JP4462841B2 - 5又は6員複素環を有するニコチンアミド誘導体 - Google Patents

5又は6員複素環を有するニコチンアミド誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、5又は6員複素環を有するニコチンアミド誘導体又はその塩、並びに当該5及又は6員複素環を有するニコチンアミド誘導体を有効成分として含有する農薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、5員複素環を有するニコチンアミド誘導体として、例えば、特許文献1に、複素環基がチアゾール−2−イル基又は1,3,4−チアジアゾール−2−イル基である化合物、及びそれらを有効成分として含有する有害動物防除剤が記載されている。しかし、これらの化合物以外の複素環を有するニコチンアミド誘導体は知られていなかった。また、特許文献1に記載されているニコチンアミド誘導体の殺虫活性は必ずしも十分なものではなかった。
【0003】
近年、市販殺虫剤の中には、残留、蓄積、環境汚染等の問題から使用が制限されるものがある。また、同じ殺虫剤を長期間使用することにより、抵抗性害虫の発生が問題となってきている。そのため、市販殺虫剤とは作用が異なると考えられる、新規な分子構造を有する殺虫剤の開発が望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−195072号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような技術背景の下になされたものであり、殺虫活性を示す新規な化合物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ニコチンアミド誘導体について鋭意研究を重ねた結果、6員複素環、又はチアゾールやチアジアゾール以外の5員複素環を有するニコチンアミド誘導体に、種々の有害昆虫に対し、極めて優れた殺虫活性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、下記の一般式(I)
【0008】
【化2】
Figure 0004462841
[式中、Qは、ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピラジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピラジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基を表し、Rは、水素原子、C−Cアルキルカルボニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、又は置換されてもよいニコチノイル基(当該置換基はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、又はC−Cアルコキシ基である。)を表し、置換基群Aは、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、C−Cアルコキシカルボニル基、及び置換されてもよいフェニル基(当該置換基はハロゲン原子、C−Cアルキル基、又はC−Cアルコキシ基である。)からなる置換基群である。]で表されるニコチンアミド誘導体又はその塩である。
【0009】
また、本発明は、上記のニコチンアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する農薬組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明において、「ハロゲン原子」とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好適には、フッ素原子、塩素原子である。
【0012】
本発明において、「C−Cアルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−メチルブチル、1−メチルペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチルのような、炭素数が1乃至6個である直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、好適には炭素数が1乃至4個である直鎖又は分岐鎖アルキル基(C−Cアルキル基)であり、より好適には、炭素数が1乃至3個である直鎖又は分岐鎖アルキル基(C−Cアルキル基)であり、更により好適には、炭素数が1又は2個であるアルキル基(C−Cアルキル基)であり、特に好適にはメチル基である。
【0013】
本発明において、「C−Cアルコシキ基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、1−メチルペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、2−エチルブトキシのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基であり、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐鎖アルコキシ基(C−Cアルコキシ基)であり、より好適には、炭素数1又は2個のアルコキシ基(C−Cアルコキシ基)である。
【0014】
本発明において、「C−Cハロアルキル基」とは、例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロイソプロピル基のような、同一又は異なった前記「ハロゲン原子」が置換した前記「C−Cアルキル基」であり、好適には、同一又は異なった前記「ハロゲン原子」が置換した前記「C−Cアルキル基」であり、より好適には、トリフルオロメチル基である。
【0015】
本発明において、「C−CアルコキシC−Cアルキル基」とは、例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、メトキシペンチル、メトキシヘキシル、エトキシメチル、プロピルオキシメチル、ブトキシメチル、tert−ブトキシメチルのような、1個の前記「C−Cアルコキシ基」が置換した前記「C−Cアルキル基」であり、好適には、1個の前記「C−Cアルコキシ基」が置換した前記「C−Cアルキル基」であり、より好適には、1個の前記「C−Cアルコキシ基」が置換した前記「C−Cアルキル基」であり、更により好適には、メトキシメチル基、エトキシメチル基である。
【0016】
本発明において、「C−Cアルキルカルボニル基」とは、例えば、アセチル、プロピオニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、2,2−ジメチル−1−プロピルカルボニル、ヘキシルカルボニル、ヘプチルカルボニルのような、炭素数が1乃至7個である直鎖又は分岐鎖のアルキル基が結合したカルボニル基であり、好適には、炭素数が1乃至5個である直鎖又は分岐鎖のアルキル基が結合したカルボニル基(C−Cアルキルカルボニル基)であり、より好適には、炭素数が1乃至3個である直鎖又は分岐鎖のアルキル基が結合したカルボニル基(C−Cアルキルカルボニル基)であり、さらに好適には、プロピオニル基である。
【0017】
本発明において、「C−Cアルコキシカルボニル基」とは、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、シクロブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプトキシカルボニル基のような、炭素数が1乃至7個である直鎖又は分岐鎖アルコキシ基が結合したカルボニル基(C−Cアルコキシカルボニル基)であり、好適には、炭素数が1乃至4個である直鎖又は分岐鎖アルコキシ基が結合したカルボニル基(C−Cアルコキシカルボニル基)であり、より好適には、炭素数が1又は2個であるアルコキシ基が結合したカルボニル基(C−Cアルコキシカルボニル基)であり、さらに好適には、メトキシカルボニル基である。
【0018】
本発明において、「置換されてもよいフェニル基」とは、前記「C−Cアルキル基」、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルコキシ基」などによって置換されてもよいフェニル基であり、好適には、前記「C−Cアルキル基」、塩素原子、前記「C−Cアルコキシ基」などによって置換されてもよいフェニル基であり、より好適には、フェニル基である。
【0019】
本発明において、「置換されてもよいニコチノイル基」とは、例えば、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、ハロゲン原子、前記「C−Cアルコキシ基」などによって置換されてもよいニコチノイル基であり、好適には、前記「C−Cアルキル基」、塩素原子、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」などによって置換されてもよいフェニル基であり、より好適には、4−トリフルオロメチルニコチノイル基である。
【0020】
本発明において、「置換されたピリジン−2−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピリジン−2−イルであり、好適には、3−メチルピリジン−2−イル、4−メチルピリジン−2−イル、5−メチルピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−2−イル、3−エチルピリジン−2−イル、4−エチルピリジン−2−イル、5−エチルピリジン−2−イル、6−エチルピリジン−2−イル、3−クロロピリジン−2−イル、4−クロロピリジン−2−イル、5−クロロピリジン−2−イル、6−クロロピリジン−2−イル、4,6−ジメチルピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イルであり、より好適には、6−メチルピリジン−2−イルである。
【0021】
本発明において、「置換されたピリジン−3−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピリジン−3−イルであり、好適には、2−メチルピリジン−3−イル、4−メチルピリジン−3−イル、5−メチルピリジン−3−イル、6−メチルピリジン−3−イル、2−エチルピリジン−3−イル、4−エチルピリジン−3−イル、5−エチルピリジン−3−イル、6−エチルピリジン−3−イル、2−クロロピリジン−3−イル、4−クロロルピリジン−3−イル、5−クロロピリジン−3−イル、6−クロロピリジン−3−イル、2,4−ジメチルピリジン−3−イル、2,5−ジクロロピリジン−3−イルである。
【0022】
本発明において、「置換されたピリジン−4−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピリジン−4−イルであり、好適には、2−メチルピリジン−4−イル、3−メチルピリジン−4−イル、2−エチルピリジン−4−イル、3−エチルピリジン−4−イル、2−クロロピリジン−4−イル、3−クロロルピリジン−4−イル、2,6−ジメチルピリジン−4−イル、2,6−ジクロロピリジン−4−イルである。
【0023】
本発明において、「置換されたピリミジン−2−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピリミジン−2−イルであり、好適には、3−メチルピリミジン−2−イル、4−メチルピリミジン−2−イル、5−メチルピリミジン−2−イル、6−メチルピリミジン−2−イル、3−エチルピリミジン−2−イル、4−エチルピリミジン−2−イル、5−エチルピリミジン−2−イル、6−エチルピリミジン−2−イル、3−クロロピリミジン−2−イル、4−クロロピリミジン−2−イル、5−クロロピリミジン−2−イル、6−クロロピリミジン−2−イル、4,6−ジメチルピリミジン−2−イル、4−メトキシピリミジン−2−イル、4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルである。
