JP2004109249A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真感光体10に備わる導電性基体11の表面粗さが、(a)最大高さ(Ry)=0.8〜1.4μm,中心線平均粗さ(Ra)=0.10〜0.15μm,十点平均粗さ(Rz)=0.7〜1.3μm,平均山間隔(Sm)=5〜30μm,ピークカウントPc=60〜100を満足するように仕上げられる。このような電子写真感光体10では、露光用の光を適度に散乱して干渉縞の発生が防止されるとともに、光干渉法における感光層15の層厚測定時に干渉パターンが形成されて層厚が精度よく測定される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機およびレーザプリンタなどの電子写真応用装置における電子写真画像形成プロセスでは、電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成するための光に、He−Neレーザ,Arレーザ,He−Cdレーザなどの比較的短波長のガスレーザが用いられていた。このようなガスレーザに対応する電子写真感光体の感光層には、厚みの厚い層を形成するCdS,ZnO,Seなどが用いられていた。したがって、前述のガスレーザによって電子写真感光体に照射される露光用の光は、厚みの厚い感光層中で完全に吸収されるので、電子写真感光体の基体表面での反射に起因する干渉の発生することが無かった。
【0003】
近年、電子写真感光体を露光するための光源に、前述のガスレーザに代わりコンパクトで低コストの半導体レーザまたは発光ダイオード(略称LED)が多用されるに至っている。使用光源の変遷に伴い、半導体レーザまたはLEDから放射される波長:700nm以上の長波長光に感光性を有する電子写真感光体、たとえば銅フタロシアニン,アルミニウムクロライドフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料を含有させた電荷発生層と電荷輸送層との積層構造を有する積層型の電子写真感光体が、用いられるようになっている。
【0004】
この長波長光に対して感光性を有する電子写真感光体を、レーザビーム走査方式の電子写真プリンタに装着してレーザビーム露光を行うと、形成された画像には、干渉縞模様の画像むらが発生することがある。この干渉縞模様の画像むらが発生する理由の一つに、長波長レーザ光が、感光層中で完全に吸収されることなく、感光層を透過した光が、電子写真感光体の基体表面にまで到達して反射し、この反射光が感光層内において多重反射することによって、可干渉光となって干渉縞の発生することがあげられる。
【0005】
このような画像むらの原因となる干渉縞の発生を防止する一つの手法に、電子写真感光体の基体表面を粗面化することがあげられる。図15は、基体表面における光の反射の状態を示す図である。図15(a)は、平滑に仕上げられた基体表面1における光の反射の状態を示す。平滑な基体表面1では、入射した光L11,L12,L13がそれぞれ正反射する。また平滑な基体表面1上に形成される感光層2の厚みT1は均一に形成されるので、基体表面1で反射された光L11,L12,L13が、感光層2の表面でも正反射される。したがって、基体表面1が平滑な場合、位相の揃った光L11,L12,L13が多重反射して強め合い(弱め合い)干渉パターンが形成されるので、感光体表面に形成される画像にも干渉縞が発生する。
【0006】
図15(b)は、粗面化された基体表面3における光の反射の状態を示す。粗面化された基体表面3では、入射した光L21,L22,L23がそれぞれ異なった方向に乱反射して散乱する。また粗面化された基体表面3上に形成される感光層4の厚みは、図15(b)に示すたとえば厚みT21,T22のように各所で異なるので、基体表面3で乱反射された光L21,L22,L23は、感光層4の表面では正反射するけれども、その位相が異なる。したがって、基体表面3が粗面化されている場合、光L21,L22,L23による干渉パターンが形成されないので、感光体表面に形成される画像において干渉縞の発生することが防止される。
【0007】
ところで、電子写真感光体の感光層は、一般的に生産性の高さから、感光体塗布液を満たした塗布槽に基体を浸漬した後、所定の速度で基体を引上げるという浸漬塗布法によって形成されることが多い。この浸漬塗布法では、基体引上げ時に引上げ方向の反対の方向にだれを生じて層厚にむらが形成され易く、また塗布液に蒸発し易い有機溶剤が含まれるので、塗布槽内の塗布液から溶剤のみが蒸発し、塗布液の粘度および濃度が変化して塗布時の層厚が安定しないという問題がある。
【0008】
層厚むら防止および層厚の安定形成には、基体に感光層を塗布形成する過程において精度良く層厚を測定し、測定結果に応じて塗布量を制御して層厚を調整する方法がとられており、そのために感光層の層厚測定方法が種々提案されている。この層厚測定方法には、段差計および渦電流式膜厚計などの接触式膜厚測定法ならびに色彩色差法,光干渉法および光吸収法などの非接触式膜厚測定法が用いられているけれども、比較的操作が平易であり、かつ短時間での測定が可能なので、光干渉法が多用されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
ここで光干渉法による層厚測定原理について、以下に簡単に説明する。図16は、透明膜5における光の反射挙動を示す図である。図16(a)には、透明膜5に入射した光L31が、透明膜5内で多重反射している状態を示す。透明膜5の表面5aからの反射光L32として測定される光は、透明膜5内を多重反射した光の合成されたものである。光は波であるので、光の合成に際し、位相差が2πの整数倍であれば強め合い、πの奇数倍であれば打消し合って干渉が生じる。
【0010】
図16(b)は、基体6上に形成された透明膜7における光の反射の状態を示す。基体6上に形成された透明膜7における光の反射率Rは、式(1)によって求められる。
ここで、X=4πN1d/λ
λ:光の波長
d:透明膜の厚み
R1:透明膜表面における反射率
R2:基体表面における反射率
N1:透明膜の屈折率
N2:基体の屈折率
ただし、N2>N1である。
【0011】
また透明膜表面7aにおける反射率R1および基体表面6aにおける反射率R2は、屈折率を用いて式(2)および式(3)によってそれぞれ求められる。
R1=(1−N1)/(1+N1) …(2)
R2=(N1−N2)/(N1+N2) …(3)
【0012】
光の干渉によって強め合う(または弱め合う)波長において、反射率Rは極大値(または極小値)になるので、この反射率Rが極大値(または極小値)を示す波長を求めるべく、反射率Rを波長λで微分すると式(4)が得られる。
(1/λn)−(1/λn+1)=1/2N1d …(4)
ここで、λn:n番目の極大値(または極小値)を持つ波長
【0013】
前述の式(4)によって、強め合う(または弱め合う)波長および屈折率が既知であれば、透明膜7の厚みdを得ることができる。膜の屈折率および波長は、たとえば分光光度計によって測定することができるので、その測定結果から式(4)に基づいて膜厚を求めることができる。逆に膜の屈折率が未知のものについては、厚みが明らかな膜を形成し、その厚みが既知である膜の屈折率を式(4)に基づいて予め求めておくことによって、同一の素材で形成される膜の任意の厚みを求めることができる。
