JP2007102324A - 解析方法、解析装置及び解析プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写プロセスにおける各種条件に応じたトナーの飛び散りを正確に予測することができる解析方法、解析装置及び解析プログラムを提供する。
【解決手段】 転写プロセスを、感光ドラム1の中心軸に平行な2次元断面で分割モデル化し、感光ドラム1の回転に伴って、分割モデル形状をその時点でのものに変更し、電界分布を求め、トナー4の運動を求める。これらの工程を繰り返すことにより時間進展に伴うトナー4の運動状況を計算し、転写後のトナー4の飛び散り状態を求める。以上の計算を、トナー4の初期位置を変えたいくつかのケースについて行い、それらの結果を加算してトナー4の存在確率分布を求めることにより飛び散り指数を算出する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、電子写真プロセスにおけるトナーの飛び散りの度合いを予測する解析方法、解析装置及び解析プログラムに関する。
複写機、レーザビームプリンタ等の電子写真技術を用いた画像形成装置は、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングという6つのプロセスから画像を形成する。図18は、画像形成装置での画像形成に係る帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの6つのプロセスを模式的に示す図である。尚、図18には、感光ドラムの軸方向から見た断面が示されている。図18において、1は感光ドラム、2は転写媒体(紙)、3は転写ローラ、5は帯電ローラ、6は現像スリーブ、7は定着ローラ、8はクリーニングブレードであり、トナーは4として黒丸で表示した。
まず、帯電プロセスでは、感光ドラム1に負の電圧を印加した帯電ローラ5を押し当て、感光ドラム1表面を均一に負に帯電させる。露光プロセスでは、画像を形成する部分に光を当てて負電荷を除去し、潜像を形成する。現像プロセスでは、現像スリーブ6において負に帯電したトナー4を近づけて、潜像部分にトナー4を乗せる。転写プロセスでは、転写ローラ3に正の電圧を印加して、トナー4を紙2に移し取る。更に、定着プロセスでは、トナー4を紙2に固定する。そして、クリーニングプロセスでは、感光ドラム1上に残留したトナー4をかき取り、再び始まる次のプロセスに備える。
尚、カラー画像を形成する場合は、色ごとに形成された感光ドラム上の画像を、転写プロセスで紙上に積み重ねる。また、方式によってはその電気極性が反対になる場合があるが、その原理は同じである。
このような電子写真プロセスの中で、転写プロセスでは、感光体、転写媒体、トナー、転写ローラ等数多くの部材が登場し、それらの材料、構成、電圧条件等を最適化する必要があることから、その設計作業には非常に長期間を要する。特に、帯電した個々のトナーは互いに反発する力が働くことから、転写する過程で飛び散る傾向にある。そこで、大きな転写電界を与えることで飛び散りを抑制することになるが、転写電界が大きいと放電が発生して、画像に悪影響を及ぼしてしまう。特に、カラー画像の場合は、トナーの上にトナーを重ねる必要性から極めて困難なものとなる。
このような転写プロセスにおけるトナーの飛び散りの中に、ニップ(転写媒体がドラムと接触する部分)手前でのトナーの転写(プレ転写)に起因するものがある。特に、これは、プロセス方向の線画像(以後、縦線と呼ぶ)の際に顕著であることが知られている。
図19は、転写プロセスでのトナーの縦線の飛び散りを説明するための図である。尚、図19中での各部の符号は、図18に示す各部の符号と同じである。図19には、感光ドラム1上に形成された縦線画像が転写媒体に転写されており、転写された線画像の端部のトナーがプレ転写で飛び散り、4Aで示したように線が太くまたぼやけた画像となる。そして、これは、転写媒体上でトナーの上にトナーを重ねる必要のあるカラー画像を形成する場合に特に問題となる。
図20は、画像の飛び散りによるぼやけ度を定量化する指標としてISO13660に定められているものを用いて説明するための図である。図20では、符号Aで示した飛び散りのある線画像に対して、破線で示したように、線画像を横切る線上でのトナーの有無による光の反射率プロファイルを一定間隔で計測して加算し、線の反射率の分布を出す。図20に示す分布図は、トナーの存在確率の分布を意味することになる。図20に示す分布図において、線画像の端部の裾を引いた部分の幅Bを飛び散り指数値として飛び散り度合いの評価に用いる。
従来、転写プロセスにおける各種パラメータの最適化は、主として試作機等を用いた実験で行われてきた。しかし近年では、計算機を用いた解析も行われるようになっている。
