JP3568706B2 - 複合シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品の裏面材等として有用な複合シートに関し、更に詳細には、風合い及び接着力に優れ、更にはブロッキングの生じにくい複合シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液不透過性シートと不織布とを接着剤によって接合した複合シートは、使い捨ておむつ等の吸収性物品の裏面材等として広く用いられている。そして、このような複合シートは、例えば、使い捨ておむつに用いられる際には、柔らかさ等の風合いが良好なことが要求されるため、上記不織布及び上記液不透過性シートとして、厚みの薄いものが用いられている。また、上記複合シートにおいては、上記不織布と上記液不透過性シートとの接着力が高いことが要求されているため、接着剤を大量に用いたり、接着剤の線径を太くすることが通常行われている。
【0003】
しかし、このように厚みの薄い不織布及び液不透過性シートを用いた場合には、使用する接着剤の量が多かったり、また塗工した接着剤の線径が太かったりすると、せっかく薄い素材を使用しても、接着剤の硬さの影響で風合いが悪くなったり、接着剤が不織布表面に滲みでてしまい、複合シートをロール状に巻き取った際等において隣接する複合シートと接着してしまう問題(ブロッキング)が生じている。
【0004】
要するに、従来の複合シートでは、接着力と風合い及びブロッキング防止性との全てを満足するものではなく、これら全てを満足する複合シートの開発が要望されている。
【0005】
従って、本発明の目的は、接着力に優れ、風合いが良好であり、更にブロッキングも生じない複合シート及び該複合シートの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の厚みを有する液不透過性シートと特定の繊維径を有する構成繊維により構成された特定の坪量を有する不織布とを、特定の接着剤を特定の形状で特定量塗工してなる複合シートが、上記目的を達成しうることを知見した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、液不透過性シートと不織布とを接着剤を介して接着してなる複合シートにおいて、上記液不透過性シートは、その厚みが15〜40μであり、上記不織布は、繊維径が1.5〜3.5デニールの構成繊維により、構成されており、坪量が15〜35g/m2であり、上記接着剤は、その溶融粘度が180℃で10000cps以下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、繊維状の接着剤の繊維径が15〜210μであり、該接着剤の塗工量が0.5〜g/m2であり、繊維状の該接着剤の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数が10〜40本であり、熱エンボス加工されている、複合シートを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記液不透過性シート透湿シートであり、該透湿シートの透湿量が0.5〜4g/(100cm2・hr)である、複合シートを提供するものである。
また、本発明は、上記複合シートエンボス面積率が複合シート全体に対して40%以下である、複合シートを提供するものである。
【0009】
更に、本発明は、上記複合シートの好ましい製造方法として、上記液不透過性シート上又は不織布上に、接着剤をファイバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、この塗工した面に不織布又は液不透過性シートを貼り合わせる貼り合わせ工程と、熱エンボス加工を、上記貼り合わせ工程において行うか、又は上記接着剤塗工工程と同時に行うか若しくは後加工して行う熱エンボス加工工程とを具備する、複合シートの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明実施の形態】
以下、本発明の複合シートについて詳述する。
本発明の複合シートは、特定の厚みを有する液不透過性シートと特定の繊維径を有する構成繊維により構成された特定の坪量を有する不織布とを、特定の溶融粘度を有する接着剤を特定の形状で特定量塗工してなることを特徴とする。
【0011】
本発明において用いられる上記液不透過性シートが有する上記の特定の厚みは、15〜40μであり、20〜35μであるのが更に好ましい。
上記厚みが、15μ未満であると、製造時に厚みの制御が困難になる他、不織布と接合する際及び使い捨ておむつ製造時に破れやすくなる。また、40μを超えると、複合シートにおける柔らかさ等の風合いや肌触りが低下する。
【0012】
本発明において用いられる上記液不透過性シートとしては、上記の厚みを有し、液体不透過性を有していれば、特に制限されず、非透湿シート及び多孔性シート等の透湿性シートの何れをも使用することができる。
上記非透湿シートとしては、ポリオレフィン樹脂を主成分とし、顔料や、充填材を配合して混合し、Tダイ成形機やインフレ成形機によって成膜した一般的な非透湿性で且つ液体不透過性のシートが挙げられる。該非透湿シートは、ポリエチレン系樹脂をベースにしたものが好ましく、その坪量は、10〜50g/mであるのが好ましい。
【0013】
上記透湿シートは、水蒸気を発散し易いので、本発明の複合シートを吸収性物品、衣料素材等ムレを感じ易いものに使用する場合には、特に好ましい。