【0014】
このように光干渉法は、電子写真感光体の感光層の中で多重反射される光の干渉パターンを利用して感光層の厚みを測定するので、前述のように画像むらの原因となる干渉縞の発生を防止するために電子写真感光体の基体表面を粗面化し、基体表面と感光層表面との反射に基づく干渉を弱くすると、感光層の厚みを測定することが困難になるという問題がある。
【0015】
このような問題を解決するために、感光層の厚み測定に用いる光の波長を、日本工業規格(JIS)B0601に規定される十点平均粗さ(Rz)で示される基体の表面粗さよりも長い波長の光を用いることによって、光の合成時におけるピークの消失を抑制し、弱い干渉であっても厚み測定ができるようにしている(たとえば、特許文献2参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平4−336540号公報(第4頁、第2図)
【特許文献2】
特開2000−356859号公報(第4頁、第6図)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献2に開示される技術にも、以下のような問題がある。画像形成装置の高解像度化が進むのに伴い、電子写真感光体の表面に静電潜像を書込む光のスポット径は、小径化されている。前述の光のスポット径を小径化すると、電子写真感光体の基体表面を粗面化しているにも関らず、干渉縞の発生する場合がある。したがって、前述の光のスポット径が小さい場合、干渉縞の発生を防止するために基体の表面粗さを一層粗くする傾向にあり、表面粗さが粗くなるのに伴って、厚み測定に用いる光の波長もさらに長いものが用いられる。このように厚み測定に用いる光の波長が長くなると、隣り合う波長間隔が広がるので、厚みの測定精度が低下または測定することができなくなるという問題がある。
【0017】
本発明の目的は、導電性基体の表面粗さを限定することによって画像の干渉縞発生を防止するとともに、光干渉法により精度良く層厚を測定することのできる電子写真感光体およびその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の電子写真感光体およびそれを備える種々の画像形成装置によって形成された画像のうち、感光層中における多重反射に起因すると考えられる濃淡縞が画像に発生しているものと、発生していないものとについて詳細な観察を重ねた。その結果、基体の表面粗さと濃淡縞発生との間には相関があるけれども、よく用いられている表面粗さの指標であるJIS B0601−1994に規定される最大高さ(Ry),中心線平均粗さ(Ra),十点平均粗さ(Rz)および断面曲線の山間隔の平均値である平均山間隔(Sm)だけでは、表面粗さと濃淡縞発生の有無との関係を明らかにすることはできないことが判った。
【0019】
すなわち、可干渉光を用いる電子写真プロセスにおける感光層中での多重反射に起因する干渉縞(画像における濃淡縞)は、基体の表面粗さおよび微細な波形形状に影響を受けることは知られており、基体表面のRy,Ra,RzおよびSmをある程度以上の大きさ(粗さ)に設定し粗面化することによって、干渉縞の発生抑止に効果を得ることはできる。
【0020】
しかしながら、光スポット径の小さい画像形成装置において形成される画像に発生する干渉縞については、その干渉縞発生の有無と表面粗さとを、Ry,Ra,RzおよびSmのみで関係付けることは困難であり、Ry,Ra,RzおよびSmに加えて、予め定める測定距離である基準長さにおいて、予め定める上下幅以上の高さを有する山の数を計数するピークカウントPcを指標に導入することによって、初めて干渉縞発生の有無と表面粗さとの相関を明確にすることができるとともに、Ry,Ra,Rz,SmおよびPcを好適範囲に限定することによって、干渉縞の発生を防止し、表面粗さの粗い領域においても、光干渉法による層厚みを精度良く測定することが可能になるとの知見を得て本発明に至ったものである。
【0021】
本発明は、導電性基体上に感光層を備え、可干渉光によって露光される電子写真感光体において、
前記導電性基体の表面粗さは、
最大高さ(Ry),中心線平均粗さ(Ra),十点平均粗さ(Rz)および断面曲線の山間隔の平均値である平均山間隔(Sm)が、
(a)Ry=0.8〜1.4μm
(b)Ra=0.10〜0.15μm
(c)Rz=0.7〜1.3μm
(d)Sm=5〜30μm
を満足し、
ピークカウントPcが、
(e)Pc=60〜100
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
【0022】
本発明に従えば、電子写真感光体の導電性基体の表面粗さは、その指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて好適範囲に限定される。このことによって、導電性基体上に形成される感光層中における光の多重反射に起因する画像の干渉縞発生を防止できるとともに、光干渉法により精度良く層厚を測定することのできる電子写真感光体が実現される。ここで、ピークカウントPcは、米国自動車技術者会規格SAE J911−1986に規定されるパラメータPPIに準ずる表面粗さの指標であり、前述のように基準長さにおいて予め定める上下幅以上の高さを有する山の数を計数した値である。
【0023】
また本発明は、導電性基体上に電荷発生層および電荷輸送層、または下引層,電荷発生層および電荷輸送層を順次塗布形成して積層する電子写真感光体の製造方法において、
表面粗さの指標である最大高さ(Ry),中心平均粗さ(Ra),十点平均粗さ(Rz)および断面曲線の山間隔の平均値である平均山間隔(Sm)が、
(a)Ry=0.8〜1.4μm
(b)Ra=0.10〜0.15μm
(c)Rz=0.7〜1.3μm
(d)Sm=5〜30μm
を満足し、
ピークカウントPcが、
(e)Pc=60〜100
を満足する導電性基体を準備し、
前記導電性基体上に層を形成するべく塗布するに際し、層の厚みを光干渉法によって逐次測定する工程と、
測定結果を制御手段にフィードバックする工程と、
測定結果に応じた制御手段の出力によって塗布量を制御し、層の厚みを調整する工程とを含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
【0024】
本発明に従えば、表面粗さの指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて表面粗さを好適範囲に限定した導電性基体が準備され、その導電性基体上に感光層を構成する各層を塗布形成するに際し、層の厚みを光干渉法によって測定し、測定結果をフィードバックして、層厚みを調整しながら電子写真感光体を製造する。このように導電性基体の表面粗さが好適範囲にあり、光干渉法による層厚測定を精度良く行うことができるので、感光層を構成する各層を塗布形成する際に層厚の安定形成が可能になるとともに、層厚むらの発生が防止される。また感光層の厚み精度に優れ、干渉縞を発生することのない電子写真感光体が製造される。
【0025】
また本発明は、前記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に1200dpi以上の画素密度で像露光して静電潜像を形成する露光装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0026】