例えば、非特許文献1では、1次元の層構造モデルを用いて転写部に流れる電流の解析を行っている。図21は、転写プロセスの部分を感光体の軸方向から拡大して表示した図である。図21において、感光ドラム1、転写媒体2及び転写ローラ3は、それぞれ矢印の方向に回転または移動している。非特許文献1では、電気力線が感光ドラム1、転写媒体2、転写ローラ3の表面に対してほぼ垂直であると仮定する。そして、時間経過に伴って1次元の層構成モデルが破線で示したように、t0,t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8へと移動するものとしてその1次元モデルを変形(各層を伸縮)させる。そして、1次元線内での電荷の移動をオームの法則とパッシェンの放電則を基に算出している。このように本計算で求まった電界分布からトナーが転写する位置を推定することが可能である。
また、特許文献1によれば、図18に示した方向から見た2次元断面図を用いて、転写プロセスにおける転写媒体(紙)の姿勢を計算により求める。そして、それを使用して同断面における転写電界を計算し、その電界分布からトナーの飛び散り状況を予測する設計支援装置が開示されている。
さらに、非特許文献2によれば、オームの法則、パッシェンの放電則及びニュートン運動則を基に、導体中を流れる電流、放電、物体の運動を考慮して、転写装置の電位分布やトナーの運動を求める方法及び装置が開示されている。
さらにまた、非特許文献3には、3次元的な平行平板を用いて空隙変化や放電に伴う転写電界の変化を考慮しながら、感光体と転写媒体が徐々に近づいていく際のトナーが飛び散りながら転写する様子を計算により求めることが開示されている。
特開2002−149715公報 伊藤、川本、"電子写真のローラ転写プロセスシミュレーション"、日本機会学会論文集(C編)、65、637、p.81−88(1999) 佐々木他、"トナーを考慮した2次元転写プロセスシミュレーション"、Japan Hard Copy 2004 論文集、p.287(2004) 門永、"転写プロセスのシミュレーション"、日本画像学会誌、 43、3、p.171−179(2004)
しかしながら、上述したような従来のトナー飛び散り計算の技術には、次のような欠点があった。
まず非特許文献1の方法では、計算が1次元であること、及びトナーを層としてとらえるだけであったことから、トナーが飛び散る度合いを定量的に予測することはできなかった。また、特許文献1の方法についても、計算中でトナーは粒子として考慮しないことから、その飛び散る度合いを予測することはできなかった。
さらに、非特許文献2の方法では、モデルが感光ドラムの軸方向から見た2次元断面であることから縦線の飛び散りを計算することはできなかった。また、トナーの存在を確率分布としては計算できないことから、上述したような飛び散り指数として結果を求めることはできなかった。さらにまた、非特許文献3の方法では、解析は3次元で行われているものの、電流の流れは1次元的に扱われている。従って、転写ニップ部近傍で転写ローラから注入される電荷の影響が考慮されておらず、その精度に問題があった。また、3次元の電界計算を行うことから、計算時間を要して設計に使用するには問題があった。
このように、転写系においては、感光ドラムから転写ローラの間の領域を感光ドラムの回転に伴って解析領域を移動させることで1次元問題に帰着させることは非特許文献1に開示されているように公知である。また、2次元問題に対して電気伝導や放電による電荷移動を考慮しながら電界分布を計算する方法は、特許文献2に開示されているように公知である。しかしながら、前者の1次元モデルでは、電界の空間的な広がりを考慮することができず、そのためトナーの飛び散りを計算することはできなかった。また、後者において2次元断面は常にドラムの中心軸に垂直なものであり、縦線の感光ドラムの軸方向の飛び散りを計算することはできなかった。従って、従来は、縦線画像のトナーの飛び散りを計算するには、3次元の問題を直接解くしか方法がなかった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、転写プロセスにおける各種条件に応じたトナーの飛び散りを正確に予測することができる解析方法、解析装置及び解析プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、感光ドラムから転写ローラまでを含むデバイスの該感光ドラムの中心軸に平行な2次元の解析対象断面をモデル化して、電子写真プロセスにおけるトナーの運動を解析する解析方法であって、
前記感光ドラム上におけるトナーの初期位置を設定する初期位置設定工程と、
前記感光ドラムの回転による前記解析対象断面の変化に応じて、感光体層、空気層、転写媒体層及びローラ層を含む複数層からなる前記解析対象断面の層厚を変化させるモデル形状変更工程と、
電気伝導及び放電による電荷移動を考慮して、前記解析対象断面の層厚を変化させたときの該解析対象断面内の電界分布を計算する電界計算工程と、
計算された前記電界分布に従って前記解析対象断面内における前記トナーの運動を計算するトナー運動計算工程と
を有することを特徴とする。
また、本発明に係る上記解析方法は、前記各モデル形状変更工程、前記電界計測工程及び前記トナー運動工程を時間の経過に応じて繰り返し実行することにより、時間経過に伴うトナーの運動状況を計算することを特徴とする。