【0014】
上記透湿シートとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂に充填剤を混練りし、溶融成型加工して得られたフィルム又はシートを、一軸又は二軸延伸することによって得られる多孔性シート等が好ましく挙げられる。
【0015】
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィン重合体及びこれらのオレフィンの共重合体を主成分とするものが用いられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物が挙げられ、なかでも、線状低密度ポリエチレンがしなやかで強靱であることから望ましい。
【0016】
上記充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤が用いられる。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、セッコウ、タルク、カーボンブラック、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフューム、雲母粉等が挙げられる。
一方、有機充填剤としては、木粉、石炭粉、パルプ粉等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよく又は混合物として用いてもよい。
【0017】
上記充填剤の平均粒径は、30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましく、0.5μm〜5μmであることが最も好ましい。
また、上記充填剤は、上記ポリオレフィン樹脂への均一分散性の点から表面処理されていることが好ましい。該表面処理には、脂肪酸又はその金属塩などの、充填剤表面を疎水化し得るものが好ましく用いられる。
上記充填剤の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して50〜250重量部であることが好ましい。
【0018】
上記ポリオレフィン樹脂に上記充填剤を混練りし、溶融成形加工するには、通常公知のフィルムやシートの製造方法における混練りや溶融成形加工と同様にして行うことができる。また、上記一軸又は二軸延伸は、通常の方法と同様にして行うことができるが、その際、一軸延伸の場合は延伸倍率を1.2〜4.0倍とするのが好ましく、二軸延伸の場合は面積倍率を1.5〜8倍とするのが好ましい。
【0019】
また、上記ポリオレフィン樹脂には、上記多孔性シートの各種性能を向上させる目的で種々の第三成分を配合することができる。
上記第三成分としては、オレフィン系の低融点ポリマー、液状若しくはワックス状炭化水素重合体、ゴム状物(例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムなど)、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、又は可塑剤等の添加剤;トリグリセライド;塩化パラフィン;一塩基酸と一価アルコールとからなるモノエステル、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエステルの混合物;多塩基酸と一価アルコールとからなるポリエスルテルA、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエステルBの混合物;合計炭素数38以上のモノエステルであって該モノエステルを構成する酸及びアルコールの少なくとも一方が分岐状であるモノエステル;側鎖を有する炭化水素重合体及びポリエステルの混合物等が挙げられる。
【0020】
上記添加剤は、上記多孔性シートの延伸方向の引き裂き強度及び横方向の引張応力を向上させる目的で、添加されるものである。これらの添加剤の添加量は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜100重量部とするのが好ましい。
【0021】
上記トリグリセライドは、上記多孔性シートのシート強度を向上させ、しかも低延伸倍率でも連続孔を該多孔性シートに形成せしめるために添加されるモノであり、該トリグリセライドの配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して好ましくは1〜100重量部である。
尚、上記トリグリセライドを構成する脂肪酸は、炭素数が2〜30の飽和又は不飽和の脂肪酸であるのが好ましい。
【0022】
また、上記塩化パラフィンは、上記トリグリセライドと同じ目的で用いられるものである。
上記塩化パラフィンにおける塩素含有量は、好ましくは1〜65重量%であり、更に好ましくは35〜55%である。この様な塩化パラフィンは、公知の方法、例えば、溶融固形パラフィン、nパラフィン又は固形パラフィンの四塩化炭素溶液に塩素ガスを通すことによって製造される。
上記塩化パラフィンの配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜100重量部であるのが好ましい。
【0023】
また、上記の一塩基酸と一価アルコールとからなるモノエステル、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエステルの混合物は、上記トリグリセライドと同じ目的で用いられるものである。
