JP2004109743A - 中間転写体 - Google Patents

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JP2004109743A
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Masafumi Kadonaga
門永 雅史
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Abstract

【課題】本発明の課題は、中間転写体上の飛散トナーを効果的に除去し、特に中間転写ベルトとローラとの接触位置における飛散トナーを除去し、機内汚れや紙汚れ、さらには他の部材へのトナー汚れを防止することである。
【解決手段】感光体9上に形成したトナー像が転写される中間転写ベルト19と、中間転写ベルト19を保持するローラ20cとを備えた中間転写体であって、中間転写ベルト19がローラ20cに接触する位置におけるベルトの表面近傍にはトナーの飛散を抑制するトナー飛散防止部材45、47を設けるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは中間転写体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーの画像形成装置としては、像担持体上に形成したトナー像を中間転写媒体に一次転写した後に、最終的な転写媒体を搬送するための搬送ベルトと中間転写媒体とが圧接する二次転写ニップ部において、中間転写体から転写紙に二次転写して画像を形成する構成のものが一般的に知られている。上記の構成の場合には中間転写媒体上にトナー像を重ねるため、中間転写ベルト上からトナーが飛散するという問題があった。特に、中間転写ベルトとローラとの接触位置で発生する飛散トナーにより装置内に飛散トナーが漂うことになり、機内汚れや紙汚れ、さらには他の部材への汚れの原因となっていた。
【0003】
飛散トナーを防止する方法としては、例えば回転移動する表面にトナー像が形成される像担持体表面に接触可能なヤング率が30000kg/cm以上で表面抵抗率が1010〜1014Ω/□の表面層Baと、表面層の裏面側に形成された弾性層を有し、一次転写されたトナー像を転写材に二次転写している(特許文献1参照)。
【0004】
また、トナーなどの被担持物を担持させるための転移工程時に中間転写ベルトを一定速度で駆動する工程を有し、前記工程以外のときに、中間転写ベルトをフロート状態、すなわち帯電電位を維持することによって転写材と中間転写ベルトの静電的付着力を維持させている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特願平10−175098号公報
【特許文献2】
特願平4−100771号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1及び2に記載された従来技術は、いずれも中間転写ベルト上で画像部から非画像部へトナーが飛散し、画像劣化となるもので、いわゆるトナーチリに対する対策である。従って、転写ベルトとローラとの接触位置で発生する飛散トナーとは発生原因や発生場所が異なり、上述した従来技術を用いても、機内汚れや紙汚れ、さらには他の部材への汚れは解決されなかった。
【0007】
本発明は、中間転写体上の飛散トナーを効果的に除去し、特に中間転写ベルトとローラとの接触位置における飛散トナーを除去し、機内汚れや紙汚れ、さらには他の部材へのトナー汚れを防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、潜像担持体上に形成したトナー像が転写される中間転写ベルトと、中間転写ベルトを保持するローラとを備えた中間転写体であって、
中間転写ベルトがローラに接触する位置におけるベルトの表面近傍にはトナーの飛散を抑制するトナー飛散防止部材を設けたことを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明では、潜像担持体上に形成されたトナー像は、潜像担持体上から中間転写ベルト上に転写され、さらに中間転写ベルト上から、転写材に転写される。中間転写ベルト上ではトナー層が中間転写ベルト上を移動する。中間転写ベルトとローラとの接触位置では、ベルトの表面から離れる方向に働く電界が形成される。トナー層が接触位置に来たとき、この電界の力を受けて、トナー層の一部が剥がれて飛散トナーとなって装置内に放出される。
【0010】
本発明では、中間転写ベルトがローラに接触する位置であり且つベルトの表面近傍にはトナーの飛散を抑制するトナー飛散防止部材を設けたので、ローラの周辺でのトナーの飛散を抑えることができ、機内汚れや紙汚れ、さらには他の部材へのトナー汚れを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、トナー飛散防止部材は電極を備えており、電極に印加する電圧はトナー飛散防止部材と中間転写ベルトとの間の最短距離、トナー層の表面電位、トナー層厚及びトナー帯電量に応じて制御されることを特徴とする。