このように、解析領域を感光ドラムの中心軸に平行な、感光ドラムから転写ローラに至る2次元断面とし、本解析領域を感光ドラムの回転に伴って移動させることで2次元問題に帰着させた。そして、モデル形状変更工程によって時間進展に伴う2次元断面の形状変化(各層の厚み変化)を考慮し、電界計算工程により電気伝導と放電による電荷の移動を考慮した。これにより、トナー運動計算工程により縦線飛び散りの際に特に問題となる断面面内でのトナーの動きを計算することが可能となる。
さらに、本発明に係る上記解析方法は、前記感光ドラム上のトナーの初期位置として、互いに異なる配置をしたモデルを複数個用意し、各配置状態のトナーに対して前記解析方法によって転写後の媒体上でのトナーの位置を計算し、前記媒体上でのトナー存在分布をそれぞれのモデルについて算出する。そして、算出されたそれぞれの配置状態でのトナー存在分布をすべて加算することにより媒体上でのトナー存在確率分布を算出し、該トナー存在確率分布からトナーの飛び散り指数を算出する飛び散り指数計算工程をさらに有することを特徴とする。
このように、転写前の感光ドラム上のトナーについて、乱数等を用いて配置を違えたものを複数個用意することで、飛び散り指数のような確率に依存したな結果の算出が可能となる。
さらにまた、本発明に係る上記解析方法は、前記感光ドラム上のトナーの初期位置として、上記解析方法を用いて計算された配置状態のものを使用することを特徴とする。前述した飛び散り指数の結果は、感光ドラム上のトナーの配置に大きく依存する可能性があるが、本解析方法では、その配置を現像計算から実行することで、より実際の現象に近くして、結果の精度が向上する。
さらにまた、一般の転写系における電荷の移動を見ると、電荷は転写ローラからニップを通して転写媒体に注入されるのが支配的である。すなわち電気力線は転写ローラと転写媒体の接触部を必ず通る。そこで、本発明に係る上記解析方法では、2次元断面がこの接触部を含むようにする。これにより、電界計算及びトナーの運動の精度が向上する。
本発明によれば、転写プロセスにおける各種条件に応じたトナーの飛び散りを正確に予測することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る解析装置の概略構成を示すブロック図である。図2に示す解析装置は、入力データ作成部B11、飛び散り指数計算部B12及び結果表示部B13を備えている。
入力データ作成部B11は、本実施形態で行う解析に必要なメッシュデータ、及び各種パラメータのデータファイルを作成するものである。メッシュデータは、差分メッシュ、有限要素メッシュ等、電界計算を行う手法に応じて、誘電体や抵抗体からなる転写装置の解析領域を微小領域に分割したデータである。各種パラメータには、材料の誘電率、導電率、電荷分布(潜像を含む)、境界条件としての電位、各材料層の厚さの時間変化、トナーの径、トナーの帯電量、トナーの誘電率、更に計算刻み時間、計算終了時刻等がある。
飛び散り指数計算部B12は、計算領域の電界分布、トナーの運動を算出し、その結果データをファイルに出力するとともに、それらの結果から飛び散り指数を算出するものである。飛び散り指数計算部B12は、この算出のために、例えばオームの法則、ポアソンの方程式、パッシェンの放電則、ニュートンの運動方程式を基にする。
結果表示部B13は、飛び散り指数計算部B12で出力した結果ファイルを読み込んで、オペレータ等が視認できる状態で表示するものである。
図2に示す入力データ作成部B11と結果表示部B13は、一般に、プリポストと呼ばれている部分であり、周知技術であるため説明を省略する。
図3は、本実施形態に係る解析装置の飛び散り指数計算部B12を構成するコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。このコンピュータ20は、各種判断及び処理を行う中央処理装置(CPU)21と、各処理プログラム及び固定データを格納した処理工程記憶手段としてのROM22を備える。また、コンピュータ20は、処理データを格納するデータメモリであるパラメータ記憶手段としてのRAM23と、外部記憶装置30との間でデータをやり取りする手段としての入出力回路(I/O)24とを備える。コンピュータ20には、入力データ作成部B11の成果物としての入力データ31がI/O24を介して入力される。そして、コンピュータ20により処理された計算結果であって、結果表示部B13の入力データとなるものが、I/O24を介して出力データ32として出力される。
次に、飛び散り指数計算部B13の細部構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る解析装置の飛び散り指数計算部B13の細部構成を示すブロック図である。図4において、B100は飛び散り指数計算の全体を制御する全体制御部であり、以下に説明する6つの各部の動作を制御する。
