JP3659751B2 - 複合シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液不透過性シートと不織布とを接着剤によって積層してなる複合シートの製造方法に関し、更に詳しくは、高速でエンボス処理を行ってもピンホールの発生がなく、しかも、エンボスパターンを鮮明に付けることができる複合シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液不透過性シートと不織布とを接着剤で貼り合わせてなる複合シートは、使い捨ておむつの裏面シート等、種々の用途に用いられている。
このような複合シートにおいては、液不透過性シートと不織布との接着力を高めること、見た目をよくすること、及び使い捨ておむつに用いる場合には肌ざわり等の風合いをよくすることが要求されている。
【0003】
そこで、このような要求を満足すべく、上記複合シートには、エンボス処理を施すことが、行われている。
しかし、エンボス処理を施す場合、生産性を高めるべく、エンボス処理速度を速くすると、ピンホールが発生するため、処理速度を速くすることができず生産性が悪いという問題がある。
特に、この問題は、美観の高い複合シートを得ようとする場合には、顕著である。
【0004】
また、液不透過性シートや不織布の坪量を高くすれば、処理速度を速くしても、ピンホールの発生を抑制することも可能であるが、この場合には、見た目、即ち美観に劣り、また風合いが低下し、更には、コストが高くなるという問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、美観及び風合いが良好で、液不透過性シート及び不織布の接着力が強い複合シートを、高い生産性をもって、製造することができる複合シートの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、エンボス加工において用いる受けロールとして特定の硬度を有するロールを用いることにより、上記目的を達成しうることを知見した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、液不透過性シートと不織布とを接着剤によって貼り合わせてなる積層シートを、彫刻ロールと受けロールとの間に通してエンボス加工を施すエンボス工程を具備し、上記受けロールは、その硬度がD硬度で70〜94度のコットンロール、ペーパーロール又は硬質ゴムロールであり、上記彫刻ロールは、多数の凸部を有し、該凸部の総面積がロール全体の面積の5〜40%であり、上記液不透過性シートが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して充填剤50〜400重量部と第三成分1〜20重量部とを混合してなる樹脂組成物により形成された透湿シートであり、上記不織布の坪量が15〜50g/m 2 であり、上記透湿性シートの坪量が15〜50g/m 2 であることを特徴とする複合シートの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明実施の形態】
以下、本発明の複合シートの製造方法について詳細に説明する。
本発明において用いられる上記液不透過性シートとしては、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して充填剤50〜400重量部と第三成分1〜20重量部とを混合してなる樹脂組成物からなる透湿シートが用いられ、好ましくは、該樹脂組成物を溶融成形してなるシートを少なくとも一軸方向に延伸して得られる透湿シートが用いられる。
【0010】
上記ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、使用に際しては単独で又は二種以上混合して用いることができる。中でも特に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレン、並びにこれらの混合物が好ましく用いられる。また、上記ポリオレフィン樹脂の密度は、0.910〜0.940g/cm3 であるのが好ましく、メルトフローレート(MFR)は、0.1〜5.0g/10分であるのが好ましい。従って、本発明においては、上記の範囲内の密度及びMFRを有する、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレン、並びにこれらの混合物が特に好ましく用いられる。
【0011】
また、上記充填剤としては、通常、ゴム又はプラスチック中に混合される充填剤であれば特に制限されずに用いることができ、具体的には、無機充填剤及び有機充填剤が挙げられる。上記無機充填剤としては、炭酸カルシュウム、炭酸バリュウム、炭酸マグネシュウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、酸化チタン、硫酸バリュウム、硫酸マグネシュウム、珪藻土、酸化亜鉛、アルミナ、マイカ、ゼオライト、カーボンブラック等が挙げられ、上記有機充填剤としては、木粉、パルプ粉、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル酸エステル等の熱可塑性樹脂を放射線等で架橋した樹脂、あるいは融解温度が成形温度より高い樹脂等のポリマー等が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上混合して使用してもよい。
上記充填剤の平均粒子径は、50μm以下であるのが好ましく、さらに好ましくは0.05〜30μmであり、最も好ましくは0.5〜5.0μmである。
平均粒子径が50μmを超える場合には、得られる透湿シートの孔の緻密性が低下し、また、平均粒径が0.05μm未満の場合には、延伸ムラが生じ易く良好な透湿シートが得られないので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0012】
