JP2004111086A - 加熱調理器 - Google Patents
加熱調理器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004111086A JP2004111086A JP2002268556A JP2002268556A JP2004111086A JP 2004111086 A JP2004111086 A JP 2004111086A JP 2002268556 A JP2002268556 A JP 2002268556A JP 2002268556 A JP2002268556 A JP 2002268556A JP 2004111086 A JP2004111086 A JP 2004111086A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- display
- heating
- mode
- level
- display means
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Induction Heating Cooking Devices (AREA)
Abstract
【課題】詳細情報を表示する第1の表示手段と、簡易情報のみ表示する第2の表示手段との表示内容の整合性を確保する。
【解決手段】制御手段8は、設定時間だけ加熱手段3を通電するタイマー加熱モードと、温度センサ4より入力する信号と制御温度との関係に基づき加熱手段3を通電制御する温調モードを有して、動作モードが温調モードのときは、第1の表示手段11のレベル表示する要素にて設定温度の高低をレベル表示し、数字表示する要素にて設定温度を数字表示することで、第1の表示手段11から設定温度の選択範囲を表示する要素を削除し、視認性の向上または安価な構成を実現しつつ、第1の表示手段11と第2の表示手段7との表示内容の整合性を確保できる。
【選択図】 図1
【解決手段】制御手段8は、設定時間だけ加熱手段3を通電するタイマー加熱モードと、温度センサ4より入力する信号と制御温度との関係に基づき加熱手段3を通電制御する温調モードを有して、動作モードが温調モードのときは、第1の表示手段11のレベル表示する要素にて設定温度の高低をレベル表示し、数字表示する要素にて設定温度を数字表示することで、第1の表示手段11から設定温度の選択範囲を表示する要素を削除し、視認性の向上または安価な構成を実現しつつ、第1の表示手段11と第2の表示手段7との表示内容の整合性を確保できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において使用される加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来構成の加熱調理器について図8を用いて説明する。図8は従来の加熱調理器のブロック図である。図8において、1は商用電源、2は鍋、3は加熱手段で、整流器30、加熱コイル31、スイッチング素子32、インバータ回路33で構成されている。4は温度センサ、5は入力手段、6は第1の表示手段で、バックライト付き液晶表示素子(以後LCDと称する)で構成され、入力手段5の近傍に設置されている。7は第2の表示手段で、発光ダイオード(以後LEDと称する)などで構成され、鍋2が設置されるトッププレート上にて鍋2近傍になるように設置されている。
【0003】
8は制御手段で、加熱制御部9と操作部10で構成される。そして、加熱制御部9はさらに、通電制御手段90、第1の変調手段91、第1の復調手段92で構成され、通電制御手段90は、スイッチング素子32を数十kHzでオンオフさせて加熱コイル31に高周波電流を印加し加熱コイル31と磁気結合する鍋2を誘導加熱する。
【0004】
また、通電制御手段90は、初期モード、加熱モード、揚げ物モードの3つの動作モードを備えている。そして、通電制御手段90は、動作モードが初期モードのときはスイッチング素子32をオフして加熱停止し、加熱モードのときは120W(「弱」)〜2000W(「強」)にて7段階の設定火力を備えて任意の設定火力を選択し、かつ加熱手段3が選択した設定火力の通電量になるようにスイッチング素子32のオン時間を制御し鍋2を誘導加熱し、揚げ物モードのときは140℃〜200℃にて10℃刻みで7段階の設定温度を備えて任意の設定温度を選択し、かつ温度センサ4と選択された設定温度との関係に基づきスイッチング素子32のオン時間を制御し鍋2を誘導加熱する。そして、通電制御手段90は、第1の復調手段92より入力する信号に基づき前記動作モード、および設定火力または設定温度を選択する。
【0005】
さらに、通電制御手段90は、第2の表示手段7を制御して、前記選択した動作モード、設定火力または設定温度を表示する。さらに、通電制御手段90は、鍋2が加熱に不適切、加熱手段3の故障、温度センサ4断線などの異常を検知して加熱手段3を通電オフし、第2の表示手段7を制御して前記異常である旨の表示を行うとともに、第1の変調手段91へ前記異常を示す信号を出力する。
【0006】
また、操作部10は、モード制御手段100、第2の変調手段101、第2の復調手段102で構成され、モード制御手段100は、通電制御手段90の説明で述べた、初期モード、加熱モード、揚げ物モードの3つの動作モードに、タイマー選択モード、タイマー加熱モードを加えた合計5つの動作モードを備えている。そして、モード制御手段100は、タイマー選択モードのときは加熱手段3が通電オフした状態にて0:01〜9:59まで時間設定し、タイマー加熱モードでは0:01〜9:59までの設定された時間内だけ加熱手段3を通電制御した後に初期モードへ移行する。そして、モード制御手段100は、加熱モードとタイマー加熱モードでは120W(「弱」)〜2000W(「強」)にて7段階の設定火力、揚げ物モードでは140℃〜200℃にて10℃刻みで7段階の設定温度、タイマー選択モードとタイマー調理モードでは0:01〜9:59の設定可能な時間を備えて、入力手段5より入力する信号に基づき前記動作モード、設定火力、設定温度、または設定時間を選択する。
【0007】
また、モード制御手段100は、第1の表示手段6を制御して、前記選択した動作モード、設定火力、設定温度、または時間設定を表示する。さらに、モード制御手段100は、第2の変調手段101へ前記選択した動作モード、設定火力、または設定温度を示す信号を出力する。
【0008】
さらに、モード制御手段100は、第2の復調手段102より入力する信号に基づき鍋2が加熱に不適切、加熱手段3の故障、温度センサ4断線などの異常を検知し、第1の表示手段6を制御して前記異常である旨の表示を行うとともに、入力手段5による動作モード、設定火力、設定温度、または設定時間の変更を禁止する。
【0009】
そして、加熱制御部9にある第1の変調手段91は、通電制御手段90より入力する信号をシリアル信号に変調して操作部10にある第2の復調手段102に送信し、操作部10にある第2の復調手段102は受信したシリアル信号を復調してモード制御手段100に出力する。
【0010】
また、操作部10にある第2の変調手段101は、モード制御手段100より入力する信号において、動作モードを示す信号部分にて、タイマー選択モードは初期モードと同じ扱いに、タイマー加熱モードは加熱モードと同じ扱いにした後に、シリアル信号に変調して加熱制御部9にある第1の復調手段92に送信し、加熱制御部9にある第1の復調手段92は受信したシリアル信号を復調して通電制御手段90に出力する。
【0011】
以上のような構成にて、機器を使用する者が入力手段5を操作して選択した動作モード、設定火力または設定温度を操作部10から加熱制御部9へ伝達し、加熱手段3や温度センサ4で発生した異常を加熱制御部9で検知し、加熱制御部9から操作部10へ伝達している。
【0012】
以上のように構成された従来構成の加熱調理器の表示動作について、図9〜図11を用いて説明する。図9は、第1の表示手段6の全表示要素を示す図、図10は、第1の表示手段6および第2の表示手段7の表示動作の第1例を示す図であり、図10の(a)はタイマー加熱モードのときの表示、(b)は揚げ物モードのときの表示、(c)はタイマー加熱モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示、(d)は揚げ物モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示を示す図である。
【0013】
まず、タイマー加熱モードでは、例えば、残時間3時間45分、設定火力=「強」の場合、図10(a)に示すように、入力手段5近傍にある第1の表示手段6のLCDにて、タイマー残時間を時1桁と分2桁にて「3:45」と表示し、現在選択されている設定火力「強」までのレベル表示を行うとともに、前記レベル表示のすぐ下部にて設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」設定まで7段階)を示す表示を行う。また、鍋2近傍にある第2の表示手段7のLEDでは、選択されている設定火力「強」までのレベル表示を行う。
【0014】
次に、揚げ物モードでは、図10(b)に示すように、例えば、設定温度=「180」℃の場合、入力手段5近傍にある第1の表示手段6のLCDにて、現在選択されている設定温度「180」までのレベル表示を行うとともに、前記レベル表示のすぐ上部にて設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を示す表示を行い、さらに予熱中であるときは設定温度のレベル表示において、一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0015】
また、鍋2近傍にある第2の表示手段7のLEDでは、選択されている設定温度「180」までのレベル表示を行い、さらに予熱中であるときは前記レベル表示の一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0016】