まず、B110はトナー初期位置設定部であり、上述の入力データ作成部B11で作成されたメッシュデータ、各種パラメータを基に、転写前の感光ドラム上のトナーの初期位置を求めて外部記憶装置30に保存する。トナーの初期配置は感光ドラム上に設定した潜像上に行う。また、トナー初期位置設定部B110は、例えば乱数を使用する等して、実行するたびにその積層状態が異なるようにする。
B120は転写計算部であり、感光ドラム上のトナーが転写媒体に転写される様子を計算し、その結果を外部記憶装置30に格納するものであり、その詳細は図6、7を用いて後述する。転写後トナー位置読込部B130は、転写計算部B120によって作成された複数の転写後のトナー位置分布の結果を外部記憶装置から読み込み、RAM23に格納するものである。また、トナー存在分布計算部B140は、その個々のトナー位置分布を、転写媒体の各位置においてトナーが存在するか否かを示すトナー存在分布に変換するものである。さらに、トナー存在確率分布計算部B150は、得られたトナー存在分布をすべて加算することにより、転写媒体の各位置におけるトナーの存在確率を示す分布を求めるものである。さらにまた、飛び散り指数算出部B160は、トナー存在確率分布から飛び散り指数を算出するものである。
次に、飛び散り指数を計算で求める処理を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る解析装置による飛び散り指数の計算処理工程を説明するためのフローチャートである。
まず、処理が開始されると(ステップS100)、トナー初期位置設定工程として、トナー初期位置設定部B110を用いて感光ドラム上のトナー位置を設定する(ステップS110)。次に、転写計算工程として、転写計算部B120により、その感光体上のトナーが転写媒体に転写した際のトナー位置を求める(ステップS120)。上記各工程(ステップS110、S120)は、転写結果の数が十分蓄積されるまで、例えば10回以上繰り返す(ステップS122)。また、トナー初期位置設定工程(ステップS110)は、毎回感光ドラム上に異なる積層状態でトナーを配置することから、本転写後のトナー位置の結果は毎回異なったものとなる。
そして、ステップS122でトナーの転写結果が十分蓄積された場合(Yes)、転写後トナー位置読込工程に進む。当該工程は、転写後トナー位置読込部B130を用いて、外部記憶装置30に格納されたすべての転写後のトナー位置の結果を読み込む(ステップS130)。そして、トナー存在分布計算工程として、トナー存在分布計算部B140によって、各転写後のトナー位置結果を媒体上でのトナー存在分布に変換する(ステップS140)。さらに、トナー存在確率分布計算工程では、トナー存在確率分布計算部B150により、転写媒体上でのトナー存在確率分布を求める(ステップS150)。最後に、飛び散り指数算出工程において、飛び散り指数算出部B160を用いて、飛び散り指数を求めて解析者に表示する(ステップS160)。
次に、転写計算部B120について詳細に説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る解析装置における転写計算部B120の細部構成を示すブロック図である。転写計算部B120は、転写過程の計算を制御するものであり、以下に説明する入力データ読込部B210、モデル形状変更部B220、電界計算部B230、トナー運動計算部B240、計算結果出力部B250の処理を制御する。
まず入力データ読込部B210は、入力データ作成部B11で作成されたメッシュデータ及び各種パラメータと、トナー初期位置設定部B110で作成された感光ドラム上でのトナー初期位置データを読み込んでRAM23に格納する。モデル形状変更部B220は、読み込まれたメッシュデータの形状を経過時間に応じて変更してRAM23に格納する。これはメッシュデータの節点位置をモデル形状(各層の厚み)に応じて移動させる、又は要素分割をし直すことで容易に実現できる。
電界計算部B230は、導体中の電荷移動や放電を考慮して電界分布を算出し、RAM23に格納する。図7は、本発明の一実施形態に係る解析装置の電界計算部B230の処理手順を説明するためのフローチャートである。静電界は式(1)に示すポアソンの方程式を解くことによって求めることができる。また、導体中の電荷移動は導電機構としてオームの法則が成り立つ場合は式(2)を用いることができる。
Figure 2007102324
Figure 2007102324
尚、式(1)、(2)において,εは誘電率、σは導電率であり、φは電位、ρは電荷密度である。電界計算では、まず静電界計算工程によって式(1)を解き電位φの分布を求める(ステップS310)。次に、導体の電荷移動計算工程では、得られた電位φを式(2)に代入して、計算刻み時間当たりの電荷密度の変化を求め、解析領域内の電荷分布を更新する(ステップS320)。そして、再び静電界計算工程を行い、電気伝導による電荷移動後の電位分布を求める(ステップS330)。さらに、放電による電荷移動計算工程では、得られた電位分布とパッシェンの放電則を基に放電発生箇所を抽出し、放電による電荷の移動量及び放電後の電位分布を求める(ステップS340)。尚、本方法の詳細については前述した非特許文献2に開示されている。