【0024】
本発明において、「置換されたピリダジン−3−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピリダジン−3−イルであり、好適には、4−メチルピリダジン−3−イル、5−メチルピリダジン−3−イル、6−メチルピリダジン−3−イル、4−エチルピリダジン−3−イル、5−エチルピリダジン−3−イル、6−エチルピリダジン−3−イル、4−クロロピリダジン−3−イル、5−クロロピリダジン−3−イル、6−クロロピリダジン−3−イル、4,5−ジクロロピリダジン−3−イル、6−メトキシピリダジン−3−イルである。
【0025】
本発明において、「置換されたピラジン−2−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピラジン−2−イルであり、好適には、3−メチルピラジン−2−イル、5−メチルピラジン−2−イル、6−メチルピラジン−2−イル、3−エチルピラジン−2−イル、5−エチルピラジン−2−イル、6−エチルピラジン−2−イル、3−クロロピラジン−2−イル、5−クロロピラジン−2−イル、6−クロロピラジン−2−イル、3,5−ジメチルピラジン−2−イル、5,6−ジメチルピラジン−2−イル、3−メトキシピラジン−2−イル、5−メトキシピラジン−2−イル、6−メトキシピラジン−2−イルである。
【0026】
本発明において、「置換されたイソオキサゾール−4−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イルであり、好適には、3−メチルイソオキサゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−4−イル、3−エチルイソオキサゾール−4−イル、5−エチルイソオキサゾール−4−イル、3−クロロイソオキサゾール−4−イル、5−クロロイソオキサゾール−4−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、3−メトキシイソオキサゾール−4−イル、5−メトキシイソオキサゾール−4−イルであり、より好適には、3−メチルイソオキサゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−4−イルである。
【0027】
本発明において、「置換されたピラゾール−4−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピラゾール−4−イルであり、好適には、1−メチルピラゾール−4−イル、3−メチルピラゾール−4−イル、5−メチルピラゾール−4−イル、1−エチルピラゾール−4−イル、3−エチルピラゾール−4−イル、5−エチルピラゾール−4−イル、1−クロロピラゾール−4−イル、3−クロロピラゾール−4−イル、5−クロロピラゾール−4−イル、1,3−ジメチルピラゾール−4−イル、1,5−ジメチルピラゾール−4−イル、1−メトキシカルボニルピラゾール−4−イル、1−エトキシカルボニルピラゾール−4−イル、1−tert−ブトキシカルボニルピラゾール−4−イル、1−メトキシメチルピラゾール−4−イル、1−エトキシメチルピラゾール−4−イル、1−メチル−3−トリフルオロピラゾール−4−イルであり、より好適には、1−メチルピラゾール−4−イル、1−tert−ブトキシカルボニルピラゾール−4−イル、1−メトキシメチルピラゾール−4−イル、1−メチル−3−トリフルオロピラゾール−4−イルである。
【0028】
本発明において、「置換されたピロール−3−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換されたピロール−3−イルであり、好適には、1−メチルピロール−3−イル、2−メチルピロール−3−イル、4−メチルピロール−3−イル、5−メチルピロール−3−イル、1−エチルピロール−3−イル、2−エチルピロール−3−イル、4−エチルピロール−3−イル、5−エチルピロール−3−イル、2−クロロピロール−3−イル、4−クロロピロール−3−イル、5−クロロピロール−3−イル、1,4−ジメチルピロール−3−イル、1−メトキシメチルピロール−3−イルである。
【0029】
本発明において、「置換された1,3−オキサゾール−5−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換された1,3−オキサゾール−5−イルであり、好適には、2−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル、4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル、2−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル、4−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル、2−クロロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4−クロロ−1,3−オキサゾール−5−イル、2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−イル、4−フェニル−1,3−オキサゾール−5−イルであり、より好適には、4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル、4−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル、2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−イル、4−フェニル−1,3−オキサゾール−5−イルである。
【0030】
本発明において、「置換された1,3−オキサゾール−4−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換された1,3−オキサゾール−4−イルであり、好適には、2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル、5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル、2−エチル−1,3−オキサゾール−4−イル、5−エチル−1,3−オキサゾール−4−イル、2−クロロ−1,3−オキサゾール−4−イル、5−クロロ−1,3−オキサゾール−4−イル、2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−イルであり、より好適には、5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イルである。
【0031】
本発明において、「置換された1H−インドール−3−イル基」とは、前記「ハロゲン原子」、前記「C−Cアルキル基」、前記「C−Cハロアルキル基」、前記「C−Cアルコキシ基」、前記「C−CアルコキシC−Cアルキル基」、前記「C−Cアルコキシカルボニル基」、及び前記「置換されてもよいフェニル基」からなる群より選ばれる1又は2個の置換基で置換された1H−インドール−3−イルであり、好適には、1−メチル−1H−インドール−3−イル、2−メチル−1H−インドール−3−イル、4−メチル−1H−インドール−3−イル、5−メチル−1H−インドール−3−イル、6−メチル−1H−インドール−3−イル、7−メチル−1H−インドール−3−イル、1−エチル−1H−インドール−3−イル、2−エチル−1H−インドール−3−イル、4−エチル−1H−インドール−3−イル、5−エチル−1H−インドール−3−イル、6−エチル−1H−インドール−3−イル、7−エチル−1H−インドール−3−イル、1−クロロ−1H−インドール−3−イル、2−クロロ−1H−インドール−3−イル、4−クロロ−1H−インドール−3−イル、5−クロロ−1H−インドール−3−イル、6−クロロ−1H−インドール−3−イル、7−クロロ−1H−インドール−3−イル、1,7−ジメチル−1H−インドール−3−イル、1,2−ジメチル−1H−インドール−3−イル、6,7−ジクロロ−1H−インドール−3−イル、4,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イルである。
【0032】
本発明の化合物(I)は、酸性物質又は塩基性物質とともに塩を形成してもよく、例えば、分子中に解離性のプロトンがある場合には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩にすることができ、又、酸性物質との塩としては、例えば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような塩にすることができる。それらの塩は、殺虫組成物などの農薬組成物として使用できるかぎり、本発明に包含される。
【0033】
本発明において、「アルカリ金属塩」とは、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩が挙げられ、好適には、ナトリウム塩又はカリウム塩である。
【0034】
本発明において、「アルカリ土類金属塩」とは、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられ、好適には、カルシウム塩である。
【0035】
本発明化合物の水和物も、本発明に包含されるものである。
(1)一般式(I)において、Qは、好適には、ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピラジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基であり、より好適には、ピリジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基であり、更により好適には、ピリジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、若しくは1,3−オキサゾール−4−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、若しくは1,3−オキサゾール−4−イル基である。
(2)一般式(I)において、Rは、好適には、水素原子、C−Cアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、C−Cアルキルカルボニル基であり、より好適には水素原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基である。
(3)置換基群Aは、好適には、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、及びC−Cアルコキシカルボニル基からなる置換基群であり、より好適には、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、及びC−Cアルコキシカルボニル基からなる置換基群であり、更により好適には、塩素原子、メチル基、及びエチル基からなる置換基群である。
【0036】
一般式(I)で表されるニコチンアミド誘導体は、好適には、
(a1)Qが、ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピラジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基であり、
(a2)R1が、水素原子、C−Cアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、C−Cアルキルカルボニル基であり、
(a3)置換基群Aが、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、及びC−Cアルコキシカルボニル基からなる置換基群であり、