本発明に従えば、画像形成装置には、粗さの指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて表面粗さの好適範囲に限定された導電性基体を有する電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に1200dpi以上の画素密度で像露光して静電潜像を形成する露光装置とが備えられる。このことによって、好適な表面粗さの導電性基体を有する電子写真感光体に、小さなスポット径の光で静電潜像を形成することができるので、干渉縞の発生が防止され、かつ高解像度の品質に優れた画像を形成することのできる画像形成装置が実現される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である電子写真感光体10の構成を簡略化して示す斜視図である。電子写真感光体10(以後、単に感光体と略称する)は、導電性を有する素材からなる導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に形成される下引層12と、下引層12の外周面上に形成される電荷発生層13と、電荷発生層13のさらに外周面上に形成される電荷輸送層14とを含む。ここで下引層12と、電荷発生層13と、電荷輸送層14とは、感光層15を構成する。
【0028】
図1(a)に示す導電性基体11は、円筒形状を有し、アルミニウム,銅,ステンレスまたは真鍮などの金属製である。なお導電性基体11は、金属製に限定されるものではなく、アルミニウム合金などの金属フィルムまたは酸化インジウムなどの導電性材料をポリエステルフィルムや紙などの円筒状部材に成膜したものであってもよい。導電性基体11は、その外周面16の表面粗さが以下の範囲を満足するように形成される。JIS B0601−1994に規定されるRy,Ra,RzおよびSmが、(a)Ry=0.8〜1.4μm、(b)Ra=0.10〜0.15μm、(c)Rz=0.7〜1.3μm、(d)Sm=5〜30μmの範囲であり、SAE J911−1986に規定されるパラメータPPIに準ずるピークカウントPcが、(e)Pc=60〜100の範囲である。
【0029】
導電性基体11の表面を前述の表面粗さに仕上げる方法には、切削法,ホーニング法,エッチング法,剛体球落下/衝突法,凹凸形状円筒体圧接法,研削法,レーザー照射法,高圧水噴射法などのような機械的に粗面化する方法、または陽極酸化法,ベーマイト処理法,加熱酸化処理法などのような酸化処理によって粗面化する方法のうち、いずれの方法が用いられてもよい。たとえば、機械的な方法である切削加工では、バイト材質,バイトの切刃形状,バイトの送り速度および潤滑剤の種類などを、適宜選択することによって、各指標値が前述の範囲となる表面粗さを得ることができる。以下に表面粗さの各指標の範囲限定理由について説明する。
【0030】
(a)最大高さRy=0.8〜1.4μm:図2は、最大高さRyの定義を説明する図である。Ryは、表面粗さの測定結果を表す断面曲線(カットオフ後では粗さ曲線と呼ばれる。一般的には大きい波長のうねりをカットオフすることが多いので、ここでは測定結果の曲線を以後粗さ曲線と呼ぶことにする)からその平均線mの延びる方向に基準長さLだけ抜取った部分における最大高さを有する山17の高さRqと最大深さを有する谷18の深さRvとの和(Ry=Rq+Rv)である。ここで高さおよび深さは、前記平均線mに対して直交する方向の距離をいう。
【0031】
Ryが0.8μm未満であると、導電性基体表面16の反射光による干渉縞が発生する。Ryが1.4μmを超えると、粗大な導電性基体表面16が感光層15内へのキャリア注入部として作用するので、画像形成時の黒地部に白点または白地部に黒点の発生する原因となる。したがって、Ryを0.8〜1.4μmとした。
【0032】
(b)中心線平均粗さRa=0.10〜0.15μm:Raは、平均線mから粗さ曲線までの偏差の絶対値の平均である。Raは、平均線mをX軸とし、平均線mに直交する方向の軸をY軸とし、粗さ曲線yをy=f(x)で表したとき、次の式(5)で与えられる。
【数1】
【0033】
Raが、0.10μm未満であると干渉縞の発生率が大きくなり、0.15μmを超えると光干渉法による層厚測定が困難になる。したがって、Raを0.10〜0.15μmとした。
【0034】
(c)十点平均粗さRz=0.7〜1.3μm:図3は、十点平均粗さRzの定義を説明する図である。Rzは、基準長さL内における最も高い山から5番目の高さの山までの高さ(Yp1〜Yp5)の絶対値の平均値と、基準長さL内における最も深い谷から5番目の深さの谷までの深さ(Yv1〜Yv5)の絶対値の平均値との和である。前述の最大高さRyでは、測定範囲内に局所的な傷や凹部などが存在するとき、その傷や凹部の測定値をRyとして抽出し、本来の表面粗さとは乖離した結果を示すことがある。しかしながら、Rzは、複数の山および谷の平均値を採るので、本来の表面粗さと大きく乖離することのない結果を得ることができる。Rzが、0.7μm未満であると干渉縞が発生し、1.3μmを超えると画像形成時の黒地部に白点または白地部に黒点の発生する原因となる。したがって、Rzを0.7〜1.3μmとした。
【0035】
(d)平均山間隔Sm=5〜30μm:平均山間隔Smは、平均線mの延びる方向における1つの山の距離とその山に隣合う1つの谷の距離との和によって与えられる区間長さ(Smi)の平均値であり、基準長さL内の区間がn個であるとき、次の式(6)によって与えられる。
【数2】
【0036】
Smは、導電性基体11と感光層15との密着性および干渉縞の発生感受性と相関があり、5μm未満であっても、また30μmを超えても干渉縞が発生し易くなる。したがって、Smを5〜30μmとした。
【0037】
(e)ピークカウントPc=60〜100:図4は、ピークカウントPcの定義を説明する図である。ピークカウントPcは、米国自動車技術者会規格SAEJ911−1986に規定されるパラメータPPIに準ずる表面粗さの指標である。Pcは、粗さ曲線19の平均線mから山および谷の両方向に予め定める基準レベルHを設け、粗さ曲線19が、1度谷側に設けられた基準レベルHを超えた後、山側に設けられた基準レベルHを超えたとき、1カウントする。Pcは、基準長さL内における前述のカウントの累積値である。本実施の形態では、山側に設けられる基準レベルHを0.2μm、谷側に設けられる基準レベルHを−0.2μmおよび基準長さLを4mmとしてPcをカウントした。
【0038】
ピークカウントPcは、光が反射する際における散乱の多少に関係する指標である。Pc測定時における基準レベルHをたとえば中心線平均粗さRaよりも大きくし、Pcの範囲を限定することによって、中心線平均粗さRaよりも大きい凹凸を有する山の数を限定することができる。
【0039】
Pcが60未満で大きい凹凸を有する山の数が少ないとき、画像形成に際して干渉縞が発生する。Pcが100を超えて大きい凹凸を有する山の数が多いとき、光の散乱反射が多くなるので画像形成に際して干渉縞発生の恐れはないけれども、散乱反射が増すことによって干渉光を得ることができないので光干渉法による層厚の測定が不能になる。したがって、Pcを60〜100とした。
【0040】
