JPH10109371A - 複合シート及びその製造方法 - Google Patents

複合シート及びその製造方法

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JPH10109371A
JPH10109371A JP8266390A JP26639096A JPH10109371A JP H10109371 A JPH10109371 A JP H10109371A JP 8266390 A JP8266390 A JP 8266390A JP 26639096 A JP26639096 A JP 26639096A JP H10109371 A JPH10109371 A JP H10109371A
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composite
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着力に優れ、風合いが良好であり、更にブ
ロッキングも生じない複合シート及び該複合シートの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 液不透過性シート3と不織布2とを接着
剤10を介して接着しており、上記液不透過性シート3
は、その厚みが15〜40μであり、上記不織布2は、
繊維径が1.5〜3.5デニールの構成繊維により、構
成されており、坪量が15〜35g/m2 であり、上記
接着剤10は、その溶融粘度が180℃で10000c
ps以下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、
繊維状の接着剤10の繊維径が15〜210μであり、
該接着剤10の塗工量が0.5〜7g/m2 であり、繊
維状の該接着剤の任意の1本と直交する方向に長さ1c
mの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数が10
〜40本である複合シート1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨ておむつ等
の吸収性物品の裏面材等として有用な複合シートに関
し、更に詳細には、風合い及び接着力に優れ、更にはブ
ロッキングの生じにくい複合シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液不透
過性シートと不織布とを接着剤によって接合した複合シ
ートは、使い捨ておむつ等の吸収性物品の裏面材等とし
て広く用いられている。そして、このような複合シート
は、例えば、使い捨ておむつに用いられる際には、柔ら
かさ等の風合いが良好なことが要求されるため、上記不
織布及び上記液不透過性シートとして、厚みの薄いもの
が用いられている。また、上記複合シートにおいては、
上記不織布と上記液不透過性シートとの接着力が高いこ
とが要求されているため、接着剤を大量に用いたり、接
着剤の線径を太くすることが通常行われている。
【0003】しかし、このように厚みの薄い不織布及び
液不透過性シートを用いた場合には、使用する接着剤の
量が多かったり、また塗工した接着剤の線径が太かった
りすると、せっかく薄い素材を使用しても、接着剤の硬
さの影響で風合いが悪くなったり、接着剤が不織布表面
に滲みでてしまい、複合シートをロール状に巻き取った
際等において隣接する複合シートと接着してしまう問題
(ブロッキング)が生じている。
【0004】要するに、従来の複合シートでは、接着力
と風合い及びブロッキング防止性との全てを満足するも
のではなく、これら全てを満足する複合シートの開発が
要望されている。
【0005】従って、本発明の目的は、接着力に優れ、
風合いが良好であり、更にブロッキングも生じない複合
シート及び該複合シートの製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の厚みを有する液
不透過性シートと特定の繊維径を有する構成繊維により
構成された特定の坪量を有する不織布とを、特定の接着
剤を特定の形状で特定量塗工してなる複合シートが、上
記目的を達成しうることを知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、液不透過性シートと不織布とを接着剤を介して接
着してなる複合シートにおいて、上記液不透過性シート
は、その厚みが15〜40μであり、上記不織布は、繊
維径が1.5〜3.5デニールの構成繊維により、構成
されており、坪量が15〜35g/m2 であり、上記接
着剤は、その溶融粘度が180℃で10000cps以
下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、繊維状
の接着剤の繊維径が15〜210μであり、該接着剤の
塗工量が0.5〜7g/m2 であり、繊維状の該接着剤
の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を引いた
時に該線と交差する接着剤の本数が10〜40本であ
る、複合シートを提供するものである。
【0008】また、本発明は、上記液不透過性シート
は、透湿シートであり、該透湿シートの透湿量が0.5
〜4g/(100cm2 ・hr)である、複合シートを
提供するものである。また、本発明は、上記複合シート
は、熱エンボス加工されており、そのエンボス面積率が
複合シート全体に対して40%以下である、複合シート
を提供するものである。
【0009】更に、本発明は、上記複合シートの好まし
い製造方法として、上記液不透過性シート上又は不織布
上に、接着剤をファイバー状にスプレーして塗工する接
着剤塗工工程と、この塗工した面に不織布又は液不透過
性シートを貼り合わせる貼り合わせ工程とを具備する、
複合シートの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明実施の形態】以下、本発明の複合シートについて
詳述する。本発明の複合シートは、特定の厚みを有する
液不透過性シートと特定の繊維径を有する構成繊維によ
り構成された特定の坪量を有する不織布とを、特定の溶
融粘度を有する接着剤を特定の形状で特定量塗工してな
ることを特徴とする。
【0011】本発明において用いられる上記液不透過性
シートが有する上記の特定の厚みは、15〜40μであ
り、20〜35μであるのが更に好ましい。上記厚み
が、15μ未満であると、製造時に厚みの制御が困難に
なる他、不織布と接合する際及び使い捨ておむつ製造時
に破れやすくなる。また、40μを超えると、複合シー
トにおける柔らかさ等の風合いや肌触りが低下する。
【0012】本発明において用いられる上記液不透過性