次に、例えば、図10(a)に示すタイマー加熱モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図10(c)に示すように、図10(a)で示したタイマー加熱モードのときの表示に対し、第1の表示手段6および第2の表示手段7にて、設定火力「強」までのレベル表示全部を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0017】
次に、例えば、図10(b)に示す揚げ物モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図10(d)に示すように、図10(b)で示した揚げ物モードのときの表示に対し、第1の表示手段6および第2の表示手段7にて、設定温度「180」℃までのレベル表示全部を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0018】
また、図11は、揚げ物モードのときの表示動作の第2例を示す図である。図11に示すように、揚げ物モードでは、入力手段5近傍にある第1の表示手段6のLCDにて、揚げ物モードであることを示す表示と設定温度の数字表示を行う場合もある。なお、このときの第2の表示手段7での表示は、図10(b)に示す表示と同じである。
【0019】
【特許文献1】
特開平01−155126号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、第1例の場合は、入力手段5近傍にある第1の表示手段6において、設定火力または設定温度をレベル表示する要素を挟んで、下側に設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」設定まで7段階)を表示する要素、上側に設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素が存在し、さらにその上側にタイマー選択モードまたはタイマー加熱モードのときに時間表示する要素が存在して合計4段の表示要素となり、表示要素1段あたりの高さが短くなって視認性に難がある。
【0021】
また、第2例の場合は、第1の表示手段6では選択されている設定温度を数字表示するのみなので、機器を使用する者は選択されている設定温度が7つの設定温度の中でどのレベルにあるのかを第1の表示手段6を見るだけでは確認できない、また第1の表示手段6には予熱中であるとこを示す表示が存在しない、さらに第1の表示手段6と第2の表示手段7との表示内容の整合性が確保できないという課題があった。
【0022】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、揚げ物モードで選択されている設定温度の具体的な数値および全設定温度数の中での高低レベルの位置づけを表示しつつ、数字表示する要素とレベル表示する要素を含む第1の表示手段6の表示要素段数を削減し、さらに入力手段5近傍に位置する第1の表示手段6と、鍋2近傍に位置し設定温度のレベルのみ表示する第2の表示手段7との表示内容の整合性を確保することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、制御手段が、動作モードとして、設定時間だけ加熱手段を通電するタイマー加熱モードと、温度センサより入力する信号と設定温度との関係に基づき前記加熱手段への通電量を制御する温調モードを有して、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度の高低をレベル表示するとともに、前記第1の表示手段の数字表示する要素にて、動作モードが前記タイマー加熱モードのときは前記設定時間を数字表示し、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度を数字表示するようにしたものである。
【0024】
これにより、温調モードのときに設定温度の高低をレベル表示しかつ前記レベル表示が具体的に何℃設定なのかを数字表示し、設定温度の選択範囲を表示する要素を削除して第1の表示手段の上下方向の表示要素段数を1段減少させて、表示範囲全体の高さが同一の場合は表示要素1段当たりの高さを高くして視認性を向上する、または各表示要素の高さが同一の場合は表示範囲全体の高さを低く抑えて安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度センサと、数字表示する要素とレベル表示する要素を備える第1の表示手段と、前記加熱手段を通電制御し、かつ前記第1の表示手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、動作モードとして、設定時間だけ前記加熱手段を通電するタイマー加熱モードと前記温度センサより入力する信号と設定温度との関係に基づき前記加熱手段への通電量を制御する温調モードを有し、前記第1の表示手段のレベル表示する要素を動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度の高低をレベル表示するとともに、前記第1の表示手段の数字表示する要素を動作モードが前記タイマー加熱モードのときは前記設定時間を数字表示し、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度を数字表示するようにし、制御手段が、温調モードでは、第1の表示手段にて、レベル表示する要素で設定温度の高低をレベル表示しつつ、タイマー加熱モードのときに時間表示を行う数字表示する要素で設定温度を数字表示するように制御するので、レベル表示で設定温度の高低を視覚的に表現し、かつ前記レベル表示が具体的に何℃設定なのかを数字表示して機器を使用する者に認知させるとともに、第1の表示手段の上下方向の表示要素段数を1段(設定温度の選択範囲を表示する要素の分)だけ減少し、表示要素1段あたりの高さを大きくして視認性を向上する、または表示範囲全体の高さを低く抑えた安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0026】
請求項2に記載の発明は、特に、制御手段は、動作モードがタイマー加熱モードのときは、加熱出力が設定火力になるよう加熱手段を通電制御するとともに、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、前記設定火力の強弱をレベル表示する構成として、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、温調モードでは設定温度の高低を視覚的に表現し、かつ機器が設定火力にて加熱するモードにおいては設定火力の強弱を視覚的に表現することができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項2に記載の第1の表示手段に設定火力の選択範囲を表示する要素を設けて、制御手段が、動作モードがタイマー加熱モードのときは前記設定火力の選択範囲を表示する要素を表示しかつ選択されている設定火力の強弱をレベル表示する構成として、機器が所定の火力にて加熱するモードにおいて、第1の表示手段で行うレベル表示が全体の設定数のうちどの段階にあるかを第1の表示手段にて機器を使用する者に知らせることができる。
【0028】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項3に記載の第1の表示手段にて、レベル表示する要素を基準とし、数字表示する要素と設定火力の選択範囲を表示する要素とを対向する位置に配置して、レベル表示する要素に対して等間隔の至近距離となるよう設定温度を数字表示する要素および設定火力の選択範囲を表示する要素を配置できる。そして、第1の表示手段にて、温調モードのときは、設定温度の高低を表現するレベル表示に近い位置で設定温度の数字表示を行い、タイマー加熱モードのときは、設定火力の強弱を表現するレベル表示に近い位置で設定火力の選択範囲を表示して、機器を使用する者が、レベル表示の具体的な設定温度または設定火力がどの段階にあるかを認知し易くすることができる。
【0029】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1〜4に記載の制御手段は、第1の表示手段のレベル表示の一部または全部を点滅して、鍋を調理に適した状態になるまで加熱する予熱期間である旨の表示を行う構成として、第1の表示手段に予熱期間を表示する要素を新たに追加することなく、第1の表示手段によって設定温度の高低または設定火力の強弱を表現しかつ表示要素の段数削減による視認性向上やコスト削減を行いつつ、予熱期間である旨の表示を行うことができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項5に記載の制御手段は、第1の表示手段のレベル表示の一部または全部を点滅して、鍋が加熱に不適切である旨の表示を行うとともに、前記予熱期間である旨の表示と前記鍋が加熱に不適切である旨の表示とで点滅する要素を変更する構成として、第1の表示手段に鍋が加熱に不適切である旨を表示する要素を新たに追加することなく、第1の表示手段によって設定温度の高低または設定火力の強弱を表現しかつ表示要素の段数削減による視認性向上やコスト削減を行いつつ、予熱期間である旨の表示と鍋が加熱に不適切である旨の表示を区別して行うことができる。
【0031】
請求項7に記載の発明は、特に、請求項1〜6に記載のものに、動作モード、設定時間、設定温度を変更する入力手段と、レベル表示する要素のみ備えた第2の表示手段を備えて、第1の表示手段と前記第2の表示手段の何れか一方を前記入力手段近傍に配置し、かつ他方を鍋の設置箇所近傍に配置するとともに、制御手段は、前記第1の表示手段のレベル表示する要素での表示内容を、前記第2の表示手段にて同様に表示する構成として、機器を使用する者が、入力手段を操作するとき、および鍋に触れながら調理を行うときの双方にて、視線を大きくずらすことなく機器の動作状態を確認することができる。
