JPH11239587A - 吸収性物品用トップシート材 - Google Patents

吸収性物品用トップシート材

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JPH11239587A
JPH11239587A JP10043460A JP4346098A JPH11239587A JP H11239587 A JPH11239587 A JP H11239587A JP 10043460 A JP10043460 A JP 10043460A JP 4346098 A JP4346098 A JP 4346098A JP H11239587 A JPH11239587 A JP H11239587A
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JP
Japan
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ethylene
polymer
nonwoven fabric
polyolefin
weight
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JP10043460A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kishine
根 真佐寛 岸
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の吸収性物品用トッフ゜シート材は、特定
の目付を有するホ゜リオレフィン系不織布の片面または両面に、
エチレン系重合体組成物の押出ラミネートにより、エチレン系重合体フ
ィルム層が形成されている、特定の目付を有する積層体か
らなり、該積層体の少なくともフィルム層に、熱針穴加工等
により多数の細孔が形成され、該フィルム層に、不織布表面
の凹凸が転写されている。エチレン系重合体は、特定の直鎖
状低密度ホ゜リエチレンと、特定の高圧法低密度ホ゜リエチレンとから
なることが好ましい。該組成物は、エチレン系重合体と、スリ
ッフ゜剤および/またはチタン白とを含んでいることが好まし
い。 【効果】上記トッフ゜シート材は、透湿性、通気性に優れてい
るため、エチレン系重合体フィルム層は、乾燥状態および湿潤状
態のいずれの状態にあっても、肌にぴったり密着するこ
とがなく、肌触りが良い。また、吸収体からトッフ゜シートに
再び戻る体液の量がかなり少ないので、濡れた感触がな
く肌触りがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、吸収性物品用トップシー
ト材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】吸収性物品は、一般に、トップシ
ート、吸収体およびバックシートの順に構成されてい
る。吸収性物品、特に生理用ナプキンを構成するトップ
シートは、開孔フィルムタイプと不織布タイプに大別さ
れる。
【0003】フィルムタイプのトップシートは、乾燥状
態でも湿潤状態でも、人肌にぴったり密着するため肌触
りが良くない。一方、不織布タイプのトップシートは、
乾燥状態で人肌にぴったり密着することがなく肌触りが
良いが、湿潤状態では濡れた感触があり肌触りが悪い。
特にトップシートから吸収体に吸収移動した体液のう
ち、吸収体から再びトップシートに戻る体液の量(リウ
ェット)が多いことにより、濡れた感触は強くなる。
【0004】したがって、乾燥状態および湿潤状態のい
ずれにおいても、人肌にぴったり密着することがなく、
常に肌触りがよい吸収性物品用トップシート材の出現が
望まれている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、乾燥状態および湿潤状態のい
ずれにおいても、人肌にぴったり密着することがなく、
常に肌触りがよい吸収性物品用トップシート材を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る吸収性物品用トップシート
は、目付が5〜50g/m2 であるポリオレフィン系不
織布[I]の片面または両面に、エチレン系重合体
(A)を含む組成物の押出ラミネートにより、エチレン
系重合体フィルム[II]層が形成され、目付が10〜8
0g/m2 である積層体からなり、該積層体の少なくと
もエチレン系重合体フィルム[II]層に、熱針穴加工あ
るいはウォータージェットによる細孔形成加工により、
多数の細孔が形成されており、該エチレン系重合体
(A)は、密度が0.850〜0.950g/cm3
範囲にあり、メルトフローレート(ASTM D 1238,190
℃、荷重2.16kg)が0.5〜100g/10分の範囲に
あり、該エチレン系重合体(A)層に、ポリオレフィン
系不織布[I]表面の凹凸が転写されていることを特徴
としている。
【0007】上記転写は、ポリオレフィン系繊維を形成
するポリオレフィン系樹脂として、エチレン系重合体
(A)の融点よりも高い融点を有する成分を含むポリオ
レフィン系樹脂を用い、かつ、エチレン系重合体フィル
ム[II]層の厚みを0.1〜30μmの範囲内にするこ
とにより、ポリオレフィン系不織布[I]表面の凹凸を
エチレン系重合体フィルム[II]層に転写することがで
きる。すなわち、上記のような押出しラミネートによ
り、ポリオレフィン系不織布[I]の片面または両面に
形成されるエチレン系重合体フィルム[II]層の表面
に、ポリオレフィン系不織布[I]の風合いに近い風合
いが付与される。
【0008】前記エチレン系重合体(A)としては、エ
チレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとの共重
合体であって、密度が0.850〜0.950g/cm
