質量%
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2質量%
ナフタレンスルホン酸ソーダ 3質量%
クレイ 15質量%
を混合粉砕してなる水和剤(水に適宜希釈して使用)
【0104】
製剤例3 水和剤
化合物番号D−5 5質量%
ポリオキシエチレングリコールノニル
フェニルエーテル
(ノニポール85登録商標) 3質量%
リグニンスルホン酸ソーダ 5質量%
クレイ 87質量%
を混合粉砕してなる水和剤(水に適宜希釈して使用)
【0105】
製剤例4 乳剤
化合物番号D−2 2質量%
キシレン 75質量%
ジメチルホルムアミド 18質量%
ポリオキシエチレングリコールノニル
フェニルエーテル
(ノニポール85登録商標) 5質量%
を混合粉砕してなる乳剤(水に適宜希釈して使用)
【0106】
製剤例5 フロアブル
化合物番号D−3 2質量%
ポリオキシエチレンアリルフェニル
エーテルホルムアミド縮合物
(ニュウカルゴンE−300登録商標) 3質量%
ポリオキシエチレンフェニルフェノール
エーテル硫酸塩
(アグリゾールFL−2017登録商標) 2質量%
ポリオール系特殊高分子(アグリゾール
FL−104FA登録商標) 15質量%
ホワイトカーボン 2質量%
エチレングリコール 10質量%
水 66質量%
を混合し、湿式粉砕して懸濁状としたフロアブル。(水に適宜希釈して使用)
【0107】
試験例1 畑地除草効果試験(出芽後処理)
供試植物の栽培方法
直径10cmのジフィーポットに畑地土壌を 300g つめた後、蒸気滅菌する。このポットにイチビ、アオゲイトウ、トウモロコシ、ダイズの種子を土壌表面にまき、雑草は0.5cm、作物は1cmの覆土後栽培し、所定の発育ステージに達したときに供試した。
検液の調整および処理方法
検体の所定量を Tween20 を含むアセトンに溶解し、純水で希釈し、10g/a と1g/a 用の検液をそれぞれ調整した。この検液をスプレーガンを用いて散布装置内のポットに散布した。
効果、薬害の表示方法
最終調査は、処理2週間後に行い各雑草、植物に対する効果、薬害を0〜5の6段階で評価した。試験結果は下記表に示した。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
【表5】
【0111】
【発明の効果】
本発明の化合物またはその塩は、低薬量で広範囲の雑草、例えば、水田雑草、畑地雑草等に対して優れた除草作用を有する。しかも、栽培植物、例えば、稲、小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、綿等に対して薬害が少なく、優れた選択的除草効果を示す。また、選択的除草効果は長時間持続する。哺乳動物や魚介類に対して低毒性で、環境を汚染することなく、水田、畑、果樹園あるいは非農耕地用等の除草剤として極めて安全に使用することができる。さらに、本発明の化合物またはその塩は、除草剤として製剤化しやすい。
【発明の属する技術分野】
本発明はピリミジン誘導体およびそれを含有する除草剤に関する。本発明のピリミジン誘導体は水田雑草、畑地雑草に対して優れた除草作用を有し、しかも、稲、小麦、大麦、トウモロコシ、綿、大豆等の有用植物の栽培作物に対して薬害はないかまたは軽微であって、水田や畑地用の優れた選択的除草剤として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピリミジン系誘導体はいくつか報告されている。しかし、従来のピリミジン系除草剤は、雑草に対する殺草効果、作物に対する薬害、哺乳動物や魚介類に対する毒性、環境汚染の面等でまだ十分とは言えず、これらの点につき、さらに改良された選択的除草剤の開発が切望されている。
【0003】
【特許技術文献1】
特開2001−106675号公報(請求項1)
【特許技術文献2】
特開2002−205986号公報(請求項1)
【特許技術文献3】
国際公開第02/38550号パンフレット(請求項1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような事情に鑑み、本発明は優れた選択除草活性を示すピリミジン系除草剤を提供することを目的とする。より具体的には、雑草に対する殺草効果が高く、一方で稲、小麦、大麦、トウモロコシ、綿、大豆等の作物に対する薬害が少なく、さらに、哺乳動物や魚介類に対する毒性が低い、残留性が低いなど環境汚染が少ない、持続性があるまたは製剤化しやすいなどの性質をさらに有するピリミジン系除草剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、優れた除草活性を示し、しかも作物に薬害のない選択的除草剤の開発を目指し鋭意研究を重ねた結果、新規ピリミジン誘導体またはその塩の創製に成功し、先に特許出願(特許技術文献2および3)した。本発明者らは、前記発明に基づいてさらに種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I);
【化8】
[式中、R1pおよびR1qは、各々、(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)置換されていてもよいC1−6アルキル基、(4)C1−6アルコキシ基、(5)C2−6アルケニルオキシ基、(6)C2−6アルキニルオキシ基、(7)C1−6ハロアルコキシ基、(8)C2−6ハロアルケニルオキシ基、(9)C1−6アルキルチオ基、(10)C2−6アルケニルチオ基、(11)C2−6アルキニルチオ基、(12)C1−6ハロアルキルチオ基、(13)C2− 6ハロアルケニルチオ基、(14)置換されていてもよいアミノ基、(15)C2−7アルコキシカルボニル基、(16)C3−7アルケニルオキシカルボニル基、(17)C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基、(18)C3−7アルキニルオキシカルボニル基、(19)窒素上が置換されていてもよいカルバモイル基(置換基は、モノあるいはジ置換であってもよいC1−4アルキル基)、(20)チオカルバモイル基、(21)シアノ基または(22)ホルミル基を表わし、R1pとR1qは同一または異なっていてもよく、
R2は、置換されていてもよいC2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基を表わし、
【0007】
Arは一般式(1)
【化9】
{式中、R3は水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基またはC1−6ハロアルコキシ基を表わし、
R4は(1)ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ基、(4)カルバモイル基、(5)チオカルバモイル基、(6)ヒドロキシC1−4アルキル基、(7)C1−4ハロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、(9)C2−7アルコキシカルボニル基、(10)C3−7アルケニルオキシカルボニル基、(11)C3−7アルキニルオキシカルボニル基、(12)C1−6アルコキシ基、(13)C2−6アルケニルオキシ基、(14)C2−6アルキニルオキシ基、(15)置換されていてもよいC7−12アラルキルオキシ基を表わし、
【0008】
R5は水素原子;シアノ基;C1−6アルキル基;C3−6シクロアルキル基;水酸基;メルカプト基;C1−6アルコキシ基;C1−6アルコキシ−C1−4アルコキシ基;C3−6シクロアルキルオキシ基;C1−6ハロアルコキシ基;C2−6アルケニルオキシ基;C2−6ハロアルケニルオキシ基;C2−6アルキニルオキシ基;C6−10アリールオキシ基;C7−12アラルキルオキシ基;C1−6アルキルチオ基;C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基;C3−6シクロアルキルチオ基;C1−6ハロアルキルチオ基;C2−6アルケニルチオ基;C2−6ハロアルケニルチオ基;C2−6アルキニルチオ基;C6−10アリールチオ基;C7−12アラルキルチオ基;C1−6アルキルスルホニル基;C3−6シクロアルキルスルホニル基;C1−6ハロアルキルスルホニル基;C2−6アルケニルスルホニル基;C2−6ハロアルケニルスルホニル基;C2−6アルキニルスルホニル基;酸素原子、イオウ原子および窒素原子を1ないし2個含有していてもよい環状アミノ基;あるいは一般式(i)
【化10】
(式中、Yは酸素原子、イオウ原子または−N−R13を表わし、
R11は水素原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R12は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基、C7−12アラルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C2−6アルケニルオキシ−C1−4アルキル基、C2−6アルキニルオキシ−C1−4アルキル基、C3−6シクロアルコキシ−C1−4アルキル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C4−7シクロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C2−7ハロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基またはC8−13アラルキルオキシカルボニル−C1−4アルキル基を表わし、
R13は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−7アルカノイル基、C7−11アリールカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル基、C2−7ハロアルコキシカルボニル基またはC3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基を表わし、
R14は水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R15、R16はそれぞれ独立であって、水素原子;C1−6アルキル基;C2−6アルケニル基;C2−6アルキニル基;C3−6シクロアルキル基;C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基;C7−12アラルキル基;窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する5〜6員の複素環で置換されたC1−4アルキル基;C1−7アルカノイル基;C7−11アリールカルボニル基;C2−7ハロアルキルカルボニル基;C2−7アルコキシカルボニル基;C3−7アルケニルオキシカルボニル基;C3−7アルキニルオキシカルボニル基;C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基;C2−7ハロアルコキシカルボニル基;C1−6アルキルスルホニル基;C2−6アルケニルスルホニル基;C2−6ハロアルケニルスルホニル基;C2−6アルキニルスルホニル基;C3−6シクロアルキルスルホニル基;C1−6ハロアルキルスルホニル基;C6−10アリールスルホニル基;C7−12アラルキルスルホニル基;または、一般式(ii)
【化11】
(式中、R11、R12およびYは上記と同意義である。)で表わされる基を表わす。)
で表わされる基を表わし、
【0009】
R6は水素原子またはC1−6アルキル基、mは0または1を表わし、
R7は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−7アルカノイル基、C7−11アリールカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル基、C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基またはC3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基を表わし、
R8は水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6ハロアルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基、C2−6アルキニルチオ基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−6アルキルチオC1−4アルキル基またはC1−6アルキルスルホニル−C1−4アルキル基を表わし、
R9は水素原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R10はC1−6アルキル基を表わし、
Zは酸素原子またはイオウ原子を表わす。}
で表わされる基の1つである。]
で示されるピリミジン誘導体またはその塩、
【0010】
(2) 一般式(I’);
【化12】
(式中、R1p、R2およびArは前記(1)と同意義。R1aは、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基またはハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表わす。)
で示される前記(1)に記載のピリミジン誘導体またはその塩、
【0011】
(3) 一般式(I)において置換基Arが、式(Ar−1);
【化13】
(式中、R3、R4およびR5は前記(1)と同意義。)
で示される置換基である前記(1)または(2)のいずれか1項に記載のピリミジン誘導体またはその塩、
【0012】
(4) 式(Ar−1)で示される基が、式(Ar−1a);
【化14】
{式中、R3’は水素またはハロゲン原子を表し、
R4’はハロゲン原子を表し、
R5’は、水酸基、メルカプト基、−OX1、−SX1または−OCH(X2)COOX1(式中、X1は、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基またはC7−12アラルキル基を表し、X2は、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基またはC2−6アルキニル基を表す。)を表す。}
で示される基である前記(3)に記載のピリミジン誘導体またはその塩、
【0013】
(5) 4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン、
(6) 前記(1)〜(5)に記載のピリミジン誘導体またはその塩を含有することを特徴とする除草剤、