Pcに好適範囲が得られる理由は、次のように推察される。感光体10に静電潜像を形成するべく光が照射される微小領域、たとえば画素密度が1200dpi以上の微小な光スポット領域においては、導電性基体表面16に適正数形成されている比較的大きな凹凸が、微小領域内で光を充分に散乱反射させるので、画像形成の際における干渉縞の発生が防止される。一方、光干渉法において、感光体10の層厚測定に用いられる投光/受光プローブのような径:2〜5mm程度の大きさの測定領域においては、導電性基体表面16に適正数形成されている比較的大きな凹凸が、層厚測定用の光を散乱反射させたとしても、広い測定領域内では多重反射が起こり得るので、わずかながらも干渉が生じ、この干渉を検知することによって光干渉法による層厚測定が可能になるものと考えられる。
【0041】
図1に戻って、下引層12は、導電性基体表面16における欠陥の被覆,導電性基体11から電荷発生層13への電荷注入性改良,感光層15の導電性基体11に対する接着性改良および電荷発生層13の塗布性改良のため、導電性基体表面16に形成される。下引層12の材料としては、ポリアミド,共重合ナイロン,カゼイン,ポリビニルアルコール,セルロースまたはゼラチンなどが好適に用いられる。下引層12は、前述の材料から選択される1または2以上を各種有機溶剤に溶解し、層厚が0.1〜5μm程度になるように導電性基体11に塗布して形成される。また、下引層12中には、低温低湿特性改善および抵抗率調整などを目的として、アルミナ,酸化スズ,酸化チタンなどの無機顔料が分散含有されてもよい。
【0042】
電荷発生層13は、光照射により電荷を発生する電荷発生材料を主成分として含み、さらに公知の結合剤(または結着剤),可塑剤および増感剤を含有してもよい。電荷発生材料には、ペリレン系顔料,多環キノン系顔料,無金属フタロシアニン顔料,金属フタロシアニン系顔料,ならびにスクアリリウム色素,アズレウニム色素,チアピリリウム色素およびカルバソール骨格,スチリルスチルベン骨格,トリフェニルアミン骨格,ジベンゾチオフェン骨格,オキサジアゾール骨格,フルオレノン骨格,ビススチルベン骨格,ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが適している。これらの顔料のうち、デジタル複写機およびプリンター用感光体の電荷発生材料には、無金属フタロシアニン顔料,金属フタロシアニン系顔料,アゾ顔料が特に好適に用いられる。
【0043】
電荷輸送層14は、電荷発生層13おいて発生される電荷を受け入れ、これを輸送する電荷輸送材料、たとえばシリコーン系レベリング剤および結合剤(または結着剤)を主成分として含み、さらに公知の可塑剤,増感剤などを含有してもよい。
【0044】
電荷輸送材料には、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体,ポリ−γ−カルボゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体,ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体,ポリビニルピレン,ポリビニルフェナントレン,オキサゾール誘導体,オキソジアゾール誘導体,イミダゾール誘導体,9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン,1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン,スチリルアントラセン,スチリルピラゾリン,フェニルヒドラゾン類,ヒドラゾン誘導体などの電子供与性物質,または、フルオレノン誘導体,ジベンゾチオフェン誘導体,インデノチオフェン誘導体,フェナンスレンキノン誘導体,インデノピリジン誘導体,チオキサントン誘導体,ベンゾ[c]シンノリン誘導体,フェナジンオキサイド誘導体,テトラシアノエチレン,テトラシアノキノジメタン,プロマニル,クロラニル,ベンゾイノンなどの電子受容性物質が好適に用いられる。
【0045】
電荷輸送層14に含まれる結合剤(または結着剤)には、電荷輸送材料と相溶性を有するもの、たとえばポリカーボネート,ポリビニルブチラール,ポリアミド,ポリエステル,ポリケトン,エポキシ樹脂,ポリウレタン,ポリビニルケトン,ポリスチレン,ポリアクリルアミド,フェノール樹脂,フェノキシ樹脂などが用いられる。
【0046】
図5は、感光体10の製造に用いる塗布装置21の構成を簡略化して示す図である。塗布装置21は、導電性基体11の軸線の延びる方向を垂直方向にして導電性基体11を懸垂するアーム22と、アーム22を垂直方向に昇降する昇降手段23と、昇降手段23を駆動する駆動手段24と、塗布液25を収容する容器26と、導電性基体11に形成される層であるたとえば下引層12の層厚を光干渉法によって測定する分光光度計27と、分光光度計27による層厚の測定結果に応答し、駆動手段24に対して駆動制御信号を出力する制御手段28とを含む構成である。
【0047】
容器26は、たとえばステンレス鋼などからなり、直方体形状の一方に開口部の形成される中空の容器である。塗布液25は、図示する下引層12を形成するための液のみでなく、電荷発生層13および電荷輸送層14を形成するための液が、個別の容器にそれぞれ準備される。
【0048】
下引層12を形成するための塗布液には、たとえば酸化チタンと共重合ナイロン樹脂とを、エタノール,メタノール,メタノール/ジクロロエタンなどの混合溶剤に分散したものが用いられる。電荷発生層13を形成するための塗布液には、たとえばアゾ系顔料などの電荷発生材料を、結合剤,可塑剤,増感剤などともに、シクロヘキサノン,ベンゼン,クロロホルム,ジクロロエタン,エチルエーテル,アセトン,エタノール,クロロベンゼン,メチルエチルケトンなどの溶剤に分散したものが用いられる。電荷輸送層14を形成するための塗布液には、たとえばヒドラゾン系化合物などの電荷輸送材料と、シリコーン系レベリング剤および結合剤(または結着剤)とを、可塑剤,増感剤などともに、ジクロロエタン,ベンゼン,クロロホルム,シクロヘキサノン,エチルエーテル,アセトン,エタノール,クロロベンゼン,メチルエチルケトンなどの溶剤に溶解したものが用いられる。
【0049】
アーム22は、金属製または硬質合成樹脂製であり、一方の端部付近に前述のように導電性基体11が懸垂され、他方の端部付近にめねじが刻設されてめねじ部29が形成される。昇降手段23は、すべりねじ30と、すべりねじ30の一端部32に固設される第1歯車31とを含む。すべりねじ30は、前述のアーム22に形成されるめねじ部29に螺合される。
【0050】
駆動手段24は、たとえば電動機33と、電動機33の出力軸34に固設される第2歯車35とを含む。駆動手段24の第2歯車35は、昇降手段23の第1歯車31と噛合する。したがって、電動機33の出力軸34の軸線まわりの回転駆動力が第2および第1歯車35,31を介してすべりねじ30に伝達され、すべりねじ30の軸線まわりの回転によって、すべりねじ30とめねじ部29で螺合するアーム22およびアーム22に懸垂される導電性基体11が垂直方向に移動する。
【0051】