3 の範囲にあり、メルトフローレート(ASTMD 1238,19
0℃、荷重2.16kg)が0.5〜100g/10分の範囲
にあるエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、密
度が0.905〜0.935g/cm3 の範囲にあり、
メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16k
g)が0.5〜100g/10分の範囲にある高圧法低
密度ポリエチレン(A2)、および密度が0.900〜
0.950g/cm3 の範囲にあり、メルトフローレー
ト(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.5〜30
g/10分の範囲にある、エチレンとカルボン酸または
カルボン酸エステル含有モノマーとの共重合体(A3)
からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体が好ま
しい。特にエチレン系重合体(A)は、エチレン・α-
オレフィン共重合体(A1)および高圧法低密度ポリエ
チレン(A2)の合計量100重量部に対し、エチレン
・α- オレフィン共重合体(A1)を50重量部以上1
00重量部未満の量で含み、高圧法低密度ポリエチレン
(A2)を50重量部以下の量で含んでいることが好ま
しい。
【0009】また、前記エチレン系重合体(A)を含む
組成物は、前記エチレン系共重合体(A)100重量部
に対し、スリップ剤(B)0.01〜1重量部とチタン
白(C)0.5〜15重量部を含有していることが好ま
しい。
【0010】前記ポリオレフィン系不織布[I]として
は、スパンボンド不織布が好ましく用いられる。前記ポ
リオレフィン系不織布[I]は、繊維径が1.0〜50
μmであるオレフィン系重合体の繊維から形成されてい
ることが好ましい。
【0011】前記細孔の開孔率は、10〜50%である
ことが好ましい。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る吸収性物品用
トップシート材について具体的に説明する。本発明に係
る吸収性物品用トップシートは、特定の目付を有するポ
リオレフィン系不織布[I]の片面または両面に、特定
のエチレン系重合体(A)を含む組成物の押出ラミネー
トにより、エチレン系重合体フィルム[II]層が形成さ
れ、特定の目付を有する積層体からなる。該積層体の少
なくともエチレン系重合体フィルム[II]層に、熱針穴
加工あるいはウォータージェットによる細孔形成加工に
より、多数の細孔が形成されている。
【0013】ポリオレフィン系不織布[I] 本発明で用いられるポリオレフィン系不織布[I]とし
ては、具体的には、次のようなポリオレフィン系繊維か
らなる不織布が挙げられる。 (1)メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、荷重
2.16kg)が10〜100g/10分であるプロピレン系
重合体からなる繊維、(2)メルトフローレート(ASTM
D 1238,190℃、荷重2.16kg)が10〜100g/10
分であるエチレン系重合体(a)からなる鞘部、および
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16k
g)が10〜100g/10分であるプロピレン系重合
体(b)からなる芯部から構成される同芯または偏芯の
芯鞘型複合繊維、(3)該エチレン系重合体(a)から
なる重合体部および該プロピレン系重合体(b)からな
る重合体部から構成されるサイドバイサイド型複合繊維
など。
【0014】これらのポリオレフィン系繊維を形成する
ポリオレフィン系樹脂は、後述するエチレン系重合体
(A)の融点よりも高い融点を有する成分を含んでい
る。この高融点成分を含む樹脂から形成されたポリオレ
フィン系繊維からなるポリオレフィン系不織布[I]と
エチレン系重合体(A)フィルム[II]層とを積層する
ことにより、ポリオレフィン系不織布[I]表面の凹凸
をエチレン系重合体フィルム[II]層に転写することが
可能となる。この転写により、エチレン系重合体[II]
層表面にポリオレフィン系不織布[I]の風合いに近い
風合いを得ることができる。
【0015】これらのポリオレフィン系繊維についてさ
らに説明する。 [上記(1)のプロピレン系重合体からなる繊維]上記
(1)の繊維を形成するプロピレン系重合体としては、
プロピレンの単独重合体またはプロピレンと、エチレ
ン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-
オクテンなどのα- オレフィンとのランダム共重合体が
挙げられる。
【0016】これらのプロピレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体は、α- オレフィン成分含量が10モル%
以下であることが望ましい。プロピレン系重合体は、密
度(ASTM D 1505) が通常0.89〜0.92g/
3 、好ましくは0.90〜0.91g/cm3 の範囲
にあることが紡糸性の点から望ましく、またメルトフロ
ーレート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が10〜
100g/10分、好ましくは20〜80g/10分の
範囲にあることが望ましい。
【0017】このプロピレン系重合体中に、本発明の目
的を損なわない範囲で、他の重合体、着色剤、耐熱安定
剤、核剤、スリップ剤などを配合することができる。プ
ロピレン系重合体の繊維径は、通常1.0〜50μm、
好ましくは5.0〜40μmである。
【0018】[上記(2)の芯鞘型複合繊維]鞘部を形
成するエチレン系重合体(a)としては、エチレンの単
独重合体(製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い)
またはエチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテンなどのα- オレ
フィンとのランダム共重合体が挙げられる。
【0019】これらのエチレン・α- オレフィンランダ
ム共重合体は、α- オレフィン成分含量が20モル%以
下であることが望ましい。さらに好ましくは0.1〜5
モル%である。
【0020】これらのエチレン系重合体(a)は、密度
(ASTM D 1505) が0.860〜0.970g/cm
3 、好ましくは0.910〜0.960g/cm3 の範
囲にあることが望ましく、またメルトフローレート(M
FR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が10〜10
0g/10分、好ましくは20〜80g/10分の範囲
にあることが望ましい。
【0021】芯部を形成するプロピレン系重合体(b)
としては、プロピレンの単独重合体またはプロピレン
と、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペ
ンテン、1-オクテンなどのα- オレフィンとのランダム
共重合体が挙げられる。
【0022】これらのプロピレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体は、α- オレフィン成分含量が10モル%
以下であることが望ましい。さらに好ましくは0.1〜
5モル%である。
【0023】これらのプロピレン系重合体(b)は、メ
ルトフローレート(MFR;ASTM D1238,230℃、荷重
2.16kg)が10〜100g/10分、好ましくは20〜
80g/10分の範囲にあることが望ましい。
【0024】複合繊維の芯部を形成するプロピレン系重
合体(b)と鞘部を形成するエチレン系重合体(a)と
の重量比((b)/(a))は、5/95〜90/1
0、好ましくは10/90〜80/20、さらに好まし
くは10/90〜50/50の範囲にあることが望まし
い。
【0025】複合繊維の芯部を形成するプロピレン系重
合体(b)の割合がこの範囲であると複合繊維の十分な
強度が得られ、かつ、柔軟性にも優れる。鞘部が上述し
たエチレン系重合体(a)から形成された芯鞘型複合繊
維から調製した不織布、特にスパンボンド不織布は、該
不織布を構成する複合繊維表面の大部分ないし全部が上
述したエチレン系重合体(a)からなるので、従来のポ
リプロピレンからなる不織布に比べ柔軟性に優れる。ま
た、不織布を構成する複合繊維が捲縮繊維であるとさら
に柔軟性に優れる。
【0026】このような複合繊維としては、たとえば
(1) エチレン系重合体(a)から形成された鞘部と、プ
ロピレン系重合体(b)から形成された芯部とからなる
同芯の芯鞘型複合繊維、(2) エチレン系重合体(a)か
ら形成された鞘部と、プロピレン系重合体(b)から形
成された芯部とからなる偏芯の芯鞘型複合繊維がある。
このうち、(2) の偏芯の芯鞘型複合繊維は捲縮繊維とな
る。
【0027】図1および図2に、芯鞘型複合繊維の模式
断面図を示す。図1は、同芯の芯鞘型複合繊維の模式断
面を示しており、図2は、偏芯の芯鞘型複合繊維の模式
断面を示している。なお、図中のPPは、プロピレン系
重合体からなる芯部を示し、PEは、エチレン系重合体
からなる鞘部を示す。
【0028】さらに本発明では、必要に応じて鞘部を形
成するエチレン系重合体(a)および/または芯部を形
成するプロピレン系重合体(b)に、本発明の目的を損
なわない範囲で、他の重合体、着色材、耐熱安定剤、核
剤、スリップ剤などを配合することができる。
【0029】これらの芯鞘型複合繊維の繊維径は、通常
1.0〜50μm、好ましくは5.0〜40μmであ
る。 [上記(3)のサイドバイサイド型複合繊維]本発明で
用いられるサイドバイサイド型複合繊維は、上述したエ
チレン系重合体(a)からなる重合体部とプロピレン系
重合体(b)からなる重合体部とからなり、高融点のプ
ロピレン系重合体(b)含量よりも、低融点のエチレン
系重合体(a)含量が多い方がエチレン系重合体フィル
ム層[II]との接着性の面で好ましい。低融点のエチレ
ン系重合体(a)含量は、通常95〜10重量%、好ま
しくは90〜20重量%、さらに好ましくは90〜50
重量%である。
【0030】図3に、サイドバイサイド型複合繊維の模
式断面図を示す。なお、図中のPPは、プロピレン系重
合体部を示し、PEは、エチレン系重合体部を示す。さ
らに本発明では、必要に応じてエチレン系重合体(a)
および/またはプロピレン系重合体(b)に、本発明の
目的を損なわない範囲で、他の重合体、着色材、耐熱安
定剤、核剤、スリップ剤などを配合することができる。
【0031】このサイドバイサイド型複合繊維の繊維径
は、通常1.0〜50μm、好ましくは5.0〜40μ
mである。 [ポリオレフィン系不織布[I]]本発明で用いられる
ポリオレフィン系不織布[I]は、目付が5〜50g/
2 、好ましくは10〜30g/m2 であり、厚さが5
0〜1,000μm、好ましくは100〜600μmで
ある。
【0032】本発明で用いられるポリオレフィン系不織
布[I]は、上記のようなポリオレフィン系繊維を用
い、従来公知の湿式法、乾式法、メルトブローン法、ス
パンボンド法等により調製することができる。本発明に
おいては、スパンボンド法により調製されたポリオレフ
ィン系不織布が好ましく用いられる。
【0033】上述した芯鞘型複合繊維からなるスパンボ
ンド不織布は、たとえば鞘部を形成するエチレン系重合
体(a)と芯部を形成するプロピレン系重合体(b)を
複合スパンボンド法で溶融紡糸と同時にウェブを作り、
ウェブをニードルパンチあるいは熱融着させることによ
り調製することができる。その際、空気流や水流、ある
いは遠心力を利用して紡糸繊維を引き出して延伸すると
