JP2004114697A - 複合シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 液不透過性シートと不織布とを接着剤を介して接着してなる複合シートにおいて、上記液不透過性シートは、その厚みが15〜40μであり、上記不織布は、繊維径が1.5〜3.5デニールの構成繊維により、構成されており、坪量が15〜35g/m2であり、上記接着剤は、スチレン系エラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体又はアモルファスポリアルファオレフィンをベースポリマーにしたホットメルト型接着剤であり、その溶融粘度が180℃で10000cps以下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、繊維状の接着剤の繊維径が15〜210μであり、該接着剤の塗工量が0.5〜7g/m2であり、繊維状の該接着剤の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数が10〜40本である、ことを特徴とする複合シート。
【選択図】 図3
Description
また、本発明は、上記複合シートが熱エンボス加工されており、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して40%以下である、複合シートを提供するものである。
また、本発明の複合シートの製造方法によれば、本発明の複合シートを簡易に製造することができる。
本発明の複合シートは、特定の厚みを有する液不透過性シートと特定の繊維径を有する構成繊維により構成された特定の坪量を有する不織布とを、特定の溶融粘度を有する接着剤を特定の形状で特定量塗工してなることを特徴とする。
上記厚みが、15μ未満であると、製造時に厚みの制御が困難になる他、不織布と接合する際及び使い捨ておむつ製造時に破れやすくなる。また、40μを超えると、複合シートにおける柔らかさ等の風合いや肌触りが低下する。
上記非透湿シートとしては、ポリオレフィン樹脂を主成分とし、顔料や、充填材を配合して混合し、Tダイ成形機やインフレ成形機によって成膜した一般的な非透湿性で且つ液体不透過性のシートが挙げられる。該非透湿シートは、ポリエチレン系樹脂をベースにしたものが好ましく、その坪量は、10〜50g/m2であるのが好ましい。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、セッコウ、タルク、カーボンブラック、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフューム、雲母粉等が挙げられる。
一方、有機充填剤としては、木粉、石炭粉、パルプ粉等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよく又は混合物として用いてもよい。
また、上記充填剤は、上記ポリオレフィン樹脂への均一分散性の点から表面処理されていることが好ましい。該表面処理には、脂肪酸又はその金属塩などの、充填剤表面を疎水化し得るものが好ましく用いられる。
上記充填剤の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して50〜250重量部であることが好ましい。
上記第三成分としては、オレフィン系の低融点ポリマー、液状若しくはワックス状炭化水素重合体、ゴム状物(例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムなど)、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、又は可塑剤等の添加剤;トリグリセライド;塩化パラフィン;一塩基酸と一価アルコールとからなるモノエステル、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエステルの混合物;多塩基酸と一価アルコールとからなるポリエスルテルA、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエステルBの混合物;合計炭素数38以上のモノエステルであって該モノエステルを構成する酸及びアルコールの少なくとも一方が分岐状であるモノエステル;側鎖を有する炭化水素重合体及びポリエステルの混合物等が挙げられる。
尚、上記トリグリセライドを構成する脂肪酸は、炭素数が2〜30の飽和又は不飽和の脂肪酸であるのが好ましい。
上記塩化パラフィンにおける塩素含有量は、好ましくは1〜65重量%であり、更に好ましくは35〜55%である。この様な塩化パラフィンは、公知の方法、例えば、溶融固形パラフィン、nパラフィン又は固形パラフィンの四塩化炭素溶液に塩素ガスを通すことによって製造される。
上記塩化パラフィンの配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜100重量部であるのが好ましい。
上記モノエステルとしては、例えば、炭素数10以上のモノカルボン酸等の一塩基酸と炭素数10以上のモノアルコール等の一価アルコールとを、脱水縮合して得られるエステルが挙げられるが、好ましくは分子量が240以上のモノエステル、更に好ましくは分岐炭化水素鎖を含む炭素数20以上のモノエステルが用いられる。