【0012】
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、トナー飛散防止部材に印加する電圧は中間転写ベルトまでの最短距離hや、ベルト上のトナーの帯電量等に応じて制御できるので、種々の条件に応じて最適な電圧を印加してトナーの飛散を効果的に抑えることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、トナー飛散防止部材と中間転写ベルトとの間の最短距離hは500μm以下であり、電極に印加する電圧をVc、トナー層のローラ上での表面電位をVtとしたとき、VcとVtは同極であり且つ│Vc│≧│Vt│が成り立つことを特徴とする。
【0014】
この請求項3に記載の発明では、請求項1または2記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、トナー飛散量は転写ベルト上に付着したトナーの帯電量等によって変動する。ここで、電極に印加する電圧をトナー層がローラ上に来た時の表面電位よりも絶対値で大きな値とすることで、トナーに働く電界強度を弱めることができ、中間転写ベルト上からトナー層が剥がれてトナー飛散が発生することを防止できる。
【0015】
また、最短距離hを500μm以下とするのは、h=500μm以上では、電極電位の値がどの値であっても電界強度は5×10V/mで一定となり、飛散防止部材の効果が小さいからである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明において、中間転写ベルトがローラに接触する位置であって且つ中間転写ベルトに対向した位置には中間転写ベルト上の表面電位を測定する電位測定手段が設けられ、この測定手段の測定結果にもとづいて、トナー飛散防止部材に印加する電圧を制御することを特徴とする。
【0017】
この請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、中間転写ベルト上の表面電位を測定する測定手段を備えたので、表面電位の正確な値を得ることでベルト上のトナー帯電量が変動しても、常に必要な電圧が印加でき、確実にトナー飛散を抑えることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明において、中間転写ベルトを保持するローラは互いに隣り合う第1ローラと第2ローラとを備え、中間転写ベルトと第1ローラとの接点を第1接点、中間転写ベルトと第2ローラとの接点を第2接点、両接点間にあるベルト上の任意の点を基準点とし、基準点での表面電位を測定する基準点測定手段を備え、第1接点と基準点との距離をm、両接点間の距離をL、第1接点の電位をVa、第2接点の電位をVb、基準点にトナー層が来たときのトナー層表面電位をVfとしたとき、飛散防止部材に印加する電圧をVcとしたとき、下記式(1)が成り立つことを特徴とする請求項1乃至3記載の中間転写体。
【0019】
【数2】
Vc=α×{Vf−[(Vb−Va)×m/L]}・・・・(1)
α≧3
この請求項5に記載の発明では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、トナー層が形成されていない非画像部が最初にベルトとローラとの接触位置に来た場合、この非画像部の表面電位を測定手段が検知して電圧を印加するが、非画像部の表面電位は低いためにトナー飛散防止部材に印加する電圧は低くなる。このため、トナー層が形成されている画像部が接触位置まで来た場合、画像部におけるトナー層の電界強度を弱めることができなかった。
【0020】
本発明では、測定手段を第1ローラとの第2ローラとの間に設けたので、予め画像部のトナー層の表面電位を測定することができ、最初の画像部が接触位置に来た場合でも飛散防止に充分な電位を設定することができる。
【0021】
また、α≧3とすることで、実験の結果トナーの飛散がほとんど発生しなかった。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明において、トナー飛散防止部材は中間転写ベルトの幅よりも長く且つ中間転写ベルトの幅からはみ出して設けていることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、トナー飛散防止部材を中間転写ベルトの幅よりも長く且はみ出して設けているので、中間転写ベルトの表面に対して一様に電位を高めることができ、トナー飛散をさらに防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したカラー複写装置について説明する。図9は本実施形態に係るカラー複写装置の感光体及び中間転写ベルト回りの拡大図、図10はカラー複写装置全体の概略構成図である。カラー画像読み取り装置(以下、「カラースキャナ」という。)1は、原稿3の画像を照明ランプ4で照射し、その反射光をミラー5等のミラー群及びレンズ6を介してカラーセンサ7に結像する。カラーセンサ7に結像した原稿3のカラー画像情報は、例えばブルー(以下「B」という。)、グリーン(以下「G」という。)、レッド(以下「R」という。)の色分解光毎に読み取られ、電気的な画像信号に変換される。本実施形態では、カラーセンサ7はB、G、Rの色分解手段とCCDのような光電変換素子で構成されており、3色同時読み取りを行っている。