ともに、引き出された繊維をコンベアー等で受け止めて
シート状ウェブにする。
【0034】エチレン系重合体フィルム[II]層 本発明に係る吸収性物品用トップシートを構成するエチ
レン系重合体フィルム[II]層は、次のエチレン系重合
体(A)を含む組成物の押出ラミネートにより、上述し
たポリオレフィン系不織布[I]の片面または両面に形
成されている。
【0035】[エチレン系重合体(A)を含む組成物]
本発明において、エチレン系重合体(A)として、エチ
レン・α- オレフィン共重合体(A1)、高圧法低密度
ポリエチレン(A2)、およびエチレンとカルボン酸ま
たはカルボン酸エステル含有モノマーとの共重合体(A
3)から選ばれる少なくとも1種の重合体を用いると、
柔軟性に優れるフィルムを得ることができる点で好まし
い。なお、本明細書中における「重合体」は、単独重合
体を指すだけでなく、共重合体をも指す場合がある。
【0036】上記エチレン・α- オレフィン共重合体
(A1)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オ
レフィンとのランダム共重合体である。炭素原子数3〜
20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センなどが挙げられる。このエチレン・α- オレフィン
共重合体(A1)は、エチレンと、上記α- オレフィン
から選ばれる1種または2種以上の組み合わせとからな
る。
【0037】このエチレン・α- オレフィン共重合体
(A1)は、エチレンから導かれる構成単位を55〜9
9.9モル%、炭素原子数3〜20のα- オレフィンか
ら導かれる構成単位を0.1〜45モル%の割合で含む
共重合体が好ましく、特に、エチレンから導かれる構成
単位を70〜99モル%、炭素原子数3〜20のα- オ
レフィンから導かれる構成単位を1〜30モル%の割合
で含む共重合体が好ましい。
【0038】このエチレン・α- オレフィン共重合体
(A1)におけるエチレンから導かれる構成単位と、上
記α- オレフィンから導かれる構成単位の含有割合は、
通常、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体
を、ヘキサクロロブタジエン/重水素化ベンゼンの重量
割合が4/1の混合溶液約2.5mlに均一に溶解させ
て調製した試料を、測定温度120℃、測定周波数12
5.65MHz、スペクトル幅7.5μsecの条件下
で、13C−NMRスペクトルを測定してエチレンに帰属
されるスペクトルと、α- オレフィンに帰属されるスペ
クトルとから求めることができる。エチレンおよびα-
オレフィンに帰属するスペクトルの同定は、たとえば J
AMES C.RADALL,JMS-REV.MACROL.CHEM.PHYS.,C29(2&
3),201(1989)を参考に求めることができる。
【0039】また、このエチレン・α- オレフィン共重
合体(A1)は、密度が0.850〜0.950g/c
3 、好ましくは0.860〜0.940g/cm3
さらに好ましくは0.870〜0.930g/cm3
範囲にある。密度は、190℃における2.16kg荷
重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得られる
ストランドを、120℃で1時間熱処理し、1時間かけ
て室温まで徐冷した後、密度勾配管で測定して得られる
数値である。
【0040】さらに、このエチレン・α- オレフィン共
重合体(A1)のメルトフローレート(MFR;ASTM D
1238,190℃、荷重2.16kg)は、0.5〜100g/1
0分、好ましくは1.0〜50g/10分、さらに好ま
しくは2.0〜40g/10分の範囲にあることが望ま
しい。
【0041】前記高圧法低密度ポリエチレン(A2)
は、いわゆる高圧ラジカル重合により製造される長鎖分
岐を有する分岐の多いポリエチレンであり、密度が0.
915〜0.930g/cm3 、好ましくは0.918
〜0.930g/cm3 、さらに好ましくは0.920
〜0.925g/cm3 の範囲にあるポリエチレンであ
る。この高圧法低密度ポリエチレン(A2)は、メルト
フローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16
kg)が0.5〜100g/10分、好ましくは1.0〜
50g/10分、さらに好ましくは2.0〜40g/1
0分の範囲内にあることが望ましい。
【0042】また、この高圧法低密度ポリエチレン(A
2)は、長鎖分岐の度合いを表わすスウェル比、すなわ
ち毛細管式流れ特性試験機を用い、190℃の条件下で
内径(Di)2.0mm、長さ15mmのノズルより押
出速度10mm/分で押出したストランドの径(Ds)
と、ノズルの内径(Di)との比(Ds/Di)が1.
3以上であることが望ましい。
【0043】さらに、高圧法低密度ポリエチレン(A
2)は、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン
と、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さら
に好ましくは20モル%以下の他のα- オレフィン、酢
酸ビニル、アクリル酸エステル等の重合性単量体との共
重合体であってもよい。
【0044】前記エチレンとカルボン酸またはカルボン
酸エステル含有モノマーとの共重合体(A3)として
は、たとえばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・メタクリル酸共重合体などが挙げられる。この共重合
体(A3)は、良好な成形性を示す点で、エチレンから
導かれる構成単位の含有量が95〜70重量%であるこ
とが好ましい。
【0045】これらの共重合体(A3)は、密度が0.