図6において、トナー運動計算部B240は、電界中でのトナーの運動を算出し、RAM23に格納する。本トナーの運動の計算方法として、例えば、トナーの中心位置に電荷があるものと仮定して、各時間tにおいて、その位置での電界E(t)から式(3)によって静電気力F(t)を求める。そして、ニュートンの運動方程式から速度v(t)、位置x(t)を式(4)によって求める。
Figure 2007102324
Figure 2007102324
ここでQ、mは、それぞれトナーの電荷、重量である。
トナーの衝突に関しては運動量保存則を用いた方法や、DEM(離散要素法)を用いた方法等があり、問題に応じて適当な手法を用いればよい。
図6において、転写後トナー位置出力部B250は、得られた転写後のトナー位置を外部記憶装置30に出力する。
次に、転写計算部B120の処理の流れを詳細に説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る解析装置の転写計算部B120の処理手順を説明するためのフローチャートである。
処理が開始されると(ステップS200)、まず入力データ読込工程で、入力データ読込部B210を用いてデータを読み込む(ステップS210)。そして、時間tを0にセットする(ステップS212)。次に、モデル形状変更工程で、モデル形状変更部B220により、メッシュデータをその時間での形状(各層の厚み)に変更する(ステップS220)。そして、電界計算工程では、変更後のメッシュデータを用いて、電界計算部B230により計算時間ステップΔt後の電位分布を求める(ステップS230)。さらに、トナー運動計算工程では、トナー運動計算部B240を用いて、トナーの位置を計算時間ステップΔt後のものに更新する(ステップS240)。上述したステップS220〜S240を、トナーがローラと感光ドラムが転写媒体を挟んで接触する部分(以降、「ニップ部」と呼ぶ。)を抜けて転写が完了するまで繰り返す(ステップS242、S244)。その後、転写後トナー位置出力工程で、転写後トナー位置出力部B250により結果をファイル出力する(ステップS250)。
尚、時間経過による断面の変化に伴って、感光ドラム、転写媒体、転写ローラが運動する(各層の厚みが変化する)ことから、それによる各面上の電荷も移動させる必要がある(移流)。また、感光ドラム表面及び転写媒体表面のトナーも面の移動に伴って移動させる必要がある。これらの処理は、モデル形状変更工程(ステップS220)で面の移動に合わせて面上の電荷とトナーを移動させることで行う。
次に、本発明で用いる解析モデルについて説明する。
図9は、ニップ部近傍の電位分布を表示した図である。図9において、91は感光層、92は転写媒体、93は転写ローラの表面、94はニップ部である。図中の太線は各部材の輪郭線、細線が等電位線を示す。感光ドラム、転写媒体、転写ローラはそれぞれ矢印の方向に動いており、図9ではニップの上流部を示すことになる。また、電気力線は等電位線と垂直に交わる。従って、転写ローラからニップ部近傍の感光ドラム表面に至る電気力線はローラと転写媒体の接触部を通る傾向にあることがわかる。本傾向は、ローラから転写媒体に電荷が注入される割合の大きい、抵抗の小さな転写媒体の場合に顕著なものであるが、比較的抵抗の大きなものに対しても同様であることがわかっている。また、ここではニップ上流部の電位分布を示したが、下流部においてもほぼ同様である。
また、図10は、本発明の一実施形態に係る解析装置が扱う2次元解析領域を示す図である。図10では、縦線の飛び散りを計算する2次元断面を図9における電気力線にほぼ沿った破線で示している。すなわち、時間経過t0〜t8に関わらず、計算断面はその一部にローラと転写媒体の接触部を含む最短コースを通るものとした。3次元の問題を2次元問題に帰着させるとき、一般にその解析領域の奥行き方向で電界は均一である必要がある。この場合、完全に均一とは言えないが、図9からそれに近い状態であることがわかるので、本近似による誤差は少ないと考えられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る解析装置の飛び散り指数計算部B100が使用する2次元解析領域(解析対象断面)及びトナーの配置の一例を示す図である。メッシュデータは図1を細かく分割したものとなる。図1は図19の視点位置が示すように、プロセス方向から見た転写の様子を表現したものであり、転写プロセスを、感光ドラムの中心軸に平行な2次元断面でモデル化したもので、図10の破線部に相当するものである。図1において、11は感光体層、12は転写媒体層、13は転写ローラ層、110は感光体の表面、120は転写媒体の表面、40は感光体上のトナー、41は媒体上のトナーを示す。図中、空気層の厚み、転写媒体層の厚みは、時間経過に伴ってモデル形状変更部B220によって変化させられるものである。また、感光体層厚みは不変であり、ローラ層厚みは、ローラの押し付けによる変形を無視すれば不変として扱うことができる。