【0025】
このようにしてカラースキャナ1で得られたB、G、Rの色分解画像信号の強度レベルを基にして、画像処理部(図示なし)で色変換処理を行い、ブラック(以下「Bk」という。)、シアン(以下「C」という。)、マゼンタ(以下「M」という。)、イエロー(以下「Y」という。)のカラー画像データを得る。
【0026】
読み取られたカラー画像データを、カラー複写装置(以下、「カラープリンタ」という。)において、Bk、C、M、Yの各色にて顕像化を行い、これらの顕像化されたトナー像を重ね合わせて4色フルカラー画像を得る。カラープリンタ2の書き込み光学ユニットは、カラースキャナからのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行い、像担持体としてのドラム状の感光体9に静電潜像を形成する。
【0027】
上記書き込み光学ユニット8は、レーザ光源、発光駆動装置(図示なし)、ポリゴンミラー及びその回転駆動用モータ、f−θレンズ、反射ミラー等で構成されている。感光体9は、矢印の如く反時計方向に回転し、その回りには、感光体クリーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電器12、電位センサ13、Bk現像器14、C現像器15、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検出用の光学センサ18、中間転写体としての中間転写ベルト19などが配置されている。感光体9にトナー像を形成するトナー像形成手段は、上記光学ユニット8、帯電器12、各現像器14〜17などにより構成されている。
【0028】
各現像器は、静電潜像を現像するために所定極性に帯電されるトナーとキャリアとを含む現像剤の穂を感光体9の表面に接触させて回転する現像スリーブ14a、15a、16a、17aと、現像剤を汲み上げ及び撹拌するために回転する現像パドル14b、15b、16b、17b、及び現像剤のトナー濃度センサ14c、15c、16c、17cなどで構成されている。なお、本実施形態では負極性に帯電されるトナーを用いている。カラー複写装置の待機状態では、上記4個の現像器の全てについて、現像スリーブ14a〜17a上の現像剤が穂切り(現像不作動)状態になっている。
【0029】
以下、現像動作の順序(カラー画像形成順序)が、Bk、C、M、Yの例でコピー動作の概略を説明する。ただし、画像形成順序はこれに限定されるものではない。コピー動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBk画像データの読み取りが開始される。同時に、図示しない感光体の駆動機構により、感光体9は反時計回りの向きに回転駆動されるとともに、感光体9は帯電器12により負極性に一様帯電される。
【0030】
そして、カラースキャナ1で読み取られたBk画像データに基づき、光学ユニット8からのレーザ光による光書き込みが行われ、一様帯電された感光体9の表面電位を上記Bk画像データに応じて部分的に低下させ、これにより、感光体9上に静電潜像が形成される。以下、Bk画像データによる静電潜像を「Bk潜像」という。また、C、M、Yの各画像データに基づいて形成された各静電潜像もこれに準じて、それぞれ「C潜像」、「M潜像」、「Y潜像」ということにする。
【0031】
上記Bk潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブ14aを回転開始して現像剤の穂立てを行い、Bk潜像を負極性に帯電されたBkトナーで現像する。以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかにBk現像スリーブ14a上の現像剤の穂切りを行い、現像不作動状態にする。これは、少なくとも、次のC画像データによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、穂切りは現像スリーブ14aの回転方向を現像動作中とは逆方向に切り換えることで行う。
【0032】