【0032】
また、第1の表示手段と第2の表示手段をそれぞれ別々の構成手段にて駆動するように制御手段を構成した場合、各々の構成手段の間で正常に情報伝達が行われているかを第1の表示手段の表示内容と第2の表示手段の表示内容を見比べて確認することができる。
【0033】
さらに、設定温度の高低または設定火力の強弱を表現し、表示要素の段数削減による視認性向上やコスト削減を行いつつ、制御手段が、温調モードでは、第1の表示手段および第2の表示手段ともに前記設定温度の高低に対応したレベル表示を行うよう制御するので、時間表示する要素とレベル表示する要素を含む詳細情報を表示する第1の表示手段による表示と、レベル表示する要素のみの簡素な情報を表示する第2の表示手段による表示との整合性を確保することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における加熱調理器のブロック図を示したものであり、図8の従来例と同一の機能を有するものには同一の符号を付与している。図1に示す構成で図8の構成と異なる点は、まず、加熱制御部9の通電制御手段90、および操作部10のモード制御手段100において、加熱モードおよびタイマー加熱モードのときの設定火力数を、選択範囲は120W(「弱」)〜2000W(「強」)のままにて、7段階から8段階に増加する。
【0036】
また、第1の表示手段6の表示要素から、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し、設定火力または設定温度をレベル表示する要素、およびタイマー選択モードまたはタイマー加熱モードにて時間表示する要素を大きくしたものを新たに第1の表示手段11とする。そして、操作部10のモード制御手段100が、揚げ物モードのときは、第1の表示手段11にて、タイマー選択モードまたはタイマー加熱モードのときに時間表示する要素で選択されている設定温度を数字表示するとともに、前記選択されている設定温度の高低に対応したレベル表示を行うようにした点にある。
【0037】
また、図2は、本発明の実施例1における加熱調理器の外観図である。なお、図2に示す機器は、システムキッチン組込み型であり、鍋2を誘導加熱する誘導加熱部を左右に2口(右誘導加熱部13、左誘導加熱部14)、鍋2をヒータ加熱するヒータ加熱部15を中央に1口、ヒータ加熱し魚などを加熱調理するロースタ部16を1口それぞれ備えている。そして、図2に示すように、入力手段5および第1の表示手段11を備えた操作表示パネル12を、機器を使用する者に対向する側面に配置する。
【0038】
さらに、第2の表示手段7を、右誘導加熱部13の設定火力または設定温度を表示する第2の表示手段右部70と、左誘導加熱部14の設定火力または設定温度を表示する第2の表示手段左部71とで構成し、第2の表示手段右部70を右誘導加熱部13近傍に、第2の表示手段左部71を左誘導加熱部14近傍に配置している。
【0039】
また、図3は、本発明の実施例1における操作表示パネル12の詳細図である。図3に示すように、入力手段5および第1の表示手段11は、右誘導加熱部13、左誘導加熱部14、ヒータ加熱部15、ロースタ部16をそれぞれ設定変更または状態表示できるよう構成されており、入力手段5の上側に第1の表示手段11が配置されている。
【0040】
また、第1の表示手段11は、右誘導加熱部13の状態を表示する第1の表示手段右部110、ヒータ加熱部15およびロースタ部16の状態を表示する第1の表示手段中央部111、左誘導加熱部14の状態を表示する第1の表示手段左部112より構成されている。
【0041】
以上の構成により、機器を使用する者が、入力手段5を操作して機器の動作状態を変更するときは第1の表示手段11を見て変更後の機器の動作状態を視線を大きくずらすことなく容易に確認することができ、鍋2に触れながら調理を行うときは第2の表示手段7を見て機器の動作状態を視線を大きくずらすことなく容易に確認することができる。
【0042】
また、操作部10の所有する情報である、モード制御手段100の動作モード、設定時間、設定火力または設定温度に関する情報や、加熱制御部8から受信した加熱手段3や温度センサ4で発生した異常情報を第1の表示手段11に表示し、加熱制御部9で所有する情報である、操作部10から受信した動作モード、設定火力または設定温度に関する情報や、加熱手段3や温度センサ4で発生した異常情報を第2の表示手段7に表示するので、動作モード、設定火力または設定温度が操作部10から加熱制御部9へ正しく伝達されていること、および加熱手段3や温度センサ4で発生した異常が加熱制御部9から操作部10へ正しく伝達されていることを、第1の表示手段11および第2の表示手段7の表示内容を見比べて確認することができる。
【0043】
さて、以上のように構成された加熱調理器の表示動作について、図4〜図5を用いて説明する。
【0044】
図4は、第1の表示手段右部110の全表示要素を示す図である。図4に示すように、本発明の第1の表示手段右部110は、図9で示した従来構成の第1の表示手段6の表示要素に対して、表示範囲全体の大きさはそのまま維持しつつ、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し、設定火力または設定温度をレベル表示する要素の上下方向高さを大きくするとともに左から右へ傾斜を持たせて火力の強弱または温度の高低を更に鮮明に表現し、設定時間または設定温度を数字表示する要素を全体的に大きくし見易くしている。
【0045】
以上の構成により、第1の表示手段11において上下方向の表示要素段数を削減し、表示範囲全体の高さが同一の場合は表示要素1段当たりの高さを高くして視認性を向上することができる。
【0046】
図5は、第1の表示手段右部110および第2の表示手段右部70の表示動作を示す図であり、図5の(a)はタイマー加熱モードのときの表示、(b)は揚げ物モードのときの表示、(c)はタイマー加熱モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示、(d)は揚げ物モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示を示す図である。
【0047】
まず、タイマー加熱モードでは、例えば、残時間3時間45分、設定火力=「強」の場合、図5(a)に示すように、入力手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDにて、タイマー残時間を時1桁と分2桁にて「3:45」と表示し、かつ数字表示がタイマー残時間である旨を示すために「3:45」の近傍に「残り」と表示し、設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」設定まで8段階)を示す表示を行うとともに現在選択されている設定火力「強」までをレベル表示している。また、鍋2近傍にある第2の表示手段右部70のLEDでは、選択されている設定火力「強」までをレベル表示している。
【0048】
以上の構成により、タイマー加熱モードにおいて、レベル表示する要素にて選択されている設定火力の強弱を表現しつつ、レベル表示する内容が具体的にどの設定火力で動作しているかを機器を使用する者に容易に認知させることができ、かつ第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性を確保することができる。
【0049】
次に、揚げ物モードでは、例えば、設定温度=「180」℃の場合、図5(b)に示すように、入力手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDにて、揚げ物モードである旨を示すために「揚げ物」と表示し、図5(a)で示した、タイマー加熱モードでタイマー残時間を数字表示していた要素にて、現在選択されている設定温度「180」を数字表示するとともに、最小の設定温度「140」から現在選択されている設定温度「180」まで5つだけレベル表示し、さらに予熱中であるときは設定温度のレベル表示において、一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0050】
また、鍋2近傍にある第2の表示手段7のLEDでは、最小の設定温度「140」から選択されている設定温度「180」まで5つだけレベル表示を行い、さらに予熱中であるときは前記レベル表示の一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0051】
以上の構成により、揚げ物モードにおいて、レベル表示する要素にて選択されている設定温度の高低を表現しつつ、第1の表示手段右部110に設定温度の選択範囲に関する要素が存在しなくても、レベル表示する内容が具体的にどの設定温度で動作しているかを機器を使用する者に容易に認知させることができ、かつ第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性を確保することができる。
【0052】
また、予熱期間を示す表示のみ行う要素を新たに追加することなく、第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性や、表示要素の段数削減による視認性向上を行いつつ、予熱中である旨の表示を行うことができる。
【0053】
次に、タイマー加熱モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図5(c)に示すように、図5(a)で示したタイマー加熱モードのときの表示に対し、入手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDの設定火力に応じたレベル表示、および鍋2近傍にある第2の表示手段右部70のLEDの設定火力に応じたレベル表示を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0054】