分光光度計27は、たとえばMCPD−1100(大塚電子株式会社製)であり、投光/受光用プローブ36(以後、プローブと略称する)と、光度計本体37とを含む。図6は、プローブ36の構成を簡略化して示す投光側から見た正面図である。プローブ36は、複数の投光ファイバ38と、複数の受光ファイバ39とが、束ねられてケーシング40に収容されている。したがって、プローブ36は、層厚測定用の光を投光するとともに、ここでは下引層12と導電性基体11とで多重反射された干渉光を受光する。光度計本体37には、プローブ36で受光される干渉光から前述の式(4)に基づいて下引層12の層厚を演算する演算部が備えられる。
【0052】
制御手段28は、たとえば中央処理装置(略称CPU)を搭載するマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路である。制御手段28には、たとえばRead Only Memory(略称ROM)が備わり、このROMには、制御手段28を動作させる制御プログラムが予めストアされている。ROMから読出される制御プログラムに従って、制御手段28は、分光光度計27から出力される測定結果である層厚に応答して、駆動手段24の回転速度を制御する制御信号を出力する。
【0053】
塗布装置21では、導電性基体11上に下引層12を形成するに際し、光干渉法を用いた分光光度計27によって下引層12の層厚を逐次測定し、測定結果である層厚を制御手段28にフィードバックし、さらに制御手段28が駆動手段24および昇降手段23を介して導電性基体11の塗布液25からの引上げ速度を制御して下引層12の層厚を調整することができる。層厚を調整しながら引上げられた導電性基体11を乾燥させて、下引層12が形成される。下引層12の外層の電荷発生層13および電荷発生層13のさらに外層の電荷輸送層14を形成するに際しても、下引層12形成の場合と同様にして層厚を調整することができる。
【0054】
前述のようにして製造される感光体10を構成する導電性基体11は、その表面粗さが好適範囲にあり、光干渉法による層厚測定を精度良く行うことができるので、感光層15を構成する各層12,13,14を塗布形成する際に、層厚の安定形成が可能であり層厚むらの発生が防止される。また干渉縞を発生することのない感光体10の製造が可能になる。
【0055】
図7は、本発明のもう一つの実施の形態である画像形成装置50の構成を簡略化して示す概略断面図である。図7に示す画像形成装置50は本発明のもう一つの実施の形態であり、ここでは画像形成装置の一つである複写機50について例示する。図7を参照して前述の実施の形態の感光体10が備えられる複写機50の構成と動作について説明する。
【0056】
複写機50は、原稿送給部53と、画像読取部54と、給紙部55と、画像形成部56と、定着部57とを含む構成である。原稿送給部53は、複写されるべき原稿を送給する両面自動原稿送り装置58(略称RADF:ReversingAutomatic Document Feeder)と、RADF58から送給された原稿が予め定められる位置に載置される原稿台59と、原稿受けトレイ60とを含む。RADF58は、原稿台59に対して所定の位置関係を有するとともに開閉可能な状態で支持される。RADF58は、原稿の一方の面が原稿台59の予め定められる位置であって画像読取部54に対向する位置に載置されるように原稿を送給し、一方の面の画像読取りが終了すると、他方の面が原稿台59の予め定められる位置であって画像読取部54に対向する位置に載置されるように原稿を反転送給し、他方の面の画像読取りが終了すると、原稿を原稿受けトレイ60へ排出する。このような原稿の送給および表裏反転動作は、複写機50の全体動作に関連して制御される。なお原稿の一方の面のみを複写する場合には、原稿の反転送給は実行されない。
【0057】
画像読取部54は、原稿台59の下方に配置され、RADF58によって原稿台59に送給された原稿の画像を読取る動作を行い、原稿台59の下面に沿って平行に往復移動する第1および第2走査ユニット61,62と、光学レンズ63と、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ64とを含む。
【0058】
第1走査ユニット61は、読取るべき原稿画像表面を露光する露光ランプ65と、原稿からの反射光像を所定の方向に偏向する第1ミラー66とを備え、原稿台59の下面に対して一定の距離を保ちながら予め定められる走査速度で往復移動する。第2走査ユニット62は、第1走査ユニット61の第1ミラー66によって偏向された反射光像をさらに所定の方向に偏向する第2および第3ミラー67,68とを備え、第1走査ユニット61と一定の速度関係を保って原稿台59の下面に沿って平行に往復移動する。
【0059】
光学レンズ63は、第2走査ユニット62の第3ミラー68によって偏向された反射光像を縮小し、CCDラインセンサ64の予め定められる位置に結像させる。CCDラインセンサ64は、白黒画像またはカラー画像を読取り、赤(R),緑(G),青(B)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインカラーCCDであり、光学レンズ63によって結像された反射光像を順次光電変換して電気信号を出力する。CCDラインセンサ64から電気信号として出力される原稿画像情報は画像形成部56に入力される。
【0060】
給紙部55は、複写機50の最下部に配置され、記録媒体である記録紙Pを積載収容する用紙トレイ69と、用紙トレイ69内の記録紙Pを1枚ずつ分離送給する分離ローラ70および給紙ローラ71とを含み、画像形成部56に対して記録媒体である記録紙Pを供給する。給紙部5から1枚ずつ分離供給される記録紙Pは、記録紙Pの搬送経路各所に設けられる搬送ローラ72によって画像形成部56の手前まで搬送され、画像形成部56の手前に設けられる一対のレジストローラ73によって給紙タイミングが制御されて画像形成部56に供給される。
【0061】
画像形成部56は、画像読取部54と給紙部55との間に配置され、レーザビームスキャナユニット74と、画像形成ステーション75と、転写搬送ベルト機構76とを含む。転写搬送ベルト機構76は、画像形成部56の下部に配置され、駆動ローラ77と、従動ローラ78と、駆動ローラ77と従動ローラ78とに張架される無端ベルト79と、無端ベルト79表面を帯電させて記録紙Pを吸着させるための吸着用帯電器80と、無端ベルト79に吸着されている記録紙Pを剥離するための除電器81とを備える。
【0062】
無端ベルト79は、駆動ローラ77の軸線まわりの回転によって矢符82方向に駆動する。レジストローラ73によってタイミング制御されて供給される記録紙Pは、吸着用帯電器80によって表面の帯電された無端ベルト79に静電吸着され、前述の矢符82方向に搬送される。記録紙Pには、無端ベルト79によって矢符82方向に搬送される過程において画像が転写され、画像の転写された記録紙Pは、除電器81によって無端ベルト79から剥離されて定着部57へと搬送される。レジストローラ73による給紙のタイミング制御は、記録紙Pの搬送方向先端部が搬送経路内に設けられる図示しないセンサによって検知され、このセンサの検知出力に応じて実行される。
【0063】