上記モノエステルとしては、例えば、炭素数10以上のモノカルボン酸等の一塩基酸と炭素数10以上のモノアルコール等の一価アルコールとを、脱水縮合して得られるエステルが挙げられるが、好ましくは分子量が240以上のモノエステル、更に好ましくは分岐炭化水素鎖を含む炭素数20以上のモノエステルが用いられる。
一方、上記ポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、ジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール又はシュークローズ等の多価アルコールとを、脱水縮合して得られるポリエステルであって、合計炭素数が50以上のものが挙げられる。
上記混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
なお、上記モノエステルは、得られる多孔性シートの透湿性及びタテ裂け強度の向上に寄与し、上記ポリエステルは透湿性及び外観の向上に寄与すると考えられる。
【0024】
上記の多塩基酸と一価アルコールとからなるポリエスルテルA、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエステルBの混合物は、上記トリグリセライドと同じ目的で用いられるものである。
上記ポリエステルAとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、一価アルコールとを脱水縮合して得られるジエステル、トリエステル又はテトラエステルであって、合計炭素数が30以上のものが挙げられる。これらのうち、ケン化価が230以下であるジエステルが好ましく、炭素数が16以上の分岐一価アルコールを含むジエステルが更に好ましい。
一方、上記ポリエステルBとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、ジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール又はシュークローズ等の多価アルコールとを脱水縮合して得られるポリエステルであって、合計炭素数が50以上のものが挙げられる。
上記ポリエスルテA及び上記ポリエステルBの混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
【0025】
また、上記の合計炭素数38以上のモノエステルであって、該モノエステルを構成する酸及びアルコールの少なくとも一方が分岐状であるモノエステルは、上記多孔性シートにおけるしなやかな風合いと良好な透湿防漏性とを維持した上で、タテ裂け強度を向上させる目的で用いられるものである。
具体的には、2−デシルテトラデシルステアレート、2−オクタデシルベヘネート、及びα−分岐脂肪酸(C18〜40)とモノアルコール(C6〜36)とのエステル(合計炭素数38以上)等が挙げられる。
上記モノエステルの配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であるのが好ましい。
【0026】
また、上記の側鎖を有する炭化水素重合体及びポリエステルの混合物は、上記多孔性シートにおけるしなやかな風合いと良好な透湿防漏性とを維持した上で、タテ裂け強度を向上させる目的及びシート外観を向上させる目的で、用いられるものである。
上記炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類であって炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域のものが好ましく用いられるが、この他に、エチレン−プロピレンの共重合体、例えば三井石油化学工業(株)製の商品名「ルーカント」やそのマレイン酸誘導体;イソブチレンの重合体、例えば出光石油化学工業(株)製の商品名「ポリブテンHV−100」;又はブタジエン、イソプレンのオリゴマー及びその水添物や、これらから誘導される誘導体等を用いることもできる。
一方、上記ポリエステルとしては、例えば、多塩基酸又は多価アルコールを構成成分とするポリエステルが用いられ、具体的には、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油のエチレンオキシド付加物、グリコール類とダイマー酸とのポリエステル、トリメチロールプロパン・ダイマー酸・ステアリン酸から得られるヘキサエステル、トリメチロールプロパン・アジピン酸・ステアリン酸から得られるヘキサエステルなどが挙げられる。
上記炭化水素重合体と上記ポリエステルとの配合重量比は3/7〜7/3が好ましいが、用途に応じた透湿性、タテ裂け強度、外観の要望レベルに従って1/9〜9/1の範囲で自由に選ぶことができる。側鎖を有する上記炭化水素重合体及び上記ポリエステルの混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
【0027】
また、上記透湿シートとしては、イ)結晶性ポリオレフィン樹脂と、ロ)該結晶性ポリオレフィン樹脂の溶融下で該結晶性ポリオレフィン樹脂と混和性があり且つ該結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化温度以下では相分離する有機化合物とを含む混合物からシートを形成し、該シートを少なくとも一軸方向に延伸することによって得られる多孔性シートも好ましく用いることができる。
上記混合物から上記シートを形成する方法は、通常の方法を特に制限なく用いることができる。