より好適には、
(b1)Qが、ピリジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピロール−3−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、1,3−オキサゾール−4−イル基、若しくは1H−インドール−3−イル基であり、
(b2)R1が、水素原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基であり、
(b3)置換基群Aが、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、及びC−Cアルコキシカルボニル基からなる置換基群であり、
更により好適には、
(c1)Qが、ピリジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、若しくは1,3−オキサゾール−4−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、若しくは1,3−オキサゾール−4−イル基であり、
(c2)R1が、水素原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基であり、
(c3)置換基群Aが、塩素原子、メチル基、及びエチル基からなる置換基群であり、
最も好適には、
(d)N−(ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(イソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(3−メチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(5−メチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(4−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、又はN−(5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミドである。
【0037】
本発明の代表的化合物を下記の表に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0038】
以下、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「tBu」はtert−ブチル基を、「Ph」はフェニル基を、「Bn」はベンジル基を、「CO(4-CF3-2-Py)」は4−(トリフルオロメチル)ニコチノイル基をそれぞれ示す。
【0039】
【化3】
Figure 0004462841
【0040】
【表1】
Figure 0004462841
【0041】
【表2】
Figure 0004462841
【0042】
【表3】
Figure 0004462841
上記の例示化合物中、好適な化合物は、化合物番号1、化合物番号5、化合物番号24、化合物番号34、化合物番号35、化合物番号38、化合物番号43、化合物番号46、化合物番号47、化合物番号50、化合物番号58、化合物番号59、化合物番号60、化合物番号68、化合物番号73、化合物番号74、化合物番号75、化合物番号78、化合物番号81、化合物番号83、化合物番号84、化合物番号86、化合物番号89、化合物番号91であり、より好適な化合物は、化合物番号1、化合物番号5、化合物番号24、化合物番号34、化合物番号35、化合物番号38、化合物番号43、化合物番号58、化合物番号59、化合物番号60、化合物番号68、化合物番号75、化合物番号78、化合物番号81、化合物番号83、化合物番号84、化合物番号86、化合物番号89であり、さらにより好適な化合物は、化合物番号1、化合物番号34、化合物番号35、化合物番号38、化合物番号43、化合物番号58、化合物番号59、化合物番号60、化合物番号83、化合物番号84、化合物番号86である。
【0043】
本発明の5又は6員複素環を有するニコチンアミド誘導体は、以下に記載する工程よって製造することができる。
【0044】
【化4】
Figure 0004462841
工程1は、塩基及び溶媒存在下、一般式(II)で表される4−(トリフルオロメチル)ニコチン酸ハライド(化合物(II))と、一般式(III)で表される化合物(化合物(III))を反応させ、一般式(Ia)で表される本発明化合物(化合物(Ia))を製造する工程である。
【0045】
上式中、R及びQは前記と同意義を示し、Xはハロゲン原子を示す。
【0046】
使用される塩基としては、通常pH8以上を示す塩基であれば特に限定はなく、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムのようなアルカリ金属の炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属の重炭酸塩類;水素化ナトリウム及び水素化カリウムのような金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert-ブトキシドのような金属アルコキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン及びピリジンのような有機塩基類;又は、メチルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、リチウムジイソプロピルアミド等有機金属類等が挙げられ、好適には、アルカリ金属の炭酸塩類、アルカリ金属の重炭酸塩類、金属水素化物、金属アルコキシド或いは有機塩基類であり、より好適には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ピリジン、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド又はトリエチルアミンである。
【0047】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びジオキサンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン及クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類;ジメチルスルホキシド及びスルホランのようなスルホキシド類;塩化メチレン及びクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル及びプロピオン酸エチルのようなエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ピリジン及びピコリンのようなピリジン類;又は、これらの混合溶媒であり得、好適には、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、脂肪族炭化水素類又は芳香族炭化水素類であり、より好適には、テトラヒドロフラン、酢酸エチル又はトルエンである。また、本工程は、上記非水溶性溶媒と水を用いて、2層系の反応を行ってもよい。
【0048】
用いられる溶媒の量は、化合物(II)1molに対し、通常、1.0〜20リットルであり、好適には、1.0〜10リットルである。
【0049】
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒等により異なるが、通常、−40℃〜反応系における還流温度であり、好適には、0〜100℃である。
【0050】
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度等により異なるが、通常、6分間〜48時間であり、好適には、10分間〜24時間である。
【0051】
本工程に使用される化合物(II)は既知の方法によって製造される。例えば、Xが塩素原子である化合物(II)は、欧州特許出願公開第185256号明細書の記載に従って製造できる。
【0052】
本工程に使用される化合物(III)は、市販品であるか、既知の方法によって製造される。例えば、Qが置換されてもよいイソオキサゾール−4−イル基である化合物(III)は、J. Pharm. Sci., 1994, 83, 1457-1460、Gazz.Chim.Ital., 1941, 71, 327,336、Gazz.Chim.Ital., 1942, 72, 399,410、Gazz.Chim.Ital., 1946, 76, 123,129、Tetrahedron, 1961, 51, 52,55、J. Org. Chem., 1987, 52, 2714-2726、又はHelv. Chim. Acta., 1989, 72, 556-569の記載に従って製造でき、Qが置換されてもよいピラゾール−4−イル基である化合物(III)は、Tetrahedron, 1997, 53, 8585-8598、J. Heterocycl. Chem., 1985, 22, 997-1000、又はJ.Chem. Soc. Perkin Trans.2, 1989, 1941-1946の記載に従って製造でき、Qが置換されてもよい1,3−オキサゾール−5−イル基である化合物(III)は、米国特許第3290326号明細書、又はJ. Heterocycl.Chem., 1987, 24, 1237-1241の記載に従って製造でき、Qが置換されてもよい1,3−オキサゾール−4−イル基である化合物(III)は、薬学雑誌、1971,91,436-442の記載に従って製造でき、Qが置換されてもよいピロール−3−イル基である化合物(III)は、J. Am. Chem. Soc., 1970, 92, 2929-2935、Org. Prep. Proced. Int., 1995, 27, 236-239、又はIndian J. Chem. Sect. B., 1980, 19, 767-769の記載に従って製造できる。
【0053】
工程2は、工程1により製造される化合物(Ia)のうちRがC-Cアルキルカルボニル基、C-Cアルコキシカルボニル基、又はベンジルオキシカルボニル基である化合物からこれらの基を除去し、Rが水素原子である本発明化合物(Ib)を製造する工程である。
【0054】
は、通常の、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物を用いる加水分解の条件にて除去することが可能である。
【0055】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール及びジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びジオキサンのようなエーテル類又は、これらの混合溶媒であり得、好適には、アルコール類、エーテル類と水との混合溶媒であり、より好適には、メタノール及びエタノールと水との混合溶媒である。
【0056】
用いられるアルカリ金属の水酸化物の量は、化合物(Ia)1molに対し、通常、1.0〜10molであり、好適には、1.0〜5molである。
【0057】
用いられる溶媒の量は、化合物(Ia)1molに対し、通常、1.0〜20リットルであり、好適には、1.0〜10リットルである。
【0058】
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒等により異なるが、通常、−40℃〜反応系における還流温度であり、好適には、0〜100℃である。
【0059】
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度等により異なるが、通常、6分間〜48時間であり、好適には、10分間〜24時間である。
【0060】
また、Rがベンジルオキシカルボニル基の場合は、パラジウム/炭素触媒存在下、水素ガスによる水素添加反応を行うことにより、その置換基を除去できる。