複写機50は、カラー複写機であるので、レーザビームスキャナユニット74および画像形成ステーション75は、黒色,シアン色,マゼンタ色およびイエロー色の各色に対応して4組が設けられる。各レーザビームスキャナユニット74および画像形成ステーション75は、現像に用いられるトナーの色が、黒色,シアン色,マゼンタ色,イエロー色に異なること、および画像原稿情報のうち黒色成分像に対応する画素信号,シアン色成分像に対応する画素信号,マゼンタ色成分像に対応する画素信号,イエロー色成分像に対応する画素信号が、それぞれ入力されること以外は構成を同じくするので、黒色のレーザビームスキャナユニット74および画像形成ステーション75を代表例として説明し、他については説明を省略する。なお、各色に対応するレーザビームスキャナユニット74および画像形成ステーション75を個々に示す場合には、アルファベットの添字:b(黒色),c(シアン色),m(マゼンタ色),y(イエロー色)を付して表す。
【0064】
図8は、黒色画像形成用レーザビームスキャナユニット74bおよび画像形成ステーション75bの構成を示す拡大図である。レーザビームスキャナユニット74bは、画像読取部54から入力される画像原稿情報に応じて変調されたドット光を発光する図示しない半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させるポリゴンミラー83bと、ポリゴンミラー83bによって偏向されたレーザビームを感光体10bの表面に結像させるfθレンズ84b,85bと、反射ミラー86b,87b,88bとを備える。反射ミラー88bで反射されたレーザビームは、画像形成ステーション75bの感光体10b表面を露光し、静電潜像を形成する。このレーザビームスキャナユニット74bは、感光体10bの表面に露光用の光を照射する露光装置を構成する。
【0065】
露光装置であるレーザビームスキャナユニット74bは、感光体10bの表面に1200dpi以上の画素密度で像露光して静電潜像を形成することができる。すなわち、レーザビームスキャナユニット74を備える本実施の形態の複写機50は、高解像度用の機器である。
【0066】
画像形成ステーション75bは、軸線89まわりに矢符F方向に回転自在に支持される感光体10bと、感光体10bの円周面に沿って配置される以下の機器、すなわち前述のレーザビームで露光される前に感光体10bの表面を一様に帯電させる帯電器91bと、レーザビームスキャナユニット74bから出力されるレーザビームの露光によって感光体10bの表面に形成される静電潜像を現像して可視化する現像器92bと、無端ベルト79を介して感光体10bに対向して設けられ現像された画像を無端ベルト79上の記録紙Pに転写させる転写用放電器93bと、静電潜像の現像処理後に感光体10bの表面に残留するトナーを除去回収するクリーニングユニット94bとを備える。帯電器91b,現像器92b,転写用放電器93bおよびクリーニングユニット94bは、矢符Fで示す回転方向の上流側から下流側に向ってこの順序で設けられる。
【0067】
帯電器91bは、放電によって感光体10bの表面を一様に帯電させる。一様に帯電された感光体10bの表面が、画像原稿情報に応じたレーザビームスキャナユニット74bからのレーザビームによって露光され、露光された部位の帯電量と露光されなかった部位の帯電量とに差異が生じて静電潜像が形成される。
【0068】
現像器92bは、感光体10bに対向して設けられる現像ローラ95bと、現像ローラ95bにトナーを含む現像剤を供給する現像剤搬送ローラ96bと、現像ローラ95bおよび現像剤搬送ローラ96bを回転自在に支持するとともに、その内部空間に現像剤を収容するケーシング97bとを備える。現像器92bの現像ローラ95bから、静電潜像の形成された感光体10bの表面に現像剤が供給されることによって静電潜像が現像されて可視化される。可視化された画像は、前述のように転写用放電器93bによって無端ベルト79上の記録紙Pに転写される。
【0069】
図7に戻って、黒色の画像が転写された記録紙Pには、無端ベルト79に吸着されたまま矢符82方向に搬送され、搬送方向上流側から下流側に向って以下の順に設けられるシアン色,マゼンタ色,イエロー色のレーザビームスキャナユニット74c,74m,74yおよび画像形成ステーション75c,75m,75yを通過する際に、シアン色,マゼンタ色,イエロー色の画像が、前述の黒色画像の場合と同様にして順次転写される。このようにして記録紙Pにフルカラー画像が形成される。フルカラー画像の形成された記録紙Pは、除電器81によって無端ベルト79から剥離されて定着部57へ送給される。
【0070】
定着部57は、図示しない加熱手段を備える加熱ローラ98と、加熱ローラ98に対向して設けられ加熱ローラ98に押圧されて当接部いわゆるニップ部100を形成する加圧ローラ99とを備える。定着部57に供給された記録紙Pは、ニップ部100を通過する際に加熱および加圧され、記録紙P上の現像剤が定着されて堅牢な画像となる。
【0071】
定着部57によって定着された記録紙Pは、一方の表面だけに画像形成する場合または一方の表面の画像形成を終えた後反転されて他方の表面に画像形成する場合、切換ゲート101の動作によってその上方へ送給され、さらに排出ローラ102によって排紙トレイ103へ排出される。なお、記録紙Pの一方の表面に画像形成した後、さらに続けて他方の表面に画像形成する場合、記録紙Pは、切換ゲート101の動作によってその下方に送給され、スイッチバック搬送経路104を経て表裏反転された後、再度画像形成部56へ搬送される。画像形成部56へ送給された記録紙Pには、前述と同様にして画像形成される。
【0072】
前述のように、本実施の形態の複写機50には、粗さの指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて表面粗さの好適範囲に限定された導電性基体11を有する感光体10と、感光体10の表面に1200dpi以上の画素密度で像露光することのできるレーザビームスキャナユニット74とが備えられる。このことによって、好適な表面粗さの導電性基体11を有する感光体10に、1200dpi以上の画素密度で像露光して静電潜像を形成することができるので、干渉縞の発生が防止され、かつ高解像度の品質に優れた画像を形成することのできる複写機が実現される。
【0073】
(実施例)
以下本発明の実施例を説明するけれども、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0074】
(実施例1〜実施例11)
直径:30mm,厚み:0.75mm,長さ:322.3mmのアルミニウム製の円筒形状を有する導電性基体を準備した。このアルミニウム製円筒部材からなる導電性基体の外周表面を、ダイヤモンドバイトを用い、バイトの切刃形状,バイトの送り速度および潤滑剤の種類などを変化させて切削加工し、その表面粗さが本発明の範囲内である(a)最大高さRy:0.8〜1.4μm,(b)中心線平均粗さRa:0.10〜0.15μm,(c)十点平均粗さRz:0.7〜1.3μm,(d)平均山間隔Sm:5〜30μm,(e)ピークカウントPc:60〜100になるように仕上げた。切削加工後における導電性基体の表面粗さ、すなわち前述の(a)〜(e)は、表面粗さ計:サーフコム570A(東京精密株式会社製)によって測定された。
【0075】