【0028】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリプロピレンとプロピレン−エチレン共重合体とのブレンド物、又はポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド物等を好ましく用いることができる。
また、上記有機化合物としては、鉱物油、合成潤滑油、パラフィンワックス、又は脂肪族カルボン酸と多価アルコールのエステル等を好ましく用いることができる。
上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記有機化合物の配合量は、それぞれ、上記結晶性ポリオレフィン樹脂が50〜90重量部であり、上記有機化合物が50〜10重量部であることが好ましい。
【0029】
また、上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記有機化合物を含む多孔性シートには、結晶核形成剤等の各種の添加剤を配合することもできる。該添加剤は、上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記有機化合物の混合物100重量部に対して0.01〜3重量部配合されることが好ましく、0.05〜1重量部配合されることが更に好ましい。
【0030】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂と上記有機化合物とを含む混合物から形成されたシートを延伸する際の延伸倍率は、好ましくは少なくとも一軸方向に1.2〜5倍(面積比)であり、更に好ましくは1.2〜3倍である。
【0031】
本発明において上記液体不透過性シートとして用いられる上記透湿シートは、その透湿度が好ましくは0.5〜4g/(100cm・hr)であり、更に好ましくは0.5〜2.5g/(100cm・hr)である。上記透湿度が0.5g/(100cm・hr)未満であると、本発明の複合シートを吸収性物品の裏面シートに用いた場合に、透湿性が不十分でムレや肌のかぶれを十分防止することができず、また、4.0g/(100cm・hr)を超えると、複合シートを吸収性物品の裏面シートなどに用いた際に、尿等の液体の漏れが懸念されるので好ましくない。なお、上記透湿度は、JIS Z−0208に準拠して測定した値である。
また、上記透湿シートは、その坪量が15〜50g/mであることが好ましく、さらには15〜35g/mが好ましい。
【0032】
従って、上記液不透過性シートは、透湿シートであり、該透湿シートの透湿量が0.5〜4g/(100cm・hr)であるのが特に好ましい。
【0033】
また、本発明において用いられる上記不織布の有する特定の坪量は、15〜35g/mであり、好ましくは18〜30g/mである。
上記坪量が15g/m未満であると、強度が低下すると共に、地合が悪くなりブロッキングの発生の程度が大きくなる。また、35g/mを超えると、柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなる。
【0034】
また、上記不織布を構成する構成繊維の有する上記の特定の繊維径は、1.5〜3.5デニールであり、好ましくは1.5〜3.0デニールである。
上記繊維径が1.5デニール未満であると、製造が困難になり、コスト高となってしまい、3.5デニールを超えると、柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなる。
【0035】
上記構成繊維としては、具体的には、下記する繊維などが挙げられる。
ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維、例えば鞘成分がポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維。
更に具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)/PE(鞘)、PET(芯)/低融点PP(鞘)が挙げられる。
また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0036】
また、上記構成繊維の繊維長は、20〜80mmであるのが好ましく、30〜60mmであるのが更に好ましい。該繊維長が、20mm未満であると、カード機にかけることが困難となり、80mmを超えると繊維の塊(ネップ)に成り易くなるので、好ましくない。
【0037】
そして、本発明において用いられる上記不織布は、上記構成繊維からなり上記の特定の坪量を有するものであれば特に制限されないが、好ましくは、上記構成繊維を用い、下記の製法により製造してなるものが挙げられる。
ヒートロール法、サクションヒートボンド法、スパンレース法、スパンボンド法、メルトブローン法等の公知の製造方法。
従って、本発明において用いられる上記不織布としては、ヒートロール不織布、サクションヒートボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。
【0038】
本発明において用いられる接着剤が有する上記の特定の溶融粘度は、180℃で10000cps以下であり、好ましくは1000〜8000cps、更に好ましくは1000〜6000cpsである。
上記溶融粘度が10000cpsを超えると、塗工性が低下して、塗工面にむらが生じたり、接着剤のボタ落ちが発生したりするおそれがある。