例えば、図10において感光ドラムの半径をR、各時間における感光ドラム表面位置の、ドラム中心とローラ中心を結ぶ線とのなす角度をθとする。この場合、各時間での空気層の厚みDair、及び媒体層の厚みDmediaは式(5)、(6)で示すようになる。
Figure 2007102324
Figure 2007102324
尚、ここで、θ1は転写媒体とローラが接触し始める部分の角度、Tは転写媒体の厚み、Dtonerはトナー層の厚みを表す。
また、上述した処理の流れは、一例を示したものであり、その順序に厳格にこだわる必要はない。また、式(5)、(6)で示した各層の厚みの値は、ドラムとローラの位置関係が図1と異なる場合はそれに合わせて変化することになる。
次に、本実施形態における解析方法を用いて、縦線のトナーの飛び散り指数を実際に計算した例について具体的に説明する。
<実施例1>
図11は、本発明の一実施形態に係る解析装置の転写計算部B120によって計算した結果を示す図である。すなわち、時間経過に伴って感光体上のトナーが転写媒体に転写する様子を示したものである。図中の黒丸は感光ドラム上のトナー、白丸は転写媒体上のトナーを表し、白丸のトナーの縦線の上に黒丸のトナーの縦線を重ねて転写させるときのトナーが飛び散る様子をシミュレートしたものである。尚、図11では、トナー近傍のみを表示した関係上、転写ローラ及び転写媒体の一部は画面外として表示を省略した。また、図11において、背景の線は等電位線を示す。図11において、(a)はニップ前、(b)はニップ直前、(c)はニップ中、(d)はニップ後を表す。これは、図10において、(a)はt0,t1、(b)はt2、(c)はt3,t4,t5、(d)はt6以降のものに相当する。
尚、ここで、図11(a)におけるドラム表面のトナーの積層状態は、トナー初期位置設定部B110によって求めたものである。ここでトナー初期位置設定部B110は、具体的には離散要素法を用いてトナーを自由落下させて積層した状態を、そのままドラム上に置いた。本方法によれば、トナーを自由落下させる初期位置を乱数を用いて設定することにより、ドラム上の異なる積層状態を容易に生成することができる。また、転写媒体表面のトナーがある部分にはトナーを担持する正電荷を配置している。
そして、時間経過に伴う空気層の厚みの変化は、モデル形状変更部B220によって、式(5)に従ってメッシュデータを変更することで対応している。図11から感光ドラムから転写媒体にトナーを転写する際にトナーが飛び散る様子がわかる。尚、本結果が正しいことは、実際のトナーが転写する様子を観察した結果と比較することで確認済みである。
次に、図12は、実施例1における媒体上でのトナーの存在分布の一例を示す図である。この図は、転写計算部B120で得られた媒体上のトナー位置の結果からトナー存在分布計算部B140によって転写媒体上でのトナーの存在分布を求めたものである。転写媒体表面をトナーの直径程度の区間で区切り、各区間に対してトナーが存在するか否かでトナーの存在分布を求めている。
図13は、実施例1におけるドラム上のトナーの初期配置を変えた結果を示す図である。すなわち、図13は、図11と図12で示す工程を感光ドラム上のトナーの積層状態を変えたものについてまとめて例示したものである。図13では、感光ドラム上のトナーの積層状態を変えたものを計算番号1、2として表示した。それぞれに対して図に示すように、異なる転写結果、及びトナーの存在分布を得る。
図14は、実施例1におけるトナー存在確率分布を示す図である。まず、図14(a)は、図13の計算を20個の初期配置に対して行い、得られたトナー存在分布を、トナー存在確率分布部B150によりすべて加算して、その値を正規化することにより、トナー存在確率分布としたものである。本図は、トナーの飛び散り分布に相当するものであり、本例ではドラム上のトナーの線幅(縦線の線幅)は200μmであったのが、幅約400μmに渡って飛び散っている様子がわかる。
そして、図14(b)は、存在確率の分布線を飛び散り指数算出部B160によってガウス分布曲線で近似することによって得たのが同図(2)の曲線である。ここではガウス分布曲線で近似したが、3次曲線等で近似してもよい。図20で示した方法と同様に、飛び散り指数算出部B160では、本曲線における裾の広がり幅Bから飛び散り指数を算出する。尚、このとき左右でBの幅が異なることがあるがこの場合は例えば平均化すればよい。これによって、本ケースでは飛び散り指数75μmという値を得ることとなる。
図15は、実施例1における転写ローラの位置を変化させたときのトナーの存在確立分布例を示す図である。すなわち、図15は、転写ローラの位置を感光ドラムと転写媒体のニップ部に対して下流側にシフトした場合の図14に対応する結果を示すものであり、飛び散り指数は38μmである。本結果からシフト量を設けることによりトナーの飛び散り指数が改善されたことがわかる。また、これは実験による結果とよく一致しており、実際の設計に適用可能であることを示すものである。