また、上記充填剤には、ポリオレフィン樹脂への分散性及び透湿シートの延伸性を向上させるために表面処理を行うのが好ましく、この際用いられる表面処理剤としては、脂肪酸またはその金属塩等充填剤表面を疎水化できるものが好ましく用いられる。
尚、この表面処理は、原料を均一分散させる工程において、上記充填剤と上記表面処理剤とを混練する等してインライン処理することができる。また、別に充填剤を表面処理しておき、この表面処理された充填剤を用いてもよい。
【0013】
上記第三成分は、透湿シートの風合いを良好にし、鳴りを減少させ、滑り性・延伸性を改良するために添加される成分であり、該第三成分としては、通常ゴムやプラスチックに混合される、可塑剤や滑剤が挙げられる。具体的には例えば、上記可塑剤又は滑剤としては、脂肪酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル、芳香族カルボン酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステルまたはポリエステル、脂肪族ポリカルボン酸とポリアルコールとからなるポリエステル、モノカルボン酸及び/またはポリカルボン酸とモノアルコール及び/またはポリアルコールとからなるポリエステル、アルコール及び/またはカルボン酸の一部を残したエステルまたはポリエステル、脂肪族アミド、芳香族アミド、脂肪族の金属石鹸、芳香族カルボン酸の金属石鹸、ブタジエンオリゴマー、ブテンオリゴマー、イソブチレンオリゴマー、イソプレンオリゴマー、石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩素化パラフィン、シリコン油、流動ハラフィン、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0014】
上記樹脂組成物の混合は、通常の方法で行うことができ、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機によって予備混合し、その後、二軸混練機、バンバリーミキサー等の通常の混練機によって混練してペレット化することにより行うことができる。
次いで、得られたペレットをインフレ成形機やTダイ成形機等のシート成形機に供給してシートを得ることができる。更に、このシートを一軸方向あるいは二軸方向に延伸することにより、透湿性シートを得ることができる。
この際、延伸倍率は、好ましくは1.2〜5倍(面積比)であり、更に好ましくは、1.2〜3倍である。
また、延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法あるいはチューブラ延伸法等が使用され、これらを多段に使用したり組み合わせて延伸してもよい。また得られた透湿シートには、寸法の安定化のために熱処理を行っても良い。
【0015】
また、上記透湿性シートの坪量は、15〜50g/m2であり、15〜35g/m2であることが好ましい。
また、上記透湿性シートの透湿度は、好ましくは0.1g/(100cm2・hr)以上であり、更に好ましくは0.5〜4.0g/(100cm2・hr)であり、最も好ましくは0.5〜2.5g/(100cm2・hr)である。
【0016】
(不織布)
本発明において用いられる上記不織布としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリアミド等の熱可塑性樹脂単独からなる繊維や、これらの樹脂の2種以上を用いてなる芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造を有する複合繊維からなる不織布が挙げられる。これらの繊維の中でも、ポリプロピレン単独繊維からなる不織布や、鞘成分がポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンであり芯成分がポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなる芯鞘構造繊維からなる不織布が好ましい。該芯鞘構造繊維の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)(PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘構造繊維等が挙げられる。
【0017】
上記不織布を構成する上記の繊維の繊維径は、柔らかさ、風合い、接着剤の裏抜け防止の点から、細かいことが好ましく、具体的には繊維径が好ましくは、1.0〜3.0デニールであり、特に好ましくは1.5〜2.0デニールである。1.0デニール未満であると、製造が困難となり、コスト高となり、一方、3.0デニールを超えると、不織布の柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなるので、上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記不織布の坪量は、15〜50g/m2であり、15〜30g/m2であるのが好ましい。上記坪量が15g/m2未満であると、不織布の製造が困難となり地合が悪くなり、50g/m2を超えると、柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなるので、上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記不織布としては、スパンボンド法、ヒートロール法、メルトブローン法等一般的な不織布の製造方法を用いて製造された不織布を特に制限無く用いることができる。
【0018】
(接着剤)