シートとしては、上記の厚みを有し、液体不透過性を有
していれば、特に制限されず、非透湿シート及び多孔性
シート等の透湿性シートの何れをも使用することができ
る。上記非透湿シートとしては、ポリオレフィン樹脂を
主成分とし、顔料や、充填材を配合して混合し、Tダイ
成形機やインフレ成形機によって成膜した一般的な非透
湿性で且つ液体不透過性のシートが挙げられる。該非透
湿シートは、ポリエチレン系樹脂をベースにしたものが
好ましく、その坪量は、10〜50g/m2であるのが
好ましい。
【0013】上記透湿シートは、水蒸気を発散し易いの
で、本発明の複合シートを吸収性物品、衣料素材等ムレ
を感じ易いものに使用する場合には、特に好ましい。
【0014】上記透湿シートとしては、例えば、ポリオ
レフィン樹脂に充填剤を混練りし、溶融成型加工して得
られたフィルム又はシートを、一軸又は二軸延伸するこ
とによって得られる多孔性シート等が好ましく挙げられ
る。
【0015】上記ポリオレフィン樹脂としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィン
重合体及びこれらのオレフィンの共重合体を主成分とす
るものが用いられる。上記ポリオレフィン樹脂として
は、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、結晶
性エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリブテ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物
が挙げられ、なかでも、線状低密度ポリエチレンがしな
やかで強靱であることから望ましい。
【0016】上記充填剤としては、無機充填剤及び有機
充填剤が用いられる。無機充填剤としては、炭酸カルシ
ウム、セッコウ、タルク、カーボンブラック、クレー、
カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト
粉、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土、セメン
ト、シリカフューム、雲母粉等が挙げられる。一方、有
機充填剤としては、木粉、石炭粉、パルプ粉等が挙げら
れる。これらの充填剤は単独で用いてもよく又は混合物
として用いてもよい。
【0017】上記充填剤の平均粒径は、30μm以下で
あることが好ましく、10μm以下であることが更に好
ましく、0.5μm〜5μmであることが最も好まし
い。また、上記充填剤は、上記ポリオレフィン樹脂への
均一分散性の点から表面処理されていることが好まし
い。該表面処理には、脂肪酸又はその金属塩などの、充
填剤表面を疎水化し得るものが好ましく用いられる。上
記充填剤の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100
重量部に対して50〜250重量部であることが好まし
い。
【0018】上記ポリオレフィン樹脂に上記充填剤を混
練りし、溶融成形加工するには、通常公知のフィルムや
シートの製造方法における混練りや溶融成形加工と同様
にして行うことができる。また、上記一軸又は二軸延伸
は、通常の方法と同様にして行うことができるが、その
際、一軸延伸の場合は延伸倍率を1.2〜4.0倍とす
るのが好ましく、二軸延伸の場合は面積倍率を1.5〜
8倍とするのが好ましい。
【0019】また、上記ポリオレフィン樹脂には、上記
多孔性シートの各種性能を向上させる目的で種々の第三
成分を配合することができる。上記第三成分としては、
オレフィン系の低融点ポリマー、液状若しくはワックス
状炭化水素重合体、ゴム状物(例えば、天然ゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴムなど)、オレフィン系熱可
塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、
又は可塑剤等の添加剤;トリグリセライド;塩化パラフ
ィン;一塩基酸と一価アルコールとからなるモノエステ
ル、及び多塩基酸と多価アルコールとからなるポリエス
テルの混合物;多塩基酸と一価アルコールとからなるポ
リエスルテルA、及び多塩基酸と多価アルコールとから
なるポリエステルBの混合物;合計炭素数38以上のモ
ノエステルであって該モノエステルを構成する酸及びア
ルコールの少なくとも一方が分岐状であるモノエステ
ル;側鎖を有する炭化水素重合体及びポリエステルの混
合物等が挙げられる。
【0020】上記添加剤は、上記多孔性シートの延伸方
向の引き裂き強度及び横方向の引張応力を向上させる目
的で、添加されるものである。これらの添加剤の添加量
は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜
100重量部とするのが好ましい。
【0021】上記トリグリセライドは、上記多孔性シー
トのシート強度を向上させ、しかも低延伸倍率でも連続
孔を該多孔性シートに形成せしめるために添加されるモ
ノであり、該トリグリセライドの配合割合は、上記ポリ
オレフィン樹脂100重量部に対して好ましくは1〜1
00重量部である。尚、上記トリグリセライドを構成す
る脂肪酸は、炭素数が2〜30の飽和又は不飽和の脂肪
酸であるのが好ましい。
【0022】また、上記塩化パラフィンは、上記トリグ
リセライドと同じ目的で用いられるものである。上記塩
化パラフィンにおける塩素含有量は、好ましくは1〜6
5重量%であり、更に好ましくは35〜55%である。
この様な塩化パラフィンは、公知の方法、例えば、溶融
固形パラフィン、nパラフィン又は固形パラフィンの四
塩化炭素溶液に塩素ガスを通すことによって製造され
る。上記塩化パラフィンの配合割合は、上記ポリオレフ
ィン樹脂100重量部に対して1〜100重量部である
のが好ましい。
【0023】また、上記の一塩基酸と一価アルコールと
からなるモノエステル、及び多塩基酸と多価アルコール
とからなるポリエステルの混合物は、上記トリグリセラ
イドと同じ目的で用いられるものである。上記モノエス
テルとしては、例えば、炭素数10以上のモノカルボン
酸等の一塩基酸と炭素数10以上のモノアルコール等の
一価アルコールとを、脱水縮合して得られるエステルが
挙げられるが、好ましくは分子量が240以上のモノエ
ステル、更に好ましくは分岐炭化水素鎖を含む炭素数2
0以上のモノエステルが用いられる。一方、上記ポリエ
ステルとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン
酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、ジオール類、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、ソルビトール又はシュークローズ