【0039】
上記接着剤としては、上記の特定の溶融粘度を有するものであれば特に制限されないが、具体的には、下記する接着剤等が挙げられる。
即ち、スチレン系エラストマーやEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)をベースポリマーにした、いわゆるゴム系のホットメルト型接着剤や、アモルファスポリアルファオレフィン(APAO)をベースポリマーにしたホットメルト型接着剤がある。
上記ホットメルト型接着剤の構成成分として用いられるベースポリマー(スチレン系エラストマー)としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。
また、上記APAOとしては、従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体等を用いることができる。また、これらのAPAOは、例えば、宇部レキセン社製の「ウベタック」(「UT2175」等)やイーストマンコダック社製の「イーストフレックス」等の商品名で市販されている。
また、上記APAOとしては、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体を用いることもできる。また、該三元共重合体は、ヒュルツ社より「ベストプラスト」の商品名で市販されている。
【0040】
また、上記接着剤は、上記ベースポリマー以外に、その構成成分として粘着付与剤、軟化剤及び酸化防止剤を含有してもよい。
上記粘着付与剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。具体的には、「クリアロン」(商品名、安原化学製)等の水添テルペン樹脂、「アルコン」(商品名、荒川化学製)等の水添芳香族石油樹脂等が挙げられる。上記粘着付与剤の配合量は、用いる上記軟化剤の配合量等に応じて適宜選択することができるが、通常上記接着剤全量に対して、30〜70重量%とするのが好ましい。
【0041】
また、上記軟化剤としては、例えば、軟化点が10℃以下で平均分子量が200〜700のプロセスオイル、鉱油、各種可塑剤、ポリブテン、及び液状粘着付与樹脂等が好ましく挙げられる。具体的には「シェルフレックス」(商品名、シェル化学製)、「PW−90」(商品名、出光興産製)等のパラフィン系オイル、テトラオクチルピロメリテート、ジードデシルフタレート及びトリオクチルトリメリテート等のエステル系オイル等が挙げられる。上記軟化剤の配合量は、上記接着剤全量に対して、20重量%以下であることが好ましい。上記配合量が20重量%を超えると、上記接着剤のタック性(べたべた感)が大きくなり、上記複合シート間のブロッキング発生の原因となる場合がある。
また、上記酸化防止剤としては、例えば、「イルガノックス1010」〔商品名、チバガイギー(株)製〕、「イルガノックス1076」〔商品名、チバガイギー(株)製〕、又は「スミライザーGM」〔商品名、住友化学(株)製〕等が好ましく挙げられる。上記酸化防止剤の配合量はAPAO100重量部に対して1〜3重量部であることが好ましい。
なお、上記接着剤には、上述の各成分に加えて、更に必要に応じて他の成分を配合してもよい。
【0042】
また、上記接着剤の特定の形状は、ランダムな繊維状であり、繊維状の接着剤の繊維径は15〜210μであり、好ましくは20〜150μである。
上記塗布形状をランダムな上記繊維径を有する繊維状とすることにより、風合いを損なわずに接着力を向上させることが可能となる。
また、上記繊維径が15μ未満であると、繊維が細すぎて十分な接着力が発現しにくく、210μを超えると、接着部分が硬くなり、複合シートの風合いが低下する。
【0043】
また、上記接着剤の塗工量は0.5〜5g/m2である。
上記塗工量が0.5g/m2未満であると、接着力が足し、7g/m2を超えると、風合いが低下する。
また、繊維状の上記接着剤の任意の1本と直交する長さ1cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数は、10〜40本であり、好ましくは10〜30本である。即ち、後述の図1に示すように、接着剤の任意の1本10aと直交する方向に長さ1cmの直線11を引いた時、該直線11と交差する10a以外の接着剤10の数が上記の範囲の本数である。
接着剤の本数が10本未満であると接着力が低下し、40本を超えると、複合シートの風合いを低下させると共に、上記液不透過性シートとして透湿シートを使用した場合は複合シート全体の透湿度が低下する。
【0044】
図1及び2を参照して上記接着剤の塗工形態について詳述する。
ここで、図1は、本発明の複合シートにおける接着剤の塗工形態の1形態を示す拡大平面図であり、図2は、図1のII部拡大図である。尚、図1及び2においては、説明の便宜上、接着剤のみを図示して示す。
図1及び図2に示すように、上記接着剤10は、繊維状であり、ランダムに、即ち、繊維状の該接着剤10が一方向に配向されることなく塗工されている。ここで、該接着剤は、不織布と液不透過性シートとの何れに塗工されていてもよい。
但し、後述するような製造方法で製造した場合には、図1及び2に示すように、ある程度の配向性をもって塗布されていてもよい。
【0045】
そして、本発明の複合シートは、上記液不透過性シートと上記不織布とを上記接着剤により接着してなる。
本発明の複合シートの構造としては、液不透過性シート/不織布の2層構造、液不透過性シート/不織布/液不透過性シート及び不織布/液不透過性シート/不織布の3層構造等種々の構造を採りうる。