一方、上記ポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、ジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール又はシュークローズ等の多価アルコールとを、脱水縮合して得られるポリエステルであって、合計炭素数が50以上のものが挙げられる。
上記混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
なお、上記モノエステルは、得られる多孔性シートの透湿性及びタテ裂け強度の向上に寄与し、上記ポリエステルは透湿性及び外観の向上に寄与すると考えられる。
上記ポリエステルAとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、一価アルコールとを脱水縮合して得られるジエステル、トリエステル又はテトラエステルであって、合計炭素数が30以上のものが挙げられる。これらのうち、ケン化価が230以下であるジエステルが好ましく、炭素数が16以上の分岐一価アルコールを含むジエステルが更に好ましい。
一方、上記ポリエステルBとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、ジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール又はシュークローズ等の多価アルコールとを脱水縮合して得られるポリエステルであって、合計炭素数が50以上のものが挙げられる。
上記ポリエスルテA及び上記ポリエステルBの混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
具体的には、2−デシルテトラデシルステアレート、2−オクタデシルベヘネート、及びα−分岐脂肪酸(C18〜40)とモノアルコール(C6〜36)とのエステル(合計炭素数38以上)等が挙げられる。
上記モノエステルの配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であるのが好ましい。
上記炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類であって炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域のものが好ましく用いられるが、この他に、エチレン−プロピレンの共重合体、例えば三井石油化学工業(株)製の商品名「ルーカント」やそのマレイン酸誘導体;イソブチレンの重合体、例えば出光石油化学工業(株)製の商品名「ポリブテンHV−100」;又はブタジエン、イソプレンのオリゴマー及びその水添物や、これらから誘導される誘導体等を用いることもできる。
一方、上記ポリエステルとしては、例えば、多塩基酸又は多価アルコールを構成成分とするポリエステルが用いられ、具体的には、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油のエチレンオキシド付加物、グリコール類とダイマー酸とのポリエステル、トリメチロールプロパン・ダイマー酸・ステアリン酸から得られるヘキサエステル、トリメチロールプロパン・アジピン酸・ステアリン酸から得られるヘキサエステルなどが挙げられる。
上記炭化水素重合体と上記ポリエステルとの配合重量比は3/7〜7/3が好ましいが、用途に応じた透湿性、タテ裂け強度、外観の要望レベルに従って1/9〜9/1の範囲で自由に選ぶことができる。側鎖を有する上記炭化水素重合体及び上記ポリエステルの混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
上記混合物から上記シートを形成する方法は、通常の方法を特に制限なく用いることができる。
また、上記有機化合物としては、鉱物油、合成潤滑油、パラフィンワックス、又は脂肪族カルボン酸と多価アルコールのエステル等を好ましく用いることができる。
上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記有機化合物の配合量は、それぞれ、上記結晶性ポリオレフィン樹脂が50〜90重量部であり、上記有機化合物が50〜10重量部であることが好ましい。
また、上記透湿シートは、その坪量が15〜50g/m2であることが好ましく、さらには15〜35g/m2が好ましい。
上記坪量が15g/m2未満であると、強度が低下すると共に、地合が悪くなりブロッキングの発生の程度が大きくなる。また、35g/m2を超えると、柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなる。
上記繊維径が1.5デニール未満であると、製造が困難になり、コスト高となってしまい、3.5デニールを超えると、柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなる。
ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維、例えば鞘成分がポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維。