【0061】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール及びジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びジオキサンのようなエーテル類、酢酸エチル又は酢酸プロピルなどエステル類、これらの混合溶媒であり得、好適には、アルコール類、エーテル類又は、エステル類であり、より好適には、メタノール及びエタノール及び酢酸エチルである。
【0062】
用いられるパラジウム/炭素の量は、化合物(Ia)に対し、0.01〜200重量%であり、好適には、0.1〜50重量%である。
【0063】
用いられる溶媒の量は、化合物(Ia)1molに対し、通常、1.0〜20リットルであり、好適には、1.0〜10リットルである。
【0064】
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度等により異なるが、通常、6分間〜48時間であり、好適には、10分間〜24時間である。
【0065】
また、Rがtert-ブトキシカルボニル基の場合は、溶媒中、酸を作用させることにより除去することが可能である。
【0066】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びジオキサンのようなエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;又は、これらの混合溶媒であり得、好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、より好適には、塩化メチレン及びジクロロエタンである。
【0067】
使用される酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸類;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸類;トリフルオロ酢酸類等のハロゲン化酢酸類であり、好適には、鉱酸類;スルホン酸類、ハロゲン化酢酸類であり、より好適には塩酸、トリフルオロ酢酸である。
【0068】
用いられる溶媒の量は、化合物(Ia)1molに対し、通常、1.0〜20リットルであり、好適には、1.0〜10リットルである。
【0069】
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度等により異なるが、通常、6分間〜48時間であり、好適には、10分間〜24時間である。
【0070】
上記反応工程終了後、各工程の目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取することができる。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と混合しない有機溶媒を加え、水洗後、溶媒を溜去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば、再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって精製できる。又、各工程の目的化合物は、精製することなく、次ぎの反応に用いてもよい。
【0071】
本発明の化合物(I)は、上記のようなアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩ではなく、分子中に塩基性部分が存在する場合、溶媒存在下、酸を用いて塩にすることができる。
【0072】
本発明化合物を農薬組成物の有効成分として使用するに際しては、本発明化合物は、それ自体を用いてもよいが、農薬補助剤として製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤及びその他補助剤を配合して、例えば、乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、錠剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、油剤及び乳濁剤等の種々の形態に製剤することができる。これらの配合割合は、通常、有効成分0.1〜9.0質量部で農薬補助剤10〜99.9質量部である。
【0073】
前記製剤化に際して用いられる担体は、例えば、澱粉、活性炭、大豆紛、小麦粉、木紛、魚粉、粉乳等の動植物性粉末、及び、タルク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ等の鉱物性粉末のような固体担体;又は、水、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ケロシン、軽油等の脂肪族炭化水素類、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼンメチルナフタレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、脂肪酸のグリセリンエステル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類及びジメチルスルホキシド等の含硫化合物類のような液体担体であり得、好適には、固体担体又は液体担体である。
【0074】
用いられる界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル又はポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートであり得、好適には、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル又はポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートである。
【0075】
その他の補助剤は、例えば、カルボキシジメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、トラガントガム及びポリビニルアルコール等の固着剤又は増粘剤;金属石鹸等の消泡剤;又は、脂肪酸、アルキルリン酸塩、シリコーン及びパラフィン等の物性向上剤着色剤であり得、好適には、グアーガム又はキサンタンガムである。
【0076】
これら製剤は、実際の使用に際して、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。本発明化合物を含有する種々の製剤又はその希釈剤の施用は、通常一般的に行われている施用方法、即ち、散布(例えば、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散紛、散粒、水面施用、箱施用等)、土壌施用(例えば、混入、灌注等)、表面施用(例えば、塗布、紛衣、被覆等)、浸漬又は毒餌等であり得る。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生、生育を防除することも可能である。又いわゆる超高濃度少量散布法により施用することもできる。この方法においては、有効成分を100%含有することが可能である。
【0077】
本発明の農薬組成物施用時の有効成分濃度は、通常、0.1〜50000ppmであり、好適には、1〜10000ppmである。ただし、有効成分濃度は、製剤の形態及び施用する方法、目的、時期、場所及び有害生物の発生状況によって適当に変更でき、例えば、水生有害生物の場合、上記濃度の薬液を発生場所に散布しても防除できることから、水中での有効成分濃度は上記より小さくなる。
【0078】
本発明の農薬組成物の使用量は、土壌混和処理の場合、例えば、有効成分化合物として、10アール当たり、0.1〜5000gであり、好適には、1〜1000gである。
【0079】
尚、本発明化合物は単独でも十分有効であることはいうまでもないが、必要に応じて肥料及び他の農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、除草剤及び植物調整剤などと混用又は併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。
【0080】
本発明化合物と混用して使用できる他の農薬としては、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、除草剤及び植物調整剤であり得、好適には、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤又は除草剤である。
【0081】
用いられる殺虫剤は、例えば、有機リン及びカーバメート系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤又はその他の殺虫剤であり得る。
【0082】
有機リン及びカーバメート系殺虫剤は、例えば、フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、オキシデプホス、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラチオン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルホス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、ジオキサベンゾホス、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、ジスルホトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルジカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、フェノブカルブ、メトルカルブ、イソプロカルブ、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、ジクロフェンチオン、ピリミホスメチル、キナルホス、クロルピリホスメチル、プロチオホス、ナレッド、EPN、XMC、ベンダイオカルブ、オキサミル、アラニカルブ、フルピラゾホス、ホスホカルブ又はクロルエトキシホスであり得る。
【0083】
ピレスロイド系殺虫剤は、例えば、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロックス、シクロプロトリン、トラロメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、ビフェントリン又はアクリナトリンであり得る。
【0084】
その他の殺虫剤は、例えば、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、ルフェヌロン、シロマジン、メトプレン、エンドスルファン、ジアフェンチウロン、イミダクロプリド、フィプロニル、フェノキシカルブ、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、テブフェノジド、クロルフェナピル、エマメクチンベンゾエート、アセタミプリド、ニテンピラム、ピメトロジン、チアクロプリド、スピノサッド、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ジノテフラン、チアメトキサム、エチプロール、メトキシフェノジド、クロマノフェノジド、クロチアニジン、アセトプロール、ピリダリル、インドキサカルブ、スピロメシフェンオレイン酸ナトリウム、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、マシン油、なたね油、BT剤又は昆虫病原ウィルス等の微生物農薬であり得る。
【0085】
用いられる殺ダニ剤は、例えば、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、プロパルギット、ベンゾメート、ヘキシチアゾックス、フェンブタチンオキシド、ポリナクチン、キノメチオネート、クロルフェンソン、テトラジホン、アバメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル、エトキサゾール、ハルフェンプロックス、スピロジクロフェン又はフルアクリピリウムであり得る。