等の多価アルコールとを、脱水縮合して得られるポリエ
ステルであって、合計炭素数が50以上のものが挙げら
れる。上記混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹
脂100重量部に対して5〜50重量部であることが好
ましい。なお、上記モノエステルは、得られる多孔性シ
ートの透湿性及びタテ裂け強度の向上に寄与し、上記ポ
リエステルは透湿性及び外観の向上に寄与すると考えら
れる。
【0024】上記の多塩基酸と一価アルコールとからな
るポリエスルテルA、及び多塩基酸と多価アルコールと
からなるポリエステルBの混合物は、上記トリグリセラ
イドと同じ目的で用いられるものである。上記ポリエス
テルAとしては、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン
酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸と、一価アルコー
ルとを脱水縮合して得られるジエステル、トリエステル
又はテトラエステルであって、合計炭素数が30以上の
ものが挙げられる。これらのうち、ケン化価が230以
下であるジエステルが好ましく、炭素数が16以上の分
岐一価アルコールを含むジエステルが更に好ましい。一
方、上記ポリエステルBとしては、例えば、ジカルボン
酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸等の多塩基酸
と、ジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール又
はシュークローズ等の多価アルコールとを脱水縮合して
得られるポリエステルであって、合計炭素数が50以上
のものが挙げられる。上記ポリエスルテA及び上記ポリ
エステルBの混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン
樹脂100重量部に対して5〜50重量部であることが
好ましい。
【0025】また、上記の合計炭素数38以上のモノエ
ステルであって、該モノエステルを構成する酸及びアル
コールの少なくとも一方が分岐状であるモノエステル
は、上記多孔性シートにおけるしなやかな風合いと良好
な透湿防漏性とを維持した上で、タテ裂け強度を向上さ
せる目的で用いられるものである。具体的には、2−デ
シルテトラデシルステアレート、2−オクタデシルベヘ
ネート、及びα−分岐脂肪酸(C18〜40)とモノア
ルコール(C6〜36)とのエステル(合計炭素数38
以上)等が挙げられる。上記モノエステルの配合割合
は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜
50重量部であるのが好ましい。
【0026】また、上記の側鎖を有する炭化水素重合体
及びポリエステルの混合物は、上記多孔性シートにおけ
るしなやかな風合いと良好な透湿防漏性とを維持した上
で、タテ裂け強度を向上させる目的及びシート外観を向
上させる目的で、用いられるものである。上記炭化水素
重合体としては、ポリα−オレフィン類であって炭素数
4以上の側鎖を有するオリゴマー領域のものが好ましく
用いられるが、この他に、エチレン−プロピレンの共重
合体、例えば三井石油化学工業(株)製の商品名「ルー
カント」やそのマレイン酸誘導体;イソブチレンの重合
体、例えば出光石油化学工業(株)製の商品名「ポリブ
テンHV−100」;又はブタジエン、イソプレンのオ
リゴマー及びその水添物や、これらから誘導される誘導
体等を用いることもできる。一方、上記ポリエステルと
しては、例えば、多塩基酸又は多価アルコールを構成成
分とするポリエステルが用いられ、具体的には、ヒマシ
油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油のエチレンオキシド付
加物、グリコール類とダイマー酸とのポリエステル、ト
リメチロールプロパン・ダイマー酸・ステアリン酸から
得られるヘキサエステル、トリメチロールプロパン・ア
ジピン酸・ステアリン酸から得られるヘキサエステルな
どが挙げられる。上記炭化水素重合体と上記ポリエステ
ルとの配合重量比は3/7〜7/3が好ましいが、用途
に応じた透湿性、タテ裂け強度、外観の要望レベルに従
って1/9〜9/1の範囲で自由に選ぶことができる。
側鎖を有する上記炭化水素重合体及び上記ポリエステル
の混合物の配合割合は、上記ポリオレフィン樹脂100
重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
【0027】また、上記透湿シートとしては、イ)結晶
性ポリオレフィン樹脂と、ロ)該結晶性ポリオレフィン
樹脂の溶融下で該結晶性ポリオレフィン樹脂と混和性が
あり且つ該結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化温度以下
では相分離する有機化合物とを含む混合物からシートを
形成し、該シートを少なくとも一軸方向に延伸すること
によって得られる多孔性シートも好ましく用いることが
できる。上記混合物から上記シートを形成する方法は、
通常の方法を特に制限なく用いることができる。
【0028】上記結晶性ポリオレフィン樹脂としては、
ポリプロピレン、ポリプロピレンとプロピレン−エチレ
ン共重合体とのブレンド物、又はポリプロピレンとポリ
エチレンとのブレンド物等を好ましく用いることができ
る。また、上記有機化合物としては、鉱物油、合成潤滑
油、パラフィンワックス、又は脂肪族カルボン酸と多価
アルコールのエステル等を好ましく用いることができ
る。上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記有機化合物
の配合量は、それぞれ、上記結晶性ポリオレフィン樹脂
が50〜90重量部であり、上記有機化合物が50〜1
0重量部であることが好ましい。
【0029】また、上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び
上記有機化合物を含む多孔性シートには、結晶核形成剤
等の各種の添加剤を配合することもできる。該添加剤
は、上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記有機化合物
の混合物100重量部に対して0.01〜3重量部配合
されることが好ましく、0.05〜1重量部配合される
ことが更に好ましい。
【0030】上記結晶性ポリオレフィン樹脂と上記有機
化合物とを含む混合物から形成されたシートを延伸する
際の延伸倍率は、好ましくは少なくとも一軸方向に1.