前述のようにして表面仕上げした導電性基体に、まず下引層を形成した。下引層の塗布液は、共重合ナイロン樹脂(CM4000;東レ株式会社製)6重量部をメタノール94重量部に溶解したものを用いた。この塗布液を前述の塗布装置21を用いて、層厚を調整しながら導電性基体に塗布して、厚みが約0.9μmの下引層を形成した。塗布装置21において層厚測定に使用した光干渉法による分光光度計は、大塚電子株式会社製MCPD−1100である。MCPD−1100は、光プローブの直径が10mmであり、このプローブが導電性基体の半径方向の延長方向であって、導電性基体の外周面から約2mm離隔した位置に配置されたので、導電性基体の外周面における光の照射径は約3mmであった。層厚の測定に用いた光の波長は、550〜850nmであり、下引層塗膜の反射スペクトルを測定した。測定に先立ち、同一組成で層厚が既知の下引層を形成しておき、該下引層の干渉パターンから前述の式(4)によって屈折率を予め求めて光度計本体の演算部に入力した。この予め求めておいた屈折率と、測定された下引層塗膜の反射スペクトルとから式(4)に従って層厚を求めた。
【0076】
次に下引層の外層に電荷発生層を形成した。電荷発生層の塗布液は、X型メタルフリーフタロシアニン1重量部,ブチラール樹脂(エスレックBM−2;積水化学株式会社製)1重量部およびテトラヒドロフラン120重量部を調合し、ボールミルにて12時間分散処理したものを作製した。この塗布液を前述の塗布装置21を用いて、層厚を調整しながら下引層の外層に塗布して、厚みが約0.2μmの電荷発生層を形成した。層厚測定は、前述の下引層の層厚測定と同様の手順にて行った。
【0077】
電荷発生層のさらに外層に電荷輸送層を形成した。電荷輸送層の塗布液は、ヒドラゾン系電荷輸送材(ABPH;日本化薬株式会社製)1重量部,ポリカーボネト樹脂(パンライトL−1250;帝人化成株式会社製)1重量部およびシリコーン系レベリング剤(KF−96;信越化学工業株式会社製)0.00013重量部を、ジクロロエタン8重量部に加えて45℃で加熱溶解し、溶解後自然冷却したものを用いた。この塗布液を前述の塗布装置21を用いて、層厚を調整しながら電荷発生層の外層に塗布して、厚みが22μm程度の電荷輸送層を形成した。層厚の測定に用いた光の波長は、650〜750nmであり、電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた塗膜の反射スペクトルを測定し、式(4)に従って電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた層厚を求め、前述の電荷発生層の層厚を減算して電荷輸送層の層厚を求めた。以上のようにして、導電性基体が、本発明の範囲内の各表面粗さ指標値を有する実施例1〜実施例11の感光体を作製した。
【0078】
(比較例1〜比較例11)
ダイヤモンドバイトの切刃形状,バイトの送り速度および潤滑剤の種類などの条件を変化させて導電性基体の外周表面を切削加工し、表面粗さ指標値であるRy,Ra,Rz,Sm,Pcのいずれか1または2以上が、本発明の範囲外になるように仕上げを施した以外は、実施例1〜実施例11と同様にして比較例1〜比較例11の感光体を作製した。
【0079】
前述のようにして作製した実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例11の感光体を複写機にそれぞれ装着し、複写機によって形成された画像の画質を評価した。また前述の感光体作製過程における下引層の層厚測定(以後、UC膜厚測定と称する)の難易度および電荷発生層と電荷輸送層との層厚和測定(以後、CT膜厚測定と称する)の難易度を評価した。以下評価指標について説明する。
【0080】
画質: 波長が780nmのレーザ光を放射し、そのレーザ光の感光体表面に1200dpiの画素密度で像露光するレーザビームスキャナユニットを備える複写機に、実施例1〜11および比較例1〜10の感光体をそれぞれ装着し、記録紙上に画像形成した。比較例11の感光体のみは、波長が780nmのレーザ光を放射し、そのレーザ光の感光体表面に600dpiの画素密度で像露光するレーザビームスキャナユニットを備える複写機に装着させて記録紙上に画像形成された。すなわち、比較例11では、本発明の範囲外の表面粗さ指標値を有する導電性基体からなる感光体を用いて低解像度の複写機で画像形成した場合の画質評価を行った。
【0081】
各感光体がそれぞれ装着された複写機によって形成された画像を目視観察し、まったく画像欠陥の認められなかったものを優良(◎)と評価し、干渉縞および/または黒点が若干認められるけれども、実使用上問題ないものを良(○)と評価し、干渉縞および/または黒点が多く実使用に耐えないものを不良(×)と評価した。
【0082】
UC膜厚測定:下引層の形成過程において、下引層の層厚測定時に測定された反射スペクトルの干渉パターンによって、測定の難易度を評価した。図9〜図11は、下引層の層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。図9〜図11のそれぞれに示すライン111,112,113が、下引層の層厚測定時に得られた反射スペクトルである。図9中のライン111のように測定波長範囲内において干渉ピークが2個以上存在し、層厚を容易に測定できたものを「○」と評価した。図10中のライン112のように測定波長範囲内において干渉ピークの判別がやや困難であるけれども層厚の測定は可能であったものを、「△」と評価した。図11中のライン113のように測定波長範囲内において干渉ピークが存在せず、層厚の測定が不可能であったものを、「×」と評価した。
【0083】
CT膜厚測定:電荷輸送層の形成過程において、電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた層厚測定時に測定された反射スペクトルの干渉パターンによって、測定の難易度を評価した。図12〜図14は、電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。図12〜図14のそれぞれに示すライン114,115,116が、層厚測定時に得られた反射スペクトルである。図12中のライン114のように測定波長範囲内において干渉ピークが明瞭に認められ、層厚を容易に測定できたものを「○」と評価した。図13中のライン115のように測定波長範囲内において干渉ピークの判別がやや困難であるけれども層厚の測定は可能であったものを、「△」と評価した。図14中のライン116のように測定波長範囲内において干渉ピークが存在せず、層厚の測定が不可能であったものを、「×」と評価した。
【0084】
実施例1〜11および比較例1〜11の評価結果を表1にまとめて示す。表1に示すように、本発明の実施例1〜11では、画質評価結果が「◎」ないし「○」であり、UC膜厚測定およびCT膜厚測定の評価結果が「○」ないし「△」であった。すなわち、表面粗さの各指標値が本発明に規定する好適範囲内になるように表面仕上げされた導電性基体からなる感光体を、高解像度の画像形成装置に適用することによって、画質に優れた画像形成をすることができ、かつ光干渉法により精度よく感光層の層厚測定をすることができた。
【0085】
表面粗さの各指標値のうちいずれか1または2以上が本発明に規定する範囲外になるように表面仕上げされた導電性基体からなる感光体を、高解像度の画像成装置に適用した比較例1〜比較例9では、画質が「×」であり、比較例10では膜厚測定の評価結果が「×」であった。特に本発明の最も特徴とする表面粗さ指標値であるピークカウントPcが、下限値未満である比較例9では、UCおよびCT膜厚測定が「○」であるけれども画質が「×」であり、Pcが上限値を超える比較例10では、画質が「◎」であるけれどもUCおよびCT膜厚測定が「×」であった。