いずれの構造においても、液不透過性シートと不織布との間には、接着剤が介在しており、この接着剤により、液不透過性シートと不織布とが接着されている。
図3を参照して本発明の複合シートの1形態としての2層構造の複合シートについて具体的に説明すると、本形態の複合シート1は、液不透過性シート3と不織布2とが接着剤10を介して接着されている。ここで、液不透過性シート3は、上記の特定の厚みを有する液不透過性シートであり、不織布2は、上記の特定の繊維径を有する構造繊維により構成された特定の坪量を有する不織布である。また、接着剤10は、上記の特定の溶融粘度を有する接着剤であり、特定の形状、即ち、ランダムな繊維状に、上記の特定量塗工されてなる。
【0046】
上記複合シートは、熱エンボス加工されており、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して40%以下であるのが好ましく、5〜40%であるのが更に好ましい。ここで、上記「エンボス面積率」とは、熱エンボス加工により液不透過性シートと不織布とが融着されてなる部分(融着部)の面積の複合シート全体の面積に対する比である。
上記エンボス面積率が、40%を超えると、複合シートが硬くなり風合いが低下するので好ましくない。
従って、上記熱エンボス加工されてなる本発明の複合シートは、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等の形状の多数の融着部が、所定のパターンで形成されてなるものである。尚、該所定のパターンは、特に限定されるものではない。
尚、上記凸部の大きさや間隔は、上記エンボス面積率を満足すれば任意である。従って、上記複合シートに形成される融着部間の間隔も所望の融着部の形状に応じて任意であるが、図3に示すように、融着部1aが複合シート1の全面に亘って形成されるようにするのが好ましい。
【0047】
また、上記複合シートは、透湿性を有しているのが好ましく、具体的には0.5g/(100cm・hr)以上であるのが好ましい。
【0048】
本発明の複合シートは、上記の接着剤の塗工条件で上記液不透過性シートと上記不織布とを貼り合わせているので、接着力が十分であり、ブロッキングもなく、風合いの良いものである。
従って、表面シートと裏面シートと両シート間に介在する吸収体とを具備する使い捨ておむつ等の吸収性物品における該裏面シート、介護用の使い捨てシーツ等の衛生材料や衣料用素材又は雨具や簡易ジャンパ等として有用である。
【0049】
次に、本発明の複合シートの好ましい製造方法について説明する。
本発明の複合シートは、上記液不透過性シート上又は上記不織布上に、上記接着剤をファイバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、この塗工した面に上記不織布又は上記液不透過性シートを貼り合わせる貼り合わせ工程とを行うことにより、製造できる。
尚、上記接着剤塗工工程及び上記貼り合わせ工程以外の工程、例えば上記液不透過性シートの形成工程などは、公知の製造方法と同様である。
【0050】
上記接着剤塗工工程について説明する。
接着剤をファイバー状にスプレーするには、特開平5−309310号公報や特開平6−210228号公報等に記載のホットメルト接着剤塗布装置を用いて、公知のカーテンスプレー法、スロットスプレー法、メルトブローン法等を行うことにより実施できる。
【0051】
上記接着剤塗工工程において好ましく用いられるホットメルト接着剤塗布装置の要部について図4を参照して説明する。
ここで,図4は、本発明において好ましく用いられるホットメルト接着剤塗布装置の要部(ノズルユニット)を示す一部破断斜視図である。
図4に示すホットメルト接着剤塗布装置のノズルユニット21は、全体として長方形状であり、ノズルユニット21の巾方向略中央に嵌装されたプレート状のシム22と、ノズルユニット21の両側から下向端面にかけて形成されたエアー注入路23と、ノズルユニット21の上端から該シム22の巾方向中程にかけて形成された接着剤注入路24とからなる。上記シム22は、その一側縁がノズルユニット21の下方端面に位置し、この下方端面に位置する部分により接着剤吐出口25を形成している。また、上記エアー注入路23は、ノズルユニットの下方端面において、エアー噴出口26を形成している。上記エアー噴出口26は上記接着剤吐出口25の左右両側に設けられている。
【0052】
また、上記シム22は、上方に形成された細帯状のプレート部22aと、下方に形成された多数のスリット22cを有するくし状部22bとからなり、このくし状部22bの下方端部が上記接着剤吐出口25を形成している。ここで、各上記スリット22cは、それぞれ該くし状部22bの巾方向全域に亘って形成されている。
また、該スリット22cの巾は0.3〜0.8mmであるのが好ましく、ピッチは1.0〜2.0mmであるのが好ましく、長さは5〜15mmであるのが好ましく、厚みは0.1〜0.4mmであるのが好ましい。
【0053】
そして、上記ノズルユニット21は、次のように作動する。
即ち、上記接着剤注入路24により接着剤供給部(図示せず)から供給された接着剤をシム22に注入するとともに、エアー注入路23によりエアー供給部(図示せず)から供給されたエアーを注入し、エアー噴出口26よりエアーを噴射する。供給された接着剤は、シム22によってスリット22cの形状に略等しい線状になされ、この線状の接着剤が、接着剤吐出口25に供給され、吐出される。そして、接着剤吐出口25から吐出された接着剤は、エアー噴出口26より噴射されるエアーによって、繊維状とされて、塗工面に塗工される。