2〜5倍(面積比)であり、更に好ましくは1.2〜3
倍である。
【0031】本発明において上記液体不透過性シートと
して用いられる上記透湿シートは、その透湿度が好まし
くは0.5〜4g/(100cm2 ・hr)であり、更
に好ましくは0.5〜2.5g/(100cm2 ・h
r)である。上記透湿度が0.5g/(100cm2
hr)未満であると、本発明の複合シートを吸収性物品
の裏面シートに用いた場合に、透湿性が不十分でムレや
肌のかぶれを十分防止することができず、また、4.0
g/(100cm2 ・hr)を超えると、複合シートを
吸収性物品の裏面シートなどに用いた際に、尿等の液体
の漏れが懸念されるので好ましくない。なお、上記透湿
度は、JIS Z−0208に準拠して測定した値であ
る。また、上記透湿シートは、その坪量が15〜50g
/m2 であることが好ましく、さらには15〜35g/
2 が好ましい。
【0032】従って、上記液不透過性シートは、透湿シ
ートであり、該透湿シートの透湿量が0.5〜4g/
(100cm2 ・hr)であるのが特に好ましい。
【0033】また、本発明において用いられる上記不織
布の有する特定の坪量は、15〜35g/m2 であり、
好ましくは18〜30g/m2 である。上記坪量が15
g/m2 未満であると、強度が低下すると共に、地合が
悪くなりブロッキングの発生の程度が大きくなる。ま
た、35g/m2 を超えると、柔らかさ等の風合いや肌
触りが悪くなる。
【0034】また、上記不織布を構成する構成繊維の有
する上記の特定の繊維径は、1.5〜3.5デニールで
あり、好ましくは1.5〜3.0デニールである。上記
繊維径が1.5デニール未満であると、製造が困難にな
り、コスト高となってしまい、3.5デニールを超える
と、柔らかさ等の風合いや肌触りが悪くなる。
【0035】上記構成繊維としては、具体的には、下記
する繊維などが挙げられる。ポリエチレン(PE)繊
維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊
維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミ
ド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、
サイドバイサイド型等の構造の複合繊維、例えば鞘成分
がポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯鞘構
造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代
表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)
/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘
構造の繊維。更に具体的には、上記構成繊維は、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系
繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維
を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維
の複合組成は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチ
レンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、
ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリプロピレンで
あるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)/P
E(鞘)、PET(芯)/低融点PP(鞘)が挙げられ
る。また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成
してもよいが、2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。
【0036】また、上記構成繊維の繊維長は、20〜8
0mmであるのが好ましく、30〜60mmであるのが
更に好ましい。該繊維長が、20mm未満であると、カ
ード機にかけることが困難となり、80mmを超えると
繊維の塊(ネップ)に成り易くなるので、好ましくな
い。
【0037】そして、本発明において用いられる上記不
織布は、上記構成繊維からなり上記の特定の坪量を有す
るものであれば特に制限されないが、好ましくは、上記
構成繊維を用い、下記の製法により製造してなるものが
挙げられる。ヒートロール法、サクションヒートボンド
法、スパンレース法、スパンボンド法、メルトブローン
法等の公知の製造方法。従って、本発明において用いら
れる上記不織布としては、ヒートロール不織布、サクシ
ョンヒートボンド不織布、スパンレース不織布、スパン
ボンド不織布等が挙げられる。
【0038】本発明において用いられる接着剤が有する
上記の特定の溶融粘度は、180℃で10000cps
以下であり、好ましくは1000〜8000cps、更
に好ましくは1000〜6000cpsである。上記溶
融粘度が10000cpsを超えると、塗工性が低下し
て、塗工面にむらが生じたり、接着剤のボタ落ちが発生
したりするおそれがある。
【0039】上記接着剤としては、上記の特定の溶融粘
度を有するものであれば特に制限されないが、具体的に
は、下記する接着剤等が挙げられる。即ち、スチレン系
エラストマーやEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)