【0086】
用いられる殺線虫剤は、例えば、フェナミホス、ホスチアゼート、エトプロホス、メチルイソチオシアネート、1,3−ジクロロプロペン又はDCIPであり得る。
【0087】
用いられる殺菌剤は、例えば、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダゾール、チアベンダゾール、フォルベット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、ポリカーバメート、イプロベンホス、エジフェンフォス、フサライド、プロベナゾール、イソプロチオラン、クロロタロニル、キャプタン、ポリオキシン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ストレプトマイシン、バリダマイシン、トリシクラゾール、ピロキロン、フェナジンオキシド、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、イプロジオン、ヒメキサゾール、メタラキシル、トリフルミゾール、トリホリン、トリアジメホン、ビテルタノール、フェナリモル、プロピコナゾール、シモキサニル、ポロクロラズ、ペフラゾエート、ヘキサコナゾール、ミクロブタニル、ジクロメジン、テクロフタラム、プロピネブ、ジチアノン、ホセチル、ビンクロゾリン、プロシミドン、オキサジキシル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、フルアジナム、オキソリニック酸、ヒドロキシイソキサゾール、イミベンコナゾール、メパニピリム、ベンチアリカルブ、シルフェナミド、シアゾファミド、フェナミドン、フェノキサニル、メトラフェノン、ニコビフェン、ピコキシスロトビン、ピラクロストロビン、シメコナゾール又はゾキサミドであり得る。
【0088】
用いられる除草剤は、例えば、ジフルフェニカン、プロパニル、ジクロロピコリン酸、ジカンバ、ピコロラム、2,4−D、2,4−DB、2,4−DP、フルロキシピル、MCPA、MCPP、トリクロピル、ジクロホップ−メチル、フェノキサプロップ−エチル、フルアジホップ−ブチル、ハロキシホップ−メチル、キザロホップ−エチル、ノルフルラゾン、クロルブロファム、デスメジファム、フェンメジファム、プロファム、アラクロル、アセトクロル、ブタクロル、メタザクロル、メトラクロル、プレチラクロル、プロパクロル、オリザリン、トリフルラリン、アシフルオルフェン、ビフェノックス、フルオログリゴフェン、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェン、クロルトルロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロツロン、リヌロン、メタベンズチアズロン、アロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、セトキシジム、トラコキシジム、イマゼタピル、イマザメタベンズ、イマザピル、イマザキン、ブロモキシニル、ジクロベニル、イオキシニル、メフェナセット、アミドスルフロン、ベンスルフロン−メチル、クロリムロン−エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、ピリミスルフロン、ピラゾスルフロン−エチル、チフェンスルフロン−メチル、トリアスルフロン、トリベヌロン−メチル、ブチレート、シクロエート、ジーアレート、EPTC、エスプロカルプ、モリネート、プロスルホカルプ、ベンチオカルプ、トリアレート、アトラジン、シアナジン、シマジン、シメトリン、ターブトリン、ターブチラジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、アミトリアゾール、ベンフレセート、ベンタゾン、シンメチリン、クロマゾン、クロピラリド、ジフェンゾクアット、ジチオピル、エトフメセート、フルオロクロリドン、グルホシネート、グリホセート、イソキサベン、ピリデート、キンクロラック、キンメタック、スルホセート、トリジファン、カフェンスとロール、シハロホップ−ブチル、インダノファン、ベンゾビシクロン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、フルアゾレート、フルチアセット、ピラゾギル、ピリダホール、ピリフタリド、フルフェナセット又はフェントラザミドであり得る。
【0089】
本発明化合物は、例えば、半翅目害虫、鱗翅目害虫、鞘翅目害虫、双翅目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、シロアリ目害虫、アザミウマ目害虫、ハダニ類及び植物寄生性線虫類に対して優れた防除効果を示す。また、本発明化合物は、その他有害動物、不快動物、衛生害虫及び寄生虫に対しても優れた防除効果を示す。
【0090】
半翅目害虫として、例えば、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、メクラカメムシ類(Lygus sp.)、アメリカコバネナガカメムシ(Blissus leucpterus)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)等のカメムシ類(異翅類;Heteroptera)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ヒメヨコバイ(Empoasca sp., Erythroneura sp., Circulifer sp.)等のヨコバイ類、トビイロウンカ(Nilaparvatalugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)等のウンカ類、Psylla sp.等のキジラミ類、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、等のコナジラミ類、ブドウネアブラムシ(Viteusvitifolii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphisgossypii)、Aphis fabae、ニセダイコンアブラムシ(Liphis erysimi)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)等のアブラムシ類、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ルビーロウムシ(Ceroplastesrubens)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、ヤノエカイガラムシ(Unaspis yanoensis)等のカイガラムシ及びサシガメ(Rhodnius sp.)が挙げられる。
【0091】
鱗翅目害虫として、例えば、チャハマキ(Homona magnanima)、コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、コドリンガ(Laspeyresia pomonella)、Eucosma sp.、Lobesia botrana等のハマキガ類、ブドウホソハマキ(Eupoecillia ambiguella)、等のホソハマキガ類、Bambalina sp.等のミノガ類、コクガ(Nemapogon granellus)、イガ(Tineapellionella)等のヒロズコガ類、ギンモンハモグリガ(Lyonetiaprunifoliella)等のハモグリガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)、Prays citri等のスガ類、ブドウスカシバ(Nokona vegale)、Synanthedon sp.等のスカシバ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、Stomopteryx sp.等のキバガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、イラガ(Monema flavescens)等のイラガ類、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、Ostrinia nubilalis、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)ハチミツガ(Galleria mellonella)、Elasmopalpus lignosellus、Loxostege sticticalis等のメイガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、ヨモギエダシャク(Ascotisselenaria)等のシャクガ類、オビカレハ(Malacosoma neustria)等のカレハガ類、Manduca sexta等のスズメガ類、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、マイマイガ(Lymantria dispar)等のドクガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、タバコバッドワーム(Heliothis virescens)、ボールワーム(Helicoverpa zea)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)及びイラクサキンウワバ(Trichoplusia ni)等のヤガ類が挙げられる。
【0092】
鞘翅目害虫として、例えば、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、Eutheolarugiceps等のコガネムシ類、ワイヤーワーム(Agricotes sp.)、Conodeus sp.等のコメツキムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、インゲンテントウムシ(Epilachna varivestis)等のテントウムシ類、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)等のカミキリムシ類、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)等のマメゾウムシ類、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コーンルートワーム(Diabrotica sp.)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、Phaedon cochlearias、Oulema melanopus、Dicladispa armigera等のハムシ類、Apion godmani等のホソクチゾウムシ類、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)等のゾウムシ類、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)等のオサゾウムシ類、キクイムシ類、カツオブシムシ類及びシバンムシ類が挙げられる。
【0093】