次に、揚げ物モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図5(d)に示すように、図5(b)で示した揚げ物モードのときの表示に対し、入力手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDの設定温度に応じたレベル表示、および鍋2近傍にある第2の表示手段右部70のLEDの設定温度に応じたレベル表示を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0055】
以上の構成により、鍋2が加熱に不適切である旨を表示する要素を新たに追加することなく、第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性や、表示要素の段数削減による視認性向上を行いつつ、鍋2が加熱に不適切である旨の表示を前記予熱中である旨の表示とは区別して行うことができる。
【0056】
なお、図5(c)および(d)に示す鍋2が加熱に不適切であるときの点滅周期(0.5秒毎)を、図5(b)に示す揚げ物モードで予熱中のときの点滅周期(1.0秒毎)よりも短く設定している。これは、鍋2が加熱に不適切であるので加熱を停止する、または鍋2を別のものに取り替える等の処置を機器を使用する者に喚起するためである。
【0057】
また、第1の表示手段右部110にて、設定火力または設定温度をレベル表示する要素を基準として、設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」まで8段階)を表示する要素を下側に、タイマー残時間または設定温度を数字表示する要素を上側と、互いに対向する位置に近接して配置している。
【0058】
以上の構成により、揚げ物モードのときは、設定温度の高低を表現するレベル表示のすぐ上の位置で現在選択されている設定温度を具体的に数字表示し、タイマー加熱モードのときは、設定火力の強弱を表現するレベル表示のすぐ下の位置で設定火力の選択範囲を表示して、機器を使用する者が、レベル表示の具体的な設定温度または設定火力がどの段階にあるかを認知し易くすることができる。
【0059】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2における加熱調理器のブロック図を示したものであり、図8の従来例と同一の機能を有するものには同一の符号を付与している。図6に示す構成で図8の構成と異なる点は、第1の表示手段6の表示要素から、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し表示範囲全体の高さを低くしたものを新たに第1の表示手段17としたことである。
【0060】
以上のように構成された加熱調理器について、図7を用いてその動作を説明する。図7は、第1の表示手段17の全表示要素を示す図である。図7に示すように、本発明の第1の表示手段17は、図9で示した従来構成の第1の表示手段6の表示要素に対して、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し、表示範囲全体の高さを低く抑えている。
【0061】
そして、実施例2における、タイマー加熱モード、揚げ物モード、タイマー加熱モードにて鍋2が加熱に不適切、揚げ物モードにて鍋2が加熱に不適切のときの表示は、設定火力数の差(実施例1は8段階)に起因する表示を除いて、図5で示した実施例1での表示と同様の要領にて行うものとする。
【0062】
以上の構成により、第1の表示手段11において上下方向の表示要素段数を削減し、各表示要素の高さをそのままにして、表示範囲全体の高さを低く抑えた安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0063】
なお、従来例および実施例1、2にて、詳細情報を表示する第1の表示手段6、11、または17を入力手段5近傍に、レベル表示のみといった簡易な情報を表示する第2の表示手段7を鍋2近傍に配置しているが、第1の表示手段6、11、または17を鍋2近傍に配置し、第2の表示手段7を入力手段5近傍に配置した構成としても同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、第1の表示手段6、11、または17をバックライト付きLCDで、第2の表示手段7をLEDにて構成しているが、表示素子の種類に依らず同様の効果を得ることができる。
【0065】
また、制御手段8を加熱制御部9と操作部10で構成し、加熱制御部9と操作部10との間で変調手段および復調手段を介してシリアル通信を行い情報伝達する構成としているが、単一の構成手段にて実現することもできる。
【0066】
また、制御手段8を構成する手段の一部または全部を、単一または複数のマイクロコンピュータで行うとしても同様の効果を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜7に記載の発明によれば、揚げ物モードで選択されている設定温度の具体的な数値および全設定温度数の中での高低レベルの位置づけを機器を使用する者に認知させつつ、表示要素1段当たりの高さを高くして視認性を向上する、または安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0068】
さらに、請求項7に記載の発明によれば、詳細情報を表示する第1の表示手段による表示と、簡易な情報を表示する第2の表示手段による表示との整合性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における加熱調理器のブロック図
【図2】同、加熱調理器の外観図
【図3】同、操作表示パネルの詳細図
【図4】同、第1の表示手段右部の全表示要素を示す図
【図5】(a)同、タイマー加熱モードのときの表示動作を示す図
(b)同、揚げ物モードのときの表示動作を示す図
(c)同、タイマー加熱モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作を示す図
(d)同、揚げ物モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作を示す図
【図6】本発明の実施例2における加熱調理器のブロック図
【図7】同、第1の表示手段の全表示要素を示す図
【図8】従来の加熱調理器のブロック図
【図9】同、第1の表示手段の全表示要素を示す図
【図10】(a)同、タイマー加熱モードのときの表示動作の第1例を示す図
(b)同、揚げ物モードのときの表示動作の第1例を示す図
(c)同、タイマー加熱モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作の第1例を示す図
(d)同、揚げ物モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作の第1例を示す図
【図11】同、揚げ物モードのときの表示動作の第2例を示す図
【符号の説明】
2 鍋
3 加熱手段
4 温度センサ
5 入力手段
7 第2の表示手段
8 制御手段
11、17 第1の表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において使用される加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来構成の加熱調理器について図8を用いて説明する。図8は従来の加熱調理器のブロック図である。図8において、1は商用電源、2は鍋、3は加熱手段で、整流器30、加熱コイル31、スイッチング素子32、インバータ回路33で構成されている。4は温度センサ、5は入力手段、6は第1の表示手段で、バックライト付き液晶表示素子(以後LCDと称する)で構成され、入力手段5の近傍に設置されている。7は第2の表示手段で、発光ダイオード(以後LEDと称する)などで構成され、鍋2が設置されるトッププレート上にて鍋2近傍になるように設置されている。
【0003】
8は制御手段で、加熱制御部9と操作部10で構成される。そして、加熱制御部9はさらに、通電制御手段90、第1の変調手段91、第1の復調手段92で構成され、通電制御手段90は、スイッチング素子32を数十kHzでオンオフさせて加熱コイル31に高周波電流を印加し加熱コイル31と磁気結合する鍋2を誘導加熱する。
【0004】
また、通電制御手段90は、初期モード、加熱モード、揚げ物モードの3つの動作モードを備えている。そして、通電制御手段90は、動作モードが初期モードのときはスイッチング素子32をオフして加熱停止し、加熱モードのときは120W(「弱」)〜2000W(「強」)にて7段階の設定火力を備えて任意の設定火力を選択し、かつ加熱手段3が選択した設定火力の通電量になるようにスイッチング素子32のオン時間を制御し鍋2を誘導加熱し、揚げ物モードのときは140℃〜200℃にて10℃刻みで7段階の設定温度を備えて任意の設定温度を選択し、かつ温度センサ4と選択された設定温度との関係に基づきスイッチング素子32のオン時間を制御し鍋2を誘導加熱する。そして、通電制御手段90は、第1の復調手段92より入力する信号に基づき前記動作モード、および設定火力または設定温度を選択する。
【0005】
さらに、通電制御手段90は、第2の表示手段7を制御して、前記選択した動作モード、設定火力または設定温度を表示する。さらに、通電制御手段90は、鍋2が加熱に不適切、加熱手段3の故障、温度センサ4断線などの異常を検知して加熱手段3を通電オフし、第2の表示手段7を制御して前記異常である旨の表示を行うとともに、第1の変調手段91へ前記異常を示す信号を出力する。
【0006】