尚、上記エアーは加熱エアーであるのが好ましい。該エアーの温度は、接着剤の融点と同じか又はこれよりも50℃以上高い温度であるのが好ましく、該融点よりも50〜120℃高い温度が更に好ましい。また、エアーの噴射圧は、1.0〜3.0kg/cmであるのが好ましい。
【0054】
上記貼り合わせ工程は、公知の複合シートの製法と同様に液不透過性シートと不織布とを貼り合わせた後、圧力をかけてプレスする等して行うことができる。
【0055】
また、本発明においては、この貼り合わせ工程において、熱エンボス加工を施すのが好ましい。
上記熱エンボス加工は、上記接着剤塗工工程と同時にインラインで行ってもよく、また、後加工してアウトラインで行ってもよい。
上記熱エンボス加工は、エンボス加工ロールを用いて行うことができる。上記エンボス加工ロールとしては、一般に彫刻ロールと平滑ロールとからなる一対のロールを用いることができる。この際、該彫刻ロールにより押圧される面は、上記ヒートロール不織布の面と上記液体不透過性シートの面との何れの面としてもよい。
上記彫刻ロールとしては、例えば種々のパターンがその表面に彫刻された鉄ロールを用いることができ、一方、上記平滑ロールとしては、ペーパーロール、ゴムロール、シリコンゴムロール、ウレタンゴムロール、金属ロール等を用いることができる。
【0056】
上記熱エンボス加工に際しては、熱エンボス加工される前の上記積層シートを加熱ロールで予備加熱してもよい。また上記エンボス加工ロール自体を加熱可能な加熱ロールとして、熱エンボス加工を施してもよい。
上記熱エンボス加工の温度は、加熱ロールと直接接触する上記ヒートロール不織布の構成繊維または上記液体不透過性シートの融点よりも10℃低い温度以下の温度とすることが好ましい。融点よりも10℃低い温度を超える温度で加熱すると、複合シートがロールに融着したり熱による縮みやシワが発生するので、好ましくない。
【0057】
また、彫刻ロールと平滑ロールとの間に温度差をつけて熱エンボス加工することもでき、この場合には得られる複合シートにおいて柔らかい風合いが得られるため好ましい。
上記彫刻ロールのパターンとしては、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等が挙げられ、特にそのパターンは限定されない。
また、熱エンボス加工する際の線圧は、20〜120kg/cmであるのが好ましい。該線圧が20kg/cm以下であると、熱エンボス加工による効果が低下する場合があり、120kg/cmを超えると、上記複合シートに穴開きが生じ易くなるので、好ましくない。
尚、上記熱エンボス加工の条件は、加工速度による影響が大きいため、これらの範囲に限られるものではない。
【0058】
ついで、本発明の複合シートの製造方法について図5を参照して説明する。
ここで、図5は、図3に示す複合シートの製造方法の要部を示す概略図である。
【0059】
図3に示す形態の複合シート1は、図5に示すようにして製造される。
即ち、図5に示すように、巻き出しロール2’から不織布2を巻き出す。また、巻き出しロール3’から液不透過性シート3を巻き出す。そして、該液不透過性シート3上に、図4に示す如きノズルユニットを有する接着剤塗布装置10’を用いて接着剤10をランダムな繊維状に塗布して接着剤塗工工程を行う。
ついで、接着剤10が塗布された上記液不透過性シート3と不織布2とをニップロール30、30間に通して貼り合わせて積層シート1’を得、得られた積層シート1’を、彫刻ロール31と平滑ロール32とからなるエンボス加工ロールに通して、熱エンボス加工を行って、貼り合わせ工程を行い、複合シート1を得る。
上記エンボス工程を経て製造された複合シート1は、案内ロール33、33により、巻き取りロール34に導かれて巻き取られる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】
〔実施例〕
厚み20μの透湿シート上に〔表1〕に示す配合組成の接着剤(溶融粘度180℃/2000cps)をメルトブローン法(図4に示すノズルユニットを有する装置)を用いた。また、エアーとして温度190℃であり、圧力2.0kg/cmのホットエアーを用いた)にて、ランダムな繊維状に塗工した(塗工量1.0g/m、塗工温度170℃、塗工速度200m/min)。
塗工面上に、構成繊維(ポリエチレンのステープルファイバー)の繊維径1.5デニール、坪量22g/m、及び0.5g/cm加重下での厚み0.5mmのサクションヒートボンド不織布を貼り合わせ、複合シートとなした。
【0062】
【表1】
Figure 0003568706
【0063】
尚、上記透湿シートは、下記するものである。
線状低密度ポリエチレン〔ウルトゼックス2520F、三井石油化学工業(株)製〕100重量部、及び表面処理炭酸カルシウム(平均粒径;1μm)150重量部に、〔表3〕に示す組成及び物性値を有するエステル組成物10重量部を添加し、二軸スクリュー型混練機で混練しペレットを作製した。得られたペレットをインフレーション成形機に供給し、厚み40μmのインフレーションシートを成形した。得られたシートをロール延伸機を用いて延伸温度50℃で延伸倍率2.3倍に延伸して多孔質の透湿シートを得た。この透湿シートを上記透湿シートとして用いた。このシートの厚みは20μmであり、透湿量は1.8g/(100cm・h)であり、坪量は20g/mであった。