更に具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)/PE(鞘)、PET(芯)/低融点PP(鞘)が挙げられる。
また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ヒートロール法、サクションヒートボンド法、スパンレース法、スパンボンド法、メルトブローン法等の公知の製造方法。
従って、本発明において用いられる上記不織布としては、ヒートロール不織布、サクションヒートボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。
上記溶融粘度が10000cpsを超えると、塗工性が低下して、塗工面にむらが生じたり、接着剤のボタ落ちが発生したりするおそれがある。
また、上記APAOとしては、従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体等を用いることができる。また、これらのAPAOは、例えば、宇部レキセン社製の「ウベタック」(「UT2175」等)やイーストマンコダック社製の「イーストフレックス」等の商品名で市販されている。
また、上記APAOとしては、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体を用いることもできる。また、該三元共重合体は、ヒュルツ社より「ベストプラスト」の商品名で市販されている。
上記粘着付与剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。具体的には、「クリアロン」(商品名、安原化学製)等の水添テルペン樹脂、「アルコン」(商品名、荒川化学製)等の水添芳香族石油樹脂等が挙げられる。上記粘着付与剤の配合量は、用いる上記軟化剤の配合量等に応じて適宜選択することができるが、通常上記接着剤全量に対して、30〜70重量%とするのが好ましい。
また、上記酸化防止剤としては、例えば、「イルガノックス1010」〔商品名、チバガイギー(株)製〕、「イルガノックス1076」〔商品名、チバガイギー(株)製〕、又は「スミライザーGM」〔商品名、住友化学(株)製〕等が好ましく挙げられる。上記酸化防止剤の配合量はAPAO100重量部に対して1〜3重量部であることが好ましい。
なお、上記接着剤には、上述の各成分に加えて、更に必要に応じて他の成分を配合してもよい。
上記塗布形状をランダムな上記繊維径を有する繊維状とすることにより、風合いを損なわずに接着力を向上させることが可能となる。
また、上記繊維径が15μ未満であると、繊維が細すぎて十分な接着力が発現しにくく、210μを超えると、接着部分が硬くなり、複合シートの風合いが低下する。
上記塗工量が0.5g/m2未満であると、接着力が足し、7g/m2を超えると、風合いが低下する。
また、繊維状の上記接着剤の任意の1本と直交する長さ1cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数は、10〜40本であり、好ましくは10〜30本である。即ち、後述の図1に示すように、接着剤の任意の1本10aと直交する方向に長さ1cmの直線11を引いた時、該直線11と交差する10a以外の接着剤10の数が上記の範囲の本数である。
接着剤の本数が10本未満であると接着力が低下し、40本を超えると、複合シートの風合いを低下させると共に、上記液不透過性シートとして透湿シートを使用した場合は複合シート全体の透湿度が低下する。
ここで、図1は、本発明の複合シートにおける接着剤の塗工形態の1形態を示す拡大平面図であり、図2は、図1のII部拡大図である。尚、図1及び2においては、説明の便宜上、接着剤のみを図示して示す。
図1及び図2に示すように、上記接着剤10は、繊維状であり、ランダムに、即ち、繊維状の該接着剤10が一方向に配向されることなく塗工されている。ここで、該接着剤は、不織布と液不透過性シートとの何れに塗工されていてもよい。
但し、後述するような製造方法で製造した場合には、図1及び2に示すように、ある程度の配向性をもって塗布されていてもよい。
本発明の複合シートの構造としては、液不透過性シート/不織布の2層構造、液不透過性シート/不織布/液不透過性シート及び不織布/液不透過性シート/不織布の3層構造等種々の構造を採りうる。
いずれの構造においても、液不透過性シートと不織布との間には、接着剤が介在しており、この接着剤により、液不透過性シートと不織布とが接着されている。
図3を参照して本発明の複合シートの1形態としての2層構造の複合シートについて具体的に説明すると、本形態の複合シート1は、液不透過性シート3と不織布2とが接着剤10を介して接着されている。ここで、液不透過性シート3は、上記の特定の厚みを有する液不透過性シートであり、不織布2は、上記の特定の繊維径を有する構造繊維により構成された特定の坪量を有する不織布である。また、接着剤10は、上記の特定の溶融粘度を有する接着剤であり、特定の形状、即ち、ランダムな繊維状に、上記の特定量塗工されてなる。
上記エンボス面積率が、40%を超えると、複合シートが硬くなり風合いが低下するので好ましくない。
従って、上記熱エンボス加工されてなる本発明の複合シートは、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等の形状の多数の融着部が、所定のパターンで形成されてなるものである。尚、該所定のパターンは、特に限定されるものではない。