また、操作部10は、モード制御手段100、第2の変調手段101、第2の復調手段102で構成され、モード制御手段100は、通電制御手段90の説明で述べた、初期モード、加熱モード、揚げ物モードの3つの動作モードに、タイマー選択モード、タイマー加熱モードを加えた合計5つの動作モードを備えている。そして、モード制御手段100は、タイマー選択モードのときは加熱手段3が通電オフした状態にて0:01〜9:59まで時間設定し、タイマー加熱モードでは0:01〜9:59までの設定された時間内だけ加熱手段3を通電制御した後に初期モードへ移行する。そして、モード制御手段100は、加熱モードとタイマー加熱モードでは120W(「弱」)〜2000W(「強」)にて7段階の設定火力、揚げ物モードでは140℃〜200℃にて10℃刻みで7段階の設定温度、タイマー選択モードとタイマー調理モードでは0:01〜9:59の設定可能な時間を備えて、入力手段5より入力する信号に基づき前記動作モード、設定火力、設定温度、または設定時間を選択する。
【0007】
また、モード制御手段100は、第1の表示手段6を制御して、前記選択した動作モード、設定火力、設定温度、または時間設定を表示する。さらに、モード制御手段100は、第2の変調手段101へ前記選択した動作モード、設定火力、または設定温度を示す信号を出力する。
【0008】
さらに、モード制御手段100は、第2の復調手段102より入力する信号に基づき鍋2が加熱に不適切、加熱手段3の故障、温度センサ4断線などの異常を検知し、第1の表示手段6を制御して前記異常である旨の表示を行うとともに、入力手段5による動作モード、設定火力、設定温度、または設定時間の変更を禁止する。
【0009】
そして、加熱制御部9にある第1の変調手段91は、通電制御手段90より入力する信号をシリアル信号に変調して操作部10にある第2の復調手段102に送信し、操作部10にある第2の復調手段102は受信したシリアル信号を復調してモード制御手段100に出力する。
【0010】
また、操作部10にある第2の変調手段101は、モード制御手段100より入力する信号において、動作モードを示す信号部分にて、タイマー選択モードは初期モードと同じ扱いに、タイマー加熱モードは加熱モードと同じ扱いにした後に、シリアル信号に変調して加熱制御部9にある第1の復調手段92に送信し、加熱制御部9にある第1の復調手段92は受信したシリアル信号を復調して通電制御手段90に出力する。
【0011】
以上のような構成にて、機器を使用する者が入力手段5を操作して選択した動作モード、設定火力または設定温度を操作部10から加熱制御部9へ伝達し、加熱手段3や温度センサ4で発生した異常を加熱制御部9で検知し、加熱制御部9から操作部10へ伝達している。
【0012】
以上のように構成された従来構成の加熱調理器の表示動作について、図9〜図11を用いて説明する。図9は、第1の表示手段6の全表示要素を示す図、図10は、第1の表示手段6および第2の表示手段7の表示動作の第1例を示す図であり、図10の(a)はタイマー加熱モードのときの表示、(b)は揚げ物モードのときの表示、(c)はタイマー加熱モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示、(d)は揚げ物モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示を示す図である。
【0013】
まず、タイマー加熱モードでは、例えば、残時間3時間45分、設定火力=「強」の場合、図10(a)に示すように、入力手段5近傍にある第1の表示手段6のLCDにて、タイマー残時間を時1桁と分2桁にて「3:45」と表示し、現在選択されている設定火力「強」までのレベル表示を行うとともに、前記レベル表示のすぐ下部にて設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」設定まで7段階)を示す表示を行う。また、鍋2近傍にある第2の表示手段7のLEDでは、選択されている設定火力「強」までのレベル表示を行う。
【0014】
次に、揚げ物モードでは、図10(b)に示すように、例えば、設定温度=「180」℃の場合、入力手段5近傍にある第1の表示手段6のLCDにて、現在選択されている設定温度「180」までのレベル表示を行うとともに、前記レベル表示のすぐ上部にて設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を示す表示を行い、さらに予熱中であるときは設定温度のレベル表示において、一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0015】
また、鍋2近傍にある第2の表示手段7のLEDでは、選択されている設定温度「180」までのレベル表示を行い、さらに予熱中であるときは前記レベル表示の一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0016】
次に、例えば、図10(a)に示すタイマー加熱モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図10(c)に示すように、図10(a)で示したタイマー加熱モードのときの表示に対し、第1の表示手段6および第2の表示手段7にて、設定火力「強」までのレベル表示全部を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0017】
次に、例えば、図10(b)に示す揚げ物モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図10(d)に示すように、図10(b)で示した揚げ物モードのときの表示に対し、第1の表示手段6および第2の表示手段7にて、設定温度「180」℃までのレベル表示全部を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0018】
また、図11は、揚げ物モードのときの表示動作の第2例を示す図である。図11に示すように、揚げ物モードでは、入力手段5近傍にある第1の表示手段6のLCDにて、揚げ物モードであることを示す表示と設定温度の数字表示を行う場合もある。なお、このときの第2の表示手段7での表示は、図10(b)に示す表示と同じである。
【0019】
【特許文献1】
特開平01−155126号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、第1例の場合は、入力手段5近傍にある第1の表示手段6において、設定火力または設定温度をレベル表示する要素を挟んで、下側に設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」設定まで7段階)を表示する要素、上側に設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素が存在し、さらにその上側にタイマー選択モードまたはタイマー加熱モードのときに時間表示する要素が存在して合計4段の表示要素となり、表示要素1段あたりの高さが短くなって視認性に難がある。
【0021】
また、第2例の場合は、第1の表示手段6では選択されている設定温度を数字表示するのみなので、機器を使用する者は選択されている設定温度が7つの設定温度の中でどのレベルにあるのかを第1の表示手段6を見るだけでは確認できない、また第1の表示手段6には予熱中であるとこを示す表示が存在しない、さらに第1の表示手段6と第2の表示手段7との表示内容の整合性が確保できないという課題があった。
【0022】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、揚げ物モードで選択されている設定温度の具体的な数値および全設定温度数の中での高低レベルの位置づけを表示しつつ、数字表示する要素とレベル表示する要素を含む第1の表示手段6の表示要素段数を削減し、さらに入力手段5近傍に位置する第1の表示手段6と、鍋2近傍に位置し設定温度のレベルのみ表示する第2の表示手段7との表示内容の整合性を確保することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、制御手段が、動作モードとして、設定時間だけ加熱手段を通電するタイマー加熱モードと、温度センサより入力する信号と設定温度との関係に基づき前記加熱手段への通電量を制御する温調モードを有して、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度の高低をレベル表示するとともに、前記第1の表示手段の数字表示する要素にて、動作モードが前記タイマー加熱モードのときは前記設定時間を数字表示し、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度を数字表示するようにしたものである。
【0024】
これにより、温調モードのときに設定温度の高低をレベル表示しかつ前記レベル表示が具体的に何℃設定なのかを数字表示し、設定温度の選択範囲を表示する要素を削除して第1の表示手段の上下方向の表示要素段数を1段減少させて、表示範囲全体の高さが同一の場合は表示要素1段当たりの高さを高くして視認性を向上する、または各表示要素の高さが同一の場合は表示範囲全体の高さを低く抑えて安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度センサと、数字表示する要素とレベル表示する要素を備える第1の表示手段と、前記加熱手段を通電制御し、かつ前記第1の表示手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、動作モードとして、設定時間だけ前記加熱手段を通電するタイマー加熱モードと前記温度センサより入力する信号と設定温度との関係に基づき前記加熱手段への通電量を制御する温調モードを有し、前記第1の表示手段のレベル表示する要素を動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度の高低をレベル表示するとともに、前記第1の表示手段の数字表示する要素を動作モードが前記タイマー加熱モードのときは前記設定時間を数字表示し、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度を数字表示するようにし、制御手段が、温調モードでは、第1の表示手段にて、レベル表示する要素で設定温度の高低をレベル表示しつつ、タイマー加熱モードのときに時間表示を行う数字表示する要素で設定温度を数字表示するように制御するので、レベル表示で設定温度の高低を視覚的に表現し、かつ前記レベル表示が具体的に何℃設定なのかを数字表示して機器を使用する者に認知させるとともに、第1の表示手段の上下方向の表示要素段数を1段(設定温度の選択範囲を表示する要素の分)だけ減少し、表示要素1段あたりの高さを大きくして視認性を向上する、または表示範囲全体の高さを低く抑えた安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0026】