に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
C1−6アルキル基としては、直鎖もしくは分枝状であってよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソへキシル等が挙げられる。
C1−6ハロアルキル基またはハロゲン原子で置換されているC1−6アルキル基としては、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、1−クロロエチル、トリフルオロメチル等が挙げられる。
窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する5−6員の複素環で置換されたC1−4アルキル基としては、例えば、4−ピリジルメチル、2−フリルメチル、2−チオフェンメチル等が挙げられる。
【0015】
C3−6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
C2−6アルケニル基としては、例えば、アリル、1−ブテン−3−イル、3−ブテン−1−イル等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニル基としては、2−クロロ−2−プロペン−1−イル等が挙げられる。
C2−6アルキニル基としては、例えば、プロパルギル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル等が挙げられる。
C6−10アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
C7−12アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
【0016】
C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基およびC2−6アルキニル基の置換基としては特に限定されず、当技術分野で使用されている置換基であってよい。具体的には、例えば、(i)ハロゲン原子、(ii)アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)(好ましくはC1−3)、(iii)ニトロ基、(iv)シアノ基、(v)ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノもしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルなどで置換されていてもよいシクロアルキル基(好ましくはC3−6)、(vi)ハロゲン化されていてもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数C1−6)、(vii)ハロゲン化されていてもよいアルキルチオ基(好ましくは炭素数C1−6)、(viii)置換されていてもよいアミノ基(モノ置換アミノ基もしくはジ置換アミノ基のいずれでもよく、置換基としてはC1−6アルキルが好ましい。)、(ix)水酸基、(x)カルボキシル基、(xi)スルホ基、(xii)メルカプト基などが挙げられる。
【0017】
なかでも、前記置換基としては、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C1−6アルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基、C2−6アルキニルチオ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6ハロアルケニルオキシ基、C1−6ハロアルキルチオ基、C2−6ハロアルケニルチオ基、水酸基、メルカプト基またはシアノ基から選択される置換基が好ましい。
また、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基およびC2−6アルキニル基の置換基数は置換可能な数の範囲内で、好ましくは1から6である。
【0018】
C1−6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ等が挙げられる。
C1−6ハロアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されているC1−6アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
C3−6シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピロルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ等が挙げられる。
C2−6アルケニルオキシ基としては、例えば、アリルオキシ、1−ブテン−3−イルオキシ、3−ブテン−1−イルオキシ等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニルオキシ基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルオキシ等が挙げられる。
C2−6アルキニルオキシ基としては、例えば、プロパルギルオキシ、2−ブチン−1−イルオキシ、3−ブチン−2−イルオキシ等が挙げられる。
C6−10アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
C7−12アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等が挙げられる。
【0019】
C7−12アラルキルオキシ基の置換基としては、特に限定されず、当技術分野で用いられる公知の置換基が挙げられる。具体的には、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C2−7アルコキシカルボニル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルコキシ基、C3−7アルケニルオキシカルボニルC1−4アルコキシ基またはC3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルコキシ基が好ましい置換基として挙げられる。置換基数は1ないし置換可能な最大数である。
【0020】
C1−6アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、sec−ブチルチオ、n−ペンチルチオ等が挙げられる。
C1−6ハロアルキルチオ基としては、例えば、トリフルオロメチルチオ等が挙げられる。
C3−6シクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ等が挙げられる。
C2−6アルケニルチオ基としては、例えば、アリルチオ、1−ブテン−3−イルチオ、3−ブテン−1−イルチオ等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニルチオ基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルチオ等が挙げられる。
C2−6アルキニルチオ基としては、例えば、プロパルギルチオ、2−ブチン−1−イルチオ、3−ブチン−2−イルチオ等が挙げられる。
C6−10アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
C7−12アラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ、フェネチルチオ等が挙げられる。
【0021】
C1−6アルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、sec−ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、イソへキシルスルホニル等が挙げられる。
C3−6シクロアルキルスルホニル基としては、例えば、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル等が挙げられる。C1−6ハロアルキルスルホニル基としては、例えば、クロロメチルスルホニル、トリフオロメチルスルホニル等が挙げられる。
C2−6アルケニルスルホニル基としては、例えば、アリルスルホニル、メタリルスルホニル等が挙げられる。
C2−6ハロアルケニルスルホニル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルスルホニル等が挙げられる。
C2−6アルキニルスルホニル基としては、例えば、プロパルギルスルホニル等が挙げられる。
C6−10アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。
C7−12アラルキルスルホニル基としては、例えば、ベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル等が挙げられる。
【0022】
C1−7アルカノイル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル等が挙げられる。
C2−7アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル等が挙げられる。
C2−7ハロアルコキシカルボニル基(例えば、クロロメトキシカルボニル、ブロモメトキシカルボニル、(1−クロロ)エトキシカルボニル等が挙げられる。
C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
C3−7アルケニルオキシカルボニル基としては、例えば、アリルオキシカルボニル、1−ブテン−3−イルオキシカルボニル、3−ブテン−1−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
C7−11アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル、ナフタレンカルボニル等が挙げられる。
C3−7アルキニルオキシカルボニル基としては、例、プロパルギルオキシカルボニル、2−ブチン−1−イルオキシカルボニル、3−ブチン−2−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0023】
C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル等が挙げられる。
C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基としては、例えば、メトキシメチルチオ、エトキシメチルチオ、メトキシエチルチオ等が挙げられる。
C1−6アルコキシ−C1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、n−プロポキシメトキシ、i−プロポキシメトキシ、n−ブトキシメトキシ等が挙げられる。
C2−6アルケニルオキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、アリルオキシメチル、1−ブテン−3−イルオキシメチル、3−ブテン−1−イルオキシメチル等が挙げられる。
C2−6アルキニルオキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、プロパルギルオキシメチル、2−ブチン−1−イルオキシメチル、3−ブチン−1−イルオキシメチル等が挙げられる。
C3−6シクロアルコキシ−C1−4アルキル基としては、例えば、シクロプロピルオキシメチル、シクロブチルオキシメチル等が挙げられる。
【0024】
C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、sec−ブトキシカルボニルメチル、1−(メトキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、アリルオキシカルボニルメチル、1−ブテン−3−イルオキシカルボニルメチル、3−ブテン−1−イルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、プロパルギルオキシカルボニルメチル、2−ブチン−1−イルオキシカルボニルメチル、3−ブチン−2−イルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
C4−7シクロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、シクロプロピルオキシカルボニルメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル、1−(シクロプロピルオキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
C2−7ハロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、クロロメトキシカルボニルメチル、2−クロロエトキシカルボニルメチル、2−(クロロメトキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロペン−1−イルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
C7−12アラルキルオキシカルボニル−C1−4アルキル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニルメチル、2−(ベンジルオキシカルボニル)エチル、フェネチルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。
【0025】
C2−6アルコキシカルボニル−C1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルメトキシ、エトキシカルボニルメトキシ、n−プロポキシカルボニルメトキシ、イソプロポキシカルボニルメトキシ、n−ブトキシカルボニルメトキシ、イソブトキシカルボニルメトキシ、sec−ブトキシカルボニルメトキシ、tert−ブトキシカルボニルメトキシ、n−ペンチルオキシカルボニルメトキシ、1−(メトキシカルボニル)エトキシ、1−(エトキシカルボニル)エトキシ等が挙げられる。
C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルコキシ基としては、例えば、アリルオキシカルボニルメトキシ、1−ブテン−3−イルオキシカルボニルメトキシ、3−ブテン−1−イルオキシカルボニルメトキシ等が挙げられる。