また、本発明において用いられる上記接着剤としては、スチレン系エラトマーをベースにしたゴム系のホットメルト接着剤、及びアモルファスポリアルファオレフィンをベースとしたオレフィン系のホットメルト接着剤等が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーとしては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。
【0019】
また、上記接着剤の溶融粘度は、180℃で10000cps以下であるのが好ましく、1000〜8000cpsであるのが更に好ましく、1000〜6000cpsであるのが最も好ましい。上記溶融粘度が10000cpsを超えると、上記接着剤の塗工性が低下して塗工面にムラが生じたり上記接着剤のボタ落ちが生じたりするおそれがあるので、好ましくない。
【0020】
上記接着剤は、液不透過性シートと不織布との間の全面に塗工されてもよく、或いは、断続的に塗工されていてもよい。断続的に塗工する方法としては、例えば、線状、点状、矩形状、スパイラル状等に塗工する方法が挙げられる。
また、上記接着剤による接着点面積(接着剤が塗布された部分の面積)は、塗工面積全体の10〜60%となるように塗工することが好ましい。尚、上記接着剤は、塗工面の略全面に亘って塗工されているのが好ましい。
また、上記接着剤の塗工量は、好ましくは0.5〜7.0g/m2 であり、更に好ましくは0.5〜3.0g/m2 である。上記塗工量が0.5g/m2 未満であると、上記液不透過性シートと上記不織布との間の接着力が不十分となり、7.0g/m2 を超えると、接着力は十分であるものの複合シートが硬くなり風合いが低下してしまうので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0021】
上記接着剤の塗工方法としては、上記接着剤を繊維状に塗工したり、霧状にして点状に塗工する方法等が挙げられる。具体的には、スロットスプレー法、カーテンスプレー法、メルトブローン法、スパイラルスプレー法、グラビア法、並びに線状に塗工する方法等が挙げられる。
【0022】
(エンボス)
本発明において上記エンボス加工に際して用いられる上記彫刻ロールとしては、例えば、多数の凸部が種々のパターンで表面に彫刻された鉄ロールなどを用いることができる。また、該彫刻ロールは、加熱可能なロールであるのが好ましい。
上記彫刻ロールにおける上記凸部の形状としては、例えば、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものでは無い。
また、上記彫刻ロールの上記凸部の角は、丸めてあるのがピンホール防止のために好ましい。
【0023】
また、上記凸部の面積(総面積)は、彫刻ロールの表面全体の面積に対して、5〜40%である。
上記面積が、5%未満であると、液体不通過性シートと不織布との接着力を十分上げることができず、40%を超えると、複合シートが硬くなり風合いが低下するので好ましくない。そして、このようにエンボス加工されて形成された複合シートにおける液不透過性シートと不織布との融着部は、上記彫刻ロールにおける上記凸部の面積のロール表面全体の面積に対する割合と、略同程度の面積率(融着部の総面積/シート全体の面積)を有する。尚、上記凸部の大きさや間隔は、上記の面積の割合を満足すれば、任意である。従って、上記複合シートに形成される融着部間の間隔も所望の融着部の形状に応じて任意であるが、該融着部がシートの全面に亘って形成されるようにするのが好ましい。
【0024】
また、本発明において上記エンボス加工に際して上記彫刻ロールと一対で用いられる上記受けロールは、特定の表面硬度を有するものである。
上記の特定の表面硬度は、D硬度で70〜94度であり、好ましくは80〜94度である。尚、上記表面硬度は、JIS K7215におけるD硬さ測定方法により測定されるものである。
上記受けロールの材質は、コットンロール、ペーパーロール又は硬質ゴムロールである。
【0025】
而して、本発明の複合シートの製造方法は、上記液不透過性シートと上記不織布とを上記接着剤によって貼り合わせてなる積層シートを、上記彫刻ロールと上記の範囲内の硬度を有する上記受けロールとの間に通してエンボス加工を施すエンボス工程を行うことにより実施できる。
【0026】
以下、上記エンボス工程について詳述する。尚、これらの工程以外の工程、例えば、接着剤の塗布工程等は通常の複合シートの形成方法と同様である。
【0027】
上記エンボス加工は、上記積層シートを形成するのと同時にインラインで行ってもよく、また、後加工してアウトラインで行ってもよい。
また、上記エンボス加工において、上記彫刻ロールにより押圧される面は、上記不織布の面と上記液体不透過性シートの面との何れの面としてもよい。
【0028】
また、上記エンボス加工は、加熱して行うことが好ましい。この際のエンボス温度は、不織布を構成する構成繊維の融点よりも10℃低い温度以下の温度とするのが好ましい。融点よりも10℃低い温度を超える温度で加熱すると、複合シートがロールに融着したり熱による縮みやシワが発生するので、好ましくない。また、エンボス加工の線圧は、50〜150kg/cmで、好ましくは80〜120kg/cmである。線圧が50kg/cm未満であると、エンボスパターンがあまり鮮明にならず、150kg/cmを超えると、複合シートに穴開きが生じ易くなるので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0029】
上記エンボス加工に際しては、エンボス加工される前の上記積層シートを加熱ロールで予備加熱してもよい。
また、彫刻ロールと受けロールとの間に温度差をつけてエンボス処理することもでき、この場合には得られる複合シートにおいて柔らかい風合いが得られるため好ましい。
尚、上記エンボス加工の条件は、加工速度による影響が大きいため、これらの範囲に限られるものではない。
【0030】
ついで、本発明の複合シートの製造方法について図面を参照して説明する。