900〜0.950g/cm3 、好ましくは0.910
〜0.945g/cm3 の範囲にあり、メルトフローレ
ート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が
0.5〜30g/10分、好ましくは1〜10g/10
分の範囲内にある。
【0046】<スリップ剤(B)>本発明で用いられる
スリップ剤(B)としては、具体的には、エルカ酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイ
ン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ステア
リン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸カルシウム、12- ヒドロキシステアリン酸カルシウ
ムなどが挙げられる。中でも、ステアリン酸アミド、エ
ルカ酸アミドが好ましく用いられる。
【0047】スリップ剤(B)は、エチレン系重合体
(A)100重量部に対して、0.01〜1重量部、好
ましくは0.05〜0.5重量部、さらに好ましくは
0.05〜0.3重量部の割合で用いられる。スリップ
剤(B)を上記範囲の割合で用いると、肌触りのよいエ
チレン系重合体フィルム[II]層が得られる。
【0048】<チタン白(C)>本発明で用いられるチ
タン白(C)は、酸化チタンからなる白色顔料であり、
ルチル型の結晶構造を有する酸化チタン、およびアナタ
ーゼ型の結晶構造を有する酸化チタンである。中でも、
ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンが化学的安定性
等の点で好ましく用いられる。
【0049】チタン白(C)は、エチレン系重合体
(A)100重量部に対して、0.5〜15重量部、好
ましくは1.0〜10重量部、さらに好ましくは2.0
〜8.0重量部の割合で用いられる。チタン白(C)を
上記範囲の割合で用いると、隠蔽性が良好なエチレン系
重合体フィルム[II]層が得られる。
【0050】<エチレン系重合体(A)を含む組成物の
調製>本発明で用いられるエチレン系重合体(A)を含
む組成物は、上記各成分を従来公知の方法、たとえばヘ
ンシェルミキサー、V- ブレンダー、リボンブレンダ
ー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、あるいは
このような方法で混合して得られた混合物を、さらに一
軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー
等で溶融混練した後、造粒あるいは得られた樹脂塊を粉
砕することによって得ることができる。
【0051】エチレン・α- オレフィン共重合体(A
1)と高圧法低密度ポリエチレン(A2)は、予め混合
物とすることができるし、また、これらの成分をスリッ
プ剤(B)とチタン白(C)とを同時に混合することも
できる。
【0052】<エチレン系重合体フィルム[II]層の形
成>上記のようにして得られたエチレン系重合体(A)
を含む組成物からなるエチレン系重合体フィルム[II]
層は、従来公知の押出ラミネート法により、上述したポ
リオレフィン系不織布の片面または両面に形成されてい
る。
【0053】本発明における押出ラミネートの条件は、
次の通りである。 樹脂温度:200〜400℃、好ましくは250〜35
0℃ ラミネート速度:10〜1,000m/分、好ましくは
50〜500m/分 成形の際は、基材(不織布)をコロナ、オゾン処理する
ことが好ましく、冷却ロールとしては、マット調(艶消
し)のロールを使用するのが好ましい。
【0054】押出ラミネートに使用するラミネーター
は、たとえば図4に示すように、繰り出し部(繰出しロ
ール)、ラミネート部(押出機、T−ダイ、加圧用ゴム
ロール、冷却ロール)、巻き取り部(巻取りロール)よ
り構成されている。T−ダイから押出された溶融状態の
エチレン系重合体(A)の組成物は、加圧用ゴムロール
と冷却ロールとの間で繰り出し部から送られてきた基材
に圧着され、冷却ロールで冷却されて巻取りロールに巻
き取られる。
【0055】本発明では、上記押出ラミネートは、ポリ
オレフィン系不織布[I]を完全に溶融させないように
して行なうとともに、得られた積層体の目付が10〜8
0g/m2 、好ましくは15〜60g/m2 、さらに好
ましくは15〜50g/m2の範囲内になるように行な
う。このエチレン系重合体フィルム[II]層の厚みは、
0.1〜30μm、好ましくは1〜15μm、さらに好
ましくは1〜10μmである。エチレン系重合体フィル
ム[II]層の厚みを上記範囲内にすることにより、ポリ
オレフィン系不織布[I]表面の凹凸をエチレン系重合
体フィルム[II]層に転写することが可能となる。すな
わち、上記のような押出しラミネートにより、ポリオレ
フィン系不織布[I]の片面または両面に形成されるエ
チレン系重合体フィルム[II]層の表面に、ポリオレフ
ィン系不織布[I]の風合いに近い風合いが付与され
る。
【0056】<細孔の形成>本発明に係る吸収性物品用
トップシートは、上記のようにして得られた積層体の少
なくともエチレン系重合体フィルム[II]層に、熱針穴
加工またはウォータージェットによる細孔形成加工によ
り、多数の細孔が形成されている。
【0057】これらの加工により細孔が形成されるが、
その開孔率は、10〜50%、好ましくは15〜40
%、さらに好ましくは20〜40%である。上記熱針穴
加工は、たとえば図5の(A)に示すような針ロールで
あって、図5の(B)に示す形状の針が図5の(C)に
示す配列パターンすなわち千鳥状(たとえばP1 =2.