C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルコキシ基としては、例えば、プロパルギルオキシカルボニルメトキシ、2−ブチン−1−イルオキシカルボニルメトキシ、3−ブチン−2−イルオキシカルボニルメトキシ等が挙げられる。
【0026】
ヒドロキシC1−6アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル、1−(ヒドロキシ)エチル等が挙げられる。
C1−6アルキルチオ−C1−4アルキル基としては、例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチル等が挙げられる。
C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基としては、例えば、メトキシメチルチオ、エトキシメチルチオ、メトキシエチルチオ等が挙げられる。
C1−6アルキルスルホニル−C1−4アルキル基としては、例えば、メチルスルホニルメチル、エチルスルホニルメチル等が挙げられる。
【0027】
置換されていてもよいアミノ基は、モノあるいはジ置換であってよく、置換基としてはC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−7アルカノイル基などが挙げられる。また、前記置換されていてもよいアミノ基は、酸素原子、イオウ原子および窒素原子を1ないし2個含有していてもよい環状アミノ基であってもよい。前記環状アミノ基としては、例えば、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジノ等が挙げられる。
窒素上が置換されていてもよいカルバモイル基は、モノあるいはジ置換であってもよく、置換基としてはC1−4アルキル基などが挙げられる。
【0028】
窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する3〜6員の複素環基としては、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基、2−オキソオキセタニル基、テトラヒドロフリル基、2−オキソテトラヒドロフリル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、テトラヒドロピラニル基、2−オキソテトラヒドロピラニル基、ピリジル基、ピペリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,3,5−トリアジニル基、1,2,4−トリアジニル基などが挙げられる。
1〜2個の窒素原子及び0〜1個の酸素原子を含有する5〜6員の複素環基としては、例えば、1−ピロリジニル基、1−ピロリル基、2−イソオキサゾリジニル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピペリジル基、4−モルホリニル基、ペルヒドロ−1,2−オキサジン−2−イル基、1−ピペラジニル基等などが挙げられる。
【0029】
上記一般式(I)で表わされる化合物には、上記した各記号の中からそれぞれ任意に選択した基を組み合わせた化合物全てが包含される。
一般式(I)において、置換基R1pとしては水素原子が好ましい。
一般式(I)において、置換基R1qとしては、置換基R1a(R1aは、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基またはハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表わす。)が好ましい。
【0030】
一般式(I)において、置換基R2としては、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基が好ましい。
一般式(I)において、置換基Arとしては、下記式(Ar−1);
【化15】
(式中、R3、R4およびR5は上記と同意義。)
で示される置換基が好ましい。特に、置換基Arとしては、下記式(Ar−1a);
【化16】
(式中、R3’、R4’およびR5’は、上記と同意義。)
で示される置換基がより好ましい。
【0031】
上記式(Ar−1a)で示される置換基において、置換基R3’としては、ハロゲン原子がさらに好ましく、フッ素原子がとくに好ましい。置換基R4’としては、ハロゲン原子がさらに好ましく、塩素原子がとくに好ましい。置換基R5’としては、C1−6アルコキシ基がさらに好ましく、メトキシ基またはイソプロポキシ基がとくに好ましい。
【0032】
本発明の化合物は、分子中の置換分中のスルホ基、カルボキシル基等の酸性基が無機塩基、有機塩基等と農業化学的に許容されうる塩基付加塩を形成することができ、また、分子中の塩基性の窒素原子および置換基中のアミノ基等の塩基性基が無機酸、有機酸等と農業化学的に許容されうる酸付加塩を形成することができる。無機塩基塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニアなどとの塩、また、有機塩基塩としては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(以下、DBUと略称する)等との塩などが用いられる。化合物(I)の無機酸付加塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、よう化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸等との塩が、化合物(I)の有機酸付加塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、コハク酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等との塩が用いられる。
【0033】
本発明の化合物またはその塩は、安全性に優れた農薬、例えば、除草剤として使用することができる。特に、除草剤として有用であり、例えば、極めて低薬量で広範囲の雑草、例えば、タイヌビエ、タマガヤツリ、イヌホタルイ、コナギ、ウリカワ、マツバイ、ミズガヤツリ、クログワイ、ヘラオモダカ、オモダカ、タイワンヤマイ、アゼナ、キカシグサ、ヒルムシロ、チョウジタデ、ミゾハコベ等の水田雑草、メヒシバ、エノコログサ、アオビユ、イチビ、アカザ、イヌタデ、スベリヒユ、アメリカキンゴジガ、シロバナチョウセンアサガオ、マルバアサガオ、オナモミ、ヒメイヌビエ、オオクサキビ、セイバンモロコシ、ハマスゲ、カラスムギ、ブラックグラス、ウマノチャヒキ、コハコベ、カラシナ類、エビスグサ、カミツレ、ツユクサ等の畑地雑草に対して優れた殺草力を有するのみならず、稲,小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、綿等の作物に対して薬害はほとんどなく、高い安全性を示す。本発明の化合物またはその塩は、作物と各種雑草との間に優れた選択的除草効果を示し、哺乳動物や魚介類に対して低毒性で、環境を汚染することもなく、水田、畑、果樹園あるいは非農耕地用の除草剤として極めて安全に使用することができる。
【0034】
本発明の化合物またはその塩を農薬、特に、除草剤として使用するにあたっては、一般の農薬のとりうる形態、すなわち、化合物またはその塩の1種または2種以上を使用目的によって適当な液体担体に溶解するか分散させるか、または適当な固体担体と混合するか吸着させ、例えば乳剤、油剤、噴霧剤、水和剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤、粒剤、微粒剤、微粒剤F、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、ジャンボ粒剤、錠剤等の製剤として使用する。これらの製剤は必要に応じて、例えば乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、粘漿剤、安定剤等を添加してもよく、自体公知の方法で調製することができる。
【0035】
使用する液体担体(溶剤)としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エテレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ケロシン、燃料油、機械油等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、酸アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エステル類(例えば、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)などの溶媒が適当であり、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して使用する。固体担体(例えば希釈・増量剤等)としては、植物性粉末(例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉等)、鉱物性粉末(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土、クレイ等のクレイ類、滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ類等)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭等が適当であり、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して使用する。該液体担体または固体担体は、製剤全体に対して通常約1〜99質量%程度、好ましくは約1〜80質量%程度用いることができる。
【0036】
乳化剤、展着剤、浸透剤、分散剤等として使用される界面活性剤としては、必要に応じて石鹸類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(例えば、ノイゲンTM、イー エー142(E A142TM、TMは登録商標であることを示す。以下同様;第一工業製薬(株)製)、ポリオキシエチレンアリールエステル類(例えば、ノナールTM;東邦化学(株)製)、アルキル硫酸塩類(例えば、エマール10TM、エマール40TM;花王(株)製)、アルキルスルホン酸塩類(例えば、ネオゲンTM、ネオゲンTTM;第一工業製薬(株)製、ネオペレックスTM;花王(株)製)、ポリエチレングリコールエーテル類(例えば、ノニポール85TM、ノニポール100TM、ノニポール160TM;三洋化成(株)製)、多価アルコールエステル類(例えば、トゥイーン20TM、トゥイーン80TM;花王(株)製)等の非イオン系およびアニオン系界面活性剤が用いられる。該界面活性剤は、製剤全体に対して、通常約0.1〜約50質量%程度、好ましくは約0.1〜25質量%程度用いることができる。本発明の化合物またはその塩の除草剤中の含有割合は乳剤、水和剤等の場合は約1〜90質量%程度が適当であり、油剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤等としては約0.01〜10質量%程度が適当であり、微粒剤F、粒剤としては約0.05〜10質量%程度が適当であるが、使用目的によっては、これらの濃度を適宜変更してもよい。乳剤、水和剤等は使用に際して、水などで適宜希釈増量(例えば100〜100,000倍)して散布する。
【0037】
化合物(I)またはその塩を除草剤として用いる場合の使用量は、適用場面、適用時期、施用方法、対象雑草、栽培作物等により異なるが一般に有効成分(化合物(I)またはその塩)として水田1アール当たり約0.05gから50g程度、好ましくは約0.1gから5g程度、畑地1アール当たり約0.04gから10g程度、好ましくは約0.08gから5g程度である。化合物(I)またはその塩は、畑地雑草用としては、発芽前土壌処理あるいは茎葉兼土壌処理剤として使用するのが適用である。例えば、本発明の除草剤は2〜3週間後でも実質的に薬害が発現することなく安全に使用できる。
【0038】
本発明の化合物(I)またはその塩を含有する除草剤は、必要に応じて、1種または2種以上(好ましくは1〜3種)の他の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等と同時に施用することができる。また該1種または2種以上(好ましくは1〜3種)の他の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等を配合し、混合使用することもできる。
【0039】
他の除草剤(除草活性成分)としては、例えば、(1)スルホニル尿素系除草剤[クロルスルフロン(chlorsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron−methyl)、クロリムロンエチル(chlorimuron−ethyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、トリベニュロンエチル(tribenuron−methyl)、プロスルフロン(prosulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron−methyl)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron−methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron−methyl)、フルザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron−methy1)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethy1)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、スルホスルフロン(sulfosu1furon)、シノスルフロン(cinosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsu1furon−methy1)、ハロスルフロンメチル(ha1osulfuron−methy1)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、シクロスルファムロン(cyc1osulfamuron)等]、
【0040】