【0086】
なお表面粗さの各指標値のすべてが本発明に規定する範囲外になるように表面仕上げされた導電性基体からなる感光体を、低解像度の画像成装置である600dpi機に適用した比較例11では、画質の評価結果が「◎」であり、またPcが下限値未満であるのでUCおよびCT膜厚測定の評価結果が「○」であった。
【0087】
比較例1〜比較例11の評価結果より、低解像度の600dpi機では、導電性基体の表面粗さを特に粗くしなくてもある程度の画質を得ることができるので、光干渉法による膜厚測定も容易であるけれども、高解像度の1200dpi機では、表面粗さを厳密に規定しなければ画質と光干渉法による膜厚測定とを両立させることが困難であった。すなわち、導電性基体の表面粗さを厳密に規定することによって、画質の向上と光干渉法による精度のよい層厚測定とを両立させるという作用効果は、感光体表面に1200dpi以上の画素密度で像露光して静電潜像を形成する露光装置を備える画像形成装置において顕著に発揮されることが明らかにされた。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、電子写真感光体の導電性基体の表面粗さは、その指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて好適範囲に限定される。このことによって、導電性基体上に形成される感光層中における光の多重反射に起因する画像の干渉縞発生を防止できるとともに、光干渉法により精度良く層厚を測定することのできる電子写真感光体が実現される。
【0090】
また本発明によれば、表面粗さの指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて表面粗さを好適範囲に限定した導電性基体が準備され、その導電性基体上に感光層を構成する各層を塗布形成するに際し、層の厚みを光干渉法によって測定し、測定結果をフィードバックして、層厚みを調整しながら電子写真感光体を製造する。このように導電性基体の表面粗さが好適範囲にあり、光干渉法による層厚測定を精度良く行うことができるので、感光層を構成する各層を塗布形成する際に層厚の安定形成が可能になるとともに、層厚むらの発生が防止される。また感光層の厚み精度に優れ、干渉縞を発生することのない電子写真感光体が製造される。
【0091】
また本発明によれば、画像形成装置には、粗さの指標としてRy,Ra,Rz,Smに加えてPcを用いて表面粗さの好適範囲に限定された導電性基体を有する電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に照射される光スポット径が40μm以下である露光手段とが備えられる。このことによって、好適な表面粗さの導電性基体を有する電子写真感光体に、小さなスポット径の光で静電潜像を形成することができるので、干渉縞の発生が防止され、かつ高解像度の品質に優れた画像を形成することのできる画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電子写真感光体10の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図2】最大高さRyの定義を説明する図である。
【図3】十点平均粗さRzの定義を説明する図である。
【図4】ピークカウントPcの定義を説明する図である。
【図5】感光体10の製造に用いる塗布装置21の構成を簡略化して示す図である。
【図6】プローブ36の構成を簡略化して示す投光側から見た正面図である。
【図7】本発明のもう一つの実施の形態である画像形成装置50の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図8】黒色画像形成用レーザビームスキャナユニット74bおよび画像形成ステーション75bの構成を示す拡大図である。
【図9】下引層の層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。
【図10】下引層の層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。
【図11】下引層の層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。
【図12】電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。
【図13】電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。
【図14】電荷発生層と電荷輸送層とを合わせた層厚測定時における反射スペクトルを示す図である。
【図15】基体表面における光の反射の状態を示す図である。
【図16】透明膜xにおける光の反射挙動を示す図である。
【符号の説明】
10 電子写真感光体
11 導電性基体
12 下引層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
21 塗布装置
22 アーム
23 昇降手段
24 駆動手段
25 塗布液
26 容器
27 分光光度計
28 制御手段
50 複写機
Claims (3)
- 導電性基体上に感光層を備え、可干渉光によって露光される電子写真感光体において、
前記導電性基体の表面粗さは、
最大高さ(Ry),中心線平均粗さ(Ra),十点平均粗さ(Rz)および断面曲線の山間隔の平均値である平均山間隔(Sm)が、
(a)Ry=0.8〜1.4μm
(b)Ra=0.10〜0.15μm
(c)Rz=0.7〜1.3μm
(d)Sm=5〜30μm
を満足し、
ピークカウントPcが、
(e)Pc=60〜100
を満足することを特徴とする電子写真感光体。 - 導電性基体上に電荷発生層および電荷輸送層、または下引層,電荷発生層および電荷輸送層を順次塗布形成して積層する電子写真感光体の製造方法において、
表面粗さの指標である最大高さ(Ry),中心線平均粗さ(Ra),十点平均粗さ(Rz)および断面曲線の山間隔の平均値である平均山間隔(Sm)が、
(a)Ry=0.8〜1.4μm
(b)Ra=0.10〜0.15μm
(c)Rz=0.7〜1.3μm
(d)Sm=5〜30μm
を満足し、
ピークカウントPcが、
(e)Pc=60〜100
を満足する導電性基体を準備し、
前記導電性基体上に層を形成するべく塗布するに際し、層の厚みを光干渉法によって逐次測定する工程と、
測定結果を制御手段にフィードバックする工程と、
測定結果に応じた制御手段の出力によって塗布量を制御し、層の厚みを調整する工程とを含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記請求項1記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に1200dpi以上の画素密度で像露光して静電潜像を形成する露光装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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