をベースポリマーにした、いわゆるゴム系のホットメル
ト型接着剤や、アモルファスポリアルファオレフィン
(APAO)をベースポリマーにしたホットメルト型接
着剤がある。上記ホットメルト型接着剤の構成成分とし
て用いられるベースポリマー(スチレン系エラストマ
ー)としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ス
チレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレ
ンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン
・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)
等が挙げられる。また、上記APAOとしては、従来公
知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、プ
ロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1
共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体等を用いるこ
とができる。また、これらのAPAOは、例えば、宇部
レキセン社製の「ウベタック」(「UT2175」等)
やイーストマンコダック社製の「イーストフレックス」
等の商品名で市販されている。また、上記APAOとし
ては、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体
を用いることもできる。また、該三元共重合体は、ヒュ
ルツ社より「ベストプラスト」の商品名で市販されてい
る。
【0040】また、上記接着剤は、上記ベースポリマー
以外に、その構成成分として粘着付与剤、軟化剤及び酸
化防止剤を含有してもよい。上記粘着付与剤としては、
常温で固体のものを好ましく用いることができ、例え
ば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタ
ジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹
脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。具体的に
は、「クリアロン」(商品名、安原化学製)等の水添テ
ルペン樹脂、「アルコン」(商品名、荒川化学製)等の
水添芳香族石油樹脂等が挙げられる。上記粘着付与剤の
配合量は、用いる上記軟化剤の配合量等に応じて適宜選
択することができるが、通常上記接着剤全量に対して、
30〜70重量%とするのが好ましい。
【0041】また、上記軟化剤としては、例えば、軟化
点が10℃以下で平均分子量が200〜700のプロセ
スオイル、鉱油、各種可塑剤、ポリブテン、及び液状粘
着付与樹脂等が好ましく挙げられる。具体的には「シェ
ルフレックス」(商品名、シェル化学製)、「PW−9
0」(商品名、出光興産製)等のパラフィン系オイル、
テトラオクチルピロメリテート、ジードデシルフタレー
ト及びトリオクチルトリメリテート等のエステル系オイ
ル等が挙げられる。上記軟化剤の配合量は、上記接着剤
全量に対して、20重量%以下であることが好ましい。
上記配合量が20重量%を超えると、上記接着剤のタッ
ク性(べたべた感)が大きくなり、上記複合シート間の
ブロッキング発生の原因となる場合がある。また、上記
酸化防止剤としては、例えば、「イルガノックス101
0」〔商品名、チバガイギー(株)製〕、「イルガノッ
クス1076」〔商品名、チバガイギー(株)製〕、又
は「スミライザーGM」〔商品名、住友化学(株)製〕
等が好ましく挙げられる。上記酸化防止剤の配合量はA
PAO100重量部に対して1〜3重量部であることが
好ましい。なお、上記接着剤には、上述の各成分に加え
て、更に必要に応じて他の成分を配合してもよい。
【0042】また、上記接着剤の特定の形状は、ランダ
ムな繊維状であり、繊維状の接着剤の繊維径は15〜2
10μであり、好ましくは20〜150μである。上記
塗布形状をランダムな上記繊維径を有する繊維状とする
ことにより、風合いを損なわずに接着力を向上させるこ
とが可能となる。また、上記繊維径が15μ未満である
と、繊維が細すぎて十分な接着力が発現しにくく、21
0μを超えると、接着部分が硬くなり、複合シートの風
合いが低下する。
【0043】また、上記接着剤の塗工量は0.5〜7g
/m2 であり、0.5〜5g/m2であるのが好まし
い。上記塗工量が0.5g/m2 未満であると、接着力
が足し、7g/m2 を超えると、風合いが低下する。ま
た、繊維状の上記接着剤の任意の1本と直交する長さ1
cmの線を引いた時に該線と交差する接着剤の本数は、
10〜40本であり、好ましくは10〜30本である。
即ち、後述の図1に示すように、接着剤の任意の1本1
0aと直交する方向に長さ1cmの直線11を引いた
時、該直線11と交差する10a以外の接着剤10の数
が上記の範囲の本数である。接着剤の本数が10本未満
であると接着力が低下し、40本を超えると、複合シー
トの風合いを低下させると共に、上記液不透過性シート
として透湿シートを使用した場合は複合シート全体の透
湿度が低下する。
【0044】図1及び2を参照して上記接着剤の塗工形
態について詳述する。ここで、図1は、本発明の複合シ
ートにおける接着剤の塗工形態の1形態を示す拡大平面
図であり、図2は、図1のII部拡大図である。尚、図1
及び2においては、説明の便宜上、接着剤のみを図示し
て示す。図1及び図2に示すように、上記接着剤10
は、繊維状であり、ランダムに、即ち、繊維状の該接着