(2)ピラゾール系除草剤[ピラフルフェンエチル(pyraflufen−ethyl)、ピラゾレート(pyrazo1ate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)等]、(3)カーバメート系除草剤[ジアレート(di−allate)、ブチレート(butylate)、トリアレート(tri−allate)、フェンメディファム(phenmedipham)、クロロプロファム(chlorpropham)、アシュラム(asulam)、フェニソファム(phenisopham)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、エスプロカルブ(esprocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ジメピペレート(dimepiperate)、スエップ(swep)等]、(4)クロロアセトアニリド系除草剤[プロパクロール(propachlor)、メタザクロール(metazachlor)、アラクロール(alachlor)、アセトクロール(acetochlor)、メトラクロール(metolachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(theny1ch1or)、ジメテナミド(dimethenamid)等]、(5)ジフェニルエーテル系除草剤[アシフルオルフェン(acifluorfen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、フォメサフェン(fomesafen)、アクロニフェン(aclonifen)、クロメトキシニル(chlomethoxyni1)、ビフェノックス(bifenox)、CNP等]、
【0041】
(6)トリアジン系除草剤[シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、プロパジン(propazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametoryn)、シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトリン(prometryn)等]、(7)フェノキシ酸または安息香酸系除草剤[2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、クロピラリド(clopyralid)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ベナゾリン(benazolin)、ジクロホップメチル(diclofop−methyl)、フルアジホップブチル(fluazifop−butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop−methyl)、キザロホップエチル(quizalofop−ethyl)、シハロホップブチル(cyhalohop−butyl)、2,4−PA、MCP、MCPB、フェノチオール(phenothio1)等]、(8)酸アミド系または尿素系除草剤[イソキサベン(isoxaben)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジウロン(diuron)、リニュロン(linuron)、フルオメツロン(fluometuron)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、メチルダイムロン(methyl−daimuron)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、テブチウロン(tebuthiuron)、メタベンゾチアズウロン(methabenzthiazuron)、プロパニル(propanil)、メフェナセット(mefenacet)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、ブロモブチド(bromobutide)、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumy1uron)、エトベンザニド(etobenzanid)等]、
【0042】
(9)有機リン系除草剤[グリホサート(glyphosate)、ビアラホス(bialaphos)、アミプロホスメチル(amiprofos−methyl)、ベンスリド(bensu1ide)、ピペロホス(piperophos)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)等]、(10)ジニトロアニリン系除草剤[ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)、ジノセブ(dinoseb)、トリフルラリン(trifluralin)、プロジアミン(prodiamine)、ペンディメタリン(pendimethalin)等]、(11)シクロヘキサンジオン系除草剤[アロキシジム(alloxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、クロプロキシジム(cloproxydim)、クレソジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)等]、(12)イミダゾリン系除草剤[イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピル(imazapyr)、イマザメタピル(imazamethapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザモックス(imazamox)、イマザキン(imazaquin)等]、(13)ビピリジウム系除草剤[パラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)等]、
【0043】
(14)その他の系統の除草剤[ベンタゾン(bentazon)、トリジファン(tridiphane)、インダノファン(indanofan)、アミトロール(amitrole)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazon−ethyl)、スルフェントラゾン(surfentrazon)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole−ethyl)、フェントラザミド(fentrazamide)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、クロマゾン(clomazone)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、ピリデート(pyridate)、クロリダゾン(chloridazon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ブロマシル(bromacil)、ターバシル(terbacil)、メトリブジン(metribuzin)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、シンメチリン(cinmethylin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac−pentyl)、シニドンエチル(cinidon−ethyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルチアセットメチル(fluthiacet−methyl)、アザフェニジン(azafenidin)、べンフレセート(benfuresate)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargy1)、ペントキサゾン(pentoxazone)、カフェンストロール(cafenstrole)、ピリミノバックメチル(pyriminobac−methy1)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac−sodium)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、インダノファン (indanofan)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ジチオピル(dithiopyr)、ダラポン(da1apon)、クロルチアミド(chlorthiamid)等)等が挙げられる。
【0044】
植物生長調節剤(植物生長調節活性成分)としては、例えば、ヒメキサゾール(hymexazo1)、パクロブトラゾール(pac1obutrazo1)、ウニコナゾール−P(uniconazole−P)、イナベンフィド(inabenfide)、プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione−ca1cium)等が挙げられる。
【0045】
殺菌剤(殺菌活性成分)としては、例えば、(1)ポリハロアルキルチオ系殺菌剤[キャプタン(captan)等]、(2)有機リン系殺菌剤[IBP、EDDP、トルクロフォスメチル(tolc1ofos−methy1)等]、(3)ベンズイミダゾール系殺菌剤[べノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、チオファネートメチル(thiophanate−methy1)等]、(4)カルボキシアミド系殺菌剤[メプロニル(meproni1)、フルトラニル(f1uto1anil)、チフルザミド(thifluzamid)、フラメトピル(furametpyr)、テクロフタラム(tec1oftha1am)、ペンシクロン(Pencycuron)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(dic1ocymet)等]、(5)アシルアラニン系殺菌剤[メタラキシル(metalaxy1)等]、(6)アゾール系殺菌剤[トリフルミゾール(triflumizo1e)、イプコナゾール(ipconazo1e)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プログロラズ(proch1oraz)等]、(7)メトキシアクリル酸系殺菌剤[アゾキシストロビン(azoxystrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)等]、(8)抗生物質系殺菌剤[バリダマイシンA(validamycin A)、ブラストサイジンS(blasticidin S)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(po1yoxin)等]、(9)その他の殺菌剤[フサライド(fthalide)、プロベナゾール(probenazo1e)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroqui1n)、フェリムゾン(ferimzone)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar S−methy1)、ジクロメジン(dic1omezine)、オキソリニック酸(oxo1inic acid)、フェナジンオキシド(phenazine oxide)、TPN、イプロジオン(iprodione)等]等があげられる。
【0046】
殺虫剤(殺虫活性成分)としては、例えば、(1)有機リン系殺虫剤[フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methy1)、ダイアジノン(diazinon)、キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathion)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、バミドチオン(vamidothion)、マラチオン(malathion)、フェントエート(phenthoate)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、モノクロトホス(monocrotophos)、テトラクロルビンホス(tetrach1orvinphos)、クロルフェンビンホス(ch1orfenvinphos)、プロパホス(propaphos)、アセフェート(acephate)、トリクロルホン(trichlorphon)、EPN、ピラクロホス(pyraclofos)等]、(2)カルバメート系殺虫剤[カルバリル(carbary1)、メトルカルブ(metolcarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、BPMC、プロポキスル(propoxur)、XMC、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)等]、(3)合成ピレスロイド系殺虫剤[シクロプロトリン(cycloprothrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)等]、(4)ネライストキシン系殺虫剤[カルタップ(cartap)、ベンスルタップ(bensu1tap)、チオシクラム(thiocyclam)等]、
【0047】
(5)ネオニコチノイド系殺虫剤[イミダクロプリド(imidac1oprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、3−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−1,3−チアゾリジン−2−イリデンシアナミド(3−(6−chloro−3−pyridylmethyl)−1,3−thiazo1idin−2−y1idenecyanamide)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等]、(6)その他の殺虫剤[ブプロフェジン(buprofezin)、テブフェノジド(tebufenozide)、フィプロニル(fiproni1)等]等があげられる。殺ダニ剤(殺ダニ活性成分)としては、例えば、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、エトキサゾール(etoxazole)、ピリミジフェン(pyrimidifen)等が挙げられる。
【0048】
殺線虫剤(殺線虫活性成分)としては、例えば、フォスチアゼート(fosthiazate)等が挙げられる。このような他の農薬活性成分(例えば、除草活性成分、植物生長調節活性成分、殺菌活性成分、殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、殺線虫活性成分など)は製剤全体に対して通常約0.1〜20質量%程度、好ましくは約0.1〜10質量%程度用いることができる。