双翅目害虫として、例えば、キリウジガガンボ(Tipula aino)、イネユスリカ(Chironomus oryzae)、イネシントメタマバエ(Orseolia oryzae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、イネミギワバエ(Hydrellia griseola)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、フリッツフライ(Oscinella frit)、イネカラバエ(Chlorops oryzae)、インゲンモグリバエ(Ophiomyia phaseoli)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、アカザモグリハナバエ(Pegomya hyoscyami)、タネバエ(Delia platura)、ソルガムフライ(Atherigona soccata)、イエバエ(Musca domestica)、ウマバエ(Gastrophilus sp.)、サシバエ(Stomoxys sp.)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、アカイエカ(Culex pipiens)、シナハマダラカ(Anopheles slnensis)及びコガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)が挙げられる。
【0094】
膜翅目害虫として、例えば、クキバチ類(Cephus sp.)、カタビロコバチ(Harmolita sp.)、カブラハバチ(Athalia rosae)、スズメバチ(Vespa mandarina)及びファイアーアント類が挙げられる。
【0095】
直翅目害虫として、例えば、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ケラ(Gryllotalpa africana)、バッタ(Locusta migratoria migratoriodes)及びMelanoplus sanguinipesが挙げられる。
【0096】
シロアリ目害虫として、例えば、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)及びダイコクシロアリ(Cryptotermes domestius)が挙げられる。
【0097】
アザミウマ目害虫として、例えば、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)及びイネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)が挙げられる。
【0098】
ハダニ類として、例えば、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、イエローマイト(Eotetranychus carpini)、テキサスシトラスマイト(Eotetranychus banksi)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、チャノホコリダニ(polyphagotarsonemus latus)、ヒメハダニ(Brevipalpus sp.)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)及びケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)が挙げられる。
【0099】
植物寄生性線虫類として、例えば、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus sp.)ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)及びマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus lignicolus)が挙げられる。
【0100】
その他有害動物、不快動物、衛生害虫及び寄生虫として、例えば、スクリミンゴガイ(Pomacea canaliculata)、ナメクジ(Incilaria sp.)、アフリカマイマイ(Achatina fulica)等の腹足網類(Gastropoda)、ダンゴムシ(Armadillidium sp.)、ワラジムシ、ムカデ等の等脚目類(Isopoda)、Liposcelis sp.等のチャタテムシ類、Ctenolepisma sp.等のシミ類、Pulex sp.、Ctenocephalides sp.等のノミ類、Trichodectes sp.等のハジラミ類、Cimex sp.等のトコジラミ類、オウシマダニ(Boophilus microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)等の動物寄生性ダニ類及びヒョウヒダニ類等が挙げられる。
【0101】
更に、本発明化合物は、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、合成ピレスロイド系化合物、アシルウレア系化合物又は既存の殺虫剤に抵抗性を示す害虫に対しても有効である。
【0102】
【実施例】
以下に、実施例、製剤例及び試験例を挙げて本発明化合物を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0103】
実施例1
N−(ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号1、工程1)
2−アミノピリジン(146.5mg, 1.56 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)及びテトラヒドロフラン(2ml)の混合溶媒に溶かし、−78℃に冷却下、カリウムtert−ブトキシド(191.9mg,1.71mmol)を加え、30分撹拌した。続いて、同温度で4−(トリフルオロメチル)ニコチノイル=クロリド(327.0mg, 1.56mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)を加え、30分撹拌した。更に、氷冷下、3時間攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/3)にて精製し、標記化合物(85.5mg, 収率20.5%)を得た。
1H-NMR(200MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.49 (1H, brd.s), 8.96 (1H, s), 8.91 (1H, d, J=4.8), 8.34 (1H, d, J=8.4), 7.92 (1H, d, J=5.1), 7.77 (1H, dt, J=2.2, 8.4), 7.63 (1H, d, J=5.1), 7.07-7.01 (2H, m).
物性:油状物
【0104】
実施例2
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号73、工程1)
ベンジル=4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル=カルバメート(1.00g,4.3mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)及びテトラヒドロフラン(4ml)の混合溶媒に溶かし、−20℃に冷却下、カリウム tert−ブトキシド(531.5mg,4.7mmol)を加え、30分攪拌した。続いて、同温度で4−(トリフルオロメチル)ニコチノイル=クロリド(902.3mg,4.3mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)を加え、1時間撹拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、標記化合物(1.22g,収率69.7%)を得た。
1H-NMR(200MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.80 (1H, d, J=5.3), 8.74 (1H, s), 7.82 (1H, s), 7.51 (1H, d, J=5.3), 7.33-7.26 (3H, m), 7.11-7.08 (2H, m), 5.07 (2H, s), 2.09 (3H, s)
物性:アモルファス
【0105】
実施例3
N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号58、工程2)
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(93.8mg,0.23mmol)のエタノール溶液(3ml)に、7.5%パラジウム炭素触媒(PH)Wet(水分:51.3%)(10mg)を加え、水素雰囲気下、室温で3.5時間攪拌した。不溶物をろ過後、ろ液を濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=9/1)で精製し、標記化合物(49.5mg,収率78.8%)を得た。
1H-NMR (270MHz, DMSO-d6) δ(ppm):
10.89 (1H, brd.s), 9.05 (1H, s), 9.01 (1H, d, J=5.3), 8.19 (1H, s), 7.93 (1H, d, J=4.9), 2.06 (3H, s),
融点:134-135℃
【0106】
実施例4
N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号58、工程2)
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(102.5mg,0.28mmol)の1,2ジクロロエタン溶液(2ml)に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(0.12ml, 1.62mmol)を滴下し、室温で終夜撹拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=9/1)で精製し、標記化合物(34.6mg,収率46.2%)を得た。
【0107】
実施例5
N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号58、工程2)
N−(エトキシカルボニル)−N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(104.8mg,0.31mmol)のエタノール溶液(5ml)に、水酸化ナトリウム水溶液(2規定、0.29ml, 0.58mmol)を滴下し、30分間攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、標記化合物(12.5mg,収率15.1%)を得た。
更に、実施例1−5の何れかの方法に順じて以下の化合物を製造した。
【0108】
N−(3−メチルピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号2)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.02 (1H, s) 8.88 (1H, d, J=5.1) 8.00-7.97 (1H, m) 7.64-7.57 (2H, m) 7.12-7.05 (1H, m) 2.39 (3H, s)
融点:126-131℃
【0109】
N−(6−メチルピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号5)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.97-8.89 (2H, m) 8.50, 8.33 (0.5H, 0.5H, brs, brs) 8.15-8.10 (1H, m) 7.73-7.64 (2H, m) 7.02-6.96 (1H, m) 2.45, 2.43 (1.5H, 1.5H, s, s)
融点:140-141℃
【0110】
N−(ピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号6)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.96 (1H, s), 8.91 (1H, d, J=5.1), 8.59 (1H, d, J=2.6), 8.39-8.28 (3H, m), 7.65 (1H, d, J=5.1), 7.36 (1H, dd, J=4.8, 8.4).