剤10が一方向に配向されることなく塗工されている。
ここで、該接着剤は、不織布と液不透過性シートとの何
れに塗工されていてもよい。但し、後述するような製造
方法で製造した場合には、図1及び2に示すように、あ
る程度の配向性をもって塗布されていてもよい。
【0045】そして、本発明の複合シートは、上記液不
透過性シートと上記不織布とを上記接着剤により接着し
てなる。本発明の複合シートの構造としては、液不透過
性シート/不織布の2層構造、液不透過性シート/不織
布/液不透過性シート及び不織布/液不透過性シート/
不織布の3層構造等種々の構造を採りうる。いずれの構
造においても、液不透過性シートと不織布との間には、
接着剤が介在しており、この接着剤により、液不透過性
シートと不織布とが接着されている。図3を参照して本
発明の複合シートの1形態としての2層構造の複合シー
トについて具体的に説明すると、本形態の複合シート1
は、液不透過性シート3と不織布2とが接着剤10を介
して接着されている。ここで、液不透過性シート3は、
上記の特定の厚みを有する液不透過性シートであり、不
織布2は、上記の特定の繊維径を有する構造繊維により
構成された特定の坪量を有する不織布である。また、接
着剤10は、上記の特定の溶融粘度を有する接着剤であ
り、特定の形状、即ち、ランダムな繊維状に、上記の特
定量塗工されてなる。
【0046】上記複合シートは、熱エンボス加工されて
おり、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して4
0%以下であるのが好ましく、5〜40%であるのが更
に好ましい。ここで、上記「エンボス面積率」とは、熱
エンボス加工により液不透過性シートと不織布とが融着
されてなる部分(融着部)の面積の複合シート全体の面
積に対する比である。上記エンボス面積率が、40%を
超えると、複合シートが硬くなり風合いが低下するので
好ましくない。従って、上記熱エンボス加工されてなる
本発明の複合シートは、ピン、点ドット、亀甲、格子、
縦縞、横縞、編み目、絵柄等の形状の多数の融着部が、
所定のパターンで形成されてなるものである。尚、該所
定のパターンは、特に限定されるものではない。尚、上
記凸部の大きさや間隔は、上記エンボス面積率を満足す
れば任意である。従って、上記複合シートに形成される
融着部間の間隔も所望の融着部の形状に応じて任意であ
るが、図3に示すように、融着部1aが複合シート1の
全面に亘って形成されるようにするのが好ましい。
【0047】また、上記複合シートは、透湿性を有して
いるのが好ましく、具体的には0.5g/(100cm
2 ・hr)以上であるのが好ましい。
【0048】本発明の複合シートは、上記の接着剤の塗
工条件で上記液不透過性シートと上記不織布とを貼り合
わせているので、接着力が十分であり、ブロッキングも
なく、風合いの良いものである。従って、表面シートと
裏面シートと両シート間に介在する吸収体とを具備する
使い捨ておむつ等の吸収性物品における該裏面シート、
介護用の使い捨てシーツ等の衛生材料や衣料用素材又は
雨具や簡易ジャンパ等として有用である。
【0049】次に、本発明の複合シートの好ましい製造
方法について説明する。本発明の複合シートは、上記液
不透過性シート上又は上記不織布上に、上記接着剤をフ
ァイバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、
この塗工した面に上記不織布又は上記液不透過性シート
を貼り合わせる貼り合わせ工程とを行うことにより、製
造できる。尚、上記接着剤塗工工程及び上記貼り合わせ
工程以外の工程、例えば上記液不透過性シートの形成工
程などは、公知の製造方法と同様である。
【0050】上記接着剤塗工工程について説明する。接
着剤をファイバー状にスプレーするには、特開平5−3
09310号公報や特開平6−210228号公報等に
記載のホットメルト接着剤塗布装置を用いて、公知のカ
ーテンスプレー法、スロットスプレー法、メルトブロー
ン法等を行うことにより実施できる。
【0051】上記接着剤塗工工程において好ましく用い
られるホットメルト接着剤塗布装置の要部について図4
を参照して説明する。ここで,図4は、本発明において
好ましく用いられるホットメルト接着剤塗布装置の要部
(ノズルユニット)を示す一部破断斜視図である。図4
に示すホットメルト接着剤塗布装置のノズルユニット2
1は、全体として長方形状であり、ノズルユニット21
の巾方向略中央に嵌装されたプレート状のシム22と、
ノズルユニット21の両側から下向端面にかけて形成さ
れたエアー注入路23と、ノズルユニット21の上端か
ら該シム22の巾方向中程にかけて形成された接着剤注
入路24とからなる。上記シム22は、その一側縁がノ
ズルユニット21の下方端面に位置し、この下方端面に
位置する部分により接着剤吐出口25を形成している。
また、上記エアー注入路23は、ノズルユニットの下方
端面において、エアー噴出口26を形成している。上記
エアー噴出口26は上記接着剤吐出口25の左右両側に
設けられている。
【0052】また、上記シム22は、上方に形成された
細帯状のプレート部22aと、下方に形成された多数の
スリット22cを有するくし状部22bとからなり、こ
のくし状部22bの下方端部が上記接着剤吐出口25を
形成している。ここで、各上記スリット22cは、それ
ぞれ該くし状部22bの巾方向全域に亘って形成されて
いる。また、該スリット22cの巾は0.3〜0.8m
mであるのが好ましく、ピッチは1.0〜2.0mmで
あるのが好ましく、長さは5〜15mmであるのが好ま
しく、厚みは0.1〜0.4mmであるのが好ましい。
【0053】そして、上記ノズルユニット21は、次の