【0049】
本発明の化合物(I)またはその塩を含有する除草剤には、更に共力剤(例えば、ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)等)、誘引剤(例えば、オイゲノール(eugenol)等)、忌避剤(例えば、クレオソート(creosote)等)、色素(例えば、食用青色1号等)、肥料(例えば、尿素等)等を適宜混合してもよい。
【0050】
本発明化合物(I)またはその塩は新規化合物であるが、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従い製造することができる。本発明化合物(I)またはその塩は以下に示す製造方法1から製造方法5より製造することができるが、必ずしもこれら製造方法に限定されるものではない。
【0051】
製造方法1
【化17】
(式中、R1p、R1q、R2およびArは上記と同意義。Xはハロゲン原子を表わす。)
【0052】
アリールボロン酸(III)は、公知の方法(例えば、Org. Synth., 39, 3 (1959), J. Org. Chem., 56(12), 3763 (1991) 等)あるいはそれに準ずる方法により製造できる。本反応において、化合物(III)は化合物(II)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約0.9から1.5倍モル用いる。本反応は反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のリン酸アミド類、スルホラン等のスルホン類または水等が使用される。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して使用してもよい。
【0053】
本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DBO)等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化金属等が用いられ、塩基の量は化合物(II)に対して、約0.7から10.0当量、好ましくは約0.9から4.0当量である。
【0054】
本反応は触媒の存在下に行ってよい。触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(1,4−ジフェニルホスフィノ)ブタンパラジウム、ジクロロビス(1,3−ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケルが用いられ、触媒の量は化合物(II)に対して、約0.01から0.3当量、好ましくは約0.02から0.1当量である。
反応温度は用いる溶媒、塩基等により異なるが一般に約20℃から180℃、好ましくは約50℃から110℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から20時間、好ましくは約1時間から8時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0055】
製造方法2
【化18】
(式中、R1p、R1q、R3、R4およびX1は上記と同意義。Phはフェニル基を、Meはメチル基を表わす。)
【0056】
化合物(Ib)は、製造方法1に従って製造できる。本反応は、公知の方法(例えば、J. Org. Chem., 53(5), 1003 (1988) 等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、化合物(IV)は化合物(Ib)に対して通常約0.8から3倍モル、好ましくは約1.1から1.5倍モル用いる。本反応は反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類等が使用される。
【0057】
本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化金属;n−ブチルリチウム;カリウムt−ブトキシド;ナトリウムメトキシド;ナトリウムアミド等が用いられ、塩基の量は化合物(Ib)に対して、約0.8から3.0当量、好ましくは約1.1から1.5当量である。
反応温度は用いる溶媒、塩基等により異なるが一般に約−70℃から100℃、好ましくは約−30℃から60℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約10分から5時間、好ましくは約30分から2時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0058】
製造方法3
【化19】
(式中、R1p、R1q、R3、R4、XおよびX1は上記と同意義。n−Buはn−ブチル基を表わす。)
【0059】
化合物(Id)は、製造方法1に従って製造できる。本反応は、公知の方法(例えば、J. Am. Chem. Soc., 109, 5478 (1987), Chem. Pham. Bull., 37(10), 2814 (1989) 等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、化合物(V)は化合物(Id)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約1.5から5.0倍モル用いる。本反応は反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類等が使用される。反応温度は用いる溶媒、塩基等により異なるが一般に約10℃から150℃、好ましくは約30℃から110℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から50時間、好ましくは1時間から5時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0060】
製造方法4
【化20】
(式中、R1p、R1qおよびXは上記と同意義。TMSはトリメチルシリル基を、Baseは塩基を表わす。)
【0061】
本反応は、公知の方法(例えば、Chem. Pham. Bull., 34(7), 2719 (1986) 等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、化合物(VII)は化合物(VI)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約1.5から5.0倍モル用いる。本反応は、反応に影響を与えない溶媒中で行われ、好ましい溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類等が使用され、あるいは溶媒を使用しなくてもよい。また、場合により封管反応を行ってもよい。本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジエチルアミン等の有機塩基で、塩基の量は大過剰用いられる。本反応は、好ましくはヨウ化第一銅の存在下、触媒量(0.01モル%から5モル%)のパラジウム、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを用いて行われ、反応温度は一般に約10℃から150℃、好ましくは約30℃から110℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から50時間、好ましくは1時間から15時間で完結する。
【0062】
化合物(IX)の製造は、化合物(VIII)を塩基の存在下で脱トリメチルシリル化することにより行われる。溶媒は、反応に影響を与えないものが用いられ、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のリン酸アミド類、スルホラン等のスルホン類等が使用される。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して使用してもよい。
【0063】
本反応は塩基の存在下に行うことが好ましい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;フッ化カリウム等が用いられ、場合により18−クラウン−6の存在下で反応を行ってもよい。塩基の量は化合物(VIII)に対して、約0.8から10.0当量、好ましくは約1.0から2.5当量である。反応温度は用いる溶媒、塩基により異なるが一般に約10℃から110℃、好ましくは約20℃から50℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約30分から10時間、好ましくは1時間から5時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0064】
製造方法5
【化21】
(式中、R1p、R1q、R3、R4、X1、Ph、Baseおよびn−Buは上記と同意義。)
【0065】
化合物(Ib)は、製造方法1に従って製造できる。本反応は、公知の方法(例えば、Tetrahedron Letter, 36, 3769 (1972)等)あるいはそれに準ずる方法により合成できる。本反応において、トリフェニルホスフィンと四臭化炭素から調整した Wittig試薬を化合物(Ib)に対して通常約0.8から2倍モル、好ましくは約0.9から1.5倍モル用いる。本反応においては、亜鉛粉末を化合物(Ib)に対して通常約1.5から10.0倍モル、好ましくは約2.5から5.0倍モル用いる。本反応は塩基の存在下に行ってよい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等の有機塩基の存在下で反応させる。塩基の量は化合物(Ib)に対して、約0.8から5.0当量、好ましくは約1.0から3.0当量である。溶媒は反応に影響を与えないものを用い、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等が使用される。反応温度は一般に約10℃から110℃、好ましくは約10℃から60℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、約10分から10時間、好ましくは約30分から5時間で反応は完結する。
【0066】
化合物(XI)の製造は、反応に影響を与えない溶媒中で行い、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等が使用される。本反応は塩基の存在下に行うことが好ましい。本反応で使用する好ましい塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DBO)等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属等の無機塩基;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化金属等が用いられる。塩基の量は化合物(X)に対して、約0.8から4.0当量、好ましくは約1.0から2.0当量である。反応温度は一般に約−10℃から110℃、好ましくは約10℃から80℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、約10分から24時間、好ましくは約1時間から10時間で反応は完結する。
【0067】
化合物(XII)の製造は、反応に影響を与えない溶媒中で行い、好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等が使用される。本反応で使用する脱ハロゲン化剤としてn−ブチルリチウムを、化合物(XI)に対して約0.8から4.0当量、好ましくは約1.0から2.0当量用いる。反応温度は一般に約−100℃から20℃、好ましくは約80℃から0℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、反応は約10分から5時間、好ましくは約30分から2時間で完結し、目的化合物は薄層クロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィー等で確認しうる。
【0068】
【実施例】
次に参考例および実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定解釈されるべきものではない。
参考例および実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出溶媒は、TLC(Thin Layer Chromatograph 薄層クロマトグラフィー)観察で使用した溶媒と同様の溶媒を用いた。TLC観察は、メルク(Merck)社製のシリカゲル60F254、TLCプレートを、検出法としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルはメルク社製のシリカゲル60(0.063〜0.200mm)を用いた。溶出溶媒として混合溶媒を用いる場合は、括弧内に各溶媒の容量混合比を示した。NMRスペクトラムは1Hあるいは19F−NMRを示し、内部基準としてテトラメチルシランおよびフルオロトリクロロメタンを用いて、ブルカーAV400(400MHz)型スペクトロメーターで測定し、全δ値を ppm で示した。IRスペクトラムはパーキンエルマーパラゴン100型FT−IRスペクトルメーターで測定し、吸収帯位置を波数(cm−1)で示した。なお、下記参考例、実施例および表で用いる略語は、次のような意義を有する。Me:メチル基、Et:エチル基、n−Pr:ノルマルプロピル基、i−Pr:イソプロピル基、tert−Bu:ターシャリーブチル基、Ph:フェニル基、s:シングレット、br:ブロード(幅広い)、d:ダブレット、t:トリプレット、q:クワルテット、m:マルチプレット、dd:ダブルダブテット、septet:セプテット、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、CDCl3:重クロロホルム、DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド、%:質量%、m.p.:融点、dec.:分解、また室温とあるのは約15〜25℃を意味する。
【0069】
実施例1