ここで、図1は、本発明の複合シートの製造方法の要部を示す概略図である。
【0031】
本発明の複合シートの製造方法は、以下のようにして実施される。
すなわち、図1に示すように、巻き出しロール11’から不織布11を巻き出す。また、巻き出しロール12’から液不透過性シートを巻き出す。そして、該不織布11上に接着剤塗布装置13’を用いて接着剤13をスパイラル状に塗布し、上記液不透過性シート12と接着剤13が塗布された不織布11とをニップロール30、30間に通して貼り合わせて積層シート10を得る。
ついで、得られた積層シート10を、彫刻ロール21と受けロール22とに通して、エンボス加工を行って、エンボス工程を行い、複合シート1を得る。
また、上記エンボス工程を経て製造された複合シート1は、案内ロール23、23により、巻き取りロール24に導かれて巻き取られる。
【0032】
本発明の製造方法によって得られる複合シートは、美観及び風合いが良好で、液不透過性シート及び不織布の接着力が強い複合シートである。
従って、表面シートと裏面シートと両シート間に介在する吸収体とを具備する使い捨ておむつ等の吸収性物品における該裏面シート、介護用の使い捨てシーツ等の衛生材料や衣料用素材、又雨具や簡易ジャンパ等として有用である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
〔実施例1〕
坪量が30g/m2 の透湿シートと、坪量が22g/m2 の不織布とを、不織布側に塗工量1.5g/m2 で接着剤を塗工して貼り合わせて積層シートを得た。
ついで、貼り合わせた積層シートを、凸部の面積が14%で絵柄模様に凸部が彫刻されてなる彫刻ロールと、通常の硬質ゴムからなり硬度がD硬度で90度の受けロールを用いてエンボス加工して、エンボス工程を行い複合シートを得た。
【0035】
なお、用いた透湿シート、不織布及び接着剤は、それぞれ下記するものである。
透湿シート;線状低密度ポリエチレン〔「ウルトゼックス2520F」商品名、三井石油化学工業(株)製〕100重量部、表面処理炭酸カルシウム(平均粒径:1μm)150重量部、表1に示すエステル組成物10重量部を添加し、二軸スクリュー型混練機で混練しペレットを作製した。得られたペレットをインフレーション成形機に供給し、インフレーションシートを成形し、ロール延伸機を用いて延伸温度50℃延伸倍率2.3倍に延伸して多孔性の透湿シートを得た。この透湿シートの坪量は30g/m2 であり、透湿度は、1.8g/(100cm2 ・hr)であった。
【0036】
【表1】
【0037】
不織布;撥水性のポリプロピレン繊維(繊維径1.8デニール)を用いてヒートロール法により作成した、坪量22g/m2 のヒートロール不織布。
接着剤;APAO(アモルファスポリαオレフィン)をベースポリマーとして用いたホットメルト型の接着剤。
【0038】
得られた複合シートについて下記する各試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
・厚み:デシタル厚み計((株)ミツトヨ社製)によって測定した。
・耐水圧:複合シートのシート側から2m水柱の水圧をかけ10min後不織布側の表面が濡れているかどうか目視し評価した。
・肌触り評価:触感により下記の評価基準に従い評価した。
○:柔らかい風合いがあり、肌触りも良い。
△:少し硬い感じがする。
【0039】
〔実施例2〕
受けロールとして、ペーパーロールで且つその硬度が70度である、ロールを用いた以外は実施例1と同様にして複合シートを得、得られた複合シートについて実施例1と同様の試験を行った。その結果を〔表2〕に示す。
【0040】
〔比較例1〕
受けロールとして、金属製で且つその硬度が100度以上である、ロールを用いた以外は実施例1と同様にして複合シートを得、得られた複合シートについて実施例1と同様の試験を行った。その結果を〔表2〕に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】
本発明の複合シートの製造方法によれば、美観及び風合いが良好で、液不透過性シート及び不織布の接着力が強い複合シートを、高い生産性をもって、製造することができる。
更に詳細には、本発明の製造方法によれば、高速でエンボス処理を施してもピンホールの無い複合シートを得ることができ、また、液不透過性シートと不織布とを薄くしても高速でエンボス処理を施すことができ、更には、エンボスパターンも鮮明に付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法の概略を示す概略図である。
Claims (3)
- 液不透過性シートと不織布とを接着剤によって貼り合わせてなる積層シートを、彫刻ロールと受けロールとの間に通してエンボス加工を施すエンボス工程を具備し、
上記受けロールは、その硬度がD硬度で70〜94度のコットンロール、ペーパーロール又は硬質ゴムロールであり、
上記彫刻ロールは、多数の凸部を有し、該凸部の総面積がロール全体の面積の5〜40%であり、
上記液不透過性シートが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して充填剤50〜400重量部と第三成分1〜20重量部とを混合してなる樹脂組成物により形成された透湿シートであり、
上記不織布の坪量が15〜50g/m 2 であり、上記透湿性シートの坪量が15〜50g/m 2 であることを特徴とする複合シートの製造方法。 - 上記エンボス加工の線圧は、50〜150kg/cmであることを特徴とする請求項1記載の複合シートの製造方法。
- 上記エンボス加工において上記彫刻ロールにより押圧される面は、上記不織布の面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合シートの製造方法。
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