5mm、P2 =2.5mm)に植設されている針ロール
を用いる。針ロールのサイズとしては、たとえばロール
径Lが82mmであり、長さSが100mmである針ロ
ールが挙げられる。この針ロールは、図5の(A)に示
すように、針ロールの側面にノックピンが設けられてお
り、また、この側面と反対側の側面にノックピン挿入穴
が設けられているので、上記積層体の幅に応じて、この
針ロールを複数個連結して針ロールの長さを調節するこ
とができる。
【0058】本発明では、たとえば上記のような針ロー
ルを用いて、図6に示すような針穴加工装置で、熱針温
度80〜200℃、好ましくは100〜160℃、ライ
ン速度10〜1,000m/分、好ましくは10〜50
0m/分で行なうことができる。
【0059】熱針は、二層の積層体の場合、ポリオレフ
ィン系不織布[I]層側から入れることもできるし、ま
たエチレン系重合体フィルム[II]層側から入れること
もできる。本発明においては、熱針は、ポリオレフィン
系不織布[I]層側から入れることが好ましい。図7に
示すように、熱針をポリオレフィン系不織布[I]層側
から入れて抜くと、ポリオレフィン系不織布[I]層表
面の開口周端部が細孔の外側に向かって盛り上がる。こ
のような細孔を有する積層体をトップシートとして用い
た吸収性物品を身に着けると、上記開口周端部の盛り上
がり部分は、身体で細孔内部に向かって押し戻され、細
孔が塞がれた状態になるため、吸収体から戻ってくる体
液がトップシート表面に滲出しにくくなり、濡れた感触
はない。
【0060】針の径は、0.1〜5mm、好ましくは
0.5〜3mmであり、針の温度は、80〜200℃、
好ましくは100〜160℃である。上記ウォータージ
ェットによる細孔形成加工は、従来公知の方法、たとえ
ば特開平3−19950号公報、特開平2−26970
号公報(US−第170193号明細書、1988年3
月18日出願)等に記載されている方法を採用して行な
うことができる。
【0061】特開平3−19950号公報に記載された
方法を採用する場合、たとえばポリオレフィン系不織布
[I]とエチレン系重合体フィルム[II]とからなる積
層体を、開孔を有する透水性の部材の上に置き、積層体
面から高圧の水流を衝突させて開孔を生じさせる。
【0062】この透水性の部材としては、孔の開いた
板、シート、細い針金またはプラスチック線を織った
り、あるいは編んで作製したスクリーンなどを用いるこ
とができる。開孔は、任意の形、大きさであってもよ
い。
【0063】ウォータージェットは、積層体のポリオレ
フィン系不織布[I]層側から行なうことができるし、
またエチレン系重合体フィルム[II]層側から行なうこ
ともできる。
【0064】上記の熱針穴加工またはウォータージェッ
トによる細孔形成加工によれば、エチレン系重合体フィ
ルム[II]層表面に付与されたポリオレフィン系不織布
[I]の風合いに近い風合いを損なうことなく、細孔を
形成することができる。
【0065】
【発明の効果】本発明に係る吸収性物品用トップシート
材は、そのエチレン系重合体フィルム[II]層が人肌に
触れる側にくるように用いられるが、エチレン系重合体
フィルム[II]層に多数の基材不織布由来の凹凸が形成
され、肌との接触面積が小さいため、エチレン系重合体
フィルム[II]層は、乾燥状態および湿潤状態のいずれ
の状態にあっても、肌にぴったり密着することがなく、
肌触りが良い。また、吸収体からトップシートに再び戻
る体液の量(リウェット、ウェットバック)がかなり少
ないので、濡れた感触がなく肌触りがよい。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により限定されるものはない。
【0067】なお、実施例等で用いた不織布、直鎖状低
密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、スリッ
プ剤およびチタン白は、次の通りである。ポリオレフィン系不織布 1)ポリプロピレン系複合繊維からなるポリオレフィン
系不織布(1) 製法:スパンボンド法 目付:23g/m2 繊維径:19.0μm 厚さ:200μm(光学顕微鏡により測定。以下同
じ。) ポリプロピレン系複合繊維:メルトフローレート(ASTM
D 1238,190℃、荷重2.16kg)が30g/10分であ
り、密度(ASTM D1505) が0.950g/cm3 であ
るエチレン・1-ブテン共重合体からなる鞘部と、メルト
フローレート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が5
0g/10分であり、密度(ASTM D 1505)が0.91g
/cm3 であるプロピレン単独重合体からなる芯部とか
ら構成された同芯の芯鞘型複合繊維。 2)ポリプロピレン繊維からなるポリオレフィン系不織
布(2) 製法:スパンボンド法 目付:23g/m2 繊維径:18.0μm 厚さ:220μm ポリプロピレン繊維:メルトフローレート(ASTM D 123
8,230℃、荷重2.16kg)が50g/10分であり、密度
(ASTM D 1505)が0.91g/cm3 であるプロピレン
単独重合体からなる繊維。 3)ポリオレフィン系不織布(3) 上記ポリオレフィン系不織布(1)の表面に界面活性剤
をグラビアコーターにより塗布した親水処理品。
【0068】界面活性剤:東邦化学工業(株)製、商品
名ペポールAS−054Cの4%水溶液 界面活性剤の塗布量:0.4g/m2 界面活性剤塗布のライン速度:10m/分 乾燥温度:85℃ 乾燥時間:1分 4)ポリオレフィン系不織布(4) 上記ポリオレフィン系不織布(2)の表面に界面活性剤
をグラビアコーターにより塗布した親水処理品。
【0069】界面活性剤:東邦化学工業(株)製、商品
名ペポールAS−054Cの4%水溶液 界面活性剤の塗布量:0.2g/m2 界面活性剤塗布のライン速度:10m/分 乾燥温度:85℃ 乾燥時間:1分直鎖状低密度ポリエチレン ・LLDPE 密度(ASTM D 1505):0.915g/cm3 MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):15.0
g/10分高圧法低密度ポリエチレン ・HPLDPE 密度(ASTM D 1505):0.917g/cm3 MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):10.0