請求項2に記載の発明は、特に、制御手段は、動作モードがタイマー加熱モードのときは、加熱出力が設定火力になるよう加熱手段を通電制御するとともに、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、前記設定火力の強弱をレベル表示する構成として、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、温調モードでは設定温度の高低を視覚的に表現し、かつ機器が設定火力にて加熱するモードにおいては設定火力の強弱を視覚的に表現することができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項2に記載の第1の表示手段に設定火力の選択範囲を表示する要素を設けて、制御手段が、動作モードがタイマー加熱モードのときは前記設定火力の選択範囲を表示する要素を表示しかつ選択されている設定火力の強弱をレベル表示する構成として、機器が所定の火力にて加熱するモードにおいて、第1の表示手段で行うレベル表示が全体の設定数のうちどの段階にあるかを第1の表示手段にて機器を使用する者に知らせることができる。
【0028】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項3に記載の第1の表示手段にて、レベル表示する要素を基準とし、数字表示する要素と設定火力の選択範囲を表示する要素とを対向する位置に配置して、レベル表示する要素に対して等間隔の至近距離となるよう設定温度を数字表示する要素および設定火力の選択範囲を表示する要素を配置できる。そして、第1の表示手段にて、温調モードのときは、設定温度の高低を表現するレベル表示に近い位置で設定温度の数字表示を行い、タイマー加熱モードのときは、設定火力の強弱を表現するレベル表示に近い位置で設定火力の選択範囲を表示して、機器を使用する者が、レベル表示の具体的な設定温度または設定火力がどの段階にあるかを認知し易くすることができる。
【0029】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1〜4に記載の制御手段は、第1の表示手段のレベル表示の一部または全部を点滅して、鍋を調理に適した状態になるまで加熱する予熱期間である旨の表示を行う構成として、第1の表示手段に予熱期間を表示する要素を新たに追加することなく、第1の表示手段によって設定温度の高低または設定火力の強弱を表現しかつ表示要素の段数削減による視認性向上やコスト削減を行いつつ、予熱期間である旨の表示を行うことができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項5に記載の制御手段は、第1の表示手段のレベル表示の一部または全部を点滅して、鍋が加熱に不適切である旨の表示を行うとともに、前記予熱期間である旨の表示と前記鍋が加熱に不適切である旨の表示とで点滅する要素を変更する構成として、第1の表示手段に鍋が加熱に不適切である旨を表示する要素を新たに追加することなく、第1の表示手段によって設定温度の高低または設定火力の強弱を表現しかつ表示要素の段数削減による視認性向上やコスト削減を行いつつ、予熱期間である旨の表示と鍋が加熱に不適切である旨の表示を区別して行うことができる。
【0031】
請求項7に記載の発明は、特に、請求項1〜6に記載のものに、動作モード、設定時間、設定温度を変更する入力手段と、レベル表示する要素のみ備えた第2の表示手段を備えて、第1の表示手段と前記第2の表示手段の何れか一方を前記入力手段近傍に配置し、かつ他方を鍋の設置箇所近傍に配置するとともに、制御手段は、前記第1の表示手段のレベル表示する要素での表示内容を、前記第2の表示手段にて同様に表示する構成として、機器を使用する者が、入力手段を操作するとき、および鍋に触れながら調理を行うときの双方にて、視線を大きくずらすことなく機器の動作状態を確認することができる。
【0032】
また、第1の表示手段と第2の表示手段をそれぞれ別々の構成手段にて駆動するように制御手段を構成した場合、各々の構成手段の間で正常に情報伝達が行われているかを第1の表示手段の表示内容と第2の表示手段の表示内容を見比べて確認することができる。
【0033】
さらに、設定温度の高低または設定火力の強弱を表現し、表示要素の段数削減による視認性向上やコスト削減を行いつつ、制御手段が、温調モードでは、第1の表示手段および第2の表示手段ともに前記設定温度の高低に対応したレベル表示を行うよう制御するので、時間表示する要素とレベル表示する要素を含む詳細情報を表示する第1の表示手段による表示と、レベル表示する要素のみの簡素な情報を表示する第2の表示手段による表示との整合性を確保することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における加熱調理器のブロック図を示したものであり、図8の従来例と同一の機能を有するものには同一の符号を付与している。図1に示す構成で図8の構成と異なる点は、まず、加熱制御部9の通電制御手段90、および操作部10のモード制御手段100において、加熱モードおよびタイマー加熱モードのときの設定火力数を、選択範囲は120W(「弱」)〜2000W(「強」)のままにて、7段階から8段階に増加する。
【0036】
また、第1の表示手段6の表示要素から、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し、設定火力または設定温度をレベル表示する要素、およびタイマー選択モードまたはタイマー加熱モードにて時間表示する要素を大きくしたものを新たに第1の表示手段11とする。そして、操作部10のモード制御手段100が、揚げ物モードのときは、第1の表示手段11にて、タイマー選択モードまたはタイマー加熱モードのときに時間表示する要素で選択されている設定温度を数字表示するとともに、前記選択されている設定温度の高低に対応したレベル表示を行うようにした点にある。
【0037】
また、図2は、本発明の実施例1における加熱調理器の外観図である。なお、図2に示す機器は、システムキッチン組込み型であり、鍋2を誘導加熱する誘導加熱部を左右に2口(右誘導加熱部13、左誘導加熱部14)、鍋2をヒータ加熱するヒータ加熱部15を中央に1口、ヒータ加熱し魚などを加熱調理するロースタ部16を1口それぞれ備えている。そして、図2に示すように、入力手段5および第1の表示手段11を備えた操作表示パネル12を、機器を使用する者に対向する側面に配置する。
【0038】
さらに、第2の表示手段7を、右誘導加熱部13の設定火力または設定温度を表示する第2の表示手段右部70と、左誘導加熱部14の設定火力または設定温度を表示する第2の表示手段左部71とで構成し、第2の表示手段右部70を右誘導加熱部13近傍に、第2の表示手段左部71を左誘導加熱部14近傍に配置している。
【0039】
また、図3は、本発明の実施例1における操作表示パネル12の詳細図である。図3に示すように、入力手段5および第1の表示手段11は、右誘導加熱部13、左誘導加熱部14、ヒータ加熱部15、ロースタ部16をそれぞれ設定変更または状態表示できるよう構成されており、入力手段5の上側に第1の表示手段11が配置されている。
【0040】
また、第1の表示手段11は、右誘導加熱部13の状態を表示する第1の表示手段右部110、ヒータ加熱部15およびロースタ部16の状態を表示する第1の表示手段中央部111、左誘導加熱部14の状態を表示する第1の表示手段左部112より構成されている。
【0041】
以上の構成により、機器を使用する者が、入力手段5を操作して機器の動作状態を変更するときは第1の表示手段11を見て変更後の機器の動作状態を視線を大きくずらすことなく容易に確認することができ、鍋2に触れながら調理を行うときは第2の表示手段7を見て機器の動作状態を視線を大きくずらすことなく容易に確認することができる。
【0042】
また、操作部10の所有する情報である、モード制御手段100の動作モード、設定時間、設定火力または設定温度に関する情報や、加熱制御部8から受信した加熱手段3や温度センサ4で発生した異常情報を第1の表示手段11に表示し、加熱制御部9で所有する情報である、操作部10から受信した動作モード、設定火力または設定温度に関する情報や、加熱手段3や温度センサ4で発生した異常情報を第2の表示手段7に表示するので、動作モード、設定火力または設定温度が操作部10から加熱制御部9へ正しく伝達されていること、および加熱手段3や温度センサ4で発生した異常が加熱制御部9から操作部10へ正しく伝達されていることを、第1の表示手段11および第2の表示手段7の表示内容を見比べて確認することができる。
【0043】
さて、以上のように構成された加熱調理器の表示動作について、図4〜図5を用いて説明する。
【0044】
図4は、第1の表示手段右部110の全表示要素を示す図である。図4に示すように、本発明の第1の表示手段右部110は、図9で示した従来構成の第1の表示手段6の表示要素に対して、表示範囲全体の大きさはそのまま維持しつつ、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し、設定火力または設定温度をレベル表示する要素の上下方向高さを大きくするとともに左から右へ傾斜を持たせて火力の強弱または温度の高低を更に鮮明に表現し、設定時間または設定温度を数字表示する要素を全体的に大きくし見易くしている。