以上説明したように、実施例1によれば、個々のトナーの運動を計算すること、縦線が飛び散る2次元面内が解析対象であることから、縦線を形成するトナーが飛び散る度合いを定量的に予測できるようになった。特に、感光ドラム上でのトナーの初期配置を変えたものを入力データとした複数の結果から飛び散り指数を算出できることから、転写性能を極めて客観的に評価できるようになった。尚、本計算は常に電気力線に沿った断面で行うと共に、導体中の電気伝導を考慮していることから、解の精度は高く、また2次元計算で済むことから短時間で計算を行うことができる。
<実施例2>
上述した実施例1のトナー初期位置設定部B110では、感光体上のトナーの初期位置として、トナーを自由落下させて積層したものを使用した。しかし、これでは、ドラム上の潜像に対して妥当なトナー層を形成することは困難である。そこで実施例2では、実施例1の方法を応用して簡単な現像計算を行い、その結果を転写計算の入力データとする方法について説明する。
図16は、図18の一部を拡大した実施例2における現像部を示す図である。尚、図16中での符号は図18と同じである。図16においては、実施例1の転写プロセス計算と同様に、計算を感光ドラムの中心軸に平行な2次元断面でモデル化する。すなわち、時間経過に伴って、図16中の破線t0〜t6で示したように、ドラム表面とスリーブ表面を最短の線で結んだ線の断面を解析領域として2次元化する。
図17は、実施例2における2次元化した計算モデル例を示す図である。図17中の1は感光層、6は現像スリーブの表面である。本モデルにおいては、図8における転写プロセス計算のフローと同様に、モデル形状変更工程(ステップS220)によって空気層の厚みを時間と共に変化させる。そして、電界計算工程(ステップS230)、トナー運動計算工程(ステップS240)を現像が完了するまで繰り返し、最終的なドラム上のトナーの位置分布を求める。
トナー初期位置設定部B110では、以上のように現像計算を行うことで、転写プロセス計算の入力データとなるドラム上のトナー分布を求める。尚、本計算において、現像スリーブに印加するAC成分の位相をずらす、或いは現像前のトナーの初期位置を変化させる等の方法によって、感光ドラム上のトナーの積層状態を変えたものを容易に生成することができる。
以上説明したようにまた、実施例2によれば、ドラム上の潜像に対するトナーの配置を精度よく行うことができることから、信頼性の高い解が得られるようになった。
<その他の実施形態>
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。
このように、本発明に係る解析プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録された状態で配布したり、入手したりすることができる。また、この解析プログラムを乗せ、所定の送信装置により送信された信号を、公衆電話回線や専用線、その他の通信網等の伝送媒体を介して配信したり、受信したりすることでも、配布、入手が可能である。この配信の際、伝送媒体中には、コンピュータプログラムの少なくとも一部が伝送されていればよい。すなわち、コンピュータプログラムを構成するすべてのデータが、一時に伝送媒体上に存在している必要はない。このプログラムを乗せた信号とは、コンピュータプログラムを含む所定の搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号である。また、所定の送信装置からコンピュータプログラムを送信する送信方法には、プログラムを構成するデータを連続的に送信する場合も、断続的に送信する場合も含まれる。
本発明の一実施形態に係る解析装置の飛び散り指数計算部B100が使用する2次元解析領域及びトナーの配置の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る解析装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る解析装置の飛び散り指数計算部B12を構成するコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る解析装置の飛び散り指数計算部B13の細部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る解析装置による飛び散り指数の計算処理工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る解析装置における転写計算部B120の細部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る解析装置の電界計算部B230の処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る解析装置の転写計算部B120の処理手順を説明するためのフローチャートである。 ニップ部近傍の電位分布を表示した図である。 本発明の一実施形態に係る解析装置が扱う2次元解析領域を示す図である。 本発明の一実施形態に係る解析装置の転写計算部B120によって計算した結果を示す図である。 実施例1における媒体上でのトナーの存在分布の一例を示す図である。 実施例1におけるドラム上のトナーの初期配置を変えた結果を示す図である。 