感光体9に形成したBkトナー像は、感光体と等速駆動されている中間転写ベルト19の表面に転写する(以下、感光体から中間転写ベルトへのトナー像転写を「ベルト転写」という)。このベルト転写は、感光体9と中間転写ベルト19の接触状態において後述の転写バイアスローラ20aに所定のバイアス電圧を印加することで行う。
【0033】
感光体9には、順次、Bk,C,M,Yのトナー像が形成され、形成された順に中間転写ベルト19の同一の転写面に順次位置合わせして4色重ねのベルト転写画像形成される。こうして、フルカラーのトナー画像が形成された後、該フルカラーのトナー画像は転写材としての転写紙24に一括転写される。この中間転写ベルト19から転写紙24への転写を「紙転写」という。
【0034】
ところで、感光体9では、Bk工程の次にC工程に進むが、所定のタイミングからカラースキャナ1によるC画像データ読み取りが始まり、その画像データによるレーザ光書き込みで、C潜像形成を行う。C現像器15はその現像位置に対して、先のBk潜像後端部が通過した後で、かつC潜像の先端が到達する前に現像スリーブ15aを回転開始して、C潜像をCトナーで現像する。
【0035】
以後、C潜像領域の現像を続けるが、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様にC現像スリーブ15a上の現像剤の穂切りを行い、現像不作動状態にする。これもやはり次のM潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、M及びYの各工程についても、それぞれの画像データ読み取り、潜像形成及び現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
中間転写ベルト19は、駆動ローラ21、転写バイアスローラ20a、入口ローラ20b、及び従動ローラ群に掛け回されている。また、中間転写ベルト19は、転写バイアスローラ20aと入口ローラ20bとの間で感光体9に圧接されており、この圧接部において適度のニップ圧力が加えられるように両ローラ20a,20bを配置している。駆動ローラ21には、図示していない駆動モータが連結されており、この駆動モータを介して中間転写ベルト19が回転駆動制御される。
【0037】
また、上記転写バイアスローラ20a、入口ローラ20b、転写バイアスローラ20aに所定の転写バイアス電圧(本実施形態では正極性の電圧)を印加するための転写バイアス電源40などにより、中間転写ベルト19に感光体9上のトナー像を順次重ね合わせて転写するための中間転写手段が構成されている。
【0038】
次に、本発明の特徴である中間転写体について説明する。中間転写ベルト19周辺では、多数の画像を形成した後に、図2に示すように、ハッチング部分50、51に多数のトナーが付着する現象が起こる。この付着したトナーは、作像順番で3色目以降のトナーが多く付着しており、例えばBYCMの順番であれば、CおよびMのトナーが多く付着し、特にMトナーの付着が多い。
【0039】
特に、中間転写ベルト19とローラ20cとが最初に接触する部分(B)で飛散トナーが発生する。同様に中間転写ベルト19とローラ20cとが剥離する部分(C)でもトナー飛散が発生する。またトナー飛散は、通常の画像ではほとんど発生せず、万線処理を行った際にトナー付着量が多くなると発生することが判明した。万線で3色以上の重ね転写を行った場合であって、特にベルト上のトナーの付着量が1mg/cm以上で顕著に発生した。
【0040】
図3は中間転写ベルト19とローラ20cとが接触する部分周辺における電界シミュレーションの結果である。このシミュレーションは、トナー層の高さが30μm、q/m=−20μC/g、万線(200線)処理時、ベルト抵抗1012Ω・cmとしたときの計算結果である。尚、ローラは接地状態、計算領域の左端のベルト電位を60V、ベルト速度200mm/sで左から右へ移動すると仮定して、電界計算を行っている。図中示す略半円状の複数のラインは電気力線を示しており、トナーはこの電気力線の方向に力を受ける。図のように中間転写ベルト19とローラ20cとが接触する部分近傍で局所的なエッジ電界が形成され、トナーは上方に力を受けて移動し、慣性力によって飛翔すると考えられる。
【0041】
図4は、中間転写ベルト19の抵抗値を変えた場合におけるトナー層上部の電界強度とトナー飛散量の関係を示したグラフである。図中、横軸はベルト抵抗、縦軸は電界強度(黒丸で示す)及びトナー飛散量(三角で示す)である。尚、トナー飛散量は400枚通紙したときの総量である。図に示すように、ベルト抵抗が高くなるほど、トナー層上部に働く電界強度が大きくなり、トナー飛散が起こりやすいことがわかる。また、ベルト抵抗が1011Ωcm以下では飛散が全く発生しないことが分かる。しかし、ベルト抵抗を低くすると、感光体からベルトへの転写時に画像劣化が発生することが知られており、1012Ωcm以下の抵抗を用いるのは好ましくない。従って、ベルト抵抗は低くせずにトナー層上部の電界強度(絶対値)を2.5×10V/m以下に制御することがトナー飛散防止に効果的であることが分かった。