【0064】
【表2】
Figure 0003568706
【0065】
得られた複合シートについて、下記の方法により25mm幅での接着強度及び50mm幅でのブロッキング強度を測定した。その結果を〔表3〕に示す。
また、得られた複合シートを用いて使い捨ておむつを作製した。得られた使い捨ておむつは、ムレが防止され且つ柔らかさ等の風合いや肌触りが向上したものであった。
【0066】
<接着強度の測定方法>
複合シートから、該複合シートのMD方向に沿って巾25mm×該複合シートのCD方向に沿って長さ100mmの試験片を切り出した。この試験片について、テンシロン引張試験機を用いてCD方向に、180°剥離試験(引張速度300mm/min、測定温度20℃)を行い液不透過性シートと不織布との接着強度を測定した。
<ブロッキング強度の測定方法>
複合シートを、紙管に約1000m巻いてロール状態とし、50℃の雰囲気中に1週間保存した。保存後、十分な冷却時間を置き、紙管より半径方向外側に向かって30mmの部分を複合シートが2枚重なりあった状態のまま、該複合シートのCD方向に沿って巾50mm×該複合シートのMD方向に沿って長さ100mmの寸法で切り出し、これを試験片とした。この試験片について、テンシロン引張試験機を用いてMD方向に、180°剥離試験(2枚の複合シート間の剥離試験、引張速度500m/min、測定温度20℃)を行いブロッキング強度を測定した。
【0067】
〔実施例2〜4及び比較例1〜4〕
接着剤の繊維径と本数とを〔表3〕に示すようにした以外は、実施例1と同様にして複合シートを得、得られた複合シートについて実施例1と同様に評価した。その結果を〔表3〕に示す。
【0068】
【表3】
Figure 0003568706
【0069】
〔表1〕に示す結果から明らかなように、本発明の複合シートは、接着力が強く、ブロッキングを起こさないものであり、且つ風合いにも優れたものである。これに対して、比較例1のように接着剤の繊維径が8μでは、十分な接着力が得られていない。比較例2のように接着剤の繊維径が240μでは、ブロッキング強度が高すぎて材料破壊を起こし、かつ風合いの低下がみられる。また比較例3のように、塗工量は実施例3と同じ1.0g/mであるが、繊維径が240μでるものでは、比較例2と同じ現象がみられる。また、比較例4の場合には、接着力は得られているが、風合いが低下すると共に、透湿量が低下してしまう。
【0070】
【発明の効果】
本発明の複合シートは、接着力に優れ、風合いが良好であり、更にブロッキングも生じないものである。
また、本発明の複合シートの製造方法によれば、本発明の複合シートを簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の複合シートにおける接着剤の塗工形態の1形態を示す拡大平面図である。
【図2】図2は、図1のII部拡大図である。
【図3】図3は、本発明の複合シートの1形態を示す一部破断斜視図である。
【図4】図4は、本発明において好ましく用いられるホットメルト接着剤塗布装置の要部(ノズルユニット)を示す一部破断斜視図である。
【図5】図5は、図3に示す複合シートの製造方法の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
1 複合シート
2 液不透過性シート
3 不織布
10 接着剤

Claims (4)

  1. 液不透過性シートと不織布とを接着剤を介して接着してなる複合シートにおいて、
    上記液不透過性シートは、その厚みが15〜40μであり、
    上記不織布は、繊維径が1.5〜3.5デニールの構成繊維により、構成されており、坪量が15〜35g/m2であり、
    上記接着剤は、その溶融粘度が180℃で10000cps以下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、繊維状の接着剤の繊維径が15〜210μであり、該接着剤の塗工量が0.5〜g/m2であり、繊維状の該接着剤の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数が10〜40本であり、
    熱エンボス加工されている、
    ことを特徴とする複合シート。
  2. 上記液不透過性シートは、透湿シートであり、該透湿シートの透湿量が0.5〜4g/(100cm2・hr)であることを特徴とする請求項1記載の複合シート。
  3. 上記複合シートは、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して40%以下であることを特徴とする請求項1記載の複合シート。
  4. 請求項1記載の複合シートの製造方法であって、
    上記液不透過性シート上又は不織布上に、接着剤をファイバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、
    この塗工した面に不織布又は液不透過性シートを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    熱エンボス加工を、上記貼り合わせ工程において行うか、又は上記接着剤塗工工程と同時に行うか若しくは後加工して行う熱エンボス加工工程とを具備することを特徴とする複合シートの製造方法。
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