実施例1におけるトナー存在確率分布を示す図である。 実施例1における転写ローラの位置を変化させたときのトナーの存在確立分布例を示す図である。 図18の一部を拡大した実施例2における現像部を示す図である。 実施例2における2次元化した計算モデル例を示す図である。 画像形成装置での画像形成に係る帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの6つのプロセスを模式的に示す図である。 転写プロセスでのトナーの縦線の飛び散りを説明するための図である。 画像の飛び散りによるぼやけ度を定量化する指標としてISO13660に定められているものを用いて説明するための図である。 転写プロセスの部分を感光体の軸方向から拡大して表示した図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 転写媒体
3 転写ローラ
4 トナー
5 帯電ローラ
6 現像スリーブ
7 定着ローラ
8 クリーニングブレード

Claims (7)

  1. 感光ドラムから転写ローラまでを含むデバイスの該感光ドラムの中心軸に平行な2次元の解析対象断面をモデル化して、電子写真プロセスにおけるトナーの運動を解析する解析方法であって、
    前記感光ドラム上におけるトナーの初期位置を設定する初期位置設定工程と、
    前記感光ドラムの回転による前記解析対象断面の変化に応じて、感光体層、空気層、転写媒体層及びローラ層を含む複数層からなる前記解析対象断面の層厚を変化させるモデル形状変更工程と、
    電気伝導及び放電による電荷移動を考慮して、前記解析対象断面の層厚を変化させたときの該解析対象断面内の電界分布を計算する電界計算工程と、
    計算された前記電界分布に従って前記解析対象断面内における前記トナーの運動を計算するトナー運動計算工程と
    を有することを特徴とする解析方法。
  2. 前記各モデル形状変更工程、前記電界計測工程及び前記トナー運動工程を時間の経過に応じて繰り返し実行することにより、時間経過に伴うトナーの運動状況を計算することを特徴とする請求項1に記載の解析方法。
  3. 前記感光ドラム上のトナーの初期位置として、互いに異なる配置をしたモデルを複数個用意し、各配置状態のトナーに対して前記解析方法によって転写後の媒体上でのトナーの位置を計算し、前記媒体上でのトナー存在分布をそれぞれのモデルについて算出し、算出されたそれぞれの配置状態でのトナー存在分布をすべて加算することにより媒体上でのトナー存在確率分布を算出し、該トナー存在確率分布からトナーの飛び散り指数を算出する飛び散り指数計算工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の解析方法。
  4. 前記感光ドラム上のトナーの初期位置として、請求項1に記載の解析方法を用いて計算された配置状態のものを使用することを特徴とする請求項3に記載の解析方法。
  5. 前記解析対象断面に前記転写ローラと転写媒体との接触部分を含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の解析方法。
  6. 感光ドラムから転写ローラまでを含むデバイスの該感光ドラムの中心軸に平行な2次元の解析対象断面をモデル化して、電子写真プロセスにおけるトナーの運動を解析する解析装置であって、
    前記感光ドラム上におけるトナーの初期位置を設定する初期位置設定手段と、
    前記感光ドラムの回転による前記解析対象断面の変化に応じて、感光体層、空気層、転写媒体層及びローラ層を含む複数層からなる前記解析対象断面の層厚を変化させるモデル形状変更手段と、
    電気伝導及び放電による電荷移動を考慮して、前記解析対象断面の層厚を変化させたときの該解析対象断面内の電界分布を計算する電界計算手段と、
    計算された前記電界分布に従って前記解析対象断面内における前記トナーの運動を計算するトナー運動計算手段と
    を備えることを特徴とする解析装置。
  7. 感光ドラムから転写ローラまでを含むデバイスの該感光ドラムの中心軸に平行な2次元の解析対象断面をコンピュータ内でモデル化して、該コンピュータに、電子写真プロセスにおけるトナーの運動を解析させるための解析プログラムであって、該コンピュータに、
    前記感光ドラム上におけるトナーの初期位置を設定する初期位置設定手順と、
    前記感光ドラムの回転による前記解析対象断面の変化に応じて、感光体層、空気層、転写媒体層及びローラ層を含む複数層からなる前記解析対象断面の層厚を変化させるモデル形状変更手順と、
    電気伝導及び放電による電荷移動を考慮して、前記解析対象断面の層厚を変化させたときの該解析対象断面内の電界分布を計算する電界計算手順と、
    計算された前記電界分布に従って前記解析対象断面内における前記トナーの運動を計算するトナー運動計算手順と
    を実行させるための解析プログラム。
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