尚、上記凸部の大きさや間隔は、上記エンボス面積率を満足すれば任意である。従って、上記複合シートに形成される融着部間の間隔も所望の融着部の形状に応じて任意であるが、図3に示すように、融着部1aが複合シート1の全面に亘って形成されるようにするのが好ましい。
従って、表面シートと裏面シートと両シート間に介在する吸収体とを具備する使い捨ておむつ等の吸収性物品における該裏面シート、介護用の使い捨てシーツ等の衛生材料や衣料用素材又は雨具や簡易ジャンパ等として有用である。
本発明の複合シートは、上記液不透過性シート上又は上記不織布上に、上記接着剤をファイバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、この塗工した面に上記不織布又は上記液不透過性シートを貼り合わせる貼り合わせ工程とを行うことにより、製造できる。
尚、上記接着剤塗工工程及び上記貼り合わせ工程以外の工程、例えば上記液不透過性シートの形成工程などは、公知の製造方法と同様である。
接着剤をファイバー状にスプレーするには、特開平5−309310号公報や特開平6−210228号公報等に記載のホットメルト接着剤塗布装置を用いて、公知のカーテンスプレー法、スロットスプレー法、メルトブローン法等を行うことにより実施できる。
ここで,図4は、本発明において好ましく用いられるホットメルト接着剤塗布装置の要部(ノズルユニット)を示す一部破断斜視図である。
図4に示すホットメルト接着剤塗布装置のノズルユニット21は、全体として長方形状であり、ノズルユニット21の巾方向略中央に嵌装されたプレート状のシム22と、ノズルユニット21の両側から下向端面にかけて形成されたエアー注入路23と、ノズルユニット21の上端から該シム22の巾方向中程にかけて形成された接着剤注入路24とからなる。上記シム22は、その一側縁がノズルユニット21の下方端面に位置し、この下方端面に位置する部分により接着剤吐出口25を形成している。また、上記エアー注入路23は、ノズルユニットの下方端面において、エアー噴出口26を形成している。上記エアー噴出口26は上記接着剤吐出口25の左右両側に設けられている。
また、該スリット22cの巾は0.3〜0.8mmであるのが好ましく、ピッチは1.0〜2.0mmであるのが好ましく、長さは5〜15mmであるのが好ましく、厚みは0.1〜0.4mmであるのが好ましい。
即ち、上記接着剤注入路24により接着剤供給部(図示せず)から供給された接着剤をシム22に注入するとともに、エアー注入路23によりエアー供給部(図示せず)から供給されたエアーを注入し、エアー噴出口26よりエアーを噴射する。供給された接着剤は、シム22によってスリット22cの形状に略等しい線状になされ、この線状の接着剤が、接着剤吐出口25に供給され、吐出される。そして、接着剤吐出口25から吐出された接着剤は、エアー噴出口26より噴射されるエアーによって、繊維状とされて、塗工面に塗工される。
尚、上記エアーは加熱エアーであるのが好ましい。該エアーの温度は、接着剤の融点と同じか又はこれよりも50℃以上高い温度であるのが好ましく、該融点よりも50〜120℃高い温度が更に好ましい。また、エアーの噴射圧は、1.0〜3.0kg/cm3 であるのが好ましい。
上記熱エンボス加工は、上記接着剤塗工工程と同時にインラインで行ってもよく、また、後加工してアウトラインで行ってもよい。
上記熱エンボス加工は、エンボス加工ロールを用いて行うことができる。上記エンボス加工ロールとしては、一般に彫刻ロールと平滑ロールとからなる一対のロールを用いることができる。この際、該彫刻ロールにより押圧される面は、上記ヒートロール不織布の面と上記液体不透過性シートの面との何れの面としてもよい。
上記彫刻ロールとしては、例えば種々のパターンがその表面に彫刻された鉄ロールを用いることができ、一方、上記平滑ロールとしては、ペーパーロール、ゴムロール、シリコンゴムロール、ウレタンゴムロール、金属ロール等を用いることができる。
上記熱エンボス加工の温度は、加熱ロールと直接接触する上記ヒートロール不織布の構成繊維または上記液体不透過性シートの融点よりも10℃低い温度以下の温度とすることが好ましい。融点よりも10℃低い温度を超える温度で加熱すると、複合シートがロールに融着したり熱による縮みやシワが発生するので、好ましくない。
上記彫刻ロールのパターンとしては、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等が挙げられ、特にそのパターンは限定されない。
また、熱エンボス加工する際の線圧は、20〜120kg/cmであるのが好ましい。該線圧が20kg/cm以下であると、熱エンボス加工による効果が低下する場合があり、120kg/cmを超えると、上記複合シートに穴開きが生じ易くなるので、好ましくない。
尚、上記熱エンボス加工の条件は、加工速度による影響が大きいため、これらの範囲に限られるものではない。
ここで、図5は、図3に示す複合シートの製造方法の要部を示す概略図である。
即ち、図5に示すように、巻き出しロール2’から不織布2を巻き出す。また、巻き出しロール3’から液不透過性シート3を巻き出す。そして、該液不透過性シート3上に、図4に示す如きノズルユニットを有する接着剤塗布装置10’を用いて接着剤10をランダムな繊維状に塗布して接着剤塗工工程を行う。