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−1)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.2g(1.16mmol)、炭酸水素ナトリウム0.3g(3.57mmol)、 ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.03g(0.04mmol)を1,2−ジメトキシエタン(10ml)と水(2ml)の混合液に加え、70℃で加温した。そして、混合液に4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.26g(1.27mmol)を少量ずつ加え同温度で2時間攪拌した。冷却後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.21g)を得た。
m.p.:161−163℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.94(3H, s), 4.18(3H, s), 7.12(1H, d, J=6.1Hz), 7.20(1H,d, J=9.2Hz), 8.84(1H, s), 10.35(1H, s)
IR(Nujol) : 1696 cm−1
【0070】
(2)メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド0.82g(2.3mmol)をTHF(10ml)に加え、これに水素化ナトリウム(60% in oil)0.80g(2.0mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。そして、実施例1の(1)で調整したホルミル体0.25g(0.8mmol)を加え室温で3時間攪拌した。反応液を希塩酸で希釈し、酢酸エチルで2回抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン (0.14g)を得た。
m.p.:139−141℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.91(3H, s), 4.11(3H, s), 5.44(1H, d, J=11.8Hz), 5.88(1H, d, J=17.7Hz), 6.35−6.45(1H, m), 6.99(1H, d, J=6.1Hz), 7.20(1H, d, J=16.0Hz), 8.71(1H, s)
IR(Nujol) : 1609, 1540, 1463, 1366, 1062 cm−1
【0071】
実施例2
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−2)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.23g(1.33mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニルボロン酸0.34g(1.46mmol)、炭酸水素ナトリウム0.37g(4.4mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.06g(0.09mmol)を1,2−ジメトキシエタン(6ml)と水(1ml)に加え、70℃で30分攪拌した。冷却後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.25g)の結晶を得た。
m.p.:139−141℃
1H−NMR(CDCl3) δ1.39(6H, d, J=6.1Hz), 4.17(3H, s), 4.50−4.60(1H, m), 7.13(1H, d, J=6.3Hz), 7.18(1H, d, J=9.3Hz), 8.93(1H, s), 10.23(1H, s)
【0072】
(2)メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド0.83g(2.32mmol)をTHF(10ml)に加え、これに水素化ナトリウム(60% in oil)0.13g(3.25mmol)を添加し、室温で30分攪拌した。そして、実施例2の(1)で調整したホルミル体0.25g(0.77mmol)を加え室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮後、残留物に酢酸エチルを加え、水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン (0.2g)を得た。
m.p.:60−61℃
1H−NMR(CDCl3) δ1.37(6H, d, J=6.1Hz), 4.11(3H, s), 4.45−4.55(1H, m), 5.44(1H, d, J=11.9Hz), 5.87(1H, d, J=17.1Hz), 6.35−6.50(1H, m), 7.00(1H, d,J=6.3Hz), 7.19(1H, d, J=9.3Hz), 8.70(1H, s)
IR(Nujol) : 1536, 1359, 1304, 1190 cm−1
【0073】
実施例3
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−3)
(1)4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルピリミジン6.0g(36.6mmol)と酢酸ナトリウム16g(195mmol)を酢酸(50ml)に加え、そして、室温で臭素7.0g(43.8mmol)を滴下し同温度で48時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取、乾燥して、5−ブロモ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルピリミジン(6.0g)を得た。
m.p.:〜210℃
1H−NMR(CDCl3) δ8.39(1H, s), 13.62(1H, s)
【0074】
(2)実施例3の(1)で調整した化合物2.1g(8.6mmol)に塩化チオニル2.1g(17.6mmol)を滴下、そして、DMF(2滴)を加え70℃で2時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶かし水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン) により単離精製を行い、5−ブロモ−4−クロロ−6−トリフルオロメチルピリミジン(1.7g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ9.02(1H, s)
19H−NMR(CDCl3) δ−68.2
IR(liquid) : 1539, 1520, 1155, 784, 703 cm−1
【0075】
(3)実施例3の(2)で調整した化合物1.7g(6.5mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸1.6g(7.8mmol)、炭酸水素ナトリウム2.0g(23.8mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.3g(0.4mmol)を1,2−ジメトキシエタン(30ml)と水(4ml)に加え、2時間加熱還流させた。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、5−ブロモ−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチルピリミジン(0.75g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 6.96(1H, d, J=5.9Hz), 7.29(1H, d, J=8.8Hz),9.29(1H, s)
【0076】
(4)実施例3の(3)で調整した5−ブロモピリミジン0.13g(0.34mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム15mg(0.01mmol)をキシレン(5ml)に溶解し、これに、トリブチルビニルスズ0.21g(0.66mmol)を添加し、100℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(0.04g)を得た。
m.p.:85−86℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.94(1H, s), 5.15(1H, d, J=17.8Hz), 5.46(1H, d, J=11.6Hz), 6.70−7.90(1H, m), 7.08(1H, d, J=6.0Hz), 7.19(1H, d, J=8.9Hz), 9.29(1H, s)
IR(Nujol) : 1610, 1550, 1422, 1316 cm−1
【0077】
実施例4
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(化合物番号C−4)
(1)4−ヒドロキシ−6−ジフルオロメチルピリミジン3.0g(20.5mmol)と酢酸ナトリウム8.2g(100mmol)を酢酸(30ml)に加え、そして、室温で臭素3.6g(20mmol)を滴下し同温度で72時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取、乾燥して5−ブロモ−4−ヒドロキシ−6−ジフルオロメチルピリミジン(3.4g)を得た。
m.p.:219−222℃
1H−NMR(CDCl3) δ7.02(1H, t, J=53.0Hz), 8.33(1H, s), 13.40(1H, s)
【0078】
(2)実施例4の(1)で調整した化合物3.0g(13.3mmol)をトルエン(10ml)に加え、これに、オキシ塩化リン(5ml)とDMF(2滴)を加え2時間加熱還流させた。冷却後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶かし水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1) により単離精製を行い、5−ブロモ−4−クロロ−6−ジフルオロメチルピリミジン(2.6g)を得た。
m.p.:57−59℃
1H−NMR(CDCl3) δ6.84(1H, t, J=53.2Hz), 9.00(1H, s)
【0079】
(3)実施例4の(2)で調整した化合物2.6g(10.7mmol)をよう化水素酸(57%)15mlに加え、室温で18時間撹拌した。冷却後、反応液に少量の亜硫酸水素ナトリウムを加え脱色させ酢酸エチルで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を留去して、5−ブロモ−4−ヨード−6−ジフルオロメチルピリミジン(2.8g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ6.78(1H, t, J=53.3Hz), 8.87(1H, s)
【0080】
(4)実施例4の(3)で調整した化合物1.0g(3.0mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.7g(3.4mmol)、炭酸水素ナトリウム0.8g(9.5mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.1g(0.14mmol)を1,2−ジメトキシエタン(10ml)と水(1ml)に加え、4時間加熱還流させた。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)により単離精製を行い、5−ブロモ−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチルピリミジン(0.57g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 6.94(1H, t, J=53.4Hz), 6.97(1H, d, J=6.0Hz), 7.29(1H, d, J=8.9Hz), 9.29(1H, s)
【0081】
(5)実施例4の(4)で調整した5−ブロモピリミジン0.25g(0.68mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム30mg(0.03mmol)をキシレン(10ml)に溶解し、これに、トリブチルビニルスズ0.33g(1.04mmol)を添加し、110℃で5時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン(0.11g)を得た。
m.p.:112−113℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(1H, s), 5.31(1H, d, J=17.9Hz), 5.56(1H, d, J=11.4Hz), 6.76(1H, t, J=53.7Hz), 6.70−6.85(1H, m), 7.04(1H, d, J=6.0Hz), 7.21(1H, d, J=8.9Hz), 9.28(1H, s)
IR(Nujol) : 1621, 1520, 1404, 1143 cm−1
【0082】
実施例5
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(D−1)
(1)4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン2.2g(20mmol)、ヨウ素5.2g(20mmol)と水酸化ナトリウム0.8g(20mmol)を水(60ml)に溶解し、90℃で3.5時間撹拌した。冷却後、亜硫酸ナトリウムでヨウ素を分解し、析出晶をろ取、水洗、乾燥して、4−ヒドロキシ−6−メチル−5−ヨードピリミジン(3.5g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ2.45(3H, s), 8.04(1H, s), 12.75(1H, br s)
【0083】
(2)実施例5の(1)で調整した化合物3.5g(14.8mmol)をトルエン(20ml)に加え、そして、オキシ塩化リン(20ml)を加え1時間加熱還流させた。冷却後、反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により単離精製を行い、4−クロロ−6−メチル−5−ヨードピリミジン (1.6g)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ2.80(3H, s), 8.71(1H, s)
【0084】