【0042】
この電極に印加する電圧の大きさと接触位置から電極までの高さhを特定するため、図5に示すように、接触位置におけるベルトから高さhのところに金属電極を配置し、高さhと電極の電位Vcを変えた場合の電界強度を計算した。ベルト抵抗を1012Ω・cm、線速度を200mm/s、トナーは帯電量(q/m)=−20μC/g、厚さ30μmの均一層とし、1インチあたり200本の万線を想定している。電極がない場合には、トナー層の表面電位は−612Vであった。
【0043】
図6は、電極位置(高さh)及び電位Vcを変えたときのトナー層上部の電界強度を示すグラフである。h=500μm以上では、電極の電位Vcがどの値であっても電界強度は5×10V/mで一定となり、電極配置の効果がないことがわかる。従って、電極は少なくともベルトから500μm以内に配置する必要がある。また電極電位がー610V以下(負に大きい)ではトナーに働く電界強度が弱められ、トナー飛散が抑制されることがわかる。また、電界強度を2.5×10V/m以下とするには、電極電位Vc=―1000Vの場合では、h=100μm以下、電極電位Vc=―1500Vではh=300μm以下にすればよいこととなる。
【0044】
上記のシミュレーション結果より、ベルトから少なくとも500μm以内の距離に電極を配置し、トナー層電位と同じ極性、且つ絶対値で大きな電位を電極に印加することで、トナー飛散を大幅に抑制させることができることがわかった。また、中間転写ベルト19の表面に対して一様に電位を高めるため、電極幅はベルト幅よりも大きくするようにした。
【0045】
次に、電極を備えたトナー飛散防止部材(以下、飛散防止部材)を中間転写体に用いる場合の実施例を示す。図1に示すように、中間転写ベルト19とローラ20cとの接触する位置で且つ中間転写ベルト19に対向した位置には中間転写ベルト19上の表面電位を測定する電位測定手段としての表面電位計49を設けている。表面電位計49は中間転写ベルト19から1mm離れた場所に配置し、ベルト上の表面電位を計測する。また飛散防止部材45、47はローラ20cとベルトが接触、剥離する点B及びCから300μmだけ離れた位置に設置する。また、電位は任意に制御可能である。
【0046】
上記の構成に基づき、トナーの飛散状態について説明する。中間転写ベルト19に転写される画像はもっとも飛散が多いとされる、4色重ねの200線の万線ベタ画像とした。図7は4色の重ね画像を形成した際の、表面電位計の測定電位を示している。図に示すように、色を重ねるごとにトナー層表面の電位が上昇していることがわかる。また400枚の出力を行ったのちに、電圧を印加しないときの飛散防止部材45、47に付着したトナー総量を測定したところ、表1の結果が得られた。表1に示すように400枚通紙時には飛散防止部材45、47にトナーの付着が見られた。
【0047】
【表1】
(表1)
Figure 2004109743
【0048】
(尚、電極Dは図中符号45、電極Eは図中符号47を示す。)
次に表2に示すような電位を飛散防止部材45、47であるアルミ板に印加しながら転写を行ったところ、表3の結果が得られた。1色目(1C)及び21色目(2C)の転写時はトナー飛散がほとんど発生しないため、印加電圧は0Vとしている。また、3色目(3C)及び4色目(4C)の転写時には、それぞれ表に示すような電圧を印加した。その結果、400枚通紙時において、トナー飛散量を測定した結果、飛散防止部材45、47に付着したトナーの量は表3のようになった。
【0049】
【表2】
(表2)
Figure 2004109743
【0050】
【表3】
(表3)
Figure 2004109743
【0051】
実際には、トナーの付着量や帯電量は環境や経時の影響を大きく受けるため、常時、図7に示すような電位が得られるとは限らない。よって飛散防止部材45、47に印加する電位も、環境や経時によって制御する必要がある。フィードバック制御回路によってトナー層表面電位の3倍の値を、飛散防止部材45、47に印加するようにした。そして400枚通紙時において、トナー飛散量を測定した。その結果を表4に示す。飛散防止部材45、47に電圧を印加しない場合(表1)に比べて飛散トナーは大幅に減少しているが、表3に示すほどの結果は得られなかった。飛散を可視化したところ、各色転写時の最初の画像部がローラ近傍に到達した時のみにトナー飛散が発生しており、それ以外ではトナー飛散は発生しなかった。これは、最初の搬送されてくる画像部は、トナー飛散の発生を抑える程度の電位が設定されておらず、飛散防止効果がないためである。
【0052】
【表4】
(表4)
Figure 2004109743
【0053】
また、全ての画像が4色重ねの200線の万線ベタ画像であれば、飛散量は少ないが、いろいろな画像パターンが混在する画像の場合には、飛散量が増加するといった問題があった。トナー飛散を可視化したところ、非画像部と画像部が混在している場合に、トナーが多数飛散することが分かった。