ついで、接着剤10が塗布された上記液不透過性シート3と不織布2とをニップロール30、30間に通して貼り合わせて積層シート1’を得、得られた積層シート1’を、彫刻ロール31と平滑ロール32とからなるエンボス加工ロールに通して、熱エンボス加工を行って、貼り合わせ工程を行い、複合シート1を得る。
上記エンボス工程を経て製造された複合シート1は、案内ロール33、33により、巻き取りロール34に導かれて巻き取られる。
厚み20μの透湿シート上に〔表1〕に示す配合組成の接着剤(溶融粘度180℃/2000cps)をメルトブローン法(図4に示すノズルユニットを有する装置)を用いた。また、エアーとして温度190℃であり、圧力2.0kg/cm2のホットエアーを用いた)にて、ランダムな繊維状に塗工した(塗工量1.0g/m2、塗工温度170℃、塗工速度200m/min)。
塗工面上に、構成繊維(ポリエチレンのステープルファイバー)の繊維径1.5デニール、坪量22g/m2、及び0.5g/cm2加重下での厚み0.5mmのサクションヒートボンド不織布を貼り合わせ、複合シートとなした。
線状低密度ポリエチレン〔ウルトゼックス2520F、三井石油化学工業(株)製〕100重量部、及び表面処理炭酸カルシウム(平均粒径;1μm)150重量部に、〔表3〕に示す組成及び物性値を有するエステル組成物10重量部を添加し、二軸スクリュー型混練機で混練しペレットを作製した。得られたペレットをインフレーション成形機に供給し、厚み40μmのインフレーションシートを成形した。得られたシートをロール延伸機を用いて延伸温度50℃で延伸倍率2.3倍に延伸して多孔質の透湿シートを得た。この透湿シートを上記透湿シートとして用いた。このシートの厚みは20μmであり、透湿量は1.8g/(100cm2・h)であり、坪量は20g/m2であった。
また、得られた複合シートを用いて使い捨ておむつを作製した。得られた使い捨ておむつは、ムレが防止され且つ柔らかさ等の風合いや肌触りが向上したものであった。
複合シートから、該複合シートのMD方向に沿って巾25mm×該複合シートのCD方向に沿って長さ100mmの試験片を切り出した。この試験片について、テンシロン引張試験機を用いてCD方向に、180°剥離試験(引張速度300mm/min、測定温度20℃)を行い液不透過性シートと不織布との接着強度を測定した。
<ブロッキング強度の測定方法>
複合シートを、紙管に約1000m巻いてロール状態とし、50℃の雰囲気中に1週間保存した。保存後、十分な冷却時間を置き、紙管より半径方向外側に向かって30mmの部分を複合シートが2枚重なりあった状態のまま、該複合シートのCD方向に沿って巾50mm×該複合シートのMD方向に沿って長さ100mmの寸法で切り出し、これを試験片とした。この試験片について、テンシロン引張試験機を用いてMD方向に、180°剥離試験(2枚の複合シート間の剥離試験、引張速度500m/min、測定温度20℃)を行いブロッキング強度を測定した。
接着剤の繊維径と本数とを〔表3〕に示すようにした以外は、実施例1と同様にして複合シートを得、得られた複合シートについて実施例1と同様に評価した。その結果を〔表3〕に示す。
2 液不透過性シート
3 不織布
10 接着剤
Claims (4)
- 液不透過性シートと不織布とを接着剤を介して接着してなる複合シートにおいて、
上記液不透過性シートは、その厚みが15〜40μであり、
上記不織布は、繊維径が1.5〜3.5デニールの構成繊維により、構成されており、坪量が15〜35g/m2であり、
上記接着剤は、スチレン系エラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体又はアモルファスポリアルファオレフィンをベースポリマーにしたホットメルト型接着剤であり、その溶融粘度が180℃で10000cps以下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、繊維状の接着剤の繊維径が15〜210μであり、該接着剤の塗工量が0.5〜7g/m2であり、繊維状の該接着剤の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数が10〜40本である、
ことを特徴とする複合シート。 - 上記液不透過性シートは、透湿シートであり、該透湿シートの透湿量が0.5〜4g/(100cm2・hr)であることを特徴とする請求項1記載の複合シート。
- 上記複合シートは、熱エンボス加工されており、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して40%以下であることを特徴とする請求項1記載の複合シート。
- 請求項1記載の複合シートの製造方法であって、
上記液不透過性シート上又は不織布上に、接着剤をファイバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、
この塗工した面に不織布又は液不透過性シートを貼り合わせる貼り合わせ工程とを具備することを特徴とする複合シートの製造方法。
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