ように作動する。即ち、上記接着剤注入路24により接
着剤供給部(図示せず)から供給された接着剤をシム2
2に注入するとともに、エアー注入路23によりエアー
供給部(図示せず)から供給されたエアーを注入し、エ
アー噴出口26よりエアーを噴射する。供給された接着
剤は、シム22によってスリット22cの形状に略等し
い線状になされ、この線状の接着剤が、接着剤吐出口2
5に供給され、吐出される。そして、接着剤吐出口25
から吐出された接着剤は、エアー噴出口26より噴射さ
れるエアーによって、繊維状とされて、塗工面に塗工さ
れる。尚、上記エアーは加熱エアーであるのが好まし
い。該エアーの温度は、接着剤の融点と同じか又はこれ
よりも50℃以上高い温度であるのが好ましく、該融点
よりも50〜120℃高い温度が更に好ましい。また、
エアーの噴射圧は、1.0〜3.0kg/cm3 である
のが好ましい。
【0054】上記貼り合わせ工程は、公知の複合シート
の製法と同様に液不透過性シートと不織布とを貼り合わ
せた後、圧力をかけてプレスする等して行うことができ
る。
【0055】また、本発明においては、この貼り合わせ
工程において、熱エンボス加工を施すのが好ましい。上
記熱エンボス加工は、上記接着剤塗工工程と同時にイン
ラインで行ってもよく、また、後加工してアウトライン
で行ってもよい。上記熱エンボス加工は、エンボス加工
ロールを用いて行うことができる。上記エンボス加工ロ
ールとしては、一般に彫刻ロールと平滑ロールとからな
る一対のロールを用いることができる。この際、該彫刻
ロールにより押圧される面は、上記ヒートロール不織布
の面と上記液体不透過性シートの面との何れの面として
もよい。上記彫刻ロールとしては、例えば種々のパター
ンがその表面に彫刻された鉄ロールを用いることがで
き、一方、上記平滑ロールとしては、ペーパーロール、
ゴムロール、シリコンゴムロール、ウレタンゴムロー
ル、金属ロール等を用いることができる。
【0056】上記熱エンボス加工に際しては、熱エンボ
ス加工される前の上記積層シートを加熱ロールで予備加
熱してもよい。また上記エンボス加工ロール自体を加熱
可能な加熱ロールとして、熱エンボス加工を施してもよ
い。上記熱エンボス加工の温度は、加熱ロールと直接接
触する上記ヒートロール不織布の構成繊維または上記液
体不透過性シートの融点よりも10℃低い温度以下の温
度とすることが好ましい。融点よりも10℃低い温度を
超える温度で加熱すると、複合シートがロールに融着し
たり熱による縮みやシワが発生するので、好ましくな
い。
【0057】また、彫刻ロールと平滑ロールとの間に温
度差をつけて熱エンボス加工することもでき、この場合
には得られる複合シートにおいて柔らかい風合いが得ら
れるため好ましい。上記彫刻ロールのパターンとして
は、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み
目、絵柄等が挙げられ、特にそのパターンは限定されな
い。また、熱エンボス加工する際の線圧は、20〜12
0kg/cmであるのが好ましい。該線圧が20kg/
cm以下であると、熱エンボス加工による効果が低下す
る場合があり、120kg/cmを超えると、上記複合
シートに穴開きが生じ易くなるので、好ましくない。
尚、上記熱エンボス加工の条件は、加工速度による影響
が大きいため、これらの範囲に限られるものではない。
【0058】ついで、本発明の複合シートの製造方法に
ついて図5を参照して説明する。ここで、図5は、図3
に示す複合シートの製造方法の要部を示す概略図であ
る。
【0059】図3に示す形態の複合シート1は、図5に
示すようにして製造される。即ち、図5に示すように、
巻き出しロール2’から不織布2を巻き出す。また、巻
き出しロール3’から液不透過性シート3を巻き出す。
そして、該液不透過性シート3上に、図4に示す如きノ
ズルユニットを有する接着剤塗布装置10’を用いて接
着剤10をランダムな繊維状に塗布して接着剤塗工工程
を行う。ついで、接着剤10が塗布された上記液不透過
性シート3と不織布2とをニップロール30、30間に
通して貼り合わせて積層シート1’を得、得られた積層
シート1’を、彫刻ロール31と平滑ロール32とから
なるエンボス加工ロールに通して、熱エンボス加工を行
って、貼り合わせ工程を行い、複合シート1を得る。上
記エンボス工程を経て製造された複合シート1は、案内
ロール33、33により、巻き取りロール34に導かれ
て巻き取られる。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】〔実施例〕厚み20μの透湿シート上に
〔表1〕に示す配合組成の接着剤(溶融粘度180℃/
2000cps)をメルトブローン法(図4に示すノズ
ルユニットを有する装置)を用いた。また、エアーとし
て温度190℃であり、圧力2.0kg/cm2 のホッ
トエアーを用いた)にて、ランダムな繊維状に塗工した
(塗工量1.0g/m2 、塗工温度170℃、塗工速度
200m/min)。塗工面上に、構成繊維(ポリエチ
レンのステープルファイバー)の繊維径1.5デニー
ル、坪量22g/m2 、及び0.5g/cm2 加重下で
の厚み0.5mmのサクションヒートボンド不織布を貼
り合わせ、複合シートとなした。
【0062】
【表1】
【0063】尚、上記透湿シートは、下記するものであ
る。線状低密度ポリエチレン〔ウルトゼックス2520
F、三井石油化学工業(株)製〕100重量部、及び表
面処理炭酸カルシウム(平均粒径;1μm)150重量
部に、〔表3〕に示す組成及び物性値を有するエステル
組成物10重量部を添加し、二軸スクリュー型混練機で
混練しペレットを作製した。得られたペレットをインフ