【0045】
以上の構成により、第1の表示手段11において上下方向の表示要素段数を削減し、表示範囲全体の高さが同一の場合は表示要素1段当たりの高さを高くして視認性を向上することができる。
【0046】
図5は、第1の表示手段右部110および第2の表示手段右部70の表示動作を示す図であり、図5の(a)はタイマー加熱モードのときの表示、(b)は揚げ物モードのときの表示、(c)はタイマー加熱モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示、(d)は揚げ物モードで鍋2が加熱に不適切であるときの表示を示す図である。
【0047】
まず、タイマー加熱モードでは、例えば、残時間3時間45分、設定火力=「強」の場合、図5(a)に示すように、入力手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDにて、タイマー残時間を時1桁と分2桁にて「3:45」と表示し、かつ数字表示がタイマー残時間である旨を示すために「3:45」の近傍に「残り」と表示し、設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」設定まで8段階)を示す表示を行うとともに現在選択されている設定火力「強」までをレベル表示している。また、鍋2近傍にある第2の表示手段右部70のLEDでは、選択されている設定火力「強」までをレベル表示している。
【0048】
以上の構成により、タイマー加熱モードにおいて、レベル表示する要素にて選択されている設定火力の強弱を表現しつつ、レベル表示する内容が具体的にどの設定火力で動作しているかを機器を使用する者に容易に認知させることができ、かつ第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性を確保することができる。
【0049】
次に、揚げ物モードでは、例えば、設定温度=「180」℃の場合、図5(b)に示すように、入力手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDにて、揚げ物モードである旨を示すために「揚げ物」と表示し、図5(a)で示した、タイマー加熱モードでタイマー残時間を数字表示していた要素にて、現在選択されている設定温度「180」を数字表示するとともに、最小の設定温度「140」から現在選択されている設定温度「180」まで5つだけレベル表示し、さらに予熱中であるときは設定温度のレベル表示において、一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0050】
また、鍋2近傍にある第2の表示手段7のLEDでは、最小の設定温度「140」から選択されている設定温度「180」まで5つだけレベル表示を行い、さらに予熱中であるときは前記レベル表示の一番右の部分のみ1.0秒毎に点滅させ、その他を点灯させている。
【0051】
以上の構成により、揚げ物モードにおいて、レベル表示する要素にて選択されている設定温度の高低を表現しつつ、第1の表示手段右部110に設定温度の選択範囲に関する要素が存在しなくても、レベル表示する内容が具体的にどの設定温度で動作しているかを機器を使用する者に容易に認知させることができ、かつ第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性を確保することができる。
【0052】
また、予熱期間を示す表示のみ行う要素を新たに追加することなく、第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性や、表示要素の段数削減による視認性向上を行いつつ、予熱中である旨の表示を行うことができる。
【0053】
次に、タイマー加熱モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図5(c)に示すように、図5(a)で示したタイマー加熱モードのときの表示に対し、入手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDの設定火力に応じたレベル表示、および鍋2近傍にある第2の表示手段右部70のLEDの設定火力に応じたレベル表示を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0054】
次に、揚げ物モードにて鍋2が加熱に不適切であるときは、図5(d)に示すように、図5(b)で示した揚げ物モードのときの表示に対し、入力手段5近傍にある第1の表示手段右部110のLCDの設定温度に応じたレベル表示、および鍋2近傍にある第2の表示手段右部70のLEDの設定温度に応じたレベル表示を0.5秒毎に点滅表示させる。
【0055】
以上の構成により、鍋2が加熱に不適切である旨を表示する要素を新たに追加することなく、第1の表示手段右部110と第2の表示手段右部70との表示内容の整合性や、表示要素の段数削減による視認性向上を行いつつ、鍋2が加熱に不適切である旨の表示を前記予熱中である旨の表示とは区別して行うことができる。
【0056】
なお、図5(c)および(d)に示す鍋2が加熱に不適切であるときの点滅周期(0.5秒毎)を、図5(b)に示す揚げ物モードで予熱中のときの点滅周期(1.0秒毎)よりも短く設定している。これは、鍋2が加熱に不適切であるので加熱を停止する、または鍋2を別のものに取り替える等の処置を機器を使用する者に喚起するためである。
【0057】
また、第1の表示手段右部110にて、設定火力または設定温度をレベル表示する要素を基準として、設定火力の選択範囲(「弱」〜「強」まで8段階)を表示する要素を下側に、タイマー残時間または設定温度を数字表示する要素を上側と、互いに対向する位置に近接して配置している。
【0058】
以上の構成により、揚げ物モードのときは、設定温度の高低を表現するレベル表示のすぐ上の位置で現在選択されている設定温度を具体的に数字表示し、タイマー加熱モードのときは、設定火力の強弱を表現するレベル表示のすぐ下の位置で設定火力の選択範囲を表示して、機器を使用する者が、レベル表示の具体的な設定温度または設定火力がどの段階にあるかを認知し易くすることができる。
【0059】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2における加熱調理器のブロック図を示したものであり、図8の従来例と同一の機能を有するものには同一の符号を付与している。図6に示す構成で図8の構成と異なる点は、第1の表示手段6の表示要素から、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し表示範囲全体の高さを低くしたものを新たに第1の表示手段17としたことである。
【0060】
以上のように構成された加熱調理器について、図7を用いてその動作を説明する。図7は、第1の表示手段17の全表示要素を示す図である。図7に示すように、本発明の第1の表示手段17は、図9で示した従来構成の第1の表示手段6の表示要素に対して、設定温度の選択範囲(140℃〜200℃まで7段階)を表示する要素を削減し、表示範囲全体の高さを低く抑えている。
【0061】
そして、実施例2における、タイマー加熱モード、揚げ物モード、タイマー加熱モードにて鍋2が加熱に不適切、揚げ物モードにて鍋2が加熱に不適切のときの表示は、設定火力数の差(実施例1は8段階)に起因する表示を除いて、図5で示した実施例1での表示と同様の要領にて行うものとする。
【0062】
以上の構成により、第1の表示手段11において上下方向の表示要素段数を削減し、各表示要素の高さをそのままにして、表示範囲全体の高さを低く抑えた安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0063】
なお、従来例および実施例1、2にて、詳細情報を表示する第1の表示手段6、11、または17を入力手段5近傍に、レベル表示のみといった簡易な情報を表示する第2の表示手段7を鍋2近傍に配置しているが、第1の表示手段6、11、または17を鍋2近傍に配置し、第2の表示手段7を入力手段5近傍に配置した構成としても同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、第1の表示手段6、11、または17をバックライト付きLCDで、第2の表示手段7をLEDにて構成しているが、表示素子の種類に依らず同様の効果を得ることができる。
【0065】
また、制御手段8を加熱制御部9と操作部10で構成し、加熱制御部9と操作部10との間で変調手段および復調手段を介してシリアル通信を行い情報伝達する構成としているが、単一の構成手段にて実現することもできる。
【0066】
また、制御手段8を構成する手段の一部または全部を、単一または複数のマイクロコンピュータで行うとしても同様の効果を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜7に記載の発明によれば、揚げ物モードで選択されている設定温度の具体的な数値および全設定温度数の中での高低レベルの位置づけを機器を使用する者に認知させつつ、表示要素1段当たりの高さを高くして視認性を向上する、または安価な部品にて第1の表示手段を構成することができる。
【0068】
さらに、請求項7に記載の発明によれば、詳細情報を表示する第1の表示手段による表示と、簡易な情報を表示する第2の表示手段による表示との整合性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における加熱調理器のブロック図
【図2】同、加熱調理器の外観図
【図3】同、操作表示パネルの詳細図
【図4】同、第1の表示手段右部の全表示要素を示す図
【図5】(a)同、タイマー加熱モードのときの表示動作を示す図
(b)同、揚げ物モードのときの表示動作を示す図