【0054】
上記の問題を解決するため、画像部が中間転写ベルト19とローラ20cとの接触位置に来る前に、その画像に対しての最適制御電位を決定する必要がある。具体的には、図中左側の第1ローラ(転写バイアスローラ)20aと右側の第2ローラ20cとの間に表面電位計46を配置し、この出力Vcをもとに前記の制御を行い、飛散防止部材45、47への印加電圧を決定する。この場合、例えば第2ローラ20cが転写バイアスローラの場合には、測定される表面電位はバイアスの影響を受けることが予想される。ベルトが抵抗体の場合には、ベルト裏面電位はおおよその電位が予測可能であり、トナー層電位はこのベルト電位にトナー電荷による電位を加算した値となる。
【0055】
さらに詳細に説明すれば、中間転写ベルト19を保持する第1ローラ20aと第2ローラ20cとの間にある、ベルト上の任意の点を基準点Fとし、中間転写ベルト19と第1ローラ20aとの接点を第1接点D、中間転写ベルト19と第2ローラ20cとの接点を第2接点B、第1接点から基準点Fまでの距離をm、両ローラ間の距離をL、第2接点の電位をVb、第1接点の電位をVa、基準点Fにトナー層が来たときのトナー層表面電位をVfとしたとき、ベルト裏面の電位は、下記式(2)で得られる。
【0056】
【数3】
V=(VbーVa)×m/L+Va・・・(2)
【0057】
一方、基準点F上のトナー層電位は表面電位計46で測定することができ、測定値Vfが得られる。従って、トナー層による中間転写ベルト19上の表面電位の増加分ΔVは、下記式(3)で得られる。
【0058】
【数4】
ΔV=Vf−〔(VbーVa)×m/L+Va〕・・・(3)
【0059】
従って、トナー層が中間転写ベルト19と第2ローラ20cとの接点である第2接点にきたときの表面電位は、下記式(4)となる。
【0060】
【数5】
V=ΔV+Va=Vf−〔(VbーVa)×m/L+Va〕+Va=Vf−(VbーVa)×m/L・・・(4)
【0061】
ここで、飛散防止部材45、47への印加電圧Vcは、下記式(1)となる。
【0062】
【数6】
Vc=α×〔Vf−(VbーVa)×m/L〕・・・(1)
(αは補正パラメータ)
【0063】
上記式αの値を変えたときの結果を表5に示す。表5に示すように、αの値が1又は2の場合にはトナー飛散は若干発生しているが、α=3以上ではトナー飛散がほとんど発生しないことがわかる。このように、F点でのトナー層電位Vfを測定し、飛散防止部材を制御することによって、効率よくトナー飛散を防止することができる。このとき制御パラメータαは3以上が望ましい。
【0064】
【表5】
(表5)
Figure 2004109743
【0065】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。上述の実施形態では飛散防止部材45、47は第2ローラ20cの近傍位置に設けるようにしたが、これに限定されず、他のローラの近傍位置、例えば駆動ローラ21の近傍位置に設けても良い。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、中間転写ベルトがローラに接触する位置であり且つベルトの表面近傍にはトナーの飛散を抑制するトナー飛散防止部材を設けたので、ローラの周辺でのトナーの飛散を抑えることができ、機内汚れや紙汚れ、さらには他の部材への汚れを防止することができる。
【0067】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、トナー飛散防止部材に印加する電圧は中間転写ベルトまでの最短距離hや、ベルト上のトナーの帯電量等に応じて制御できるので、種々の条件に応じて最適な電圧を印加することで、トナーの飛散を効果的に抑えることができる。
【0068】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2記載の発明と同様の効果を奏するとともに、電極に印加する電圧をトナー層がローラ上に来た時の表面電位よりも絶対値で大きな値とすることで、トナーに働く電界強度を弱めることができ、中間転写ベルト上からトナー層が剥がれてトナー飛散が発生することを防止できる。
【0069】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとともに、中間転写ベルト上の表面電位を測定する測定手段を備えたので、表面電位の正確な値を得ることでベルト上のトナー帯電量が変動しても、常に必要な電圧が印加でき、確実にトナー飛散をおさえることができる。
【0070】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとともに、測定手段を第1ローラとの第2ローラとの間に設けたので、予め画像部のトナー層の表面電位を測定することができ、最初の画像部が接触位置に来た場合でも飛散防止に充分な電位を設定することができる。また、α≧3とすることで、実験の結果、トナーの飛散量がほとんど発生しなかった。