レーション成形機に供給し、厚み40μmのインフレー
ションシートを成形した。得られたシートをロール延伸
機を用いて延伸温度50℃で延伸倍率2.3倍に延伸し
て多孔質の透湿シートを得た。この透湿シートを上記透
湿シートとして用いた。このシートの厚みは20μmで
あり、透湿量は1.8g/(100cm2 ・h)であ
り、坪量は20g/m2 であった。
【0064】
【表2】
【0065】得られた複合シートについて、下記の方法
により25mm幅での接着強度及び50mm幅でのブロ
ッキング強度を測定した。その結果を〔表3〕に示す。
また、得られた複合シートを用いて使い捨ておむつを作
製した。得られた使い捨ておむつは、ムレが防止され且
つ柔らかさ等の風合いや肌触りが向上したものであっ
た。
【0066】<接着強度の測定方法>複合シートから、
該複合シートのMD方向に沿って巾25mm×該複合シ
ートのCD方向に沿って長さ100mmの試験片を切り
出した。この試験片について、テンシロン引張試験機を
用いてCD方向に、180°剥離試験(引張速度300
mm/min、測定温度20℃)を行い液不透過性シー
トと不織布との接着強度を測定した。 <ブロッキング強度の測定方法>複合シートを、紙管に
約1000m巻いてロール状態とし、50℃の雰囲気中
に1週間保存した。保存後、十分な冷却時間を置き、紙
管より半径方向外側に向かって30mmの部分を複合シ
ートが2枚重なりあった状態のまま、該複合シートのC
D方向に沿って巾50mm×該複合シートのMD方向に
沿って長さ100mmの寸法で切り出し、これを試験片
とした。この試験片について、テンシロン引張試験機を
用いてMD方向に、180°剥離試験(2枚の複合シー
ト間の剥離試験、引張速度500m/min、測定温度
20℃)を行いブロッキング強度を測定した。
【0067】〔実施例2〜4及び比較例1〜4〕接着剤
の繊維径と本数とを〔表3〕に示すようにした以外は、
実施例1と同様にして複合シートを得、得られた複合シ
ートについて実施例1と同様に評価した。その結果を
〔表3〕に示す。
【0068】
【表3】
【0069】〔表1〕に示す結果から明らかなように、
本発明の複合シートは、接着力が強く、ブロッキングを
起こさないものであり、且つ風合いにも優れたものであ
る。これに対して、比較例1のように接着剤の繊維径が
8μでは、十分な接着力が得られていない。比較例2の
ように接着剤の繊維径が240μでは、ブロッキング強
度が高すぎて材料破壊を起こし、かつ風合いの低下がみ
られる。また比較例3のように、塗工量は実施例3と同
じ1.0g/m2 であるが、繊維径が240μでるもの
では、比較例2と同じ現象がみられる。また、比較例4
の場合には、接着力は得られているが、風合いが低下す
ると共に、透湿量が低下してしまう。
【0070】
【発明の効果】本発明の複合シートは、接着力に優れ、
風合いが良好であり、更にブロッキングも生じないもの
である。また、本発明の複合シートの製造方法によれ
ば、本発明の複合シートを簡易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の複合シートにおける接着剤の
塗工形態の1形態を示す拡大平面図である。
【図2】図2は、図1のII部拡大図である。
【図3】図3は、本発明の複合シートの1形態を示す一
部破断斜視図である。
【図4】図4は、本発明において好ましく用いられるホ
ットメルト接着剤塗布装置の要部(ノズルユニット)を
示す一部破断斜視図である。
【図5】図5は、図3に示す複合シートの製造方法の要
部を示す概略図である。
【符号の説明】
1 複合シート 2 液不透過性シート 3 不織布 10 接着剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液不透過性シートと不織布とを接着剤を
    介して接着してなる複合シートにおいて、 上記液不透過性シートは、その厚みが15〜40μであ
    り、 上記不織布は、繊維径が1.5〜3.5デニールの構成
    繊維により、構成されており、坪量が15〜35g/m
    2 であり、 上記接着剤は、その溶融粘度が180℃で10000c
    ps以下であり、ランダムな繊維状に塗工されており、
    繊維状の接着剤の繊維径が15〜210μであり、該接
    着剤の塗工量が0.5〜7g/m2 であり、繊維状の該
    接着剤の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を
    引いた時に該線と交差する接着剤の本数が10〜40本
    である、 ことを特徴とする複合シート。
  2. 【請求項2】 上記液不透過性シートは、透湿シートで
    あり、該透湿シートの透湿量が0.5〜4g/(100
    cm2 ・hr)であることを特徴とする請求項1記載の
    複合シート。
  3. 【請求項3】 上記複合シートは、熱エンボス加工され
    ており、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して
    40%以下であることを特徴とする請求項1記載の複合
    シート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の複合シートの製造方法で
    あって、 上記液不透過性シート上又は不織布上に、接着剤をファ
    イバー状にスプレーして塗工する接着剤塗工工程と、 この塗工した面に不織布又は液不透過性シートを貼り合
    わせる貼り合わせ工程とを具備することを特徴とする複
    合シートの製造方法。
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