g/10分スリップ剤 エルカ酸アミドチタン白 商品名 CR−63、石原産業(株)製 また、実施例等で得られた積層体等(トップシート)に
ついて、開孔率、ドライ時の触感、表面摩擦係数、吸収
速度およびウェットバック性を、下記の試験方法に従っ
て、測定ないし評価した。
【0070】<試験方法> (1)開孔率 積層体のフィルム層、不織布、フィルム(試料)の表面
の顕微鏡写真を撮影し、画像処理を行なって開孔部の面
積(%)を算出した。
【0071】(2)ドライ時の触感 B列5番の紙加工寸法に切断した積層体のフィルム層、
不織布、フィルム(試料)の表面を手で触れ、さらっと
感の有無を判定し、下記の基準で評価した。 [評価基準] ◎ : 非常にさらっと感がある。 ○ : さらっと感がある。 △ : ややべたつき感がある。 × : べたつき感がある。
【0072】(3)表面摩擦係数 摩擦感テスター(カトーテック(株)製、KES−SE
型)を用いて、23℃で、試料フィルム表面側のMD方
向(縦方向)およびCD方向(横方向)における、MI
U(平均静摩擦係数)およびMMD(摩擦係数の変動)
を測定した。MIU(平均静摩擦係数)の値が小さくな
るほど、表面平滑性がよい。
【0073】(4)吸収速度 開孔した積層体等の試料の液透過性は、市販のナプキン
の表面材(トップシート材)を取り除いたものの上に、
試料を置き、その上たとえば積層体のフィルム層の上に
青色に着色した0.8%濃度の生理食塩水5mlを滴下
したとき、生理食塩水が吸収される時間を測定し、評価
した。
【0074】(5)ウェットバック性(生理食塩水の吸
収体からトップシート材への戻り性) 上記(4)の吸収テストを行なった後、指で軽く押さえ
て、戻り性を下記の基準で評価した。 [評価基準] ○ : 生理食塩水の吸収体から試料への戻りは殆どな
く、試料に指で触れても殆ど濡れない。 △ : 生理食塩水は、吸収体から試料にやや戻る。 × : 生理食塩水の吸収体から試料への戻りがかなり多
い。
【0075】
【実施例1】上記ポリオレフィン系不織布(1)の片面
に、第1表に示す組成のエチレン系重合体組成物を下記
の条件で押出ラミネートして積層体を得た。
【0076】<押出ラミネート条件> ・押出ラミネート機 : 65mmφ、L/D=32、住
友重工(株)製 ・ダイのスリットの寸法 : 500mm ・樹脂温度 : 290℃ ・生産スピード : 100m/分 ・コロナ処理:基材不織布の貼り合わせ側表面に行なっ
た。 ・オゾン処理:溶融樹脂の貼り合わせ側表面に行なっ
た。 ・冷却ロールの表面仕上げ状態 : マット調(艶消し) ・ニップロール圧力 : 0.6kgf/cm エチレン系重合体フィルム層の厚みが5μmになるよう
に調整した。
【0077】次いで、得られた積層体のポリオレフィン
系不織布(1)層側から、下記の条件で熱針穴加工を行
なった。 <熱針穴加工の条件> 針の径 :1.0mm(図5参照) 針の温度 :150℃ ライン速度:20m/分 受けロール:ブラシロール使用 上記のようにして細孔が形成された積層体の目付は、2
9g/m2 であり、開孔率は、26%であった。
【0078】この積層体について、ドライ時の触感、M
IU、MMD、吸収速度およびウェットバック性を、上
記試験方法に従って測定ないし評価した。その結果を第
2表に示す。
【0079】
【実施例2】実施例1において、ポリオレフィン系不織
布(1)の両面に、エチレン系重合体組成物の押出ラミ
ネートを行なった以外は、実施例1と同様に行なった。
【0080】得られた積層体の目付は、35g/m2
あり、開孔率は、25%であった。この積層体につい
て、ドライ時の触感、MIU、MMD、吸収速度および
ウェットバック性を、上記試験方法に従って測定ないし
評価した。
【0081】その結果を第2表に示す。
【0082】
【実施例3】実施例1において、ポリオレフィン系不織
布(1)の代わりに、ポリオレフィン系不織布(2)を
用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
【0083】得られた積層体の目付は、27g/m2
あり、開孔率は、24%であった。この積層体につい
て、ドライ時の触感、MIU、MMD、吸収速度および
ウェットバック性を、上記試験方法に従って測定ないし
評価した。
【0084】その結果を第2表に示す。
【0085】
【実施例4】実施例3において、ポリオレフィン系不織
布(2)の両面に、エチレン系重合体組成物の押出ラミ
ネートを行なった以外は、実施例3と同様に行なった。
【0086】得られた積層体の目付は、34g/m2
あり、開孔率は、25%であった。この積層体につい
て、ドライ時の触感、MIU、MMD、吸収速度および
ウェットバック性を、上記試験方法に従って測定ないし
評価した。
【0087】その結果を第2表に示す。
【0088】
【比較例1】ポリオレフィン系不織布(1)そのものに
ついて、実施例1と同様に、上記測定ないし評価を行な
った。
【0089】この不織布(1)の吸収性について試験を
したが、滴下した生理食塩水を吸収することはなかっ
た。その結果を第2表に示す。
【0090】
【比較例2】ポリオレフィン系不織布(2)そのものに
ついて、実施例1と同様に、上記測定ないし評価を行な
った。
【0091】この不織布(1)の吸収性について試験を
したが、滴下した生理食塩水を吸収することはなかっ
た。その結果を第2表に示す。
【0092】
【比較例3】ポリオレフィン系不織布(3)(ポリオレ
フィン系不織布(1)の親水処理品)そのものについ
て、実施例1と同様に、上記測定ないし評価を行なっ
た。
【0093】その結果を第2表に示す。
【0094】
【比較例4】ポリオレフィン系不織布(4)(ポリオレ
フィン系不織布(2)の親水処理品)そのものについ
て、実施例1と同様に、上記測定ないし評価を行なっ
た。
【0095】その結果を第2表に示す。
【0096】
【比較例5】図8に示すように、実施例1と同じ組成の
エチレン系重合体組成物を、ホッパー1から押出機2
(65mmφ、L/D=30)に供給して230℃で溶
融混練した。溶融物をT−ダイ3(リップ幅:250m
m)から成形速度12m/分で押出し、キャストフィル
ム4を得た。