融点:143-144℃
【0111】
N−(ピリミジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号14)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
10.38 (1H, brd.s), 8.87 (1H, d, J=5.1), 8.83 (1H, s), 8.50 (2H, d, J=4.8), 7.62 (1H, d, J=5.1), 7.03 (1H, t, J=4.8)
物性:油状物
【0112】
N−(ピラジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号24)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.65 (1H, s) 9.01 (1H, s) 8.96 (1H, d, J=5.1) 8.45 (2H, d, J=2.5) 8.27 (1H, dd, J=2.5, 1.4) 7.69 (1H, d, J=5.1)
融点:159-162℃
【0113】
N−(イソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号34)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.11 (1H, s), 8.92-8.89 (2H, m), 8.64 (1H, brd.s), 8.42 (1H, s), 7.66 (1H, d, J=5.1)
融点:136℃
【0114】
N−(3−メチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号35)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.05 (1H, s), 8.94 (1H, s), 8.92 (1H, d, J=5.2), 7.67-7.65 (2H, m), 2.32 (3H, s)
融点:141-143℃
【0115】
N−(5−メチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号38)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.94 (1H, s), 8.93 (1H, d, J=5.2), 8.55 (1H, s), 7.65 (1H, d. J=5.2), 7.35 (1H, brd.s), 2.45 (3H, s),
融点:160-162℃
【0116】
N−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号41)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.93-8.91 (2H, m), 7.65 (1H, d. J=5.1), 7.22 (1H, brd.s), 2.39 (3H, s), 2.23 (3H, s)
融点:200-201℃
【0117】
N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号43)
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.98 (1H, brd.s), 8.81-8.79 (2H, m), 7.99 (1H, s), 7.58 (1H, d, J=5.5), 7.35 (1H, s), 3.84 (3H, s)
融点:162-164℃
【0118】
N−(1− tert −ブトキシカルボニルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号46)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.15 (1H, brd.s), 8.87 (1H, s), 8.84 (1H, d, J=5.2), 8.59 (1H, s), 7.70 (1H, s), 7.60 (1H, d, J=5.2), 1.60 (9H, s)
融点:103-104℃
【0119】
N−(1−メトキシメチルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号47)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.91-8.88 (2H, m), 8.21 (1H, s), 8.00 (1H, brd.s), 7.63 (1H, d, J=5.2), 7.55 (1H, s), 5.36 (2H, s), 3.35 (3H, s)
物性:アモルファス
【0120】
N−(1,5−ジメチルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号49)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.94 (1H, s), 8.89 (1H, d, J=5.2), 7.62 (1H, d, J=5.2), 7.55 (1H, s), 7.28 (1H, brd.s), 3.79 (3H, s), 2.25 (3H, s)
融点:153-154℃
【0121】
N−(1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号50)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.95 (1H, s), 8.94 (1H, d, J=5.2), 8.34 (1H, s), 7.71 (1H, brd.s), 7.66 (1H, d, J=5.2), 3.98 (3H, s),
融点:160-161℃
【0122】
N−(ピロール−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号51)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.88 (1H, d, J=5.2), 8.84 (1H, s), 7.80 (1H, d, J=5.2), 7.21-7.20 (1H, m), 6.66-6.64 (1H, m), 6.15-6.14 (1H, m),
物性:アモルファス
【0123】
N−(1−メチルピロール−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号52)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.92 (1H, s), 8.87 (1H, d, J=5.2), 7.61 (1H, d, J=4.9), 7.52 (1H, brd.s), 7.28-7.26 (1H, m), 6.51-6.49 (1H, m), 6.02-6.00 (1H, m), 3.66 (3H, s)
融点:147-149℃
【0124】
N−(2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号59)
1H-NMR (270MHz, DMSO-d6) δ(ppm):
10.75 (1H, brd.s), 9.02-8.99 (2H, m), 7.92 (1H, d. J=4.9), 2.35 (3H, s), 1.99 (3H, s),
融点:103-106℃
【0125】
N−(4−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号60)
1H-NMR (270MHz, DMSO-d6) δ(ppm):
10.86 (1H, brd.s), 9.03-8.99 (2H, m), 8.19 (1H, s), 7.92 (1H, d. J=5.3), 2.44 (2H, q, J=7.6), 1.14 (3H, t, J=7.6),
融点:139-141℃
【0126】
N−(エトキシシカルボニル)−N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号68)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.89 (1H, d, J=4.9), 8.77 (1H, s), 7.84 (1H, s), 7.61 (1H, d, J=4.9), 4.14 (2H, q, J=6.9), 2.16 (3H, s), 1.12 (3H, t, J=6.9)
物性:油状物
【0127】
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号74)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.79 (1H, d, J=5.3), 8.72 (1H, s), 7.50 (1H, d, J=5.3), 7.33-7.26 (3H, m), 7.12-7.10 (2H, m), 5.18 (2H, s), 2.43 (3H, s), 2.02 (3H, s),
物性:油状物
【0128】
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(4−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号75)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.81 (1H, d, J=5.3), 8.73 (1H, s), 7.83 (1H, s), 7.52 (1H, d, J=5.3), 7.36-7.26 (3H, m), 7.11-7.08 (2H, m), 5.07 (2H, s), 2.45 (2H, q, J=7.6), 1.17 (3H, t, J=7.6),
物性:油状物
【0129】
N−( tert- ブトキシカルボニル)−N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号78)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.88 (1H, d, J=4.9), 8.78 (1H, s), 7.82 (1H, s), 7.61 (1H, d, J=4.9), 2.16 (3H, s), 1.27 (9H, s),
物性:油状物
【0130】
N−(4−フェニル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号81)
1H-NMR (270MHz, DMSO-d6) δ(ppm):
11.30 (1H, brd.s), 9.08-9.03 (2H, m), 8.42 (1H, s), 7.95 (1H, d. J=4.6), 7.82-7.79 (2H, m), 7.50-7.44 (2H, m), 7.38-7.33 (1H, m),
融点:160-163℃
【0131】
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(4−フェニル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号82)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.83 (1H, d, J=5.3), 8.69 (1H, s), 7.95 (1H, s), 7.63-7.60 (2H, m), 7.54 (1H, d, J=5.3), 7.43-7.39 (3H, m), 7.30-7.19 (3H, m), 6.99-6.97 (2H, m), 5.04 (2H, s),
融点:159-161℃
【0132】
5− [ N,N−ビス(4−トリフルオロメチルニコチノイル) ] アミノ−4−メチル−1,3−オキサゾール(化合物番号83)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.87 (2H, d, J=4.9), 8.83 (2H, s), 7.72 (1H, s), 7.60 (2H, d, J=4.9), 2.10 (3H, s),
融点:110-113℃
【0133】
N−(1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号84)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.30 (1H, brd.s), 8.98 (1H, s), 8.96 (1H, d. J=5.3), 8.28 (1H, d, J=1.0), 7.68 (1H, d, J=5.3), 7.47 (1H, d, J=1.0),
融点:150-153℃
【0134】
N−(5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号86)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
9.19 (1H, brd.s), 8.94 (1H, s), 8.89 (1H, d, J=4.9), 7.63 (1H, d, J=4.9), 7.39 (1H, s), 2.43 (3H, s),
融点:114-115℃
【0135】
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号89)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.77-8.75 (2H, m), 7.94 (1H, d, J=1.0), 7.79 (1H, d, J=1.0), 7.46 (1H, d, J=5.3), 7.38-7.26 (3H, m), 7.10-7.07 (2H, m), 5.05 (2H, s)
物性:油状物
【0136】
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N−(5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号91)
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
8.76-8.75 (2H, m), 7.80 (1H, s), 7.46 (1H, d, J=5.3), 7.31-7.26 (3H, m), 7.10-7.08 (2H, m), 5.05 (2H, s), 2.39 (3H, s),
物性:アモルファス
【0137】
N−(1H−インドール−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(化合物番号94)
1H-NMR (200MHz, DMSO-d6) δ(ppm):
10.98 (1H, brd.s), 10.70 (1H, brd.s), 8.99-8.96 (2H, m), 7.90 (1H, d, J=5.1), 7.85 (1H, d, J=2.2), 7.78 (1H, d, J=8.0), 7.38 (1H, d, J=8.0), 7.16-6.97 (2H, m).