【0071】
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至5の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとともに、トナー飛散防止部材を中間転写ベルトの幅よりも長く且はみ出して設けているので、中間転写ベルトの表面に対して一様に電位を高めることができ、トナー飛散を効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写ベルト回りの拡大図である。
【図2】中間転写ベルト周辺におけるトナー飛散の様子を示した概略断面図である。
【図3】中間転写ベルト周辺におけるトナー飛散をシミュレーションした結果を示す模式図である。
【図4】中間転写ベルトの抵抗値を変えた場合のトナー層上部の電界強度とトナー飛散量の関係を示したグラフである。
【図5】図1に係る中間転写ベルトと電極との関係を示す概略図である。
【図6】電極位置及び電位を変えたときのトナー層上部の電界強度を示すグラフである。
【図7】4色の重ね画像を形成した際の、表面電位計の測定電位を示すグラフである
【図8】変形例に係る中間転写ベルト回りの拡大図である。
【図9】本実施形態に係るカラー複写装置の感光体及び中間転写ベルト回りの拡大図である。
【図10】カラー複写装置全体の概略構成図である。
【符号の説明】
9      感光体(潜像担持体)
19     中間転写ベルト
20a    第1ローラ(ローラ)
20c    第2ローラ(ローラ)
45、47  トナー飛散防止部材
46     基準点測定手段
49     電位測定手段

Claims (6)

  1. 潜像担持体上に形成したトナー像が転写される中間転写ベルトと、中間転写ベルトを保持するローラとを備えた中間転写体であって、
    中間転写ベルトがローラに接触する位置におけるベルトの表面近傍にはトナーの飛散を抑制するトナー飛散防止部材を設けたことを特徴とする中間転写体。
  2. トナー飛散防止部材は電極を備えており、電極に印加する電圧はトナー飛散防止部材と中間転写ベルトとの間の最短距離、トナー層の表面電位、トナー層厚及びトナー帯電量に応じて制御されることを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
  3. トナー飛散防止部材と中間転写ベルトとの間の最短距離hは500μm以下であり、電極に印加する電圧をVc、トナー層のローラ上での表面電位をVtとしたとき、VcとVtは同極であり且つ│Vc│≧│Vt│が成り立つことを特徴とする請求項1又は2記載の中間転写体。
  4. 中間転写ベルトがローラに接触する位置であって且つ中間転写ベルトに対向した位置には中間転写ベルト上の表面電位を測定する電位測定手段が設けられ、この測定手段の測定結果にもとづいて、トナー飛散防止部材に印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の中間転写体。
  5. 中間転写ベルトを保持するローラは互いに隣り合う第1ローラと第2ローラとを備え、中間転写ベルトと第1ローラとの接点を第1接点、中間転写ベルトと第2ローラとの接点を第2接点、両接点間にあるベルト上の任意の点を基準点とし、基準点での表面電位を測定する基準点測定手段を備え、第1接点と基準点との距離をm、両接点間の距離をL、第1接点の電位をVa、第2接点の電位をVb、基準点にトナー層が来たときのトナー層表面電位をVfとしたとき、飛散防止部材に印加する電圧をVcとしたとき、下記式(1)が成り立つことを特徴とする請求項1乃至3記載の中間転写体。
    Figure 2004109743
  6. トナー飛散防止部材は中間転写ベルトの幅よりも長く且つ中間転写ベルトの幅からはみ出して設けていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の中間転写体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007102324A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Canon Inc 解析方法、解析装置及び解析プログラム
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JP2010122610A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Kyocera Mita Corp 画像形成装置

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