(3)実施例5の(2)で調整した5−ヨードピリミジン1.0g(3.9mmol)、トリメチルシリルアセチレン0.46g(4.7mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.07g(0.1mmol)およびよう化第一銅0.03g(0.16mmol)をトリエチルアミン(5ml)に加え、封管中、80℃で12時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮し、残留物に酢酸エチルを加え希塩酸で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により単離精製を行い、4−クロロ−6−メチル−5−トリメチルシリルエチニルピリミジン (0.6g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ0.30(9H, s), 2.68(3H, s), 8.74(1H, s)
【0085】
(4)実施例5の(3)で調整した5−トリメチルシリルエチニルピリミジン0.5g(2.2mmol)、フッ化カリウム0.3g(5.2mmol)および18−クラウン−6 0.05g(0.2mmol)をDME(10ml)に溶解し、45℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮し、残留物に酢酸エチルを加え、水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)により単離精製を行い、4−クロロ−6−メチル−5−エチニルピリミジン (0.25g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ2.70(3H, s), 3.82(1H, s), 8.74(1H, s)
【0086】
(5)実施例5の(4)で調整した化合物0.25g(1.64mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニルボロン酸0.43g(1.84mmol)、炭酸水素ナトリウム0.42g(5.0mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.055g(0.08mmol)を1,2−ジメトキシエタン(8ml)と水(1ml)に加え、80℃で3時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(0.14g)の結晶を得た。
m.p.: 62−64℃
1H−NMR(CDCl3) δ1.38(6H, d, J=6.1Hz), 2.76(3H, s), 3.54(1H, s), 4.45−4.60(1H, m), 7.12(1H, d, J=6.5Hz), 7.25(1H, d, J=9.1Hz), 9.09(1H, s)
IR(Nujol) : 3265 cm−1
【0087】
実施例6
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(D−2)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.6g(3.5mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.72g(3.5mmol)、炭酸水素ナトリウム0.9g(10.7mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.15g(0.2mmol)を1,2−ジメトキシエタン(15ml)と水(3ml)に加え、1時間加熱還流させた。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、1,2−ジメトキシエタンを留去し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.5g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3,94(3H, s), 4.18(3H, s), 7.12(1H. d. J=6.1Hz), 7.20(1H,d, J=9.2Hz), 8.94(1H, s), 10.30(1H. s)
IR(Nujol) : 1696 cm−1
【0088】
(2)亜鉛粉末0.36g(5.5mmol)、トリフェニルホスフィン1.5g(5.7mmol)と四臭化炭素1.8g(5.4mmol)をジクロロメタン(30ml)に加え、室温で12時間撹拌した。そして、実施例6の(1)で調整した化合物0.55g(1.9mmol)とピリジン0.44g(5.6mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。希塩酸で中和し、有機層を分離、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、5−(2,2−ジブロモビニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.72g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 4.08(3H, s), 7.10(1H, d, J=6.0Hz), 7.22(1H,d, J=9.3Hz), 7.27(1H, s), 8.84(1H, s)
【0089】
(3)実施例6の(2)で調整した化合物0.72g(1.6mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、DBU 0.27g(1.8mmol)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、5−ブロモエチニル−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.44g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ3.93(3H, s), 4.12(3H, s), 7.12(1H, d, J=6.2Hz), 7.26(1H,d, J=8.5Hz), 8.78(1H, s)
【0090】
(4)実施例6の(3)で調整した化合物0.45g(1.2mmol)をTHF(25ml)に溶解し、−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液、0.85ml,1.3mmol)を滴下し、同温度で1時間撹拌した。そして、希塩酸で中和し、室温に戻し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物にヘキサンを加え析出晶をろ取、乾燥して、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(0.32g)を得た。
m.p.:151−153℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.46(1H, s), 3.92(3H, s), 4.14(3H. s), 7.11(1H, d, J=6.0Hz), 7.25(1H, d, J=8.8Hz), 8.80(1H, s)
IR(Nujol) : 3258 cm−1
【0091】
実施例7
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(D−3)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.6g(3.5mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニルボロン酸0.82g(3.5mmol)、炭酸水素ナトリウム0.9g(10.7mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.15g(0.2mmol)を1,2−ジメトキシエタン(15ml)と水(3ml)に加え、60℃で1.5時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、1,2−ジメトキシエタンを留去し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン (0.85g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.38(6H, d, J=6.1Hz), 4.17(3H, s), 4.55(1H, m), 7.13(1H,d, J=6.3Hz), 7.18(1H, d, J=9.3Hz), 8.93(1H, s), 10.23(1H, s)
【0092】
(2)亜鉛粉末0.34g(5.2mmol)、トリフェニルホスフィン1.4g(5.2mmol)と四臭化炭素1.7g(5.2mmol)をジクロロメタン(30ml)に加え、室温で12時間撹拌した。そして、実施例7の(1)で調整した化合物0.85g(2.6mmol)とピリジン0.21g(2.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。希塩酸で中和し、有機層を分離、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、5−(2,2−ジブロモビニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.8g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.39(6H, d, J=5.9Hz), 4.08(3H, s), 4.55(1H, m), 7.11(1H,d, J=6.5Hz), 7.21(1H, d, J=9.4Hz), 7.28(1H, s), 8.83(1H, s)
【0093】
(3)実施例7の(2)で調整した化合物0.8g(1.7mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、DBU 0.38g(2.5mmol)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物を酢酸エチルに溶かし、水洗、乾燥して、5−ブロモエチニル−4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.55g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.39(6H, d, J=5.9Hz), 4.11(3H, s), 4.53(1H, m), 7.14(1H,d, J=6.4Hz), 7.25(1H, d, J=8.5Hz), 8.77(1H, s)
【0094】
(4)実施例7の(3)で調整した化合物0.55g(1.4mmol)をTHF(10ml)に溶解し、−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液、1.0ml, 1.6mmol)を滴下し、同温度で30分撹拌した。そして、希塩酸で中和し、室温に戻し、THFを留去、酢酸エチルで抽出、乾燥後、シリカゲル層にてろ過して、溶媒を留去して、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(0.3g)の油状物を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ1.38(6H, d, J=6.1Hz), 3.46(1H, s), 4.13(3H, s), 4.52(1H,m), 7.13(1H, d, J=6.3Hz), 7.23(1H, d, J=9.2Hz), 8.80(1H, s)
【0095】
実施例8
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(D−4)
(1)4−クロロ−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン0.8g(4.6mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸0.87g(5.5mmol)、炭酸水素ナトリウム1.2g(14.3mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.19g(0.3mmol)を1,2−ジメトキシエタン(20ml)と水(4ml)に加え、1時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、1,2−ジメトキシエタンを留去し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により単離精製を行い、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−ホルミル−6−メトキシピリミジン(0.80g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ4.18(3H, s), 6.70−6.80(1H, m), 6.95−7.10(1H, m), 7.50−7.70(1H, s), 8.93(1H, s), 10.26(1H, s)
【0096】
(2)亜鉛粉末0.52g(8.0mmol)、トリフェニルホスフィン2.1g(8.0mmol)と四臭化炭素2.6g(8.0mmol)をジクロロメタン(40ml)に加え、室温で6時間撹拌した。そして、実施例8の(1)で調整した化合物0.5g(2mmol)とピリジン0.31g(3.9mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により単離精製を行い、5−(2,2−ジブロモビニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.5g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ4.08(3H, s), 6.80−6.90(1H, m), 7.00−7.10(1H, m), 7.27(1H, d, J=2.6Hz), 7.50−7.60(1H, m), 8.83(1H, s)
【0097】
(3)実施例8の(2)で調整した化合物0.3g(0.74mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、DBU 0.15g(1.0mmol)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物に水を加え析出晶をろ取し、ヘキサンで洗浄して、5−ブロモエチニル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−メトキシピリミジン (0.16g)の結晶を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ4.11(3H, s), 6.90−7.05(2H,m), 7.50−7.60(1H,m), 8.77(1H, s)