【0097】このキャストフィルム4を、開孔率45%
のパンチングメタル(孔径1mm、厚さ0.6mm)を
円柱状に成形したドラム5に供給し、ドラム5内の真空
度を2,000〜2,500mmAqとして、ドラム5
の表面にキャストフィルム4を押し当てた。このときブ
ロアー6によって吹き付け口7から360℃の高温空気
を流量60m3 /hで吹き付けることにより開孔成形を
行ない、厚み25μmの開孔フィルム8を製造した。
【0098】得られた開孔フィルム8について、実施例
1と同様に、上記測定ないし評価を行なった。その結果
を第2表に示す。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、同芯の芯鞘型複合繊維を示す模式断面
図である。
【図2】図2は、偏芯の芯鞘型複合繊維を示す模式断面
図である。
【図3】図3は、サイドバイサイド型複合繊維を示す模
式断面図である。
【図4】図4は、押出ラミネートに使用するラミネータ
ーの一例を示す概略図である。
【図5】図5は、熱針穴加工で用いられる針ロールの一
例を示す図面であり、図5の(A)は針ロールの断面図
であり、図5の(B)は、針の形状を示す断面図であ
り、図5の(C)は、針ロール周面における針の配置パ
ターンを示す図である。
【図6】図6は、細孔形成で用いられる針穴加工装置の
一例を示す概略図である。
【図7】図7は、熱針をポリオレフィン系不織布[I]
層側から入れて抜いたときの不織布層とエチレン系重合
体フィルム層とからなる積層体の状態を示す概略図であ
る。
【図8】図8は、開孔フィルムの成形工程を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 ・・・・ ホッパー 2 ・・・・ 押出機 3 ・・・・ T−ダイ 4 ・・・・ キャストフィルム 5 ・・・・ ドラム 6 ・・・・ ブロアー 7 ・・・・ 吹き付け口 8 ・・・・ 開孔フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/32 B32B 27/32 103 103 D04H 3/16 // D04H 3/16 A41B 13/02 E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目付が5〜50g/m2 であるポリオレフ
    ィン系不織布[I]の片面または両面に、エチレン系重
    合体(A)を含む組成物の押出ラミネートにより、エチ
    レン系重合体フィルム[II]層が形成され、目付が10
    〜80g/m2 である積層体からなり、 該積層体の少なくともエチレン系重合体フィルム[II]
    層に、熱針穴加工あるいはウォータージェットによる細
    孔形成加工により、多数の細孔が形成されており、 該エチレン系重合体(A)は、 密度が0.850〜0.950g/cm3 の範囲にあ
    り、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.1
    6kg)が0.5〜100g/10分の範囲にあり、 該エチレン系重合体フィルム[II]層に、ポリオレフィ
    ン系不織布[I]表面の凹凸が転写されていることを特
    徴とする吸収性物品用トップシート材。
  2. 【請求項2】前記エチレン系重合体(A)が、 エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとの共
    重合体であって、密度が0.850〜0.950g/c
    3 の範囲にあり、メルトフローレート(ASTMD 1238,
    190℃、荷重2.16kg)が0.5〜100g/10分の範
    囲にあるエチレン・α- オレフィン共重合体(A1)、 密度が0.905〜0.935g/cm3 の範囲にあ
    り、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.
    16kg)が0.5〜100g/10分の範囲にある高圧法
    低密度ポリエチレン(A2)、および密度が0.900
    〜0.950g/cm3 の範囲にあり、メルトフローレ
    ート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.5〜3
    0g/10分の範囲にある、エチレンとカルボン酸また
    はカルボン酸エステル含有モノマーとの共重合体(A
    3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品用ト
    ップシート材。
  3. 【請求項3】前記エチレン系重合体(A)が、エチレン
    ・α- オレフィン共重合体(A1)および高圧法低密度
    ポリエチレン(A2)の合計量100重量部に対し、エ
    チレン・α- オレフィン共重合体(A1)を50重量部
    以上100重量部未満の量で含み、高圧法低密度ポリエ
    チレン(A2)を50重量部以下の量で含んでいること
    を特徴とする請求項2に記載の吸収性物品用トップシー
    ト材。
  4. 【請求項4】前記エチレン系重合体(A)を含む組成物
    が、エチレン系共重合体(A)100重量部に対し、ス
    リップ剤(B)0.01〜1重量部とチタン白(C)
    0.5〜15重量部を含有していることを特徴とする請
    求項1に記載の吸収性物品用トップシート材。
  5. 【請求項5】前記ポリオレフィン系不織布[I]が、ス
    パンボンド不織布であることを特徴とする請求項1に記
    載の吸収性物品用トップシート材。
  6. 【請求項6】前記ポリオレフィン系不織布[I]が、繊
    維径が1.0〜50μmであるオレフィン系重合体の繊
    維から形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の吸収性物品用トップシート材。
  7. 【請求項7】前記細孔の開孔率が、10〜50%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品用トップ
    シート。
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