物性:固体
【0138】
以下の製剤例において、化合物及び補助剤の種類及び配合比率はこれらのみに限定されることなく広い範囲で変更可能である。また、以下の説明において、%は質量百分率を示す。
【0139】
製剤例1
乳剤
化合物番号1の化合物5%に、キシレン42.5%及びジメチルスルホキシド42.5%を加え溶解し、次いでこれにポリオキシエチレンヒマシ油エーテルとアルキルベンゼンスルホン酸カルシウムの混合物(8:2)10%を混合して乳剤とした。本剤は水で希釈し、散布液として使用する。
【0140】
製剤例2
水和剤
化合物番号1の化合物5%にカオリン79%及び珪藻土10%を混合し、更にラウリル硫酸ナトリウム3%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を混合して微粉砕して水和剤を得た。本剤は水で希釈して散布液として使用する。
【0141】
製剤例3
粉剤
化合物番号1の化合物1%にタルクと炭酸カルシウムの混合物(1:1)99%を加え、混合後、粉砕して粉剤とした。本剤はこのまま散布して使用する。
【0142】
製剤例4
粒剤
化合物番号1の化合物2%をベントナイト微粉末30%、タルク66%、リグニンスルホン酸ナトリウム2%と混合した後、水を加えて均等になるまで混練する。次に造粒機を通して造粒し整粒機、乾燥機、篩を通すことにより粒径0.6〜1.0mmの粒剤とした。本剤はこのまま土壌面に散布して使用する。
【0143】
製剤例5
油剤
化合物番号1の化合物0.1%を白灯油に溶解し、全体を100%とし油剤を得た。
【0144】
試験例1
モモアカアブラムシ散布殺虫試験
25mlの3角フラスコに、水(20ml)を入れ、葉柄が水に浸かるようして小松菜の葉を1枚の3角フラスコ内に立てかけた。前記小松菜の葉の裏面にモモアカアブラムシを5頭放飼し、産仔させた。放飼2日後、成虫を除去し、幼虫数を数えた。
【0145】
界面活性剤ニューコールNE−710F(登録商標、日本乳化剤株式会社製)2%を含水アセトン(95%含水)98%に溶解させ、溶液1を得た。次いで、分散剤ゴーセノールGLO5−S(登録商標、日本乳化剤株式会社製、0.2%水溶液)0.2%を水99.8%に溶解させ、溶液2を得た。
【0146】
本発明化合物(4mg)に、前記溶液1(0.2ml)、前記溶液2(0.3ml)に溶解させた後、更に、本発明化合物が100ppm及び10ppmとなるよう水でそれぞれ希釈した{展着剤としてグラミンS(登録商標、三共株式会社製)を0.01%になるように添加した。}。
【0147】
前記薬液8mlを、回転式散布塔を用いて該小松菜の葉の裏面に散布した。小松菜の葉を3角フラスコに戻し、25℃、16時間:明、8時間:暗の恒温室に置いた。散布5日後に死虫数を調査し、死虫率を算出した。その結果を表4に示した。なお、比較として、特開平10−195072号公報の表1に記載の比較化合物a及び比較化合物bを用いた。
【0148】
【化5】
Figure 0004462841
モモアカアブラムシ殺虫試験
【0149】
【表4】
Figure 0004462841
【0150】
【発明の効果】
本発明の5又は6員複素環を有するニコチンアミド誘導体は、例えば、半翅目害虫、鱗翅目害虫、鞘翅目害虫、双翅目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、シロアリ目害虫、アザミウマ目害虫、ハダニ類及び植物寄生性線虫等の広範囲の害虫に対して優れた防除効果を示す。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(I)
    Figure 0004462841
    [式中、Qは、ピリジン−2−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、若しくは1,3−オキサゾール−4−イル基、又は置換基群Aから選ばれる1又は2個の置換基で置換されたイソオキサゾール−4−イル基、ピラゾール−4−イル基、1,3−オキサゾール−5−イル基、若しくは1,3−オキサゾール−4−イル基を表し、Rは、水素原子、C−Cアルキルカルボニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、又は置換されてもよいニコチノイル基(当該置換基はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、又はC−Cアルコキシ基である。)を表し、置換基群Aは、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、C−Cアルコキシカルボニル基、及び置換されてもよいフェニル基(当該置換基はハロゲン原子、C−Cアルキル基、又はC−Cアルコキシ基である。)からなる置換基群である。]で表されるニコチンアミド誘導体又はその塩。
  2. が、水素原子、C−Cアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、又はC−Cアルキルカルボニル基である、請求項1記載のニコチンアミド誘導体又はその塩。
  3. が、水素原子、メトキシカルボニル基、又はエトキシカルボニル基である、請求項1記載のニコチンアミド誘導体又はその塩。
  4. 置換基群Aが、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、及びC−Cアルコキシカルボニル基からなる置換基群である、請求項1乃至のいずれか一項記載のニコチンアミド誘導体又はその塩。
  5. 置換基群Aが、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、及びC−Cアルコキシカルボニル基からなる置換基群である、請求項1乃至のいずれか一項記載のニコチンアミド誘導体又はその塩。
  6. 置換基群Aが、塩素原子、メチル基、及びエチル基からなる置換基群である、請求項1乃至のいずれか一項記載のニコチンアミド誘導体又はその塩。
  7. 一般式(I)で表される化合物が、N−(ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(イソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(3−メチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(5−メチルイソオキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(4−エチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(2,4−ジメチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、N−(1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、又はN−(5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミドである、請求項1記載のニコチンアミド誘導体又はその塩。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項記載のニコチンアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有する殺虫剤組成物。
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