【0098】
(4)実施例8の(3)で調整した化合物0.16g(0.5mmol)をTHF(10ml)に溶解し、−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液、0.5ml, 0.8mmol)を滴下し、同温度で1時間撹拌した。そして、希塩酸で中和し、室温に戻し、THFを留去、析出晶をろ取、乾燥して、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン(0.08g)の結晶を得た。
m.p.:108−110℃
1H−NMR(CDCl3) δ3.44(1H, s), 4.14(3H, s), 6.90−7.10(2H,m), 7.50−7.60(1H,m), 8.79(1H, s)
【0099】
実施例9
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(D−5)
実施例5の(4)で調整した化合物0.14g(0.92mmol)、炭酸水素ナトリウム0.24g(2.86mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.03g(0.04mmol)を1,2−ジメトキシエタン(5ml)と水(1ml)に加え、80℃で4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸0.22g(1.08mmol)を加え同温度で4時間、さらに、40℃で12時間撹拌した。冷却後、反応液を希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:1)により単離精製を行い、4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン(0.8g)を得た。
m.p.:143−145℃
1H−NMR(CDCl3) δ2.76(3H, s), 3.54(1H, s), 3.93(3H, s), 7.10(1H, d, J=6.1Hz), 7.25(1H, d, J=8.9Hz), 9.09(1H, s)
IR(Nujol) : 3265 cm−1
【0100】
下記表に実施例1から実施例9で得られた化合物を示す。
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
製剤例1 水和剤
化合物番号D−2 10質量%
トゥイーンZO登録商標 20質量%
ホワイトカーボン 40質量%
クレイ 30質量%
を混合粉砕してなる水和剤(水に適宜希釈して使用)
【0103】
製剤例2 水和剤
化合物番号D−3 80質量%
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2質量%
ナフタレンスルホン酸ソーダ 3質量%
クレイ 15質量%
を混合粉砕してなる水和剤(水に適宜希釈して使用)
【0104】
製剤例3 水和剤
化合物番号D−5 5質量%
ポリオキシエチレングリコールノニル
フェニルエーテル
(ノニポール85登録商標) 3質量%
リグニンスルホン酸ソーダ 5質量%
クレイ 87質量%
を混合粉砕してなる水和剤(水に適宜希釈して使用)
【0105】
製剤例4 乳剤
化合物番号D−2 2質量%
キシレン 75質量%
ジメチルホルムアミド 18質量%
ポリオキシエチレングリコールノニル
フェニルエーテル
(ノニポール85登録商標) 5質量%
を混合粉砕してなる乳剤(水に適宜希釈して使用)
【0106】
製剤例5 フロアブル
化合物番号D−3 2質量%
ポリオキシエチレンアリルフェニル
エーテルホルムアミド縮合物
(ニュウカルゴンE−300登録商標) 3質量%
ポリオキシエチレンフェニルフェノール
エーテル硫酸塩
(アグリゾールFL−2017登録商標) 2質量%
ポリオール系特殊高分子(アグリゾール
FL−104FA登録商標) 15質量%
ホワイトカーボン 2質量%
エチレングリコール 10質量%
水 66質量%
を混合し、湿式粉砕して懸濁状としたフロアブル。(水に適宜希釈して使用)
【0107】
試験例1 畑地除草効果試験(出芽後処理)
供試植物の栽培方法
直径10cmのジフィーポットに畑地土壌を 300g つめた後、蒸気滅菌する。このポットにイチビ、アオゲイトウ、トウモロコシ、ダイズの種子を土壌表面にまき、雑草は0.5cm、作物は1cmの覆土後栽培し、所定の発育ステージに達したときに供試した。
検液の調整および処理方法
検体の所定量を Tween20 を含むアセトンに溶解し、純水で希釈し、10g/a と1g/a 用の検液をそれぞれ調整した。この検液をスプレーガンを用いて散布装置内のポットに散布した。
効果、薬害の表示方法
最終調査は、処理2週間後に行い各雑草、植物に対する効果、薬害を0〜5の6段階で評価した。試験結果は下記表に示した。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
【表5】
【0111】
【発明の効果】
本発明の化合物またはその塩は、低薬量で広範囲の雑草、例えば、水田雑草、畑地雑草等に対して優れた除草作用を有する。しかも、栽培植物、例えば、稲、小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、綿等に対して薬害が少なく、優れた選択的除草効果を示す。また、選択的除草効果は長時間持続する。哺乳動物や魚介類に対して低毒性で、環境を汚染することなく、水田、畑、果樹園あるいは非農耕地用等の除草剤として極めて安全に使用することができる。さらに、本発明の化合物またはその塩は、除草剤として製剤化しやすい。
Claims (6)
- 一般式(I);
R2は、置換されていてもよいC2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基を表わし、
Arは一般式(1)
R4は(1)ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ基、(4)カルバモイル基、(5)チオカルバモイル基、(6)ヒドロキシC1−4アルキル基、(7)C1−4ハロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、(9)C2−7アルコキシカルボニル基、(10)C3−7アルケニルオキシカルボニル基、(11)C3−7アルキニルオキシカルボニル基、(12)C1−6アルコキシ基、(13)C2−6アルケニルオキシ基、(14)C2−6アルキニルオキシ基、(15)置換されていてもよいC7−12アラルキルオキシ基を表わし、
R5は水素原子;シアノ基;C1−6アルキル基;C3−6シクロアルキル基;水酸基;メルカプト基;C1−6アルコキシ基;C1−6アルコキシ−C1−4アルコキシ基;C3−6シクロアルキルオキシ基;C1−6ハロアルコキシ基;C2−6アルケニルオキシ基;C2−6ハロアルケニルオキシ基;C2−6アルキニルオキシ基;C6−10アリールオキシ基;C7−12アラルキルオキシ基;C1−6アルキルチオ基;C1−6アルコキシ−C1−4アルキルチオ基;C3−6シクロアルキルチオ基;C1−6ハロアルキルチオ基;C2−6アルケニルチオ基;C2−6ハロアルケニルチオ基;C2−6アルキニルチオ基;C6−10アリールチオ基;C7−12アラルキルチオ基;C1−6アルキルスルホニル基;C3−6シクロアルキルスルホニル基;C1−6ハロアルキルスルホニル基;C2−6アルケニルスルホニル基;C2−6ハロアルケニルスルホニル基;C2−6アルキニルスルホニル基;酸素原子、イオウ原子および窒素原子を1ないし2個含有していてもよい環状アミノ基;あるいは一般式(i)
R11は水素原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R12は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基、C7−12アラルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C2−6アルケニルオキシ−C1−4アルキル基、C2−6アルキニルオキシ−C1−4アルキル基、C3−6シクロアルコキシ−C1−4アルキル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C4−7シクロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C2−7ハロアルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基またはC8−13アラルキルオキシカルボニル−C1−4アルキル基を表わし、
R13は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−7アルカノイル基、C7−11アリールカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル基、C2−7ハロアルコキシカルボニル基またはC3−7ハロアルケニルオキシカルボニル基を表わし、
R14は水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R15、R16はそれぞれ独立であって、水素原子;C1−6アルキル基;C2−6アルケニル基;C2−6アルキニル基;C3−6シクロアルキル基;C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基;C7−12アラルキル基;窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択される1ないし2個の原子を含有する5〜6員の複素環で置換されたC1−4アルキル基;C1−7アルカノイル基;C7−11アリールカルボニル基;C2−7ハロアルキルカルボニル基;C2−7アルコキシカルボニル基;C3−7アルケニルオキシカルボニル基;C3−7アルキニルオキシカルボニル基;C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基;C2−7ハロアルコキシカルボニル基;C1−6アルキルスルホニル基;C2−6アルケニルスルホニル基;C2−6ハロアルケニルスルホニル基;C2−6アルキニルスルホニル基;C3−6シクロアルキルスルホニル基;C1−6ハロアルキルスルホニル基;C6−10アリールスルホニル基;C7−12アラルキルスルホニル基;または、一般式(ii)
で表わされる基を表し、
R6は水素原子またはC1−6アルキル基、mは0または1を表わし、
R7は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−7アルカノイル基、C7−11アリールカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル基、C3−7アルキニルオキシカルボニル基、C4−7シクロアルキルオキシカルボニル基、C2−7アルコキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7アルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基、C3−7ハロアルケニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基またはC3−7アルキニルオキシカルボニル−C1−4アルキル基を表わし、
R8は水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6ハロアルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基、C2−6アルキニルチオ基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ−C1−4アルキル基、C1−6アルキルチオC1−4アルキル基またはC1−6アルキルスルホニル−C1−4アルキル基を表わし、
R9は水素原子またはC1−6アルキル基を表わし、
R10はC1−6アルキル基を表わし、
Zは酸素原子またはイオウ原子を表わす。}
で表わされる基の1つである。]
で示されるピリミジン誘導体またはその塩。 - 式(Ar−1)で示される基が、式(Ar−1a);
R4’はハロゲン原子を表し、
R5’は、水酸基、メルカプト基、−OX1、−SX1または−OCH(X2)COOX1(式中、X1は、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基またはC7−12アラルキル基を表し、X2は、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基またはC2−6アルキニル基を表す。)を表す。}
で示される基である請求項3に記載のピリミジン誘導体またはその塩。 - 4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−6−メトキシ−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−トリフルオロメチル−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−6−ジフルオロメチル−5−ビニルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−イソプロポキシフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチニル−6−メトキシピリミジン、
4−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−エチニル−6−メチルピリミジン。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のピリミジン誘導体またはその塩を含有することを特徴とする除草剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002280721A JP2004115431A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 5−ビニル及び5−エチニルピリミジン誘導体及びそれを含有する除草剤 |
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