(c)同、タイマー加熱モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作を示す図
(d)同、揚げ物モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作を示す図
【図6】本発明の実施例2における加熱調理器のブロック図
【図7】同、第1の表示手段の全表示要素を示す図
【図8】従来の加熱調理器のブロック図
【図9】同、第1の表示手段の全表示要素を示す図
【図10】(a)同、タイマー加熱モードのときの表示動作の第1例を示す図
(b)同、揚げ物モードのときの表示動作の第1例を示す図
(c)同、タイマー加熱モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作の第1例を示す図
(d)同、揚げ物モードで鍋が加熱に不適切であるときの表示動作の第1例を示す図
【図11】同、揚げ物モードのときの表示動作の第2例を示す図
【符号の説明】
2 鍋
3 加熱手段
4 温度センサ
5 入力手段
7 第2の表示手段
8 制御手段
11、17 第1の表示手段
Claims (7)
- 鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度センサと、数字表示する要素とレベル表示する要素を備える第1の表示手段と、前記加熱手段を通電制御し、かつ前記第1の表示手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、動作モードとして、設定時間だけ前記加熱手段を通電するタイマー加熱モードと前記温度センサより入力する信号と設定温度との関係に基づき前記加熱手段への通電量を制御する温調モードを有し、前記第1の表示手段のレベル表示する要素を動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度の高低をレベル表示するとともに、前記第1の表示手段の数字表示する要素を動作モードが前記タイマー加熱モードのときは前記設定時間を数字表示し、動作モードが前記温調モードのときは前記設定温度を数字表示するようにした加熱調理器。
- 制御手段は、動作モードがタイマー加熱モードのときは、加熱出力が設定火力になるよう加熱手段を通電制御するとともに、第1の表示手段のレベル表示する要素にて、前記設定火力の強弱をレベル表示する構成とした請求項1に記載の加熱調理器。
- 第1の表示手段に設定火力の選択範囲を表示する要素を設け、制御手段が、動作モードがタイマー加熱モードのときは前記設定火力の選択範囲を表示する要素を表示しかつ選択されている設定火力の強弱をレベル表示する構成とした請求項2に記載の加熱調理器。
- 第1の表示手段は、レベル表示する要素を基準としたとき、数字表示する要素と設定火力の選択範囲を表示する要素とを対向する位置に配置したことを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、第1の表示手段のレベル表示の一部または全部を点滅させて鍋の温度が調理に適した状態になるまで予熱期間である旨の表示を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
- 制御手段は、第1の表示手段のレベル表示の一部または全部を点滅させて鍋の温度が加熱に不適切である旨の表示を行うとともに、前記予熱期間である旨の表示と前記鍋が加熱に不適切である旨の表示とで点滅する要素を異なる構成とした請求項5に記載の加熱調理器。
- 動作モード、設定時間、設定温度を変更する入力手段と、レベル表示する要素のみを備えた第2の表示手段を有し、第1の表示手段と前記第2の表示手段の何れか一方を前記入力手段近傍に配置し、かつ他方を鍋の設置箇所近傍に配置するとともに、制御手段は、前記第1の表示手段のレベル表示する要素での表示内容を、前記第2の表示手段にて同様に表示する構成とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268556A JP2004111086A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268556A JP2004111086A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 加熱調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004111086A true JP2004111086A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32266745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002268556A Pending JP2004111086A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004111086A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002530A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Panasonic Corp | 加熱調理器 |
JP2009134919A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Panasonic Corp | 多口加熱調理器 |
JP2010063282A (ja) * | 2008-09-04 | 2010-03-18 | Toshiba Schneider Inverter Corp | インバータ装置及び延長パネル装置 |
US8598498B2 (en) | 2008-04-04 | 2013-12-03 | Lg Electronics Inc. | Processing controller for driving the heat sources of a cooker |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268556A patent/JP2004111086A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002530A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Panasonic Corp | 加熱調理器 |
JP2009134919A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Panasonic Corp | 多口加熱調理器 |
US8598498B2 (en) | 2008-04-04 | 2013-12-03 | Lg Electronics Inc. | Processing controller for driving the heat sources of a cooker |
JP2010063282A (ja) * | 2008-09-04 | 2010-03-18 | Toshiba Schneider Inverter Corp | インバータ装置及び延長パネル装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101690393A (zh) | 感应加热烹调器 | |
JP3703772B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP3963225B2 (ja) | 加熱調理器 | |
EP3698605B1 (en) | Induction heating cooker and method of controlling display thereof | |
JP2004111086A (ja) | 加熱調理器 | |
JP3780483B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2013161730A (ja) | 電磁誘導加熱調理器 | |
JP5003435B2 (ja) | 多口加熱調理器 | |
JP4315030B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2005158329A (ja) | 多口加熱調理器 | |
KR20130143295A (ko) | 조리용기 온도지시 방법 및 그 방법에 의한 장치 | |
JP2006120552A (ja) | 加熱調理器 | |
JP2007018786A (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2005302545A (ja) | 加熱調理器 | |
JP2003217813A (ja) | 電磁調理器 | |
JP3054842B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JPH09219284A (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP3293210B2 (ja) | 誘導加熱調理器 | |
JP2002028077A (ja) | 家電機器の通電制御方法及びシステム | |
JP5655681B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2003223976A (ja) | 加熱調理器 | |
JP5899404B2 (ja) | 誘導加熱調理機器 | |
JP2013257140A (ja) | 加熱調理器 | |
JP4271058B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2001357967A (ja) | 誘導加熱調理器 |